JPH05306453A - 高強度めっき鋼線材の製造法 - Google Patents
高強度めっき鋼線材の製造法Info
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- JPH05306453A JPH05306453A JP13781492A JP13781492A JPH05306453A JP H05306453 A JPH05306453 A JP H05306453A JP 13781492 A JP13781492 A JP 13781492A JP 13781492 A JP13781492 A JP 13781492A JP H05306453 A JPH05306453 A JP H05306453A
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- Japan
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- bath
- zinc
- wire rod
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Abstract
(57)【要約】
【目的】良好な耐食性と高強度を兼ね備えためっき鋼線
材を能率よく安価に生産する方法を提供することにあ
る。 【構成】冷間引き抜き鋼線材に平均厚みが10〜100
μmの耐食めっきを施す方法であって、鋼線材を前処理
後フラックス処理を施し、浴温度395〜430℃、ア
ルミニウム4〜6重量%を含む亜鉛−アルミニウム合金
めっき浴中を線速20〜50m/minで通過させて一浴め
っきする。
材を能率よく安価に生産する方法を提供することにあ
る。 【構成】冷間引き抜き鋼線材に平均厚みが10〜100
μmの耐食めっきを施す方法であって、鋼線材を前処理
後フラックス処理を施し、浴温度395〜430℃、ア
ルミニウム4〜6重量%を含む亜鉛−アルミニウム合金
めっき浴中を線速20〜50m/minで通過させて一浴め
っきする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度めっき鋼線材の製
造法に関する。
造法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその技術的課題】強度部材として使用
される鋼線材たとえば、ACSR用鋼線、電話線用吊り
線、ケーブルなどの支持線、鉄道トロリー線のメッセン
ジャーケーブル、ロープ用素線などにおいては良好な耐
食性が要求される。このような特性を得るためのめっき
法として、従来、溶融亜鉛めっき法が用いられている
が、最近、より高い耐食性の要求に応ずるべく、特開昭
60−44563号公報などにおいて、亜鉛−アルミニ
ウム合金めっきを鋼線類に施すことが提案されている。
この亜鉛−アルミニウム合金めっきは、亜鉛めっきの2
倍の耐食性を有することから普及しつつあるが、従来の
亜鉛−アルミニウム合金めっきは、先行技術に示されて
いるように、下地めっきとして溶融純亜鉛めっきを施
し、次いで溶融亜鉛−アルミニウム合金めっきを施すい
わゆる二浴めっき法が採用されていた。しかし、溶融亜
鉛めっき法や二浴めっき法の下地用溶融亜鉛めっきにお
いては、めっき浴の温度が亜鉛の溶融点温度(419.4
℃)プラス30℃の450℃前後に保持され、この浴に
鋼線材を連続的に浸漬し、引き上げることでめっきが行
われる。この際に鋼線材はめっき浴中に長い時間浸漬さ
れるため、鋼線材はめっき浴の温度にまで上昇する。
される鋼線材たとえば、ACSR用鋼線、電話線用吊り
線、ケーブルなどの支持線、鉄道トロリー線のメッセン
ジャーケーブル、ロープ用素線などにおいては良好な耐
食性が要求される。このような特性を得るためのめっき
法として、従来、溶融亜鉛めっき法が用いられている
が、最近、より高い耐食性の要求に応ずるべく、特開昭
60−44563号公報などにおいて、亜鉛−アルミニ
ウム合金めっきを鋼線類に施すことが提案されている。
この亜鉛−アルミニウム合金めっきは、亜鉛めっきの2
倍の耐食性を有することから普及しつつあるが、従来の
亜鉛−アルミニウム合金めっきは、先行技術に示されて
いるように、下地めっきとして溶融純亜鉛めっきを施
し、次いで溶融亜鉛−アルミニウム合金めっきを施すい
わゆる二浴めっき法が採用されていた。しかし、溶融亜
