JPH05311217A - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法

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JPH05311217A
JPH05311217A JP11363992A JP11363992A JPH05311217A JP H05311217 A JPH05311217 A JP H05311217A JP 11363992 A JP11363992 A JP 11363992A JP 11363992 A JP11363992 A JP 11363992A JP H05311217 A JPH05311217 A JP H05311217A
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furnace
coke
layer
slag
ore
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JP11363992A
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English (en)
Inventor
Chisato Yamagata
千里 山縣
Shinichi Suyama
真一 須山
Michihiko Yamashita
道彦 山下
Osamu Horisaka
修 堀坂
Shusaku Komatsu
周作 小松
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】炉況を安定に維持しながら微粉炭吹き込み操業
で低Si、低Sの溶銑を製造する。 【構成】炉内に鉱石14とコークス12とを交互に層状に装
入する高炉の操業方法において、炉周辺部のコークス層
だけに CaOおよび/またはMgO を含有する造滓剤13を混
合することを特徴とする高炉の操業方法。鉱石層の炉中
心部の領域をコークス層に置き換えてもよい。 【効果】レースウェイコークス層の通気性、炉芯コーク
ス層の通液性が改善され、炉況安定下で溶銑中Siおよび
S濃度を低く制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、微粉炭吹き込みを行
う高炉製錬において、溶銑中のSiおよびS (硫黄) の濃
度を低減させる高炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高炉操業形態としては、羽口から
重油、タール等の液体燃料を多量に吹き込むことによ
り、コークス比を下げ出銑比を高める、いわゆる液体燃
料吹き込み操業が行われてきた。しかし、昭和50年前半
の原油価格の高騰でエネルギー価格体系が大きく変化し
た結果、高炉操業はオールコークス操業が主流になって
きた。
【0003】オールコークス操業は、液体燃料吹き込み
操業に比べて、燃料コストは低下する。しかし、羽口前
理論燃焼温度が高くなり、かつ高炉への水素投入量も低
下するため、荷下がりが不安定となり、スリップが頻発
するとともに、溶銑中Si濃度も上昇する。そこで、羽口
から水分を吹き込む調湿によって、この問題点に対処し
てきた。ところがこの操業では、コークス比が上昇して
コークス炉の生産能力不足の問題が生じるとともに、送
風原単位が上昇するので吹き抜け限界の面から最大出銑
比が低下するという問題が新たに発生した。
【0004】上記の問題を解決するため、安価な羽口吹
き込み燃料として微粉炭を採用する高炉が増加してい
る。この微粉炭吹き込みを行えば、コークス比が低下
し、最大出銑比が上昇する。しかし液体燃料吹き込み操
業に比較して微粉炭吹き込み操業では、微粉炭に由来す
るSiO2がレースウェイ近傍で下記(1) 式の反応を起こし
てSiO ガスを発生し、溶銑中Si濃度が上昇する。また、
オールコークス操業に比べて微粉炭吹き込み操業では、
コークスより含有量が高い微粉炭中のSがレースウェイ
内でガス化し、溶銑中S濃度が上昇する。即ち、従来の
溶銑よりもSiおよびS濃度が上がり、つぎの製鋼工程で
は脱珪および脱硫のための造滓剤の使用量が増加するこ
