JPH0531738A - プラスチツクレンズとその製造方法 - Google Patents
プラスチツクレンズとその製造方法Info
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- JPH0531738A JPH0531738A JP3348396A JP34839691A JPH0531738A JP H0531738 A JPH0531738 A JP H0531738A JP 3348396 A JP3348396 A JP 3348396A JP 34839691 A JP34839691 A JP 34839691A JP H0531738 A JPH0531738 A JP H0531738A
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 光学歪がなく、表面形状が高精度で所定形状
のプラスチックレンズを得る。 【構成】 紫外線透過性の鋳型6,6′により、レンズ
の最終形状となる気密性のキャビティ8が形成される。
これら鋳型6,6′はパーティング面14から分割可能
であり、これらを分割してキャビティ8内にレンズブラ
ンク3を挿入する。このレンズブランク3は光学歪が除
かれているが、このために、表面形状に歪がある。キャ
ビティ8にレンズブランク3を挿入した状態で、このレ
ンズブランク3と屈折率が概略等しいプラスチック材料
のシロップ4を充填し、外部から鋳型6または6′を通
してキャビティ8内に紫外線を照射する。これにより、
シロップ4は重合し、レンズブランク3と一体となる。
のプラスチックレンズを得る。 【構成】 紫外線透過性の鋳型6,6′により、レンズ
の最終形状となる気密性のキャビティ8が形成される。
これら鋳型6,6′はパーティング面14から分割可能
であり、これらを分割してキャビティ8内にレンズブラ
ンク3を挿入する。このレンズブランク3は光学歪が除
かれているが、このために、表面形状に歪がある。キャ
ビティ8にレンズブランク3を挿入した状態で、このレ
ンズブランク3と屈折率が概略等しいプラスチック材料
のシロップ4を充填し、外部から鋳型6または6′を通
してキャビティ8内に紫外線を照射する。これにより、
シロップ4は重合し、レンズブランク3と一体となる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオカメラレンズな
どの比較的大形のレンズのプラスチック化に好適なプラ
スチックレンズとその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、ビデオカメラの普及とともに、ズ
ームレンズなどの光学装置の軽量化、低廉化が大いに望
まれ、そのための一つの解決策として、プラスチックレ
ンズが使用されるようになってきた。従来、プラスチッ
クレンズは、モノマあるいはオリゴマなどの流動性プラ
スチック材料を鋳型内に注入し、熱、放射線などにより
重合する、いわゆる注型成形法、または、熱可塑性重合
体を熱融溶して賦形する射出成形法、圧縮成形法などに
より成形されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の成形方法は、次のような欠点を有しており、特に、大
型のプラスチックレンズを成形するには不適当である。 【0004】即ち、注型成形法では、メガネレンズなど
の比較的肉厚変化が少ないレンズを成形する場合には、
内部歪みなどの光学欠陥が少ないレンズが得られるが、
その反面重合に時間がかかって生産性が劣り、また、極
端な肉厚差があるパワーの大きなレンズを成形する場合
には、重合による収縮を補償しきれなくて高精度のレン
ズを得ることができなかった。射出成形法は、生産性が
高いが、材料の流動、冷却固化に起因する光学歪みの発
生や成形収縮によるヒケの発生などがあり、良質、高精
度のレンズが得られなかった。比較的高精度のレンズが
成形できると言われる圧縮成形においても、賦形時に、
溶融または流動温度まで材料を昇温させた後冷却固化さ
せるために、冷却時に温度の不均一が生じ、レンズ自体
にソリが発生したり、熱収縮の不均一が発生して、この
結果、高精度のレンズを形成することができなかった。 【0005】これらの欠点を除くために、例えば、注型
成形法において、重合反応速度を高めるために、放射線
による重合を取り入れる方法が提案されているが、放射
線を利用するものであるから、作業の安全性に問題があ
る。 【0006】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を除
