JPH05309353A - フライアッシュ硬化発熱抑制剤 - Google Patents
フライアッシュ硬化発熱抑制剤Info
- Publication number
- JPH05309353A JPH05309353A JP4115938A JP11593892A JPH05309353A JP H05309353 A JPH05309353 A JP H05309353A JP 4115938 A JP4115938 A JP 4115938A JP 11593892 A JP11593892 A JP 11593892A JP H05309353 A JPH05309353 A JP H05309353A
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- Japan
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- fly ash
- heat generation
- inhibitor
- flying ash
- curing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 石炭を燃焼した際に生成するフライアッシュ
の水による硬化を有効に防止するとともに、その際の発
熱を抑制することのできるフライアッシュ硬化発熱抑制
剤を開発すること。 【構成】 アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤から
なるフライアッシュ硬化発熱抑制剤である。 【効果】 フライアッシュのポゾラン反応による硬化物
の強度を低減し、かつその際の発熱を抑制することがで
き、フライアッシュのハンドリング性を向上させること
ができる。
の水による硬化を有効に防止するとともに、その際の発
熱を抑制することのできるフライアッシュ硬化発熱抑制
剤を開発すること。 【構成】 アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤から
なるフライアッシュ硬化発熱抑制剤である。 【効果】 フライアッシュのポゾラン反応による硬化物
の強度を低減し、かつその際の発熱を抑制することがで
き、フライアッシュのハンドリング性を向上させること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフライアッシュ硬化発熱
抑制剤に関し、詳しくは石炭を燃焼した際に生成するフ
ライアッシュの水による硬化を有効に防止するととも
に、その際の発熱を抑制することのできるフライアッシ
ュ硬化発熱抑制剤に関する。
抑制剤に関し、詳しくは石炭を燃焼した際に生成するフ
ライアッシュの水による硬化を有効に防止するととも
に、その際の発熱を抑制することのできるフライアッシ
ュ硬化発熱抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、発電所などで石炭を燃焼した際
には、石炭中の灰分に由来する多量の石炭灰、いわゆる
フライアッシュが生成する。このフライアッシュは通
常、埋め立てや建材用の混合物として処理されている
が、性状が微粉状であるため非常に発塵しやすく、運搬
や貯蔵の際に作業環境を著しく悪化させ、大きな問題と
なっている。この発塵を防ぐために、従来より水を散布
することが行われているが、フライアッシュには酸化カ
ルシウムに代表されるアルカリ土類金属酸化物や珪酸塩
が多く含まれている。そのためフライアッシュに水を散
布すると、この水といわゆるポゾラン反応として知られ
る反応を起こして硬化し、数日のうちに硬化セメント状
に固まってしまう。このため、この硬化物を設備機器や
運搬機器から除去するのに多大な労力とコストを費やす
上に、この硬化がヤード中の貯蔵フライアッシュに起こ
ると以後の移送に非常な困難をもたらす。この問題を解
決するために、従来より硝安,尿素などの固結防止剤と
して知られるポリエチレングリコール,グリセリン,ソ
ルビトール,糖類などのポリオールの水溶液を水の代わ
りに散布し、フライアッシュの硬化強度を低下させよう
とする試みがなされている。ところで、上述したポゾラ
ン反応は、発熱を伴うため、フライアッシュの硬化の際
にその温度が上昇する。発熱量が大きい場合には、フラ
イアッシュの温度が60〜90℃程度まで上昇するた
め、フライアッシュ輸送船の船倉や輸送用設備の変形や
故障に至ることもある。したがって、これら設備の補修
に多大な労力とコストを費やす上に、フライアッシュの
輸送にも非常な困難をもたらす。フライアッシュの加湿
時にはこのような問題が発生しているにもかかわらず、
