JPH05314290A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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Publication number
JPH05314290A
JPH05314290A JP4120360A JP12036092A JPH05314290A JP H05314290 A JPH05314290 A JP H05314290A JP 4120360 A JP4120360 A JP 4120360A JP 12036092 A JP12036092 A JP 12036092A JP H05314290 A JPH05314290 A JP H05314290A
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JP
Japan
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signal
coupling coefficient
circuit
pulse train
learning
Prior art date
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Pending
Application number
JP4120360A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Furuta
俊之 古田
Takahiro Watanabe
孝宏 渡邊
Shuji Motomura
修二 本村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結合係数の保存に要するメモリ構成を簡略化
させること。 【構成】 結合係数可変手段と、この結合係数可変手段
の可変結合係数値を教師信号に対する正の誤差信号と負
の誤差信号とに基づいて生成する結合係数生成手段とを
有する自己学習手段50を付設した複数の神経細胞模倣
ユニットを網状に接続して回路網を形成した信号処理装
置において、結合係数Tijを2進数の形態で格納する記
憶手段26を設け、各記憶手段26に対する出力側に配
設させて前記2進数に対応する密度又は数のパルス列信
号に変換する複数の信号形態変換手段27a,27bを
設け、複数の信号形態変換手段27a,27bにより実
際の演算時に必要なパルス列信号に変換して使用するよ
うに構成することで、パルス列形態で結合係数を格納す
るものに比して回路規模を小さくできるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、文字や図形認識、或い
はロボットなどの運動制御、さらには、連想記憶などに
適用可能な、神経回路網を模倣したニューラルコンピュ
ータ等の信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の情報処理の基本的な単位である神
経細胞(ニューロン)の機能を模倣し、さらに、この
「神経細胞模倣素子」をネットワークにし、情報の並列
処理を目指したのが、いわゆるニューラルネットワーク
である。文字認識や、連想記憶、運動制御等、生体では
いとも簡単に行われていても、従来のノイマン型コンピ
ュータではなかなか達成しないものが多い。そこで、生
体の神経系、特に生体特有の機能、即ち、並列処理、自
己学習等を模倣して、これらの問題を解決しようとする
試みが盛んに行われている。しかしながら、これらの試
みは計算機シミュレーションで行われているものが多
く、本来の機能を発揮させるためには、並列処理が必要
であり、そのためにはニューラルネットワークのハード
ウエア化が必要である。一部では、既にハードウエア化
の試みもなされているが、ニューラルネットワークの特
徴の一つである自己学習機能が実現できず、大きなネッ
クとなっている。また、殆どのものはアナログ回路で実
現されており、動作の点で問題がある。
【0003】これらの点について、さらに詳細に検討す
る。まず、従来のニューラルネットワークのモデルにつ
いて説明する。図33はある1つの神経細胞ユニット
(神経細胞模倣素子)1を表すもので、図34はこれを
ネットワークにしたものである。即ち、1つの神経細胞
ユニット1は多数の他の神経細胞ユニット1と結合し信
号を受け、それを処理して出力を出す。図34の場合、
ネットワークは階層型であり、1つ前(左側)の層のユ
ニットより信号を受け、1つ先(右側)の層のユニット
へ出力する。
【0004】ここで、図33の神経細胞ユニット1にお
いて、他の神経細胞ユニットと自分の神経細胞ユニット
との結合の度合いを表すのが結合係数と呼ばれるもの
で、i番目のユニットとj番目のユニットとの結合係数
を、一般にTijで表す。結合には、相手のユニットから
の信号が大きいほど自分の出力が大きくなる興奮性結合
と、逆に、相手のユニットの信号が大きいほど自分の出
力が小さくなる抑制性結合とがあるが、Tij>0が興奮
性結合、Tij<0が抑制性結合を表す。自分がj番目の
ユニットの時、i番目のユニットからの入力をyi とす
ると、これに結合係数Tijを掛けたTiji が自分のユ
ニットへの入力となる。前述したように、各ユニットは
多数のユニットと結合しているので、それらのユニット
に対するTiji を足し合わせた結果なるΣTij
i が、自分のユニットへの入力となる。これを内部電位
といい、(1)式のようにuj で表す。
【0005】
【数1】
【0006】次に、この入力に対して、非線形な処理を
して出力とする。この時の関数を神経細胞応答関数と呼
び、非線形関数として、(2)式及び図35に示すような
シグモイド関数を用いる。
【0007】
【数2】
【0008】図34に示すようにネットワークにした時
には、各結合係数Tijを与え、(1)(2)式を次々と計算
することにより、最終的な出力が得られるものである。
【0009】一方、このようなネットワークを電気回路
で実現したものの一例として、図36に示すようなもの
がある。これは、特開昭62−295188号公報中に
示されるもので、基本的には、S字形伝達関数を有する
複数の増幅器2と、各増幅器2の出力を他の層の増幅器
の入力に一点鎖線で示すように接続する抵抗性フィード
バック回路網3とを設けたものである。各増幅器2の入
力側には接地されたコンデンサと接地された抵抗とによ
るCR時定数回路4が個別に接続されている。そして、
入力電流I1,I2,〜,IN が各増幅器2の入力に供給