き、レンズ精度を高め、光学歪みの発生を防止すること
ができ、生産性に優れたプラスチックレンズとその製造
方法を提供するにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるプラスチックレンズは、プラスチック
材料からなり光学歪が除かれたレンズブランク上に、該
レンズブランクを形成する該プラスチック材料と概略同
一の屈折率のプラスチック材料からなって紫外線照射に
よって重合した層が形成されてなる。 【0008】また、本発明によるプラスチックレンズの
製造方法は、組立時気密性を保てるとともに、少なくと
も2分割可能であり、レンズ賦形面を形成する部分の少
なくとも1面が紫外線透過性材料よりなる鋳型を用い、
光学歪が除かれ概略所望形状のレンズブランクを該所望
形状のキャビティに挿入し、該レンズブランクと鋳型に
よって形成した該キャビティの鋳型面との間の空隙に、
該レンズブランクと重合後概略同一の屈折率になるポリ
メチルメタクリレート(共重合体を含む)もしくはポリ
スチレンのプラスチック材料の紫外線により重合する流
動状性材料を充填した後、鋳型外部より紫外線を照射
し、該流動体層を重合せしめる。 【0009】 【作用】本発明によるプラスチックレンズでは、レンズ
ブランクは、光学歪が除かれたことにより、概略所望形
状物であり、場合によっては、光学歪を除くことによ
り、表面形状が変形しているものでもよい。このレンズ
ブランクの表面に紫外線照射によって重合した層が設け
られていることにより、レンズ全体の表面形状が所定の
形状となる。この場合、レンズブランク上の層は紫外線
照射による重合で形成されたものであるから、この層に
光学歪は生じないし、また、この層とレンズブランクと
が概略同一の屈折率を有しているから、この層を設けた
ことによる光学特性の劣化は生じない。 【0010】また、本発明によるプラスチックレンズの
製造方法では、鋳型によって形成されレンズブランクを
挿入するためのキャビティは気密性が保たれており、こ
れにポリメチルメタクリレートもしくはポリスチレンの
流動性プラスチック材料を充填すると、この流動性プラ
スチック材料は鋳型面全体にわたって良好に接する。か
かる状態で紫外線透過性材料よりなる鋳型を通して外部
からキャビティ内に紫外線を照射すると、流動性プラス
チック材料は重合してレンズブランクと一体となる。こ
の場合、該プラスチック材料の重合収縮量が徴小である
ことから、表面形状が鋳型の鋳型面に精度良く一致した
プラスチックレンズが得られる、従って、鋳型面を所定
の形状としておくことにより、表面形状の精度が高いプ
ラスチックレンズが得られる。 【0011】また、流動性プラスチック材料の重合層に
は、光学歪は生じないし、また、この重合層とレンズブ
ランクとが概略同一の屈折率を有していることから、こ
の重合層を設けたことによる光学特性の劣化はない。 【0012】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面について説明す
る。先ず、ポリメチルメタクリレートのようなレンズ材
料により、概略形状品を射出成形する。前述したよう
に、射出成形したプラスチックレンズは、高能率に作製
できる反面、重合体の流動に起因した光学歪(複屈折、
脈理など)が発生しやすい。いわゆる、焼なまし(アニ
ール)によりこれらの欠陥を除去する。ポリメチルメタ
クリレートの場合、80℃で4時間のアニールを行な
う。しかし、射出成形で賦課された形状は、アニールに
より変形する。 【0013】図2(a)は射出成形後のレンズを示し、
ゲート1近傍に内部歪みによる光学歪2を有する。図2
(b)はかかるレンズをアニールした場合を示し、光学
歪みは除去されるが、変形している。変形量A,B,C
はレンズの形状、成形条件などにより異なるが、通常、
夫々は数10μm程度である。 【0014】図3(a),(b),(c)は本発明によ
るプラスチックレンズの製造方法の各工程の概略を説明
するための概略工程図であって、3はレンズブランク、
4はシロップ、5,5′は鋳型面、6,6′は鋳型、7
はプラスチックレンズ、8はキャビティである。 【0015】レンズブランク3は、上述のように、ポリ
メチルメタクリレートを材料とし、射出成形、アニール
の工程を経て得られたもので、賦課形状は変形している
が、光学歪みが除かれている。かかるレンズブランク3
の外面に重合開始剤を配合したメチルメタクリレートの
シロップ4を塗布し、レンズの仕上がり曲率の鋳型面
5,5′を有する鋳型6,6′に入れる(図3
(a))。次に、2つの分割された鋳型6,6′を閉じ
