JPH0531719Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はフロツピーデイスクドライブ装置（以
下FDD装置という）に於けるヘツドローデイン
グ装置に関するものである。

〔考案の目的〕

一般に3.5インチフロツピーデイスク（以下媒
体という）は、ハードジヤケツトによりケーシン
グされ、媒体がFDD装置に装填されると、媒体
のオートシヤツターが開きＳ−０ヘツド上にロー
デイングされ、通常ほぼ同時にＳ−１ヘツドが媒
体上にローデイングされる。

ところが、上記Ｓ−１ヘツドのローデイングが
瞬間的な為、媒体面に着地する速度が大きく、こ
の時、媒体の磁性層へ大きな衝撃力を与え、物理
的な損傷を加えることもある。

従つて、以上の事を防止する為、Ｓ−１ヘツド
の着地速度を緩和し、媒体を保護する方策や機構
が種々考えられている。本考案も上記の機能を持
つヘツドローデイング装置であつて、その目的
（狙い）とするところは、構造が簡単で構成部品
が少く、容易に組立，製作ができ、しかも確実な
動作をし、従来装置と比較して安価であると同時
に高品質なヘツドローデイング装置を提供するに
ある。

〔従来技術とその問題点〕

第１図は従来装置の斜視図、第２図はその軸受
部の断面図を示すもので、１は板金製のベイルで
ある。

この板金製ベイル１は、ヘツドアーム（図示せ
ず）に設けたアームハンガーに係合し、ローデイ
ング／アンローデイング時に前記ヘツドアームに
設けたＳ−１ヘツドを上，下させる。

そうして、このベイル１にはダンパー２の軸を
中心に回転可能なダンパレバー２ａを嵌合させる
長孔１ａが設けられ、又支点部には支点シヤフト
１ｂをカシメ等により直角に植立し揺動可能にし
てある。

一方、FDD装置本体に固定されるブラケツト
３には、粘性油を封入した回転型ダンパ２がネジ
で固定されると共に、前記ベイル支点部にベイル
１が揺動可能な様に、支点シヤフト１ｂと嵌合す
るためのベイル軸受３ａがカシメ等で直角に植立
され、支点シヤフト先端部には、又抜け止めのＥ
リング５が嵌められている。

この種のヘツドローデイング装置は、ドライブ
時において、ヘツド（両面型はＳ−０ヘツドとＳ
−１ヘツド）を支持するキヤリツジ（図示せず）
は媒体の半径方向に直進運動を行うが、キヤリツ
ジがどの位置にあつてもＳ−１ヘツド下面は、媒
体上面に対し、ある距離を一定に保つて、又、ロ
ーデイング時は、ベイル１がアームハンガー下面
に対しある距離の空〓を一定に保つことが望まし
い。

従つてもし、Ｓ−１ヘツドを上，下させるベイ
ル１が媒体面に対して平行でないと、Ｓ−１ヘツ
ドが媒体上面と接近しすぎたり（当つたり）、ロ
ーデイング時には、ベイルとアームハンガーが接
触し、Ｓ−１ヘツドが媒体磁性面より浮き上つた
りあるいは一定のヘツド押付圧が不完全の為、デ
ータの読み書きが不可能となる。

以上の理由により、ベイル上面は媒体面に対し
極力平行を保つことが必要である。

ところが、従来装置の場合、ベイル軸受３ａは
片持支持であるため、上記ベイル面平行を保つ為
に板金製ベイルホルダー３の直角曲げ角度やベイ
ル軸受／支点シヤフトの植立角度、及び、ベイル
軸受３ａと支点シヤフト１ｂの嵌合ガタ等の製造
上の管理を必要とし、各部に非常な高精度を要求
される為、高価になつてしまつた。

又、スプリング４（トーシヨンスプリング）の
捩りや、Ｅリング止めなど製造／生産性にも不便
となつている。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の問題点を解決するためになされ
たもので、ブラケツトにベイルを枢着したヘツド
ローデイング装置において、前記ブラケツトを
状とし、それを金属板，プラスチツクの等の可撓
性の材料で構成すると共に、ベイルにブラケツト
の外側で係合する２つのアームを設け、一方には
凸部を、他方にはそれと嵌合する凹部又は透孔を
設けてベイルのアームをブラケツトに枢着するよ
うにしたものである。