鉛めっき法や二浴めっき法の下地用溶融亜鉛めっきにお
いては、めっき浴の温度が亜鉛の溶融点温度(419.4
℃)プラス30℃の450℃前後に保持され、この浴に
鋼線材を連続的に浸漬し、引き上げることでめっきが行
われる。この際に鋼線材はめっき浴中に長い時間浸漬さ
れるため、鋼線材はめっき浴の温度にまで上昇する。
【0003】ここで、製造対象の鋼線が高い引張り強度
を要求されないものである場合は上記処理条件でもあま
り問題はない。しかし、製造対象の鋼線が180kgf/mm
2を越えるような高い引張り強度である場合、材料とし
ての高強度鋼線材は、熱処理を施した後、冷間引き抜き
加工によって高強度化されるものであり、この高強度鋼
線材は加熱によって軟化し強度が低下する。図1は直径
3.0mmの冷間引き抜き鋼線を、ソルト浴中で20秒浸漬
後空中放冷した場合の加熱処理温度と引張り強さの関係
を示しており、300℃以上ことに400℃を越える温
度に長く加熱されると強度の低下が著しいことがわか
る。そして前記のように溶融亜鉛めっきは450℃前後
まで加熱される結果、高強度鋼線材は軟化が進行し、耐
食性は満足しえても肝心の強度特性が大きく低下するこ
とを避けられなかった。
を要求されないものである場合は上記処理条件でもあま
り問題はない。しかし、製造対象の鋼線が180kgf/mm
2を越えるような高い引張り強度である場合、材料とし
ての高強度鋼線材は、熱処理を施した後、冷間引き抜き
加工によって高強度化されるものであり、この高強度鋼
線材は加熱によって軟化し強度が低下する。図1は直径
3.0mmの冷間引き抜き鋼線を、ソルト浴中で20秒浸漬
後空中放冷した場合の加熱処理温度と引張り強さの関係
を示しており、300℃以上ことに400℃を越える温
度に長く加熱されると強度の低下が著しいことがわか
る。そして前記のように溶融亜鉛めっきは450℃前後
まで加熱される結果、高強度鋼線材は軟化が進行し、耐
食性は満足しえても肝心の強度特性が大きく低下するこ
とを避けられなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記のような問
題点を解消しようとするもので、その目的とするところ
は、良好な耐食性と高強度を兼ね備えためっき鋼線材を
能率よく安価に生産する方法を提供することにある。こ
の目的を達成するため本発明は、冷間引き抜き鋼線材に
平均厚みが10〜100μmの耐食めっきを施す方法で
あって、鋼線材を前処理後フラックス処理を施し、浴温
度395〜430℃でアルミニウム4〜6重量%を含む
亜鉛−アルミニウム合金めっき浴中を線速20〜50m/
minで通過させて一浴めっきする構成としたものであ
る。
題点を解消しようとするもので、その目的とするところ
は、良好な耐食性と高強度を兼ね備えためっき鋼線材を
能率よく安価に生産する方法を提供することにある。こ
の目的を達成するため本発明は、冷間引き抜き鋼線材に
平均厚みが10〜100μmの耐食めっきを施す方法で
あって、鋼線材を前処理後フラックス処理を施し、浴温
度395〜430℃でアルミニウム4〜6重量%を含む
亜鉛−アルミニウム合金めっき浴中を線速20〜50m/
minで通過させて一浴めっきする構成としたものであ
る。
【0005】以下本発明を添付図面に基いて説明する。
図2は本発明による高強度めっき鋼線材の製造工程を概
略的に示している。めっきする鋼線材aは、冷間引き抜
き加工された引張り強さ180kgf/mm2以上のものであ
り、一般にJIS規格SWRH82Bで示される硬鋼線
材ゃこれに強化元素を添加したものを原料線材として使
用し、これを鉛パテンティング処理し、冷間伸線加工さ
れたものである。1は鋼線材aの供給スイフト、2は溶
融鉛浴であり、400℃前後の温度に保持され、前工程
の伸線潤滑剤などをバーンアウトし、鋼線材表面の脱脂
を行い、次の水冷槽3において冷却する。5は15〜1
6%濃度の塩酸浴、6は水洗槽であり、鋼線材aは溶融
鉛浴2による処理で生成した薄い酸化膜などの異物が除
去され、水洗される。
図2は本発明による高強度めっき鋼線材の製造工程を概
略的に示している。めっきする鋼線材aは、冷間引き抜
き加工された引張り強さ180kgf/mm2以上のものであ
り、一般にJIS規格SWRH82Bで示される硬鋼線
材ゃこれに強化元素を添加したものを原料線材として使
用し、これを鉛パテンティング処理し、冷間伸線加工さ
