JPH05317281A - 生体磁場測定方法およびその装置 - Google Patents

生体磁場測定方法およびその装置

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JPH05317281A
JPH05317281A JP4122296A JP12229692A JPH05317281A JP H05317281 A JPH05317281 A JP H05317281A JP 4122296 A JP4122296 A JP 4122296A JP 12229692 A JP12229692 A JP 12229692A JP H05317281 A JPH05317281 A JP H05317281A
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JP
Japan
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magnetic field
calculation
result
savart
field measurement
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JP4122296A
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Inventor
Tomoaki Ueda
智章 上田
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体表面に近い複数箇所での磁場測定値に基
づいて行なう磁場源解析精度を、測定点を増加させるこ
となく向上させる。 【構成】 N個の磁場センサMSによる磁場測定値に基
づいて補間処理部IPによる補間を行なって測定点間の
任意の点における疑似測定値を得、実際の測定値および
疑似測定値を教師パターンとして補正部11a,12
a,・・・,1maによるビオ・サバール演算ユニット
11,12,・・・,1mの未知数の補正を行ない、補
正された未知数を磁場源解析結果として情報収集ユニッ
ト4により取出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は生体磁場測定方法およ
びその装置に関し、さらに詳細にいえば、生体表面近傍
の複数箇所において得られた磁場計測値に基づいて生体
内部の磁場源の位置とその電流ベクトル成分を推定し、
推定結果を磁場源情報として出力する生体磁場測定方法
およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から生体表面近傍の複数箇所に超伝
導量子干渉素子(Superconducting Quantum Interferen
ce Device 、以下、SQUIDと略称する)を用いたS
QUID磁束計を配置することにより生体内部の磁場源
を解析する磁場源測定装置が提案されている。
【0003】この装置は、スーパーコンピュータを用い
て以下の処理を行なうものである。即ち、 a)複数個のSQUID磁束計による探査空間に乱数を
用いてm個の電流素片をばらまく。ここで、電流素片i
の入力パラメータは位置情報P(x,y,z)および電
流ベクトルI(X,Y,Z)であるから、xi,yi,
zi,Xi,Yi,Zi(但し、i=1,2,・・・
m)の6m個のパラメータを乱数を用いて決定する。 b)後述する推定誤差演算プロセスにより全推定誤差E
を算出する。 c)以下のd)からg)の処理を反復する。 d)任意に電流素片を選択し、該当する電流素片kのパ
ラメータおよび全推定誤差を退避する。即ち、 位置情報Ps(xs,ys,zs)=Pk(xk,y
k,zk) 電流ベクトルIs(Xs,Ys,Zs)=Ik(Xk,
Yk,Zk) 全推定誤差Es=Eの処理を行なう。 e)電流素片kのパラメータを乱数を用いて微少な量だ
け変化させる。即ち、各成分の微少な変化量を△x,△
y,△z,△X,△Y,△Zとすれば、 Pk(xk,yk,zk)=Pk(xk+△x,yk+
△y,zk+△z) Ik(Xk,Yk,Zk)=Ik(Xk+△X,Yk+
