JPH05317696A - 微粒子反応とその計測方法 - Google Patents

微粒子反応とその計測方法

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JPH05317696A JP4082525A JP8252592A JPH05317696A JP H05317696 A JPH05317696 A JP H05317696A JP 4082525 A JP4082525 A JP 4082525A JP 8252592 A JP8252592 A JP 8252592A JP H05317696 A JPH05317696 A JP H05317696A
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弘明 三澤
Noboru Kitamura
▲のぼる▼ 喜多村
Tatsuya Uchida
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  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 レーザービームにより微粒子を捕捉し、電極
に接触させ反応させ、その反応過程を電気化学、さらに
は分光学的に計測する。 【効果】 単一微粒子の電気化学反応や光化学反応など
の化学反応を行い、その反応過程を精密計測することが
可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、微粒子反応とその計
測方法に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、マイクロエレクトロニクス、生物工学、材料科学な
どの諸分野において有用な、微粒子の反応方法と、その
反応過程を電気化学的に、そして分光学的に計測する反
応計測方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】従来より、マイクロエレクトロ
ニクス、生物工学、材料科学などの諸分野においては、
微小領域における反応を検討する機会とその必要性がし
ばしば生じ、そのための手法についての検討も加えられ
ている。しかしながら、一般的に、微粒子の反応を微粒
子単一のレベルでミクロ的な手法で制御し、なおかつ、
その微粒子の反応を計測することは非常に困難である。
このため、従来は、時間のファクターを導入し、一定時
間の反応過程から粒子一個あたりの計測値を計算式にお
いて算出するマクロ的な手法が取られている。
【0003】しかし、この手法においては時間のファク
ターが導入されており、反応は時間に対してのマクロ的
相関性としては把握できないことがあるため、より厳密
さを要求する場合には、このマクロ的な手法は不適当で
ある。一方、この発明の発明者らによって、マイクロメ
ートルオーダーの微粒子の各々をレーザ光によって捕捉
するレーザトラッピング方法が開発され、微粒子の輸
送、改質、反応などへの応用が進められている。
【0004】この方法は、マイクロマニピュレーション
技術として注目されるものであって、微粒子群による能
動パターンの形成、マイクロ微粒子加工、金属微粒子の
操作などについても画期的な方法が提案されてもいる。
これらの方法によって、微粒子または微粒子群の捕捉、
移動、加工等が非接触で、かつ、自由に操作できるよう
になってきている。
【0005】しかしながら、このような発展にもかかわ
らず、微粒子の反応過程についての制御と計測はいまだ
不充分な状況にあり、したがって、微小領域での反応の
探索には眼界があった。そこで、この発明は、単一微粒
子であっても、これをミクロ的な手法で反応させ、さら
にその反応過程を計測することのできる新しい手段を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、微粒子をレ
ーザー光照射により捕捉し、これを電極に接触させて電
気化学反応させることを特徴とする微粒子反応方法と、
レーザー光照射により捕捉した微粒子を電極と接触さ
せ、微粒子の反応過程を電気化学計測すること、さらに
は、これと併行して顕微分光計測することを特徴とする
微粒子計測方法を提供する。
【0007】すなわちこの発明においては、レーザー光
によって微粒子を捕捉し、この捕捉された微粒子を電極
に接触させる。そして、この電極への接触状態におい
て、電気化学反応や光化学反応などの化学反応を行な
い、その反応過程を電気化学的に、さらには分光学的に
計測する。たとえばこの発明では、定電位電解でトータ
ルな電気量をモニターすること等により、電解反応量を
制御、計測することが可能であり、分光学的手法と併用
