JPH05307149A - 回転偏向素子およびこれを用いた光走査装置 - Google Patents

回転偏向素子およびこれを用いた光走査装置

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JPH05307149A
JPH05307149A JP26827892A JP26827892A JPH05307149A JP H05307149 A JPH05307149 A JP H05307149A JP 26827892 A JP26827892 A JP 26827892A JP 26827892 A JP26827892 A JP 26827892A JP H05307149 A JPH05307149 A JP H05307149A
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JP
Japan
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shaped body
mirror
deflection element
rotary
rotary deflection
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JP26827892A
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English (en)
Inventor
Hisaaki Oseko
久秋 小瀬古
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高速化、コンパクト化、低コスト
化に対応ができる信頼性の高い回転偏向素子を提供する
ことを目的とし、さらに、これを用いたコンパクトで高
性能の光偏向装置を提供することを目的とする。 【構成】 円板状体11Aの軸方向両面のうち少なくとも
一方の面側に凸面又は凹面を形成する1つ以上の曲面部
12を有するとともに、曲面部12が円板状体11Aの所定半
径位置で所定の投光経路と交わるよう円板状体11Aがそ
の中心軸回りに回転可能に支持され、曲面部12により投
光経路からの光ビームを偏向し、かつ、中心軸回りの回
転に伴って該偏向の角度を変化させて、光ビームを走査
する。凸面又は凹面は、円板状体11Aの所定半径位置で
円錐曲線15を有する面であるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転偏向素子およびこ
れを用いた光走査装置、特に、レーザプリンタ、複写
機、ファクシミリ装置等の光走査系に使用される回転偏
向素子およびこれを用いた光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザプリンタ、複写機、ファク
シミリ装置等の光走査系には光源からの光ビームを感光
体上で所定方向に走査する光走査装置が設けられてお
り、この光走査装置には、光ビームを偏向走査する回転
偏向素子としてポリゴンミラーが設けられている。
【0003】この種の回転偏向素子としては、例えば図
58(a)に示すようなものがある。このポリゴンミラー
1は、多角形板の複数の外周面1aを鏡面としたもの
で、通常は素材金属としてアルミニウムを使用し、これ
を切削加工することで生産されている。また、近時のO
A機器のコスト低減および小型化要求に対応して、前記
光走査系にはコンパクト化や軽量化が高度に要求されて
おり、このため、前記光偏向器はより偏平な形状にする
必要があり、全体として年々薄形化している。したがっ
て、そのポリゴンミラーも当然ながら薄肉化、軽量化が
図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
回転偏向素子および光走査装置にあっては、軽量化のた
めに薄形化すると、このポリゴンミラーを高速回転させ
るモータシャットまでも短くなり、回転安定性が悪くな
るという問題があった。すなわち、図58(b)〜(e)
に示すように、光走査方向の走査線の曲がりを防ぐため
には、ホリゴミラー1のがたつき(回転軸4の傾き)を
なくす必要があるが、そのがたつき幅はベアリング5の
軸直角方向のガタがΔL0 である場合、細長型モータ3
では極めて小さな幅L2 であるのに対し、薄型モータ2
では幅L1 とかなり大きくなり、薄型モータ2の回転安
定性は低いものとなる。
【0005】また、モータ回転数一定で走査速度を上げ
て印刷スピードを増すためには、ポリゴンミラー1をよ
り多面にする必要が生じるが、多面化しても、偏向角を
小さくし、更には光走査装置そのものを大きくしてしま
うことになる。逆に、ポリゴンミラー1の鏡面数を変え
ないで印刷スピードを増すためには、モータ回転数を上
げねばならず、モータコストの上昇を招くという問題が
ある。
【0006】一方、この回転偏向素子がプラスチックで
作製できれば、より軽量で低コストのものにできるが、
プラスチック化には下記〜の点で問題がある。 強度面で弱い。 温度、熱により膨脹しやすい、また、吸水膨脹するも
のもある。 高精度な凹部(いわゆるひけ)のない鏡面が得にく
い。
【0007】鏡面が外周にあるため、鏡面部の角度精
度が出しづらい。 成形金型からの取出し時に鏡面が傷つきやすい。 また、強度向上のため、さらには熱膨脹変化による鏡面
変形を防ぐために、ガラス繊維等を充填する方法が(特
開昭60−46504号公報参照)提案されているが、
このように繊維を入れると逆に繊維が鏡面に出てきて高
精度な鏡面が作れなくなってしまうという問題が残る
(特開昭63−15213号公報参照)。このため、プ
ラスチックからなるポリゴンミラー1の中央部に金属7
をインサートして、温度・熱による膨脹をおさえ、強度
を向上させ、さらには樹脂部を肉薄化して凹部等の精度
低下を極力押さえる方法(特公昭61−25131号公
報、特開昭56−110904号公報参照)がとられて
いる。
【0008】しかしながら、金属7をインサートする
と、それが円板状であれば多角板状ポリゴンミラーの樹
脂部が偏肉となり、且つその線膨脹係数に差があること
から、図59(a)(b)に示すようにその鏡面部には回
転および温度変化による変形が生じてしまう。これに対
し、多角形板をインサートして偏肉をなくせば、温度の
影響はほとんどなくせるが、多角形板を支持するモータ
の回転ムラをなくすために高精度が要求され、コストア
ップとなる。しかも、偏肉が生じないようにインサート
する必要があるため、生産性の低下につながるという問
題点もある。
【0009】高精度な鏡面を得るために、従来の射出成
形法では偏肉をなくしてやる必要があり、そのため形状
面で制約を受ける。やはり、高精度なレンズ成形法を適
用する必要があり、コストアップになる。また、鏡面の
角度精度を出すためには、鏡面を内面とする方法(実開
昭62−87311号公報、特開平2−287420号
公報参照)があるが、この方法の場合、均一な金属膜作
製ができず、鏡面作成が面倒でコストアップになるとい
う問題点がある。
【0010】また、取出し時の傷防止のためには、鏡面
部に図59(c)、(d)に示すように、抜きテーパをつ
ける(特開昭61−170719号公報参照)方法が考
えられるが、そうすると走査線が曲がってしまうため、
新たにこの走査線補正をしなければならない。このよう
に従来の回転偏向素子および光走査装置にあっては、薄
形化に伴う問題が多々有り、プラスチック化するにして
も、その金型および金型精度、成形方法、プラスチック
材料等を含め多くの問題があった。このため、光走査装
置のコンパクト化、高速化、低コスト化が困難であっ
た。
【0011】〔目的〕本発明は、このような従来の課題
に鑑みなされたものであり、高速化、コンパクト化、低
コスト化に対応ができ、強度も十分で、モータからの熱
および温度にも左右されない信頼性の高い回転偏向素子
を提供することを目的とし、さらに、この回転偏向素子
を用いたコンパクトで高性能の光偏向装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明に係る回転偏向素子は、円板状体の軸
方向両面のうち少なくとも一方の面側に凸面又は凹面を
形成する1つ以上の曲面部を有するとともに、該曲面部
が前記円板状体の所定半径位置で所定の投光経路と交わ
るよう前記円板状体がその中心軸回りに回転可能に支持
され、前記曲面部により前記投光経路からの光ビームを
偏向し、かつ、前記中心軸回りの回転に伴って該偏向の
角度を変化させることを特徴とするものであり、請求項
2記載の発明は、前記凸面又は凹面が前記円板状体の所
定半径位置で円錐曲線を有する面であることを特徴とす
るものであり、請求項3記載の発明は、前記凸面又は凹
面が前記円板状体の周方向の任意の位置で該円板状体の
中心軸と交わる直線を有する面であることを特徴とする
ものであり、請求項4記載の発明は、前記円錐曲線が楕
円であることを特徴とするものであり、請求項5記載の
発明は、前記円錐曲線が双曲線であることを特徴とする
ものである。
【0013】請求項6記載の発明は、前記円板状体の軸
方向両面のうち他方の面が平面であることを特徴とする
ものであり、請求項7記載の発明は、前記円板状体がア
ルミニウム、アルミニウム合金、銅および銅合金のうち
何れか1つの金属材料で形成された部分を有することを
特徴とするものであり、請求項8記載の発明は、前記円
板状体が高アスペクト比の充填材を1つ以上充填した複
合樹脂材料で形成された部分を有することを特徴とする
ものである。
【0014】請求項9記載の発明は、前記円板状体が軸
中心部にシャフト状又は環状の金属支持部材を一体的に
設けてなることを特徴とするものであり、請求項10記
載の発明は、前記円板状体の外周部に、円板状体の中心
軸部と同軸な外側金属リングを一体的に設けたことを特
徴とするものであり、請求項11記載の発明は、前記円
板状体と一体的に設ける金属支持部材又は外側金属リン
グの樹脂と接する面に、ローレット加工又は溝加工を施
したことを特徴とするものであり、請求項12記載の発
明は、前記円板状体が内周部および外周部のうち少なく
とも一方に環状のリブを有することを特徴とするもので
ある。
【0015】また、請求項13記載の発明に係る回転偏
向素子は、前記曲面部が前記円板状体内に設けられた凸
レンズ又は凹レンズによって形成されていることを特徴
とするものであり、請求項14記載の発明は、前記円板
状体および前記曲面部が同一の透明樹脂材料からなるこ
とを特徴とするものであり、請求項15記載の発明は、
前記透明樹脂材料が非晶質材料であることを特徴とする
ものである。
【0016】請求項16記載の発明は、前記凸レンズ又
は凹レンズと前記円板状体との界面が光散乱面又は黒色
の光吸収面であることを特徴とするものであり、請求項
17記載の発明は、前記凸レンズ又は凹レンズのレンズ
面に、前記光ビームが散乱、吸収又は反射される領域を
設けたことを特徴とするものである。また、請求項18
記載の発明に係る光走査装置は、請求項13記載の回転
偏向素子と、該回転偏向素子の軸中心部を該軸方向に長
い回転軸を介して回転可能に保持するモータと、前記回
転偏向素子の曲面部の円錐曲線が前記投光経路に対し対
称となるようにレーザビームを前記回転偏向素子に投射
するレーザ投射器と、を備え、前記曲面部を形成する凸
レンズ又は凹レンズによりレーザビームを走査すること
を特徴とするものである。
【0017】請求項19記載の発明に係る回転偏向素子
は、前記曲面部が鏡面を構成することを特徴とするもの
であり、請求項20記載の発明は、前記円板状体の軸方
向両面のうち他方の面が、前記円板状体の中心軸を含む
任意の断面において該中心軸に対し対称な外形線を有す
ることを特徴とするものであり、また、請求項21記載
の発明は、前記円板状体を、樹脂、熱伝導性部材を含有
する熱伝導樹脂および強度強化性部材を含有する強化樹
脂の何れかから少なくとも1つ以上の樹脂部材を用いて
成形するとともに、前記曲面部に金属膜からなる前記鏡
面を形成し、該鏡面上を保護膜により覆ったことを特徴
とするものであり、請求項22記載の発明は、前記樹脂
が非晶質材料およびその複合材料のうち何れか1つであ
ることを特徴とするものであり、請求項23記載の発明
は、前記樹脂が液晶ポリマーおよびその複合材料のうち
何れか1つであることを特徴とするものであり、請求項
24記載の発明は、前記円板状体の前記鏡面と反対側の
面に、円板状の金属板を一体的に設けたことを特徴とす
るものであり、請求項25記載の発明は、前記円板状体
が前記鏡面と反対側の面に前記鏡面形状に対応する曲面
を有し、周方向各部の肉厚の変化を少なくしたことを特
徴としする。
【0018】また、請求項26記載の発明は、前記円板
状体が周方向に隣り合う複数の前記曲面部を有し、これ
ら曲面部間に設けた連結部に溝および平坦面のうち何れ
かを形成したことを特徴とするものであり、請求項27
記載の発明は、前記円板状体が前記鏡面と反対の面側に
リブを有することを特徴とするものであり、請求項28
記載の発明は、前記リブを前記複数の曲面部間の境界線
に対向する位置に設けたことを特徴とするものであり、
請求項29記載の発明は、前記鏡面が前記連結部におい
て互いに離間していることを特徴とするものである。
【0019】請求項30記載の発明は、前記円板状体が
その外周部および内周部のうち少なくとも一方に面取り
部を有することを特徴とするものであり、請求項31記
載の発明は、前記面取り部が前記光ビームを偏向する前
記曲面部の所定領域の外に形成されたことを特徴とする
ものであり、請求項32記載の発明は、前記光ビームを
偏向する前記曲面部の所定領域にのみ前記鏡面を形成し
たことを特徴とするものである。
【0020】また、請求項33記載の発明に係る光走査
装置は、請求項19記載の回転偏向素子と、該回転偏向
素子の軸中心部を該軸方向に長い回転軸を介して回転可
能に保持するモータと、前記回転偏向素子の曲面部の円
錐曲線が前記投光経路に対し対称となるようにレーザビ
ームを前記回転偏向素子に投射するレーザ投射器と、を
備え、前記曲面部の鏡面によりレーザビームを反射する
とともに放射走査することを特徴とするものである。
【0021】請求項34記載の発明に係る回転偏向素子
は、透明樹脂からなる前記円板状体の軸方向両面のうち
少なくとも一方の面側に前記曲面部を1つ以上形成する
とともに、前記円板状体の軸方向両面のうち他方の面側
に前記円板状体がレンズ機能を有するよう前記曲面部に
対応した曲面又は平面を形成し、該他方の面上に鏡面を
形成して、前記光ビームを前記曲面部側から前記円板状
体内に入射して前記鏡面により反射し、再び円板状体内
を通し曲面部から偏向方向に放射することを特徴とする
ものであり、請求項35記載の発明は、前記曲面部が凸
面を形成するとともに、前記下面が該凸面に対応する凹
面を有し、該凸面および凹面がともに前記円板状体の所
定半径位置で同一半径の円弧である円錐曲線を有し、両
円錐曲線の中心が前記円板状体の円周方向および軸方向
に互いにずれていることを特徴とするものであり、請求
項36記載の発明は、前記曲面部が凸面を形成するとと
もに、前記下面が該凸面に対応する凹面を有し、該凸面
および凹面がともに前記円板状体の所定半径位置で同一
中心点の円弧である円錐曲線を有し、前記凸面の円錐曲
線の半径に対して前記凹面の円錐曲線の半径が小さいこ
とを特徴とするものであり、請求項37記載の発明は、
前記曲面部が凸面を形成するとともに、前記下面が該凸
面に対応する凹面を有し、前記円板状体の所定半径位置
における該凸面の円錐曲線が楕円、双曲線又は放物線の
何れかで、前記円板状体の所定半径位置における該凹面
の円錐曲線が円であることを特徴とするものであり、請
求項38記載の発明は、前記曲面部が凸面を形成すると
ともに、前記下面が該凸面に対応する凹面を有し、前記
円板状体の所定半径位置における該凸面および該凹面の
円錐曲線の両者がともに楕円、双曲線又は放物線である
ことを特徴とするものであり、請求項39記載の発明
は、前記曲面部が凹面を形成するとともに、前記下面が
平面であり、前記円板状体の所定半径位置における該凹
面の円錐曲線が楕円、双曲線又は放物線の何れかである
ことを特徴とするものである。
【0022】請求項40記載の発明は、前記円板状体の
平面に形成された前記下面に円板状の金属板を固着した
ことを特徴とするものであり、請求項41記載の発明
は、前記円板状体の平面に形成された前記下面に、鏡面
を有する円板状のガラス、金属、樹脂およびフィルムの
うち何れか1つを、該鏡面側を前記下面側に向けて密着
させたことを特徴とするものであり、請求項42記載の
発明は、前記円板状体の曲面部側の外周部および内周部
の少なくとも一方に、面取り部を有することを特徴とす
るものであり、請求項43記載の発明は、前記面取り部
が前記光ビームを入射する前記曲面部の所定入射領域の
外に形成されたことを特徴とするものであり、請求項4
4記載の発明は、前記円板状体が周方向に隣り合う複数
の前記曲面部を有し、これら曲面部間に設けた連結部に
溝、リブおよび平坦面のうち何れかを形成したことを特
徴とするものである。
【0023】請求項45記載の発明は、前記円板状体が
周方向に隣り合う複数の前記曲面部を有し、これら曲面
部間の境界線に対向する部位において前記鏡面が互いに
離間していることを特徴とするものであり、請求項46
記載の発明は、前記曲面部上に反射防止膜を形成し、前
記下面を覆う保護膜を形成したことを特徴とするもので
あり、請求項47記載の発明は、前記光ビームを偏向す
る所定領域にのみ前記鏡面を形成したことを特徴とする
ものである。
【0024】さらに、請求項48記載の発明に係る光走
査装置は、請求項34記載の回転偏向素子と、該回転偏
向素子の軸中心部を支持し、軸方向に長い回転軸を回転
可能に保持するモータと、前記回転偏向素子の曲面部の
円錐曲線が前記投光経路に対し対称となるように前記回
転偏向素子に光ビームを投射可能な光投射器と、を備
え、回転する前記回転偏向素子の曲面部に入射した光ビ
ームを下面上の鏡面で反射し、前記曲面部より放射走査
することを特徴とするものであり、請求項49記載の発
明は、前記レーザビームが前記回転偏向素子の中心軸に
平行な方向から前記回転偏向素子に入射するようにした
ことを特徴とするものである。
【0025】なお、ここで高アスペクト比の充填材と
は、ガラス繊維、カーボン繊維、ウイスカーのような繊
維、雲母、タルク、ガラス板等をいう。また、熱伝導性
部材とは、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、
炭化硅素、銅(Cu)等熱伝導性の良い粉末をいう。さ
らに、強度強化性部材とは、ガラス繊維、カーボン繊