とになる。
【0005】 SiO2 +C =SiO + CO ・・・・・・・・・(1) このような溶銑中のSiおよびS濃度の上昇に対処する技
術としては、下記のような提案がある。
【0006】特開昭57−137403号公報には、微粉炭吹
き込み操業における低Si・低S溶銑製造法として、微粉
炭と共に石灰石、ドロマイト等の塩基性物質を吹き込む
操業法が提案されている。この方法では、造滓剤粉体が
高炉羽口から吹き込まれるのでレースウェイで生成され
るスラグ中のSiO2の活量が低下し、上記(1) 式のSiOガ
ス発生反応が抑制され溶銑中Siの濃度を低くなる。
【0007】特開昭61−153209号公報には、コークス
層中に、CaO 系またはMgO 系造滓剤を添加し、レースウ
ェイでのコークス燃焼にともなって発生するS含有ガス
を吸収させることにより、低S溶銑を製造する操業法が
提案されている。
【0008】さらに特開昭58−61204 号公報には、塩
基度の異なる複数種の装入鉱石を炉内半径方向の異なっ
た位置に装入し、炉内半径方向の装入物塩基度分布を羽
口レベルにおける半径方向炉内温度分布に対応させて制
御し、溶銑中Si濃度を制御する高炉操業方法が提案され
ている。
【0009】しかしながら、上述の溶銑成分制御操業法
には、それぞれ次に示すような問題点がある。すなわ
ち、 の方法では、塩基性物質吹き込みによる温度低下を羽
口部で熱補償する必要があり、熱補償が不十分で吹き込
み粉体の昇温、溶融が十分に進展しない場合にはレース
ウェイの通気性悪化を引き起こす。
【0010】の方法では、高炉半径方向全体に造滓剤
を装入するため、炉芯コークス中に造滓剤が残存して、
炉芯の通液性を悪化させるとともに、造滓剤がレースウ
ェイ以外にも供給されて、造滓剤添加効率が低下する。
【0011】の方法では、炉の半径方向各位置で装入
鉱石の塩基度が異なるため、鉱石の溶落性状が異なり炉
況悪化を引き起こす。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微粉
炭吹き込みを行う高炉の操業において、レースウェイの
通気性と炉芯コークスの通液性とを確保し、さらに炉芯
コークスの通気性を改善して炉況を安定に維持しながら
溶銑中のSi濃度およびS濃度を低下させることができる
高炉操業方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記 (1)およ
び(2) の高炉操業方法を要旨とする。
【0014】(1) 炉内に鉱石とコークスとを交互に層状
に装入し、羽口から微粉炭を吹き込んで製錬する高炉の
操業方法において、炉周辺部のコークス層だけに CaOお
よび/またはMgO を含有する造滓剤を混合することを特
徴とする高炉の操業方法(以下、第1発明という)。
【0015】(2) 上記(1) の方法の一つの実施態様とし
て、鉱石層の炉中心部の領域をコークス層に置き換えて
操業する高炉の操業方法(以下、第2発明という)。
【0016】本発明において、『炉中心部』とは、その
境界が炉芯コークス更新に関与する炉上部コークスの存
在領域で決定されるもので、炉中心から半径方向に半径
の 0.1〜0.2 倍の距離までの部分である。また『炉周辺
部』の境界は、レースウェイに有効に造滓剤が供給され
る領域で決定され、炉中心から半径方向に半径の 0.4〜
0.8 倍の距離にある。炉壁からこの境界までの領域が
『炉周辺部』である。なお『炉中間部』というのは、炉
中心部と炉周辺部の中間の領域である。
【0017】本発明で使用する造滓剤は、CaO を主とし
て含有する石灰石、MgO を主として含有する蛇紋岩、か
んらん岩、CaO およびMgO を主として含有するドロマイ
ト、マグネサイト、等であり、これらは単独または複合
して使用することができる。
【0018】鉱石とは、通常の高炉操業に使用される焼
結鉱、ペレット、塊鉱石を主体とする鉄源である。
【0019】本発明の実施に際しては、炉内半径方向の
装入物分布を制御できる装入装置として、ベル式高炉で
通常用いられるムーバブルアーマーまたはベルレス式高
炉の旋回シュートを用いることができる。
【0020】図1は、本発明方法を実施するムーバブル
