JPH05305202A - 超臨界流体抽出装置 - Google Patents

超臨界流体抽出装置

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JPH05305202A
JPH05305202A JP11160092A JP11160092A JPH05305202A JP H05305202 A JPH05305202 A JP H05305202A JP 11160092 A JP11160092 A JP 11160092A JP 11160092 A JP11160092 A JP 11160092A JP H05305202 A JPH05305202 A JP H05305202A
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peripheral surface
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inner container
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誠 一宮
Osamu Kato
修 加藤
Hideo Nishida
英夫 西田
Hideki Yutaka
秀喜 豊
Mamoru Takenaka
守 竹中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置のコンパクト化を妨げず、またシール部
材の摩耗、損傷を促進することなく、内側容器を外側容
器内にスムーズに充填することを可能にする。 【構成】 外側容器10内に上から内側容器22を挿入
する。内側容器22の上端部近傍の外周面または外側容
器の下端部近傍の内周面に、両容器の間をシールするシ
ール部材30を設ける。上記内側容器22の下端部近傍
の外周面または外側容器10の上端部近傍の内周面に、
両容器10,22の接触を阻むガイド部材38を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体物質(例えば天然
物質、セラミックス)より所定の物質を抽出するための
超臨界流体抽出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、被処理物から所望の成分を抽出す
る手段として、超臨界流体を利用した技術が注目を集め
ている。
【0003】図7は、上記超臨界流体を利用した抽出装
置の一例を示したものである。
【0004】図において、90は筒状の外側容器であ
り、この外側装置90の上下が上蓋91及び下蓋92に
よって塞がれている。下蓋92には図略の超臨界流体導
入通路が設けられ、上蓋91には図略の超臨界流体排出
通路が設けられており、これらの通路を用いて外側容器
90内に超臨界ガスが下から上へ向かう方向に通される
ようになっている。そして、上蓋91を開けた状態で上
から内側容器93が挿入されるようになっている。
【0005】この内側容器93の上下には、流体のみを
通すフィルタが設けられ、この内側容器93の内部には
被処理物が収納可能とされている。この内側容器93の
下端部近傍の外周面には、緊張状態でリング状のシール
部材94が嵌められており、このシール部材94と外側
容器90の内周面との接触により、両容器90,93の
間がシールされるようになっている。
【0006】このようなシールがなされていることによ
り、下蓋92の超臨界流体導入通路から外側容器90内
に導入された超臨界流体は、内側容器93の外側を流れ
ることなくその内部に流入する。そして、この内側容器
93内の被処理物に含有される所定の成分が溶け込んだ
状態で内側容器93の上部フィルタ及び上蓋91の超臨
界流体排出通路を経て外側容器90の外部に導出され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記装置では、内側容
器93の下端部近傍にシール部材94が設けられてお
り、かつ内側容器93は外側容器90に対して上方から
挿入されるようになっているので、仮に外側容器90の
内径をすべて均一とすると、内側容器93を挿入する際
に上記シール部材94が外側容器90の内周面に長い領
域にわたって擦られることになり、この擦れによってシ
ール部材94の摩耗損傷が促進される不都合がある。
【0008】このような不都合を解消する手段として