△Y,Zk+△Z)の処理を行なう。 f)後述する推定誤差演算プロセスにより全推定誤差E
を算出する。 g)退避した全推定誤差Esとf)で算出された全推定
誤差Eとを比較し、全推定誤差Esの方が小さければ、
d)で退避した情報を復帰させる。即ち、 位置情報Pk(xk,yk,zk)=Ps(xs,y
s,zs) 電流ベクトルIk(Xk,Yk,Zk)=Is(Xs,
Ys,Zs) 全推定誤差E=Esの処理を行なう。
【0004】また、上記推定誤差演算プロセスは次のと
おりである。 I.各電流素片のパラメータから各測定点j(j=1,
2,・・・N)における磁場を演算する。即ち、 1)次の2),3)の処理を全ての測定点jについて行
なう。 2)次の3)の処理を全ての電流素片iについて行な
う。 3)ビオサバールの法則を用いて、測定点jに電流素片
iがつくる磁場Beji(BXeji,BYeji,B
Zeji)を演算する。 4)m個の電流素片が測定点jにつくる磁場Bejを次
式に基づいて演算する。
【0005】
【数1】
【0006】の演算を行なう。 II.各測定点jにおける測定値Bj(BXj,BY
j,BZj)と全電流素片に基づく推定値Bejから推
定誤差Ejを演算し、全推定誤差Eを算出する。即ち、 5)次の6)の処理を全ての測定点jについて行なう。 6)各測定点jにおける推定誤差Ejを次式に基づいて
演算する。 Ej=(BXj- BXej)2+(BYj -BYej)2+(B
Zj- BZej)2 7)全推定誤差Eを次式に基づいて算出する。
【0007】
【数2】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記装置を用いて磁場
源の解析を行なえば、全推定誤差Eが小さくなるように
電流素片kのパラメータを微少量ずつ変化させるのであ
るから最終的に正しい解析結果が得られるように思われ
る。しかし、図7(A)に示すように電流素片kの初期
状態が設定された場合に、2400回の処理を行なった
場合に図7(B)に示す状態にまで各電流素片kが変化
され、3600回の処理を行なった場合に図7(C)に
示す状態にまで各電流素片kが変化されただけであり、
最終的な解を得ることができない。また、図7(B)
(C)を比較すると電流素片kの状態は余り変化してお
らず、処理回数を増加させても最終的な解を得ることが
できないという不都合がある。また、3600回の処理
を行なうためにスーパーコンピュータを用いても約20
分の時間がかかっており、到底実用化できないという不
都合もある。
【0009】このような不都合の発生は、1回の処理を
行なっても全推定誤差Eが小さくなるという保証が全く
ないこと、および上記処理中、推定誤差演算プロセスの
I.1),2),3)とII.5),6)の部分のみに
ついて並列処理が可能であり、他の処理については並列
処理できないのであるから並列プロセッサを使用しても
全体としての演算の高速化が達成できないことが原因で
あることを見出した。
【0010】また、近年ニューラルネットワークの研究
が進展しており、上記磁場源の解析にニューラルネット
ワークを適用することが考えられている。しかし、階層
型パーセプトロンにおいて取扱う問題が複雑になると多
階層構造が要求されるか、または中間層の1層を構成す
る為のニューロン素子数の増加が要求され、全体のニュ
ーロン素子数が著しく多くなるのであるから、学習によ
り決定する必要がある荷重の数が著しく多くなり、解を
収束させるための演算負荷が膨大になってしまうという
不都合がある。また、ポップフィールド・モデルにおい
ては、解析のための目的関数をポップフィールド・モデ
ルに適合する関数形に変換する作業、目的関数を構成す
る独立変数をニューロンモデルの活性度あるいは出力値
になるように変換させるための変換規則を定める作業が
非常に困難であるとともに、うまく関数の変換ができな
い可能性が高いという不都合、収束性が高い初期値の設
定が困難であるという不都合、収束値を得るまでの所要
時間が著しく長くなるという不都合等がある。
【0011】このような不都合を解消するために、本件
発明者は、既知の情報に基づいて複数の、ビオ・サバー
