JPH05314954A - 低圧放電灯 - Google Patents

低圧放電灯

Info

Publication number
JPH05314954A
JPH05314954A JP4405591A JP4405591A JPH05314954A JP H05314954 A JPH05314954 A JP H05314954A JP 4405591 A JP4405591 A JP 4405591A JP 4405591 A JP4405591 A JP 4405591A JP H05314954 A JPH05314954 A JP H05314954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bulb
layer
discharge lamp
discharge
pressure discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4405591A
Other languages
English (en)
Inventor
Masasane Takagi
将実 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP4405591A priority Critical patent/JPH05314954A/ja
Publication of JPH05314954A publication Critical patent/JPH05314954A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Discharge Lamps And Accessories Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、輝度分布が均等化される低圧放電灯
の提供を目的とする。 【構成】本発明は、バルブ1の内面にけい光体層2を形
成し、このバルブの内部に発光物質を封入し、このバル
ブの外面に外部電極3、4を設け、この外部電極に高周
波電力を印加して点灯する低圧放電灯において、ガラス
バルブの内面にイオン反発層10を設けたことを特徴と
する。 【作用】本発明によると、バルブの内面に設けたイオン
反発層が希ガスイオンを電気的に反発し、希ガスイオン
がバルブ管壁に吸引や浸透するのを妨げて電位の低い部
分でも陽光柱を保つようになり、このため発光ガスの分
布が均等化されて輝度分布が均等化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バルブの外部に電極を
設けた低圧放電灯に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、密封したガラスバルブの内面にけ
い光体層を形成するとともに、このバルブの内部にキセ
ノンXeやキセノン−ネオンNeなどのように、少なく
ともキセノンを含む希ガスを封入し、このバルブの外面
に少なくとも1組の外部電極を設け、これら外部電極間
に高周波電力を印加して上記希ガスを電離させ、これに
より希ガスを放電させるようにした希ガス放電灯が知ら
れている。
【0003】このような外部電極形希ガス放電灯の構造
および等価回路を図6に示し、これにもとづき説明す
る。図6の(a)図および(b)図で、1はガラスバル
ブ、2はガラスバルブの内面に形成されたけい光体層、
3、4はバルブ1の外面に対向して設けた外部電極、5
は高周波点灯回路を示す。上記バルブ1内にはキセノン
ガスが封入されている。
【0004】外部電極3、4はそれぞれ導電性ペースト
により帯状に形成され、それぞれ同一幅をなしてバルブ
1の軸方向に延びている。このためこれら外部電極3、
4は図6の(c)図に示す等価回路において、C1 =C
2 =C3 =C4 =C5 =C 6およびC11=C12=C13
14=C15=C16となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなランプで
は、上記外部電極3、4が同一幅でバルブ1の軸方向に
延びているため、給電部としての電源接続点から遠ざか
る程電位が低下する。したがってランプの先端部では電
位の低下により電流が減少し、グローが弱くなる。
【0006】ところで、一般に陽光柱では電子が周囲へ
飛び出す現象があり、この電子はバルブの管壁に付着し