は、上記図7に示されるように、外側容器90の上半部
の内径を下半部の内径よりも大きく設定し、この部分で
はシール部材94が外側容器90の内周面に接触しない
ようにすることが考えられる。しかし、このような構造
を採用すると、内側容器93を充填した状態で、この内
側容器93と外側容器90との間に図示されるようなデ
ッドスペース95が形成されることになり、装置のコン
パクト化の妨げとなる。また、シール部材94を単純に
内側容器93の上部に設けただけの構造では、この内側
容器93の挿入の際、同容器93の下端部が水平方向に
ぶれ、この下端部と上記外側容器90の内周面とが当っ
て両者が損傷するおそれがある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑み、装置の
コンパクト化を妨げず、またシール部材の摩耗、損傷を
促進することなく、内側容器を外側容器内にスムーズに
充填することができる超臨界流体の抽出装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部が密閉さ
れ、この内部に上下方向に超臨界流体が通される外側容
器と、この外側容器内に上から挿入され、上下部に上記
超臨界流体が通過可能なフィルタが設けられ、内部に被
処理物を収納する内側容器とを備えた超臨界流体抽出装
置において、上記内側容器の上端部近傍の外周面に、上
記外側容器の内周面との接触によりこの外側容器と上記
内側容器との間をシールするシール部材を設けるととも
に、上記内側容器の下端部近傍の外周面に、両容器より
も柔らかい材質を有し、上記内側容器の外周面と上記外
側容器の内周面との接触を阻止するガイド部材を設けた
ものである(請求項1)。
【0011】また、上記外側容器の下端部近傍の内周面
に、上記内側容器の外周面との接触により上記シール部
材を設けるとともに、上記外側容器の上端部近傍の内周
面に上記ガイド部材を設けるようにしてもよい(請求項
2)。
【0012】上記シール部材の具体的な材質としては、
上記超臨界流体として二酸化炭素ガスを用いる場合、引
張強度が250kgf/cm2以上の材料やガス透過率が10000cc/
cm2/mm/s/cmHg以上の材料で形成したものが好適である
(請求項3,4)。
【0013】
【作用】まず、請求項1記載の装置によれば、内側容器
の挿入の際、この内側容器に設けられたガイド部材が同
容器の下端部近傍の外周面と外側容器の内周面との間に
介在することにより、両者の接触が阻止される。そし
て、内側容器の大部分が外側容器内に挿入された時点で
ようやくシール部材が外側容器の内周面と接触し、最終
の状態では、このシール部材と外側容器の内周面との接
触で、両容器間のシールが果たされる。
【0014】また、請求項2記載の装置においても、内
側容器の挿入の際に同容器の外周面と外側容器の内周面
との間にガイド部材が介在することにより、この内側容
器は外側容器と接触することなく下方へ挿入され、その
大部分が挿入された時点でようやく内側容器の下端部外
周面がシール部材に接触することとなる。
【0015】さらに、請求項3,4記載の装置によれ
ば、上記超臨界流体として二酸化炭素ガスを用いた場
合、ブリスター現象が未然に防がれる。ここでブリスタ
ー現象とは、高圧状態でシール部材に流体が侵入した
後、減圧しても上記流体が抜け切れず、シール部材が膨
潤する現象をいい、この膨潤性の有無は、流体漏れを防
ぐ上で非常に重要なファクタとされているものである。
【0016】
【実施例】
i)第1実施例(図1〜図4) ここに示される装置は、金属等からなる円筒状の外側容
器10を備え、この外側容器10の上下開口は上蓋12
及び下蓋14で塞がれるようになっている。上蓋12の
中央には超臨界流体排出通路16が、下蓋14の中央に
は超臨界流体導入通路18がそれぞれ上下方向に貫設さ
れている。また、両蓋12,14において外側容器10
の開口部に嵌着される部分には、それぞれリング状のシ
ール部材20が外嵌されており、これらのシール部材2
0と外側容器10の内周面との接触によって、外側容器
10内の密封が図られている。
【0017】この外側容器10内には、上記上蓋12を
外した状態で、上から内側容器22が挿入されるように
なっている。この内側容器22の本体は金属等で筒状に
形成され、その上下部に、流体のみを通過させるフィル
タ24,26が設けられており、この内側容器22の内