維、無機充填剤、カーボン等強化部材をいう。
【0026】非晶質材料とは、ポリスチレン(PS)、
アクリルニトリルスチレン(AS)、アクリルニトリル
ブタジエンスチレン(ABS)、ポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、アモル
ファスポリオレフィン(APO)、ポリフェニレンオキ
サイド(PPO)、ポリエーテルサルフォン(PE
S)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルイミド
(PEI)等である。
【0027】また、液晶ポリマーとは、いわゆる液晶構
造を有するもので、LCP(リキッド、クリスタルポリ
マー)と呼ばれ、ポリエステル系樹脂の他にポリウレタ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂がある。また、複合材料と
は、ガラス繊維、カーボン繊維、炭化ケイ素、カーボ
ン、金属繊維等を含有した樹脂材である。
【0028】
【作用】請求項1記載の発明では、所定の投光経路から
の光ビームが円板状体の軸方向端面に形成された曲面部
によって偏向され、円板状体の回転に伴う該偏向角度の
変化により走査される。したがって、その曲面部は回転
に対する強度が十分で、温度やモータからの熱による形
状変化も小さいものとなる。また、走査角がミラー面数
に依存しないことから、走査角を維持したまま多面化が
可能になり、しかも、円板状であるため、回転抵抗が小
さくなる。この結果、光走査装置の高速化、コンパクト
化、低コスト化に容易に対応可能となり、信頼性も向上
する。
【0029】請求項2記載の発明では、曲面部に形成さ
れる凸面又は凹面が前記円板状体の所定半径位置で周方
向に延びる円錐曲線を有する面であることから、走査速
度を任意に設定することができ、前記円錐曲線を適宜選
択することにより例えば走査角速度を一定にしたり、レ
ンズにfθ特性を持たせて走査面となる感光体上での走
査速度を一定にしたりすることができる。なお、光ビー
ムを副走査方向に絞り込んだりする場合には周方向の所
定位置で半径方向に延びる2次曲線を有する面とする。
【0030】請求項3記載の発明では、前記曲面部によ
り形成される凸面又は凹面が円周方向の任意の位置で中
心軸線と交わる直線を有することから、走査線曲がりが
防止されるとともに、この直線を2次曲線にするような
場合(光ビームを副走査方向に絞り込んだりする場合)
に比べ、加工が容易になる。請求項4記載の発明では、
前記円錐曲線が楕円であることから、入射されたレーザ
ビームの主走査方向の走査角が一定にできる。
【0031】請求項5記載の発明では、前記円錐曲線が
双曲線であることから、感光体面上での主走査方向の走
査速度を一定にできる。すなわち、fθ機能を持たせる
ことができる。請求項6記載の発明では、円板状体の軸
方向両面のうち他方の面が平面であるから、回転抵抗が
減少するとともに、加工が容易になる。
【0032】請求項7記載の発明では、円板状体にアル
ミニウム、アルミニウム合金、銅および銅合金のうち何
れか1つの金属材料を使用することで、その加工が容易
にできる。請求項8記載の発明では、円板状体に高アス
ペクト比の充填材を1つ以上充填した複合樹脂材料を使
用することで、円板状体が回転や熱による形状変化の少
ないものになり、しかも、その成形が射出成形法等によ
り低コストでできる。
【0033】請求項9記載の発明では、円板状体の軸中
心部にシャフト状又は環状の金属支持部材を一体的に設
けることで、円板状体とその支持部材との同軸度および
直角度が向上するとともに、取付け時等における支持部
の変形を防止できる。請求項10記載の発明では、円板
状体の外周部に外側金属リングを一体的に設けること
で、回転時のバランス保持が容易となり、回転時または
熱による半径方向の膨脹変化が抑制される。
【0034】請求項11記載の発明では、円板状体と一
体的に成形される金属支持部材や外側金属リングの樹脂
と接する面に、所定形状の溝が形成されるから、この面
と樹脂部との結合部位における回転方向および中心方向
へのずれが抑制され、密着性および結合強度が高まる。
請求項12記載の発明では、円板状体が内周部および外
周部のうち少なくとも一方に環状のリブを有するから、
円板状体の補強と回転バランスの確保が容易になる。
【0035】請求項13記載の発明では、前記曲面部が
前記円板状体内に設けられた凸レンズ又は凹レンズによ
って形成されているから、強度が十分で温度やモータか
らの熱による形状変化も小さく、走査角を維持したまま
多面化が可能な、回転抵抗の小さい回転偏向レンズが実
現できる。請求項14記載の発明では、円板状体および
曲面部を同一の透明樹脂材料から形成することで、両者
を一体にした回転偏向レンズが低コストで得られ、しか
も、その回転偏向レンズは強度が十分で、温度やモータ
からの熱による形状変化も小さく、走査角を維持したま
ま多面化が可能な、回転抵抗の小さいものとなる。
【0036】請求項15記載の発明では、前記透明樹脂
材料が非晶質材料であるから、面精度に優れ、内部応力
の少ない高精度な回転偏向レンズが得られる。請求項1
6記載の発明では、凸レンズ又は凹レンズと円板状体と
の界面が光散乱面又は黒色の光吸収面であることから、
レンズ内を透過する光ビームが前記界面を通って感光体
に到達しないようにすることができる。
【0037】請求項17記載の発明では、凸レンズ又は
凹レンズのレンズ面に、光ビームが散乱、吸収又は反射
される領域を設けたことで、レンズ面の光ビーム入射側
又は出射側に非走査域を設けて、不要な光を透過させな
い(感光体を感光させない)ようにすることができる。
請求項18記載の発明では、請求項13記載の回転偏向
素子(回転偏向レンズ)と、該素子を駆動するモータ
と、該素子の曲面部の円錐曲線が投光経路に対し対称と
なるようにレーザビームを投射するレーザ投射器とを備
え、曲面部を形成する凸レンズ又は凹レンズによりレー
ザビームを走査することから、レーザビームの投射方向
に対してモータの回転軸が平行な状態、すなわちモータ
が横置きの状態となり、モータの回転軸を長くすること
で、回転振れが防止され、所要のモータ精度が確保でき
るとともに、装置全体のコンパクト化も容易になる。
【0038】請求項19記載の発明では、曲面部が鏡面
を構成することから、強度が十分で温度やモータからの
熱による形状変化も小さく、走査角を維持したまま多面
化が可能な、回転抵抗の小さい回転偏向ミラーが実現で
きる。請求項20記載の発明では、円板状体の軸方向両
面のうち他方の面が、前記円板状体の中心軸を含む任意
の断面において該中心軸に対し対称な外形線を有するこ
とから、形状が簡単で、回転時の空気抵抗が小さくな
る。
【0039】請求項21記載の発明では、円板状体の曲
面が、樹脂、熱伝導性樹脂又は強化樹脂のいずれかで形
成され、金属膜および保護膜で覆われるから、複雑な形
状であっても成形加工が容易で、しかも、曲面部が円板
状体の一方の面にあるので、金型作成および金型からの
取出しが容易で、傷つき難く、熱膨張の変化が起こり難
い。
【0040】請求項22記載の発明では、円板状体を形
成する樹脂が非晶質材料およびこの複合材料の1つであ
るので、高精度のレンズ成形方法である射出圧縮成形お
よびゲートシール成形等が適用できる。請求項23記載
の発明では、円板状体を形成する樹脂が液晶ポリマー又
はその複合材料の何れかであるから、成形品の反りや凹
部ができ難く、また、温度変化や回転力による形状変化
が少ない。
【0041】請求項24記載の発明では、円板状体が鏡
面と反対側の面に円形金属板を一体的に有するので、回
転力や熱による半径方向の膨張および中心軸方向の膨脹
が抑制される。請求項25記載の発明では、円板状体の
一面側の鏡面と反対面側の曲面とが対応する形状に形成
され、肉厚の変化が少なくされるから、円板状体にそ
り、へこみ等が発生し難い。
【0042】請求項26記載の発明では、円板状体の連
結部に溝または平坦部を形成しているから、金型の位置
精度がとり易く、金型作製が容易となる。請求項27記
載の発明では、円板状体が鏡面と反対側の面にリブを有
することから、円板状体が補強され、回転時の変形や経
時変化が少なくなる。請求項28記載の発明では、円板
状体が曲面部同士の間に対応する位置に前記リブを有す
ることから、円周方向の形状変化が少なく、全体の形状
変形も抑制される。
【0043】請求項29記載の発明では、円板状体の連
結部に鏡面が形成されないので、光ビームは連結部から
円板状体内を透過または散乱し、吸収されて、光ビーム
の反射が生じない。請求項30記載の発明では、円板状
体の外周部又は/及び内周部に面取り部が設けられるか
ら、回転時の空気抵抗が小さくなり、金型からの離型性
も向上しその取り出しが容易化される。
【0044】請求項31記載の発明では、曲面の光ビー
ムの非走査域に面取りが形成されるので、光ビームの異
常反射がなくなる。請求項32記載の発明では、曲面部
のうち光ビームを偏向する所定領域(走査域)にのみに
鏡面が形成され、非走査域には鏡面がないから、非走査
域に投射した光ビームが透過または散乱、吸収され、異
常反射がなくなる。
【0045】請求項33記載の発明では、円板状体の一
方の面側に鏡面を形成した回転偏向素子(ミラー)と、
該素子の中心軸を駆動するモータと、中心軸方向にレー
ザビームを投射するレーザ投射器を備えているから、レ
ーザビームの投射方向に対してモータの回転軸が平行な
状態、すなわちモータが横置きの状態となり、モータの
回転軸を長くすることで、回転振れが防止され、所要の
モータ精度が確保できるとともに、装置全体のコンパク
ト化も容易になる。
【0046】請求項34記載の発明では、円板状体の他
方の面側に一面側の曲面部に対応した曲面又は平面が形
成されて該円板状体がレンズ機能を有するようになり、
該他方の面上に鏡面が形成されることで、光ビームを曲
面部側から円板状体内に入射し鏡面により反射して再び
曲面部から放射する回転偏向レンズミラーが実現でき
る。そして、この回転偏向レンズミラーは、円板形状の
ため回転抵抗が小さく、レンズ面と鏡面とを円板状体の
板面部に形成するため熱膨張等による形状変化が少な
く、走査角がミラー面数に依存しないため走査角を維持
したまま多面化ができ、しかも、材料に樹脂を用いるの
で複雑形状でも作製が容易となる。
【0047】請求項35記載の発明では、円板状体の両
面側で凸面と凹面が互いに対応する形状で、かつ、それ
らの面の所定半径位置における(円周方向の)円錐曲線
が互いに中心のずれた同一半径の円となっていることか
ら、形状が簡単で、しかも、反射した光ビームの主走査
方向の角速度が一定となる回転偏向レンズミラーが得ら
れる。
【0048】請求項36記載の発明では、円板状体の両
面側で凸面と凹面が互いに対応する形状で、かつ、それ
らの面の所定半径位置における(円周方向の)円錐曲線
が同一中心を中心とする半径の異なる円となるので、形
状が簡単であり、しかも、反射した光ビームは主走査方
向の角速度が一定となる。請求項37記載の発明では、
円板状体の曲面部が所定の円錐曲線で、他面の円錐曲線
が円となるので、反射した光ビームの感光体上における
主走査方向の走査速度が一定な、すなわちfθ特性を有
する回転偏向レンズミラーとなる。
【0049】請求項38記載の発明では、円板状体の曲
面部および下面の円錐曲線がともに楕円、ともに双曲
線、またはともに放物線となるので、反射した光ビーム
の感光体上における主走査方向の走査速度が一定な、す
なわちfθ特性を有する回転偏向レンズミラーとなる。
請求項39記載の発明では、円板状体の曲面部が円錐曲
線を有する凹面を形成し、下面が平面となるので、反射
した光ビームの感光体上における主走査方向の走査速度
が一定な、すなわちfθ特性を有する回転偏向レンズミ
ラーとなる。
【0050】請求項40記載の発明では、円板状体の曲
面部と反対の面側に円板状の金属板が一体的に設けられ
るので、回転や熱による半径方向および中心軸方向の膨
脹変形が抑制され、形状変化による曲面部の変形が抑制
される。請求項41記載の発明では、鏡面を有する円板
状部材を、その鏡面を円板状体の他面に密着させるの
で、金属膜の蒸着等は不要で、容易に回転偏向レンズミ
ラーが作製できる。
【0051】請求項42記載の発明では、円板状体の曲
面部側の外周部又は/及び内周部に面取り部が設けられ
ているので、回転時の空気抵抗が小さくなり、しかも離
型性が向上し、成形金型からの取出しが容易化される。
請求項43記載の発明では、曲面部における所定入射領
域の外(非走査域)に面取り部が形成されるので、面取
り部に入射した光ビームは円錐曲線から離れて屈折し、
反射せず、光ビームの異常反射がなくなる。
【0052】請求項44記載の発明では、円板状体が連
結部に溝、リブ又は平坦面を形成しているので、金型の
位置精度がとり易く、金型作成が容易となる。また、リ
ブを形成すると、円板状体が補強され、回転時の変形や
経時変化が少なくなる。請求項45記載の発明では、円
板状体の曲面部間の境界線に対応する下面の一定範囲に
鏡面が形成されないので、曲面部間の境界線の近傍から
円板状体内に入射した光ビームは下面の前記一定範囲を
透過し反射されることがない。
【0053】請求項46記載の発明では、円板状体の曲
面部上に反射防止膜が形成されているので、表面におい
て光ビームの散乱は起き難く、円板状体内への透過性が
向上し、また、下面の鏡面上に保護膜が形成されている
ので、鏡面は傷つき難く、劣化し難い。請求項47記載
の発明では、曲面部のうち光ビームを偏向する所定領域
(非走査域)にのみ鏡面が設けられているので、非走査
域の鏡面に入射した光ビームは、反射され散乱され、円
板状体内に入射しない。このため異常反射がなくなる。
【0054】請求項48記載の発明では、円板状体の一
面側に曲面部を有し他面側に鏡面を有する回転偏向素子
(回転偏向レンズミラー)と、該レンズミラーの中心軸
を駆動するモータと、回転偏向レンズミラーの曲面部の
円錐曲線上に光ビームを投射する光投射器とを備えてい
るので、モータの回転軸方向が光ビームの投射方向とほ
ぼ同じ方向の横置き状態となり、モータの回転軸を長く
しつつ装置をコンパクト化することができるとともに、
モータ精度も高まる。また、光投射器が、円錐曲線が軸
対称になるよう光ビームを投射するので、走査角は軸中
心の両側に取ることができ、走査角が大きくなる。した
がって、同じ走査角の場合、回転偏向レンズミラーをよ
り多面にすることができる。
【0055】請求項49記載の発明では、光投射器が光
ビームを回転偏向素子(回転偏向レンズミラー)の中心
軸に平行な方向から投射するので、ハーフミラーを用い
ることにより光ビームの投射系および走査系の各配置が
簡単になる。
【0056】
【実施例】以下、本発明に係る回転偏向素子の実施例を
図面に基づいて説明する。なお、本発明の回転偏向素子
はその曲面部を鏡面とするかレンズ面とするかでレン
ズ、ミラー又はこれらの複合体として構成できるため、
実施例の説明においては、まず、回転偏向素子を回転偏
向ミラーとしたものを説明し、次に回転偏向素子を回転
偏向レンズとしたものを説明し、最後にこれらの複合体
である回転偏向レンズミラーにしたものを説明する。 <回転偏向素子を回転偏向ミラーとした実施例>図1〜
図18は本発明に係る回転偏向素子を回転偏向ミラーとし
た場合の第1〜第23実施例並びにその場合の光走査装置
の第1、第2実施例を示す図である。
【0057】回転偏向ミラーの第1実施例 図1(a)において、11は請求項1,2,4および19
に係る回転偏向ミラーであり、回転偏向ミラー11は円板
状体11Aの軸方向両面のうち一方の上面11a側に外方に
対して突出した6個の凸面12aを形成した曲面部12(曲
面部)を有し、曲面部12は円周方向に6個に等分割した
各分割部13に形成されている。各分割部13の曲面部12は
所定半径位置で円周方向に延びる2次曲線すなわち円錐
曲線15を有し、半径方向には直線16を有する曲面を形成
している。すなわち、図1(c)(d)に示す1つの分
割部13の曲面部12は、円周方向の断面A−Aの曲面部12
上の円錐曲線15は図1(e)に示すように円錐曲線すな
わち、円、楕円、双曲線または放物線の1つであり、こ
の場合には楕円の一部を形成している。また、曲面部12
上の半径方向の直線16は、円板状体11Aの中心軸線Oに
ある一定の角度α(図1(g))で交わる軸O方向に互
いに平行な直線である。このことは、曲面部12は中心軸
をふくむ半径方向断面の曲面上の直線は中心軸線Oに一
定の角度αを維持するともいえる。
【0058】また、曲面部12上には、鏡面18が円板状体
11Aの部材に応じた加工法により形成されている。この
ように構成された回転偏向ミラー11は中心軸線Oをモー
タの回転軸に固定され、曲面部12と交差する所定投光経
路からのレーザビーム19(光ビーム)を鏡面18により反
射偏向しながら回転することで、その偏向角度を変化さ
せ、レーザビーム19を走査するようになっている。
【0059】ここに、曲面部12は半径方向は必ずしも直
線である必要はなく、半径方向にも凹上の円弧としてレ
ーザビームを絞ったりしてもよいが、形状が複雑になり
加工そのものが困難となるので、切削加工精度を考えて
あえて直線に限定したものである。また、本実施例で
は、曲面部12上の半径方向の直線16は、円板状板11Aの
中心軸線Oに一定角度αで交わる互いに平行な直線とし
たが、中心軸線Oに交わりその中心軸線O上の一点に収
束する直線であってもよい(図1(h)参照)。
【0060】次に、作用について説明すると、回転偏向
ミラー11は円板形状であるので、回転時の空気抵抗が多
角形状より小さく、高速化に有利であり、また鏡面が上
面11aの平面部に形成されているので、熱等による膨張
時の形状変化が小さい。さらに、走査角が鏡面18の曲率
で大きくとれ、鏡面18の面数に依存しないため、走査角
を維持したまま多面化ができ、コンパクト化ができ、か
つ高速化ができる。
【0061】なお、この第1実施例においては、回転偏
向ミラー11の曲面部12は円板状体11Aの上面で外方に対
して突出した凸面の場合について説明したが、本発明は
この実施例に限らず、図2に示すように、曲面部12は円
板状体11Aの上面11aで外方に対して凹んだ凹面12bで
あってもよい。以下の各実施例においては先に説明した
実施例と同一又はそれに相当する構成には同一符合を付
し、重複説明となる説明は省略する。
【0062】回転偏向ミラーの第2実施例 図3に示す回転偏向ミラー21は、請求項1,2,3およ
び19に係るもので、円周方向に円錐曲線15を有する曲
面部12がその円周方向の任意の位置で円板状体11Aの中
