JPH05320168A - 光学活性ラクトン化合物の製造方法 - Google Patents

光学活性ラクトン化合物の製造方法

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JPH05320168A
JPH05320168A JP13054492A JP13054492A JPH05320168A JP H05320168 A JPH05320168 A JP H05320168A JP 13054492 A JP13054492 A JP 13054492A JP 13054492 A JP13054492 A JP 13054492A JP H05320168 A JPH05320168 A JP H05320168A
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JP
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compound
formula
optically active
lactone compound
acid
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JP13054492A
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Kenji Matsuki
健司 松木
Hirozumi Inoue
博純 井上
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Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 環式無水物(I)から光学活性ラクトン化合
物(II)を製造する方法において、該環式無水物(I)
に、水素化アルミニウムリチウム、(R)−(+)−
1,1′−ビ−2−ナフトール、及びエタノールの反応
物などの特定の不斉還元試薬を反応させてアルコール化
合物(III)及び/又はヒドロキシラクトン化合物(IV)
を製し、生成物がヒドロキシラクトン化合物の場合はさ
らに還元してアルコール化合物(III)とし、次に酸処理
することを特徴とする光学活性ラクトン化合物(II)の
製造方法。 【化4】 【効果】 本発明の製造方法は、光学分割の工程がな
く、実質的に一工程で、(+)−ビオチンの合成中間体
である(+)−ラクトン化合物を高い不斉収率で得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生物学的に活性なビオ
チンの合成中間体として有用な光学活性ラクトンの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ビオチ
ンは光学的に活性な(+)−ビオチンのみが生物学的に
活性であり、対応する(−)−ビオチンは不活性であ
る。従って、合成された(±)−ビオチンから(+)−
ビオチンを得るためには、これを光学的対掌体に分割し
なければならない。しかしながら、光学分割により
(+)−ビオチンを得る方法にはいくつかの欠点があ
る。例えば、反応はラセミ体の中間体を用いて行われる
ので処理すべき反応物の容量が実際に必要な量の2倍と
なり無駄が多く、又ラセミ体の分割は非常に面倒であり
原材料の損失も多い。それ故、(+)−ビオチンの全合
成の比較的初期の段階において、光学的に活性な中間体
から光学的に活性な(+)−ビオチンを製造することが
望ましい。そのような中間体として、後述する式(II)
で示される(3aS,6aR)−1,3−ジベンジルヘ
キサヒドロ−1H−フロ[3,4−d]イミダゾール−
2,4(3H,3aH)−ジオン(以下(+)−ラクト
ン化合物という)が知られており、種々の製造方法が検
討されている。特公平3−66312号公報には、シス
−1,3−ジベンジル−2−オキソイミダゾリジン−
4,5−ジカルボン酸ジエステルをブタ肝臓エステラー
ゼで処理し、得られた光学活性のハーフエステルを水素
化ホウ素ナトリウムで還元した後、閉環することにより
(+)−ラクトン化合物を得る方法が記載されている。
【0003】特公昭49−32551号公報には、シス
−1,3−ジベンジル−ヘキサヒドロ−1H−フロ
[3,4−d]イミダゾール−2,4,6(3H,3a