発熱抑制法の開発はほとんど行われていないのが現状で
ある。
には、石炭中の灰分に由来する多量の石炭灰、いわゆる
フライアッシュが生成する。このフライアッシュは通
常、埋め立てや建材用の混合物として処理されている
が、性状が微粉状であるため非常に発塵しやすく、運搬
や貯蔵の際に作業環境を著しく悪化させ、大きな問題と
なっている。この発塵を防ぐために、従来より水を散布
することが行われているが、フライアッシュには酸化カ
ルシウムに代表されるアルカリ土類金属酸化物や珪酸塩
が多く含まれている。そのためフライアッシュに水を散
布すると、この水といわゆるポゾラン反応として知られ
る反応を起こして硬化し、数日のうちに硬化セメント状
に固まってしまう。このため、この硬化物を設備機器や
運搬機器から除去するのに多大な労力とコストを費やす
上に、この硬化がヤード中の貯蔵フライアッシュに起こ
ると以後の移送に非常な困難をもたらす。この問題を解
決するために、従来より硝安,尿素などの固結防止剤と
して知られるポリエチレングリコール,グリセリン,ソ
ルビトール,糖類などのポリオールの水溶液を水の代わ
りに散布し、フライアッシュの硬化強度を低下させよう
とする試みがなされている。ところで、上述したポゾラ
ン反応は、発熱を伴うため、フライアッシュの硬化の際
にその温度が上昇する。発熱量が大きい場合には、フラ
イアッシュの温度が60〜90℃程度まで上昇するた
め、フライアッシュ輸送船の船倉や輸送用設備の変形や
故障に至ることもある。したがって、これら設備の補修
に多大な労力とコストを費やす上に、フライアッシュの
輸送にも非常な困難をもたらす。フライアッシュの加湿
時にはこのような問題が発生しているにもかかわらず、
発熱抑制法の開発はほとんど行われていないのが現状で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たポリオール等の化合物の多くは、吸着水による粉体の
二次凝集を防ぐために、粉体表面を被覆する目的で加え
られるものであり、フライアッシュのように反応によっ
て結晶が生成し硬化する場合にはほとんど効果がないも
のである。そのため、上記ポリオール等の化合物を加え
ても、フライアッシュの硬化物の強度はほとんど低下せ
ず、また発熱も抑制できない。そのため、少量の添加で
フライアッシュの硬化強度を下げることができ、しかも
その際の発熱を抑制することのできる硬化抑制剤兼発熱
抑制剤(硬化発熱抑制剤)の開発が求められていた。本
発明の目的は、少量の添加によりフライアッシュが水と
反応した際の硬化物の強度を低下させ、かつその際の発
熱を抑制することのできるフライアッシュ硬化発熱抑制
剤を提供しようとするものである。
たポリオール等の化合物の多くは、吸着水による粉体の
二次凝集を防ぐために、粉体表面を被覆する目的で加え
られるものであり、フライアッシュのように反応によっ
て結晶が生成し硬化する場合にはほとんど効果がないも
のである。そのため、上記ポリオール等の化合物を加え
ても、フライアッシュの硬化物の強度はほとんど低下せ
ず、また発熱も抑制できない。そのため、少量の添加で
フライアッシュの硬化強度を下げることができ、しかも
その際の発熱を抑制することのできる硬化抑制剤兼発熱
抑制剤(硬化発熱抑制剤)の開発が求められていた。本
発明の目的は、少量の添加によりフライアッシュが水と
反応した際の硬化物の強度を低下させ、かつその際の発
熱を抑制することのできるフライアッシュ硬化発熱抑制
剤を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題に対して鋭意研究を重ねた結果、アンモニウム塩型陽
イオン性界面活性剤を用いることにより、この課題を解
決しうることを見出し、本発明を完成した。すなわち本
発明は、アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤からな
るフライアッシュ硬化発熱抑制剤を提供するものであ
る。
題に対して鋭意研究を重ねた結果、アンモニウム塩型陽
イオン性界面活性剤を用いることにより、この課題を解
決しうることを見出し、本発明を完成した。すなわち本
発明は、アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤からな
るフライアッシュ硬化発熱抑制剤を提供するものであ
る。
【0005】本発明で使用するアンモニウム塩型陽イオ
ン性界面活性剤は、有機アミンの塩,第四アンモニウム
塩あるいはアンモニウム塩型陽イオン性高分子化合物か
ら構成される。有機アミンの塩は、炭素数6〜22、好
ましくは8〜18のアルキル基またはアルケニル基を有