心軸線Oと直交する(交わる)直線16A(図3(e))
を有する2次曲面となっているものである。
【0063】この回転偏向ミラー21では、曲面部12の円
錐曲線15が中心軸線Oに直交する直線16Aを有するの
で、レーザビーム19を中心軸線Oと平行な方向から入射
させると、感光面での走査線の曲がりが生じないため、
特に、走査線曲がりを補正する必要がない。また、レー
ザビーム19は、回転偏向ミラー21により走査する場合、
回転偏向ミラー21の中心軸線Oと平行な方向から入射で
きるため、レーザビーム19、ミラー、モータ、fθレン
ズ、トロイダルレンズ等の配置が容易となる。また、回
転偏向ミラー21は形状的に加工し易い。
【0064】回転偏向ミラーの第3実施例 図4(a)に示す回転偏向ミラー31は、請求項1,6,
19および20に係るもので、上下面11a、11bのうち
鏡面18でない他方の下面11bを回転軸対称面である平面
33としたものである。この形状は円板状体11Aの中心軸
線Oを含む任意の断面において軸対称な外形線形状を有
するものであれば特に制約されない。
【0065】図4(b)では、下面11bを円錐面34とし
ており、紡錘面であってもよい。この回転偏向ミラー31
を図4(c)(d)に示すように、下面11bを基準面と
してモータシャフト35に組付ける場合は平面33がよい
し、また、円板形状の中心軸線Oを基準にモータシャフ
トに組付ける場合は円錐面34がよい。この円錐面34は、
図4(b)より小さい径で示している。
【0066】回転偏向ミラー31では、下面11bの形状が
平面33または円錐面34のように簡単でかつ、回転軸に対
して対称な面であるので、回転時の空気抵抗が少なく、
回転の安定性がよくなる。回転偏向ミラーの第4実施例 図5(a)〜(d)に示す回転偏向ミラー41は、請求項
1,2,4,5および19に係るもので、円錐曲線15が
それぞれ、楕円15A、双曲線15B、円15C、放物線15D
の場合であり、レーザビーム19の鏡面18での反射の状態
を走査線19Aをずらして示している。
【0067】図5(a)に示す楕円15Aを有する回転偏
向ミラー41では、その形状を選べば、その中心(対称
軸)O´付近においても、それからずれても走査角度θ
が一定(θ1 =θ2 =θ3 =θ4 =θ5 )となる。すな
わち角速度およびビーム径一定の従来のポリゴンミラー
方式と同様な光走査系を構成することができる。また、
図5(b)に示す双曲線15Bを有する回転偏向ミラー41
(第5実施例)では、放射線同様のその中心(対称軸)
O´からずれるに従い角速度が小となり、主走査方向の
ビーム径も小さくなる。しかし、図に示すように感熱体
面上の走査速度を一定(l1 =l2 =l3 =l4 )にす
ることが可能である。すなわち、主走査方向に対しては
この回転偏向ミラーにfθ特性をもたせることができ
る。
【0068】図5(c)に示す円15Cでは、反射ビーム
の角速度θ1 〜θ4 が円中心O´からずれるに従い大と
なり(θ1 <θ2 <θ3 <θ4 )、また一定幅を有する
ビームは円中心に比べ端部になるほど広がってしまう。
すなわち、走査角速度も一定にならず、主走査方向のビ
ーム径も場所により変わってしまい、これらの補正をし
ないと実使用に供しえないものである。
【0069】また、図5(d)に示す放物線15Dでは、
円とは逆に放物線の中心(対称軸)O´からずれるに従
い角速度が小となり、主走査方向ビーム径も同じく小さ
くなって、円と同様に補正をしないと実使用に供しえな
い。θ1 >θ4 であるから、若干のfθ特性を有するメ
リットはあるが、完全に感熱体面上でのビームの走査速
度を一定にできない。
【0070】回転偏向ミラーの第5実施例 図6に示す回転偏向ミラー61は、請求項1,7および1
9に係るもので、円板状体11Aがアルミニウムからなる
ものである。円板状体11Aの曲面部12には鏡面加工によ
り鏡面18が形成され、鏡面18上に鏡面18の保護のため酸
化圭素等を用いて保護膜63を形成している。円板状体11
Aはアルミニウムの代わりに、アルミニウム合金、銅お
よび銅合金等、切削加工および鏡面加工の容易な金属材
料を用いたものであってもよい。
【0071】回転偏向ミラーの第6実施例 図7(a)(b)に示す回転偏向ミラー71は、請求項
1,19および21に係るもので、円板状体11Aが樹
脂、熱伝導性部材を含有する熱伝導樹脂又は強度強化性
部材を含有する強化樹脂の何れかから少なくとも1つ以
上の樹脂からなる場合のものである。
【0072】この実施例では、例えば樹脂としてポリメ
チルメタクリレート(PMMA)樹脂72を用いて射出成
形法により成形した。そして、フッ化マグネシウム(M
gF 2)等で前処理後、この曲面部12上に、金属膜73を
蒸着またはメッキ等により鏡面18を形成し、さらに、鏡
面18上に酸化ケイ素等の保護膜74により覆った場合であ
る。また、熱伝導性部材としては炭化圭素、金属アルミ
ニウム、亜鉛、銅、ステンレス系の粉末または繊維があ
る。また強度強化性部材としては、ガラス繊維、カーボ
ン繊維、無機充填剤、カーボン等がある。
【0073】この回転偏向ミラー71では、円板状体11A
が、材料として樹脂72を用いているので、従来のポリゴ
ンミラーに比べて複雑な形状でも、成形転写により安価
に作ることができるし、軽量化ができる。また、従来の
ポリゴンミラーとちがい鏡面18が円板状体11Aの上下面
12a、12bのどちらかのため、金型75での鏡面部の組付
けが容易となり、型からの取り出しの際に、図7(b)
(c)に示すように、取出し方向Aに対し、鏡面18が最
初に金型から離れ、鏡面18に傷がつく心配がない。さら
に、蒸着によって 膜を作製する場合も鏡面18が平面状
であるため、従来のタイプより容易となり低コスト化が
できる。
【0074】回転偏向ミラーの第7実施例 第7実施例の回転偏向ミラー81は、請求項1,19およ
び22に係るもので、図7(a)に示す形状の円板状体
11Aに、樹脂として非晶質材料、あるいは、これと熱伝
導性部材または強度強化性部材との複合材料のいずれか
を用いたものである。
【0075】非晶質材料としては、ポリスチレン(P
S)、アクリルニトリルスチレン(AS)、アクリルニ
トリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリメチルメタ
クリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、
アモルファスポリオレフィン(APO)、ポリフェリレ
ンオキサイド(PPO)、ポリエーテルサルフォン(P
ES)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルイミ
ド(PEI)等がある。
【0076】この回転偏向ミラー81では、円板状体11A
が非晶質材料およびこれらの複合材料であるので、高精
度なレンズ成形法である射出圧縮成形法、ゲートシール
成形法等が利用でき、高精度なミラーを安価に得ること
ができる。回転偏向ミラーの第8実施例 第8実施例の回転偏向ミラー91は、請求項1,19およ
び23に係るもので、図7(a)に示す形状の円板状体
11Aに、樹脂として液晶ポリマー又はその複合材料のい
ずれか1つを用いたものである。液晶ポリマーとして
は、いわゆるリキッドクリスタルポリマー(LCP)で
あるポリエステル系樹脂がある。また、このLCPにガ
ラス繊維、カーボン繊維、炭化ケイ素、カーボン、金属
繊維等の強度強化材料を混合した複合材料でもよい。
【0077】回転偏向ミラー91では、円板状体11Aが液
晶ポリマーまたは、その複合材料であるので、形状変化
は小さくなり、そりや凹み(いわゆるひけ)は小さくな
り、温度、回転力による形状変化を小さくでき、高精度
高信頼性の回転偏向ミラー91を得ることができる。回転偏向ミラーの第9実施例 図8(a)に示す回転偏向ミラー101は、請求項1,9
および19に係るもので、その円板状体11Aは、軸中心
部に軸方向同軸にモータのシャフト102(シャフト状の
金属支持部材)をインサート成形、圧入または接着によ
り一体的に成形したものとなっている。なお、図8
(a)には、金属膜73および保護膜74は図示していな
い。
【0078】この回転偏向ミラー101では円板状体11A
とシャフト102とを一体成形するので、円板状体11Aと
シャフト102との同軸度および直角度を向上する。ま
た、シャフト102は圧入または接着により一体成形して
もよいが、シャフト102を樹脂内に挿入硬化し、インサ
ート成形により一体成形するものが工程を短縮し、低コ
ストで、回転時の振れが小さく、ミラーの面倒れを防止
した高精度の偏向ミラーモータを作製できる。
【0079】回転偏向ミラーの第10実施例 図8(b)に示す回転偏向ミラー111は、請求項1,9
および19に係るもので、円板状体11Aの軸中心部に同
軸にアルミニウムまたは真鍮等からなる内側金属リング
113(環状の金属支持部材)を配置し、インサート成
形、圧入または接着により一体的に成形したものであ
る。なお、図8(b)には、金属膜73および保護膜74を
図示していない。
【0080】この回転偏向ミラー111では、円板状体11
Aと同軸に内側金属リング113を一体成形しているの
で、モータシャフトに圧入しても、その圧入によって鏡
面18が変形するのを防止できる。また、円板状体11Aの
中心軸方向からモータの回転軸に固定する場合にも、そ
の固定力により鏡面18が変形するのを防止でき、モータ
組付工程が安定し、高精度の回転偏向ミラーモータを得
ることができる。また、インサート成形するものは、前
述の圧入、接着より更に製造工程の短縮と精度向上がで
きる。
【0081】回転偏向ミラーの第11実施例 図8(c)に示す回転偏向ミラー121は、請求項1,1
0および19に係るもので、円板状体11Aの外周部に同
軸に外側金属リング123を配置し、前述同様に一体的に
成形したものである。なお、図8(c)には、金属膜73
および保護膜74は図示していない。
【0082】この回転偏向ミラー121では、円板状体11
Aの外周部に同軸に金属リング123が一体成形されてい
るので、円板状体11Aの回転モーメントが大きくなり、
回転時のバランスが良好になるとともに、回転および熱
による半径方向の膨張による鏡面18の変形を防止でき、
高精度で耐環境性に優れた回転偏向ミラーを得ることが
できる。インサート成形が好ましいのは前述の通りであ
る。
【0083】回転偏向ミラーの第12実施例 図8(d)に示す回転偏向ミラー131は、請求項1,1
9および24に係るもので、円板状体11Aの鏡面18と反
対側の面、すなわち下面11bに円板状の金属板133を一
体的に成形し固着したものである。この回転偏向ミラー
131では、円板状体11Aの下面11bに金属板133が同軸に
かつ一体成形されているので、回転偏向ミラー131の回
転軸および熱による半径方向および円周方向の膨張が抑
制され、鏡面18の変形が防止でき、高精度で耐環境性に
優れた回転偏向ミラー131を得ることができる。
【0084】回転偏向ミラーの第13実施例 図8(e)に示す回転偏向ミラー141は、請求項1,1
9および25に係るもので、円板状体11Aの鏡面18と反
対側の下面11bの面に鏡面18を形成する曲面部12と対応
する曲面部12Aを形成し、円板状体11Aの厚さ方向の肉
厚の変化を少なくしたものである。なお、図8(e)に
は、金属膜73および保護膜74は図示していない。
【0085】この回転偏向ミラー141では、円板状体11
Aの下面11bに曲面部12と対応する曲面部12Aを形成し
ているので、金型内の樹脂の流れが滑らかになり、熱伝
達も均一になり、円板状体11Aのそりや凹みを低減で
き、さらに高精度な回転偏向ミラー141を得ることがで
きる。回転偏向ミラーの第14実施例 図9(a)に示す回転偏向ミラー151は、請求項1.1
9および26に係るもので、隣り合う曲面部12の間に半
径方向に長い連結部12cを設け、連結部12cに平坦面15
3を形成したものである。ここで、平坦面153はレーザビ
ーム19が反射しても感光体の感光面に悪影響がないよう
に形成されている。なお、図9(a)には、金属膜73お
よび保護膜74は図示していない。
【0086】図9(a)に示す回転偏向ミラー151で
は、曲面部12の連結部12cに平坦面153が形成されてい
るので、回転偏向ミラー151を樹脂により成形する金型
の組付け時において、その鏡面入駒154は、図9(b)
に示すように、合せ部154aが平面155となり、図9
(c)に示すようなエッヂEがないため、位置精度が大
幅に向上でき、かつ各入駒の加工が容易となる。
【0087】回転偏向ミラーの第15実施例 図9(d)に示す回転偏向ミラー151は、請求項1,1
9および26に係るもので、その複数の曲面部12が凹面
12bを形成するものである。複数の凹面12bの間の連結
部12cに沿って溝156を形成してもよい。この回転偏向
ミラー151では第14実施例と同様な効果が得られる。
【0088】回転偏向ミラーの第16実施例 図10に示す回転偏向ミラー161は、請求項1,19およ
び27に係るもので、鏡面を形成する円板状体11Aの上
面と反対側の下面11bに下方に突出したリブ163を配置
したものである。このリブ163は円板状体11Aの複数の
曲面部12の間の半径方向に延びる境界線12dに対向する
位置で、半径方向に延在するよう形成されている。
【0089】この回転偏向ミラー161では、円板状体11
Aの下面11b側にリブ163が形成されているので、円板
状体11Aはリブ163によって補強され、回転偏向ミラー1
61が高速回転又は熱により変形したり経時変化したりす
るのが抑制され、信頼性が向上する。また、リブ163を
曲面部12間の半径方向の境界線12dに対向する位置に半
径方向に向けて形成することで、円板状体11Aを半径方
向および円周方向に補強し、上記の変形および経時変化
をさらに効果的に抑制し、信頼性をさらに向上できる。
【0090】回転偏向ミラーの第17実施例 図11(a)に示す回転偏向ミラー171は、請求項1,1
9および29に係るもので、円板状体11Aの上面11aの
曲面部12間に連結部12cである半径方向に組長い平坦面
153を有している。また、金属膜73からなる鏡面18が連
結部12cにおいて互いに離間するよう、平坦面153には
金属膜73を形成せず、曲面部12のみに鏡面18が形成され
ている。そして、その金属膜73上には、保護膜74が形成
されている。
【0091】この回転偏向ミラー171では、平坦面153に
鏡面18が形成されていないので、レーザビーム19が平坦
面153に投射されても散乱が生じ、反射が起こらず、感
光体面に平坦面153からの異常書込みが発生するのを防
止できる。回転偏向ミラーの第18実施例 図11(b)に示す回転偏向ミラー181は、請求項1,
9,11および19に係るもので、円板状体11Aと一体
的に成形されるシャフト183が円板状体11Aの樹脂72と
接触する部分に、溝加工であるいわゆるDカット183aを
形成したものである。なお、図11(b)には、金属膜73
および保護膜74は図示していない。
【0092】この回転偏向ミラー181では、シャフト183
のうち円板状体11Aの樹脂72と接触する部分にDカット
183aが形成されているので、シャフト183と円板状体11
Aの樹脂72との密着性および結合強度が向上し、熱およ
び回転力による円板状体11Aの回転方向および軸方向の
ずれが防止され、信頼性が向上する。回転偏向ミラーの第19実施例 図11(c)に示す回転偏向ミラー191は、請求項1,
9,11および19に係るもので、円板状体11Aと一体
的に成形する内側金属リング113が円板状体11Aの樹脂7
2と接触する部分に、ローレット加工によりたきざみ目1
93を形成したものである。なお、図11(c)には金属膜
73および保護膜74は図示していない。
【0093】この場合も前述の第18実施例と同様に内側
金属リング113と円板状体11Aの樹脂72との密着性が向
上し、熱および回転力により円板状体11Aの円周方向お
よび半径方向のずれが防止でき、信頼性が向上できる。回転偏向ミラーの第20実施例 図12に示す回転偏向ミラー201は、請求項1,12およ
び19に係るもので、円板状体11Aが外周部および内周
部にそれぞれ環状のリブ203および204を設けたものであ
る。なお、図12には、金属膜73および保護膜74は図示し
ていない。
【0094】この回転偏向ミラー201では円板状体11A
の外周部および内周部にリブ203および204を設けている
ので、回転のモーメントが増え、回転のバランスが良く
なり、かつ、変形に強いものを得ることができ、高精度
で高信頼性の回転偏向ミラー201を得ることができる。回転偏向ミラーの第21実施例 図13に示す回転偏向ミラー211は、請求項1,12,1
9および20に係るもので、円板状体11Aの外周部に環
状のリブ203を設けるとともに、その円板状体11Aの曲
面部12とリブ203との間および曲面部12の内周側にそれ
ぞれ平面状の外面取り213(面取り部)および内面取り2
14(面取り部)を設けたものである。ここで、面取り
は、前述のように平面状に代って、図13(d)(e)に
示すように凸曲面状の面取りでもよいし、凹曲面状の面
取りであってもよい。なお、図13には、金属膜73および
保護膜74は図示していない。
【0095】この回転偏向ミラー211では、円板状体11
Aの外周部にリブ203を設けているので、回転のモーメ
ントが増え、回転バランスが良くなり、かつ変形に強い
ものを得ることができ、高精度で高信頼性の回転偏向ミ
ラー211を得ることができる。また、円板状体11Aの外
周部および内周部に外面取り213、内面取り214を設けて
いるので、回転時の空気抵抗が小さく安定した回転がで
き、消費電力が低減できるとともに、成形金型からの取
出しが容易になり、かつ、取出し時の変形が防止でき
る。
【0096】回転偏向ミラーの第22実施例 図14に示す回転偏向ミラー221は、請求項1,19およ
び31に係るもので、その円板状体11Aの曲面部12がレ
ーザビーム19を偏向走査する走査域223(所定領域)
と、レーザビーム19を走査しない非走査域224(所定領
域の外)とを有している。そして、非走査域224に、面
取り225が形成されている。また、走査域223および非走
査域224の曲面部12上には金属膜73による鏡面18が形成
され、金属膜73上に保護膜74が形成されている。
【0097】この回転偏向ミラー221では、曲面部12の
非走査域224には面取り225が形成されているので、非走
査域224に投射されたレーザビーム19の走査線19Aは面
取り225で感光体面外に反射され、非走査域224から感光
