JPH05310909A - 含フッ素共重合体の製造方法 - Google Patents

含フッ素共重合体の製造方法

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JPH05310909A
JPH05310909A JP14363692A JP14363692A JPH05310909A JP H05310909 A JPH05310909 A JP H05310909A JP 14363692 A JP14363692 A JP 14363692A JP 14363692 A JP14363692 A JP 14363692A JP H05310909 A JPH05310909 A JP H05310909A
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JP
Japan
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zinc
trifluoropropylene
fluorine
oxide
organometallic compound
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JP14363692A
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English (en)
Inventor
Junko Umezawa
順子 梅沢
Tadashi Narita
正 成田
Tokio Hagiwara
時男 萩原
Hiroshi Hamana
浩 浜名
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トリフルオロプロピレンオキシドとプロピレ
ンオキシドとを共重合して、塗料、接着剤、特殊ゴム用
の樹脂として有用な任意の組成の共重合体を高収率で得
る方法の提供。 【構成】 トリフルオロプロピレンオキシドとプロピレ
ンオキシドを亜鉛の有機金属化合物の存在下で共重合さ
せることを特徴とする含フッ素共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含フッ素ポリエーテル共
重合体の製造方法に関する。更に詳しくは亜鉛の有機金
属化合物を重合開始剤としてトリフルオロプロピレンオ
キシドとプロピレンオキシドの共重合体を製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】トリフルオロプロピレンオキシド重合体
は化学的に安定なトリフルオロメチル基を持ったポリエ
ーテルであり、撥水性、低い溶剤溶解性、低屈折率等の
性質を示すため、特殊ゴム製造の中間体として有用であ
る。一方、プロピレンオキシド重合体は、ウレタン樹脂
等のゴムの中間体としてよく使われている。
【0003】上記両重合体の各重合単位を分子内に有す
る共重合体は、両者の特色を兼ね備え、しかも用途に応
じてCF3 基の含有量を調節することができるので、興
味のある共重合体である。
【0004】しかし、このようなトリフルオロプロピレ
ンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体については
塩化第2鉄を触媒として合成した例(Ponomarenko,V.
A.; 他、Izv, Akad.Nauk SSSR,Ser,Khim.;(8),1847-51
(1968) )があるが、得られる共重合体は通常は液状で
あり、固体状重合体を得るためには長い重合時間を要す
る。またその他の触媒でこれらの共重合が行なわれた報
告はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは塗料、接
着剤、特殊ゴム中間体として有用なトリフルオロプロピ
レンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体を得る方
法について検討した結果亜鉛の有機金属化合物を開始剤
として共重合させることにより、トリフルオロプロピレ
ンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体が得られる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は亜鉛の有機金属
化合物の存在下でトリフルオロプロピレンオキシドとプ
ロピレンオキシドを共重合させることを特徴とする含フ
ッ素ポリエーテル共重合体の製造方法である。
【0007】本発明で得られる含フッ素ポリエーテル共
重合体は下記式(a)および(b)で表わされる各重合
単位がランダムまたはブロック状に配列され、それぞれ
1〜99モル%、99〜1モル%含有するものであり、
本発明方法により、上記の組成比範囲のランダム共重合
体またはブロック共重合体のいずれをも製造することが
できる。
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】 a)の単量体はトリフルオロプロピレンオキシド、b)
の単量体はプロピレンオキシドである。(以下トリフル