てこのバルブ壁をマイナスに帯電させ、このため陽光柱
から希ガスイオンが管壁に吸引され、いわゆる拡散現象
を生じる。通常は所定の放電電流を供給して電離を促
し、これにより上記拡散によるイオンの消失を補うよう
にしているが、上記したように外部電極3、4の先端部
では電流が少なくなるので、希ガスイオンの拡散が進
み、キセノンの分布が不均等になり、この部分でグロー
が弱くなり、輝度が低下する傾向がみられる。
【0007】電源接続点を一端に偏らせる、図6におい
て例えばR5 とR15を高周波点灯回路5に接続すると、
他端側のR1 とR11側での輝度が大幅に低下する。ま
た、電源接続点を対角的に配置する、図6において例え
ばR5 とR11を高周波点灯回路5に接続するようにする
と、見掛け上の輝度分布はある程度改善されるが、R1
とR15は電位が大幅に下がるためちらつき等の不安定な
放電が発生し易くなる。
【0008】このような不具合を防止するため、外部電
極3、4の形状を電源接続点から離れる程幅広に形成す
るなどの対策も提案されているが、ランプが長くなった
り、外部電極をこのように形成できない場合には効果が
ない欠点がある。
【0009】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、バルブの電位差を
解消し、放電ガスの分布を均等化し、したがってグロー
の強さを均等化し、輝度分布を均等にすることができる
低圧放電灯を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラスバルブ
の内部に放電ガスを封入し、このバルブの外面に複数の
外部電極を設けるか、または内部電極と外部電極を設
け、これら外部電極間、または内部電極と外部電極の間
に高周波電力を印加して上記放電ガスを発光させるよう
にした低圧放電灯において、ガラスバルブの内面に放電
イオンを反発するイオン反発層を設けたことを特徴とす
る。
【0011】
【作用】本発明によると、バルブの内面に設けたイオン
反発層が放電ガスのイオンを電気的に反発し、放電ガス
イオンがバルブ管壁に吸引や浸透するのを防止し、電位
の低い部分にも強いグローを延長させて輝度分布を均等
にすることができ、可視光の光量が増す。
【0012】
【実施例】以下本発明について、図1ないし図3に示す
第1の実施例にもとづき説明する。図1の(a)図およ
び(b)図において、1は密封されたガラスバルブであ
り、例えば管径5.8mm、管長300mmの細長い直管形
状をなしている。
【0013】このガラスバルブ1の内面には全面に亘
り、相対接触帯電がプラスになる金属酸化物の層からな
るイオン反発層10が形成されている。この金属酸化物
は、例えばアルミナAl2 3 、酸化鉛PbO、酸化亜
鉛ZnOまたはマグネシアMgOなどが適合し、少なく
ともこれらの1種の粉末を懸濁液に溶かしてバルブ内面
に塗り、これを焼成して形成されている。なお、粉末の
粒径は細かい方がよく、例えばアルミナを用いる場合は
0.1μm以下が好ましく、いわゆるγタイプがよい。
このような金属酸化物の層は、他の物質と接触すると相
手に比べて接触帯電がプラスになり易いもので、ガラス
に比較して相対接触帯電はプラスとなる。
【0014】上記イオン反発層10の内面には、けい光
体被膜2が形成されている。このけい光体被膜2は白色
発光の例えばホスホバナデートけい光体(Y(P、V)
4:Dy)が用いられている。また、このバルブ1内
にはキセノンXeガスが例えば100Torr封入されてい
る。
【0015】そして、バルブ1の外面には、互いに対向
して外部電極3、4が形成されている。これら外部電極
3、4は、例えば銀ペーストにより形成されており、そ
れぞれ同一幅をなしてバルブ1の軸方向に沿い、両端間
に延びている。
【0016】これら外部電極3、4は高周波点灯回路5
に接続されている。高周波点灯回路5は公知であるので
詳しく説明しないが、2次開放電圧が1000V(実効
値)とされている。そして、本実施例の場合、高周波点
灯回路5は上記外部電極3、4のそれぞれ軸方向の一端
部に接続されている。
【0017】このような構成の希ガス放電灯について、
作用を説明する。
【0018】高周波点灯回路5から外部電極3、4に高
周波電力を供給すると、バルブ1内のキセノンを主体と
した希ガスが励起され、紫外線を放出する。この紫外線
はけい光体層2で可視光に変換され、バルブ1の外部に