体面上への異常反射が防止でき、感光体面への異常な書
込みを防止することができる。回転偏向ミラーの第23実施例 図15に示す回転偏向ミラー231は、請求項1,19およ
び32に係るもので、円板状体11Aの曲面部12がレーザ
ビーム19を投射する曲面部12の円周方向において、レー
ザビーム19を偏向走査する所定の走査域233(所定領
域:図には交差線にて示している)と、レーザビーム19
を偏向走査しない非走査域234とを有し、走査域233のみ
に金属膜73および保護膜74を形成し、非走査域234には
金属膜73からなる鏡面18を形成しないものである。
【0098】この回転偏向ミラー231では、非走査域234
に鏡面18が形成されてないので、非走査域234の曲面部1
2に投射されたレーザビーム19は樹脂72内に入射し、吸
収したり、走査域外に散乱する。このため、異常反射が
防止でき、感光体面への異常な書込みを防止することが
できる。回転偏向ミラーを用いた光走査装置の第1実施例 図16に示す光走査装置241は、請求項33に係るもの
で、曲面部12上の半径方向の直線16が中心軸に直交する
曲面部12を有する回転偏向ミラー11と、回転偏向ミラー
11の軸中心部を同軸に支持し、長い軸長を有する棒状の
シャフト243と、シャフト243を横置きにし回転可能に保
持するモータ244と、を有している。回転偏向ミラー11
の上面11aで曲面部12の円錐曲線15上の鏡面18に投射
し、円錐曲線15が軸対称となるように投射する投射方向
Pには、レーザビーム19を発生するレーザ投射器である
半導体レーザ245が設けられている。投射方向Pは回転
偏向ミラー11の中心軸方向Qと平行ではない。半導体レ
ーザ245と回転偏向ミラー11との間には半導体レーザ245
から投射されたレーザビーム19を集光する集光レンズ24
6、シリンダレンズ247が適当な位置に設けられている。
また、回転偏向ミラー11で反射された走査線19Aの走査
方向にはその走査領域における中心線(以下、走査中心
線という)方向に、fθレンズ248、トロイダルレンズ2
49、シリンダ状感光体250が設けられている。走査中心
線とレーザビーム19の投射方向Pとは回転偏向ミラー11
の図16(b)、図16(c)の角度θに対応する一定の角
度をなしている。
【0099】この光走査装置241では、モータ244として
細長いものを用いシャフト243の軸長が長くできるの
で、モータの回転精度を維持でき、回転時の振れの小さ
いコンパクトなモータ244とすることができ、かつ、モ
ータ244を横置きにできるので、光学系全体がコンパク
トにできる。なお、回転偏向ミラー11が凸面の曲面部12
を有するものとして説明したが、回転偏向ミラー11の曲
面部12は図16の(c)に示すように凹面状の曲面部12b
を有する回転偏向ミラー11であってもよい。また、この
実施例においては、回転偏向ミラー11は曲面部12が曲面
部12上の半径方向の直線16が中心軸線Oに直交する曲面
部12を有する場合(図3)について説明したが、任意の
角度αを有する場合(図1(g)(h))であってもよい。
この場合、回転偏向ミラー11に投射する半導体レーザ24
5またはfθレンズ等の走査線側部品は、図17に示すよ
うに、回転偏向ミラー11の中心軸線Oと平行な方向に設
けることができる。
【0100】回転偏向ミラーを用いた光走査装置の第2
実施例 図18に示す光走査装置251は、請求項33および49に
係るもので、回転偏向ミラー11の曲面部12上の直線16が
中心軸線Oに直交する曲面部12を有し、且つ、半導体レ
ーザ245は回転偏向ミラー11の中心軸線Oと平行な方向
から入射する位置に配置したものであり、走査線19Aが
半導体レーザ245側に戻らないように、ハーフミラー253
およびミラー254を用いている。
【0101】この光走査装置251では、回転偏向ミラー1
1が曲面部12上の直線16が中心軸線Oに直交する曲面部1
2を有し、且つ曲面部12を構成する円錐曲線の中心軸が
回転偏向ミラー11の中心軸線Oと平行であるので、第1
実施例の光走査装置241における作用効果の外に、回転
偏向ミラー11の成形金型は作製が容易となり、高精度で
かつ低コスト化ができる。また、光走査装置251はハー
フミラー253を用い走査線19Aを投射方向Pから平行な
方向に離しているので、走査角が大きくとれ、走査系が
コンパクト化できる。また、曲面部12の走査域233を一
定にして、曲面数を円周方向に増すことにより、多面に
できるので、モータ244を高回転数にしないで高速で安
価なものができる。また、モータの回転数が一定の場
合、曲面数の増加により、走査速度がアップでき、印刷
速度を向上できる。なお、回転偏向ミラー11が凸面の曲
面部12を有するものとして説明したが、図18(c)に示
すような凹面の曲面部12を有する回転偏向ミラー11であ
ってもよい。 <回転偏向素子を回転偏向レンズとした実施例>図19〜
図32は本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズとし
た場合の第1〜第10実施例並びにその場合の光走査装置
の一実施例を示す図である。
【0102】回転偏向レンズの第1実施例 図19に示す回転偏向レンズ301は、請求項1,7,8お
よび13に係るもので、円板状体301Aと、この円板状
体301Aの軸方向両面のうち少なくとも一方の面側に凸
状レンズ面302(曲面部)を形成する複数(1つ以上)
のレンズ部303とを有し、複数のレンズ部303によってレ
ーザビームの偏向走査を行なうようになっている。ここ
で、複数のレンズ303は円板状体301Aの所定半径位置に
等角度間隔に埋設され、円板状体301Aにより互いの位
置関係を保って保持されている。
【0103】この回転偏向レンズ301は、レンズ部303が
円板状体301Aの前記所定半径位置で図示しない所定の
レーザービーム投光経路と交わるように、円板状体301
をその中心軸回りに回転可能に支持されるものであり、
レンズ部303により前記投光経路からのレーザビームを
偏向し、かつ、中心軸回りの回転に伴ってその偏向の角
度を変化させることでレーザビームを所定方向に走査す
ることができる。具体的には、図20に示すように、円板
状体301Aの回転により回転移動するレンズ部303にその
回転軌道と直交する投光経路からレーザビームを投射す
ると、このビームは、レンズ部303が凸レンズであれ
ば、同図中におけるレンズ部303の〜への回転移動
に対し走査角θだけの走査角度で移動し、逆にレンズ部
303が凹レンズであれば、投射されたレーザビームは図2
1におけるレンズ部303の〜への回転移動に対し逆方
向に走査角θだけの走査角度で移動する。
【0104】また、円板状体301Aは、そのレンズ部303
以外の部分をアルミニウム、アルミニウム合金、銅およ
び銅合金のうち何れか1つの金属材料で形成されたもの
にすることができ、あるいは、その部分を高アスペクト
比の充填材を1つ以上充填した複合樹脂材料で形成する
こともできる。ここで高アスペクト比の充填材とは、ガ
ラス繊維、カーボン繊維、ウイスカーのような繊維、雲
母、タルク、ガラス板等をいう。円板状体301Aにアル
ミニウム、アルミニウム合金、銅および銅合金のうち何
れか1つの金属材料を使用する場合には、円板状体301
Aの加工を容易にすることができる。また、高アスペク
ト比の充填材を1つ以上充填した複合樹脂材料を使用す
る場合には、円板状体が回転や熱による形状変化の少な
いものになり、しかも、その成形が射出成形法等により
低コストで実現できる。
【0105】本実施例では、前記投光経路からの光ビー
ムが円板状体301Aの軸方向端面に形成されたレンズ曲3
02によって偏向され、円板状体301Aの回転に伴うその
偏向角度の変化によりこのビームが走査される。したが
って、そのレンズ部303は回転に対する強度が十分で、
温度やモータからの熱による形状変化も小さいものとな
る。また、走査角がミラー面数に依存しないことから、
走査角を変化させることなく多面化を図ることが可能に
なる。しかも、回転偏向レンズ301が全体として円板状
であるため、その回転抵抗が小さくなる。この結果、光
走査装置の高速化、コンパクト化、低コスト化に容易に
対応可能となり、信頼性も向上する。
【0106】回転偏向レンズの第2実施例 図22および図23に示す回転偏向レンズ311は、請求項
1,2および13に係るもので、円板状体301Aの軸方
向両面のうち少なくとも一方の面側に凸レンズ面312を
形成する複数のレンズ部313(曲面部)を有し、複数の
レンズ部313によってレーザビームの偏向を行なうよう
になっている。ここで、複数のレンズ部313は円板状体3
01Aの所定半径位置に等角度間隔に配置され、円板状体
301Aにより保持されている。
【0107】この回転偏向レンズ311の凸レンズ面312
は、図23(b)に示すように、形成範囲の任意の半径値
で周方向に延びる円錐曲線を有するとともに、図23
(c)に示すように、形成範囲の周方向任意の位置でも
半径方向に延びる凸状の円錐曲線を有するものであり、
入射したレーザビームを絞り込むことができるようにな
っている。
【0108】本実施例においても、回転に対する強度が
十分で、温度やモータからの熱による形状変化も小さい
ものとなり、走査角を変化させることなく多面化を図る
ことが可能になり、回転偏向レンズ311の回転抵抗が小
さくなる。したがって、第1実施例と同様に、光走査装
置の高速化、コンパクト化、低コスト化に容易に対応可
能となり、信頼性も向上する。
【0109】なお、本実施例では、前記レンズ面312の
円錐曲線形状により走査角や走査速度が左右されるた
め、この形状の設計と加工を厳密に行なう必要がある
が、走査速度の場所による違いは電気的な制御によって
補正できるので、円錐形状を特定する必要はなく、この
円錐曲線形状を概ね、楕円、円、放物線、双曲線の少な
くとも1つを組み合せた形状として走査角速度を一定に
し、従来のポリゴンミラー(回転多面鏡)と同様な走査
を実行させたり、レンズにfθ特性を持たせて感光体上
での走査速度を一定にしたりすることができる。
【0110】回転偏向レンズの第3実施例 図24に示す回転偏向レンズ321は、請求項1,2および
13に係るもので、円板状体301Aの軸方向両面のうち
少なくとも一方の面側に凹レンズ面322を形成する複数
のレンズ部323(曲面部)を有し、複数のレンズ部323に
よってレーザビームの偏向を行なうようになっている。
ここで、複数のレンズ部323は円板状体301Aの所定半径
位置に等角度間隔に配置され、円板状体301Aにより保
持されている。
【0111】この回転偏向レンズ321の凹レンズ面322
は、第2実施例同様に、形成範囲の任意の半径値で周方
向に延びる円錐曲線を有するとともに、形成範囲の周方
向任意の位置でも半径方向に延びる凸状の円錐曲線を有
するものであり、入射したレーザビームの絞り込みをゆ
るめることができる。本実施例においても上述の第2実
施例の回転偏向レンズと同様な効果を得ることができ
る。
【0112】回転偏向レンズの第4実施例 図25は図23(c)と同様に周方向所定位置での半径方向
断面を示す図である。この図に示す回転偏向レンズ331
は、請求項1,2,3および13に係るもので、円板状
体301Aの軸方向両面のうち少なくとも一方の面側にお
いて凸レンズ面332を形成する複数のレンズ部333(曲面
部)を有し、複数のレンズ部333によってレーザビーム
の偏向を行なうようになっている。ここで、複数のレン
ズ部333は円板状体301Aの所定半径位置に等角度間隔に
配置され、円板状体301Aにより保持されている。
【0113】この回転偏向レンズ331の凸レンズ面332
は、形成範囲の任意の半径値で周方向に延びる円錐曲線
を有するが、第2、第3実施例とは異なり、形成範囲の
周方向任意の位置で円板状体301Aの中心軸線Oと直交
する直線を有するものである。本実施例においては、上
述の第2、第3実施例の回転偏向レンズと同様な効果が
得られることに加えて、加工の容易化を図ることが可能
である。すなわち、第2、第3実施例の回転偏向レンズ
では、半径方向および周方向に円錐曲線(2次曲線)を
有し、レーザビームの副走査方向への曲りがなく、しか
もビーム径変化もほとんど無い非球面レンズを加工する
必要がある。このような加工は容易ではない。これに対
し、本実施例のようなレンズ形状を採ることで、副走査
方向へのビームの絞り込み等はできないものの、形状加
工が格段に容易で、しかもレーザビームの副走査方向へ
曲りやビーム径変化がない回転偏向レンズとなる。
【0114】回転偏向レンズの第5実施例 図26に示す回転偏向レンズ341は、請求項1,4,1
3,14および15に係るもので、円板状体301Aの軸
方向両面のうち一方の面側において凸レンズ面342を形
成し他方の面側で平面(図示していない)を形成する複
数のレンズ部343(曲面部)を設けて、そのレンズ形状
を単純化したものであり、複数のレンズ部343によって
レーザビームの偏向走査を行なう。ここで、複数のレン
ズ部343は円板状体301Aの所定半径位置に等角度間隔に
配置されるとともに円板状体301Aと一体に非晶質の透
明樹脂材料(例えばポリカーボネート(PC)、ポリスチ
レン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポ
リサルフォン(PSF)、アモルファスポリオレフィン
(APO)等)から成形されている。
【0115】本実施例の回転偏向レンズ341では、上述
例の回転偏向レンズと同様な効果が得られることに加え
て、この湾曲したレンズ面342を一面側にだけ形成する
ことにより、金型の加工工数を減らし、成形時の両面
(例えば射出成形時の可動金型および固定金型)の心合
わせに対する要求レベルを緩めることができ、加工コス
トを大幅に低減させることができる。また、片面が平面
となるから、回転時の空気抵抗が減少し、高速化が容易
になる。さらに、円板状体301Aおよびレンズ部343を同
一の透明樹脂材料から形成しているので、両者を一体に
した回転偏向レンズ341が低コストで得られ、しかも、
その透明樹脂材料が非晶質材料であるから、面精度に優
れ、内部応力の少ない高精度な回転偏向レンズとなる。
なお、片面のみに凸レンズ面(又は凹レンズ面)を形成
することから、その突出高さ(又は凹みの深さ)を大き
くする必要がある。したがって、周方向断面において円
錐曲線を形成するようなレンズ形状が加工上好ましい。
【0116】回転偏向レンズの第6実施例 図27(a)にその断面を示す回転偏向レンズ351は、請
求項1,9,11および13に係るもので、円板状体30
1Aの軸中心部に、所謂Dカット354aを形成した金属シ
ャフト354(シャフト状の金属支持部材)をインサート
成形等により一体的に設けてなる。そのレンズ部353の
形状自体は図26に示したレンズ部343と略同様である。
シャフト354の素材は、例えばステンレス鋼である。
【0117】本実施例では、円板状体301Aの軸中心部
に金属シャフト354を一体的に設けることで、円板状体3
01Aとその支持部材であるシャフト354との同軸度およ
び直角度を向上させることができ、取付け時等における
シャフト354の変形を防止することができる。回転偏向レンズの第7実施例 図27(b)にその断面を示す回転偏向レンズ361は、請
求項1,9および13に係るもので、樹脂よりなる円板
状体301Aの軸中心部に貫通孔364aを有する金属リング
364(環状の金属支持部材)をインサート成形等により
一体的に設けてなる。そのレンズ部363の形状自体は図2
6に示したレンズ部343と略同様である。金属リング364
は、例えばアルミニウム又は真鍮からなり、その外周部
には適当な形状と深さのローレット加工又は溝加工が施
されている。
【0118】本実施例では、円板状体301Aの軸中心部
に金属リング364を一体的に設けることで、第6実施例
と同様な効果が得られる。また、円板状体301Aと一体
的に成形される金属リング364の樹脂と接する外周面
に、所定形状のローレット溝等が形成されるから、この
外周面と樹脂部との結合部位における回転方向および中
心方向へのずれが抑制され、両者の密着性と結合強度を
高めることができる。
【0119】回転偏向レンズの第8実施例 図28に示す回転偏向レンズ371は、請求項1,12,1
3および14に係るもので、円板状体301Aの一面側の
内周部および外周部に環状のリブ374、375を形成したも
のであり、そのレンズ部373の形状自体は図25に示した
ものと略同様である。また、これら円板状体301A、レ
ンズ部373および環状のリブ374、375は透明樹脂材料か
ら一体成形されている。
【0120】本実施例では、環状のリブ374、375を円板
状体301Aの内外周部に設けることで、円板状体301Aを
補強することができ、更にリブ374、375の何れ又は両方
を適宜後加工して、きわめて良好な回転バランスを確保
することができる。回転偏向レンズの第9実施例 図29は図23(b)と同様に所定半径位置での周方向断面
をとった図である。
【0121】この図に示す回転偏向レンズ381は、請求
項1,13および16に係るもので、その円板状体301
Aの所定半径位置に周方向投間隔に配置された複数の凸
レンズ部383(図中には1つのみ図示している)とこれ
らを保持する円板状体301Aとの間の界面384、385を、
光散乱面又は黒色の光吸収面としたものであり、その他
の構成については図25に示したものと同一である。な
お、レンズ部393は凸レンズでなく凹レンズであっても
よい。
【0122】本実施例では、レンズ内を透過する走査上
必要のないレーザビームが前記界面384、385に当って散
乱又は吸収されることで、走査面である感光体の感光面
に到達しないようにすることができる。回転偏向レンズの第10実施例 図30は図29と同様に所定半径位置での周方向断面をとっ
た図である。
【0123】この図に示す回転偏向レンズ391は、請求
項1,13および17に係るもので、円板状体301Aの
所定位置に配置された複数の凸レンズ部393(図中には
1つのみ図示している)のうちその凸レンズ面392の外
周部付近(円板状体301Aに及んでもよい)に、光散乱
面又は黒色の光吸収面394、395を設け、その領域を非走
査領域としたものである。なお、光散乱面又は黒色の光
吸収面394、395が連続する環状の面であってもよいが、
レーザビームの投光経路と交わる部分を十分に取り囲ん
でいればよい。その他の構成は図25に示したものと同一
である。また、レンズ部393は凸レンズでなく凹レンズ
であってもよい。
【0124】本実施例では、レンズ部393のレンズ面392