てレンズ形状のキャビティ8を形成し、60℃〜80℃
で鋳型6,6′を加熱することにより、シロップ4を重
合させてレンズブランク3と一体化する(図3
(b))。重合には4〜10時間保温する。重合が終了
すると、鋳型6,6′を室温まで冷却し、夫々に分離し
てプラスチックレンズ7を得る(図3(c))。 【0016】シロップ4としては、過酸化ベンゾイルな
どの重合開始剤を添加したメチルメタクリレートモノ
マ,メチルメタクリレートのオリゴマ,あるいは、メチ
ルメタクリレートモノマにポリメチルメタクリレート
(重合体)を溶解したものなどが用いられる。これらの
シロップの重合収縮率は、5〜10容積%であるが、シ
ロップ4の厚みが10〜100μm程度であれば、収縮
量(厚み)は0.2〜3μm程度であり光学特性上無視
し得る量となる。 【0017】ところで、加熱によって重合する場合、重
合に長時間を要するばかりでなく、レンズ面に気泡が入
ることがあり、特に重合が進むにつれて、レンズ外周部
近傍でシロップの不足(重合収縮によるためと考えられ
る)による欠陥が出やすい。また、熱重合法による場
合、レンズブランク自体も重合温度まで昇温するから、
シロップの重合完了後、室温まで降温する際、熱収縮量
が小さくなく、鋳型面5,5′の曲率を転写しきれない
傾向がある。 【0018】これらの傾向の大半は、シロップを熱重合
ではなく、紫外線重合することにより解決される。即
ち、図3(a),(b),(c)において、鋳型6,
6′を、ケイ酸塩ガラスまたはFe2O3の含有量が0.
01重量%以下のソーダ石灰ガラスなどの紫外線透過性
ガラスで形成し、シロップ4として、ベンゾフェノン,
ベンズアルデヒドなどの増感剤を添加して紫外線重合性
を向上した材料を用い、重合時、鋳型6,6′の外部よ
り紫外線を照射することにより、重合時間を数10秒〜
数分に、しかも、温度上昇をわずかに抑えることができ
る。しかし、紫外線重合法を用いても、前述したレンズ
面、特に外周部の気泡発生を完全に抑えることは出来な
い。 【0019】図1は本発明によるプラスチックレンズの
製造方法の一実施例を示す重合用鋳型の断面図であっ
て、6a,6a′は外面、9,9′は架体、10,11
は連通管、10′,11′は流路、12,13はバル
ブ、14はパーティング面、15はOリングであり、図
3に対応する部分には同一符号をつけている。 【0020】前記した手法により作成したレンズブラン
ク3は架体9,9′に保持され、紫外線透過性ガラスで
できたレンズ面形状を有する鋳型6,6′により形成さ
れた最終レンズ形状のキャビティ8に入れ、脱泡したシ
ロップを入れたタンク(図示せず)に連通管10を通じ
て接続された流路10′の途中に設けられたバルブ12
を閉じ、真空ポンプ(図示せず)に連通管11を通じて
キャビティ8中の空気を排気する流路11′の途中に設
けられたバルブ13を開き、キャビティ8内を減圧状態
にする。その後、バルブ13を閉じ、バルブ12を開く
ことにより、シロップ4がキャビティ8内に吸入され
る。この時、必要に応じてシロップを入れたタンクを加
圧し、加圧注入しても良い。キャビティ8内に形成され
たレンズブランク3と鋳型面とのギャップに、シロップ
4が完全に充填されたら、バルブ12を閉じ、紫外線透
過性鋳型6,6′の外面6a,6a′側から、水銀灯
(図示せず)などにより、紫外線を照射する。レンズブ
ランク3と鋳型面との間に充填されたシロップ4の重合
が終了したら、鋳型6,6′を架体9,9′と伴にパー
ティング面14より分割し、最終レンズを得る。 【0021】この実施例において、鋳型6,6′と架体
9,9′相互間を気密嵌合する必要があり、そのために
は、Oリング15を要所に入れる。また、紫外線重合に
使用する水銀灯は、紫外線と共に熱も発生して鋳型6,
6′が昇温する傾向にあるので、必要に応じて架体9,
9′に冷却水流路を設ける。 【0022】次に、材料について説明する。プラスチッ
クレンズに最も大量に使用されるポリメチルメタクリレ
ート(共重合体を含む)を中心に述べる。射出成形用ポ
リメチルメタクリレートは、通常、平均分子量が10〜
15万であり、その屈折率は、20℃、D線での測定値
が、1.4913である。一方、増感剤としてベンゾイ
ンを0.1,0.2及び0.3重量パーセント添加した
メチルメタクリレートに中高圧水銀灯(3kW)を10
cmの距離から照射して重合してなるポリマは、分子量
が70〜100万であるが、屈折率は、射出成形用との
差が0.0004以内であり、本発明によるプラスチッ
クレンズで光学的に欠陥が発生することはない。シロッ
プとしては、モノマ単独、オリゴマ、モノマにポリマを