放出される。
【0019】そして、バルブ1の内面には全面に亘り相
対接触帯電がプラスになる金属酸化物層よりなるイオン
反発層10が形成されているので、このイオン反発層1
0はガス粒子の衝突等によりプラスに帯電し、プラスの
電位を有する内部電極として機能する。このため陽光柱
からバルブ壁に向かおうとする希ガスのイオンは上記プ
ラスに帯電しているイオン反発層10により電気的に反
発され、バルブ壁への拡散が妨げられる。したがって、
外部電極3、4の電源接続部から遠い先端部に対応した
電位の低い部分でも、希ガスイオンが陽光柱に戻される
ようになるから陽光柱を維持することができ、この領域
までグローが延びるからキセノンガスイオンの偏りを解
消する。この結果、バルブ1の端部でも、陽光柱から照
射される紫外線の量を多く保つことができ、この紫外線
にて励起されて発光するけい光体層2からの可視光の量
を多くすることができ、輝度分布を均等にすることがで
きる。
【0020】なお、イオン反発層10は、相対接触帯電
がプラスになる金属酸化物より構成されているので陽光
柱から周囲へ飛び出す電子を捕捉して電気的に中性にな
ろうとするが、放電空間内で活発に飛遊している中性ガ
ス粒子などの衝突により直ちにプラスに帯電する性質が
あり、略常時プラスに帯電しているものと看做すことが
できる。このため、マイナスに帯電する傾向が強いバル
ブ壁に希ガスイオンが吸引されるのを良好に防止するこ
とになる。
【0021】上記実施例の希ガス放電灯を実験した結果
を説明する。
【0022】図2は、バルブ1の管軸方向に沿う輝度分
布を測定したもので、横軸にバルブ1の位置(0がバル
ブ中心)を示し、縦軸に相対輝度分布を示し、特性Iが
イオン反発層10を形成したランプ、特性IIがイオン反
発層10を形成しないランプである。なお、ここではイ
オン反発層10としてγタイプのアルミナを用いた。
【0023】外部電極3、4の図示の右端部に高周波点
灯回路5を接続したので、左端部側の輝度が低下する
が、イオン反発層10を形成した特性Iのランプは輝度
低下の割合が少なく、イオン反発層10を形成しない特
性IIのランプよりも輝度分布が均等化することが確認で
きる。
【0024】また、図3は輝度維持率について調べたも
ので、横軸に点灯時間を示し、縦軸に輝度維持率を示
し、特性Iがイオン反発層10を形成したランプ、特性
IIがイオン反発層10を形成しないランプである。
【0025】イオン反発層10を形成しない特性IIのラ
ンプは、点灯5000時間前後でキセノンガスがバルブ
壁に吸引されて消失するため輝度維持率が急激に低下す
る。これに対し、イオン反発層10を形成した特性Iの
ランプは点灯10000時間でも良好な輝度を維持し、
輝度が低下するのはけい光体層2の劣化分のみである。
【0026】なお、上記実施例では、高周波電力を供給
する電極は、2個ともに外部電極3、4とした場合につ
いて説明したが、本発明はこれに限らない。
【0027】つまり、図4には他の実施例を示し、一方
に電極3はバルブ軸方向に延びる外部電極とし、他方の
電極20はバルブ内部に臨まされた内部電極であり、こ
のような構成の場合でもよい。この場合、内部電極20
は冷陰極であってもよい。
【0028】このような場合、外部電極3は電源接続部
から遠ざかる位置で電位が低下するため、希ガスイオン
が減少し、キセノンガスの分布が不均等になって輝度分
布が低下するが、バルブ1の内面にイオン反発層10を
形成すると先端までゴローが延びて輝度分布を改善する
ことができる。
【0029】また、イオン反発層10はけい光体層2の
内面(放電空間側)に形成してもよく、図1の(a)や
図4に示すように、バルブ1の端部でイオン反発層10
の一部が放電空間に直接露出していても、露出していな
くてもどちらでもよい。
【0030】さらに、バルブ1内に封入される物質は、
キセノンガスの外に、キセノン−ネオンの混合ガスであ
ってもよく、また水銀をアルゴンと一緒に封入して通常
のけい光ランプと同様の組成にしてもよい。水銀を用い
る場合は、水銀イオンがイオン反発層10により電気的
に反発されて水銀がバルブ壁に浸透するのが防止され、
水銀の消失が少なくなるので封入水銀量は必要最小限に
することができる効果も併せて奏する。
【0031】そして、イオン反発層10は図5に示すよ
うな特性にもとづき種々の材料が可能である。つまり、
図5は各種金属酸化物の相対接触帯電量ついて、ブロー