するアミンのギ酸,酢酸,塩酸,硫酸,硝酸,リン酸等
の塩である。有機アミンとしては、カプリルアミン,ラ
ウリルアミン,ミリスチルアミン,パルミチルアミン,
ステアリルアミン,オレイルアミン,ヤシ油アルキルア
ミン,牛脂アルキルアミン等の第一アミン類、ジカプリ
ルアミン,ジラウリルアミン,ジミリスチルアミン,ジ
パルミチルアミン,ジステアリルアミン,ジオレイルア
ミン,ジヤシ油アルキルアミン,ジ牛脂アルキルアミン
等の第二アミン類、ステアリルジメチルアミン,オレイ
ルジメチルアミン等の長鎖ジメチルアミン、ジステアリ
ルメチルアミン,ジオレイルメチルアミン等のジ長鎖メ
チルアミン、第一アミンまたは第二アミン類のアルキレ
ンオキシド付加物等の第三アミン類、カプリルエチレン
ジアミン,ラウリルエチレンジアミン,ミリスチルエチ
レンジアミン,パルミチルエチレンジアミン,ステアリ
ルエチレンジアミン,オレイルエチレンジアミン,ヤシ
油アルキルエチレンジアミン,牛脂アルキルエチレンジ
アミン,カプリルプロピレンジアミン,ラウリルプロピ
レンジアミン,ミリスチルプロピレンジアミン,パルミ
チルプロピレンジアミン,ステアリルプロピレンジアミ
ン,オレイルプロピレンジアミン,ヤシ油アルキルプロ
ピレンジアミン,牛脂アルキルプロピレンジアミン等の
ジアミン類があり、これらの一種または二種以上を用い
ることができる。第四アンモニウム塩は、上記の第三ア
ミンを塩化メチル,塩化エチル,塩化ベンジル,臭化メ
チル等のハロゲン化物、モノメチル硫酸,ジメチル硫
酸,モノエチル硫酸,ジエチル硫酸などのアルキル硫酸
で4級化したものである。そのほかに、イミダゾリニウ
ム塩型がある。アンモニウム塩型陽イオン性高分子化合
物は、アミノ基を有する単量体の重合体の塩またはアン
モニウム塩を有する単量体の重合体である。これらの単
量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート,ジアリルジメチルアンモニウムクロリド,2−ア
クロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド,
メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウ
ムクロリド等がある。また、これらの重合体は上記の単
量体と共重合可能なその他の単量体との共重合体でもよ
く、例えば、エチレン,プロピレン,ブチレン等のオレ
フィン、メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)
アクリレート,オクタデシル(メタ)アクリレート,ポ
リオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリレート、ビニル酢酸,ビニルプロピ
オン酸等のビニルエステル、(メタ)アクリルアミド,
アクリロニトリルとの共重合体である。
ン性界面活性剤は、有機アミンの塩,第四アンモニウム
塩あるいはアンモニウム塩型陽イオン性高分子化合物か
ら構成される。有機アミンの塩は、炭素数6〜22、好
ましくは8〜18のアルキル基またはアルケニル基を有
するアミンのギ酸,酢酸,塩酸,硫酸,硝酸,リン酸等
の塩である。有機アミンとしては、カプリルアミン,ラ
ウリルアミン,ミリスチルアミン,パルミチルアミン,
ステアリルアミン,オレイルアミン,ヤシ油アルキルア
ミン,牛脂アルキルアミン等の第一アミン類、ジカプリ
ルアミン,ジラウリルアミン,ジミリスチルアミン,ジ
パルミチルアミン,ジステアリルアミン,ジオレイルア
ミン,ジヤシ油アルキルアミン,ジ牛脂アルキルアミン
等の第二アミン類、ステアリルジメチルアミン,オレイ
ルジメチルアミン等の長鎖ジメチルアミン、ジステアリ
ルメチルアミン,ジオレイルメチルアミン等のジ長鎖メ
チルアミン、第一アミンまたは第二アミン類のアルキレ
ンオキシド付加物等の第三アミン類、カプリルエチレン
ジアミン,ラウリルエチレンジアミン,ミリスチルエチ
レンジアミン,パルミチルエチレンジアミン,ステアリ
ルエチレンジアミン,オレイルエチレンジアミン,ヤシ
油アルキルエチレンジアミン,牛脂アルキルエチレンジ
アミン,カプリルプロピレンジアミン,ラウリルプロピ
レンジアミン,ミリスチルプロピレンジアミン,パルミ
チルプロピレンジアミン,ステアリルプロピレンジアミ
ン,オレイルプロピレンジアミン,ヤシ油アルキルプロ
ピレンジアミン,牛脂アルキルプロピレンジアミン等の
ジアミン類があり、これらの一種または二種以上を用い
ることができる。第四アンモニウム塩は、上記の第三ア
ミンを塩化メチル,塩化エチル,塩化ベンジル,臭化メ
