JPH05311525A - 紡績工場における屑綿の蒐集圧縮梱包制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 屑綿の蒐収圧縮操作における多数の条件設定
を容易に行う。 【構成】 多数の紡機Ａのそれぞれから発生する綿屑ｗ
を品種別、かつ所定重量毎に運搬車Ｓに積載し、該運搬
車Ｓを一次的に集積し、ついで予め定められた順序にし
たがって上記運搬車Ｓを共通の圧縮梱包装置１側に移行
し、綿屑を該装置１に手動による供給操作と、予め選択
した紡機Ａ１の綿屑を直接圧縮梱包装置１に導き、圧縮
梱包を自動的に行う自動供給操作とを併用して行うと共
に、タッチパネルＰを用い、所要のモードを設定し、該
設定モードに基づき、上記自動供給操作、並びに手動供
給操作における綿屑の品種別投入量等を規制し、圧縮梱
包を行う。 【効果】 綿屑の自動供給、及び手動供給による圧縮梱
包に際しての各種モードの設定にタッチパネルを用いた
から、多数のモード設定、及び操作が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紡績工場内の混打綿
機、カード、コーマ、精紡機、あるいは織機等（以下総
称して紡機という）から発生する落綿、風綿、繊維屑等
（以下屑綿という）を集積し、圧縮して梱包する蒐集圧
縮梱包するための制御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】紡績工場では各紡機からそれぞれ品種の
異なる屑綿を発生しており、これの処理としては一般に
て作業により品種別に選別して運搬して計量し、これを
手動式圧縮梱包機に投入し、圧縮してバンド掛けして搬
出する手段が採られている。この際、梱包重量は売買の
関係上、一定量、例えば１００ｋｇと定められており、
屑綿は嵩高のため一度に所定重量の屑綿を運搬できず、
小量づつ運搬し、圧縮梱包機に投入する手段が採られて
いる。しかしこれはきわめて手数を要すると共に、多量
の塵芥が発生する等の問題がある。

【０００３】このため本発明者は、先にこれの自動化を
図るための屑綿の圧縮梱包方法、及びその装置を提案し
た。（特願平２−４１２４７０号）これは各紡機毎に発
生する屑綿を品種別に計量して運搬車に積載した側枠内
に収納し、この運搬車を一時、ストックヤードに集積
し、次いで予め定められた順序にしたがって運搬車を品
種毎に順次搬出し、上記圧縮梱包機に供給し、屑綿を側
枠と共に、梱包機に直接移送することにより塵芥の発生
を防止するようにしたものである。

【０００４】なお、この際、通常の規模の紡績工場にお
いて発生する屑綿の処理を行うための上記圧縮梱包機の
作業時間は数時間で終了するもので、従ってその他の時
間は比較的屑綿の多い、例えばコーマ機からの屑綿を直
接圧縮梱包機に供給し、圧縮梱包処理を行う自動処理方
法も提案した。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述の如く屑綿は多品
種にわたり、かつ１回の梱包に対する運転中の供給台数
も屑綿の種類により異なる。従って品種の異なる毎に、
その都度供給する運搬車の台数を決定し、間違いなくそ
の台数を供給する必要がある。さらにまた夜間等の自動
運転から運転者による手動操作に切り換える際、圧縮梱
包機に屑綿が残留することは、品種の混合と梱包重量が
規定を外れる等の問題があり、好ましくない。このため
自動運転の終了時刻を設定し、その時以後は梱包継続中
を除き、新規に屑綿を供給することを停止しなければな
らない。これらの条件設定、及びその操作は面倒であ
る。これは手動操作から自動操作に切り換える場合も同
様である。本発明はかかる点に鑑み、操作を簡略、かつ
確実に行うことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、多数の紡機のそれぞれから発生する屑綿を
品種別に、かつ所定重量毎に運搬車に積載し、該運搬車
を一時的に集積し、次いで予め定められた順序に従って
上記運搬車を共通の圧縮梱包機に移行し、屑綿を該圧縮
梱包機に、手動による供給動作と予め選択した紡機の屑
綿を直接圧縮梱包機に導き、圧縮梱包を自動的に行う、
自動供給操作とを併用した圧縮梱包装置においてタッチ
パネルを用い、所要のモードを設定し、該設定モードに
基づき上記自動供給操作、並びに手動供給操作における
屑綿の品種別投入量等を規制し、圧縮梱包を行うように
したものである。