オフ測定法により調べたもので、先に説明したγタイプ
アルミナの場合は、帯電量がプラス80程度でかなり高
いことが判る。上記アルミナと略同等およびそれ以上の
相対接触帯電量をもつ金属酸化物であれば実用可能であ
る。
【0032】そして、けい光体層2の内部に、輝度調整
のため、色度調整のため、けい光体の結着強度を確保す
るため、等の目的で、酸化アルミニウムAl2 3 、酸
化チタンTiO2 、TiO2 −X、ピロリン酸カルシウ
ム、カルシウムバリウムボレートなどを混入してもよ
い。
【0033】さらに、バルブは直管形に限らず、U、W
などの屈曲形であってもよく、バルブの断面形状は円
形、楕円形または長円形のいづれの場合であってもよ
い。
【0034】さらにまた、外部の電極3、4を遮光膜や
絶縁膜で覆ってもよい。
【0035】そしてまた、本発明は外部電極3、4の電
位降下による電流値の低下が原因して、輝度のばらつき
を発生するものであり、外部電極3、4の電位降下は抵
抗に依存するが、例えば抵抗値の高いカーボン系のもの
でも同様の効果が得られる。
【0036】そして、バルブの内面にはけい光体層を設
けない構造のランプであっても実施可能である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、バ
ルブの内面に設けたイオン反発層が放電ガスのイオンを
電気的に反発し、放電ガスイオンがバルブ管壁に吸引や
浸透するのを妨げて電位の低い部分でも陽光柱を保つよ
うになる。このため放電ガスの分布も均等になり、電位
の低い部分でも強いグローが発生して発光量を多くする
ことができ、このため、バルブの場所による輝度分布の
ばらつきが解消され、均等な輝度分布を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、(a)図は低圧放電
灯の構成図、(b)図は(a)図中AーA線の断面図。
【図2】同実施例における輝度分布の特性図。
【図3】同実施例における輝度維持率の特性図。
【図4】本発明の他の実施例を示す低圧放電灯の構成
図。
【図6】各種金属酸化物の相対接触帯電量を示す特性
図。
【図6】従来の技術を示し、(a)図は低圧放電灯の構
成図、(b)図は(a)図中BーB線の断面図、(c)
図は等価回路を示す図。
【符号の説明】
1…ガラスバルブ,2…けい光体層,3,4…外部電
極、5…高周波点灯回路、10…イオン反発層、20…
内部電極。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年3月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 低圧放電灯
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バルブの外部に電極を
設けた低圧放電灯に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、本発明者等は、密封したガラスバ
ルブの内面にけい光体層を形成するとともに、このバル
ブの内部にキセノンXeやキセノン−ネオンNeなどの
ように、少なくともキセノンを含む希ガスを封入し、こ
のバルブの外面に少なくとも1組の外部電極を設け、こ
れら外部電極間に高周波電力を印加して上記希ガスを電
離させ、これにより希ガスを放電させるようにした希ガ
ス放電灯を研究中である。
【0003】このような外部電極形希ガス放電灯の構造
および等価回路を図6に示し、これにもとづき説明す
る。図6の(a)図および(b)図で、1はガラスバル
ブ、2はガラスバルブの内面に形成されたけい光体層、
3、4はバルブ1の外面に対向して設けた外部電極、5
は高周波点灯回路を示す。上記バルブ1内にはキセノン
ガスが封入されている。
【0004】外部電極3、4はそれぞれ導電性ペースト
により帯状に形成され、それぞれ同一幅をなしてバルブ
1の軸方向に延びている。このためこれら外部電極3、
4は図6の(c)図に示す等価回路において、C=C
=C=C=C=CおよびC11=C12=C
13=C14=C15=C16となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなランプで
は、上記外部電極3、4が同一幅でバルブ1の軸方向に
延びているため、給電部としての電源接続点から遠ざか
る程電位が低下する。したがってランプの先端部では電