して同時観測することにより詳細な反応過程の解明をも
可能となる。反応や微粒子の種類に特に限定はなく、適
宜に選択できる。
【0008】以下、実施例を示しさらにこの発明につい
て詳しく説明する。
【0009】
【実施例】実施例1 この発明の実施例の一つとして顕微分光化学反応計測装
置の例を示したものが図1である。たとえばこの図1に
例示したように、顕微分光化学反応計測装置は、レーザ
ービーム微粒子操作装置(1)、電気化学反応計測装置
(2)、分光化学反応計測装置(3)とからなるものを
ひとつの態様として示すことができる。
【0010】微粒子操作装置(1)では、微粒子捕捉用
のレーザにCW Nd3+:YAG レーザ(波長=1064nm)を用
い、また蛍光色素の励起用にピコ秒半導体レーザ(波長
=391.5nm)を用い、これらのレーザビームはレンズ系で
顕微鏡(Nikon Optiphot XF)に導き、さらに、100倍
の超長作動対物レンズを通してサンプルに集光させる。
微粒子マニュピレーションの様子は、CCDカメラおよ
びテレビモニター装置で観察する。またモニタ画面上に
は、レーザビームの位置、操作状況などがスーパーイン
ポーズで表示される。
【0011】一方、電気化学反応計測装置(2)は、反
応室(21)、ポテンシオスタット(22)、3D走査
テーブル(23)からなるものをひとつの態様として示
すことができる。反応室(21)は作用電極(21
1)、相手電極(212)、参照電極(213)が存在
し、ポテンシオスタットと各電極は導線などで接続さ
れ、ポテンシオスタットにより、各電極に電位差を与え
ることができる。
【0012】作用電極(211)は、たとえば、電気化
学反応用の微小電極と、光化学反応用の大電極を用いる
ことができる。微小電極は、たとえば、直径10μmの金
線をスライドガラス上に、直径10μm長さ〜50μmを残し
て、シリコン接着剤で絶縁固定して使用する。これが電
極として正常に作動していることは、フェリシアン化カ
リウム10-4モル水溶液中(KCl 0.2モルを含む)のCV
で確認することができる。また、大電極は、たとえば、
幅6mm長さ30mmのSn2透明電極を用いることができ
る。
【0013】金以外にも、白金、銀、半導体電極等の通
常の電気化学で使用される電極ならば使用可能である。
また、Sn2電極−透明半導体電極でも微小電極なら
ば、分光学的測定だけでなく電気化学測定にも使用で
き、金等の電極でも分光学的測定が可能である。作用電
極の形状については、手作業で作製した線電極以外に、
リソグラフィー技術で作製したバンド電極、アレイ電極
等のその作製法に関係なく任意のものとすることができ
る。
【0014】相手電極(212)として白金電極を用
い、参照電極(213)として銀/塩化銀電極を用いる
ことができる。参照電極は、銀/塩化銀以外にも、カロ
メル電極等の通常の電気化学で使用するものならば使用
でき、対極(相手電極)も、白金以外に、金等の電気化
学で通常使用するものならば、いずれのものでもよい。
【0015】また、3D走査テーブル(23)は、反応
室(21)の底部と接触固定されており、モータなどの
動力源により立体的に移動することが可能である。した
がって、反応室内の任意の微粒子を選択することがで
き、その微粒子のみをレーザにより操作することができ
る。光化学反応計測装置(3)は、たとえば、電気化学
反応装置(2)の下面に位置する光照射装置(31)
と、電気化学反応装置(2)の上面に位置する光検出装
置(32)からなるものをひとつの態様として示すこと
ができる。
【0016】光照射装置(31)は、たとえば、光源
(311)とコンデンサーレンズ(312)からなり、
光源(311)から発した光は3D走査テーブル(2
3)を通り、反応室内のサンプルに照射される。光源
(311)には、たとえば、蛍光、赤外線、紫外線など
が用いられる。また、光検出装置(32)は、たとえ
ば、ピンホール(321)、光ファイバー(322)、
ポリクロメータ(323)、検出器(324)からな
り、サンプルを透過した光は、ピンホール(321)と
光ファイバー(322)を通り、ポリクロメータ(32
3)と検出器(324)により解析される。
【0017】実施例2 実施例1のシステム構成を用いて、微粒子として油滴を
反応室の水相に挿入して電気化学反応を行い、その反応
過程の計測を行った。用いた油滴は、油相に電活物質と
してフェロセン0.1 モル、疎水性支持電解質としてテト
ラ・ブチル・アンモニウム・テトラ・フェニル・ホスフ
ェート(TBATPB)0.01モルをリン酸トリ−n−ブ
チル中に溶解し、水相のKCl 0.2 モル溶液と、油相の重
量分率1%で混合して作った。
【0018】レーザービーム微粒子操作装置(1)によ