ルの法則の演算を行ない、各ビオ・サバールの法則の演
算結果を累積加算して得られる値と生体表面の複数箇所
で測定した磁場計測値との差を算出し、算出した差に基
づいて各ビオ・サバールの法則の演算式に含まれる磁場
源情報を補正し、差が十分に小さくなるまで上記一連の
処理を反復してから各ビオ・サバールの方則の演算式に
含まれる補正された磁場源情報を磁場測定結果として出
力する方法を考えた(特願平3−336012号参
照)。
【0012】この方法を採用すれば、既知のビオ・サバ
ールの法則の演算式に含まれる、磁場源に対応して定ま
るべき定数を、累積加算値と磁場計測値との差に対応し
て変化させるだけでよく、全体として処理を簡素化でき
るとともに、解析所要時間を大幅に短縮できる。しか
し、磁場を計測するための測定点数が少ない場合には、
磁場源に対応して定まるべき定数の初期値によっては浅
い位置にローカルミニマ(誤った答)が存在する可能性
がある。このローカルミニマにおいても磁場の推定誤差
は小さくなっているが、エネルギー的には大きすぎる収
束値であり、不合理であると判定できる。したがって、
このような場合には、初期値を変化させて正しいと思わ
れる解を求める必要があり、作業が複雑化するととも
に、所要時間が長くなってしまうという不都合がある。
このような不都合を解消するためには、十分に多い数の
測定点における磁場の測定を行なえばよいのであるが、
必然的に所要時間の長時間化を招くのみならず、装置全
体として構成要素数が増加し、コストアップを招いてし
まうという不都合がある。
【0013】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、測定点数が少なくても確実に真の解を得
ることができ、しかも所要時間を著しく短縮できる新規
な生体磁場測定方法およびその装置を提供することを目
的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、請求項1の生体磁場測定方法は、既知の入力パタ
ーンを供給して、磁場源情報を未知数とする複数のビオ
・サバールの法則の演算を行ない、各演算結果を累積加
算して磁場演算値を得、人体表面の近傍の複数箇所にお
いて得られた磁場計測値に基づいて補間処理を施すこと
により計測数よりも多い計測値に基づく教師パターンを
得、上記磁場演算値と教師パターンとの差を算出し、算
出した差に基づいて各演算式に含まれる未知数としての
磁場源情報を補正し、差が十分に小さくなるまで上記一
連の処理を反復してから各演算式に含まれる未知数とし
ての磁場源情報を生体磁場測定結果として出力する方法
である。
【0015】請求項2の生体磁場測定装置は、既知の入
力パターンに基づいて、異なる磁場源情報に基づく複数
のビオ・サバールの法則の演算を行なう演算手段と、各
演算手段から出力される演算結果結果を累積加算する累
積加算手段と、人体表面の近傍の複数箇所において磁場
計測値を得る磁場計測手段と、磁場計測手段により得ら
れた複数箇所の磁場計測値に基づいて補間処理を施すこ
とにより計測数よりも多い計測値に基づく教師パターン
を得る補間演算手段と、上記累積加算手段から出力され
る累積加算結果と教師パターンとに基づいて誤差を算出
する誤差算出手段と、算出された誤差に基づいて各演算
手段における磁場源情報の補正を行なう補正手段と、補
正手段による補正が施された結果を収集して生体磁場測
定結果として出力する補正結果収集手段とを含んでい
る。
【0016】
【作用】請求項1の生体磁場測定方法であれば、既知の
入力パターンを供給して、磁場源情報を未知数とする複
数のビオ・サバールの法則の演算を行ない、各演算結果
を累積加算して磁場演算値を得、人体表面の近傍の複数
箇所において得られた磁場計測値に基づいて補間処理を
施すことにより計測数よりも多い計測値に基づく教師パ
ターンを得、上記磁場演算値と教師パターンとの差を算
出し、算出した差に基づいて各演算式に含まれる未知数
としての磁場源情報を補正し、差が十分に小さくなるま
で上記一連の処理を反復してから各演算式に含まれる未
知数としての磁場源情報を生体磁場測定結果として出力
するのであるから、測定点数が少なくても、補間処理を