位の低下により電流が減少し、グローが弱くなる。
【0006】ところで、外部電極により希ガスを放電さ
せるランプの場合、陽光柱では電子が周囲へ飛び出す現
象があり、この電子はバルブの管壁に付着してこのバル
ブ壁をマイナスに帯電させ、このため陽光柱から希ガス
イオンが管壁に吸引され、いわゆる拡散現象を生じる。
希ガスイオンの消失を補うため、電極から放電電流を供
給して電離を促し、これにより上記拡散によるイオンの
消失を補うようにしているが、上記したように外部電極
3、4の先端部では電流が少なくなるので、希ガスイオ
ンの拡散が進み、キセノンの分布が不均等になり、この
部分でグローが弱くなり、輝度が低下する傾向がみられ
る。
【0007】電源接続点を一端に偏らせる、図6におい
て例えばRとR15を高周波点灯回路5に接続する
と、他端側のRとR11側での輝度が大幅に低下す
る。また、電源接続点を対角的に配置する、図6におい
て例えばRとR11を高周波点灯回路5に接続するよ
うにすると、見掛け上の輝度分布はある程度改善される
が、RとR15は電位が大幅に下がるためちらつき等
の不安定な放電が発生し易くなる。
【0008】このような不具合を防止するため、外部電
極3、4の形状を電源接続点から離れる程幅広に形成す
るなどの対策も提案されているが、ランプが長くなった
り、外部電極をこのように形成できない場合には効果が
ない欠点がある。
【0009】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、バルブの電位差を
解消し、放電ガスの分布を均等化し、したがってグロー
の強さを均等化し、輝度分布を均等にすることができる
低圧放電灯を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラスバルブ
の内部に放電ガスを封入し、このバルブの外面に複数の
外部電極を設けるか、または内部電極と外部電極を設
け、これら外部電極間、または内部電極と外部電極の間
に高周波電力を印加して上記放電ガスを発光させるよう
にした低圧放電灯において、ガラスバルブの内面に放電
イオンを反発するイオン反発層を設けたことを特徴とす
る。
【0011】
【作用】本発明によると、バルブの内面に設けたイオン
反発層が放電ガスのイオンを電気的に反発し、放電ガス
イオンがバルブ管壁に吸引や浸透するのを防止し、電位
の低い部分にも強いグローを延長させて輝度分布を均等
にすることができ、可視光の光量が増す。
【0012】
【実施例】以下本発明について、図1ないし図3に示す
第1の実施例にもとづき説明する。図1の(a)図およ
び(b)図において、1は密封されたガラスバルブであ
り、例えば管径5.8mm、管長300mmの細長い直
管形状をなしている。このガラスバルブ1の内面には全
面に亘り、相対接触帯電がプラスになる金属酸化物の層
からなるイオン反発層10が形成されている。この金属
酸化物は、例えばアルミナAl、酸化鉛PbO、
酸化亜鉛ZnOまたはマグネシアMgOなどが適合し、
少なくともこれらの1種の粉末を懸濁液に溶かしてバル
ブ内面に塗り、これを焼成して形成されている。なお、
粉末の粒径は細かい方がよく、例えばアルミナを用いる
場合は0.1μm以下が好ましく、いわゆるγタイプが
よい。このような金属酸化物の層は、他の物質と接触す
ると相手に比べて接触帯電がプラスになり易いもので、
ガラスに比較して相対接触帯電はプラスとなる。
【0013】上記イオン反発層10の内面には、けい光
体被膜2が形成されている。このけい光体被膜2は白色
発光の例えばホスホバナデートけい光体(Y(P、V)
:Dy)が用いられている。また、このバルブ1内
にはキセノンXeガスが例えば100Torr封入され
ている。
【0014】そして、バルブ1の外面には、互いに対向
して外部電極3、4が形成されている。これら外部電極
3、4は、例えば銀ペーストにより形成されており、そ
れぞれ同一幅をなしてバルブ1の軸方向に沿い、両端間
に延びている。
【0015】これら外部電極3、4は高周波点灯回路5
に接続されている。高周波点灯回路5は公知であるので
詳しく説明しないが、10〜10Hzの周波数で、
2次開放雷圧が1000V(実効値)とされている。そ
して、本実施例の場合、高周波点灯回路5は上記外部電
極3、4のそれぞれ軸方向の一端部に接続されている。
【0016】このような構成の希ガス放電灯について、