アーマーを有するベル式高炉の概略縦断面図である。図
に示すように、コークスの装入系統7または鉱石の装入
系統8から切り出されたコークスまたは鉱石は、炉頂の
旋回シュート4を用いて小ベル2上に均等に装入され
る。つぎに小ベル2を開いて大ベル3上に1回装入量ま
たは1回装入量を複数バッチに分割した装入量を1バッ
チで装入する。なお1回装入量とは、炉内に交互にかつ
層状に装入されるコークス層または鉱石層の一層を形成
する装入量のことをいう。その後大ベル3を開くと、そ
の円錐表面の傾斜に沿ってコークスまたは鉱石が落下
し、ムーバブルアーマー5に衝突して、炉中心部側に反
撥されながら、原料落下軌跡Tに沿って、高炉1内に装
入される。このとき、炉内に装入されたコークスまたは
鉱石は、その落下位置を頂点とし、その安息角に応じた
傾斜面を持つM型層頂形状の層を形成する。したがっ
て、1バッチ分の装入量およびムーバブルアーマー5の
傾斜角を調整することにより、炉内半径方向の装入物分
布を制御することができる。
【0021】なお、コークス装入系統7のコークス槽の
一部が造滓剤の貯蔵と切り出し用に割り当てられ、造滓
剤添加コークス層を形成する原料がコンベアによって巻
き上げ可能になっている。また、ベル式装入装置とは別
に中心コークス装入装置6を設置し、粒径30〜50mmのコ
ークスを高炉中心部に装入することもできる。
【0022】まず、上述のムーバブルアーマーを用いて
本発明方法における装入物分布を炉内に形成する方法に
ついて説明する。
【0023】図2は、層状装入の操業例を説明する高炉
上部の縦断面図であり、(a) 図は第1発明の原料装入状
態、(b) 図は第2発明の原料装入状態を示す図である。
第1発明の装入物分布を炉内に形成する方法は下記のと
おりである。
【0024】図2(a) 図に示すように、例えばコークス
12の1回装入量を3バッチに分割して装入し、鉱石14は
1回装入量を2バッチで装入する。まず、層頂形状の頂
点位置が高炉上部内壁11側に寄るように、ムーバブルア
ーマーの傾斜を調整して5-2の位置とし、原料落下軌跡
2 に沿ってコークス12を落下させ、1バッチ目コーク
ス層C1 を前回装入の鉱石上に形成する。続いて、層頂
形状の頂点位置が炉中心部側に寄るようにムーバブルア
ーマーの傾斜を調整して 5-1の位置とし、原料落下軌跡
1 に沿ってコークス12を落下させ、2バッチ目コーク
ス層C2 を1バッチ目コークス層C1 の上の炉中心部か
ら炉中間部までの領域に形成する。
【0025】次に、層頂形状の頂点位置が高炉上部内壁
11側に寄るようにムーバブルアーマーを 5-2の位置に調
整して、原料落下軌跡T2 に沿って造滓剤13を添加した
コークス12を落下させる。そして高炉上部壁11と2バッ
チ目コークス層C2 の炉壁側傾斜面との間の炉周辺部に
3バッチ目造滓剤添加コークス層CF3を形成する。つい
で、上記のように形成されたコークス層の上に、層頂形
状の頂点位置が高炉上部内壁11側に寄るようにムーバブ
ルアーマーを 5-2の傾斜に調整し、原料落下軌跡T2
沿って鉱石14を落下させ、1バッチ目鉱石層O1 および
2バッチ目鉱石層O2 を順次に形成する。なお、1バッ
チ目コークス層C1 、3バッチ目造滓剤添加コークス層
CF3および1、2バッチ目鉱石層O1 、O2 を形成する
いずれの場合もムーバブルアーマーの傾斜、原料落下軌
跡は、装入作業中に任意に調整できることは言うまでも
ない。
【0026】このようにして、コークス層と鉱石層とを
交互に層状装入し、図2 (a)の装入物分布を形成して高
炉操業を行う。第2発明の装入物分布を炉内に形成する
方法は下記のとおりである。
【0027】図2(b) 図に示すように、例えばコークス
12の1回装入量を5バッチに分割して装入し、鉱石14は
1回装入量を2バッチで装入する。1バッチ目のコーク
ス層C1 、2バッチ目のコークス層C2 および3バッチ
目造滓剤添加コークス層CF3の形成は、前記(a) 図で述
べた第1発明の場合と同様に行う。そして、中心コーク
ス装入装置6から原料落下軌跡Tc に沿ってコークス12
を落下させ、炉中心部分に4バッチ目の中心コークス層