オロプロピレンオキシドをTFPO、プロピレンオキシ
ドをPOと呼ぶことがある。)
【0010】本発明方法において単量体として用いるT
FPOは、トリフルオロアセトンを臭素化して得られた
ブロモトリフルオロアセトンを水素化リチウムアルミニ
ウムで還元してブロモトリフルオロイソプロピルアルコ
ールを苛性ソーダで処理する方法、あるいはトリフルオ
ロプロピレンを微生物を用いて酸化する方法(特公昭6
1−14798号公報、特開昭61−202697号公
報参照)などにより製造することができる。
【0011】ランダム共重合体を製造する場合は上記T
FPO、POの両単量体の混合物を重合開始剤の存在下
で共重合させることにより得られる。ランダム共重合性
は良好で、両単量体の仕込比および開始剤の種類等、重
合条件を変えることにより所望の組成比をもったランダ
ム共重合体を製造することができる。
【0012】また重合開始剤の存在下でいずれか一方の
モノマーを一定時間重合させた後、他のモノマーを添加
して重合を継続することによりブロック共重合体を製造
することができる。添加順序はTFPO、POのいずれ
が最初であってもよく、またこの操作を繰り返して多段
ブロック共重合体を製造することもできる。
【0013】このように、組成比および共重合形式を自
由に選択できるので用途に応じた各種の共重合体を容易
に製造することができる。
【0014】本発明において開始剤として使用する亜鉛
の有機金属化合物は分子中に少なくとも一個のZn−C
結合及び/またはZn−OC結合を有する化合物あるい
はその錯化合物である。このような亜鉛の有機金属化合
物としては、ジアルキル亜鉛、モノアルキルモノアルコ
キシ亜鉛、ジアルコキシ亜鉛、あるいはこれらの低重合
体、及びこれらの錯化合物などを挙げることができ、よ
り具体的には、(C2H5)2Zn,C2H5ZnOCH3)4,[Zn(OCH3)
2(C2H5ZnOCH3)5],[Zn(OCH3)2]n,[C2H5ZnMP]2[ZnMP2]2
どが例示される。(ここにMPはCH3OCH2CH(CH3)O-基を
表わす、以下同じ。)
【0015】またこれらの亜鉛の有機金属化合物と水と
の混合物も開始剤として使用することができる。水と混
合することにより活性が高くなり、重合収率の向上、低
温での重合が可能となる等優れた開始剤となる。
【0016】亜鉛の有機金属化合物の使用量は、モノマ
ーに対し0.1%〜10%、特に0.5%〜5%が好ま
しい。
【0017】重合は無溶媒でもあるいは、トルエン、ベ
ンゼン等の芳香族炭化水素やジ−n−ブチルエーテル等
のエーテル類等の有機溶媒中で行ってもよい。重合温度
は0〜200℃、特に20〜150℃が好ましく開始剤
の種類に応じて適宜選択することができる。重合は窒素
等の不活性ガス中で行なう。
【0018】反応が完結した後、酢酸、塩酸などの酸で
反応を停止させ、酸、メタノール等で洗浄し、減圧乾燥
することにより乾燥ポリマーが得られる。
【0019】本発明により従来の方法では短時間で得ら
れない固体のトリフルオロプロペンオキシド−プロピレ
ンオキシド共重合体が高収率で得られる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、得られた共重合体の物性の測定は以下の方
法で行なった。
【0021】(1) 1H−NMR(装置:日本電子
(株)製 GSX−270型)による。図1に示すNM
Rスペクトルにおいて、 4.4〜3.9ppm(TFPOユニット由来のメチ
ン、メチレン) 3.9〜3.3ppm(POユニット由来のメチン、メ
チレン) に表われた各シグナルより、TFPOおよびPOユニッ
トの存在が確認され、メチン、メチレンの積分比から生
成ポリマー中のTFPOとPOの組成比を計算する。
【0022】(2)F含有率 イオンクロマト分析(装置:DIONEX社製2010
i型)による。
【0023】(3)融解ピーク温度 DSC分析(装置:パーキンエルマー社製、DSC−2
C 昇温速度10℃/min)による。
【0024】(4)分解温度(DTGピーク) DTG分析(装置:島津製作所製 TG−30M 窒素
中、昇温速度10℃/min)による。
【0025】(5)接触角 ポリマーの2%THF溶液を、ガラス表面に塗布、デシ
ケーター中常圧で一晩放置して乾燥後60℃で8時間真
空乾燥したものを試料とし、協和界面科学社製CA−D
型接触角計を用いて水に対する接触角を測定した。
【0026】実施例1 トリフルオロプロピレンを特公昭61−14798号公
報記載の方法により微生物で酸化して得られたTFPO
を窒素気流下で蒸留して精製コモノマーを得た。また、
POを窒素気流下で蒸留し精製コモノマーを得た。
【0027】重合開始剤としてジエチル亜鉛と水との混
合物(混合比1:0.8 )よりなる固体を用い、窒素置換
アンプル中に、上記精製TFPO 0.7ml(8.2
mmol)、PO 0.55ml(8.2mmol)お
よび重合開始剤を充てんした。開始剤の添加量は0.3
3mmol相当で、コモノマーの総和:開始剤=50:
1のモル比とした。アンプルを密封後、室温で48時間
重合を行った。反応終了後開封し、塩酸メタノール溶液
