JPH0530518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、灰受け用の灰皿本体と、該本体の上
部開口を開閉すべく、摺動自在に支持されたスラ
イド蓋と、スライド蓋が灰皿本体の上部開口を閉
じた閉位置に存するとき該灰皿本体の上部開口側
の上縁部とスライド蓋の下面とを密着させるばね
部材とを有する自動車の灰皿に関するものであ
る。

従来技術 車内の適所、例えばドアのアームレストに付設
される上記形式の灰皿においては、スライド蓋に
より灰皿本体の上部開口を閉じたとき、ばね部材
によつて灰皿本体の上縁部とスライド蓋の下面を
密着させて灰皿本体内の密着度を高めることがで
きるので、その灰皿本体に火の付いたままの吸殻
が入つているときも、これを早期に消し、車室内
に煙がこもる不都合を防止することができる。

ところで、上述のように灰皿本体の上縁部とス
ライド蓋の下面とを密着させたとき、その密着性
を高めるには、スライド蓋下面をできるだけ平滑
に仕上げ、この下面と灰皿本体の上縁部との間に
隙間ができないようにする必要がある。ところ
が、スライド蓋の下面の面積はかなり大きなもの
であるため、その全体の表面平滑性を高めるよう
にスライド蓋を製作すると、そのコストが著しく
上昇する不都合を免れない。

また、スライド蓋を閉じたとき、この蓋の下面
と灰皿本体の上蓋部とを密着させるように構成す
ると、スライド蓋をスライドさせるとき、そのス
ライド蓋に対してばね部材の力が加えられるの
で、スライド蓋に大きな摺動抵抗が作用し、その
操作性が低下する。

目 的 本考案の目的は、上記従来の問題点を一挙に解
決した自動車の灰皿を提供することにある。

構 成 本考案は、上記目的を達成するため、冒頭に記
載した形式の灰皿において、スライド蓋が前記閉
位置を占めたとき、灰皿本体の前記上縁部に当接
する矩形状部分をスライド蓋の下面に突出形成
し、該矩形状部分の表面を、他のスライド蓋下面
部分よりも平滑に形成すると供に、スライド蓋の
スライド時に灰皿本体の上縁部に摺接し、スライ
ド蓋のスライド方向に延びるビードをスライド蓋
の下面に突出形成した構成を提案する。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に従つて詳細に説
明する。

第１図は自動車のドア１に付設されたアームレ
スト２に設けられている灰皿３の一例を示す外観
斜視図であり、第２図及び第３図は灰皿の断面図
である。

図示した灰皿３はアームレスト２に一体に固着
された支持枠体４を有し、この枠体４に灰受け用
の灰皿本体５が上下動可能に支持されている。ま
た灰皿本体５の上方にはスライド蓋６が位置し、
この蓋６は、その両側縁が枠体４のガイド溝（図
示せず）に摺動自在に嵌合し、矢印Ａ，Ｂで示す
水平な方向にスライドすることができる。第２図
はスライド蓋６が灰皿本体５の上部開口を閉じた
閉位置に存する状態を示しているが、この蓋６に
固設されたつまみ７を掴んで蓋６を矢印Ａ方向に
スライドさせれば、第３図に示す如く灰皿本体５
の上部開口が開放され、該本体５に吸殻８を投入
することができる。このように、スライド蓋６は
灰皿本体５の上部開口を開閉すべく、摺動自在に
支持されている。第２図及び第３図において、符
号９で示すものは枠体４に固定されたライターで
あり、１０で示すものは同じく枠体４に固定され
たランプである。