施すことにより等価的に測定点数が増加した状態を得る
ことができ、等価的に増加した測定点に基づいて推定処
理を行なうので、浅い位置のローカルミニマを確実に排
除でき、正確な生体内部の磁場源情報を得ることができ
る。
【0017】請求項2の生体磁場測定装置であれば、既
知の入力パターンに基づいて、演算手段により異なる磁
場源情報に基づく複数のビオ・サバールの法則の演算を
行ない、各演算手段から出力される演算結果結果を累積
加算手段により累積加算する。また、人体表面の近傍の
複数箇所において磁場計測手段により磁場計測値を得、
磁場計測手段により得られた複数箇所の磁場計測値に基
づいて補間演算手段により補間処理を施すことにより計
測数よりも多い計測値に基づく教師パターンを得る。そ
して、上記累積加算手段から出力される累積加算結果と
教師パターンとに基づいて誤差算出手段により誤差を算
出し、算出された誤差に基づいて補正手段により各演算
手段における磁場源情報の補正を行ない、補正結果収集
手段により、補正手段による補正が施された結果を収集
して生体磁場測定結果として出力する。したがって、測
定点数が少なくても、補間処理を施すことにより等価的
に測定点数が増加した状態を得ることができ、等価的に
増加した測定点に基づいて推定処理を行なうので、浅い
位置のローカルミニマを確実に排除でき、正確な生体内
部の磁場源情報を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図1はこの発明の生体磁場測定装置の一実施
例を示すブロック図であり、ビオ・サバールの法則の演
算を行なう複数個のビオ・サバール演算ユニット11,
12,・・・,1mと、ビオ・サバール演算ユニット1
1,12,・・・,1mから出力される演算結果g1,
g2,・・・,gmを累積加算するシグマ・ユニット2
と、シグマ・ユニット2から出力される累積加算結果O
j(t)と教師パターンとしての磁場計測値Sj(t)
とを入力として両者の差を算出する誤差演算器3と、算
出された差に基づいて、ビオ・サバール演算ユニットに
おいて推定されている変数を補正する補正部11a,1
2a,・・・,1maと、ビオ・サバール演算ユニット
11,12,・・・,1mにおいて推定されている変数
の値を収集して磁場源解析結果として出力する情報収集
ユニット4とを有している。そして、磁場を検出すべく
配置されたN個の磁場センサMSと、磁場センサMSか
らの磁場測定値に基づく補間処理を行なって磁場センサ
MS間の磁場補間値を得る補間処理部IPと、N個中の
何れかの磁場測定値または磁場補間値とその観測条件を
それぞれ選択して誤差演算器3に教師信号として供給す
るマルチプレクサMX1,MX2と、マルチプレクサM
X1,MX2の動作を制御する制御回路Cとを有してい
る。尚、上記ビオ・サバール演算ユニット11,12,
・・・,1mは時刻t、計測位置等の既知情報が供給さ
れたことに応答して、既知情報に基づいて各ビオ・サバ
ール演算ユニットに設定されているビオ・サバールの法
則に基づく演算を行なうとともに、誤差演算器3から出
力される推定誤差dj(t){=Sj(t)−Oj
(t)}が供給されたことに応答して演算式に含まれる
変数を推定誤差が少なくなるように補正する。また、ビ
オ・サバール演算ユニットはそれぞれ同期的に動作する
ように制御してもよく、また、非同期的に動作するよう
に制御してもよい。
【0019】上記の構成の生体磁場測定装置の作用は次
のとおりである。解析対象となる磁場Oj(t)は、時
刻tと電流素片の3次元座標値xi,yi,zi(iは
正の整数、以下、同じ)と、電流素片のベクトル成分P
xi,Pyi,Pziを持つ関数gi(ビオ・サバール
の法則に基づいて定まる関数)の線形和である。但し、
以下の説明においてxi,yi,zi,Pxi,Py
i,Pziをそれぞれai1,ai2,ai3,ai
4,ai5,ai6と表記する。
【0020】したがって、時刻tをm個のビオ・サバー
ル演算ユニット11,12,・・・1mに供給してそれ
ぞれ関数g1,g2,・・・,gmの演算を行なって関
数値を算出し、算出された全ての関数値をシグマ・ユニ