H,6aH)−トリオンとシクロヘキサノールとを反応
させ、得られたハーフエステルを(+)−エフェドリン
の塩とした後、これを分割して得た(+)−シス−1,
3−ジベンジル−5−シクロヘキシルオキシカルボニル
−2−オキソ−イミダゾリジン−4−カルボン酸のエフ
ェドリン塩を水素化ホウ素ナトリウムで還元した後、閉
環することにより(+)−ラクトン化合物を得る方法が
記載されている。
【0004】特開昭60−255790号公報には、シ
ス−1,3−ジベンジル−ヘキサヒドロ−1H−フロ
[3,4−d]イミダゾール−2,4,6(3H,3a
H,6aH)−トリオンとキラルなアルコールとを反応
させ、得られた光学活性のハーフエステルを水素化ホウ
素ナトリウムで還元した後、閉環して(+)−ラクトン
化合物を得る方法が記載されている。
【0005】しかしながら、これらの方法は、不斉収率
が十分でなかったり、高価な光学活性化合物を用いる必
要があるなどの欠点があり、さらにすぐれた(+)−ラ
クトン化合物の製造方法が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(I)で示
される環式無水物から式(II)で示される光学活性ラク
トン化合物を製造する方法において、(a)式(I)の
環式無水物に、水素化金属錯体と;R−(+)−1,
1′−ビ−2−ナフトール、ジベンゾイル−D−シスチ
ン、1,2;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−α−
L−グルコフラノース及び(1R,2R)−1,2−ジ
フェニル−1,2−エタンジオールから選択される光学
活性化合物と;アルカノール又は低級脂肪酸との反応物
である不斉還元試薬を反応させて、式(III)で示される
アルコール化合物及び/又は式(IV)で示されるヒドロ
キシラクトン化合物を製し、生成物がヒドロキシラクト
ン化合物の場合はさらに還元して該アルコール化合物
(III)とし、次に該アルコール化合物(III)を酸処理す
ることを特徴とする光学活性ラクトン化合物(II)の製
造方法を提供するものである。
【0007】
【化2】
【0008】本発明の製造方法は、下記スキームで示す
ように、環式無水物(I)と不斉還元試薬とを反応さ
せるか、あるいは環式無水物(I)と不斉還元試薬とを
反応させ、光学活性ヒドロキシラクトン化合物(IV)
が生成した場合には、該化合物をさらに還元し、得られ
たアルコール化合物(III)を酸処理することにより
(+)−ラクトン化合物(II)を得ることができる。
【0009】
【化3】
【0010】本発明で用いる不斉還元試薬は、水素化金
属錯体と;R−(+)−1,1´−ビ−2−ナフトー
ル、ジベンゾイル−D−シスチン、1,2;5,6−ジ
−O−イソプロピリデン−α−L−グルコフラノース及
び(1R,2R)−1,2−ジフェニル−1,2−エタ
ンジオールから選択される光学活性化合物と;アルカノ
ール又は低級脂肪酸とを反応させることにより容易に調
製することができる。上記で用いる水素化金属錯体の具
体例としては水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ
素ナトリウム、水素化ホウ素リチウムがあげられる。ア
ルカノールとしては炭素1〜6のアルカノールがあげら
れ、とりわけエタノール、第三ブタノールが好ましく、
また低級脂肪酸としては炭素1〜6の脂肪酸があげら
れ、とりわけイソ酪酸が好ましい。本発明の、不斉還元
試薬の組合せの具体例としては、(i)水素化アルミニ
ウムリチウムとR−(+)−1,1′−ビ−2−ナフト
ールとエタノールの反応物;(ii)水素化ホウ素リチウ
ムとジベンゾイル−D−シスチンと第三ブタノールの反
応物;(iii)水素化ホウ素ナトリウムと1,2;5,6
−ジ−O−イソピリデン−α−L−グルコフラノースと
イソ酪酸の反応物;(iv)水素化アルミニウムリチウム
と(1R,2R)−1,2−ジフェニル−1,2−エタ
ンジオールとエタノールの反応物などをあげることがで
き、とりわけ上記(i)及び(ii)の組合せが好まし
い。
【0011】これらの不斉還元試薬は、テトラヒドロフ
ラン,ジエチルエーテル,エチレングリコールジメチル
エーテルなどのエーテル系溶媒中に、水素化アルミニウ
ムリチウム又は水素化ホウ素リチウムなどの水素化金属
錯体;R−(+)−1,1´−ビ−2−ナフトールなど
