JPH05312996A - 放射性廃棄物の固化方法 - Google Patents

放射性廃棄物の固化方法

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JPH05312996A
JPH05312996A JP4123223A JP12322392A JPH05312996A JP H05312996 A JPH05312996 A JP H05312996A JP 4123223 A JP4123223 A JP 4123223A JP 12322392 A JP12322392 A JP 12322392A JP H05312996 A JPH05312996 A JP H05312996A
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JP
Japan
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solidifying
solid
organic
solidifying material
solidifying agent
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JP4123223A
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English (en)
Inventor
Kenji Noshita
健司 野下
Masami Matsuda
将省 松田
Takashi Nishi
高志 西
Itaru Komori
至 小森
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】水硬性無機固化材を用いて放射性廃棄物を固化
する際に、固化材中の有機物の濃度を低減,制御して固
化する。あるいは固化材中の有機物の濃度を50ppm 以
下にして固化する。また、予め固化材中の有機物の濃度
を低減した固化材を用いて固化する。水硬性無機固化材
から有機物を除去する際はフィルタ,吸着剤,燃焼装
置,化学反応などを用いて固化材中の有機物の濃度を低
減,制御して固化する。予め有機物の濃度を低減した固
化材を作成する場合は、不純物としての有機物が混入し
ないように有機物濃度を制御する。 【効果】固化材中に含まれる有機物濃度を制御すること
により単位放射線量当たりの水素発生量を大幅に低減さ
せることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子力発電所から発生す
る放射性廃棄物を水硬性無機固化材による固化方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、放射性廃棄物は放射線による汚染
度が低いレベルのものだけを水硬性無機固化材を用いて
固化処理していたため、固化体の放射線分解は非常に小
さく、固化体の放射線分解によって生じる水素の発生量
は問題にならなかった。しかし、放射性廃棄物の放射能
による汚染度のレベルが高いものを固化処理する場合に
は、放射線分解による水素発生量が増加する可能性があ
る。
【0003】放射線分解による水素発生の機構は、主に
水の放射線分解によるものであるため、水の量を低減さ
せて固化する方法があり、公知例、特開昭63−243798号
公報にあるように固化材の混練水を低減させる方法があ
るが、固化材中に含まれる有機物については考慮されて
いなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】原子力発電所から発生
する放射性廃棄物を固化材により、固化,貯蔵するに際
し、放射性廃棄物からの放射線により固化体中で放射線
分解が起こり水素ガスが発生する。
【0005】本発明の目的は、その水素ガス発生量を少
なくする放射性廃棄物の固化方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】放射線分解による水素の
発生のメカニズムは、水の放射線分解によるものの他
に、固化材中に含まれる有機物の影響として有機物自身
の放射線分解によるもの、水の放射線分解によって発生
する遊離基水素の有機物からの水素原子引き抜き反応に
よるもの、また有機物が存在することによって放射線分
解により発生が促進されることなどが考えられる。
【0007】本発明の目的は、固化材中に不純物として
含まれる有機物の濃度を低減することによって達成され
る。
【0008】
【作用】放射性廃棄物を固化処理する際には、現在、主
にセメントをはじめとする水硬性無機固化材を用いてい
る。ところが、放射線による汚染度が高いものを固化す
る場合、固化体中に含まれる水の放射線分解により水素
が発生する。このときG値で表される単位放射線量当た
りの水素発生量は、図2に示すように、固化体中の自由
水の量に依存することが、発明者らの実験によってわか
った。
【0009】ところがそこで固化体中の自由水の量でG
値の整理を行なってみたところ、純水のG値が0.45
なのに対して、表1に示すように、固化体中の自由水の
G値は2.3 となり約5倍も高い値を示すことがわかっ
た。
【0010】
【表1】
【0011】発明者らがその原因を検討したところ、こ
れが水硬性無機固化材に不純物として含まれる有機物の
影響によるものであることがわかった。そこで代表的な
水硬性無機固化材である、普通ポルトランドセメント、
C種高炉セメントなどについて、発明者らがその有機物
濃度を測定した結果を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】また、この有機物がG値を上昇させている
ことを確認するため、発明者らが2種類の可溶性の有機
物を炭素濃度で100ppm 、純水に溶解させG値を測定
したところ、表3に示すようにセメント上澄液とほぼ等
しいG値を示すことが確認できた。
【0014】
【表3】
【0015】これらの結果は水硬性無機固化材の有機物
濃度を制御することによって、単位放射線量当たりの水
素発生量を低減することを意味する。
【0016】
【実施例】
〈実施例1〉次に本発明の第一の実施例について説明す
る。
【0017】本実施例は、代表的な水硬性無機固化材で
あるC種高炉セメントの、水/セメント比0.45 の固
化体について有機物濃度を変え、G値で表される単位放
射線量当たりの水素発生量を、発明者らが測定したもの
である。図1で表わせるように、有機物濃度が0から5
0ppm まではG値は、徐々に上昇するだけであるが、5
0ppm を超えたあたりから急激に上昇し、150ppm あ
たりまで上がり続ける。150ppm をこえるとG値の上