に光ビームが散乱、吸収又は反射される領域を設けるこ
とで、レンズ面392の光ビーム入射側又は出射側に非走
査域を設けて、走査に不要な光を透過させない、すなわ
ち感光体を感光させないようにすることができる。回転偏向レンズを用いた光走査装置の一実施例 図31、図32に示す光走査装置401は、請求項18および
19に係るもので、第1〜第10実施例の何れかの回転偏
向レンズ、例えば第7実施例の回転偏向レンズ361と、
回転偏向レンズ361の軸中心部をその軸方向に長いシャ
フト403(回転軸)と、このシャフト403を横置きにしシ
ャフト403を介して回転偏向レンズ361を回転可能に保持
するモータ404と、回転偏向レンズ361の所定半径位置に
レーザビームを投射する半導体レーザ405(レーザ投射
器)と、を備えている。また、半導体レーザ405と回転
偏向ミラー11との間には半導体レーザ405から投射され
たレーザビーム419を集光する集光レンズ406とシリンダ
レンズ407とが適当な位置に設けられている。また、回
転偏向レンズ361で偏向された走査線419Aの走査方向に
は、fθレンズ408、トロイダルレンズ409、シリンダ状
感光体450が設けられている。さらに、回転偏向レンズ3
61によるレーザビーム419の走査中心線と半導体レーザ4
05による投射方向とは、回転偏向レンズ361の所定回転
位置におけるレンズ部343(曲面部)の円錐曲線がその
投光経路に対し対称となるような関係に設定されてお
り、本実施例の場合、両者が平行になっている。
【0125】この光走査装置401では、モータ404として
細長いものを用いシャフト403の軸長が長くできるの
で、モータの回転精度を維持でき、回転時の振れの小さ
いコンパクトなモータ404とすることができ、かつ、モ
ータ404を横置きにできるので、光学系全体がコンパク
トにできる。また、レンズ部363の数を円周方向に増す
ことにより多面にできるので、モータ404を高回転数に
しないで高速で安価なものにできる。さらに、モータ40
4の回転数が一定の場合、曲面数の増加により走査速度
を高めることができ、印刷速度を向上させることができ
る。なお、この実施例では、凸レンズ面362を有する回
転偏向レンズ361を用いて説明したが、他の回転偏向レ
ンズ、例えば曲面部が凹面状の回転偏向レンズであって
もよいことはいうまでもない。 <回転偏向素子を回転偏向レンズミラーとした実施例>
図33〜図57は本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レン
ズミラーとした場合の第1〜第24実施例並びにその場合
の光走査装置の第1〜第3実施例を示す図である。
【0126】回転偏向レンズミラーの第1実施例 まず、構成について説明すると、図33(a)〜(c)に
おいて、411は請求項1,2,13,14および34に
係る回転偏向レンズミラーであり、回転偏向レンズミラ
ー411は透明な樹脂、例えばポリメチルメタクリレート
(PMMA)樹脂からなる円板状体411Aと、円板状体4
11Aの円周方向に6個に等分割された分割部413とを有
している。各分割部413には、上部411aで外方に向かっ
て凸面を形成し所定半径位置で円周方向に延びる円錐曲
線415を有する2次曲面からなる上曲面416(曲面部)
と、上曲面416に板状体411Aの下面411bに対応し凹曲
面を形成する下面417と、下面417上に形成された鏡面41
8と、が設けられている。円板状体411Aは通常の射出成
形法により成形され、鏡面418は金属膜を蒸着又はメッ
キして形成されており、鏡面418上は保護膜18Aに覆わ
れている。ここに、下面417は透明な円板状体411Aがレ
ンズ機能を有するように上曲面416に対応して形成され
ている。
【0127】上曲面416上の円周方向の円錐曲線415は、
図33(b)に1つの分割部413の断面を示すように、上
曲面416の円錐曲線415は、円、楕円、双曲線または放物
線の何れか1つである。また、下面417は上曲面416に対
応し、円錐曲線415と同様な円錐曲線すなわち円、楕
円、双曲線または放物線でもよいし、円板状体411Aの
中心軸Oに垂直な平面であってもよい。
【0128】また、上曲面416上の半径方向の直線420
は、円板状体411Aの中心軸線Oにある一定の傾角度α
(図33(c)参照)で交わる互いに平行な平面上の直線
である。このことは、中心軸線Oを含む半径方向断面の
上曲面416上の直線420は中心軸線Oに一定の傾角度αを
保持するともいえる。下面417上の半径方向の直線も前
記直線420と同様である。
【0129】このように構成された回転偏向レンズミラ
ー411は中心軸線Oをモータの回転軸に固定して回転
し、上曲面416にレーザビーム419を投射すると、レーザ
ビーム419は上曲面416側から円板状体411A内に入射
し、下面417上の鏡面418で反射されて偏向され、再び円
板状体411A内を通し上曲面416から走査線419Aとして
放射される。
【0130】ここに、上曲面416および下面417は半径方
向に必ずしも直線である必要はなく、半径方向にも凹状
の円弧としてレーザビームを絞ったりしてもよいが、形
状が複雑になり加工そのものが困難となるので、この実
施例では切削加工精度を考えてあえて直線に限定したも
のである。次に、その作用について説明すると、回転偏
向レンズミラー411は円板形状であるので、回転時の空
気抵抗が多角形状より小さく、高速化に有利である。ま
た、上曲面416が円板状体411Aの板面上に形成されてい
るので、熱等による膨張時の形状変化が小さい。さら
に、下面417の曲率を変えることにより走査角が大きく
とれ、鏡面418の面数に依存しないため、走査角を維持
したまま多面化ができ、コンパクト化ができ、かつ高速
化ができる。
【0131】また、材料に樹脂を用いるので、複雑な形
状も容易に作製でき、軽量化、低コスト化できる。ま
た、金型での鏡面部の組付けが容易で、かつ、図34
(a)に示すように、金型から回転偏向レンズミラー41
1を取出す際、鏡面418が最初に金型から離れ、従来の図
34(b)に示すように、すれることなく、取出しが容易
であり、低コスト化ができる。
【0132】回転偏向レンズミラーの第2実施例 図35に示す回転偏向レンズミラー421は、請求項1,
2,3,13,14および34に係るもので、その上曲
面416における周方向の円錐曲線415がその円周方向の任
意の位置で円板状体411Aの中心軸線Oと直交する直線4
20を有する2次曲面となったものである。
【0133】この回転偏向レンズミラー421では、上曲
面416上の円錐曲線415が中心軸線Oに直交する直線420
を有するので、レーザビーム419を中心軸線Oと平行な
方向から入射させると、感光面での走査線419Aの曲が
りが生じないため、特に、走査線曲がりを補正する必要
がない。また、レーザビーム419は、回転偏向レンズミ
ラー421により走査する場合、回転偏向レンズミラー421
の中心軸線Oと平行な方向から入射するようにできるた
め、レーザ投射器、ミラー、モータ、fθレンズ、トロ
イダルレンズ等の配置が容易となる。また、回転偏向レ
ンズミラー421は形状的に加工し易い。
【0134】回転偏向レンズミラーの第3実施例 図36に示す回転偏向レンズミラー431は、請求項1,
2,13,14および35に係るもので、円板状体411
Aの上曲面416が外方に対して凸面で、下面417が外方に
対して凹面となったものである。上曲面416および下面4
17はともに円周方向に円錐曲線415を有し、円錐曲線415
は同一半径R1 、R2 の円からなり、かつ、上曲面416
と下面417のそれぞれの中心点O1 、O2 は円周方向お
よび円錐曲線415の軸方向に互いにL1 、L2 だけずれ
ている。
【0135】回転偏向レンズミラー431では、上曲面416
および下面417の円錐曲線415がともに円で、かつ、中心
点の位置がずれた形状であるので、形状が簡単で、形状
の自由度が大で、設計の自由度が大となり、設計・製造
が容易となる。また、上曲面416側から入射したレーザ
ビーム419は、主走査方向の角速度が一定となる。この
ため、従来と同様なfθレンズを含む光走査系の光学ユ
ニットを用いることができる。
【0136】回転偏向レンズミラーの第4実施例 図37に示す回転偏向レンズミラー441は、請求項1,
2,13,14および36に係るもので、円板状体411
Aの上曲面416が外方に対して凸面で、下面417が外方に
対して凹面となったものである。上曲面416および下面4
17はともに、円周方向に円錐曲線415を有し、かつ、共
に同一中心点O3 を有する円で、上曲面416上の円の半
径R3 に対して下面417上の円の半径R4 が小さくなっ
ている。また、中心点O3 は円錐曲線415の軸対称線S
上にある。
【0137】この回転偏向レンズミラー441では、上曲
面416および下面417のそれぞれの円錐曲線415が円で同
一中心点O3 を有し、それぞれの半径R3 、R4 間にR
3 >R4 の関係があるので、形状がさらに簡単で形状の
自由度が大で、設計の自由度がさらに大となり、設計製
造がさらに容易となる。また、上曲面416側から円板状
体411A内に入射屈折したレーザビーム419は主走査方向
の走査角速度は一定となる。このため、従来と同様なf
θレンズを含む走査系の光学ユニットを用いることがで
きる。
【0138】回転偏向レンズミラーの第5実施例 図38(a)に示す回転偏向レンズミラー451は、請求項
1,2,13,14および37に係るもので、円板状体
411Aの上曲面416が外方に対して凸面で、下面417が外
方に対して凹面となったものであり、上曲面416の円錐
曲線415が放物線53で、下面417の円錐曲線415が円454と
なっている。
【0139】この回転偏向レンズミラー451では、上曲
面416の円錐曲線415が放物線53で、下面417の円錐曲線4
15が円454であるので、回転偏向レンズミラー451に上曲
面416側から入射屈折したレーザビーム419は円板状体41
1A内を通り、鏡面418で反射し、再び上曲面416より外
方に放射偏向するとき、走査線419Aは感光体面上で主
走査方向に走査速度が一定となる。すなわち、回転偏向
レンズミラー451はfθ特性を有するので光走査系には
fθレンズが不要となる。このため、光走査系の装置が
簡略となり、低コスト化ができる。
【0140】なお、前述の実施例では上曲面416が凸面
で、下面417が凹面の場合について説明したが、本発明
では、この実施例に限らず、図38(b)に示すように、
上曲面416が外方に凹面の楕円456で、下面417が外方に
凸面の円457であってもよい。回転偏向レンズミラーの第6実施例 図39に示す回転偏向レンズミラー461は、請求項1,
2,13,14および38に係るもので、円板状体411
Aの上曲面416が外方に対して凸面で、下面417が外方に
対して凹面となったものであり、上曲面416の円錐曲線4
15と下面417の円錐曲線415とがそれぞれ楕円463、464と
なっている。
【0141】この回転偏向レンズミラー461では、上曲
面416の円錐曲線415および下面417の円錐曲線415がそれ
ぞれ共に楕円463、464であるので、第5実施例の場合と
同様にレーザビーム419がが上曲面416側から入射屈折
し、鏡面418で反射し、再び上曲面416より外方に放射偏
向するとき、走査線419Aは感光体面上で主走査方向に
走査速度が一定となる。すなわち、回転偏向レンズミラ
ー461はfθ特性を有し、光走査装置が簡単となり低コ
スト化できる。
【0142】回転偏向レンズミラーの第7実施例 図40に示す回転偏向レンズミラー471は、請求項1,
2,13,14および39に係るもので、円板状体411
Aの上曲面416が外方に凹面で、下面417が平面474とな
ったものであり、全体として凹レンズを構成している。
また、上曲面416の円錐曲線415が放物線473となってい
る。
【0143】この回転偏向レンズミラー471では、上曲
面416の円錐曲線415が放物線473で、下面417が平面474
であり、この場合も第5実施例の場合と同様に、回転偏
向レンズミラー471に入射屈折したレーザビーム419は鏡
面418で反射し、再び上曲面416から放射偏向される。こ
の走査線419Aは感光体面上で主走査方向に走査速度が
一定となる。したがって、回転偏向レンズミラー471は
fθ特性を有する。このため、光走査装置が簡単とな
り、低コスト化できる。
【0144】回転偏向レンズミラーの第8実施例 第8実施例の回転偏向レンズミラーは、請求項14およ
び15に係るもので、図示していないが、円板状体411
Aに用いる樹脂483として透明な非晶質材料を用いたも
のである。この場合、非晶質材料としては、ポリスチレ
ン(PS)、アクリルニトリルスチレン(AS)、アク
リルニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(P
C)、アモルファスポリオレフィン(APO)、ポリフ
ェリレンオキサイド(PPO)、ポリエーテルサルフォ
ン(PES)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテ
ルイミド(PEI)などがある。
【0145】この回転偏向レンズミラーでは、円板状体
411Aが非晶質材料からなる部材であるので、高精度な
レンズ成形法である射出圧縮成形法、および特開昭62
−11619号公報記載のゲートシール成形法等が利用
でき、高精度な回転偏向レンズミラーを安価に得ること
ができる。回転偏向レンズミラーの第9実施例 図41に示す回転偏向レンズミラー491は、請求項1,9
および34に係るもので、樹脂からなる円板状体411A
が軸中心部に軸方向同軸にモータのシャフト493をイン
サート成形、圧入または接着により、一体的に形成した
ものである。なお、図41には保護膜418Aは図示してい
ない。
【0146】この回転偏向レンズミラー491では樹脂か
らなる円板状体411Aとシャフト493とを一体成形するの
で、円板状体411Aとシャフト493との同軸度および直角
度を向上させることができる。また、シャフト493は圧
入または接着により一体成形してもよいが、シャフト50
2 を金型内に挿入し、インサート成形により一体成形す
るものが工程を短縮し、低コストで、回転時の振れが小
さく、ミラーの面倒れを防止した高精度の偏向回転レン
ズミラーモータを作製できる。
【0147】回転偏向レンズミラーの第10実施例 図42に示す回転偏向レンズミラー501は、請求項1,9
および34に係るもので、樹脂からなる円板状体411A
の軸中心部に同軸にアルミニウムまたは真鍮等からなる
内側金属リング503を配置し、インサート成形、圧入ま
たは接着により、一体的に成形したものである。なお、
図42には保護膜418Aを図示していない。
【0148】この回転偏向レンズミラー501では、円板
状体411Aと同軸に内側金属リング503を一体成形してい
るので、モータシャフトに圧入しても、この圧入により
鏡面418が変形するのを防止でき、円板状体411Aの中心
軸方向からモータの回転軸に固定する場合にも、その固
定力により鏡面418が変形するのが防止でき、モータ組
付工程が安定し、高精度の回転偏向レンズミラーモータ
を得ることができる。また、インサート成形するもの
は、前述の圧入、接着よりさらに製造工程の短縮と精度
向上ができる。
【0149】回転偏向レンズミラーの第11実施例 図43(a)に示す回転偏向レンズミラー511は、請求項
1,9,11および34に係るもので、樹脂からなる円
板状体411Aと一体的に形成するシャフト493が円板状体
411Aの樹脂83と接触する部分に溝加工であるいわゆる
Dカット493aを形成したものである。
【0150】この回転偏向レンズミラー511では、シャ
フト493の円板状体411Aの樹脂483と接触する部分にD
カット493aが形成されているので、シャフト493と円板
状体411Aの樹脂483との密着性が向上し、熱および回転
力により円板状体411Aの回転方向および軸方向のずれ
が防止され、信頼性が大幅に向上できる。回転偏向レン
ズミラーの第12実施例図43(b)に示す回転偏向レンズ
ミラー511は、請求項1,9,11および34に係るも
ので、樹脂からなる円板状体411Aと一体的に形成する
内側金属リング503が円板状体411Aの樹脂483と接触す
る部分にローレット加工であるきざみ目518を形成した
ものである。
【0151】この場合も前述の第10実施例と同様に内側
金属リング503と円板状体411Aの樹脂との密着性が向上
し、熱および回転力により円板状体411Aの円周方向お
よび半径方向のずれが防止でき、信頼性が大幅に向上で
きる。回転偏向レンズミラーの第13実施例 図44に示す回転偏向レンズミラー521は、請求項1,1
0および34に係るもので、樹脂からなる円板状体411
Aの外周部に同軸に外側金属リング523を配置し、前述
同様に一体的に成形したもので、円板状体411Aは円周
方向に4分割されている。
【0152】この回転偏向レンズミラー521では、円板
状体411Aの外周部に同軸に金属リング523が一体成形さ
れているので、円板状体411Aの回転モーメントが大き
くなり、回転時のバランスが良好になるとともに、回転
および熱による半径方向の膨張による鏡面418の変形を
防止でき、高精度で耐環境性に優れた回転偏向レンズミ
ラーを得ることができる。成形法としてインサート成形
が好ましいのは前述の通りである。
【0153】回転偏向レンズミラーの第14実施例 図45に示す回転偏向レンズミラー531は、請求項1,3
4および40に係るもので、円板状体411Aの上曲面416
と反対側の面、すなわち下面411bに円板状に金属板533
を一体的に成形し固着したものである。この回転偏向レ
ンズミラー531では、円板状体411Aの下面411bに金属
板533が同軸にかつ一体成形されているので、回転偏向
レンズミラー531の回転軸および熱による半径方向およ
び円周方向の膨張が抑圧され、鏡面418の変形が防止で
き、高精度で耐環境性に優れた回転偏向レンズミラー53
1を得ることができる。
【0154】回転偏向レンズミラーの第15実施例 図46に示す回転偏向レンズミラー541は、請求項1,3
4および41に係るもので、平面に形成された下面411
bに鏡面418を有する円板状のフィルム543を鏡面418が
下面411b側に向けて下面411bに密着させたものであ
る。この回転偏向レンズミラー541では下面411bに鏡面
418を有するフィルム543を密着させるので、下面411b
に金属膜の蒸着またはメッキ等が不要となるため、鏡面