され、出力はこれらの増幅器2の出力電圧の集合から得
られる。
【0010】ここに、入力や出力の信号の強度を電圧で
表し、神経細胞間の結合の強さは、各細胞間の入出力ラ
インを結ぶ抵抗5(抵抗性フィードバック回路網3中の
格子点)の抵抗値で表され、神経細胞応答関数は各増幅
器2の伝達関数で表される。また、神経細胞間の結合に
は、前述のように興奮性結合と抑制性結合とがあり数学
的には結合係数の正負符号により表される。しかし、回
路上の定数で正負を実現するのは困難であるので、ここ
では、増幅器2の出力を2つに分け、一方の出力を反転
させることにより、正負の2つの信号を生成し、これを
適当に選択することにより実現するようにしている。ま
た、図35に示したシグモイド関数に相当するものとし
ては増幅器が用いられている。
【0011】しかし、これらの回路には、 ネットワーク内部での信号の強度を電位や電流など
のアナログ値で表し、内部の演算もアナログ的に行わせ
るため、温度特性や電源投入直後のドリフト等により、
その値が変化してしまう。 ネットワークであるので、素子の数も多く必要とす
るが、各々の特性を揃えることは困難である。 1つの素子の精度や安定性が問題となったとき、そ
れをネットワークにした場合、新たな問題を生ずる可能
性があり、ネットワーク全体で見たときの動きが予想で
きない。 結合係数Tijの値が固定であり、予めシミュレーシ
ョンなどの他の方法で学習させた値を使うしかなく、自
己学習ができない。 といった問題点がある。
【0012】一方、数値計算で用いられている学習法則
としては、バックプロパゲーションと呼ばれる下記のよ
うなものがある。
【0013】まず、各結合係数は最初にランダムに与え
ておく。この状態で、入力を与えると、出力結果は必ず
しも望ましいものとはならない。例えば、文字認識の場
合、手書きの「1」の文字を与えたとすると、出力結果
として「この文字は『1』である」と出るのが望ましい
結果であるが、結合係数がランダムであると必ずしも望
ましい結果とはならない。そこで、このネットワークに
正解(教師信号)を与えて、再び、同じ入力があったと
き正解となるように各結合係数を変化させる。このと
き、結合係数を変化させる量を求めるアルゴリズムが、
バックプロパゲーションと呼ばれているものである。
【0014】例えば、図34に示した階層型のネットワ
ークにおいて、最終層のj番目の神経細胞ユニットの出
力をyjとし、その神経細胞ユニットに対する教師信号
をdjとすると、(3)式で表されるEが最小となるよう
に、(4)式を用いて、結合係数Tijを変化させる。
【0015】
【数3】
【0016】
【数4】
【0017】さらに具体的には、まず、出力層と、その
1つ前の層との結合係数を求める場合には、(5)式を用
いて誤差信号δを求め、それよりさらに前の層同士の結
合係数を求める場合には、(6)式を用いて誤差信号δを
求め、(7)式を求めて、Tijを変化させる。
【0018】
【数5】
【0019】
【数6】
【0020】
【数7】
【0021】ここに、ηは学習定数、αは安定化定数と
呼ばれるものである。各々論理的には求められないの
で、経験的に求める。また、f′はシグモイド関数fの
1階微分関数、ΔTij′,Tij′は前回学習時の値であ
る。
【0022】このようにして学習をし、その後、再び入
力を与えて出力を計算し、学習をする。この操作を何回
も繰返す内に、やがて、与えられた入力に対して望まし
い結果が得られるような結合係数Tijが決定される。
【0023】ところが、このような学習方法を何らかの
方法でハードウエア化しようとした場合、学習には、多
量の四則演算が必要であり、実現が困難である。学習方
法そのものもハードウエア化に対しては不向きである。
【0024】一方、デジタル回路でニューラルネットワ
ークを実現したものの例を図37ないし図39を参照し
て説明する。図37は単一の神経細胞の回路構成を示
し、各シナプス回路6を樹状突起回路7を介して細胞体
回路8に接続してなる。図38はその内のシナプス回路
6の構成例を示し、係数回路9を介して入力パルスfに
倍率a(フィードバック信号に掛ける倍率で、1又は
2)を掛けた値が入力されるレートマルチプライヤ10
を設けてなり、レートマルチプライヤ10には重み付け
の値wを記憶したシナプス荷重レジスタ11が接続され
ている。また、図39は細胞体回路8の構成例を示し、
制御回路12、アップ/ダウンカウンタ13、レートマ
ルチプライヤ14及びゲート15を順に接続してなり、
さらに、アップ/ダウンメモリ16が設けられている。
【0025】これは、神経細胞ユニットの入出力をパル
ス列で表し、そのパルス密度で信号の量を表している。
結合係数は2進数で表し、メモリ16上に保存してお
く。入力信号をレートマルチプライヤ14のクロックへ
入力し、結合係数をレート値へ入力することによって、
入力信号のパルス密度をレート値に応じて減らしてい
る。これは、バックプロパゲーションモデルの式のTij
i の部分に相当する。次に、ΣTiji のΣの部分
は、樹状突起回路7によって示されるOR回路で実現し
ている。結合には興奮性、抑制性があるので、予めグル
ープ分けしておき、各々のグループ別にORをとる。こ
の2つの出力をカウンタ13のアップ側、ダウン側に入
力しカウントすることで出力が得られる。この出力は2
進数であるので、再びレートマルチプライヤ14を用い
て、パルス密度に変換する。このユニットをネットワー
クにすることによって、ニューラルネットワークが実現
できる。学習については、最終出力を外部のコンピュー
タに入力してコンピュータ内部で数値計算を行い、その
結果を結合係数のメモリ16に書込むことにより実現し
ている。従って、自己学習機能は全くない。また、回路
構成もパルス密度の信号をカウンタを用いて一旦数値
(2進数)に変換し、その後、再びパルス密度に変換し
ており、複雑なものとなっている。
【0026】このように従来技術による場合、アナログ
回路方式では動作に確実性がなく、数値計算による学習
方法も計算が複雑であり、ハードウエア化に適さず、動
作が確実なデジタル方式のものは回路構成が複雑であ
る。また、ハードウエア上で自己学習ができないという
欠点もある。
【0027】このような欠点を解消するため、パルス密
度型の学習機能付きニューロンモデルが特願平2−41
2448号、特願平3−154244号、特願平3−1
54245号、特願平3−154246号等として本出
願人により提案されている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
改良された提案例ないしは公知の学習機能付きのニュー