【０００７】

【作用】所定のモードはタッチパネルに表示される。従
ってこれに基づき所要事項をインプットすることによ
り、品種別に屑綿の供給量は規制され、梱包重量の過不
足を生じることがなく、また手動・自動の切り替えに際
しても品種の混合を生じることがない。その他集計等、
所要事項の記録も容易である。

【０００８】

【実施例】図１は本発明の屑綿の圧縮梱包方法のフロー
チャートを示す。各紡機、例えばコーマＡ１、カードＡ
２、混打綿機Ａ３，Ａ４、精紡機Ａ５（以下総称すると
きは単に紡機Ａという）において発生する落綿等の屑綿
をそれぞれｗ１，ｗ２，ｗ３，ｗ４，ｗ５，ｗ６（以下
総称するときは単にｗという）とする。但しカードＡ２
は鎧綿ｗ２、落綿ｗ３を別々に回収するものとする。な
お、Ｂは床面等を清掃し、集められた落綿ｗ７の回収車
を示す。

【０００９】各紡機Ａから発生する屑綿ｗはそれぞれフ
ァイバープレスＦａ，Ｆｂ，Ｆｃ，Ｆｄ…（以下総称す
るときは単にＦという）に空気流等により移送される。
このファイバープレスＦは、例えば円盤状のケージとそ
のケージ内に収納される掻き落し用スクリューを備える
もので、その構造は周知構造であり、説明を省略する。
このファイバープレスＦには屑綿計量器Ｔを備える。こ
の計量器Ｔは例えば間接計量とすることが好ましい。こ
の間接計量の手段としては、紡機に供給される原料綿の
品種が一定であれば、単位時間当りに排出される屑綿量
は一定であることから、紡機の運転時間から推定するこ
とができる。本実施例はこの方法を採択する。但し、フ
ァイバープレスＦｇには回収車Ｂにより運び込まれる屑
綿を直接計量する計量器等、適宜の直接計量手段を備え
る。

【００１０】なお、各紡機のうち適宜の紡機、好ましく
は最も屑綿の発生の多い紡機、例えばコーマＡ１に対す
るファイバープレスＦａは直接圧縮梱包装置１に取り付
け、その他のフアイバープレスＦｂ，Ｆｃ…にはそれぞ
れ運搬車Ｓを配備する。この運搬車Ｓは台車２へ摺動可
能に備えた移動台３と、この移動台３上に載置される上
下を開放した側枠４とからなる。図中Ｃはストックヤー
ドで、屑綿ｗを所定両集積した上記運搬車Ｓを屑綿品種
別に一時ストックする場所を示す。

【００１１】前記圧縮梱包装置１は図１乃至図４に示す
如く、圧縮梱包機構１０と、この圧縮梱包機構１０に前
記運搬車Ｓの側枠４を供給する昇降台２０と、前記フア
イバープレスＦａからの屑綿供給用ベルト３０、並びに
制御手段ＣＰＵとからなる。圧縮梱包機構１０は側枠４
を受け入れるため、前部を開口した上部筐体１１と、側
枠４内の屑綿を押し下げる上部シリンダ１２と、側枠４
から押し出された屑綿を受け入れる下部筐体１３と、下
部筐体１３内の屑綿を一側方に押圧する水平シリンダ１
４と上部筐体１１に対向して設けた下部シリンダ１５
と、下部筐体１３の出口側に設けた仕切壁１６、並びに
この仕切壁１６の後方に設けたバンド掛け機構１７とを
備える。１８は側枠４を上部筐体１１内に引き込むため
の引き込み杆である。

【００１２】昇降台２０は運搬車Ｓから移動台３と共に
側枠４を受け取り、上部筐体１１に側枠４を供給するよ
うにしたもので、昇降シリンダ２１により台車２を受入
れ位置から押出位置へ昇降する受台２２を備える。２３
は受台２２に設けた案内レールで、台車２を案内し位置
決めするものであり、その後昇降シリンダ２１で位置合
わした後、移動台３を移動して側枠４を上部筐体１１内
に移行するようにしたものである。

【００１３】屑綿供給用ベルト３０は、正逆運転可能と
した無端ベルトより構成され、フアイバープレスＦａか
ら繰り出される屑綿を上部筐体１１内に予め取り付けら
れる、空の側枠４ａ内への供給と圧縮梱包機１０の側部
に配置される運搬車Ｓへの供給とを選択して行うように
したものである。