418の作成工程が簡単となり、低コストの回転偏向レン
ズミラー541を得ることができる。
【0155】回転偏向レンズミラーの第16実施例 図47に示す回転偏向レンズミラー551は、請求項1,1
2および34に係るもので、円板状体411Aが外周部お
よび内周部の円周方向にそれぞれ環状のリブ553および5
54を設けたものである。この回転偏向レンズミラー551
では円板状体411Aの外周部および内周部にリブ553およ
び554を設けているので、回転のモーメントが増え、回
転のバランスが良くなり、かつ、変形に強いものを得る
ことができ、高精度で高信頼性の回転偏向レンズミラー
551を得ることができる。
【0156】回転偏向レンズミラーの第17実施例 図48に示す回転偏向レンズミラー561は、請求項1,3
4および42に係るもので、円板状体411Aが外周部の
円周方向に環状のリブ553を設けるとともに、上曲面416
とリブ553との間および上曲面416の内周にそれぞれ面取
り部である平面状の外面取り563および内面取り564を設
けたものである。これらの面取り形状は、前述のように
平面状に代って、図48(c)(d)に示すように凸曲面
状の面取りでもよいし、凹曲面状の面取りであってもよ
い。
【0157】この回転偏向レンズミラー561では、円板
状体411Aの外周部にリブ553を設けているので、回転の
モーメントが増え、回転バランスが良くなり、かつ変形
に強いものを得ることができ、高精度で高信頼性の回転
偏向レンズミラー561を得ることができる。また、円板
状体411Aの外周部および内周部に外面取り563、内面取
り564を設けているので、回転時の空気抵抗が小さく安
定した回転ができ、消費電力が低減できるとともに、成
形金型からの取出しが容易になり、かつ、取出し時の変
形が防止できる。
【0158】回転偏向レンズミラーの第18実施例 図49に示す回転偏向レンズミラー566は、請求項1,3
4および42に係るもので、図40に示す第7実施例の凹
レンズ状の回転偏向レンズミラー471の上曲面416の外側
および内側にそれぞれ面取り部である外面取り563およ
び内面取り564を設けたものである。
【0159】この回転偏向レンズミラー561では、上曲
面416の外側および内側に、それぞれ外面取り563および
内面取り564を設けているので、回転時の空気の流れが
滑らかとなり、空気抵抗が小さく、安定して回転がで
き、かつ成形金型からの取出しが容易になり、取出し時
の変形が防止できる。回転偏向レンズミラーの第19実施例 図50に示す回転偏向レンズミラー571は、請求項1,3
4,43および47に係るもので、円板状体411Aの上
曲面416がレーザビーム419を入射し偏向走査する走査域
573と、レーザビーム419を走査しない非走査域574とを
有し、その非走査域574(所定入射領域の外)に面取り5
75を形成している。また、上曲面416の走査域573に対応
した下面417の一部の面(光ビームを偏向走査する所定
領域)にのみ鏡面418を形成している。同18(c)に、
円板状体411Aの円周方向の拡大断面図を示す。
【0160】この回転偏向レンズミラー571では、上曲
面416の非走査域574には面取り575が形成されているの
で、非走査域574に投射されたレーザビーム419は面取り
575の部分を透過し、下面417でも鏡面418以外を通るの
で、鏡面418で反射されない。このため、非走査域574か
ら感光体面上への異常反射が防止でき、感光体面への異
常な書込みを防止することができる。
【0161】回転偏向レンズミラーの第20実施例 図51(a)に示す回転偏向レンズミラー581は、請求項
1,34および44に係るもので、円板状体411A内の
上曲面416が円周方向に6個に等分割され分割部416aを
有しており、各分割部416aに円錐曲線を有する2次曲
面416を備えている。また、隣り合う2次曲面416間に半
径方向に長い連結部416bを設け、連結部416bに平坦面
583を形成している。この平坦面583は、レーザビーム41
9が反射しても感光面に悪影響がないように形成されて
いる。
【0162】この回転偏向レンズミラー581では、上曲
面416の連結部416bに平坦面583が形成されているの
で、回転偏向レンズミラー581を樹脂により成形する
際、回転偏向レンズミラー581の金型組付け時の鏡面入
駒584は、図51(b)に示すように、合せ部584aが平面
585となり、図51(c)に示すように、エッヂEがない
ため、位置精度が大幅に向上でき、かつ各入駒の加工が
容易となる。また、回転偏向レンズミラー581は、連結
部416bに平坦面583を形成したが、平坦面を有すれば、
平坦面583の代りに溝またはリブであってもよい。
【0163】回転偏向レンズミラーの第21実施例 図52に示す回転偏向ンズミラー591は、請求項1,34
および45に係るもので、円板状体411Aの上曲面416が
円周方向に6等分割された分割部416aを有し、各分割
部416aに円錐曲線を有する2次曲面416を備え、隣り合
う2次曲面416間の半径方向の境界線593に対応する下面
417の位置で、レーザビーム419の非走査域に対応する円
周方向の一定範囲594を平面595に形成するとともに、こ
の一定範囲594に鏡面418を形成する金属膜を形成しない
ようにして鏡面418を離間させたものである。
【0164】この回転偏向レンズミラー591では、下面4
17の非走査域に対応する一定範囲594に鏡面418が形成さ
れていないので、各分割部416aの上曲面416の円周方向
両端部の非走査域に入射したレーザビーム419は円板状
体411A内を通過し、一定範囲594に投射してそのまま、
円板状体411Aを透過する。このため、一定範囲594では
レーザビーム419の反射は起こらず、感光体面に異常書
込みが発生するが防止できる。
【0165】回転偏向レンズミラーの第22実施例 図53に示す回転偏向レンズミラー601は、請求項1,3
4および46に係るもので、円板状体411Aが上曲面416
上に反射防止膜603を形成し、下面417上の金属膜からな
る鏡面418を覆う保護膜616を形成したものである。この
回転偏向レンズミラー601では、上曲面416上に反射防止
膜603が形成されているので、レーザビーム419の透過性
が向上し、上曲面416側に入射するレーザビーム419は上
曲面416で散乱することなく、円板状体411A内に透過
し、円板状体411Aに屈折入射する。また、下面417上に
は鏡面418を覆う保護膜418Aが形成されているので、鏡
面418は傷つき難く、劣化し難く、回転偏向レンズミラ
ー601の寿命を大幅にのばすことができる。
【0166】回転偏向レンズミラーの第23実施例 図54(a)に示す回転偏向レンズミラー611は、請求項
1,17および34に係るもので、円板状体411Aの上
曲面416がレーザビーム419を投射する上曲面416の円周
方向で、レーザビーム419を走査する走査域613と、レー
ザビーム419を走査しない非走査域614とを有し、非走査
域614に金属反射膜615および保護膜616を形成した場合
であり、下面417上には第1実施例の回転偏向レンズミ
ラー411と同様に金属膜からなる鏡面418および保護膜41
8Aを形成したものである。上曲面416上の金属反射膜61
5および保護膜616はそれぞれ下面417上の鏡面418および
保護膜418Aと同じでもよいし、異ったものでもよい。
【0167】この回転偏向レンズミラー611は、上曲面4
16の非走査域614に金属反射膜615が形成されているの
で、非走査域614は入射したレーザビーム419が金属反射
膜615により反射される領域となり、非走査域614の円板
状体411A内にはレーザビーム419が入射しない。このた
め、非走査域からの感光体面上への異常な書込みを防止
することができる。
【0168】回転偏向レンズミラーの第24実施例 図54(b)に示す回転偏向レンズミラー617は、請求項
1,17,34および43に係るもので、上曲面416の
非走査域614(所定入射領域の外、光ビームが反射され
る領域)を面取り618を形成するとともに、面取り部618
上に前述の金属反射膜615および保護膜616を形成し、さ
らに、下面417の走査域に対応する範囲619にのみ鏡面41
8および保護膜418Aを形成している。この場合も、上述
と同様に異常書込みをさらに効果的に防止できる。
【0169】回転偏向レンズミラーを用いた光走査装置
の第1実施例 図55に示す光走査装置621は、請求項48に係るもの
で、上曲面416の半径方向の直線420が中心軸に傾角度α
で交差する上曲面416を有する回転偏向レンズミラー411
と、回転偏向レンズミラー411の軸中心部を同軸に支持
し、軸方向に長い軸長を有する棒状のシャフト623と、
シャフト623を横置きにし回転可能に保持するモータ624
と、回転偏向レンズミラー411の上曲面416の円錐曲線41
5上を円周方向にレーザビームであるレーザビーム419を
投射可能に配置された光投射器である半導体レーザ625
と、を備えている。
【0170】半導体レーザ625は、回転偏向レンズミラ
ー411の上曲面416上の円錐曲線415がレーザビーム419の
投射方向Pに対して軸対称となるとともに、走査線419
Aが回転偏向レンズミラー411の上曲面416の直線420の
傾き角度αの傾きに対向した方向に走査するものであ
る。すなわち、投射方向Pとモータ624のシャフト623の
軸心方向Qとは、一致していない。
【0171】また、半導体レーザ625と回転偏向レンズ
ミラー411との間には半導体レーザ621から投射されたレ
ーザビーム419を集光する集光レンズ626、シリンダレン
ズ628が適当な位置に設けられている。また、回転偏向
レンズミラー411で反射された走査線419Aの走査方向に
は走査線上で走査中心線の方向に、fθレンズ628、ト
ロイダルレンズ629、シリンダ状感光体630が設けられて
いる。走査中心線とレーザビーム419の投射方向Pとは
回転偏向レンズミラー411の図33(c)の傾角度αに対
応する一定の角度をなしている。
【0172】この光走査装置621では、モータ624として
細長いものを用いシャフト623の軸長が長くできるの
で、モータの回転精度を維持でき、回転時の振れの小さ
いモータ624とすることができ、かつ、モータ624を横置
きにできるので、光走査がコンパクトにできる。このた
め、このような光走査系を用いるレーザビームプリンタ
等の装置を大幅に小型化できる。
【0173】回転偏向レンズミラーを用いた光走査装置
の第2実施例 図56に示す光走査装置631は、請求項48に係るもの
で、回転偏向レンズミラー632が図56(b)に示すよう
に上曲面416および下面417がともに楕円で、かつ円錐曲
線415の軸対称線Sが回転偏向レンズミラー632の中心軸
線Oと傾斜し、半導体レーザ625は軸対称線Sと一致す
る方向にレーザビーム419を投射する場合である。
【0174】この光走査装置631では、回転偏向レンズ
ミラー632の上曲面416および下面417がともに楕円であ
るので、図39に示す回転偏向レンズミラー461と同様に
回転偏向レンズミラー632はfθ特性を有しており、f
θレンズが不要となり、走査系が簡略化され、光走査装
置の低コスト化ができる。また、走査線419Aは感光体
面上で主走査方向に走査速度が一定となる。
【0175】回転偏向レンズミラーを用いた光走査装置
の第3実施例 図57に示す光走査装置641は、請求項48および49に
係るもので、回転偏向レンズミラー642が図57(b)に
示すように、上曲面416および下面417がともに同一中心
3を有する円で、半径方向の直線420は中心線Oに直交
するもので、かつ、円錐曲線415の軸対称線Sが回転偏
向レンズミラー642の中心軸線Oと平行な場合である。
したがって、半導体レーザ625は回転偏向レンズミラー6
32の中心軸線Oと平行な方向から入射する位置に配置さ
れている。このため、走査線419Aが半導体レーザ625側
に戻らないように、ハーフミラー633およびミラー634を
用いている。
【0176】この光走査装置641では、回転偏向レンズ
ミラー642が上曲面416上の直線420が中心軸線Oに直交
するものであるので、第1実施例の光走査装置621にお
ける作用効果の外に、回転偏向レンズミラー642の成形
金型は作製が容易となり、高精度でかつ低コスト化がで
きる。また、光走査装置641はハーフミラー643を用いた
走査線419Aを投射方向Pから平行な方向に離している
ので、投射系および走査系の配置が簡単にでき、かつ、
走査角が大きくとれ、走査系がコンパクト化できる。ま
た、上曲面416の走査域を一定にして、曲面数を円周方
向に増すことにより、多面にできるので、モータ624を
高回転数にしないで高速で安価なものができる。また、
モータの回転数が一定の場合、ミラー数の増加により、
走査速度がアップでき、印刷速度を大幅に向上できる。
【0177】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、所定の投
光経路からの光ビームを円板状体の軸方向端面に形成さ
れた曲面部によって偏向し、円板状体の回転に伴う該偏
向角度の変化によって走査するようにしているので、そ
の曲面部の回転に対する強度が十分で、温度やモータか
らの熱による形状変化を小さくすることができ、また、
走査角がミラー面数に依存しないことから、走査角を維
持したまま多面化することができ、しかも、円板状であ
るため、回転抵抗を減らすことができる。この結果、光
走査装置の高速化、コンパクト化、低コスト化に容易に
対応可能で、信頼性の高い回転偏向素子を提供すること
ができる。
【0178】請求項2記載の発明によれば、前記曲面部
に形成される凸面又は凹面が前記円板状体の所定半径位
置で周方向に延びる円錐曲線を有する面としたので、走
査速度を任意に設定することができ、前記円錐曲線を適
宜選択することにより例えば走査角速度を一定にした
り、レンズにfθ特性を持たせて走査面となる感光体上
での走査速度を一定にしたりすることができる。
【0179】請求項3記載の発明によれば、前記曲面部
により形成される凸面又は凹面が円周方向の任意の位置
で中心軸線と交わる直線を有するので、走査線曲がりを
防止できるとともに、加工の容易化を図ることができ
る。請求項4記載の発明によれば、前記円錐曲線を楕円
としたので、入射されたレーザビームの主走査方向の走
査角を一定にできる。
【0180】請求項5記載の発明によれば、前記円錐曲
線を双曲線としたので、感光体面上での主走査方向の走
査速度を一定にでき、fθ機能を持たせることができ
る。請求項6記載の発明によれば、円板状体の軸方向両
面のうち他方の面を平面にしたので、回転抵抗を減少さ
せるとともに、加工を容易化できる。請求項7記載の発
明によれば、円板状体にアルミニウム、アルミニウム合
金、銅および銅合金のうち何れか1つの金属材料を使用
するので、その加工を容易化できる。
【0181】請求項8記載の発明によれば、円板状体に
高アスペクト比の充填材を1つ以上充填した複合樹脂材
料を使用するので、円板状体の回転や熱による形状変化
を抑えることができ、しかも、その成形を射出成形法等
により低コストで行なうことができる。請求項9記載の
発明によれば、円板状体の軸中心部にシャフト状又は環
状の金属支持部材を一体的に設けるので、円板状体とそ
の支持部材との同軸度および直角度を向上させることが
できるとともに、取付け時等における支持部の変形を防
止することができる。
【0182】請求項10記載の発明によれば、円板状体
の外周部に外側金属リングを一体的に設けるので、回転
時のバランス保持が容易にでき、しかも、回転時または
熱による半径方向の膨脹変化を抑制できる。請求項11
記載の発明によれば、円板状体と一体的に成形される金
属支持部材や外側金属リングの樹脂と接する面に、所定
形状の溝を形成するから、この面と樹脂部との結合部位
における回転方向および中心方向へのずれを抑制し、両
者の密着性および結合強度を高めることができる。
【0183】請求項12記載の発明によれば、円板状体
の内周部および外周部のうち少なくとも一方に環状のリ
ブを設けるので、円板状体の補強と回転バランスの確保
を容易化できる。請求項13記載の発明によれば、前記
曲面部を前記円板状体内に設けられた凸レンズ又は凹レ
ンズによって形成しているので、強度が十分で温度やモ
ータからの熱による形状変化も小さく、走査角を維持し
たまま多面化が可能な、回転抵抗の小さい回転偏向レン
ズを実現できる。
【0184】請求項14記載の発明によれば、円板状体
および曲面部を同一の透明樹脂材料から形成するので、
両者を一体にした回転偏向レンズの成形コストを低減す
ることができる。また、その回転偏向レンズを、強度が
十分で、温度やモータからの熱による形状変化が小さ
く、走査角を維持したまま多面化が可能な、回転抵抗の
小さいものにできる。
【0185】請求項15記載の発明によれば、前記透明
樹脂材料を非晶質材料にしているので、面精度に優れ、
内部応力の少ない高精度な回転偏向レンズを得ることが
できる。請求項16記載の発明によれば、凸レンズ又は
凹レンズと円板状体との界面を光散乱面又は黒色の光吸
収面としているので、レンズ内を透過する光ビームが前
記界面を通って感光体に到達しないようにすることがで
きる。
【0186】請求項17記載の発明によれば、凸レンズ
又は凹レンズのレンズ面に、光ビームが散乱、吸収又は
反射される領域を設けたので、レンズ面の光ビーム入射
側又は出射側に非走査域を設けて、不要な光を透過させ
ないようにできる。請求項18記載の発明によれば、請
求項13記載の回転偏向素子と、該素子を駆動するモー
タと、該素子の曲面部の円錐曲線が投光経路に対し対称
となるようにレーザビームを投射するレーザ投射器とを
備え、曲面部を形成する凸レンズ又は凹レンズによりレ
ーザビームを走査するので、レーザビームの投射方向に
対してモータの回転軸を平行にした状態、すなわちモー
タ横置きの状態として、モータの回転軸を長くすること
ができ、回転振れの防止と、所要のモータ精度確保がで
き、しかも、装置全体のコンパクト化が容易にできる。
【0187】請求項19記載の発明によれば、曲面部で
鏡面を構成しているので、強度が十分で、温度やモータ
からの熱による形状変化も小さく、走査角を維持したま
ま多面化が可能な、回転抵抗の小さい回転偏向ミラーが
実現できる。請求項20記載の発明によれば、円板状体
の軸方向両面のうち他方の面を、前記円板状体の中心軸
を含む任意の断面において該中心軸に対し対称な外形線
を有するようにしたので、形状が簡単で、回転時の空気
抵抗の小さい回転偏向素子を得ることができる。