ロンの場合、結合係数をパルス密度表現に対応させてパ
ルス列のまま記憶させているため、シフトレジスタ等で
構成する必要があり、回路規模を小さくする上で支障と
なる。また、前向き処理プロセス(フォワードプロセ
ス)と学習プロセス時とで同じパルス列となってしま
い、学習能力の点でも不十分である。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、結合係数可変手段と、この結合係数可変手段の可変
結合係数値を教師信号に対する正の誤差信号と負の誤差
信号とに基づいて生成する結合係数生成手段とを有する
自己学習手段を付設した複数の神経細胞模倣ユニットを
網状に接続して回路網を形成した信号処理装置におい
て、前記結合係数を2進数の形態で格納する記憶手段を
設け、各記憶手段に対する出力側に配設させて前記2進
数に対応する密度又は数のパルス列信号に変換する複数
の信号形態変換手段を設けた。
【0030】請求項2記載の発明では、複数の信号形態
変換手段を、その神経細胞模倣ユニットの前向き信号処
理用に2進数をパルス列信号に変換する信号形態変換手
段と、各記憶手段の出力及び入力側に配設されてその神
経細胞模倣ユニットの学習及び誤差信号逆伝搬用に2進
数をパルス列信号に変換する信号形態変換手段とにより
構成した。
【0031】請求項3記載の発明では、各信号形態変換
手段を、乱数生成装置による乱数列を用いてパルス列信
号に変換するものとした。
【0032】この際、請求項4記載の発明では、各信号
形態変換手段毎に設けた乱数生成装置を、各々異なった
乱数列を生成するものとした。
【0033】
【作用】請求項1,2記載の発明によれば、結合係数を
2進数の形態で格納する記憶手段とし、複数の信号形態
変換手段により実際の演算時に必要なパルス列信号に変
換して使用するようにしたので、パルス列形態で結合係
数を格納するものに比して回路規模を小さくできる。加
えて、請求項3,4記載の発明によれば、乱数生成装置
による乱数列を用いてランダムとし、或いは、処理箇所
で異なる乱数列を発生させてパルス列信号に変換するよ
うにしたので、前向き処理時と学習等の処理とで、同じ
パルス密度であっても異なるパルス列として扱えるもの
となり、学習能力が一層高いものとなる。
【0034】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図32に基づ
いて説明する。本発明における学習機能付きの神経細胞
模倣ユニット(ニューロン)単体としては、公知のもの
でよいが、特に前述したような既提案例による構成・作
用を持つものが好適であるので、本発明の要旨を含めつ
つ、図1ないし図27によりその構成・作用から説明す
る。既提案例による自己学習機能を持つデジタル論理回
路を用いたニューロン素子構成のニューラルネットワー
クは、結合係数可変回路とこの結合係数可変回路の可変
結合係数値を教師信号に対する正,負の誤差信号に基づ
いて生成する結合係数生成回路とを有する自己学習回路
を付設したデジタル論理回路による複数の神経細胞模倣
素子よりなる信号処理手段を網状に接続して構成され
る。
【0035】まず、既提案例におけるニューラルネット
ワークはデジタル構成によりハードウエア化したもので
あるが、基本的な考え方としては、 神経細胞ユニットに関する入出力信号、中間信号、
結合係数、教師信号などは全て、「0」「1」の2値で
表されたパルス列で表す。 ネットワーク内部での信号の量は、パルス密度で表
す(ある一定時間内の「1」の数)。 神経細胞ユニット内での計算は、パルス列同士の論
理演算で表す。 結合係数のパルス列はメモリ上に置く。 学習は、このパルス列を書換えることで実現する。 学習については、与えられた教師信号パルス列を基
に誤差を計算し、これに基づいて、結合係数パルス列を
変化させる。このとき、誤差の計算、結合係数の変化分
の計算も、全て、「0」「1」のパルス列の論理演算で
行う。 ようにしたものである。
【0036】以下、この思想について説明する。最初
に、デジタル論理回路による信号処理に関し、フォワー
ドプロセスにおける信号処理を説明する。図2は1つの
ニューロン(神経細胞模倣ユニット)20に相当する部
分を示し、ニューラルネットワーク全体としては例えば
図34に示した場合と同様に階層型とされる。入出力
は、全て、「1」「0」に2値化され、かつ、同期化さ
れたものが用いられる。入力信号yi の強度はパルス密
度で表現し、例えば図3に示すパルス列のようにある一
定時間内にある「1」の状態数で表す。即ち、図3の例
は、4/6を表し、同期パルス6個中に信号は「1」が
4個、「0」が2個である。つまり、同期パルスの立上
り時又は立下り時に入力信号が「0」か「1」かを判断
する。このとき、「1」と「0」の並び方は、ランダム
であることが望ましい。
【0037】一方、各ニューロン20間の結合の度合を
示す結合係数Tijも同様にパルス密度で表現し、「0」
と「1」とのビット列とする。図4の例は、「1010
10」=3/6を表す式である。この場合も、同期パル
スの立上り時又は立下り時に入力信号が「0」か「1」
かを判断するものであり、また、「1」と「0」の並び
方はランダムであることが望ましい。
【0038】このような結合係数Tijに関し、メモリ上
には、そのパルス密度或いは数なる2進数の形態で格納
しておく(図示例の場合、「3」である)。このような
数値をメモリから読出し、同期信号に応じてパルス列に
変換する。変換手段の構成・作用については後述する。
変換されたパルス列信号について、図2に示すように各
々ANDゲート21により入力信号パルス列との論理積
をとる(yi ∩ Tij)。これを、神経細胞jへの入力と
する。上例の場合で説明すると、入力信号が「1011
01」として入力されたとき、これと同期してメモリ上
よりパルス列を呼出し、順次ANDをとることにより、
図5に示すような「101000」が得られ、これは入
力yi が結合係数Tijにより変換されパルス密度が2/
6となることを示している。
【0039】ANDゲート21の出力のパルス密度は、
近似的には入力信号のパルス密度と結合係数のパルス密
度との積となり、アナログ方式の結合係数と同様の機能
を有する。これは、信号の列が長いほど、また、「1」
と「0」との並び方がランダムであるほど、数値の積に
近い機能を持つことになる。なお、入力パルス列に比べ
て結合係数のパルス列が短く、読出すべきデータがなく
なったら、再びデータの先頭に戻って読出しを繰返えせ
ばよい。
【0040】1つのニューロン20は多入力であるの
で、前述した「入力信号と結合係数とのAND」も多数