部には固形状の被処理物28が充填可能となっている。
さらに、この装置の特徴として、上記内側容器22の
上端部近傍の外周面に、上下一対のリング状シール部材
30が装着されている。詳しくは、上記内側容器22の
上端部近傍の外周面に、図2に示されるような溝34が
周方向に形成されており、この溝34内に上記シール部
材30が引張状態で嵌め込まれている。
【0018】このシール部材30は、図4に示されるよ
うに、U字の形よりもさらに内側に湾曲した形状の板バ
ネ32の外側にゴムや樹脂等のシール材31が固定され
た二重構造となっており、このシール材31の両端部外
面にはシール用の突起33が突設されている。このシー
ル部材30は、通常は上記バネ32の本来の形状通り両
端部が若干閉じた形状となっているが(図4の実線)、
図2に示されるような装着状態で外側容器10内の圧力
が高まることにより、この圧で上記バネ32の弾発力に
抗して上記両端部が開き(図4の二点鎖線)、図2に示
されるように上記溝34の外周面と外側容器10の内周
面とに圧接するようになっている。
【0019】一方、内側容器22の下端部近傍の外周面
には、両容器10,22の材質よりも柔らかい材料、例
えばテフロン樹脂等で形成されたリング状のガイド部材
38が固定されている。このガイド部材38は、図3に
示されるように、上記内側容器22の外周面に形成され
た段部36内に嵌め込まれた状態で同段部36に固定さ
れており、その角部は面取りされている。
【0020】次に、この装置の作用を説明する。
【0021】まず、内側容器22内に被処理物28を充
填するとともに、外側容器10から上蓋12を外してお
き、この外側容器10内に上記内側容器22を上から挿
入する。
【0022】この挿入の際、内側容器22の下端部近傍
の外周面と外側容器10の内周面との間にガイド部材3
8が介在することにより、両容器10,22の接触が阻
まれ、内側容器22は、その下端部が水平方向にぶれる
ことなく真っ直ぐ下方にスムーズに外側容器10内に挿
入されていく。一方、シール部材30は、内側容器22
の大部分が外側容器10内に挿入された時点でようやく
外側容器10の内周面と接触し始め、完全に挿入された
状態では、上記接触によって両容器10,22の間をシ
ールする。その後、上蓋12を外側容器10の上端開口
部に装着することにより、被処理物のセットが完了し、
図1に示される状態となる。
【0023】この状態から、超臨界流体を下蓋14の超
臨界流体導入通路18から外側容器10内に導入する
と、この超臨界流体は上記シール部材30の存在により
外側容器10と内側容器22との間を突き抜けることは
できず、流体の略全部がフィルタ26を通って内側容器
22内に導入される。そして、この内側容器22内の被
処理物28が含有する所望の物質が上記超臨界流体に溶
け込んだ状態で、この超臨界流体がフィルタ24を通っ
て内側容器22の外部に排出され、さらに超臨界流体排
出通路16を通じて外側容器10の外部に導出される。
【0024】このような装置によれば、シール部材30
が内側容器22の上端部近傍に設けられているので、こ
の内側容器22が外側容器10に対して上から挿入され
ても、この挿入の際にシール部材30が外側容器10の
内周面と摺接する領域は極めて僅かであり、よってこの
摺接によるシール部材30の摩耗損傷はほとんどない。
しかも、この内側容器22の下端部近傍には、両容器1
0,22よりも柔らかい材料からなるガイド部材38が
設けられているので、このガイド部材38が内側容器2
2を正しく下方に案内し、この容器22と外側容器10
との接触を阻むことにより、容器10,22同士の当接
による両容器10,22の損傷が未然に防がれる。
【0025】なお、本発明は、この実施例に示されるよ
うに超臨界流体が下から上へ通されるものに限らず、上
から下に通されるものであってもその効果を得ることか
できる。
【0026】また、上記シール部材30やガイド部材3
8の具体的な形状は問わず、例えばガイド部材38の場
合は、上記のようなリング状とせず、周方向に複数個に
分割したものを内側容器22の外周面にその周方向に並
べて配設するようにしてもよい。
【0027】ii)第2実施例(図5) 上記実施例では、内側容器22側にシール部材30及び
ガイド部材38の双方を装着したものを示したが、ここ
では外側容器10側に上記と同様のシール部材30及び
ガイド部材38を設けるようにしている。