【0188】請求項21記載の発明によれば、円板状体
の曲面部を、樹脂、熱伝導性樹脂又は強化樹脂のいずれ
かで形成し、金属膜および保護膜で覆っていので、複雑
な形状であっても容易に成形加工でき、しかも、曲面部
が円板状体の一方の面にあるので、金型作製および金型
からの取出しを容易化し、傷つき難く、熱膨張の変化の
起こり難い回転偏向素子を得ることができる。
【0189】請求項22記載の発明によれば、円板状体
を形成する樹脂を非晶質材料およびその複合材料のうち
何れか1つとしたので、高精度のレンズ成形方法である
射出圧縮成形およびゲートシール成形等が適用できる。
請求項23記載の発明によれば、円板状体を形成する樹
脂が液晶ポリマー又はその複合材料の何れかとしたの
で、反りや凹部ができ難く、温度変化や回転力による形
状変化の少ない回転偏向素子を得ることができる。
【0190】請求項24記載の発明によれば、円板状体
が鏡面と反対側の面に円形金属板を一体的に設けるの
で、回転力や熱による半径方向の膨張および中心軸方向
の膨脹を抑制できる。請求項25記載の発明によれば、
円板状体の一面側の鏡面と反対面側の曲面とを対応する
形状に形成して肉厚の変化を少なくしているので、成形
時のそりやへこみ等の発生を防止できる。
【0191】請求項26記載の発明によれば、円板状体
の連結部に溝または平坦部を形成しているので、金型の
位置精度がとり易く、金型作製を容易化できる。請求項
27記載の発明によれば、円板状体が鏡面と反対面側の
リブとを有するので、円板状体を有効に補強しつつ、回
転時の変形や経時変化を少なくすることができる。
【0192】請求項28記載の発明によれば、円板状体
が曲面部同士の間に対応する位置に前記リブを設けるの
で、回転時の変形や経時変化を少なくするとともに、成
形時の全体の形状変形も抑制できる。請求項29記載の
発明によれば、円板状体の連結部で鏡面が離間するの
で、光ビームを連結部から円板状体内に透過または散乱
させ、吸収させて、光ビームの不要な反射を防止でき
る。
【0193】請求項30記載の発明によれば、円板状体
の外周部又は/及び内周部に面取り部を設けるので、回
転時の空気抵抗を小さくするとともに、金型からの離型
性を向上させてその取り出しを容易化できる。請求項3
1記載の発明によれば、曲面の光ビームの非走査域に面
取りを形成するので、光ビームの異常反射を防止するこ
とができる。
【0194】請求項32記載の発明によれば、曲面部の
うち光ビームを偏向走査する所定領域にのみに鏡面を形
成するので、その領域外に投射された光ビームを透過ま
たは散乱、吸収させて、異常反射を防止することができ
る。請求項33記載の発明によれば、円板状体の一方の
面側に鏡面を形成した回転偏向素子と、該素子の中心軸
を駆動するモータと、中心軸方向にレーザビームを投射
するレーザ投射器を備えているので、レーザビームの投
射方向に対してモータの回転軸を平行にした状態、すな
わちモータ横置き状態にでき、モータの回転軸を長くす
ることで、回転振れの防止と、所要のモータ精度確保が
でき、しかも、装置全体のコンパクト化が容易化でき
る。
【0195】請求項34記載の発明によれば、円板状体
の他方の面側に一面側の曲面部に対応した曲面又は平面
を形成して該円板状体にレンズ機能を持たせ、該他方の
面上に鏡面を成しているので、ビームを曲面部側から円
板状体内に入射し、鏡面により反射偏向して再び曲面部
から放射する回転偏向素子を実現できる。そして、この
回転偏向素子を、円板形状のため回転抵抗が小さく、レ
ンズ面と鏡面とを円板状体の板面部に形成するため熱膨
張等による形状変化が少なく、走査角がミラー面数に依
存しないため走査角を維持したまま多面化可能な素子に
することができる。しかも、材料に樹脂を用いるので複
雑形状でも作製を容易化できる。
【0196】請求項35記載の発明によれば、円板状体
の両面側で凸面と凹面が互いに対応する形状で、かつ、
それらの面の所定半径位置における(円周方向の)円錐
曲線が互いに中心のずれた同一半径の円となっているの
で、形状が簡単で、しかも、反射した光ビームの主走査
方向の角速度が一定となる回転偏向レンズミラーを得る
ことができる。
【0197】請求項36記載の発明によれば、円板状体
の両面側で凸面と凹面が互いに対応する形状で、かつ、
それらの面の所定半径位置における円周方向の円錐曲線
が同一中心を中心とする半径の異なる円となるので、形
状が簡単であり、しかも、反射した光ビームの主走査方
向の角速度を一定にできる。請求項37記載の発明によ
れば、円板状体の曲面部が所定の円錐曲線で、他面の円
錐曲線が円となるので、反射した光ビームの感光体上に
おける主走査方向の走査速度が一定な、すなわちfθ特
性を有する回転偏向素子が実現できる。
【0198】請求項38記載の発明によれば、円板状体
の曲面部および下面の円錐曲線がともに楕円、ともに双
曲線、またはともに放物線となるので、反射した光ビー
ムの感光体上における主走査方向の走査速度が一定な、
すなわちfθ特性を有する回転偏向素子を実現できる。
請求項39記載の発明によれば、円板状体の曲面部に円
錐曲線を有する凹面を形成し、下面を平面するので、反
射した光ビームの感光体上における主走査方向の走査速
度が一定な、すなわちfθ特性を有する回転偏向素子が
実現できる。
【0199】請求項40記載の発明によれば、円板状体
の曲面部と反対の面側に円板状の金属板を一体的に設け
るので、回転や熱による半径方向および中心軸方向の膨
脹変形を抑制し、形状変化による曲面部の変形を抑制す
ることができる。請求項41記載の発明によれば、鏡面
を有する円板状部材を、その鏡面を円板状体の他面に密
着させるので、金属膜の蒸着等は不要で、容易に回転偏
向レンズミラーが作製できる。
【0200】請求項42記載の発明によれば、円板状体
の曲面部側の外周部又は/及び内周部に面取り部を設け
らるので、回転時の空気抵抗を減らし、しかも離型性を
向上させて成形金型からの取出しを容易化できる。請求
項43記載の発明によれば、曲面部における所定入射領
域の外に面取り部を形成するので、面取り部に入射した
光ビームを円錐曲線から離して屈折させ、反射させない
ようにして、光ビームの異常反射を防止することができ
る。
【0201】請求項44記載の発明によれば、円板状体
の連結部に溝、リブ又は平坦面を形成するので、金型の
位置精度がとり易く、金型作成を容易にできる。また、
リブを形成すると、円板状体を補強して回転時の変形や
経時変化を少なくすることができる。請求項45記載の
発明によれば、円板状体の曲面部間の境界線に対応する
下面の一定範囲で鏡面を離間させるので、曲面部間の境
界線の近傍から円板状体内に入射した光ビームを下面の
前記一定範囲を透過させることで、不要な反射を無くす
ことができる。
【0202】請求項46記載の発明によれば、円板状体
の曲面部上に反射防止膜を形成するので、表面における
光ビームの散乱を防止し、円板状体内への透過性を向上
させることができ、さらに、下面の鏡面上に保護膜を形
成するので、鏡面の傷つきおよび劣化を防止できる。請
求項47記載の発明によれば、曲面部のうち光ビームを
偏向する所定領域にのみ鏡面を設けるので、非走査域に
入射した光ビームを散乱させて異常反射を防止すること
ができる。
【0203】請求項48記載の発明によれば、円板状体
の一面側に曲面部を有し他面側に鏡面を有する回転偏向
素子と、該レンズミラーの中心軸を駆動するモータと、
回転偏向レンズミラーの曲面部の円錐曲線上に光ビーム
を投射する光投射器とを備えているので、モータの回転
軸方向を光ビームの投射方向とほぼ同じ方向の横置き状
態とし、モータの回転軸を長くしつつ装置をコンパクト
化することができるとともに、モータ精度を高めること
ができる。また、光投射器が、円錐曲線が軸対称になる
よう光ビームを投射するので、走査角を軸中心の両側に
とることができ、走査角を大きくすることができる。し
たがって、同じ走査角の場合、回転偏向素子をより多面
化できる。
【0204】請求項49記載の発明によれば、光投射器
が光ビームを回転偏向素子の中心軸に平行な方向から投
射するので、ハーフミラーを用いることにより光ビーム
の投射系および走査系の各配置を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第1実施例を示す図で、(a)はその斜視図、
(b)はその上面図、(c)はその一部斜視図、(d)
はその一部上面図、(e)は(d)のA−A断面拡大
図、(f)は(d)の正面図、(g)は(d)の側面
図、(h)は直線が収束する場合の一部斜視図(c)に
対応する図である。
【図2】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第2実施例を示すその斜視図である。
【図3】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第3実施例を示す図で、(a)はその一部上面
図、(b)はその一部斜視図、(c)は(a)のA−A
断面拡大図、(d)は(a)の正面図、(e)は(a)
の側面図である。
【図4】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第4実施例を示す図で、(a)はその正面図、
(b)はその他の例を示す正面図、(c)は図(a)の
取付け状態を示す一部断面正面図、(d)は図(b)の
取付状態を示す一部断面正面図である。
【図5】第4実施例の回転偏向ミラーの鏡面におけるレ
ーザビームの反射状態を示す図で、(a)はその鏡面の
円錐曲線が楕円の場合,(b)はその鏡面の円錐曲線が
双曲線の場合、(c)はその鏡面の円錐曲線が円の場
合、(d)はその鏡面の円錐曲線が放物線の場合であ
る。
【図6】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第5実施例を示すその斜視図である。
【図7】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第6実施例を示す図で、(a)はその斜視図、
(b)はその成形金型内の状態を示す要部断面図、
(c)は従来のミラーの成形金型内の状態を示す要部断
面図である。
【図8】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第9実施例〜第13実施例を示す図で、(a)はそ
の第9実施例の斜視図、(b)はその第10実施例の斜視
図、(c)はその第11実施例の斜視図、(d)はその第
12実施例の正面図、(e)はその第13実施例の正面図で
ある。
【図9】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第14実施例および第15実施例を示す図で、(a)
はその第14実施例の斜視図、(b)は同実施例の金型の
一部展開図、(c)はその金型の他の態様を示す一部展
開図、(d)は第15実施例の斜視図である。
【図10】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第16実施例を示すその斜視図である。
【図11】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第17実施例〜第19実施例を示す図で、(a)はそ
の第17実施例の斜視図、(b)はその第18実施例の断面
図、(c)はそのを第19実施例の一部除去した斜視図で
ある。
【図12】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第20実施例を示すその斜視図である。
【図13】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第21実施例を示す図で、(a)はその斜視図、
(b)はその上面図、(c)はその一部側面図、(d)
はその他の例の一部側面図、(e)はそのさらに他の例
の一部側面図である。
【図14】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第22実施例を示すその要部断面図である。
【図15】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の第23実施例を示す図で、(a)はその斜視図、
(b)はその要部断面図である。
【図16】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の光走査装置の第1実施例を示す図で、(a)はそ
の全体斜視図、(b)はその要部断面図、(c)はその
他の例の要部断面図である。
【図17】図16の光走査装置の全体斜視図である。
【図18】本発明の回転偏向素子を回転偏向ミラーとした
場合の光走査装置の第2実施例を示す図で、(a)はそ
の全体斜視図、(b)はその要部断面図、(c)はその
要部の他の態様を示す断面図である。
【図19】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズと
した場合の第1実施例を示すその斜視図である。
【図20】図19の回転偏向レンズのレンズ部が凸レンズで
あるとしたときの作用説明図である。
【図21】図19の回転偏向レンズのレンズ部が凹レンズで
あるとしたときの作用説明図である。
【図22】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズと
した場合の第2実施例を示すその斜視図である。
【図23】図22の回転偏向レンズの詳細構成図で、(a)
はその平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)
は(a)のB−B断面図である。
【図24】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズと
した場合の第3実施例を示すその斜視図である。
【図25】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズと
した場合の第4実施例を示すその要部断面図である。
【図26】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズと
した場合の第5実施例を示す図で、(a)はその正面
図、(b)その斜視図である。
【図27】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズと
した場合の第6実施例および第7実施例を示す図で、
(a)はその第6実施例の断面図、(b)はその第7実
施例の断面図である。
【図28】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズと
した場合の第8実施例を示すその斜視図である。
【図29】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズと
した場合の第9実施例を示すその要部断面図である。
【図30】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズと
した場合の第10実施例を示すその要部断面図である。
【図31】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズと
した場合の光走査装置の一実施例を示すその斜視図であ
る。
【図32】図31の光走査装置の構成を示す正面断面図であ
る。
【図33】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第1実施例を示す図で、(a)はその
斜視図、(b)はその要部断面図、(c)はその要部拡
大斜視図である。
【図34】図33に示す回転偏向レンズミラーを金型から取
出す状態を示す図で、(a)はその要部断面図、(a)
はその従来の断面図である。
【図35】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第2実施例を示すの要部斜視図であ
る。
【図36】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第3実施例を示す図で、(a)はその
斜視図、(b)はその平面図、(c)は図(b)のA−
A断面図である。
【図37】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第4実施例の要部断面図である。
【図38】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第5実施例を示す図で、(a)はその
要部断面図、(b)はその他の要部断面図である。
【図39】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第6実施例の要部断面図である。
【図40】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第7実施例の要部断面図である。
【図41】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第9実施例の斜視図である。
【図42】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第10実施例の斜視図である。
【図43】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第11実施例および第12実施例を示す図
で、(a)はその第11実施例の一部断面正面図、(b)
はその第12実施例の一部除去した斜視図である。
【図44】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第13実施例の斜視図である。
【図45】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第14実施例の要部断面図である。
【図46】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第15実施例の要部断面図である。
【図47】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第16実施例の斜視図である。
【図48】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第17実施例を示す図で、(a)はその
斜視図、(b)はその要部拡大図、(c)(d)はその
要部の他の態様を示す拡大図である。