作用を説明する。高周波点灯回路5から外部電極3、4
に高周波電力を供給すると、バルブ1内のキセノンを主
体とした希ガスが励起され、紫外線を放出する。この紫
外線はけい光体層2で可視光に変換され、バルブ1の外
部に放出される。
【0017】そして、バルブ1の内面には全面に亘り相
対接触帯電がプラスになる金属酸化物層よりなるイオン
反発層10が形成されているので、このイオン反発層1
0はガス粒子の衝突等によりプラスに帯電し、プラスの
電位を有する内部電極として機能する。このため陽光柱
からバルブ壁に向かおうとする希ガスのイオンは上記プ
ラスに帯電しているイオン反発層10により電気的に反
発され、バルブ壁への拡散が妨げられる。したがって、
外部電極3、4の電源接続部から遠い先端部に対応した
電位の低い部分でも、希ガスイオンが陽光柱に戻される
ようになるから陽光柱を維持することができ、この領域
までグローが延びるからキセノンガスイオンの偏りを解
消する。この結果、バルブ1の端部でも、陽光柱から照
射される紫外線の量を多く保つことができ、この紫外線
にて励起されて発光するけい光体層2からの可視光の量
を多くすることができ、輝度分布を均等にすることがで
きる。
【0018】なお、イオン反発層10は、相対接触帯電
がプラスになる金属酸化物より構成されているので陽光
柱から周囲へ飛び出す電子を捕捉して電気的に中性にな
ろうとするが、放電空間内で活発に飛遊している中性ガ
ス粒子などの衝突により直ちにプラスに帯電する性質が
あり、略常時プラスに帯電しているものと看做すことが
できる。このため、マイナスに帯電する傾向が強いバル
ブ壁に希ガスイオンが吸引されるのを良好に防止するこ
とになる。
【0019】上記実施例の希ガス放電灯を実験した結果
を説明する。図2は、バルブ1の管軸方向に沿う輝度分
布を測定したもので、横軸にバルブ1の位置(0がバル
ブ中心)を示し、縦軸に相対輝度分布を示し、特性Iが
イオン反発層10を形成したランプ、特性IIがイオン
反発層10を形成しないランプである。なお、ここでは
イオン反発層10としてγタイプのアルミナを用いた。
【0020】外部電極3、4の図示の右端部に高周波点
灯回路5を接続したので、左端部側の輝度が低下する
が、イオン反発層10を形成した特性Iのランプは輝度
低下の割合が少なく、イオン反発層10を形成しない特
性IIのランプよりも輝度分布が均等化することが確認
できる。
【0021】また、図3は輝度維持率について調べたも
ので、横軸に点灯時間を示し、縦軸に輝度維持率を示
し、特性Iがイオン反発層10を形成したランプ、特性
IIがイオン反発層10を形成しないランプである。
【0022】イオン反発層10を形成しない特性IIの
ランプは、点灯5000時間前後でキセノンガスがバル
ブ壁に吸引されて消失するため輝度維持率が急激に低下
する。これに対し、イオン反発層10を形成した特性I
のランプは点灯10000時間でも良好な輝度を維持
し、輝度が低下するのはけい光体層2の劣化分のみであ
る。
【0023】なお、上記実施例では、高周波電力を供給
する電極は、2個ともに外部電極3、4とした場合につ
いて説明したが、本発明はこれに限らない。
【0024】つまり、図4には他の実施例を示し、一方
電極3はバルブ軸方向に延びる外部電極とし、他方の
電極20はバルブ内部に臨まされた内部電極であり、こ
のような構成の場合でもよい。この場合、内部電極20
は冷陰極であってもよい。このような場合、外部電極3
は電源接続部から遠ざかる位置で電位が低下するため、
希ガスイオンが減少し、キセノンガスの分布が不均等に
なって輝度分布が低下するが、バルブ1の内面にイオン
反発層10を形成すると先端までローが延びて輝度分
布を改善することができる。
【0025】また、イオン反発層10はけい光体層2の
内面(放電空間側)に形成してもよく、図1の(a)や
図4に示すように、バルブ1の端部でイオン反発層10
の一部が放電空間に直接露出していても、露出していな
くてもどちらでもよい。
【0026】さらに、バルブ1内に封入される物質は、
キセノンガスの外に、キセノン−ネオンの混合ガスであ
ってもよく、また水銀をアルゴンと一緒に封入して通常
のけい光ランプと同様の組成にしてもよい。水銀を用い
る場合は、水銀イオンがイオン反発層10により電気的
に反発されて水銀がバルブ壁に浸透するのが防止され、
水銀の消失が少なくなるので封入水銀量は必要最小限に