【0028】具体的に、上記外側容器10の下端部近傍
の内周面には、凹部40が形成され、この凹部40内に
上記上下一対のシール部材30が固定されている。また
ガイド部材30は、外側容器10の上端部近傍の内周面
に固定されている。
【0029】このような装置においても、外側容器10
に対する内側容器22の挿入の際、ガイド部材36が案
内の役目を果たすことにより内側容器22のぶれは生じ
ず、両容器10,22の接触を生ずることなくスムーズ
に内側容器22の充填を行うことかできる。また、シー
ル部材30は内側容器22の大部分が外側容器10内に
挿入された時点からしかこの内側容器22と接触しない
ので、この接触により起因するシール部材30の摩耗損
傷が抑制される。
【0030】iii)シール部材の材質について 上記装置におけるシール部材30の材質(より詳しくは
シール材31の材質)としては、従来からシール用とし
て知られているものなどが適用可能であるが、このシー
ル部材にとって、膨潤性があるか否かは非常に重要なフ
ァクタである。すなわち、シール部材が膨潤するとその
本来の機能をなさなくなるため、このシール部材が比較
的膨潤しやすいものであると、その取替えを頻繁に行わ
なければならない不都合が生じる。一方、このような膨
潤性の有無をどのようにして判断するかは従来から大き
な課題とされているところである。
【0031】そこで本発明者等は、その材質について研
究を重ねた結果、引張強度及びガス透過率が上記膨潤性
に密接な関わりがあることを見い出し、上記超臨界流体
として二酸化炭素ガスを用いた場合、以下に詳述するよ
うな条件を満たすものが膨潤性の面から見て特に好適で
あることを突き止めた。
【0032】図6は、16種類のサンプルについての引
張強度及びガス透過率を示したものであり、表1は各サ
ンプルについて行った浸漬テストの結果を示したもので
ある。
【0033】
【表1】
【0034】膨潤性の具体的な判断基準として、まず、
亀裂の生じているものは使用が困難であるとして対象か
らはずすことができる。また、亀裂がなくても径の変化
率が20%以上のサンプルKは、繰返しの使用により亀
裂が生じる蓋然性があり、対象から外すことが好まし
い。すなわち、サンプルA〜C以外の材質は、膨潤性に
よる不都合があると判断することができる。
【0035】この結果と、図6とを照らし合わせると、
二酸化炭素を超臨界流体として用いた場合には、引張強
度が250kgf/cm2以上の材質、もしくはガス透過率が 100
00cc/cm2/mm/s/cmHg以上の材質がシール材に特に適して
いることがわかる。すなわち、この条件を満たす材料で
シール部材30を形成することにより、シール材に膨潤
を起こすことなく、良好なシール状態を長期にわたって
維持することができる。また、上記図7及び表1には示
していないが、引張強度が250kg/cm2以上である四フッ
化樹脂(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)からなるもの
も良好な結果が得られることが確認されている。
【0036】さらに、耐久テスト、すなわち各サンプル
を実際の運転条件(摺動を伴う条件)下においてその寿
命を調べる検査を行ったところ、上記四フッ化樹脂はシ
リコーンゴムの90倍、フッ素ゴムの6倍の耐久性を有
していることが確認できた。以上の結果をまとめると、
引張強度が250kg/cm2以上という条件、もしくはガス透
過率が10000cc/cm2/mm/s/cmHg以上という条件を満たす
四フッ化樹脂がシール部材の材質として最も好ましいも
のであるといえる。
【0037】なお、上記実施例において、上蓋12に装
着するシール部材20としては、図7(a)に示すよう
な樹脂性のUリング等が好適であり、このUリングを、
上蓋12に形成された凹部12a内に下向きに開口する
状態で挿入することにより、シールを行うことができ
る。ただしこの場合、超臨界流体として二酸化炭素ガス
を用いると、前記ブリスター現象の発生により、図7
(b)に示すように、容器内の加圧に起因して、シール
部材20の一部に外側容器10の内面と蓋12の外面と
の隙間内に入り込むような隆起部20aが形成され(い
わゆるフローティング)、これが成長することによりシ
ール性を阻害するおそれがある。特に、このフローティ
ングは、上記隙間の径方向寸法dや容器内圧力が大きく
なるほど顕著となるので、これらの場合にはその対処を