灰皿本体５の段部１１，１１と枠体４との間に
は、例えば図示する如き板ばね１２，１２から成
るばね部材が設けられている。スライド蓋６が第
２図のように灰皿本体５の上部開口を閉じた閉位
置に存するとき、灰皿本体５は蓋６によつて加圧
され、ばね１２の押上げ力に抗してわずかに下方
に押し込まれる。このため灰皿本体５はばね１２
の弾性力によつてスライド蓋６へ向けて付勢さ
れ、該本体５の上部開口側の上縁部１３の全周
と、スライド蓋６の下面１４とが互いに密着す
る。これにより灰皿本体５の内部は密閉され、こ
こに投入され吸殻８に火が付いていても、外部か
らの空気の補給が遮断され、吸殻８の火は早期に
消える。

ところで、灰皿本体５の上縁部１３とスライド
蓋６の下面１４との密着性を高めるには、下面１
４をできるだけ平滑に仕上げることが望ましい。
ところが、スライド蓋６の下面全体を平滑に仕上
げると、そのコストが上昇する。

そこで本考案においては、第４図及び第５図に
例示する如く、スライド蓋６が第２図のように閉
位置を占めたとき、灰皿本体５の上縁部１３に当
接する矩形状部分１５をスライド蓋下面１４に、
その他の下面部分よりも多少突出させて形成して
ある。そして、このように突出形成した矩形状部
分１５の表面を、他のスライド蓋下面部分よりも
高い精度で平滑に形成し、この部分１５を灰皿本
体５の上縁部１３に密着させるようにしている。
このようにすれば、灰皿本体５の上縁部１３とス
ライド蓋６を確実に密着させることができ、しか
もスライド蓋下面１４の全体を高い精度で平滑に
仕上げるよりもスライド蓋６の製作コストを低減
できる。

一方、スライド蓋６の下面１４、正確にはその
矩形状部分１５と、灰皿本体５の上縁部１３を密
着させるように構成すると、スライド蓋６をスラ
イドさせるとき、このスライド蓋６に対して板ば
ね１２の力が加わるので、スライド蓋６に大きな
摺動抵抗が作用してその操作性が低下するおそれ
がある。

そこで、本考案においては、第４図及び第５図
に例示するように、スライド蓋６の下面１４に、
そのスライド方向に延びるビード１６を突出形成
し、スライド蓋６のスライド時に、このビード１
６が灰皿本体５の上縁部１３に摺接するように構
成してある。かかる構成によれば、スライド蓋６
と灰皿本体５の上縁部１３との摺接面積が減少す
るので、スライド蓋６の摺動抵抗を低減でき、操
作者が楽にスライド蓋６を開閉操作できる利点が
得られる。

効 果 本考案によれば、スライド蓋を灰皿本体の上縁
部に密着させることができ、しかもそのスライド
蓋の製作コストを低減できる。のみならず、スラ
イド蓋のスライド時に生じる摺動抵抗を簡単な構
成によつて減少でき、その操作性を高めることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はアームレストに付設された灰皿を示す
外観斜視図、第２図は第１図の−線断面図、
第３図はスライド蓋を開いたときの、第２図と同
様な断面図、第４図はスライド蓋単体の下面側を
示す斜視図、第５図は第２図のＶ−Ｖ線断面図で
ある。 ３……灰皿、５……灰皿本体、６……スライド
蓋、１３……上縁部、１４……下面、１５……矩
形状部分、１６……ビード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 灰受け用の灰皿本体と、該本体の上部開口を開
   閉すべく、摺動自在に支持されたスライド蓋と、
   スライド蓋が灰皿本体の上部開口を閉じた閉位置
   に存するとき該灰皿本体の上部開口側の上縁部と
   スライド蓋の下面とを密着させるばね部材とを有
   する自動車の灰皿において、スライド蓋が前記閉
   位置を占めたとき、灰皿本体の前記上縁部に当接
   する矩形状部分をスライド蓋の下面に突出形成
   し、該矩形状部分の表面を、他のスライド蓋下面
   部分よりも平滑に形成すると共に、スライド蓋の
   スライド時に灰皿本体の上縁部に摺接し、スライ
   ド蓋のスライド方向に延びるビードを、スライド
   蓋の下面に突出形成したことを特徴とする灰皿。