JPH0530436B2 - - Google Patents

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JPH0530436B2
JPH0530436B2 JP62029338A JP2933887A JPH0530436B2 JP H0530436 B2 JPH0530436 B2 JP H0530436B2 JP 62029338 A JP62029338 A JP 62029338A JP 2933887 A JP2933887 A JP 2933887A JP H0530436 B2 JPH0530436 B2 JP H0530436B2
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JP
Japan
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yeast
suspension
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suspended
crude protein
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JP62029338A
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Keiji Ootsu
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Kirin Brewery Co Ltd
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Kirin Brewery Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0530436B2 publication Critical patent/JPH0530436B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の背景〕 技術分野 本発明は、酵母を処理してその粗たんぱく質含
量を高める方法に関する。 酵母は、主としてビール醸造工場での余剰酵母
として供給され、その含有たんぱく質、ビタミン
等に着目して、ヒト用保健薬、動物飼料等として
利用されている。 これらの用途では、酵母のたんぱく質、ビタミ
ン等の有価物はその含量が高いことが望ましいこ
とはいうまでもない。 しかし、たんぱく質含量についていえば、高糖
濃度培地で高酵母濃度で培養された覆歴を持つ工
業用エタノール製造業からの余剰酵母は、その点
で必ずしも満足すべきものではない。 そのようなところから、酵母のたんぱく質含量
を高めることができれば、稗益するところは大き
い。 先行技術 粗たんぱく質含量の低い酵母菌体のたんぱく質
含量を上げる方法として、遠心分離等の方法で回
収した菌体を水で適当な濃度に希釈して再び回収
することにより洗浄する方法がある。この方法で
は、水によつて菌体以外の夾雑物が除かれると共
に、菌体が一時的な飢餓状態におかれることによ
つて菌体内の貯蔵糖が減少していると考えられ
る。しかしながら、この方法で、菌体のたんぱく
質含量を高めるためには、通常、きわめて多量の
清水を用いて、何度も繰り返し洗浄を行なう必要
がある。しかも、菌体のたんぱく質含量もある程
度以上に上昇することはできないという問題があ
る。 また、別の方法として、回収した菌体を窒素源
を含む培地に移して再培養する方法がある。この
方法は、たんぱく質を合成させて菌体内のたんぱ
く質の絶対量を増加させる方法である。しかしな
がら、この方法で菌体のたんぱく質を高めるため
には、通常、多量の糖源、窒素源の他、微量成
分、酸素等が必要であり、菌体を培養するのと同
様の設備、手間およびコストが必要である。 〔発明の概要〕 要 旨 本発明は上記の点に解決を与えることを目的と
し、前記の菌体を一時的な飢餓状態に置く方法を
改変して実施することによつてこの目的を達成し
ようとするものである。 すなわち、本発明による粗たんぱく質含量の高
められた酵母菌体の製造法は、酵母を40℃以上か
つ55℃以下の実質的に酵母の栄養源を含まない液
体に懸濁させ、酵母がこの懸濁状態に在る時間を
20分以上とすること、を特徴とするものである。 また、本発明によるもう一つの粗たんぱく質含
量の高められた酵母菌体の製造法は、酵母を40℃
以上かつ55℃以下の実質的に酵母の栄養源を含ま
ない液体に懸濁させ、次いで該酵母を40℃未満か
つ0℃以上の実質的に酵母の栄養源を含まない液
体に懸濁させ、酵母が第一の懸濁状態に在る時間
を1分間以上と、第一および第二の懸濁状態にあ
る時間の合計を20分間以上とすること、を特徴と
するものである。 効 果 本発明は、酵母を液体中に懸濁させることによ
つて酵母の粗たんぱく質含量を高める方法に関す
るものであるが、ここで40℃以上の高温で懸濁さ
せることが粗たんぱく質含量の増加に非常に有効
であることを発見して完成されたものである。こ
の方法によれば、酵母を高い温度で懸濁させるた
めに、従来の水洗浄法に比べて夾雑物の除去がよ
り容易であり、かつ菌体内のたんぱく質成分以外
の成分の減少を著しく促進することが可能であ
