JPH0530821Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、線材を対向する刃でせん断し自動で
切断する線切断装置に関するものである。

従来の技術 従来、線材を自動で切断する装置においては、
供給される線材を対向する刃でせん断することに
より所定の長さに切断していた。第３図は、従来
の線切断装置の刃で線材が切断される状態を示し
た説明図である。

第３図において、３１は別の手段（図示せず）
により供給される線材で、対向する刃３２ａ，３
２ｂが別の手段、たとえばエアシリンダ（図示せ
ず）の駆動力によりそれぞれＢ，Ｃの方向に動い
て、３４ａ，３４ｂの点で線材３１を挟みせん断
することにより切断していた。

考案が解決しようとする課題 しかし、従来の線切断装置においては線材が毎
回刃の同じ位置で切断されるため、刃の交換寿命
が短い、すなわち、刃の切れ味を一定に保ち製品
である線材の品質を確保するために、頻繁に刃を
交換しなければならなかつた。一方線材の切断の
工程は、他の自動化設備と同様に、省力化と品質
の安定化及び稼働率の向上が高く求められるよう
になり、このため、線切断装置においても刃の寿
命の向上及び交換頻度の低減が求められるように
なつた。

課題を解決するための手段 上記問題を解決するために、本考案は、対向し
て開閉する一対の刃を有し、この一対の刃にはさ
まれる線材を切断する切断ユニツトと、カムフオ
ロアに当接してこれを変位せしめ、従動節及びリ
ンクを介して前記切断ユニツトの、前記一対の刃
の長手方向に沿つた一往復移動を駆動するハート
形カムと、前記ハート形カムと同軸に設けられ、
前記ハート形カムに駆動カムからの駆動力を伝
え、前記ハート形カムの間欠割出し回転を駆動す
るラチエツトギアからなり、前記ハート形カムの
間欠割出し回転が停止中に、前記切断ユニツトに
よる線材の切断を行なうよう構成したものであ
る。

作 用 この技術的手段による作用はつぎのようにな
る。すなわち線材を切断毎に、駆動カム手段が切
断ユニツトを刃の長手方向に移動させ、前記刃の
線切断位置に変えることにより、前記刃の広い部
分にわたつて切断が行われることになり、前記刃
の交換寿命増大が可能となる。

実施例 以下、本考案の一実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。第１図は、本考案の一実施例におけ
る線切断装置の要部側面図、第２図は同線切断装
置の切断ユニツトの正面図である。

第１図において、１は線材であり、本図の右側
から矢印Ａで示す方向に供給される。供給された
線材１は第２図に示す切断ユニツト１４に設けら
れたエアシリンダ２１の駆動によりレバー２２を
介し、かつガイド２０により案内されて互いに逆
方向に移動する１対の刃２ａ，２ｂのせん断によ
り切断される。５は線切断に同期して１回の切断
に対し１回転する駆動カムでカムフオロアー２３
を介してレバー８の揺動運動を駆動する。６は従
動節７の変位量が回転角に比例するよう従動節の
揺動運動を駆動するハート形カムである。駆動カ
ム５は、１回転すると、レバー８、リンク９、レ
バー２４を介してレバー２４の先端に設けられた
爪２５が20等分されたラチエツトギヤ１１を20分
の１回転させるようにカム曲線が設定されてい
る。このラチエツトギヤ１１の20分の１回転によ
りラチエツトギヤ１１と同軸に固定されたハート
形カム６が、切断毎に20分の１回転づつ回転す
る。ハート形カム６の回転時には、駆動カム５と
同軸に設けられた駆動カム２６により、リンク２
７を介して揺動するレバー１０の先端の突起部１
０ａと、ハート形カム６と同軸上に設けられ、円
周20等分位置に歯２８ａを有する歯輪２８との係
合が解除された状態になつており、ハート形カム
６の20分の１回転終了時には、再び突起部１０ａ
と歯輪２８とが係合して、ハート形カム６を回転
方向に規正し、固定する。線材１の切断は、ハー
ト形カム６の停止中に行われ、ハート形カム６が
20分の１回転回転すると、切断ユニツト１４が従
動節７、リンク１２を介して全工程の1/20づつ上
下方向に移動することになり、切断ユニツト１４
の刃２ａ，２ｂは20回切断が行われる毎に切断位
置が刃２ａ，２ｂの上端から下端を経て再び上端
に戻るような上下往復動作を繰り返す。その結
果、線材１の切断は、刃２ａおよひ２ｂの全長の
10か所にわたつて行われることになり、刃２ａ，
２ｂの交換寿命は、従来と同じ材質の刃を用いて
も約10倍に向上することによる。

上記のように、本実施例によれば刃の交換寿命
が大幅に向上するために高価な超硬合金などの材
質の刃を用いてもコストが見合うようになり、実
際には、数百倍の交換寿命の向上が可能である。

なお、ハート形カムの割り出しの数は、本実施
例では20としたが刃幅や、刃と線材の材質などの
諸条件に応じて決定すれば良く自由である。

考案の効果 以上に本考案は、線材を切断する切断ユニツト
を、切断毎に刃の長手方向に移動させることによ
り刃の寿命を大幅に向上することを可能にする。
また刃の寿命が大幅に向上したことにより、刃の
材質を高級なものにしてもコスト的に同等の結果
となり、交換寿命をさらに向上でき、線切断装置
の信頼性を大幅に改善し、刃交換の材料費と人件
費のコストも大きく削減することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における線切断装置
の要部側面図、第２図は同線切断装置の切断ユニ
ツトの正面図、第３図は従来の線切断装置の刃で
線材が切断される状態を示す説明図である。 １……線材、２……刃、５……駆動カム、１４
……切断ユニツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 対向して開閉する一対の刃を有し、この一対
   の刃にはさまれる線材を切断する切断ユニツト
   と、カムフオロアに当接してこれを変位せし
   め、従動節及びリンクを介して前記切断ユニツ
   トの、前記一対の刃の長手方向に沿つた一往復
   移動を駆動するハート形カムと、前記ハート形
   カムと同軸に設けられ、前記ハート形カムに駆
   動カムからの駆動力を伝え、前記ハート形カム
   の間欠割出し回転を駆動するラチエツトギヤと
   からなり、前記ハート形カムの間欠割出し回転
   が停止中に、前記切断ユニツトによる線材の切
   断を行うように構成した線切断装置。 (2) ハート形カムが、その回転角に比例した変位
   を与えるカム曲線を有する実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の線切断装置。