の光学活性化合物;及びエタノールなどのアルカノール
又はイソ酪酸などの低級脂肪酸;をモル比で1対0.5
ないし5対0.1ないし5の割合で混合し、氷冷温度か
ら緩やかな加温下で反応させることにより調製すること
ができる。
【0012】本発明の不斉還元反応は、環式無水物
(I)と上記の不斉還元試薬とを混合し、−80℃ない
し50℃の範囲の温度で3時間ないし24時間撹拌する
ことにより行われる。
【0013】反応溶媒としては、反応に不活性な溶媒で
あれば特に制限はないが、ジエチルエーテル,テトラヒ
ドロフラン,ジオキサン,エチレングリコールジメチル
エ−テルなどのエーテル系溶媒、塩化メチレンなどのハ
ロゲン化炭化水素系溶媒、トルエンなどの芳香族炭化水
素系溶媒が好ましい。不斉還元試薬の量は、環式無水物
(I)に対して水素化金属錯体が1ないし10モル当
量、とりわけ2ないし6モル当量となるように使用する
のが好ましい。
【0014】本発明の不斉還元反応においては、反応条
件により光学活性アルコール化合物(III)及び/又は光
学活性ヒドロキシラクトン化合物(IV)が得られる。例
えば、室温で長時間反応させた場合にはアルコール化合
物(III)のみが得られ、−78℃で反応させた場合には
ヒドロキシラクトン化合物(IV)のみが得られる。
【0015】反応終了後は、通常の方法により反応混合
物から光学活性アルコール化合物(III)及び/又は光学
活性ヒドロキシラクトン化合物(IV)を採取することが
できる。例えば、反応混合物を中性又は酸性とし、溶媒
を除去して得た残渣を水不溶性の有機溶媒で抽出し、抽
出溶媒層を必要により水洗した後、溶媒を留去して得ら
れた生成物を必要によりカラムクロマトグラフィーで精
製し、又は得られた生成物が化合物(III)及び化合物
(IV)の混合物である場合は、カラムクロマトグラフィ
ーでそれぞれを分離することができる。
【0016】光学活性ヒドロキシラクトン化合物(IV)
の還元は、水素化ホウ素ナトリウム,水素化ホウ素リチ
ウム,水素化アルミニウムリチウムのような水素化金属
錯体による通常の還元反応により容易に実施でき、これ
により光学活性アルコール化合物(III)へ変換すること
ができる。
【0017】更に、上記の光学活性アルコール(III)の
酸処理は、該化合物(III)を塩酸,硫酸などの鉱酸の水
溶液中で0℃ないし60℃の温度で、30分ないし5時
間撹拌することにより容易に実施できる。かくして本発
明の目的物である(+)−ラクトン化合物(II)を得る
ことができる。
【0018】本発明の(+)−ラクトン化合物(II)の
製造方法においては、環式無水物(I)を不斉還元した
後、光学活性アルコール化合物(III)を単離することな
く、不斉還元反応後の反応混合物に鉱酸水溶液を加え酸
処理することにより(+)−ラクトン化合物(II)を得
るのが好ましい。
【0019】上記の閉環反応終了後は、通常の手段によ
り反応混合物から(+)−ラクトン化合物(II)を採取
することができる。例えば、反応混合物から溶媒を除去
して得た残渣を水不溶性の有機溶媒で抽出し、抽出溶媒
をアルカリ水溶液及び水で洗浄した後、溶媒を留去して
得た残渣から、必要により再結晶やカラムクロマトグラ
フィーなどで精製することにより(+)−ラクトン化合
物(II)を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法は、操作が面倒な光学分割
の工程がなく、環式無水物(I)から実質的に一工程で
(+)−ラクトン化合物(II)を得ることができる方法
である。又、高い不斉収率で、生物学的に有用な(+)
−ビオチンの合成中間体である(+)−ラクトン化合物
(II)を製造することができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 参考例 不斉還元試薬の調製:アルゴン雰囲気下で、水素化アル
ミニウムリチウム133mg(3.5ミリモル)をTH
F5mlに懸濁した懸濁液に、撹拌しながら氷冷下で、
エタノール160mg(3.5ミリモル)をTHF5m
lに溶解した溶液を滴下し、次いで(R)−(+)−
1,1′−ビ−2−ナフトール1.00g(3.5ミリ
モル)をTHF15mlに溶解した溶液を滴下し、不斉
還元試薬を調製した。
【0022】実施例1 a)参考例で調製した不斉還元試薬を室温で2時間撹拌