溶解したものでも良く、要は、流動性を維持し、重合終
了時にレンズブランクの屈折率と同一になるものであれ
ば特に規制するものでない。増感剤としては、ベンゾフ
ェノン、ベンザンスロン、ベンツアルデヒド、フェナス
ラキノンなどが利用できる。プラスチックレンズとし
て、フリントグラス的に使用されるポリスチレンについ
ても同様である。ただし、市販の試薬スチレンでは、重
合時間が長くかかる。これは、重合禁止剤が添加されて
いるためと考えられる。減圧蒸留したスチレンを使用す
れば、そのようなことはない。また、紫外線による重合
を行なわせるものであるから、熱重合に比べて重合反応
速度が高まる。 【0023】以上のようにして得られたプラスチックレ
ンズは、光学歪が除かれたレンズブランク上に重合した
プラスチック材料層が形成されてなるが、このプラスチ
ック材料層は、キャビティ内に完全に充填されて鋳型面
全体にわたって良好に接したシロップが重合されたもの
であり、しかも、重合によるこのシロップの収縮量が微
小であるから、このプラスチック材料層の表面形状は高
精度で鋳型面を写したものとなる。従って、得られたプ
ラスチックレンズの表面形状は高精度で所望形状をなす
ことになる。 【0024】また、上記プラスチック材料層は、紫外線
によって重合されたものであるから、光学歪が生ずるこ
とがなく、しかも、レンズブランクと概略同一の屈折率
を有するものであるから、レンズブランクに上記プラス
チック材料層を設けても、得られたプラスチックレンズ
の光学特性が劣化することはない。 【0025】この実施例では、両凸レンズを示したが、
両凹、凹凸など形状は特に規制されるものでないこと
は、言うまでもない。本発明は、射出成形ではウエルド
ラインが避け得ない極端な肉厚変化がある凹レンズにあ
ってもウエルドラインを無くすことができる。 【0026】 【発明の効果】上記説明したように、本発明によれば、
プラスチックレンズを高精度で光学歪みなく成形するこ
とができ、生産性が向上して、従来技術にない優れた機
能のプラスチックレンズとその製造方法を提供すること
ができる。
どの比較的大形のレンズのプラスチック化に好適なプラ
スチックレンズとその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、ビデオカメラの普及とともに、ズ
ームレンズなどの光学装置の軽量化、低廉化が大いに望
まれ、そのための一つの解決策として、プラスチックレ
ンズが使用されるようになってきた。従来、プラスチッ
クレンズは、モノマあるいはオリゴマなどの流動性プラ
スチック材料を鋳型内に注入し、熱、放射線などにより
重合する、いわゆる注型成形法、または、熱可塑性重合
体を熱融溶して賦形する射出成形法、圧縮成形法などに
より成形されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の成形方法は、次のような欠点を有しており、特に、大
型のプラスチックレンズを成形するには不適当である。 【0004】即ち、注型成形法では、メガネレンズなど
の比較的肉厚変化が少ないレンズを成形する場合には、
内部歪みなどの光学欠陥が少ないレンズが得られるが、
その反面重合に時間がかかって生産性が劣り、また、極
端な肉厚差があるパワーの大きなレンズを成形する場合
には、重合による収縮を補償しきれなくて高精度のレン
ズを得ることができなかった。射出成形法は、生産性が
高いが、材料の流動、冷却固化に起因する光学歪みの発
生や成形収縮によるヒケの発生などがあり、良質、高精
度のレンズが得られなかった。比較的高精度のレンズが
成形できると言われる圧縮成形においても、賦形時に、
溶融または流動温度まで材料を昇温させた後冷却固化さ
せるために、冷却時に温度の不均一が生じ、レンズ自体
にソリが発生したり、熱収縮の不均一が発生して、この
結果、高精度のレンズを形成することができなかった。 【0005】これらの欠点を除くために、例えば、注型
成形法において、重合反応速度を高めるために、放射線
による重合を取り入れる方法が提案されているが、放射
線を利用するものであるから、作業の安全性に問題があ
る。 【0006】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を除
き、レンズ精度を高め、光学歪みの発生を防止すること
ができ、生産性に優れたプラスチックレンズとその製造
方法を提供するにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるプラスチックレンズは、プラスチック
材料からなり光学歪が除かれたレンズブランク上に、該