あり、次にOR回路22によりこれらの論理和をとる。
入力は同期化されているので、例えば1番目のデータが
「101000」、2番目のデータが「010000」
の場合、両者のORをとると、「111000」とな
る。これをm個分について多入力同時に計算し出力とす
ると、例えば図6に示すようになる。これは、アナログ
計算における和の計算及び非線形関数(シグモイド関
数)の部分に対応している。
【0041】パルス密度が低い場合、そのORをとった
もののパルス密度は、各々のパルス密度の和に近似的に
一致する。パルス密度が高くなるにつれ、OR回路22
の出力は段々飽和してくるので、パルス密度の和とは一
致せず、非線形性が出てくる。ORの場合、パルス密度
は1よりも大きくなることがなく、かつ、0より小さく
なることもなく、さらには、単調増加関数であり、シグ
モイド関数と近似的に同等となる。
【0042】ところで、結合には興奮性と抑制性があ
り、数値計算の場合には、結合係数の符号で表し、アナ
ログ回路の場合はTijが負となる場合(抑制性結合)は
増幅器を用いて出力を反転させてTijに相当する抵抗値
で他のニューロンに結合させている。この点、デジタル
方式の既提案例にあっては、まず、Tijの正負により各
結合を興奮性結合と抑制性結合との2つのグループに分
け、次いで、「入力信号と結合係数のパルス列のAN
D」同士のORをこのグループ別に計算する。このよう
にして得られた興奮性グループの結果をFj とし、抑制
性グループの結果をIj とする。
【0043】或いは、1つの入力yiに対して興奮性を
表す結合係数Tij(+)と抑制性を表す結合係数Tij(-)
との両方を用意し、各々ANDをとる(yi
ij(+)、yi∩Tij(-))。さらに、これら同士のOR
を各々とり(∪( yi ∩Tij(+) )、∪( yi ∩T
ij(-) )、興奮性グループの結果をFjとし、抑制性グ
ループの結果をIjとする。
【0044】これらをまとめると、 1つの入力に対して、結合係数を興奮性、抑制性の
どちらか一方のみを持つ場合には、(8)(9)式のように
なる。
【0045】
【数8】
【0046】 1つの入力に対して、結合係数を興奮
性、抑制性の両方を持つ場合には、(10)(11)式、或い
は、(12)(13)式に示すようになる。
【0047】
【数9】
【0048】
【数10】
【0049】ただし、(12)(13)式において、1つの入力
に対して結合係数を興奮性、抑制性のどちらか一方のみ
持つ場合には、yFij,yIijは(14)(15)式で示され、1
つの入力に対して結合係数を興奮性、抑制性の両方を持
つ場合には、yFij,yIijは(16)(17)式で示される。
【0050】
【数11】
【0051】このようにして得られた興奮性グループの
結果Fjと抑制性グループの結果Ijが、不一致であれば
興奮性グループの結果を出力する。即ち、興奮性グルー
プの結果Fj が「0」で抑制性グループの結果Ij
「1」であれば、「0」を出力し、興奮性グループの結
果Fj が「1」で抑制性グループの結果Ij が「0」で
あれば、「1」を出力する。興奮性グループの結果Fj
と抑制性グループの結果Ij が一致したときには、
「0」を出力しても「1」を出力してもよく、或いは、
別個に用意された第2の入力信号Ej を出力させてもよ
く、又は、このような第2の入力信号Ej に対してパル
ス密度又は数を2進数の形態で格納したメモリを用意し
ておき、これを読出してパルス密度に変換し、第2の入
力信号Ej との論理積を演算したものを出力させるよう
にしてもよい。このメモリも入力信号に対する結合係数
と同様、全て読出してしまったら再び先頭から読出せば
よい。
【0052】この機能を実現するため、まず、「0」を
出力させる例の場合であれば、興奮性グループの出力と
抑制性グループの出力の否定とのANDをとればよい。
図7はこの例を示すもので、数式で示すと、(18)式のよ
うになる。
【0053】
【数12】
【0054】また、「1」を出力させる例の場合であれ
ば、興奮性グループの出力と抑制性グループの出力の否
定とのORをとればよい。図8はこの例を示すもので、
数式で示すと、(19)式のようになる。
【0055】
【数13】
【0056】第2の入力信号を出力させる例の場合であ
れば、図9に示すようになり、数式で示すと、(20)式の
ようになる。
【0057】
【数14】
【0058】さらに、第4の方式の例であれば、第2の
入力信号Ej に対して設けられたメモリの内容(係数)
をT′j とすると、図10に示すようになり、数式で示
すと、(21)式のようになる。
【0059】
【数15】
【0060】神経細胞ユニット20のネットワークは、
バックプロパゲーションと同様な階層型(即ち、図3
4)とする。そして、ネットワーク全体を同期させてお
けば、各層とも上述した機能により計算できる。
【0061】次に、学習(バックプロパゲーション)に
おける信号演算処理について説明する。基本的には、以
下のa又はbにより誤差信号を求め、次いで、cの方法
により結合係数の値を変化させるようにすればよい。た
だし、以下に説明する結合係数を表すパルス列は(17)式
までに示したパルス列とは、パルス密度或いはパルス数
が同じであってもパルス列の並び方の異なるものとす
る。
【0062】a.最終層における誤差信号 最終層で各ニューロンにおける誤差信号を計算し、それ
を基にそのニューロンに関わる結合係数を変化させる。
そのための、誤差信号の計算法について述べる。ここ
に、「誤差信号」を以下のように定義する。誤差を数値
で表すと、一般には+,−の両方をとり得るが、パルス
密度の場合には、正、負の両方を同時に表現できないの
で、+成分を表す信号と、−成分を表す信号との2種類
を用いて誤差信号を表現する。即ち、j番目のニューロ
ンの誤差信号は、図11のように示される。つまり、誤
差信号の+成分は教師信号パルスと出力信号パルスとの
違っている部分(1,0)又は(0,1)の内、教師信
号側に存在するパルスであり、−成分は同様に出力信号
側に存在するパルスである。換言すれば、出力信号yj
に誤差信号+パルスを付け加え、誤差信号−パルスを取
り除くと、教師信号dj となることになる。即ち、これ
らの正負の誤差信号δj(+),δj(-)を論理式で表現する
と、各々(22)(23)式のようになる。このような誤差信号
パルスを基に結合係数を後述するように変化させること
になる。
【0063】
【数16】
【0064】b.中間層における誤差信号 まず、上記の誤差信号を逆伝播させ、最終層とその1つ
前の層との結合係数だけでなく、さらにその前の層の結