れたものである。1は鋼線材aの供給スイフト、2は溶
融鉛浴であり、400℃前後の温度に保持され、前工程
の伸線潤滑剤などをバーンアウトし、鋼線材表面の脱脂
を行い、次の水冷槽3において冷却する。5は15〜1
6%濃度の塩酸浴、6は水洗槽であり、鋼線材aは溶融
鉛浴2による処理で生成した薄い酸化膜などの異物が除
去され、水洗される。
【0006】次に鋼線材aはフラックス槽7を通過する
ことによってフラックス処理が行われる。そして、この
ようにフラックス処理された鋼線材aは、乾燥炉8を通
過することによってフラックス中の水分が乾燥され、次
いでめっき浴9にシンカーロール10によって導かれめ
っきされる。ここで、めっき条件は、本発明では次のも
のとする。 めっき金属は、アルミニウムが重量比で4〜6%含む
亜鉛−アルミニウム合金であり、これを使用した一浴め
っきでめっきする。 めっき浴温度は、395〜430℃とする。 線速を20〜50m/minとする。
ことによってフラックス処理が行われる。そして、この
ようにフラックス処理された鋼線材aは、乾燥炉8を通
過することによってフラックス中の水分が乾燥され、次
いでめっき浴9にシンカーロール10によって導かれめ
っきされる。ここで、めっき条件は、本発明では次のも
のとする。 めっき金属は、アルミニウムが重量比で4〜6%含む
亜鉛−アルミニウム合金であり、これを使用した一浴め
っきでめっきする。 めっき浴温度は、395〜430℃とする。 線速を20〜50m/minとする。
【0007】フラックス法による一浴めっきで亜鉛−ア
ルミニウム合金めっきを採用することは、溶融亜鉛めっ
きや二浴式による溶融亜鉛下地めっきにおけるようなめ
っき層と鋼素地上にFe−ZnあるいはFe−Al−Z
nという金属化合物層をさせない利点がある。そして、
これらの条件を採用することによって、溶融めっ
きにより鋼線の受ける熱履歴温度を低くして強度低下を
抑制し、より高い強度のめっき鋼線とすることができ
る。詳述すると、めっき浴9をアルミニウム濃度が重量
比で4〜6%の範囲にする理由は、この範囲が最もよい
耐食性を示し、かつ、めっき時の溶融金属の流動性を高
くすることができ、さらに、ドロスの発生が少ないため
である。アルミニウム濃度が4%を下回る場合には、耐
食性が低下するため不可である。一方、アルミニウム濃
度が6%を超える場合、溶融金属の流動性が悪くなるた
め、めっき表面が粗くなったり、偏肉が発生しやすくな
る。したがって、上記アルミニウム濃度が必要である。
ルミニウム合金めっきを採用することは、溶融亜鉛めっ
きや二浴式による溶融亜鉛下地めっきにおけるようなめ
っき層と鋼素地上にFe−ZnあるいはFe−Al−Z
nという金属化合物層をさせない利点がある。そして、
これらの条件を採用することによって、溶融めっ
きにより鋼線の受ける熱履歴温度を低くして強度低下を
抑制し、より高い強度のめっき鋼線とすることができ
る。詳述すると、めっき浴9をアルミニウム濃度が重量
比で4〜6%の範囲にする理由は、この範囲が最もよい
耐食性を示し、かつ、めっき時の溶融金属の流動性を高
くすることができ、さらに、ドロスの発生が少ないため
である。アルミニウム濃度が4%を下回る場合には、耐
食性が低下するため不可である。一方、アルミニウム濃
度が6%を超える場合、溶融金属の流動性が悪くなるた
め、めっき表面が粗くなったり、偏肉が発生しやすくな
る。したがって、上記アルミニウム濃度が必要である。
【0008】次に、めっき浴温度と線速は鋼線の加熱に
よる軟化度合いに影響を与える。すなわち、鋼線の加熱
による軟化度合いは、到達温度と加熱保持時間の双方の
影響を受け、到達温度が高いほど、また加熱保持時間が
長いほど軟化は進行する。本発明においては、アルミニ
ウム濃度が重量比で4〜6%のめっき合金としたため、
溶融点温度を亜鉛と比べて約40℃低くすることができ
る。ただ、めっき浴温度が395℃を下回る温度では溶
融金属の流動性が悪いため、めっき外観が不安定とな
り、不可である。上限を430℃としたのは、これを上
回る温度では熱履歴温度が高くなり、材料の強度が低下
するからであり、より好ましい温度範囲は、400〜4
15℃である。線速は、上記のように鋼素地上にめっき
金属との金属間化合物層の生成がなく、また前記アルミ
ニウム濃度範囲から浴の流動性が高いため早くすること
ができるが、一方、めっき付着量10〜100μm(7