レンズブランクを形成する該プラスチック材料と概略同
一の屈折率のプラスチック材料からなって紫外線照射に
よって重合した層が形成されてなる。 【0008】また、本発明によるプラスチックレンズの
製造方法は、組立時気密性を保てるとともに、少なくと
も2分割可能であり、レンズ賦形面を形成する部分の少
なくとも1面が紫外線透過性材料よりなる鋳型を用い、
光学歪が除かれ概略所望形状のレンズブランクを該所望
形状のキャビティに挿入し、該レンズブランクと鋳型に
よって形成した該キャビティの鋳型面との間の空隙に、
該レンズブランクと重合後概略同一の屈折率になるポリ
メチルメタクリレート(共重合体を含む)もしくはポリ
スチレンのプラスチック材料の紫外線により重合する流
動状性材料を充填した後、鋳型外部より紫外線を照射
し、該流動体層を重合せしめる。 【0009】 【作用】本発明によるプラスチックレンズでは、レンズ
ブランクは、光学歪が除かれたことにより、概略所望形
状物であり、場合によっては、光学歪を除くことによ
り、表面形状が変形しているものでもよい。このレンズ
ブランクの表面に紫外線照射によって重合した層が設け
られていることにより、レンズ全体の表面形状が所定の
形状となる。この場合、レンズブランク上の層は紫外線
照射による重合で形成されたものであるから、この層に
光学歪は生じないし、また、この層とレンズブランクと
が概略同一の屈折率を有しているから、この層を設けた
ことによる光学特性の劣化は生じない。 【0010】また、本発明によるプラスチックレンズの
製造方法では、鋳型によって形成されレンズブランクを
挿入するためのキャビティは気密性が保たれており、こ
れにポリメチルメタクリレートもしくはポリスチレンの
流動性プラスチック材料を充填すると、この流動性プラ
スチック材料は鋳型面全体にわたって良好に接する。か
かる状態で紫外線透過性材料よりなる鋳型を通して外部
からキャビティ内に紫外線を照射すると、流動性プラス
チック材料は重合してレンズブランクと一体となる。こ
の場合、該プラスチック材料の重合収縮量が徴小である
ことから、表面形状が鋳型の鋳型面に精度良く一致した
プラスチックレンズが得られる、従って、鋳型面を所定
の形状としておくことにより、表面形状の精度が高いプ
ラスチックレンズが得られる。 【0011】また、流動性プラスチック材料の重合層に
は、光学歪は生じないし、また、この重合層とレンズブ
ランクとが概略同一の屈折率を有していることから、こ
の重合層を設けたことによる光学特性の劣化はない。 【0012】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面について説明す
る。先ず、ポリメチルメタクリレートのようなレンズ材
料により、概略形状品を射出成形する。前述したよう
に、射出成形したプラスチックレンズは、高能率に作製
できる反面、重合体の流動に起因した光学歪(複屈折、
脈理など)が発生しやすい。いわゆる、焼なまし(アニ
ール)によりこれらの欠陥を除去する。ポリメチルメタ
クリレートの場合、80℃で4時間のアニールを行な
う。しかし、射出成形で賦課された形状は、アニールに
より変形する。 【0013】図2(a)は射出成形後のレンズを示し、
ゲート1近傍に内部歪みによる光学歪2を有する。図2
(b)はかかるレンズをアニールした場合を示し、光学
歪みは除去されるが、変形している。変形量A,B,C
はレンズの形状、成形条件などにより異なるが、通常、
夫々は数10μm程度である。 【0014】図3(a),(b),(c)は本発明によ
るプラスチックレンズの製造方法の各工程の概略を説明
するための概略工程図であって、3はレンズブランク、
4はシロップ、5,5′は鋳型面、6,6′は鋳型、7
はプラスチックレンズ、8はキャビティである。 【0015】レンズブランク3は、上述のように、ポリ
メチルメタクリレートを材料とし、射出成形、アニール
の工程を経て得られたもので、賦課形状は変形している
が、光学歪みが除かれている。かかるレンズブランク3
の外面に重合開始剤を配合したメチルメタクリレートの
シロップ4を塗布し、レンズの仕上がり曲率の鋳型面
5,5′を有する鋳型6,6′に入れる(図3
(a))。次に、2つの分割された鋳型6,6′を閉じ
てレンズ形状のキャビティ8を形成し、60℃〜80℃
で鋳型6,6′を加熱することにより、シロップ4を重
合させてレンズブランク3と一体化する(図3
(b))。重合には4〜10時間保温する。重合が終了
すると、鋳型6,6′を室温まで冷却し、夫々に分離し
てプラスチックレンズ7を得る(図3(c))。 【0016】シロップ4としては、過酸化ベンゾイルな