行うことが望ましい。
【0038】その手段の一例を以下に記す。図8は、上
記シール部材20の上方にこのシール部材20と同等も
しくはそれ以上の硬度(特にショア硬さ)をもつバック
アップリング40を嵌め込んだ様子を描いたものであ
る。このバックアップリング40は、JISにも規格さ
れているが、このJIS規格と異なり、バックアップリ
ング40の外径は外側容器10の内径と同等もしくはそ
れ以上に設定することが極めて望ましい。このようなバ
ックアップリング40を圧入してシール部材20の上面
に当てておくことにより、シール部材20のフローティ
ングを未然に防ぐことができる。
【0039】なお、このようなバックアップリング40
を用いても、外側容器10が内圧に起因して図9二点鎖
線に示すように径方向外側にふくらみ、バックアップ4
0と外側容器10との間に隙間ができてこの間にシール
部材20がフローティングするおそれがある場合には、
同図に示すように、バックアップリング40の内周面側
の下面にテーパー状の面取り部41を形成することが好
ましい。これにより、この面取り部41に形成された側
に積極的にシール部材20の内側部分を隆起させること
により、逆の外側部分がバックアップリング40と外側
容器10との隙間側にフローティングするのを抑えるこ
とができる。
【0040】また、このフローティング防止手段として
は、図10に示すような構造も有効である。この構造
は、上記上蓋12に形成した凹部12aの外周面上部を
テーパー状にするとともに、バックアップリング40の
上方に、上記テーパー面と合致するテーパー状の内周面
をもつマイタリング42が設けたものである。
【0041】このような構造によれば、内圧により外側
容器10の内周面が図の二点鎖線に示すように径方向に
膨らんでも、これに伴ってマイタリング42が上記テー
パー面に沿ってスライドし、外側容器10の内周面に接
触するため、外側容器10の内側に形成される隙間は上
記マイタリング42で微小に抑えられ、これによりフロ
ーティングも抑制される。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明は、外側容器内に上
から内側容器が挿入される超臨界流体抽出装置におい
て、内側容器の上端部近傍の外周面または外側容器の下
端部近傍の内周面にシール部材を設けるとともに、上記
内側容器の下端部近傍の外周面または外側容器の上端部
近傍の内周面にガイド部材を設けたものであるので、こ
のガイド部材によって両容器の当接を防ぎながら、装置
のコンパクト化を妨げることなく内側容器挿入時におけ
るシール部材と外側容器内周面との接触を最小限に抑え
ることができ、これに起因するシール部材の摩耗損傷を
防ぐことができる効果がある。
【0043】さらに、上記超臨界流体として二酸化炭素
ガスを用いる場合、上記シール部材を引張強度が250kgf
/cm2以上の材質やガス透過率が 10000cc/cm2/mm/s/cmHg
以上の材料で形成することにより、このシール部材が膨
潤することを未然に防ぎ、そのシール効果を長期にわた
って良好に保つことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における超臨界流体抽出装
置の断面正面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図1のB部拡大図である。
【図4】上記シール部材の断面正面図である。
【図5】本発明の第2実施例における超臨界流体抽出装
置の断面正面図である。
【図6】上記シール部材の浸漬テストにおける各サンプ
ルの引張強度とガス透過率とを示すグラフである。
【図7】(a)は上記超臨界流体抽出装置の上蓋と外側
容器とのシール構造の一例を示す断面図、(b)は
(a)のA部拡大図である。
【図8】上記シール構造にバックアップリングを設けた
様子を示す断面図である。
【図9】上記シール構造の変形例を示す断面図である。
【図10】上記シール構造の変形例を示す断面図であ
る。
【図11】従来の超臨界流体抽出装置の一例を示す断面
正面図である。
【符号の説明】
10 外側容器 16 超臨界流体排出通路 18 超臨界流体導入通路 22 内側容器 24,26 フィルタ 28 被処理物 30 シール部材 38 ガイド部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【請求項4】 請求項1または2記載の超臨界流体抽出