0〜700g/m2)の制御とも関連する。20m/min未
満では加熱保持時間が長くなるとともに、めっきが薄く
なり過ぎて所望される耐食性が発揮されない。50m/mi
nを超える線速では、加熱保持時間は短くてすむが、必
要とされるめっき厚み以上となる。したがって、20〜
50m/minであり、これを在めっき浴時間でいえば、1
0秒前後である。
よる軟化度合いに影響を与える。すなわち、鋼線の加熱
による軟化度合いは、到達温度と加熱保持時間の双方の
影響を受け、到達温度が高いほど、また加熱保持時間が
長いほど軟化は進行する。本発明においては、アルミニ
ウム濃度が重量比で4〜6%のめっき合金としたため、
溶融点温度を亜鉛と比べて約40℃低くすることができ
る。ただ、めっき浴温度が395℃を下回る温度では溶
融金属の流動性が悪いため、めっき外観が不安定とな
り、不可である。上限を430℃としたのは、これを上
回る温度では熱履歴温度が高くなり、材料の強度が低下
するからであり、より好ましい温度範囲は、400〜4
15℃である。線速は、上記のように鋼素地上にめっき
金属との金属間化合物層の生成がなく、また前記アルミ
ニウム濃度範囲から浴の流動性が高いため早くすること
ができるが、一方、めっき付着量10〜100μm(7
0〜700g/m2)の制御とも関連する。20m/min未
満では加熱保持時間が長くなるとともに、めっきが薄く
なり過ぎて所望される耐食性が発揮されない。50m/mi
nを超える線速では、加熱保持時間は短くてすむが、必
要とされるめっき厚み以上となる。したがって、20〜
50m/minであり、これを在めっき浴時間でいえば、1
0秒前後である。
【0009】上記のように、溶融亜鉛−アルミニウム合
金めっきの付着された鋼線材aはシンカーロール10を
経て上方に導かれ、合金めっき浴上に設けられている絞
り部11で付着量が調整されたのち、冷却装置12によ
って合金めっきが凝固冷却される。溶融めっきの絞り
は、木炭、アスベスト、あるいはガスグラベルなどの固
体絞りでもよいが、不めっきやめっき厚みの不均一(偏
肉)を回避し、めっき厚みが大きくなった部分の疲労特
性が劣化するのを防止する点からは、非酸化性ガスで絞
りを行うことが好ましい。図示のものでは、絞り部11
は、下部開口をめっき浴9に浸漬させた筒状のシールボ
ックス110からなり、頂部には鋼線材aの通過を許す
導孔111が設けられ、側部には図示しない供給源から
導かれた非酸化性ガスたとえば、窒素ガス、アルゴンガ
ス、プロパンガス、アンモニア分解ガスなどの導入部1
12が接続されている。シールボックス110内は外気
と遮断され、内部に導入部112から供給された非酸化
性ガスが充満し、一部が導孔111から流出することで
鋼線材aに付着した溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき
が絞られる。この場合、めっき付着量は非酸化性ガスに
よっても制御される。一般に非酸化性ガスの流量は、通
線する線条材1本当り3〜7l/minことに付着量レベ
ルの安定する4〜5l/minが適している。3l/min未
満の場合は、シールドボックス中の雰囲気を非酸化性に
保てないし、7l/minをこえる流量は不経済である。
金めっきの付着された鋼線材aはシンカーロール10を
経て上方に導かれ、合金めっき浴上に設けられている絞
り部11で付着量が調整されたのち、冷却装置12によ
って合金めっきが凝固冷却される。溶融めっきの絞り
は、木炭、アスベスト、あるいはガスグラベルなどの固
体絞りでもよいが、不めっきやめっき厚みの不均一(偏
肉)を回避し、めっき厚みが大きくなった部分の疲労特
性が劣化するのを防止する点からは、非酸化性ガスで絞
りを行うことが好ましい。図示のものでは、絞り部11
は、下部開口をめっき浴9に浸漬させた筒状のシールボ
ックス110からなり、頂部には鋼線材aの通過を許す
導孔111が設けられ、側部には図示しない供給源から
導かれた非酸化性ガスたとえば、窒素ガス、アルゴンガ
ス、プロパンガス、アンモニア分解ガスなどの導入部1
12が接続されている。シールボックス110内は外気
と遮断され、内部に導入部112から供給された非酸化
性ガスが充満し、一部が導孔111から流出することで
鋼線材aに付着した溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき
が絞られる。この場合、めっき付着量は非酸化性ガスに
よっても制御される。一般に非酸化性ガスの流量は、通
線する線条材1本当り3〜7l/minことに付着量レベ
ルの安定する4〜5l/minが適している。3l/min未
満の場合は、シールドボックス中の雰囲気を非酸化性に
保てないし、7l/minをこえる流量は不経済である。
【0010】実施例1 次に本発明の実施例を示す。JIS硬鋼線材SWRH8
2B(C:0.83wt%、Mn:0.71wt%を含む)、6.5
mmφに鉛パテンティング処理を施した後、冷間伸線加工
を行って、直径2.53mm、引張り強さ208kgf/mm2の
裸鋼線を製作し、これをめっき用の原線として、溶融亜
鉛めっき法(A)、第一浴として亜鉛めっきを行い第二浴
として亜鉛−アルミニウム合金めっきを行う二浴法
(B)、および一浴法の本発明法(E)(F)と比較法(C)(D)に
よってめっき処理した。めっきはいずれも付着量260
g/m2を狙って行った。このめっきは図2に示す工程で実
施した。いずれも、原線は前処理として、400℃の溶
融鉛浴での脱脂、濃度15%の塩酸による酸洗後、水洗
され、さらにフラックス処理を行い、熱風乾燥炉で乾燥
後、めっき浴に浸漬し、引き上げた。めっき浴の組成
は、(B)〜(F)の亜鉛−アルミニウム合金めっき浴のAl
濃度はすべて4.6wt%とした。続いて、ガス式絞り部
を使用し、窒素ガス、鋼線1本当り5l/minの条件で
めっき付着量を制御し、水冷ノズルを使用して水冷水4
5℃により凝固冷却させた。この結果を表1に示す。な
お、耐食性はJIS Z 2371の塩水噴霧試験によ
り赤錆発生までの時間を測定したデータである。なお、
延性、靭性はいずれのものも問題なかった。
2B(C:0.83wt%、Mn:0.71wt%を含む)、6.5
mmφに鉛パテンティング処理を施した後、冷間伸線加工
を行って、直径2.53mm、引張り強さ208kgf/mm2の
裸鋼線を製作し、これをめっき用の原線として、溶融亜
鉛めっき法(A)、第一浴として亜鉛めっきを行い第二浴
として亜鉛−アルミニウム合金めっきを行う二浴法
(B)、および一浴法の本発明法(E)(F)と比較法(C)(D)に
よってめっき処理した。めっきはいずれも付着量260
g/m2を狙って行った。このめっきは図2に示す工程で実
施した。いずれも、原線は前処理として、400℃の溶
融鉛浴での脱脂、濃度15%の塩酸による酸洗後、水洗
され、さらにフラックス処理を行い、熱風乾燥炉で乾燥
後、めっき浴に浸漬し、引き上げた。めっき浴の組成
は、(B)〜(F)の亜鉛−アルミニウム合金めっき浴のAl
濃度はすべて4.6wt%とした。続いて、ガス式絞り部
を使用し、窒素ガス、鋼線1本当り5l/minの条件で
めっき付着量を制御し、水冷ノズルを使用して水冷水4
5℃により凝固冷却させた。この結果を表1に示す。な
お、耐食性はJIS Z 2371の塩水噴霧試験によ
り赤錆発生までの時間を測定したデータである。なお、
延性、靭性はいずれのものも問題なかった。
【0011】
【表1】
【0012】この表1から本発明のめっき条件を採用す
ることによって、引張り強さのすぐれためっき鋼線が得
られることがわかる。
ることによって、引張り強さのすぐれためっき鋼線が得
られることがわかる。
【0013】実施例2 実施例1のJIS硬鋼線材SWRH82Bにおいて、Si
成分量のみを0.9%にした7.0mmφの線材に鉛パテンテ
ィング処理を施した後、冷間伸線加工を行って、直径
2.43mm、引張り強さ230kgf/mm2の裸鋼線を製作
し、これをめっき用の原線として3種のめっき法でめっ
きした。(G)は溶融亜鉛めっき法、(H)は二浴法、(I)は
本発明法である。(H)のめっき浴と(I)のめっき浴は、ア
ルミニウム濃度を4.6%とした。この結果を表2に示
す。
成分量のみを0.9%にした7.0mmφの線材に鉛パテンテ
ィング処理を施した後、冷間伸線加工を行って、直径
2.43mm、引張り強さ230kgf/mm2の裸鋼線を製作
し、これをめっき用の原線として3種のめっき法でめっ
きした。(G)は溶融亜鉛めっき法、(H)は二浴法、(I)は
本発明法である。(H)のめっき浴と(I)のめっき浴は、ア
ルミニウム濃度を4.6%とした。この結果を表2に示
す。
【0014】
【表2】
【0015】表2から明らかなように、本発明によれば
亜鉛めっき法に比較して約5%も高い引張り強さのめっ