どの重合開始剤を添加したメチルメタクリレートモノ
マ,メチルメタクリレートのオリゴマ,あるいは、メチ
ルメタクリレートモノマにポリメチルメタクリレート
(重合体)を溶解したものなどが用いられる。これらの
シロップの重合収縮率は、5〜10容積%であるが、シ
ロップ4の厚みが10〜100μm程度であれば、収縮
量(厚み)は0.2〜3μm程度であり光学特性上無視
し得る量となる。 【0017】ところで、加熱によって重合する場合、重
合に長時間を要するばかりでなく、レンズ面に気泡が入
ることがあり、特に重合が進むにつれて、レンズ外周部
近傍でシロップの不足(重合収縮によるためと考えられ
る)による欠陥が出やすい。また、熱重合法による場
合、レンズブランク自体も重合温度まで昇温するから、
シロップの重合完了後、室温まで降温する際、熱収縮量
が小さくなく、鋳型面5,5′の曲率を転写しきれない
傾向がある。 【0018】これらの傾向の大半は、シロップを熱重合
ではなく、紫外線重合することにより解決される。即
ち、図3(a),(b),(c)において、鋳型6,
6′を、ケイ酸塩ガラスまたはFe2O3の含有量が0.
01重量%以下のソーダ石灰ガラスなどの紫外線透過性
ガラスで形成し、シロップ4として、ベンゾフェノン,
ベンズアルデヒドなどの増感剤を添加して紫外線重合性
を向上した材料を用い、重合時、鋳型6,6′の外部よ
り紫外線を照射することにより、重合時間を数10秒〜
数分に、しかも、温度上昇をわずかに抑えることができ
る。しかし、紫外線重合法を用いても、前述したレンズ
面、特に外周部の気泡発生を完全に抑えることは出来な
い。 【0019】図1は本発明によるプラスチックレンズの
製造方法の一実施例を示す重合用鋳型の断面図であっ
て、6a,6a′は外面、9,9′は架体、10,11
は連通管、10′,11′は流路、12,13はバル
ブ、14はパーティング面、15はOリングであり、図
3に対応する部分には同一符号をつけている。 【0020】前記した手法により作成したレンズブラン
ク3は架体9,9′に保持され、紫外線透過性ガラスで
できたレンズ面形状を有する鋳型6,6′により形成さ
れた最終レンズ形状のキャビティ8に入れ、脱泡したシ
ロップを入れたタンク(図示せず)に連通管10を通じ
て接続された流路10′の途中に設けられたバルブ12
を閉じ、真空ポンプ(図示せず)に連通管11を通じて
キャビティ8中の空気を排気する流路11′の途中に設
けられたバルブ13を開き、キャビティ8内を減圧状態
にする。その後、バルブ13を閉じ、バルブ12を開く
ことにより、シロップ4がキャビティ8内に吸入され
る。この時、必要に応じてシロップを入れたタンクを加
圧し、加圧注入しても良い。キャビティ8内に形成され
たレンズブランク3と鋳型面とのギャップに、シロップ
4が完全に充填されたら、バルブ12を閉じ、紫外線透
過性鋳型6,6′の外面6a,6a′側から、水銀灯
(図示せず)などにより、紫外線を照射する。レンズブ
ランク3と鋳型面との間に充填されたシロップ4の重合
が終了したら、鋳型6,6′を架体9,9′と伴にパー
ティング面14より分割し、最終レンズを得る。 【0021】この実施例において、鋳型6,6′と架体
9,9′相互間を気密嵌合する必要があり、そのために
は、Oリング15を要所に入れる。また、紫外線重合に
使用する水銀灯は、紫外線と共に熱も発生して鋳型6,
6′が昇温する傾向にあるので、必要に応じて架体9,
9′に冷却水流路を設ける。 【0022】次に、材料について説明する。プラスチッ
クレンズに最も大量に使用されるポリメチルメタクリレ
ート(共重合体を含む)を中心に述べる。射出成形用ポ
リメチルメタクリレートは、通常、平均分子量が10〜
15万であり、その屈折率は、20℃、D線での測定値
が、1.4913である。一方、増感剤としてベンゾイ
ンを0.1,0.2及び0.3重量パーセント添加した
メチルメタクリレートに中高圧水銀灯(3kW)を10
cmの距離から照射して重合してなるポリマは、分子量
が70〜100万であるが、屈折率は、射出成形用との
差が0.0004以内であり、本発明によるプラスチッ
クレンズで光学的に欠陥が発生することはない。シロッ
プとしては、モノマ単独、オリゴマ、モノマにポリマを
溶解したものでも良く、要は、流動性を維持し、重合終
了時にレンズブランクの屈折率と同一になるものであれ
ば特に規制するものでない。増感剤としては、ベンゾフ
ェノン、ベンザンスロン、ベンツアルデヒド、フェナス
ラキノンなどが利用できる。プラスチックレンズとし
て、フリントグラス的に使用されるポリスチレンについ
