JPH05320682A - 潤滑油 - Google Patents

潤滑油

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JPH05320682A
JPH05320682A JP4151265A JP15126592A JPH05320682A JP H05320682 A JPH05320682 A JP H05320682A JP 4151265 A JP4151265 A JP 4151265A JP 15126592 A JP15126592 A JP 15126592A JP H05320682 A JPH05320682 A JP H05320682A
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lubricating
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Yuji Watanabe
祐史 渡辺
Mitsuo Shinada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結金属軸受などに用いられたとき、滲み出
し防止効果を有する潤滑油を提供する。 【構成】 潤滑基油にアニオン系、ノニオン系またはカ
チオン系のフッ素ポリマー系界面活性剤を添加した潤滑
油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油に関する。更に
詳しくは、焼結金属軸受などに用いられたとき、滲み出
し防止効果を有する潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質体である焼結金属軸受は、その特
徴をいかして潤滑油を軸受自身に含浸させることが可能
なため、起動トルクが小さく、静粛性も良好である。こ
のような利点を有する焼結金属軸受はまた、小型である
ため、家電製品、自動車の電装関係などに使用されてい
る。
【0003】しかしながら、焼結金属軸受は、潤滑油を
軸受自身に含浸させているだけであるので、軸の回転や
回転に伴う発熱により、潤滑油の粘度が低下し、その結
果軸受から潤滑油が滲み出し、それが飛散することによ
って、周囲を汚染させるばかりではなく、焼結金属軸受
の寿命をも短くしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、焼結
金属軸受などに用いられたとき、滲み出し防止効果を有
する潤滑油を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
潤滑基油にフッ素ポリマー系界面活性剤を添加した潤滑
油によって達成される。
【0006】潤滑基油としては、粘度(40℃)が約5〜320
cst、好ましくは約20〜100cst程度の鉱油または合成油
が用いられ、好ましくは合成炭化水素系、エステル系の
ものが用いられる。
【0007】それらの2、3の例が、以下に示される。 [合成炭化水素系] RCH2CH2(CHRCH2)nCHRCH3 R:オクチル基などのアルキル基、n:1〜6 R[(CH2CH2)n(CH2CHR)m]pR R:アルキル基、n,m,p:整数 [エステル系] 1.カルボン酸ジアルキルエステル 2.ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールなどのポリオールのポリアル
キルエステル 3.トリメリット酸トリアルキルエステル
【0008】また、これらの潤滑基油に添加されるフッ
素ポリマー系界面活性剤としては、次の3種類のアクリ
ルモノマー[A]、[B]、[C]の3元共重合体が用いられる。 CH2=CR1COOR2Rf [A] R1:水素原子またはメチル基 R2:炭素数2〜12のアルキレン基 Rf:炭素数6〜14のパーフルオロアルキル基 CH2=CR1COOR3 [B] R1:水素原子またはメチル基 R3:炭素数1〜18のアルキル基 CH2=CR1COOR4X [C] R1:水素原子またはメチル基 R4:アニオン系またはノニオン系の場合 炭素数2〜12の
アルキレン基 カチオン系の場合 炭素数2〜12の(ヒドロキシ)アルキレ
ン基 X:アニオン系の場合 −SO3H、−OPO(OH)2、−OP(O
H)2、−COOHなど ノニオン系の場合 −O(CH2CH2O)nH (n:4〜12)など カチオン系の場合 −N(CH3)3Clなど
【0009】これら3種類のアクリルモノマーは、エタ
ノール、2-プロパノール、n-ブタノールなどのアルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどの溶媒(約70〜90重量部)、好ましくは2-プ
ロパノール中で、[A]:[B]:[C]が1:1:1、1:
2:1、2:1:2、1:1:2、2:1:1などの割
合、好ましくは1:1:1の割合(約30〜10重量部)で共
重合された、3元共重合体として用いられ、好ましくは
このような共重合割合のパーフルオロオクチルエチルア
クリレート-ラウリルアクリレート-2-アクリロイルオキ
シエチルアシッドフォスフェート3元共重合体(アニオン
系)、パーフルオロオクチルエチルアクリレート-ラウリ
ルアクリレート-メトキシポリエチレングリコールモノ
メタクリレート3元共重合体(ノニオン系)、パーフルオ
ロオクチルエチルアクリレート-ラウリルアクリレート-
メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウ
ムクロライド3元共重合体(カチオン系)などが用いられ
る。
【0010】かかる3元共重合体よりなるフッ素ポリマ
ー系界面活性剤は、潤滑基油に対して約0.01〜10重量
%、好ましくは約0.1〜10重量%の割合で用いられる。こ
れ以下の添加割合では、所望の滲み出し防止効果が期待
できず、一方これより多い割合で用いると、潤滑油中に
フッ素ポリマー系界面活性剤が析出してくるようになる
ので好ましくない。添加に際しては、フッ素ポリマー系
界面活性剤を、エタノール、2-プロパノール、n-ブタノ
ールなどのアルコール類またはアセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類の溶媒