C4を形成する。次に層頂形状の頂点位置が高炉上部内
壁11側に寄るようにムーバブルアーマーを 5-2の傾斜に
調整し、原料落下軌跡T2 に沿って、鉱石14を落下さ
せ、4バッチ目の中心コークス層CC4の傾斜面と高炉上
部内壁11との間に鉱石層O1 を形成する。同様の操作で
5バッチ目中心コークス層CC5および鉱石層O2 を形成
する。
【0028】このようにして、コークス層と鉱石層とを
交互に層状装入し、図2(b) 図の装入物分布を形成して
高炉操業を行う。なお、図2には2層のコークス層の一
方だけの炉周辺部に造滓剤を添加した例を示したが、2
層ともにその炉周辺部に造滓剤を添加してもよい。
【0029】図3は、本発明方法を実施する旋回シュー
トを有するベルレス式高炉の概略縦断面図である。
【0030】図に示すように、コークス装入系統7、ま
たは鉱石装入系統8から切り出された原料は、装入ホッ
パー9から1回装入量または1回装入量を複数バッチに
分割した装入量が切り出され、旋回シュート10を用いて
炉内に装入される。このとき、1バッチ分の装入量、シ
ュート旋回数、および旋回中固定または可変にされる旋
回シュートの傾動角θを調整することにより、炉内半径
方向の装入物分布を制御することができる。
【0031】上述の旋回シュートを用いて、本発明方法
における装入物分布を炉内に形成する層状装入方法を説
明する。
【0032】図4の(a) 図は第1発明の原料装入状態、
(b) 図は第2発明の原料装入状態を例示する縦断面図で
ある。第1発明の装入物分布を形成する方法は下記のと
おりである。
【0033】図4(a) 図に示すように、例えば、コーク
ス1回装入量を2バッチに分割して装入し、鉱石14は1
回装入量を1バッチで装入する。まず、旋回シュートの
傾動角θを調整して10-1の状態とし、原料落下軌跡T1
に沿ってコークス12を落下させ、炉中心部から炉中間部
までの領域に1バッチ目コークス層C1 を前回装入の鉱
石層上に形成する。次に、旋回シュートの傾動角θを変
えて10-2の状態とし、原料落下軌跡T2 に沿って造滓剤
13を添加したコークス12を落下させる。そして炉周辺部
に2バッチ目の造滓剤添加コークス層CF2を形成する。
その後1回装入量で形成されたコークス層の上に、旋回
シュートを10-2の傾動角に調整して、原料落下軌跡T2
に沿って鉱石14を落下させ、鉱石層O1 を形成する。
【0034】第2発明の装入物分布を炉内に形成する方
法は下記のとおりである。 図4(b) 図に示すように、
例えば、コークス12の1回装入量を3バッチに分割して
装入し、鉱石14は1回装入量を1バッチで装入する。1
バッチ目コークス層C1 および2バッチ目の造滓剤添加
コークス層CF2の形成は、前記(a) 図で述べた第1発明
の場合と同様に行う。その後、旋回シュートの傾動角θ
を10-3のように0°とし、原料落下軌跡Tc に沿ってコ
ークス12を落下させ、炉中心部分の1バッチ目コークス
層C1 の上に3バッチ目の中心コークス層CC を形成す
る。
【0035】なお、前記図3に示す中心コークス装入装
置6からコークス12を落下させて中心コークス層CC
形成させてもよい。次に、旋回シュートの傾動角θを調
整して10-2の状態として、原料落下軌跡T2 に沿って鉱
石14を落下させ、中心コークス層CC の傾斜面と高炉上
部内壁11との間に鉱石層O1 を形成する。
【0036】図4ではコークス層の炉周辺部の全厚みに
造滓剤を添加した例を示したが、図2に示したようにコ
ークス層を2層またはそれ以上に分けて、そのどれかの
周辺部にのみ造滓剤を添加してもよい。要するに、造滓
剤の必要量に応じて、コークス層の装入形態は種々変更
することができる。
【0037】
【作用】第1発明の装入物分布を炉内に形成した場合、
炉周辺部のコークス層中にだけ造滓剤が添加され、炉芯
コークス層に供給される炉中心部のコークス中には造滓
剤が添加されていない。したがって、炉周辺部のコーク
ス中の造滓剤は、荷下り中に十分加熱され、羽口前レー
スウェイ内に降下した時は容易に溶融して、レースウェ
イ内で燃焼される微粉炭由来のSiO2を滓化する。このた
め、造滓剤の未溶融によるレースウェイ通気性の悪化は