ても同様である。ただし、市販の試薬スチレンでは、重
合時間が長くかかる。これは、重合禁止剤が添加されて
いるためと考えられる。減圧蒸留したスチレンを使用す
れば、そのようなことはない。また、紫外線による重合
を行なわせるものであるから、熱重合に比べて重合反応
速度が高まる。 【0023】以上のようにして得られたプラスチックレ
ンズは、光学歪が除かれたレンズブランク上に重合した
プラスチック材料層が形成されてなるが、このプラスチ
ック材料層は、キャビティ内に完全に充填されて鋳型面
全体にわたって良好に接したシロップが重合されたもの
であり、しかも、重合によるこのシロップの収縮量が微
小であるから、このプラスチック材料層の表面形状は高
精度で鋳型面を写したものとなる。従って、得られたプ
ラスチックレンズの表面形状は高精度で所望形状をなす
ことになる。 【0024】また、上記プラスチック材料層は、紫外線
によって重合されたものであるから、光学歪が生ずるこ
とがなく、しかも、レンズブランクと概略同一の屈折率
を有するものであるから、レンズブランクに上記プラス
チック材料層を設けても、得られたプラスチックレンズ
の光学特性が劣化することはない。 【0025】この実施例では、両凸レンズを示したが、
両凹、凹凸など形状は特に規制されるものでないこと
は、言うまでもない。本発明は、射出成形ではウエルド
ラインが避け得ない極端な肉厚変化がある凹レンズにあ
ってもウエルドラインを無くすことができる。 【0026】 【発明の効果】上記説明したように、本発明によれば、
プラスチックレンズを高精度で光学歪みなく成形するこ
とができ、生産性が向上して、従来技術にない優れた機
能のプラスチックレンズとその製造方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラスチックレンズの製造方法の
一実施例を示す重合用鋳型の断面図である。 【図2】射出成形によるレンズの光学歪、アニール後の
変形を示す説明図である。 【図3】本発明によるプラスチックレンズの製造方法の
各工程の概略を説明するための概略工程図である。 【符号の説明】 3 レンズブランク 4 シロップ 5,5′ 鋳型面 6,6′ 鋳型 8 キャビティ
一実施例を示す重合用鋳型の断面図である。 【図2】射出成形によるレンズの光学歪、アニール後の
変形を示す説明図である。 【図3】本発明によるプラスチックレンズの製造方法の
各工程の概略を説明するための概略工程図である。 【符号の説明】 3 レンズブランク 4 シロップ 5,5′ 鋳型面 6,6′ 鋳型 8 キャビティ
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
B29K 105:32
B29L 11:00 4F
(72)発明者 高木 正雄
神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株
式会社日立製作所家電研究所内
(72)発明者 谷津田 則夫
神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株
式会社日立製作所家電研究所内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.光学歪が除かれたプラスチック材料からなるレンズ
ブランク上に、該レンズブランクと概略同一の屈折率の
ポリメチルメタクリレート(共重合体を含む)もしくは
ポリスチレンのプラスチック材料からなって紫外線照射
によって重合した層が形成されてなり、該層が所定の表
面形状をなすことを特徴とするプラスチックレンズ。 2.組立時気密性を保てるとともに、少なくとも2分割
可能であり、レンズ賦形面を形成する部分の少なくとも
1面が紫外線透過性材料よりなる鋳型を用い、光学歪が
除かれ概略所望形状のレンズブランクを該所望形状のキ
ャビティに挿入し、該レンズブランクと鋳型によって形
成された該キャビティの鋳型面との間の空隙に、該レン
ズブランクと重合後概略同一の屈折率になるポリメチル
メタクリレート(共重合体を含む)もしくはポリスチレ
ンのプラスチック材料の紫外線により重合する流動状性
材料を充填した後、鋳型外部より紫外線を照射し、該流
動体層を重合せしめてなることをとするプラスチックレ
ンズの製造方法。 3.特許請求の範囲第2項において、前記空隙を減圧状
態にして前記流動状材料を充填することを特徴とするプ
ラスチックレンズの製造方法。 4.特許請求の範囲第1、第2項または第3項におい
て、前記レンズが両凹レンズ、メニスカス凹レンズ、フ
レネルレンズであることを特徴とするプラスチックレン