【００１４】上記構成において、ストックヤードＣ中の
運搬車Ｓに収納された屑綿の圧縮梱包に際しては、予め
定められた順序にしたがって運搬車Ｓを圧縮梱包機１側
に移送する。そして上記昇降台２０により上昇し、側枠
４を上部筐体１１内に移行し、上部シリンダ１２を作動
し、側枠４を案内として屑綿ｗを下部筐体１３内に押し
込む。この際、屑綿量が所定量に達するまで、この動作
を所定の回数繰り返し、所定量に達したときは上下のシ
リンダ１２，１５を所定位置まで押し出した位置におい
て水平シリンダ１４を仕切壁１６側に押し出して屑綿を
圧縮し、しかる後、仕切壁１６を引き上げ、水平シリン
ダ１４を更に押し出して屑綿をバンド掛け機構１７側に
押し出し、バンド掛けを行い、排出する。

【００１５】次に、ファイバープレスＦａからの供給ベ
ルト３０による自動供給に際しては、圧縮梱包機１内に
屑綿ｗの残量のないことを確かめて供給ベルト３０を駆
動し、ファイバープレスＦａから供給される屑綿ｗを圧
縮梱包機１の上部筐体１１内に設置された、空の側枠４
ａ内に移送する。この際の供給量はファイバープレスＦ
ａに設けられる計量器Ｔにより計測する。そして単位量
（例えば１０ｋｇ）の屑綿ｗが供給されたとき、供給ベ
ルトを遅速度運転として供給を中断し、上部シリンダ１
２を作動して屑綿を圧縮し、該シリンダが上昇した後、
再びベルト３０を通常速度に復帰して屑綿の供給を開始
する。これを繰り返し、所定の屑綿ｗが供給されたと
き、水平シリンダ１４を仕切壁１６側に押し出し、屑綿
を圧縮し、しかる後仕切壁１６を引き上げ、水平シリン
ダ１４をさらに押し出して屑綿塊ｗをバンド掛けを行
い、排出する。

【００１６】上記制御手段ＣＰＵはこれら運搬車の搬送
台数、自動供給による供給綿量の設定、品種切り替え時
の品種混合、並びに重量の変動の防止、そのた集計作業
等を予め記憶させ、これにより作業の円滑を図るように
したもので、上記制御手段ＣＰＵに対するインプットの
手段として本発明はタッチパネルを利用して簡易に行う
ようにしたもので、以下その要領を図５以下について説
明する。

【００１７】図５は手動・自動、その他各種モードの選
択画面を表示するタッチパネルＰを示す。このときのパ
ネルＰには、自動モード、手動モード、集計モード等、
所要の各種モードが表示されている。作業者は所要のモ
ードを選択して軽くタッチする。例えば自動モードを押
したときは、パネルＰは図６の画面に切り替わる。

【００１８】この画面は自動運転の各モードを示すもの
で、屑綿の品種、作業者の番号等を決定する。品種設定
の場合には、この表示のスイッチを押すことにより図７
ａの画面が表示され、品種を選択しスイッチを押す。こ
れにより画面は図６に戻り、品種を表示する。作業者の
番号の選択も同様であり、図７ｂにより選択する。

【００１９】なお、停止期間とは自動運転を終了し、手
動運転に切り換えるとき、圧縮梱包機１内に屑綿が残る
ことは好ましくない。例えば朝８時から作業者が手動に
て運搬車を移動し、屑綿の梱包を行うときは、自動運転
中の屑綿の時間当りの発生量から逆算して、例えば６時
３０分以降は現在の梱包終了までは屑綿の供給は継続す
るも、新規の梱包のための屑綿の供給は停止する。この
場合も同様に、停止時間のスイッチを押すことにより図
７ｃのサイクル停止時間設定モードに切り替わり、時間
の設定を行う。重量の設定も同様であり、説明を省略す
る。これらの各種モード設定により図７ｄに示す如く、
パネルＰに設定事項が表示され、これを確認し、運転ス
イッチを押す。