チル等のハロゲン化物、モノメチル硫酸,ジメチル硫
酸,モノエチル硫酸,ジエチル硫酸などのアルキル硫酸
で4級化したものである。そのほかに、イミダゾリニウ
ム塩型がある。アンモニウム塩型陽イオン性高分子化合
物は、アミノ基を有する単量体の重合体の塩またはアン
モニウム塩を有する単量体の重合体である。これらの単
量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート,ジアリルジメチルアンモニウムクロリド,2−ア
クロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド,
メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウ
ムクロリド等がある。また、これらの重合体は上記の単
量体と共重合可能なその他の単量体との共重合体でもよ
く、例えば、エチレン,プロピレン,ブチレン等のオレ
フィン、メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)
アクリレート,オクタデシル(メタ)アクリレート,ポ
リオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリレート、ビニル酢酸,ビニルプロピ
オン酸等のビニルエステル、(メタ)アクリルアミド,
アクリロニトリルとの共重合体である。
【0006】本発明のフライアッシュ硬化発熱抑制剤の
使用量は、用いるアンモニウム塩型陽イオン性界面活性
剤の種類あるいは対象とするフライアッシュの性状によ
り異なり、一義的に定められないが、通常はフライアッ
シュに対して10〜10000ppm、好ましくは50
〜5000ppmである。使用量が少なすぎると硬化発
熱抑制効果が充分でなく、また多すぎても使用量に相当
する効果の向上はなく、経済性が悪い。
使用量は、用いるアンモニウム塩型陽イオン性界面活性
剤の種類あるいは対象とするフライアッシュの性状によ
り異なり、一義的に定められないが、通常はフライアッ
シュに対して10〜10000ppm、好ましくは50
〜5000ppmである。使用量が少なすぎると硬化発
熱抑制効果が充分でなく、また多すぎても使用量に相当
する効果の向上はなく、経済性が悪い。
【0007】本発明のフライアッシュ硬化発熱抑制剤
は、上述のようなアンモニウム塩型陽イオン性界面活性
剤を、水または有機溶剤で希釈した溶液として使用す
る。また、本発明のフライアッシュ硬化発熱抑制剤に
は、その効果を阻害しない範囲において、添加剤、例え
ばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩やアルキル
フェノールのアルキレンオキシド付加物などの浸透促進
剤を加えてもよい。本発明のフライアッシュ硬化発熱抑
制剤を、フライアッシュに添加する方法は、水または有
機溶剤で希釈した溶液を所定の使用量となるようにフラ
イアッシュに添加する。添加方法としては、水または有
機溶剤で希釈した溶液を均一に散布することが望まし
く、例えばフィーダーあるいはコンベアの乗り継ぎシュ
ート部で霧状に散布するのが効果的である。
は、上述のようなアンモニウム塩型陽イオン性界面活性
剤を、水または有機溶剤で希釈した溶液として使用す
る。また、本発明のフライアッシュ硬化発熱抑制剤に
は、その効果を阻害しない範囲において、添加剤、例え
ばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩やアルキル
フェノールのアルキレンオキシド付加物などの浸透促進
剤を加えてもよい。本発明のフライアッシュ硬化発熱抑
制剤を、フライアッシュに添加する方法は、水または有
機溶剤で希釈した溶液を所定の使用量となるようにフラ
イアッシュに添加する。添加方法としては、水または有
機溶剤で希釈した溶液を均一に散布することが望まし
く、例えばフィーダーあるいはコンベアの乗り継ぎシュ
ート部で霧状に散布するのが効果的である。
【0008】本発明の硬化発熱抑制剤を、フライアッシ
ュに添加する時期は、特に限定されず状況に応じて適宜
定めればよいが、粉塵飛散による作業環境の悪化を考慮
すれば、できるかぎりフライアッシュを移送する前に行
うことが望ましい。また、雨水や散水などですでにフラ
イアッシュが硬化する以前に散布することが必要であ
る。なお、本発明の硬化発熱抑制剤の対象となるフライ
アッシュは、いかなるフライアッシュでも良いが、例え
ば、米国,豪州,中国,旧ソ連,インドネシア,南アフ
リカなどの高カルシウム炭の微粉炭ボイラあるいは流動
層ボイラのフライアッシュなどが挙げられる。