合係数も変化する。そのため、中間層における各ニュー
ロンでの誤差信号を計算する必要がある。中間層のある
ニューロンから、さらに1つ先の層の各ニューロンへ信
号を伝播させたのとは、丁度逆の要領で1つ先の層の各
ニューロンにおける誤差信号を集めてきて、自己の誤差
信号とする。このことは、ニューロン内での前述した演
算式(8)〜(10)や図3〜図8に示した場合と同じような
要領で行うことができる。即ち、結合係数が1入力に対
して興奮性か抑制性かの何れの一方の場合は、まず、結
合を興奮性か抑制性かによって、2つのグループに分
け、掛け算の部分はANDで、Σの部分はORで表現す
る。ただし、ニューロン内での前述した処理と異なるの
は、yj が常に正なる1つの信号であるのに対して、δ
j は正、負を表す信号として2つの信号を持ち、その両
方の信号を考慮する必要があることである。従って、結
合係数Tijの正負、誤差信号δj の正負に応じて4つの
場合に分ける必要がある。
【0065】まず、興奮性結合の場合を説明する。この
場合、中間層のあるニューロンについて、1つ先の層の
k番目のニューロンでの誤差信号δk(+)と、そのニュー
ロンと自己との結合係数TjkのANDをとったもの(δ
k(+) ∩ Tjk)を各ニューロンについて求め、さらに、
これら同士のORをとる(∪(δk(+) ∩ Tjk))。こ
れをこのニューロンの誤差信号δj(+)とする。即ち、1
つ先の層のニューロンをn個とすると、図12に示すよ
うになる。これらを順に数式で示すと、(24)〜(26)式の
ようになる。
【0066】
【数17】
【0067】同様に、1つ先の層のニューロンでの誤差
信号δk(-)と結合係数TjkとのANDをとり、さらにこ
れら同士のORをとることにより、このニューロンの誤
差信号δj(-)とする。即ち、図13に示すようになり、
これらを順に数式で示すと、(27)〜(29)式のようにな
る。
【0068】
【数18】
【0069】次に、抑制性結合の場合を説明する。この
場合、1つ先の層のニューロンでの誤差信号δk(-)とそ
のニューロンと自己との結合係数TjkのANDをとり、
さらにこれら同士のORをとる。これを、このニューロ
ンの誤差信号δj(+)とする。即ち、図14に示すように
なり、これらを順に数式で示すと、(30)〜(32)式のよう
になる。
【0070】
【数19】
【0071】また、1つ先の誤差信号δk(+)と結合係数
jkとのANDをとり、さらにこれら同士のORをとる
ことにより、同様に、このニューロンの誤差信号δj(-)
とする。即ち、図15に示すようになり、これらを順に
数式で示すと、(33)〜(35)式のようになる。
【0072】
【数20】
【0073】1つのニューロンから別のニューロンへは
興奮性で結合しているものもあれば、抑制性で結合して
いるものもあるので、図12のように求めた誤差信号δ
j(+)と図14のように求めた誤差信号δj(+)とのORを
とり、それを自分のニューロンの誤差信号δj(+)とす
る。同様に、図13のように求めた誤差信号δj(-)と図
15のように求めた誤差信号δj(-)とのORをとり、そ
れを自分のニューロンの誤差信号δj(-)とする。
【0074】以上をまとめると、(36)式、或いは、(37)
式に示すようになる。
【0075】
【数21】
【0076】
【数22】
【0077】次に、1つの入力に対して興奮性と抑制性
との両方の結合係数を持つ場合、数式のみを示すと、(3
8)式、或いは、(39)式に示すようになる。
【0078】
【数23】
【0079】
【数24】
【0080】さらに、学習のレート(学習定数)に相当
する機能を設けてもよい。数値計算でレートが1以下の
とき、さらに学習能力が高まる。これはパルス列の演算
ではパルス列を間引くことによって実現できる。ここで
は、カウンタ的な考え方をし、図16、図17に示すよ
うなものとした。例えば、学習レートη=0.5では元
の信号のパルス列を1つ置きに間引くが、元の信号のパ
ルスが等間隔でなくても、元のパルス列に対して間引く
ことができる。図16,図17中、η=0.5の場合は
パルスを1つ置きに間引き、η=0.33の場合はパル
スを2つ置きに残し、η=0.67の場合はパルスを2
つ置きに1回間引くことを示す。
【0081】c.結合係数を変化させる方法 変化させたい結合係数が属しているライン(図34参
照)を流れる信号と誤差信号のANDをとる(δj
i)。ただし、ここでは誤差信号には+,−の2つの
信号があるので、各々演算して図18,図19に示すよ
うに求める。即ち、δj(+)∩yi 、δj(-)∩yi を各々
正,負の結合係数変化信号としている。
【0082】このようにして得られた2つの信号を各々
ΔTij(+),ΔTij(-)とする。ついで、今度はこのΔT
ijを基に新しいTijを求めるが、このTijは絶対値成分
であるので、元のTijが興奮性か抑制性かで場合分けす
る。興奮性の場合、元のTijに対してΔTij(+)の成分
を増やし、ΔTij(-)の成分を減らす。即ち、図20に
示すようになる。逆に、抑制性の場合は元のTijに対し
ΔTij(+) の成分を減らし、ΔTij(-) の成分を増や
す。即ち、図21に示すようになる。これらの図20,
図21の内容を数式で示すと、(40)(41)式のようにな
る。
【0083】
【数25】
【0084】以上の学習則に基づいてネットワークの計
算をする。
【0085】次に、以上のアルゴリズムに基づく既提案
例方式を含む実際の回路構成を説明する。図1、図22
ないし図26にその回路構成例を示すが、ネットワーク
全体の構成は図34と同様である。図1、図22ないし
図24は図34のような階層型ネットワーク中のライン
(結線)に相当する部分の回路を示し、図25は図34
中の丸(提案例では、各ニューロン20)に相当する部
分の回路を示す。また、図26は最終層の出力と教師信
号から最終層における誤差信号を求める部分の回路を示
す。これらの図1、図22ないし図26構成の3つの回
路を図34の場合のようにネットワークにすることによ
り、自己学習機能を持つデジタル式のニューラルネット
ワークが実現できる。
【0086】まず、図1から説明する。図中、25は図
3に示したようなニューロンへの入力信号である。図5
に示したような結合係数の値は記憶手段としてのメモリ
26に例えば2進数なる数値の形態で保存しておく。こ
のメモリ26の出力側には保存された数値データをパル
ス列信号に変換する信号形態変換手段となるパルス列変
換回路27a,27bが接続されている。ここに、パル
ス列変換回路27aは前向き信号処理用(フォワードプ