昇は再びゆるやかな上昇となっている。このことから、
有機物の濃度を制御することにより、水硬性無機固化材
の単位放射線量当たりの水素発生量を低減することが有
効であることがわかる。特に、50ppm以下にすること
は、単位放射線量当たりの水素発生量の増加の割合から
考えて非常に有利であることがわかった。
【0018】〈実施例2〉本発明の第二の実施例を図3
を用いて説明する。本実施例は原子力発電所の廃炉など
に伴う金属廃棄物などの雑固体を固化する一例である。
【0019】図3に雑固体を固化するシステムのブロッ
ク図を示す。固化材タンク1には硬化剤である水硬性無
機固化材、また、種々の添加剤が予め適当な配合で十分
に混合,分散され貯蔵されている。この固化材粉末は有
機物除去装置2により有機物を除去された後、定量移送
装置3により一定量混練機6へ供給する。同時に、混練
水タンク4から電磁バルブ5を介して混練水を一定量混
練機6へ供給する。供給された固化材粉末及び混練水は
混練機6で十分に混練しペースト状にする。一方、固化
容器8には雑固体9を予めいれておき、そこに混練機6
で作成されたペーストを一定量、電磁バルブ7を介して
徐々に注入する。注入後、ふたをした固化容器は約1か
月静置の後、搬出可能な固化体となる。本実施例では被
固化体を金属廃棄物を含む雑固体としたが、他にも中レ
ベル廃イオン交換樹脂などにも有効である。また有機物
除去装置にはフィルタを用いるもの,吸着剤を用いるも
の,燃焼装置を用いるもの,化学反応を用いるものなど
が考えられるが、本実施例ではフィルタ,吸着剤を用い
るものが固化システムに組み込みやすい。
【0020】このように、本実施例によれば200L入
りの固化容器に入れられた放射能汚染度のレベルの高い
線量率1(R/h)の放射性廃棄物でも、1年間で水素
発生量が30cm3程度から6cm3程度にまで約5分の1に
低減する効果があり、固化体の健全性が長期的に高く固
化,貯蔵できる。
【0021】〈実施例3〉本発明の第三の実施例を図4
を用いて説明する。本実施例は実施例2と同様、原子力
発電所の廃炉などに伴う金属廃棄物などの雑固体を、有
機物低含有水硬性無機固化材、或いは、有機物濃度が5
0ppm 以下であることを特徴とする水硬性無機固化材を
用いて固化する一例である。
【0022】図4に雑固体を固化するシステムのブロッ
ク図を示す。固化材タンク10には硬化剤である有機物
低含有水硬性無機固化材、或いは、有機物濃度が50pp
m 以下であることを特徴とする水硬性無機固化材、また
種々の添加剤が予め適当な配合で十分に混合,分散され
貯蔵されている。この固化材粉末は、定量移送装置11
により一定量混練機14へ供給する。同時に、混練水タ
ンク12から電磁バルブ13を介して混練水を一定量混
練機14へ供給する。供給された固化材粉末及び混練水
は混練機14で十分に混練しペースト状にする。一方、
固化容器16には雑固体17を予めいれておき、そこに
混練機14で作成されたペーストを一定量、電磁バルブ
15を介して徐々に注入する。注入後、ふたをした固化
容器は約1か月静置の後、搬出可能な固化体となる。本
実施例では被固化体を金属廃棄物を含む雑固体とした
が、実施例2と同様、他にも中レベル廃イオン交換樹脂
などにも有効である。また、有機物低含有水硬性無機固
化材作成の方法はフィルタを用いるもの,吸着剤を用い
るもの,燃焼装置を用いるもの,化学反応を用いるもの
などが考えられるが、本実施例では、不純物である有機
物が混入しないように有機物濃度を制御し水硬性無機固
化材を作成することが好ましい。このようにすることに
より費用が安く、大量に生産することができる。
【0023】以上、本実施例によれば実施例2と同様、
200L入りの固化容器に入れられた放射能汚染度のレ
ベルの高い線量率1(R/h)の放射性廃棄物でも、1
年間で水素の発生量が30cm3程度から6cm3程度にまで
約5分の1に低減する。
【0024】〈実施例4〉第四の実施例では、有機物濃
度が10ppm のセメントを作成し、その固化材を用いて
固化体を作成しγ線を照射したところ、単位放射線量当
たりの水素発生量であるG値が0.07 となることが発
明者らの実験によってわかった。このことは有機物を含
有したままの固化体に比べて約6分の1の水素発生量と
なったことを示している。また、この固化体の自由水の
割合は13.6 %であったため、この水素発生が固化体
中の自由水によるものであるとすると、G値は0.51
となり、水のG値にかなり近くなっている。
【0025】このことから、有機物濃度を制御すること
により、かなりの水素発生を抑制することができること
がわかり、また有機物濃度50ppm 以下である有機物濃
度10ppm の有効性が確認できた。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、放射線による汚染度が
高い廃棄物に対しても、固化材中の有機物濃度を制御す
ることにより、放射線分解による水素発生量を低減させ
ることができ、固化体の長期的健全性が向上する。した
がって、水硬性無機固化材を放射能の汚染度のレベルの
高い放射性廃棄物の固化材として使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】セメント中の有機物炭素量が単位放射線量当た
りの水素発生量に及ぼす影響の説明図。
【図2】自由水の割合で評価したC種高炉セメント固化
体の単位放射線量当たりの水素発生量の説明図。
【図3】放射性廃棄物の固化装置の第一のブロック図。
【図4】放射性廃棄物の固化装置の第二のブロック図。
【符号の説明】
1…固化材タンク、2…有機物除去装置、3…定量移送
装置、4…混練水タンク、5…電磁バルブ、6…混練
機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小森 至 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射性廃棄物を水硬性無機固化材を用いて
    固化する際に、前記水硬性無機固化材中の有機物の濃度
    を低減、または制御することを特徴とする放射性廃棄物
    の固化方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記水硬性無機固化材
    の有機物の含有濃度を50ppm以下に低減、または制
    御する放射性廃棄物の固化方法。
JP4123223A 1992-05-15 1992-05-15 放射性廃棄物の固化方法 Pending JPH05312996A (ja)

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