ュに添加する時期は、特に限定されず状況に応じて適宜
定めればよいが、粉塵飛散による作業環境の悪化を考慮
すれば、できるかぎりフライアッシュを移送する前に行
うことが望ましい。また、雨水や散水などですでにフラ
イアッシュが硬化する以前に散布することが必要であ
る。なお、本発明の硬化発熱抑制剤の対象となるフライ
アッシュは、いかなるフライアッシュでも良いが、例え
ば、米国,豪州,中国,旧ソ連,インドネシア,南アフ
リカなどの高カルシウム炭の微粉炭ボイラあるいは流動
層ボイラのフライアッシュなどが挙げられる。
【0009】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例によりさら
に詳細に説明する。 実施例および比較例 (1)硬化物の圧縮強度の測定 試料として、豪州炭を流動層ボイラで燃焼した際に生成
したフライアッシュを用いた。石炭を流動層ボイラで燃
焼した場合、脱硫剤としてカルシウムを加えているた
め、本試料には、未燃分中に17.5重量%の酸化カルシ
ウムが含まれている。80℃,12時間,減圧の条件で
乾燥を行い、乾燥フライアッシュを得た。この乾燥フラ
イアッシュ140重量部に、第1表に示す硬化発熱抑制
剤の0.5重量%水溶液60重量部を加え、ニーダーで1
0分間混合した。この混合物300gを内径40mm,
高さ150mmのポリプロピレン製円筒容器に入れ、バ
イブレーターで15分脱泡を行い、密に充填した。この
容器を密封し25℃で10日間放置したあと、硬化した
円筒状の内容物を取り出し、上方と下方を切り取って高
さ80mm,外径40mmの円筒試験体を得た。この試
験体を用いて、(株)島津製作所製,オートグラフAG
−10TAにより高さ方向の圧縮強度の測定を行い、こ
れを硬化強度とした。得られた硬化強度を使用した硬化
発熱抑制剤と共に第1表に示す。第1表において No.1
〜9は本発明のフライアッシュ硬化発熱抑制剤を用いた
実施例であり、 No.10,11は従来の硬化抑制剤を用
いた比較例である。また No.12は水のみを添加した比
較例である。第1表に示されるように、本発明のフライ
アッシュ硬化発熱抑制剤の水溶液を添加したフライアッ
シュ硬化物は、比較例や水のみに比べて硬化強度の低下
が顕著であり、フライアッシュの硬化防止に有効である
ことがわかる。 (2)発熱量の測定 上記(1)と同様の乾燥フライアッシュ1.0gが0.5重
量%濃度のフライアッシュ硬化発熱抑制剤水溶液40.0
ミリリットルにより湿潤した際の発熱量を、(株)レス
カ製,微少熱量計CM−204D2を用いて測定し、こ
れを発熱量とした。得られた発熱量と使用した硬化発熱
抑制剤を第1表に示す。第1表に示すように、本発明の
フライアッシュ硬化発熱抑制剤は比較例や水のみに比べ
て発熱量の低下が顕著であり、フライアッシュの発熱抑
制に有効であることがわかる。
に詳細に説明する。 実施例および比較例 (1)硬化物の圧縮強度の測定 試料として、豪州炭を流動層ボイラで燃焼した際に生成
したフライアッシュを用いた。石炭を流動層ボイラで燃
焼した場合、脱硫剤としてカルシウムを加えているた
め、本試料には、未燃分中に17.5重量%の酸化カルシ
ウムが含まれている。80℃,12時間,減圧の条件で
乾燥を行い、乾燥フライアッシュを得た。この乾燥フラ
イアッシュ140重量部に、第1表に示す硬化発熱抑制
剤の0.5重量%水溶液60重量部を加え、ニーダーで1
0分間混合した。この混合物300gを内径40mm,
高さ150mmのポリプロピレン製円筒容器に入れ、バ
イブレーターで15分脱泡を行い、密に充填した。この
容器を密封し25℃で10日間放置したあと、硬化した
円筒状の内容物を取り出し、上方と下方を切り取って高
さ80mm,外径40mmの円筒試験体を得た。この試
験体を用いて、(株)島津製作所製,オートグラフAG
−10TAにより高さ方向の圧縮強度の測定を行い、こ
れを硬化強度とした。得られた硬化強度を使用した硬化
発熱抑制剤と共に第1表に示す。第1表において No.1
〜9は本発明のフライアッシュ硬化発熱抑制剤を用いた
実施例であり、 No.10,11は従来の硬化抑制剤を用
いた比較例である。また No.12は水のみを添加した比
較例である。第1表に示されるように、本発明のフライ
アッシュ硬化発熱抑制剤の水溶液を添加したフライアッ
シュ硬化物は、比較例や水のみに比べて硬化強度の低下
が顕著であり、フライアッシュの硬化防止に有効である
ことがわかる。 (2)発熱量の測定 上記(1)と同様の乾燥フライアッシュ1.0gが0.5重
量%濃度のフライアッシュ硬化発熱抑制剤水溶液40.0
ミリリットルにより湿潤した際の発熱量を、(株)レス