き鋼線が得られることがわかる。この結果、同一強度の
鋼線を得るのに約5%の断面積の減少化が可能であり、
それによって各用途での軽量化を図ることができる。
亜鉛めっき法に比較して約5%も高い引張り強さのめっ
き鋼線が得られることがわかる。この結果、同一強度の
鋼線を得るのに約5%の断面積の減少化が可能であり、
それによって各用途での軽量化を図ることができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1と2によ
るときには、良好な耐食性と高い強度を持つめっき鋼線
を製造することができ、しかも、線速が早いため生産性
がよく、設備的にも二浴法に比べて安価ですむというす
ぐれた効果が得られる。
るときには、良好な耐食性と高い強度を持つめっき鋼線
を製造することができ、しかも、線速が早いため生産性
がよく、設備的にも二浴法に比べて安価ですむというす
ぐれた効果が得られる。
【図1】冷間引き抜き鋼線の加熱処理後の引張り強さの
変化を示す線図である。
変化を示す線図である。
【図2】本発明による亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼
線材のめっき法の工程の一例を示す説明図である。
線材のめっき法の工程の一例を示す説明図である。
7 フラックス槽 9 めっき浴 11 絞り部
Claims (2)
- 【請求項1】冷間引き抜き鋼線材に平均厚みが10〜1
00μmの耐食めっきを施す方法であって、鋼線材を前
処理後フラックス処理を施し、浴温度395〜430
℃、アルミニウム4〜6重量%を含む亜鉛−アルミニウ
ム合金めっき浴中を線速20〜50m/minで通過させて
一浴めっきすることを特徴とする高強度めっき鋼線材の
製造法。 - 【請求項2】亜鉛−アルミニウム合金めっき浴温度が4
00〜415℃である請求項1に記載の高強度めっき鋼
線材の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13781492A JPH05306453A (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 高強度めっき鋼線材の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13781492A JPH05306453A (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 高強度めっき鋼線材の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05306453A true JPH05306453A (ja) | 1993-11-19 |
Family
ID=15207483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13781492A Pending JPH05306453A (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 高強度めっき鋼線材の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05306453A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101102950B1 (ko) * | 2008-10-21 | 2012-01-09 | 안병준 | 도금층이 균일한 도금선재의 도금방법 |
WO2014022041A1 (en) * | 2012-08-01 | 2014-02-06 | Baker Hughes Incorporated | Corrosion-resistant resilient member |
EP3680507A1 (en) * | 2019-01-11 | 2020-07-15 | NV Bekaert SA | Method for making a spring |
-
1992
- 1992-04-30 JP JP13781492A patent/JPH05306453A/ja active Pending
Cited By (3)
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