って、単一の油滴を捕捉し、それを作用電極(211)
上に接触させた。さらに、電極間の電位をポテンシオス
タット(22)により、連続的にリニアスイープさせ、
電極電位と電流密度との関係を測定した。このとき電極
電位は、1秒あたり20mVで変化させた。初期値は電極電
位は0mVである。この反応を40秒間行ない、その結果
であるリニア・スイープ・ボルタモグラム(LSV)は
図2に示す通りとなった。
【0019】この結果より、約0.5Vにピークが観測
され、このとき1.45×10-9の電流が流れた。電気化学
反応としては、たとえばその対象化合物として、フェロ
センをはじめ、テトラシアノキノジメタンやN,N,
N’,N’−テトラメチル−P−フェニレンジアミン等
の適宜なものが、溶媒や油滴、微粒子等が電解されない
範囲に酸化還元電位をもつ化合物ならば、任意の態様で
使用可能である。
【0020】リン酸トリ−n−ブチル、ニトロベンゼン
やベンジルアルコール等の水と完全に混ざり合わず、液
滴を作るもの、ポリスチレンやポリメチルメタクリレー
トのようなポリマー微粒子でもよい。実施例3 定電位電解と分光学的手法とを併用して化学反応を同時
観測することを行ない、電解量と電解速度を概算した。
【0021】用いた分光学的手法は蛍光法であり、サン
プルは実施例1で用いた油相と油滴に、さらに、9,10-
ジフェニルアントラセン(DPA)5×10-3モルを溶
解させた。また、光化学反応用の大電極は、Sn2透明
電極を用いた。レーザービーム微粒子操作装置により、
油滴をSn2透明電極に接触させた。
【0022】Sn2電極においても、実施例2と同様に
LSVを計測すると、電位掃引速度に依存するが、図2
と同様の電位近傍でピークが観察された。電位を0.6
Vに固定して、Sn2電極に接触した直径25mmの油滴に
対して蛍光分析を行い、その結果として、定電位電解時
間をパラメータとして、蛍光の波長と蛍光強度との関係
を得た。この結果は図3の通りとなった。図3は横軸に
蛍光の波長、縦軸に蛍光強度を示している。(a)は電
解前、(b)は電解425秒後、(c)は電解825秒
後である。
【0023】電解が進むとDPAの蛍光強度が増加す
る。DPAの蛍光はフェロセンで消光されるが、電極で
フェロセンが電解され油滴中の濃度が低下するため、蛍
光強度が強くなると考えられる。このような蛍光プロー
ブを使用することにより、油滴中の電解速度を見積るこ
とができる。Sn2透明電極では油滴中のフェロセンを
ほぼすべて電解するのに1000秒近く必要としたが、
この電極は金電極と比べて電子移動速度が遅いので、微
小金電極系ではもっと短い時間で電解でき、つまり、せ
いぜい300秒程度と予想できる。
【0024】
【発明の効果】以上詳しく述べたように、この発明によ
って、単一微粒子の電気化学反応や光化学反応などの化
学反応を行い、その反応過程の精密計測が可能となる。
微小領域での新しい反応システムの探索等にこの手法は
有用となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の装置を例示した概要図である。
【図2】この発明の装置を利用した実施例の結果を示し
た電位測定図である。
【図3】この発明の装置を利用した実施例の結果を示し
た蛍光強度図である。
【符号の説明】
1 レーザービーム微粒子操作装置 2 電気化学反応計測装置 21 反応室 211 作用電極 212 相手電極 213 参照電極 22 ポテンシオスタット 23 3D走査テーブル 3 光化学反応計測装置 31 光照射装置 311 光源 312 コンデンサーレンズ 32 光検出仕装置 321ピンホール 322 光ファイバー 323 ポリクロメータ 324 検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 27/416 // B23K 26/00 Z 7425−4E C25B 3/00 8414−4K (72)発明者 内田 達也 千葉県市原市姉崎367 アレックス姉崎2 C6

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子をレーザー光照射により捕捉し、
    これを電極に接触させて電気化学反応させることを特徴
    とする微粒子反応方法。
  2. 【請求項2】 レーザー光照射により捕捉した微粒子を
    電極と接触させ、微粒子の反応過程を電気化学計測する
    ことを特徴とする微粒子計測方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において顕微分光計測する微粒
    子計測方法。
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