カ製,微少熱量計CM−204D2を用いて測定し、こ
れを発熱量とした。得られた発熱量と使用した硬化発熱
抑制剤を第1表に示す。第1表に示すように、本発明の
フライアッシュ硬化発熱抑制剤は比較例や水のみに比べ
て発熱量の低下が顕著であり、フライアッシュの発熱抑
制に有効であることがわかる。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】以上の如く、本発明のフライアッシュ硬
化発熱抑制剤を適当に希釈したものを発塵防止のためフ
ライアッシュに散布することにより、従来問題となって
いたフライアッシュの硬化物の強度が低減し、しかも、
その際の発熱も効果的に抑制することができ、移送,運
搬機器のメンテナンスが容易となるとともに、貯蔵後の
フライアッシュの移送におけるハンドリング性を改善す
ることができる。したがって、本発明のフライアッシュ
硬化発熱抑制剤は、実用的価値の高いものとして、その
有効な利用が期待される。
化発熱抑制剤を適当に希釈したものを発塵防止のためフ
ライアッシュに散布することにより、従来問題となって
いたフライアッシュの硬化物の強度が低減し、しかも、
その際の発熱も効果的に抑制することができ、移送,運
搬機器のメンテナンスが容易となるとともに、貯蔵後の
フライアッシュの移送におけるハンドリング性を改善す
ることができる。したがって、本発明のフライアッシュ
硬化発熱抑制剤は、実用的価値の高いものとして、その
有効な利用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹尾 竜哉 千葉県袖ケ浦市中袖3−1 出光興産株式 会社内 (72)発明者 北田 義之 千葉県袖ケ浦市中袖3−1 出光興産株式 会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤
からなるフライアッシュ硬化発熱抑制剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4115938A JPH05309353A (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | フライアッシュ硬化発熱抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4115938A JPH05309353A (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | フライアッシュ硬化発熱抑制剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05309353A true JPH05309353A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=14674901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4115938A Pending JPH05309353A (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | フライアッシュ硬化発熱抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05309353A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6065409A (en) * | 1995-06-30 | 2000-05-23 | Gec Alsthom Stein Industrie | Method of hot scrubbing flue gases, in particular for an incineration plant for household refuse |
-
1992
- 1992-05-08 JP JP4115938A patent/JPH05309353A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6065409A (en) * | 1995-06-30 | 2000-05-23 | Gec Alsthom Stein Industrie | Method of hot scrubbing flue gases, in particular for an incineration plant for household refuse |
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