ット2に供給することにより累積加算値Oj(t)を得
ることができる。但し、当初は未知数が適当に設定され
ているのであるから、得られる累積加算値Oj(t)は
実際の測定値または磁場補間値(以下、単に磁場測定値
と称する)Sj(t)とは異なる。したがって、誤差演
算器3において実際の測定値Sj(t)と累積加算値O
j(t)との差を算出し、算出された差を推定誤差dj
(t)としてビオ・サバール演算ユニット11,12,
・・・,1mの補正部11a,12a,・・・,1ma
にフィードバックし、推定誤差dj(t)が小さくなる
ように各ビオ・サバール演算ユニットの未知数を変化さ
せる。
【0021】上記一連の処理を反復すれば推定誤差dj
(t)が小さくなり、ついには推定誤差dj(t)がほ
ぼ0になるので、この時点においてビオ・サバール演算
ユニット11,12,・・・,1mの未知数の値を情報
収集ユニット4により収集して出力することにより物理
源の物理量に関する解析結果を得ることができる。ま
た、推定誤差評価関数Ej(t)を次式で定義すれば、
数3が得られる。 Ej(t)=(1/2){Sj(t)−Oj(t)}2
【0022】
【数3】
【0023】そして、各ビオ・サバール演算ユニットに
おける未知数の補正を最急降下法に基づいて行なうこと
とすれば、推定誤差評価関数値が最小になる未知数の推
定は数4に基づいて行なうことができる。但し、εkは
未知数aikの学習ゲイン(補正ゲイン)である。
【0024】
【数4】
【0025】また、累積加算値Oj(t)のaikによ
る偏微分値は数5で与えられるので、数4は数6と表現
できる。
【0026】
【数5】
【0027】
【数6】
【0028】したがって、数6の処理を行なうことによ
り電流素片の3次元座標値およびベクトル成分の推定精
度を高め、より正確な電流素片を得ることができる。ま
た、この実施例においては、実際の磁場測定値のみなら
ず、磁場測定値に基づいて得た磁場補間値をも教師信号
として用いているので、ローカルミニマに収束という不
都合を解消して電流素片を高精度に推定できる。この点
についてさらに詳細に説明する。
【0029】図2は1つの電流素片の深さに対応して測
定される磁界分布を示す図であり、磁場測定面と電流素
片とが接近すればピーク間の距離が狭くなり、磁場測定
面と電流素片とが離れればピーク間の距離が広がるとと
もにピーク値も厳戒することが分る。したがって、図3
にxで示す磁場測定値が得られ、図3に実線で示す磁場
推定曲線に基づいて1つの電流素片のみが存在すると推
定されることが正常である場合であっても、図4に破線
で示す3つの推定曲線が重畳された状態であると推定さ
れ、この推定結果に基づいて3つの電流素片が存在する
と推定される可能性がある。図4の場合にも、各磁場測
定点における誤差は小さくなっているので、上記の推定
結果が得られる可能性は否定できない。しかし、生体磁
場の測定を行なう場合に、図4に示すように磁場測定面
からの深さが大幅にばらつく位置に電流素片が推定され
るべきではないので、このような不都合を解消する必要
があれば、磁場測定点間隔を小さく設定して磁場測定点
数を増加させなければならないと思われていた。しか
し、磁場測定点間隔は、ピックアップ・コイルの直径、
コイルの線径等に基づいて定まる空間分解能程度の間隔
に設定されているのであるから、磁場測定点間隔を小さ
くしようとすれば、ピックアップ・コイル等を変更しな
ければならず、簡単には対処できない。しかし、この実
施例においては、磁場測定点間隔が空間分解能程度の間
隔に設定されていることを考慮して磁場測定点間の任意
の点における磁界強度を補間処理(例えば、直線補間、
スプライン補間、サンプリング関数による補間等)によ
り得ることにより図5または図6に黒丸で示すように実
際の測定値と同様に取扱える疑似測定値を加え、これら
の値に基づいて推定処理を行なうのであるから、図4に
示すようなローカルミニマへの収束を確実に阻止でき、
高精度の生体磁場測定を達成できる。
【0030】尚、この発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、例えば、各ビオ・サバール演算ユニット