ロセス用)であり、パルス列変換回路27bは学習及び
誤差信号伝搬用である。一方、メモリ26の入力側には
逆にパルス列信号を数値信号に変換する数値変換回路2
7cが接続されている。前記メモリ26とこれらの回路
27a,27b,27cとは数値を表すに必要なn本の
配線に結ばれている。さらに、特に図示しないが、メモ
リ26にはアウトプットイネーブル信号やライトイネー
ブル信号などのメモリ読み書きに必要な信号が与えられ
ている。入力信号25とメモリ26内に格納されてパル
ス列変換回路27aで変換された結合係数とはANDゲ
ート28aを備えて図6に示した処理を行なう論理回路
28によりANDがとられる。この論理回路28の出力
は結合が興奮性か抑制性かによってグループ分けしなけ
ればならないが、予め各々のグループへの出力29,3
0を用意し、何れに出力するのかを切換えるようにした
方が汎用性の高いものとなる。このため、既提案例では
結合が興奮性か抑制性かを表すビットをグループ分け用
メモリ31に保存しておき、その情報を用いて切換えゲ
ート回路32により切換える。切換えゲート回路32は
2つのANDゲート32a,32bと一方の入力に介在
されたインバータ32cとよりなる。
【0087】切換える必要のない場合には、各々固定し
ても構わない。例えば、興奮性の場合を図22、抑制性
の場合を図23に示す。これは、図1においてグループ
分け用メモリ31を各々「0」「1」に固定したものと
等価な回路とである。また、1つの入力に対して、興奮
性を表すメモリと、抑制性を表すメモリとの両方を用意
してもよい。図24はこの例を示す。図中、26Aが興
奮性を表す結合係数に対するメモリ、26Bが抑制性を
表す結合係数に対するメモリである。
【0088】また、図25に示すように各入力処理(図
6に相当)をする複数のORゲート構成のゲート回路3
3a,33bが設けられている。さらに、同図に示すよ
うに図7に示した興奮性結合グループが「1」で、抑制
性結合グループが「0」のときにのみ出力「1」を出す
ANDゲート34aとインバータ34bとによるゲート
回路34が設けられている。図6ないし図10に例示し
たような処理結果とする場合にも同様に論理回路で容易
に実現できる。
【0089】もっとも、ゲート回路34としては、図6
方式の場合であれば図27(a)に示すようにインバータ
34bとORゲート34cとの組合せとし、図9方式の
場合であれば図27(b)に示すように排他的ORゲート
34dとインバータ34eと2つのANDゲート34
f,34gとORゲート34hとにより構成してAND
ゲート34gに第2入力Ej を入力させるものとし、図
10方式の場合であれば図27(c)に示すように同図
(b)に第2入力Ej に対する係数T′を数値表現形態で
記憶したメモリ34iと、ANDゲート34jとを追加
した構成とすればよい。図中、27dは27aと同様な
パルス列変換回路である。
【0090】次に、誤差信号について説明する。最終層
での誤差信号を生成するのが図26に示すANDゲー
ト,排他的ORゲートの組合せによる論理回路35であ
り、(6)(7)式に相当する。即ち、最終層からの出力3
6及び教師信号37により誤差信号38,39を作るも
のである。中間層における誤差信号を計算する(37)式の
内、Ej(+),Ej(-)を求める処理は、図1中に示すAN
Dゲート構成のゲート回路42により行われ、+,−に
応じた出力43,44が得られる。ここでは、結合係数
として学習後のものを用いたが、学習前のものであって
もよく、学習前の場合も容易に回路化し得る。また、こ
のように結合が興奮性か抑制性かにより場合分けする必
要があるが、この場合分けはメモリ31に記憶された興
奮性か抑制性かの情報と、誤差信号の+,−信号45,
46とに応じて、AND,ORゲート構成のゲート回路
47により行われる。なお、結合の興奮性、抑制性の区
別を固定した図22、図23方式のものでは、前記メモ
リ31の内容を各々「0」,「1」に固定したものと等
価な回路となる。一方、1つの入力に対して興奮性結合
を表すメモリ26Aと抑制性結合を表すメモリ26Bと
の両方を用いる図24方式のものでは、(39)式に相当す
る回路が、図24においてゲート回路35として示され
ている。
【0091】また、誤差信号を集める計算式(8)、即
ち、(37)式の残りの部分は図25に示すORゲート構成
のゲート回路48により行われる。さらに、学習レート
に相当する図16,19の処理は図23中に示す分周回
路49により行われる。これは、フリップフロップ等を
用いることにより容易に実現できる。もっとも、分周回
路49は不必要であれば特に設けなくてよく、設ける場
合であっても図22中に示した例に限らず、図1、図2
2〜図24中に符号49を付して示すような適宜位置に
設けるようにしてもよい。
【0092】最後に、誤差信号より新たな結合係数を計
算する部分、即ち、図20〜図21の処理に相当する部
分は、図1中に示すAND、インバータ、ORゲート構
成のゲート回路50により行なわれ、メモリ26の内
容、即ち、結合係数Tijの値が書換えられる。このゲー
ト回路50も結合の興奮性、抑制性により場合分けが必
要であるが、ゲート回路47により行なわれる。図2
2、図23の場合には、興奮性、抑制性が固定であるの
で、ゲート回路47に相当する回路は不要である。図2
4方式の場合は、1つの入力に対して興奮性、抑制性の
両方を持つので、ゲート回路50Aが興奮性、ゲート回
路50Bが抑制性の場合に相当する。
【0093】なお、ニューロン20を形成する際には、
このような図示例のものに限らず、前述した特願平3−
154244号、特願平3−154245号、特願平3
−154246号等に示されるようなものであってもよ
い。例えば、特願平3−154244号では学習能力を
高めるため、「正の誤差信号と負の誤差信号とが同時に
1となることを禁止させる論理手段を設けた」ものであ
り、例えば図1、図22ないし図24のゲート回路42
の出力部や、図22中の分周回路49の前段又は後段、
或いは、ゲート回路48の入力側に論理手段を設けたも
のである。また、特願平3−154245号も学習能力
を高めるため「出力層の正の誤差信号と負の誤差信号と
の一致を検出し、一致している場合には自己学習手段に
よる学習を禁止させる学習禁止手段を設けた」ものであ
り、具体的にはゲート回路50中に学習禁止手段を設け
たものである。特願平3−154246号でも学習能力
を向上させるため「可変結合係数値を生成するための結
合係数変化信号の一部又は全部に予め設定された時間以
前の入力信号を用いる補正手段を設けた」ものであり、