〔作用〕

ベイルのアームをブラケツトに嵌め込みにより
簡単に枢着することができる。

〔実施例 １〕 第３図は本考案の一実施例を示す斜視図、第４
図はその枢着部の縦断面図、第５図はベイルアー
ムの内面図である。

図において、１０は２本のアーム１０ａ，１０
ａを設けたベイル、１１は状に形成された金属
板製ブラケツトで、アーム１０ａ，１０ａの端部
に第５図に示すような溝１０ｂを夫々設け、ブラ
ケツト１１の直立部１１ａ，１１ａには溝１０ｂ
と係合する凸部１１ｂ，１１ｂが設けられてい
る。

１２は一方の直立部１１ａにネジ止めされたダ
ンパで、そのダンパレバー１２ａは一方のアーム
１０ａに設けた係合部１０ｃに挿入されている。

１３はベイル１０とブラケツト１１間に懸架し
たスプリングである。

次にその組立て方について述べると、先ずブラ
ケツト１１の凸部１１ｂ，１１ｂにアーム１０
ａ，１０ａの内側に設けた溝１０ｂを係合させた
後ベイル１０とブラケツト１１にスプリング１３
を懸架し、次にベイル１０の係合部１０ｃにダン
パレバー１２ａを係合させた後、ダンパ１２をブ
ラケツト１１の一方の直立部１１ａにビス止めす
る。

以上のように本考案に係るヘツドローデイング
装置は、従来装置のようなベイル軸受及び支点シ
ヤフトの部品がない為、それらを植立することが
不要になるだけでなく、植立する直角度の製造管
理が不要となる。又ブラケツトの曲げ部に於ける
直角度も従来例程必要なく、媒体面に対するベイ
ル上面の平行度は、一般的な加工方法にて十分満
足できる。又、組立においても、ブラケツト１１
及びベイル１０の弾性を利用し嵌め込みだけで実
現でき、非常に容易となる。

以上の様に簡単かつ少い構成部品で、容易に組
立ができ、確実な動作を得ることができる。

〔実施例 ２〕 第６図は異なる実施例を示すもので、実施例１
のように溝１０ｂ，１０ｂを設ける代りに、凸部
１１ｂと嵌合する通常の透孔１０ｄ，１０ｄを設
けたものである。

〔実施例 ３〕 第７図は本考案の他の実施例を示すものでアー
ム１０ａ，１０ａに凸部１０ｅ，１０ｅを、そし
てブラケツト１１にはそれと嵌合する透孔１１ｃ
を設けたものである。

〔実施例 ４〕 第８図はベイルの他の実施例を示すもので、ア
ーム１０ａ，１０ａを結びブリツジ１０ｆを設け
たものである。この構造によると、補強及び溝又
は透孔位置の安定性を増すことができる。

〔考案の効果〕

従来装置より部品点数が少いので組立が容易で
安価に提供できる。又軸受部は２点であるため、
ベイル上面が媒体面に対し平行に保持することが
出来、構造が簡単であるにも拘らず精度の高いヘ
ツドローデイング装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の斜視図、第２図はその軸受
部の縦断面図、第３図は本考案の一実施例の斜視
図、第４図はその軸受部の縦断面図、第５図はア
ームの内面図、第６図及び第７図は夫々本考案の
異なる実施例の軸受部の縦断面図、第８図は本考
案の他の実施例のベイルの平面図である。 １０……ベイル、１１……ブラケツト、１２…
…ダンパ、１３……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブラケツトにベイルを枢着したヘツドローデイ
   ング装置において、前記ブラケツトを状としそ
   れを金属板，プラスチツク等の可撓性の材料で構
   成すると共に、ベイルにブラケツトの外側で係合
   する２つのアームを設け、一方には凸部を、他方
   にはそれと嵌合する凹部又は透孔を設けて、ベイ
   ルのアームをブラケツトに枢着したことを特徴と
   するフロツピーデイスクドライブ装置に於けるヘ
   ツドローデイング装置。