に溶解させた溶液として用いられ、潤滑基油との混合後
に溶媒が留去される。
【0011】
【発明の効果】潤滑基油に少量のフッ素ポリマー系界面
活性剤を添加することにより、焼結金属軸受にそれを用
いた場合にも、軸受からの潤滑油の滲み出しや飛散がな
く、従って周囲を汚染させないばかりではなく、焼結金
属軸受自体の寿命も高めることができる。
【0012】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0013】実施例1 合成炭化水素系潤滑基油(粘度40cst/40℃)に、アニオン
系、ノニオン系またはカチオン系のフッ素ポリマー系界
面活性剤の2-プロパノール溶液を添加し、約100℃で撹
拌した後溶媒を留去して調製した潤滑油について、次の
2種類の滲み出し防止効果をみる試験を行った。得られ
た結果は、下記表1に示される。 試験1:面粗度9Sのスリ硝子板上に滲み出し防止剤添加
潤滑油を1滴(約0.01g)滴下し、滴下後の状態を経時的
に観察し、拡散幅を測定した。 試験2:焼結金属軸受に滲み出し防止剤添加潤滑油を約
0.2〜0.3g含浸させた後、材質SPCC SB、面粗度9Sの鉄板
上へこの焼結金属軸受を静置し、80℃の雰囲気中に24時
間放置した後の潤滑油の滲み出し、拡散状態を観察し、
拡散幅を測定した。 (以下余白) 表1 潤滑基油 フッ素ポリマー系界面活性剤(重量%) 滲み出し試験(mm) No. (重量%) アニオン系 ノニオン系 カチオン系 試験1 試験2 1 100.0 25.64 66.00 2 99.9 0.1 11.86 11.78 3 99.0 1.0 13.58 9.84 4 95.0 5.0 13.20 6.20 5 99.9 0.1 10.04 6.74 6 99.0 1.0 10.46 5.56 7 95.0 5.0 10.30 4.20 8 99.9 0.1 8.42 1.60 9 99.0 1.0 9.00 0 10 95.0 5.0 9.12 1.03
【0014】図1および図2は、それぞれ上記No.9とN
o.1との試験2における潤滑油の滲み出し状態を示して
おり、鉄板1上に静置された焼結金属軸受2から滲み出
た潤滑油3の拡散状態を示している。
【0015】実施例2 実施例1において、合成炭化水素系潤滑基油の代わり
に、エステル系潤滑基油(粘度48cst/40℃のトリメリッ
ト酸エステルと粘度20cst/40℃のトリメチロールプロパ
ンとを混合し、粘度を40cst/40℃に調整したもの)が用
いられた。得られた結果は、下記表2に示される。 (以下余白) 表2 潤滑基油 フッ素ポリマー系界面活性剤(重量%) 滲み出し試験(mm) No. (重量%) アニオン系 ノニオン系 カチオン系 試験1 試験2 1 100.0 26.80 66.00 2 99.5 0.5 12.06 11.52 3 98.0 2.0 12.34 11.60 4 90.0 10.0 12.64 14.64 5 99.5 0.5 11.70 5.74 6 98.0 2.0 12.16 8.40 7 90.0 10.0 11.52 7.60 8 99.5 0.5 8.96 0.89 9 98.0 2.0 8.46 0 10 90.0 10.0 8.36 0.62 注)実施例1〜2で用いられたフッ素ポリマー系界面活
性剤 アニオン系:パーフルオロオクチルエチルアクリレート
-ラウリルアクリレート-2-アクリロイルオキシエチルア
シッドフォスフェート3元共重合体 ノニオン系:パーフルオロオクチルエチルアクリレート
-ラウリルアクリレート-テトラエチレングリコールモノ
メタクリレート3元共重合体 カチオン系:パーフルオロオクチルエチルアクリレート
-ラウリルアクリレート-メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライド3元共重合体
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、No.9の試験2における潤滑油の拡
散状態図である。
【図2】実施例1、No.1の試験2における潤滑油の拡
散状態図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】 これら3種類のアクリルモノマーは、エ
タノール、2−プロパノール、n−ブタノールなどのア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン類の溶媒(約70〜90重
量部)、好ましくは2−プロパノール中で、[A]:
[B]:[C]が1:1:1、1:2:1、2:1:
2、1:1:2、2:1:1などの割合、好ましくは
1:1:1の割合(約30〜10重量部)で共重合され
た、3元共重合体として用いられ、好ましくはこのよう
な共重合割合のパーフルオロオクチルエチルアクリレー
ト−ラウリルアクリレート−2−アクリロイルオキシエ
チルアシッドフォスフェート3元共重合体(アニオン
系),パーフルオロオクチルエチルアクリレート−ラウ
リルアクリレート−メトキシポリエチレングリコールモ
ノメタクリレート3元共重合体(ノニオン系)、パーフ
ルオロオクチルエチルアクリレート−ラウリルアクリレ
ート−メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアン
モニウムクロライド3元共重合体(カチオン系)などが
用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 149:02 151:02 153:02) C10N 20:02 30:00 Z 8217−4H 40:02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑基油にフッ素ポリマー系界面活性剤
    を添加してなる潤滑油。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の潤滑油が含浸された焼結
    金属軸受。
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