ズの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3348396A JPH07309B2 (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | プラスチックレンズとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3348396A JPH07309B2 (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | プラスチックレンズとその製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57150006A Division JPS5939526A (ja) | 1982-08-31 | 1982-08-31 | プラスチツクレンズの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0531738A true JPH0531738A (ja) | 1993-02-09 |
JPH07309B2 JPH07309B2 (ja) | 1995-01-11 |
Family
ID=18396741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3348396A Expired - Fee Related JPH07309B2 (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | プラスチックレンズとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07309B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006276721A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Fujinon Corp | プラスチックレンズの製造方法 |
JP2007501723A (ja) * | 2003-05-27 | 2007-02-01 | サーファラージ,フェーツェ,モナ | 眼内レンズ用金型 |
JP2014182199A (ja) * | 2013-03-18 | 2014-09-29 | Stanley Electric Co Ltd | 非球面レンズ及びその製造方法 |
CN115041925A (zh) * | 2022-06-29 | 2022-09-13 | 徐德富 | 一种保形加工方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8852112B2 (en) | 2007-06-28 | 2014-10-07 | W. L. Gore & Associates, Inc. | Catheter with deflectable imaging device and bendable electrical conductor |
US8864675B2 (en) | 2007-06-28 | 2014-10-21 | W. L. Gore & Associates, Inc. | Catheter |
-
1991
- 1991-12-05 JP JP3348396A patent/JPH07309B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007501723A (ja) * | 2003-05-27 | 2007-02-01 | サーファラージ,フェーツェ,モナ | 眼内レンズ用金型 |
JP2006276721A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Fujinon Corp | プラスチックレンズの製造方法 |
JP2014182199A (ja) * | 2013-03-18 | 2014-09-29 | Stanley Electric Co Ltd | 非球面レンズ及びその製造方法 |
CN115041925A (zh) * | 2022-06-29 | 2022-09-13 | 徐德富 | 一种保形加工方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07309B2 (ja) | 1995-01-11 |
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