具体的にはゲート回路50に対して補正手段を付加した
ものである。
【0094】ところで、本実施例では、結合係数に関し
てはメモリ26(又は26A,26B)に2進数なる数
値形態で保存しており、使用に際して、このような数値
をパルス列信号に変換し、又は、逆に、パルス列信号か
ら数値信号に変換するようにしたものであり、このため
のパルス列変換回路27a,27bや数値変換回路27
cについて説明する。基本的には、パルス列変換回路2
7a,27bは図28に示すように、メモリ26からの
数値信号と乱数生成装置としての乱数発生器51により
生成された乱数信号とを比較器52で比較して、「0」
又は「1」なるパルス列信号を得るようにすればよい。
このためには、基準となるクロック数を決めておく必要
がある。これは、予め設定された数値でもよく、外部よ
り任意に設定可能な数値でもよい。前記乱数発生器51
はこのような基準クロックに同期して乱数を生成して、
「0」から「基準クロック数−1」までの一様乱数を得
るものである。このような乱数発生器51としては、例
えばLFSRが用いられる。比較器52ではメモリ26
から読出した数値データとこの乱数データとを比較し、
メモリ26側のデータのほうが大きい場合には「1」、
小さい場合には「0」を出力する。これにより、メモリ
26に格納された数値対応のパルス列信号が得られる。
【0095】一方、数値変換回路27cとしては図29
に示すようにカウンタ53を用いて構成すればよい。特
に図示しないが、このカウンタ53にはクリア信号、カ
ウント値を出力するための信号線をハイインピーダンス
にするための信号、及び、基準クロックが与えられてお
り、基準クロックの立上り又は立下り時に、入力信号が
「1」である状態数を計数し、その計数値を数値データ
としてメモリ26に対して出力するものである。
【0096】即ち、最初はカウンタ53の計数値の出力
信号線をハイインピーダンス状態にしておき、カウンタ
53をクリアする。ついで、メモリ26のアウトプット
イネーブル信号を制御してメモリ26からのデータの読
出しを基準クロック数の分だけ行う。すると、比較器5
2からは(メモリ26のデータ/基準クロック数)とな
るパルス列信号が得られる。基準クロック数に達したら
メモリ26の読出しをやめ、カウンタ53の計数値出力
信号線から信号を出し、メモリ26もライトイネーブル
信号を制御し、メモリ26にはこの計数値を書込む。こ
のようなカウンタ等に対する制御信号は、カウンタやシ
ーケンサ等を用いることにより容易に実現できる。
【0097】なお、これらのメモリ、数値信号→パルス
列信号変換、パルス列信号→数値信号変換について、こ
れらをまとめて図30に示すように構成してもよい。即
ち、その出力数値がメモリ26と同様の機能をなすアッ
プダウンカウンタ54が設けられている。また、このア
ップダウンカウンタ54に対しては、回路50側から与
えれる学習後の結合係数を表すパルス列信号と、前記比
較器52から得られる結合係数を表すパルス列信号とに
基づき、アップダウンカウンタ54の動作を制御するた
めのカウンタ制御信号を生成する制御信号生成回路55
が接続されている。具体的には、結合係数のパルスが
「0」で学習後の結合係数のパルスが「0」の場合には
カウントせずの制御信号を生成し、「0」「1」の組合
せの場合にはカウントアップ信号を生成し、逆に、
「1」「0」の組合せの場合にはカウントダウン信号を
生成し、ともに「1」なる組合せの場合にもカウントせ
ずの制御信号を生成する。
【0098】このように現在の結合係数(パルス列表
現)と学習後の結合係数(パルス列表現)とにより、新
たな結合係数(数値表現)を求めることにより、「メモ
リ」+「数値信号→パルス列信号変換」+「パルス列信
号→数値信号変換」と同様な機能を実現できる。
【0099】なお、より実際的に、1つのメモリに対し
て複数のパルス列変換回路27a,27bを持つ場合に
は、図31に示すように2つの乱数発生器51a,51
bと、比較器52a,52bとを用いて構成すればよ
い。この際、これらの乱数発生器51a,51bは相互
に異なる乱数列を生成出力するものとするのがよい。
【0100】以上、説明したように信号をパルス密度で
表現する手法は、実際の回路のみならず、計算機上でシ
ミュレートする場合にも有用である。計算機上では、演
算は直列的に行われるが、アナログ値を用いて計算させ
るのに比べて、「0」「1」の2値の論理演算のみであ
るので、計算速度が著しく向上する。一般に、実数値の
四則演算は、1回の計算に多くのマシンサイクルを必要
とするが、論理演算では少なくて済む。また、論理演算
のみであると、高速処理向けの低水準言語が使用しやす
いといった特徴も持つ。
【0101】また、上述した方式を実施するに当り、そ
の全部を回路化する必要はなく、一部又は全部をソフト
ウエアで行わせるようにしてもよい。また、回路構成自
体も例示したものに限らず、論理が等価な別の回路で置
き換えるようにしてもよく、さらには、負論理に置き換
えるようにしてもよい。
【0102】ところで、具体例を説明する。図34のよ
うに3層構造にネットワーク構成し、第1層は256
個、第2層は20個、第3層は5個の回路ユニット構成
とした。ここに、第1,2層間、第2,3層間は回路ユ
ニット同士が全て結合されている。このようなネットワ
ークに対して手書き文字を入力し、文字認識を行わせ
た。まず、手書き文字をスキャナで読取り、図32に示
すように16×16のメッシュに分け、文字部分のある
メッシュを「1」、ないメッシュを「0」とした。この
256個のデータをネットワーク(第1層)に入力させ
た。出力層の5個の各回路ユニット20(ニューロン)
を「1」〜「5」までに対応させ、その数字が入力した
時に対応するニューロンの出力が「1」でその他のニュ
ーロンの出力が「0」になるように学習させた。ただ
し、基準クロック数は127とし、乱数発生器51とし
ては7ビットのLFSRを用いた。このような7ビット
のLFSRには4種類存在するが、各乱数発生器51
(51a,51b)につきランダムに配置させた。ま
た、LFSRは外部からアクセス可能とされ、初期値と
してランダムな数値が設定されている。最初、各結合係
数をランダムに設定しておくと、出力結果は必ずしも所
望の値とはならない。そこで、本実施例の自己学習機能
を用いて、各結合係数を新たに求め、これを何回か繰返
すことによって所望の出力が得られるようにする。ここ
に、入力は、「1」か「0」であるので、入力パルス列
は常にLレベル又はHレベルなる単調なものである。ま
た、最終出力はトランジスタを介してLEDと結び、L