としてビオ・サバールの法則に基づく演算式を学習させ
た階層型パーセプトロンを採用することが可能であるほ
か、この発明の要旨を変更しない範囲内において種々の
設計変更を施すことが可能である。
【0031】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、測定点
数が少なくても、補間処理を施すことにより等価的に測
定点数が増加した状態を得ることができ、等価的に増加
した測定点に基づいて推定処理を行なうので、浅い位置
のローカルミニマを確実に排除でき、正確な生体内部の
磁場源情報を得ることができるという特有の効果を奏す
る。
【0032】請求項2の発明も、測定点数が少なくて
も、補間処理を施すことにより等価的に測定点数が増加
した状態を得ることができ、等価的に増加した測定点に
基づいて推定処理を行なうので、浅い位置のローカルミ
ニマを確実に排除でき、正確な生体内部の磁場源情報を
得ることができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の生体磁場測定装置の一実施例を示す
ブロック図である。
【図2】電流素片からの距離に依存する磁界分布の変化
を説明する概略図である。
【図3】粗い磁場測定値に基づいて正確な推定が行なわ
れた場合を概略的に説明する図である。
【図4】粗い磁場測定値に基づいてローカルミニマに収
束した場合を概略的に説明する図である。
【図5】1次元補間により得られた疑似測定点を概略的
に説明する図である。
【図6】2次元補間により得られた疑似測定点を概略的
に説明する図である。
【図7】従来の磁場源推定方法を説明する概略図であ
る。
【符号の説明】
11,12,・・・,1m ビオ・サバール演算ユニッ
ト 11a,12a,・・・,1ma 補正部 2 シグマユニット 3 誤差演算器 4 情報収
集ユニット MS 磁場センサ IP 補間処理部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既知の入力パターンを供給して、磁場源
    情報を未知数とする複数のビオ・サバールの法則の演算
    を行ない、各演算結果を累積加算して磁場演算値を得、
    人体表面の近傍の複数箇所において得られた磁場計測値
    に基づいて補間処理を施すことにより計測数よりも多い
    計測値に基づく教師パターンを得、上記磁場演算値と教
    師パターンとの差を算出し、算出した差に基づいて各演
    算式に含まれる未知数としての磁場源情報を補正し、差
    が十分に小さくなるまで上記一連の処理を反復してから
    各演算式に含まれる未知数としての磁場源情報を生体磁
    場測定結果として出力することを特徴とする生体磁場測
    定方法。
  2. 【請求項2】 既知の入力パターンに基づいて、異なる
    磁場源情報に基づく複数のビオ・サバールの法則の演算
    を行なう演算手段(11)(12)・・・(1m)と、
    各演算手段(11)(12)・・・(1m)から出力さ
    れる演算結果結果を累積加算する累積加算手段(2)
    と、人体表面の近傍の複数箇所において磁場計測値を得
    る磁場計測手段(MS)と、磁場計測手段(MS)によ
    り得られた複数箇所の磁場計測値に基づいて補間処理を
    施すことにより計測数よりも多い計測値に基づく教師パ
    ターンを得る補間演算手段(IP)と、上記累積加算手
    段(2)から出力される累積加算結果と教師パターンと
    に基づいて誤差を算出する誤差算出手段(3)と、算出
    された誤差に基づいて各演算手段(11)(12)・・
    ・(1m)における磁場源情報の補正を行なう補正手段
    (11a)(12a)・・・(1ma)と、補正手段
    (11a)(12a)・・・(1ma)による補正が施
    された結果を収集して生体磁場測定結果として出力する
    補正結果収集手段(4)とを含むことを特徴とする生体
    磁場測定装置。
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