【００２０】次に手動運転の場合、すなわち運搬車Ｓに
よる屑綿の供給の場合について説明する。図８は各種モ
ードを設定した場合のパネルＰを示す。この場合には運
搬車の供給回数、すなわちプレス回数を設定項目に付加
する。なお、運搬車Ｓによる搬送の場合は多数の紡機、
すなわち多数の品種があり、従って図例は図９ａ，９ｂ
の２画面にわたって表示する場合を示す。

【００２１】また図１０及び図１１はそれぞれ作業設
定、プレス回数設定のパネル画面を示し、設定要領は前
記と同様であり、説明を省略する。図１２は確認を終わ
り、スタートスイッチを押したとき、第１回目の昇降台
上の運搬車から側枠を引き込み、該側枠中の屑綿のプレ
ス作業中の状態を示す。従って作業を中断し、次に作業
を開始する場合にも供給回数を間違えることはない。

【００２２】なお、図１３は運転中に不良、あるいは故
障が生じたときの表示要領を示し、適宜の警報と共に、
不良あるいは故障箇所を点滅、または赤ランプにて表示
する。

【００２３】なお、上記運転の他に、例えば各品種の梱
包重量を設定した画面を設定し、品種の異なる綿を処理
するとき、この画面輪表示し、確認することができる。
また集計モードはこれを画面に表示し、プリントアウト
の操作を行うことができる。その他メンテナンスモード
を画面に表示し、例えば各シリンダの作動の良否を検出
することができるが、これらの説明は省略する。

【００２４】

【発明の効果】以上の如く本発明によるときは、多数の
紡機から発生する屑綿のうち一部は直接圧縮梱包機に、
また他の屑綿は品種別に所定重量毎に運搬車に収納し、
直接圧縮梱包機に供給された屑綿は自動供給により、ま
た運搬車に収納された屑綿は手動操作により圧縮梱包機
で圧縮し、圧縮梱包を行うと共に、圧縮梱包に際しての
各種モードの設定にタッチパネルを用いたから、多数の
モード設定を容易に行うことができ、かつ操作を容易に
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の紡績工場における紡績工場における屑
綿の蒐集圧縮梱包制御方法のフローチャートである。

【図２】圧縮梱包装置の平面図である。

【図３】圧縮梱包機の縦断面図である。

【図４】図３におけるＸ−Ｘ線に沿う断面図である。

【図５】自動・手動等の基本モード、選択するためのメ
ニューを示すタッチパネルの画面を示す。

【図６】自動運転における所要設定を示すタッチパネル
の画面である。

【図７ａ】自動運転における品種設定モードを示すタッ
チパネルの画面である。

【図７ｂ】自動運転における作業者番号設定モードを示
すタッチパネルの画面である。

【図７ｃ】自動運転におけるサイクル停止時間設定モー
ドを示すタッチパネルの画面である。

【図７ｄ】自動運転における運転モードを示すタッチパ
ネルの画面である。

【図８】手動運転における所要設定を示すタッチパネル
の画面である。

【図９ａ】手動運転における品種設定モード１ページ目
のタッチパネルの画面である。

【図９ｂ】手動運転における品種設定モード２ページ目
のタッチパネルの画面である。

【図１０】手動運転における作業者設定モードのタッチ
パネルの画面である。

【図１１】手動運転におけるプレス回転設定モードを示
すタッチパネルの画面である。

【図１２】手動運転における運転中を示すタッチパネル
の画面である。

【図１３】手動運転中の異常表示を示すタッチパネルの
画面である。

【符号の説明】

１ 圧縮梱包装置 １０ 圧縮梱包機 Ａ 紡機 Ｐ タッチパネル Ｓ 運搬車 ｗ 屑綿

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の紡機のそれぞれから発生する屑綿
   を品種別に、かつ所定重量毎に運搬車に積載し、該運搬
   車を一次的に集積し、ついで予め定められた順序に従っ
   て上記運搬車を共通の圧縮梱包機側に移行し、屑綿を該
   圧縮梱包機に手動による供給操作と、予め選択した紡機
   の屑綿を直接圧縮梱包機に導き、圧縮梱包を自動的に行
   う自動供給操作とを併用した圧縮梱包装置において、タ
   ッチパネルを用い、所要のモードを設定し、該設定モー
   ドに基づき上記自動供給操作、並びに手動供給操作にお
   ける屑綿の品種別投入量等を規制し、圧縮梱包を行うこ
   とを特徴とする紡績工場における紡績工場における屑綿
   の蒐集圧縮梱包制御方法。