し、次いでドライアイス−アセトン浴温まで冷却した
後、シス−1,3−ジベンジル−ヘキサヒドロ−1H−
フロ[3,4−d]イミダゾール−2,4,6(3H,
3aH,6aH)−トリオン(以下、環式無水物とい
う)390mg(1.13ミリモル)をTHF20ml
に溶解した溶液を滴下した。その後、この混合物をドラ
イアイス−アセトン浴温で5時間、次いで室温で18時
間撹拌した。
【0023】b)反応終了後、氷冷し、10%塩酸水溶
液を加え、50〜60℃まで加温して減圧下でTHFを
留去した。得られた残渣に飽和食塩水を加え、酢酸エチ
ルで抽出した。この酢酸エチル層を水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧下に留去
して残渣を得た。この残渣を少量の酢酸エチルに溶解
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤=ヘ
キサン:酢酸エチル=7:3)により精製して(3a
S,6aR)−1,3−ジベンジル−ヘキサヒドロ−1
H−フロ[3,4−d]イミダゾール−2,4(3H,
3aH)−ジオン(以下、(+)−ラクトン化合物とい
う)284mgを得た。 融点:117.0〜119.
0℃ 〔α〕D 20+55.0°(C=1.02,ベンゼン),
光学的純度94.5%(Helv.Chim.Acta.,53,991(197
0))
【0024】実施例2 a)参考例で調製した不斉還元試薬を室温で2時間撹拌
し、次いでドライアイス−アセトン浴温まで冷却した
後、環式無水物400mg(1.13ミリモル)をTH
F20mlに溶解した溶液を滴下し、同温度で5時間撹
拌した。
【0025】b)次いで、この混合物に10%塩酸水溶
液を加え、昇温した。さらに、50〜60℃まで加温し
ながらTHFを減圧下で留去した。得られた残渣に飽和
食塩水を加えて酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を5
%炭酸ナトリウム水溶液で振とうし、分液した。この酢
酸エチル層から(R)−(+)−1,1′−ビ−2−ナ
フトールを回収した。
【0026】c)上記の分液した炭酸ナトリウム水溶液
に10%塩酸水溶液を加えて酸性とした後、酢酸エチル
で抽出した。この酢酸エチル層を水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧下に留去し
残渣を得た。このヒドロキシラクトン化合物(IV)をT
HF10mlに溶解した溶液に、撹拌しながら氷冷下
で、水素化ホウ素ナトリウム45mgを加え、さらに1
時間撹拌した。
【0027】d)この反応混合物に10%塩酸水溶液を
加え、50〜60℃まで加温しながらTHFを減圧下で
留去した。得られた残渣に飽和食塩水を加えて酢酸エチ
ルで抽出した。この酢酸エチル層を水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧下で留去
した。得られた残渣を少量のクロロフホルムに溶解し、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:1%メ
タノール−クロロホルム)により精製して(+)−ラク
トン化合物124mgを得た。 融点:114.5〜1
17.5℃ 〔α〕D 20+53.8°(C=0.63,ベンゼン),
光学的純度92.4%
【0028】実施例3 a)参考例の不斉還元試薬の2倍量の不斉還元試薬を室
温で2時間撹拌した後、ドライアイス−アセトン浴温ま
で冷却し、環式無水物500mg(1.49ミリモル)
をTHF50mlに溶解した溶液を滴下し、同温度で5
時間撹拌した。
【0029】b)次いで、この反応混合物に10%塩酸
水溶液を加え、昇温した。さらに、50〜60℃まで加
温しながらTHFを減圧下で留去した。得られた残渣に
飽和食塩水を加えて酢酸エチルで抽出し、この酢酸エチ
ル層を5%炭酸ナトリウム水溶液で振とうし、分液し
た。
【0030】分液した酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、酢酸エチルを減圧下で留去した。得られた
残渣を少量の酢酸エチルに溶解し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶離剤=ヘキサン:酢酸エチル=
7:3)により、(R)−(+)−1,1′−ビ−2−