生じない。また、レースウェイスラグ中のSiO2の活量が
低下するので、前記(1) 式のSiO 生成反応が抑制され、
溶銑中Siを効率的に低下させることができる。さらにレ
ースウェイ内で生成するS含有ガスが造滓剤に効率的に
吸収されるので溶銑中Sも下がる。一方、炉芯コークス
層中には造滓剤が添加されていないので、それが未溶融
で炉芯コークス層中に残存して通液性を阻害するという
事態が生ずることはなく、安定した操業の下で低Si、低
S銑を製造できる。
【0038】第2発明の方法では、炉中心部にはコーク
スだけが装入され、炉中間部は鉱石層とコークス層とが
層状に装入され、炉周辺部は鉱石層と造滓剤を添加した
コークス層とが装入される。したがって、第1発明と同
じく安定操業下で溶銑中Si、溶銑中Sを低く制御するこ
とができるとともに、炉芯コークス層の通気性が一層改
善されているから送風圧変動を小さく維持して炉況をさ
らに安定させることができる。
【0039】以下、実施例によって本発明の効果を具体
的に説明する。
【0040】
【実施例】ベル式装入設備を有する内容積1850m3の高炉
において吹き込み量150kg/溶銑tの微粉炭多量吹き込み
操業を行った。
【0041】表1(1) に示す実施例1、実施例2および
実施例3では、第1発明の装入物分布を炉内に形成させ
た。すなわち前述の図2(a)に示すように、コークス12
の1回装入量を3バッチに分割して装入し、鉱石14の1
回装入量を2バッチに分割して装入した。そして造滓剤
13を添加したコークス12を3バッチ目で炉周辺部に装入
した。
【0042】造滓剤は、実施例1では CaO系の造滓剤と
して石灰石 20kg/溶銑t 、実施例2では MgO系の造滓剤
として蛇紋岩 20kg/溶銑t 、実施例3では CaO系+ MgO
系の造滓剤として石灰石 15kg/溶銑t +蛇紋岩 15kg/溶
銑t を使用した。
【0043】表1(1) の実施例4では、第2発明の装入
物分布を炉内に形成させた。すなわち前述の図2(b) 図
に示すように、コークス12の1回装入量を5バッチに分
割して装入し、鉱石14の1回装入量を2バッチに分割し
て装入した。そしてコークスの3バッチ目に造滓剤とし
て石灰石 15kg/溶銑t +蛇紋岩 15kg/溶銑t を添加した
コークスを炉周辺部に装入し、コークスの4および5バ
ッチ目は、中心コークス装入装置6から炉中心部にコー
クスを単独装入して、鉱石層O1 およびO2 の中心部に
それぞれ中心コークス層を形成した。
【0044】表1(2) には、従来の操業法に相当する比
較例を示す。比較例1は、コークスの1回装入量を2バ
ッチに分割して装入し、炉内にM型形状のコークス層を
形成し、その後鉱石の1回装入量を2分割して装入し、
炉内にM型形状の鉱石層を形成する従来法で原料装入を
行った例であり、造滓剤は添加されていない。
【0045】比較例2では、羽口から造滓剤として石灰
石 15kg/溶銑t +蛇紋岩 15kg/溶銑t を吹き込んだ。比
較例3では、コークス層全体に造滓剤として石灰石 15k
g/溶銑t +蛇紋岩 15kg/溶銑t を添加した。また、比較
例4では、鉱石塩基度の異なる複数種の鉱石を半径方向
の異なる位置に装入した。
【0046】表1(1) および(2) に、操業を行ったとき
の溶銑成分、炉況および操業成績を併記した。
【0047】
【表1(1)】
【0048】
【表1(2)】
【0049】表1(2) に示すように、造滓剤を添加して
いない比較例1では、安定操業時に溶銑中Si濃度は0.38
%、S濃度は 0.030%となった。これに対し、低Si、低
S溶銑を製造するため羽口から造滓剤を吹き込んだ比較
例2では、羽口前での造滓剤分解熱の熱補償が必要にな
りコークス比が上昇するとともに、レースウェイ近傍の
コークス層の通気性が悪化し、送風圧変動が高くなって
出銑比が低下し、十分な溶銑中SiおよびSの低減効果は
得られなかった。
【0050】コークス層全体に造滓剤を添加した比較例
3では、レースウェイに供給される造滓剤量は少なくな
り、溶銑中SiおよびSの低減効果は小さい。さらに炉芯
コークス層に造滓剤が未溶解で残存するため、その通気
性および通液性が悪化して通風圧変動、およびスリップ