レベルの時には消灯、Hレベルの時には点灯するように
した。同期クロックを1000kHzとしたので、パル
ス密度に応じて、人間の目にはLEDの明るさが変って
見え、従って、一番明るいLED部分が答えとなる。十
分学習させた文字に対しては100%の認識率が得られ
たものである。
【0103】
【発明の効果】本発明は、上述したように、結合係数を
2進数の形態で格納する記憶手段とし、複数の信号形態
変換手段により実際の演算時に必要なパルス列信号に変
換して使用するように構成したので、パルス列形態で結
合係数を格納するものに比して回路規模を小さくでき、
加えて、乱数生成装置による乱数列を用いてランダムと
し、或いは、処理箇所で異なる乱数列を発生させてパル
ス列信号に変換するようにしたので、前向き処理時と学
習等の処理とで、同じパルス密度であっても異なるパル
ス列として扱えるものとなり、学習能力を一層高いもの
とすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す論理回路図である。
【図2】既提案例における基本的な信号処理を行なうた
めの論理回路図である。
【図3】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図4】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図5】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図6】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図7】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図8】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図9】論理演算例を示すタイミングチャートである。
【図10】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図11】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図12】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図13】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図14】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図15】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図16】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図17】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図18】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図19】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図20】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図21】論理演算例を示すタイミングチャートであ
る。
【図22】図1の変形例の構成例を示す論理回路図であ
る。
【図23】図1の別の変形例の構成例を示す論理回路図
である。
【図24】図1のさらに別の変形例の構成例を示す論理
回路図である。
【図25】各部の構成例を示す論理回路図である。
【図26】各部の構成例を示す論理回路図である。
【図27】変形例を示す論理回路図である。
【図28】パルス列変換回路の構成例を示すブロック図
である。
【図29】数値変換回路の構成例を示すブロック図であ
る。
【図30】パルス列変換及び数値変換を合わせた構成例
を示すブロック図である。
【図31】その変形例を示すブロック図である。
【図32】手書き文字の読取り例を示す説明図である。
【図33】従来例の1つのユニット構成を示す概念図で
ある。
【図34】そのニューラルネットワーク構成の概念図で
ある。
【図35】シグモイド関数を示すグラフである。
【図36】1つのユニットの具体的構成を示す回路図で
ある。
【図37】デジタル構成例を示すブロック図である。
【図38】その一部の回路図である。
【図39】異なる一部の回路図である。
【符号の説明】
20 神経細胞模倣ユニット 26 記憶手段 26a 信号形態変換手段(前向き信号処理用) 26b 信号形態変換手段(学習及び誤差信号伝搬用) 50 自己学習手段 51 乱数生成装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合係数可変手段と、この結合係数可変
    手段の可変結合係数値を教師信号に対する正の誤差信号
    と負の誤差信号とに基づいて生成する結合係数生成手段
    とを有する自己学習手段を付設した複数の神経細胞模倣
    ユニットを網状に接続して回路網を形成した信号処理装
    置において、前記結合係数を2進数の形態で格納する記
    憶手段を設け、各記憶手段に対する出力側に配設させて
    前記2進数に対応する密度又は数のパルス列信号に変換
    する複数の信号形態変換手段を設けたことを特徴とする
    信号処理装置。
  2. 【請求項2】 複数の信号形態変換手段が、その神経細
    胞模倣ユニットの前向き信号処理用に2進数をパルス列
    信号に変換する信号形態変換手段と、その神経細胞模倣
    ユニットの学習及び誤差信号逆伝搬用に2進数をパルス
    列信号に変換する信号形態変換手段とよりなることを特
    徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  3. 【請求項3】 各信号形態変換手段が、乱数生成装置に
    よる乱数列を用いてパルス列信号に変換するものとした
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の信号処理装置。
  4. 【請求項4】 各信号形態変換手段毎に設けた乱数生成
    装置を、各々異なった乱数列を生成するものとしたこと
    を特徴とする請求項3記載の信号処理装置。
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