することができる効果も併せて奏する。
【0027】そして、イオン反発層10は図5に示すよ
うな特性にもとづき種々の材料が可能である。つまり、
図5は各種金属酸化物の相対接触帯電量ついて、ブロー
オフ測定法により調べたもので、先に説明したγタイプ
アルミナの場合は、帯電量がプラス80程度でかなり高
いことが判る。上記アルミナと略同等およびそれ以上の
相対接触帯電量をもつ金属酸化物であれば実用可能であ
る。
【0028】そして、けい光体層2の内部に、輝度調整
のため、色度調整のため、けい光体の結着強度を確保す
るため、等の目的で、酸化アルミニウムAl、酸
化チタンTiO、TiO−X、ピロリン酸カルシウ
ム、カルシウムバリウムボレートなどを混入してもよ
い。
【0029】さらに、バルブは直管形に限らず、U、W
などの屈曲形であってもよく、バルブの断面形状は円
形、楕円形または長円形のいづれの場合であってもよ
い。
【0030】さらにまた、外部の電極3、4を遮光膜や
絶縁膜で覆ってもよい。
【0031】そしてまた、本発明は外部電極3、4の電
位降下による電流値の低下が原因して、輝度のばらつき
を発生するものであり、外部電極3、4の電位降下は抵
抗に依存するが、例えば抵抗値の高いカーボン系のもの
でも同様の効果が得られる。
【0032】そして、バルブの内面にはけい光体層を設
けない構造のランプであっても実施可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、バ
ルブの内面に設けたイオン反発層が放電ガスのイオンを
電気的に反発し、放電ガスイオンがバルブ管壁に吸引や
浸透するのを妨げて電位の低い部分でも陽光柱を保つよ
うになる。このため放電ガスの分布も均等になり、電位
の低い部分でも強いグローが発生して発光量を多くする
ことができ、このため、バルブの場所による輝度分布の
ばらつきが解消され、均等な輝度分布を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、(a)図は低圧放電
灯の構成図、(b)図は(a)図中A−A線の断面図。
【図2】同実施例における輝度分布の特性図。
【図3】同実施例における輝度維持率の特性図。
【図4】本発明の他の実施例を示す低圧放電灯の構成
図。
【図】各種金属酸化物の相対接触帯電量を示す特性
図。
【図6】本発明の背景となる技術を示し、(a)図は低
圧放電灯の構成図、(b)図は(a)図中B−B線の断
面図、(C)図は等価回路を示す図。
【符号の説明】 1…ガラスバルブ,2…けい光体層,3,4…外部電
極、5…高周波点灯回路、10…イオン反発層、20…
内部電極。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密封したガラスバルブの内部に放電ガス
    を封入し、このバルブの外面に軸方向に沿う複数の外部
    電極を設け、これら外部電極の間に高周波電力を印加し
    て上記放電ガスを放電させて発光させるようにした低圧
    放電灯において、 上記ガラスバルブの内面に、放電イオンを反発するイオ
    ン反発層を設けたことを特徴とする低圧放電灯。
  2. 【請求項2】 密封したガラスバルブの内部に放電ガス
    を封入し、このバルブの内部に内部電極を設けるととも
    に外部に外部電極を設け、これら外部電極と内部電極と
    の間に高周波電力を印加して上記放電ガスを放電させて
    発光させるようにした低圧放電灯において、 上記ガラスバルブの内面に、放電イオンを反発するイオ
    ン反発層を設けたことを特徴とする低圧放電灯。
  3. 【請求項3】 上記イオン反発層は、相対接触帯電がプ
    ラスになる金属酸化物の層により形成されていることを
    特徴とする請求項1または請求項2の低圧放電灯。
  4. 【請求項4】 バルブの内面にけい光体層を設けた低圧
    放電灯においては、ガラスバルブの内面とけい光体層と
    の間にイオン反発層を形成したことを特徴とする請求項
    1ないし請求項3のいづれかに記載した低圧放電灯。
  5. 【請求項5】 上記放電ガスは、キセノンを主体とする
    希ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項4
    のいづれかに記載した低圧放電灯。