装置において、上記シール部材をガス透過率が 10000cc
/cm2/mm/s/cmHg以上の材料で形成したことを特徴とする
超臨流体抽出装置。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】この結果と、図6とを照らし合わせると、
二酸化炭素を超臨界流体として用いた場合には、引張強
度が250kgf/cm2以上の材質、もしくはガス透過率が 100
00×10~10×cc・mm/(cm2・s・cmHg)以上の材質がシール
材に特に適していることがわかる。すなわち、この条件
を満たす材料でシール部材20,30を形成することに
より、シール材に膨潤を起こすことなく、良好なシール
状態を長期にわたって維持することができる。また、上
記図7及び表1には示していないが、引張強度が250kg/
cm2以上である四フッ化樹脂(ポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂)からなるものも良好な結果が得られることが確
認されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】さらに、耐久テスト、すなわち各サンプル
を実際の運転条件(摺動を伴う条件)下においてその寿
命を調べる検査を行ったところ、上記四フッ化樹脂はシ
リコーンゴムの90倍、フッ素ゴムの6倍の耐久性を有
していることが確認できた。以上の結果をまとめると、
引張強度が250kg/cm2以上という条件、もしくはガス透
過率が10000×10~10×cc・mm/(cm2・s・cmHg)以上という
条件を満たすものがシール部材の材質として好適であ
り、特に四フッ化樹脂が最適であるといえる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊 秀喜 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 竹中 守 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が密閉され、この内部に上下方向に
    超臨界流体が通される外側容器と、この外側容器内に上
    から挿入され、上下部に上記超臨界流体が通過可能なフ
    ィルタが設けられ、内部に被処理物を収納する内側容器
    とを備えた超臨界流体抽出装置において、上記内側容器
    の上端部近傍の外周面に、上記外側容器の内周面との接
    触によりこの外側容器と上記内側容器との間をシールす
    るシール部材を設けるとともに、上記内側容器の下端部
    近傍の外周面に、両容器よりも柔らかい材質を有し、上
    記内側容器の外周面と上記外側容器の内周面との接触を
    阻止するガイド部材を設けたことを特徴とする超臨界流
    体抽出装置。
  2. 【請求項2】 内部が密閉され、この内部に上下方向に
    超臨界流体が通される外側容器と、この外側容器内に上
    から挿入され、上下部に上記超臨界流体が通過可能なフ
    ィルタが設けられ、内部に被処理物を収納する内側容器
    とを備えた超臨界流体抽出装置において、上記外側容器
    の下端部近傍の内周面に、上記内側容器の外周面との接
    触によりこの内側容器と外側容器との間をシールするシ
    ール部材を設けるとともに、上記外側容器の上端部近傍
    の内周面に、両容器よりも柔らかい材質を有し、上記外
    側容器の内周面と内側容器の外周面との接触を阻止する
    ガイド部材を設けたことを特徴とする超臨界流体抽出装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の超臨界流体抽出
    装置において、上記シール部材を引張強度が250kgf/cm2
    以上の材料で形成したことを特徴とする超臨海流体抽出
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の超臨界流体抽出
    装置において、上記シール部材をガス透過率が 10000cc
    /cm2/mm/s/cmHg以上の材料で形成したことを特徴とする
    超臨海流体抽出装置。
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