回数が増大し、コークス比の上昇および出銑比の低下が
避けられなかった。
【0051】さらに、半径方向位置別に異なる塩基度の
鉱石を装入した比較例4では、鉱石の溶け落ち性状が大
幅に変動したため送風圧変動およびスリップ回数が増大
し、コークス比の上昇および出銑比の低下は避けられ
ず、十分な溶銑中SiおよびSの低減効果は得られなかっ
た。
【0052】一方、表1(1) に示すように、炉周辺部の
コークス層にだけ造滓剤を添加した実施例1〜4では、
送風圧変動指数の上昇もなく、スリップ回数の増大もな
く、比較例1と同様の安定操業ができた。しかも、コー
クス比の上昇もわずかであり、出銑比も比較例1と同等
であった。そして、溶銑中Siは0.30〜0.18%、溶銑中S
は 0.025〜0.017 %に低減され、溶銑中SiおよびS濃度
を比較例1より低いレベルに制御することができた。
【0053】造滓剤として石灰石 20kg/溶銑t を用いた
実施例1および蛇紋岩 20kg/溶銑tを用いた実施例2よ
り、石灰石 15kg/溶銑t +蛇紋岩 15kg/溶銑t を用いた
実施例3および実施例4の方が、溶銑中SiおよびSの低
減効果が大きい。これは、微粉炭およびコークスの灰分
はSiO2−Al2O3 系であるため、微粉炭およびコークス灰
分+造滓剤から構成される羽口前レースウェイスラグの
融点は、CaO +MgO 系造滓剤を使用した場合の方が低位
に維持することが可能であり、コークス層の通液性を悪
化させることなく造滓剤添加量を増加することができた
ことによる。
【0054】炉周辺部のコークス層にだけ造滓剤を添加
し、炉中心部にはコークス層だけを装入した実施例4で
は、最も優れた溶銑中SiおよびSの低減効果が得られ
た。
【0055】
【発明の効果】本発明方法によれば、レースウェイの通
気性と炉芯コークスの通液性とを確保し、さらに炉芯コ
ークスの通気性を改善して、炉況安定下で溶銑成分を制
御することができ、低Si、低Sの溶銑を製造することが
できる。従って、製鋼工程における脱硫剤および造滓剤
の使用量を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するベル式高炉の概略縦断面
図である。
【図2】図1の高炉による本発明方法の実施態様を説明
する図であり、(a) 図は第1発明の原料装入状態、(b)
図は第2発明の原料装入状態を例示する縦断面図であ
る。
【図3】本発明方法を実施するベルレス式高炉の概略縦
断面図である。
【図4】図3の高炉による本発明方法の実施態様を説明
する図であり、(a) 図は第1発明の原料装入状態、(b)
図は第2発明の原料装入状態を例示する縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1: 高炉、 2: 小ベル、 3: 大ベル、 4、10: 旋
回シュート、5: ムーバブルアーマー、 6: 中心コー
クス装入装置、11:高炉上部内壁、 12:コークス、
13:造滓剤、 14:鉱石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀坂 修 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 小松 周作 北九州市小倉北区許斐町1番地住友金属工 業株式会社小倉製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉内に鉱石とコークスとを交互に層状に装
    入し、羽口から微粉炭を吹き込んで製錬する高炉の操業
    方法において、炉周辺部のコークス層だけに CaOおよび
    /またはMgO を含有する造滓剤を混合することを特徴と
    する高炉の操業方法。
  2. 【請求項2】鉱石層の炉中心部の領域をコークスに置き
    換えることを特徴とする請求項1に記載の高炉の操業方
    法。
JP11363992A 1992-05-06 1992-05-06 高炉操業方法 Pending JPH05311217A (ja)

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