JP4405591A 1991-02-18 1991-02-18 低圧放電灯 Pending JPH05314954A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4405591A JPH05314954A (ja) 1991-02-18 1991-02-18 低圧放電灯

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4405591A JPH05314954A (ja) 1991-02-18 1991-02-18 低圧放電灯

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3048199A Division JPH0817403A (ja) 1991-03-13 1991-03-13 希ガス放電灯

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05314954A true JPH05314954A (ja) 1993-11-26

Family

ID=12680930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4405591A Pending JPH05314954A (ja) 1991-02-18 1991-02-18 低圧放電灯

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05314954A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6836064B2 (en) Gas discharge tube and display device using the same
US20080252193A1 (en) Fluorescent Lamp, Backlight Unit and Liquid Crystal Television
US6566810B1 (en) Discharge lamp with dielectrically inhibited electrodes
US3563797A (en) Method of making air stable cathode for discharge device
EP0348943A1 (en) Fluorescent lamp
EP0184215B1 (en) Low pressure arc discharge tube
US5027030A (en) Glow discharge lamp having zero anode voltage drop
JPH05314954A (ja) 低圧放電灯
US2959702A (en) Lamp and mount
JP4199022B2 (ja) 冷陰極蛍光ランプ
EP0569579B1 (en) Negative glow discharge lamp having wire anode
US4929868A (en) Glow discharge lamp containing nitrogen
US4884007A (en) Low pressure arc discharge tube having increased voltage
US20130057144A1 (en) Fluorescent flat panel lamp for increased lumen output
US5049785A (en) Two contact, AC-operated negative glow fluorescent lamp
JPH06333532A (ja) 複合放電ランプ
EP0184217B1 (en) Low pressure arc discharge tube having increased voltage
US5006762A (en) Negative glow fluorescent lamp having discharge barrier
JPS6319750A (ja) 低圧放電灯
JPS62229652A (ja) 冷陰極蛍光ランプ
JPH05144412A (ja) 蛍光ランプ
KR100603277B1 (ko) 플라즈마 표시장치
JPH0589843A (ja) 希ガス放電ランプ
JPH10228884A (ja) 蛍光ランプおよび照明装置
JPH0613025A (ja) 放電灯