を加えて反応を停止させ反応生成物を切断し、塩酸メタ
ノール中で洗浄、ついでメタノールで洗浄し、減圧乾燥
して白色固体の精製ポリマー1.36gが得られた。収
率は98%である。
【0028】得られたポリマーの諸物性を測定した結果
は下記のとおりである。 (1)生成ポリマー中のTFPOとPOの組成比 ( 1H−NMRにおけるTFPOユニット由来のメチ
ン、メチレンとPOユニット由来のメチン、メチレンの
積分比から計算。) 50:50 (2)F含有率(イオンクロマト分析による) 33wt% (3)DSC分析 融解ピーク温度 59℃、118℃ (4)DTG分析 分解温度(DTGピーク)381℃ 重合条件、生成ポリマーの性状、収率等を表1に示す。
【0029】実施例2〜3 コモノマーの仕込み比PO:TFPOおよび反応時間を
表1に示すように変える他は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。また実施例2の条件で得られたポリ
マーの 1H−NMR及び13Cのチャートを図1及び図2
に示す。
【0030】実施例4〜8、 重合開始剤として表1に示す各種の亜鉛有機金属化合物
を用い、表1に示す溶媒を用い、コモノマーの仕込み比
を表1に示すように変え、反応温度を80℃とする他は
実施例1と同様にして、重合を行った。但し実施例4〜
6,8は塩酸メタノール溶液で重合を停止した後、トル
エンに生成物を溶解させ、希塩酸で洗浄、ついで水で洗
浄し、溶媒を留去して真空乾燥し精製ポリマーを得た。
結果を表1に示す。
【0031】実施例9(ブロック共重合) 重合開始剤として、Et2 Zn−H2 O(1:0.8)
(Znで0.33mmol相当)を用い、窒素置換した
三方コック付ナスフラスコ中にまずPO 0.55ml
(8.15mmol)を充てんし室温で40時間重合さ
せた後、TFPO 0.77ml(8.17mmol)
を添加しさらに室温で100時間重合させた。反応終了
後塩酸メタノール溶液で反応を停止させ、生成ポリマー
を切断し塩酸メタノール水溶液中で洗浄、ついでメタノ
ール水溶液中で洗浄、真空乾燥して、0.77gのポリ
マーを得た。収率50%、 1H−NMRより求めたP
O:TFPOの組成比は48:52であった。このポリ
マーの 1H−NMR及び13Cのチャートを図3及び図4
に示す。実施例10 (ブロック共重合) POとTFPOの添加順を逆にし、TFPO充てん下で
50時間、PO添加後90時間重合させる他は実施例9
と同様にして行い、0.93gのポリマーを得た。収率
67%、 1H−NMRより求めたPO:TFPOの組成
は21:79であった。このポリマーの 1H−NMR及
13Cのチャートを図5及び図6に示す。
【0033】参考例1〜2(POおよびTFPOの単独
重合) 実施例4〜7において、仕込モノマーをPOのみ、およ
びTFPOのみとした以外は実施例4〜7と同様に行な
い、POおよびTFPOの単独重合体を得た。結果を表
1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、トリフルオロプロピレ
ンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体が高収率
で、しかも任意の組成比のものが得られるので、用途に
応じて塗料、接着剤、特殊ゴム用の樹脂として有用な各
種の共重合体の製法として利用価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2で得られた共重合体の 1H−
NMRスペクトルである。
【図2】本発明の実施例2で得られた共重合体の13C−
NMRスペクトルである。
【図3】本発明の実施例9で得られた共重合体の 1H−
NMRスペクトルである。
【図4】本発明の実施例9で得られた共重合体の13C−
NMRスペクトルである。
【図5】本発明の実施例10で得られた共重合体の 1
−NMRスペクトルである。
【図6】本発明の実施例10で得られた共重合体の13
−NMRスペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 で示されるトリフルオロプロピレンオキシドとプロピレ
    ンオキシドを亜鉛の有機金属化合物の存在下で共重合さ
    せることを特徴とする含フッ素共重合体の製造方法。
JP14363692A 1992-05-11 1992-05-11 含フッ素共重合体の製造方法 Pending JPH05310909A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020517717A (ja) * 2017-04-27 2020-06-18 メキシケム フロー エセ・ア・デ・セ・ヴェ 方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020517717A (ja) * 2017-04-27 2020-06-18 メキシケム フロー エセ・ア・デ・セ・ヴェ 方法

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