【図49】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第18実施例を示す図で、(a)はその
斜視図、(b)はその平面図である。
【図50】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第19実施例をを示す図で、(a)はそ
の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその作用を示
す要部拡大断面図である。
【図51】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第20実施例をを示す図で、(a)はそ
の斜視図、(b)はその金型の一部展開図、(c)はそ
の他の例の一部展開図である。
【図52】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第21実施例をの斜視図である。
【図53】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第22実施例を示すその斜視図である。
【図54】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の第23実施例および第24実施例を示す図
で、(a)はそ第23実施例の要部断面図、(b)はその
第24実施例の要部断面図である。
【図55】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の光走査装置の第1実施例を示す図で、
(a)はその概略斜視図、(b)はその要部断面図であ
る。
【図56】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の光走査装置の第2実施例を示す図で、
(a)はその概略斜視図、(b)はその要部断面図であ
る。
【図57】本発明に係る回転偏向素子を回転偏向レンズミ
ラーとした場合の光走査装置の第3実施例を示す図で、
(a)はその概略斜視図、(b)はその要部断面図であ
る。
【図58】従来の回転偏向ミラーを示す図で、(a)はそ
の全体斜視図、(b)は、その薄型モータへの取付け状
態を示す概略断面図、(c)はその回転軸の寸法精度を
示すグラフ、(d)はその細長型モータへの取付け状態
を示す概略断面図、(e)はその回転軸の寸法精度を示
すグラフである。
【図59】従来の回転偏向ミラーを示す図で、(a)はそ
の樹脂材料の中心部に金属を挿入時の室温での形状を示
す一部平面図、(b)は図(a)において、温度上昇後
の形状を示す一部平面図、(c)は、その鏡面が垂直時
の走査線の状態を示す一部斜視図、(d)はその鏡面に
テーパを付した時の走査線の状態を示す一部斜視図であ
る。
【符号の説明】
11、21、31、41、51、61、71、81、91、101、111、12
1、131、141、151、161、171、181、191、201、211、22
1、231 回転偏向ミラー(回転偏向素子) 11A 円板状体 12 曲面部 12A 下面の曲面部 15 円錐曲線 16 直線 18 鏡面 19 レーザビーム(光ビーム) 33 平面(回転軸対称面) 64、74 保護膜 72 樹脂 73 金属膜 102 シャフト(シャフト状の金属支持部材) 113 内側金属リング(環状の金属支持部材) 123 外側金属リング 133 金属板 153 平坦面 154 鏡面入駒 163 リブ 183 シャフト 193 きざみ目(溝) 203 リブ 204 内側リブ 213 外面取り(面取り部) 214 内面取り(面取り部) 223、233 走査域 224、234 非走査域 225 面取り 241、251 光走査装置 243 シャフト(回転軸) 244 モータ 245 半導体レーザ(レーザ投射器) 301、311、321、331、341、351、361、371、381、391
回転偏向レンズ(回転偏向素子) 301A 円板状体 302、312、322、332、342、352、362、372、382、392
レンズ面 303、313、323、333、343、353、363、373、383、393
レンズ部(曲面部) 354 金属シャフト(シャフト状の金属支持部材) 354a Dカット 364 金属リング(環状の金属支持部材) 374、375 環状のリブ 384、385 界面(光散乱面又は黒色の光吸収面) 394、395 悲壮さ領域の光散乱面又は黒色の光吸収面 401 光走査装置 403 シャフト(回転軸) 404 モータ 405 半導体レーザ(レーザ投射器) 450 シリンダ状感光体 411、421、431、441、451、461、471、481、491、501、
511、521、531、541、551、561、566、571、581、591、
601、611、617、621、631、641 回転偏向レンズミラ
ー(回転偏向素子) 411A 円板状体 415 円錐曲線 416 上曲面(曲面部) 417 下面 418 鏡面 418A 保護膜 419 レーザービーム(光ビーム) 419A 走査線 453、473 放物線 454、457 円 456、463、464 楕円 474 平面 483 シャフト(金属支持部材) 503 内部金型リング(金属支持部材) 533 金属板 543 フィルム 553、154 リブ 563 外面取り(面取り部) 564 内面取り(面取り部) 573、613 走査域(所定入射領域) 574 非走査域(所定入射領域の外) 575 面取り(面取り部) 593 境界線 603 反射防止膜 614 非走査域(所定入射領域の外、光ビームが反射
される領域) 615 金属膜 616 保護膜 621、631、641 光走査装置 624 モータ 625 半導体レーザ(光投射器) O 中心軸線

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円板状体の軸方向両面のうち少なくとも一
    方の面側に凸面又は凹面を形成する1つ以上の曲面部を
    有するとともに、 該曲面部が前記円板状体の所定半径位置で所定の投光経
    路と交わるよう前記円板状体がその中心軸回りに回転可
    能に支持され、 前記曲面部により前記投光経路からの光ビームを偏向
    し、かつ、前記中心軸回りの回転に伴って該偏向の角度
    を変化させることを特徴とする回転偏向素子。
  2. 【請求項2】前記凸面又は凹面が前記円板状体の所定半
    径位置で円錐曲線を有する面であることを特徴とする請
    求項1記載の回転偏向素子。
  3. 【請求項3】前記凸面又は凹面が前記円板状体の周方向
    の任意の位置で該円板状体の中心軸と交わる直線を有す
    る面であることを特徴とする請求項1又は2記載の回転
    偏向素子。
  4. 【請求項4】前記円錐曲線が楕円であることを特徴とす
    る請求項2記載の回転偏向素子。
  5. 【請求項5】前記円錐曲線が双曲線であることを特徴と
    する請求項2記載の回転偏向素子。
  6. 【請求項6】前記円板状体の軸方向両面のうち他方の面
    が平面であることを特徴とする請求項1記載の回転偏向
    素子。
  7. 【請求項7】前記円板状体がアルミニウム、アルミニウ
    ム合金、銅および銅合金のうち何れか1つの金属材料で
    形成された部分を有することを特徴とする請求項1記載
    の回転偏向素子。
  8. 【請求項8】前記円板状体が高アスペクト比の充填材を
    1つ以上充填した複合樹脂材料で形成された部分を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の回転偏向素子。
  9. 【請求項9】前記円板状体が軸中心部にシャフト状又は
    環状の金属支持部材を一体的に設けてなることを特徴と
    する請求項1記載の回転偏向素子。
  10. 【請求項10】前記円板状体の外周部に、円板状体の中
    心軸部と同軸な外側金属リングを一体的に設けたことを
    特徴とする請求項1記載の回転偏向素子。
  11. 【請求項11】前記円板状体と一体的に設ける金属支持
    部材又は外側金属リングの樹脂と接する面に、ローレッ
    ト加工又は溝加工を施したことを特徴とする請求項9又
    は10記載の回転偏向素子。
  12. 【請求項12】前記円板状体が内周部および外周部のう
    ち少なくとも一方に環状のリブを有することを特徴とす
    る請求項1記載の回転偏向素子。
  13. 【請求項13】前記曲面部が前記円板状体内に設けられ
    た凸レンズ又は凹レンズによって形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の回転偏向素子。
  14. 【請求項14】前記円板状体および前記曲面部が同一の
    透明樹脂材料からなることを特徴とする請求項1又は1
    3記載の回転偏向素子。
  15. 【請求項15】前記透明樹脂材料が非晶質材料であるこ
    とを特徴とする請求項14記載の回転偏向素子。
  16. 【請求項16】前記凸レンズ又は凹レンズと前記円板状
    体との界面が光散乱面又は黒色の光吸収面であることを
    特徴とする請求項13記載の回転偏向素子。
  17. 【請求項17】前記凸レンズ又は凹レンズのレンズ面
    に、前記光ビームが散乱、吸収又は反射される領域を設
    けたことを特徴とする請求項13記載の回転偏向素子。
  18. 【請求項18】請求項13記載の回転偏向素子と、該回
    転偏向素子の軸中心部を該軸方向に長い回転軸を介して
    回転可能に保持するモータと、前記回転偏向素子の曲面
    部の円錐曲線が前記投光経路に対し対称となるようにレ
    ーザビームを前記回転偏向素子に投射するレーザ投射器
    と、を備え、 前記曲面部を形成する凸レンズ又は凹レンズによりレー
    ザビームを走査することを特徴とする光走査装置。
  19. 【請求項19】前記曲面部が鏡面を構成することを特徴
    とする請求項1記載の回転偏向素子。
  20. 【請求項20】前記円板状体の軸方向両面のうち他方の
    面が、前記円板状体の中心軸を含む任意の断面において
    該中心軸に対し対称な外形線を有することを特徴とする
    請求項19記載の回転偏向素子。
  21. 【請求項21】前記円板状体を、樹脂、熱伝導性部材を
    含有する熱伝導樹脂および強度強化性部材を含有する強
    化樹脂の何れかから少なくとも1つ以上の樹脂部材を用
    いて成形するとともに、 前記曲面部に金属膜からなる前記鏡面を形成し、 該鏡面上を保護膜により覆ったことを特徴とする請求項
    19記載の回転偏向素子。
  22. 【請求項22】前記樹脂が非晶質材料およびその複合材
    料のうち何れか1つであることを特徴とする請求項21
    記載の回転偏向素子。
  23. 【請求項23】前記樹脂が液晶ポリマーおよびその複合
    材料のうち何れか1つであることを特徴とする請求項2
    1記載の回転偏向素子。
  24. 【請求項24】前記円板状体の前記鏡面と反対側の面
    に、円板状の金属板を一体的に設けたことを特徴とする
    請求項21記載の回転偏向素子。
  25. 【請求項25】前記円板状体が前記鏡面と反対側の面に
    前記鏡面形状に対応する曲面を有し、周方向各部の肉厚
    の変化を少なくしたことを特徴とする請求項21記載の
    回転偏向素子。
  26. 【請求項26】前記円板状体が周方向に隣り合う複数の
    前記曲面部を有し、 これら曲面部間に設けた連結部に溝および平坦面のうち
    何れかを形成したことを特徴とする請求項21記載の回
    転偏向素子。
  27. 【請求項27】前記円板状体が前記鏡面と反対の面側に
    リブを有することを特徴とする請求項21記載の回転偏
    向素子。
  28. 【請求項28】前記リブを前記複数の曲面部間の境界線
    に対向する位置に設けたことを特徴とする請求項27記
    載の回転偏向素子。
  29. 【請求項29】前記鏡面が前記連結部において互いに離
    間していることを特徴とする請求項26記載の回転偏向
    素子。
  30. 【請求項30】前記円板状体がその外周部および内周部
    のうち少なくとも一方に面取り部を有することを特徴と
    する請求項8又は21記載の回転偏向素子。
  31. 【請求項31】前記面取り部が前記光ビームを偏向する
    前記曲面部の所定領域の外に形成されたことを特徴とす
    る請求項30記載の回転偏向素子。
  32. 【請求項32】前記光ビームを偏向する前記曲面部の所
    定領域にのみ前記鏡面を形成したことを特徴とする請求
    項21記載の回転偏向素子。
  33. 【請求項33】請求項21記載の回転偏向素子と、該回
    転偏向素子の軸中心部を該軸方向に長い回転軸を介して
    回転可能に保持するモータと、前記回転偏向素子の曲面
    部の円錐曲線が前記投光経路に対し対称となるようにレ
    ーザビームを前記回転偏向素子に投射するレーザ投射器
    と、を備え、 前記曲面部の鏡面によりレーザビームを反射するととも
    に放射走査することを特徴とする光走査装置。
  34. 【請求項34】透明樹脂からなる前記円板状体の軸方向
    両面のうち少なくとも一方の面側に前記曲面部を1つ以
    上形成するとともに、 前記円板状体の軸方向両面のうち他方の面側に前記円板
    状体がレンズ機能を有するよう前記曲面部に対応した曲
    面又は平面を形成し、 該他方の面上に鏡面を形成して、 前記光ビームを前記曲面部側から前記円板状体内に入射
    して前記鏡面により反射し、再び円板状体内を通し曲面
    部から偏向方向に放射することを特徴とする請求項14
    記載の回転偏向素子。
  35. 【請求項35】前記曲面部が凸面を形成するとともに、
    前記下面が該凸面に対応する凹面を有し、 該凸面および凹面がともに前記円板状体の所定半径位置
    で同一半径の円弧である円錐曲線を有し、 両円錐曲線の中心が前記円板状体の円周方向および軸方
    向に互いにずれていることを特徴とする請求項34記載
    の回転偏向素子。
  36. 【請求項36】前記曲面部が凸面を形成するとともに、
    前記下面が該凸面に対応する凹面を有し、 該凸面および凹面がともに前記円板状体の所定半径位置
    で同一中心点の円弧である円錐曲線を有し、 前記凸面の円錐曲線の半径に対して前記凹面の円錐曲線
    の半径が小さいことを特徴とする請求項34記載の回転
    偏向素子。
  37. 【請求項37】前記曲面部が凸面を形成するとともに、
    前記下面が該凸面に対応する凹面を有し、 前記円板状体の所定半径位置における該凸面の円錐曲線
    が楕円、双曲線又は放物線の何れかで、 前記円板状体の所定半径位置における該凹面の円錐曲線
    が円であることを特徴とする請求項34記載の回転偏向
    素子。
  38. 【請求項38】前記曲面部が凸面を形成するとともに、
    前記下面が該凸面に対応する凹面を有し、 前記円板状体の所定半径位置における該凸面および該凹
    面の円錐曲線の両者がともに楕円、双曲線又は放物線で
    あることを特徴とする請求項34記載の回転偏向素子。
  39. 【請求項39】前記曲面部が凹面を形成するとともに、
    前記下面が平面であり、 前記円板状体の所定半径位置における該凹面の円錐曲線
    が楕円、双曲線又は放物線の何れかであることを特徴と
    する請求項34記載の回転偏向素子。
  40. 【請求項40】前記円板状体の平面に形成された前記下
    面に円板状の金属板を固着したことを特徴とする請求項
    6、34又は39記載の回転偏向素子。
  41. 【請求項41】前記円板状体の平面に形成された前記下
    面に、鏡面を有する円板状のガラス、金属、樹脂および
    フィルムのうち何れか1つを、該鏡面側を前記下面側に
    向けて密着させたことを特徴とする請求項6、34又は
    39記載の回転偏向素子。
  42. 【請求項42】前記円板状体の曲面部側の外周部および
    内周部の少なくとも一方に、面取り部を有することを特
    徴とする請求項14又は34記載の回転偏向素子。
  43. 【請求項43】前記面取り部が前記光ビームを入射する
    前記曲面部の所定入射領域の外に形成されたことを特徴
    とする請求項42記載の回転偏向素子。
  44. 【請求項44】前記円板状体が周方向に隣り合う複数の
    前記曲面部を有し、 これら曲面部間に設けた連結部に溝、リブおよび平坦面
    のうち何れかを形成したことを特徴とする請求項14又
    は34記載の回転偏向素子。
  45. 【請求項45】前記円板状体が周方向に隣り合う複数の
    前記曲面部を有し、 これら曲面部間の境界線に対向する部位において前記鏡
    面が互いに離間していることを特徴とする請求項34記
    載の回転偏向素子。
  46. 【請求項46】前記曲面部上に反射防止膜を形成し、前
    記下面を覆う保護膜を形成したことを特徴とする請求項
    34記載の回転偏向素子。
  47. 【請求項47】前記光ビームを偏向する所定領域にのみ
    前記鏡面を形成したことを特徴とする請求項34記載の
    回転偏向素子。
  48. 【請求項48】請求項34記載の回転偏向素子と、該回
    転偏向素子の軸中心部を支持し、軸方向に長い回転軸を
    回転可能に保持するモータと、前記回転偏向素子の曲面
    部の円錐曲線が前記投光経路に対し対称となるように前
    記回転偏向素子に光ビームを投射可能な光投射器と、を
    備え、 回転する前記回転偏向素子の曲面部に入射した光ビーム
    を下面上の鏡面で反射し、前記曲面部より放射走査する
    ことを特徴とする光走査装置。
  49. 【請求項49】前記レーザビームが前記回転偏向素子の
    中心軸に平行な方向から前記回転偏向素子に入射するよ
    うにしたことを特徴とする請求項18、33又は48記
    載の光走査装置。
JP26827892A 1992-02-21 1992-10-07 回転偏向素子およびこれを用いた光走査装置 Pending JPH05307149A (ja)

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JP4-45012 1992-02-21
JP4-33810 1992-02-21
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