ナフトールを回収し、(+)−ラクトン化合物160m
gを得た。 融点:107.5〜115.0℃ 〔α〕D 20+43.2°(C=0.97,ベンゼン)
【0031】c)上記の分液した炭酸ナトリウム水溶液
に10%塩酸水溶液を加えて酸性とした後、酢酸エチル
で抽出した。この酢酸エチル層を水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧下で留去し
残渣を得た。得られたヒドロキシラクトン化合物(IV)
をTHF30mlに溶解した溶液に、撹拌しながら氷冷
下で、水素化ホウ素ナトリウム60mgを加え、さらに
1時間撹拌した。
【0032】d)この反応混合物に10%塩酸水溶液を
加え、50〜60℃まで加温しながらTHFを減圧下で
留去した。得られた残渣に飽和食塩水を加えて酢酸エチ
ルで抽出した。この酢酸エチル層を水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧下で留去
した。得られた残渣を少量のクロロホルムに溶解し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤=1%メタ
ノール−クロロホルム)により精製して(+)−ラクト
ン化合物170mgを得た。 融点:118.0〜11
9.0℃ 〔α〕D 20+56.6°(C=0.92,ベンゼン),
光学的純度97.3%
【0033】実施例4 アルゴン雰囲気下で、t−ブタノール237mg(3.
2ミリモル)、水素化ホウ素リチウム157mg(7.
2ミリモル)、ジベンゾイル−D−シスチン1.076
g(2.4ミリモル)及びTHF10mlの混合物を3
0分間加熱還流した。
【0034】a)この混合物をドライアイス−アセトン
浴温まで冷却し、環式無水物673mg(2ミリモル)
をTHF30mlに溶解した溶液を滴下し、この混合物
を同温度で2時間、次いで室温で18時間撹拌した。 b)この混合物に、氷冷温で10%塩酸水溶液を加え、
次いで50〜60℃まで加温しながらTHFを減圧下で
留去した。得られた残渣に飽和食塩水を加えて酢酸エチ
ルで抽出した。この酢酸エチル層を無水硫酸で乾燥し、
酢酸エチルを減圧下に留去した。得られた残渣を少量の
クロロホルムに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィー
(溶離剤=1%メタノール−クロロホルム)により精製
して(+)−ラクトン化合物457mgを得た。 融
点:104.5〜106.0℃ 〔α〕D 20+20.7°(C=0.99,ベンゼン),
光学的純度35.5%

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)で示される環式無水物から式
    (II)で示される光学活性ラクトン化合物を製造する方
    法において、(a)式(I)の環式無水物に、水素化金
    属錯体と;R−(+)−1,1′−ビ−2−ナフトー
    ル、ジベンゾイル−D−シスチン、1,2;5,6−ジ
    −O−イソプロピリデン−α−L−グルコフラノース及
    び(1R,2R)−1,2−ジフェニル−1,2−エタ
    ンジオールから選択される光学活性化合物と;アルカノ
    ール又は低級脂肪酸との反応物である不斉還元試薬を反
    応させて、式(III)で示されるアルコール化合物及び/
    又は式(IV)で示されるヒドロキシラクトン化合物を製
    し、生成物がヒドロキシラクトン化合物の場合はさらに
    還元して該アルコール化合物(III)とし、 (b)次に該アルコール化合物(III)を酸処理すること
    を特徴とする光学活性ラクトン化合物(II)の製造方
    法。 【化1】
  2. 【請求項2】 水素化金属錯体が水素化アルミニウムリ
    チウム、水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素リチ
    ウムであり、アルカノールがエタノール又は第三ブタノ
    ールであり、低級脂肪酸がイソ酪酸である請求項1記載
    の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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