る。しかも、従来の水洗浄法よりも少量の水量
で、効果がもたらされる。また、再培養する方法
に比べて極めて単純な工程設備で目的が達せら
れ、コストも著しく低くて済む。 本発明において、酵母の至適生育温度をはるか
に越える40℃以上という高い温度の液体に酵母を
懸濁させるという工程を採用することにより、極
めて簡単な方法で高たんぱく質含量の酵母菌体が
得られたことは、思いがけなかつたことである。 本発明によつて粗たんぱく質含量を高めた酵母
菌体は、牛、豚、馬、鶏、羊その他の家畜の飼料
として、あるいは魚の餌料としてなど、広く動物
飼料と利用できる他、酵母の加工品、例えば酵母
エキス等、の原料として利用することができる。 〔発明の具体的説明〕 飢餓培養の態様 本発明による酵母の飢餓培養、すなわち実質的
に酵母の栄養源を含まない液体に懸濁させる工
程、は40℃以上かつ55℃以下という高温で実施す
るところに大きな特色があるが、その実施時間に
関しては二つの態様、すなわち発明1および発明
2、がある。 すなわち、発明1は、酵母の飢餓培養を40℃以
上かつ55℃以下で20分間以上実施することからな
る。 一方、発明2は、酵母の飢餓培養を、40℃以上
かつ55℃以下で1分間以上という前段と40℃未満
かつ0℃以上で前段処理との合計で20分間以上と
いう後段とで実施する。 いずれの場合であつても、本発明では酵母をこ
のような飢餓状態に置く工程は、分割実施するこ
とができる(詳細後記)。 酵 母 本発明で使用可能な酵母は、種々の酵母生菌体
である。例えば、サツカロミセス・セレビシエに
属するパン酵母やビール酵母、キヤンデイダ・ト
ロピカリス・キヤンデイダ・ウチリス・ピキア・
ミソその他が使用可能である。 酵母を懸濁させる液体 本発明では、実質的に酵母の栄養源を含まない
液体に酵母を懸濁させる。ここで、「実質的に酵
母の栄養源を含まない液体」とは、酵母懸濁状態
で、還元性糖が懸濁液100ml当たり1g未満、好
ましくは0.1g以下、可溶性窒素が懸濁液100ml当
たり0.05g未満、の液体である。 なお、還元性糖および可溶性窒素は、次の方法
により分析した値である。すなわち、酵母を液体
に懸濁させた後、直ちに遠心分離(3000g×10
分、0℃)し、酵母を除いて上澄液を得て、この
上澄液についてこれを適当に希釈した後、還元性
糖をソモギー法により、可溶性窒素をケールダー
ル法により、定量する。還元性糖は、グルコダー
ル換算で表示した。 この液体は、酵母の栄養源、すなわち糖類、窒
素化合物、ビタミン、ミネラル等、を含まないも
のであるが、酵母を懸濁させた際に酵母が持ちこ
むことがある培地由来の成分を含んでいても差し
つかえない。本発明で「実質的に」酵母の栄養源
を含まないと規定する所以である。従つて、この
液体としては、例えば水道水、井戸水、雨水、培
地を含む排水、その他を用いることができる。た
だし、洗浄効果を期待するためになるべく溶解物
の少ない液体が望ましい。 懸濁温度/懸濁時間/懸濁回数 (1) 発明1の場合 前記酵母を前記液体中で、40℃以上かつ55℃以
下で、20分間以上、「20分間以上」の枠内で少な
くとも1回、懸濁処置する。懸濁温度の上限は、
所定の時間および所定の回数で発明1の懸濁処理
を行なつた後の酵母の存在率が、少なくとも、10
%、好ましくは35%,さらに好ましくは70%(懸
濁処理後の酵母生菌数/懸濁処理前の酵母生菌
数)、となる温度である。粗たんぱく質含量の増
加効果が高くて好ましい懸濁温度は、40℃〜55℃
程度である。なお、この温度は使用する酵母によ
つて異なつていて、例えばサツカロミセス・セレ
ビシエに属するパン酵母の場合は50℃付近(47℃
〜53℃)、サツカロミセス・セレビシエに属する
ビール酵母の場合は40℃付近(40℃〜45℃)、キ
ヤンデイダ・トロピカリスの場合は50℃付近(47
℃〜53℃)である。なお、所定の懸濁時間の全域
にわたつて一定の温度で懸濁処置を行なつても、
複数の異なる懸濁温度を採用してもよく、また、
2回以上の懸濁処置を行なう場合は、各々の懸濁
の温度が同じでも異なつていてもよい。 懸濁時間は20分間以上、好ましくは60分間以上
であり、懸濁時間が長いほど粗たんぱく含量の増
加効果は高い。また発明1は、この懸濁時間の関
連続して懸濁を行つても、この懸濁時間を複数回
に分けて(例えば、10分間の懸濁処理を2回行な
い、合計として20分間の懸濁を行なう場合)行な
つてもよいことは言うまでもない。2回以上懸濁
処理を行なう場合には、各々の懸濁時間は同じで
も異なつていてもよい。なお、1回のみの懸濁処
置の場合は、75分間を超えて長時間懸濁を行なつ
たとしても、それ以上粗たんぱく質含量を増加さ
せることは難しい。 このように、懸濁処理回数は少なくとも1回、
好ましくは2回以上である。上記したように、1
回のみの懸濁処置では長時間の懸濁での酵母の粗
たんぱく質含量は上限に達してしまうが、2回以
上懸濁処理を行なうことによつて(特に各回の懸
濁時間が20分間以上の処理を2回以上行なうこと
によつて)、さらに粗たんぱく質含量を高めるこ
とができる。なお、2回以上懸濁処理を行なう場
合、各回の懸濁処理で懸濁させる液体を交換する
ことが望ましい。 (2) 発明2の場合 前記酵母を前記液体中で、40℃以上かつ55℃以
下で、1分間以上懸濁させ(懸濁1)、次いで40
℃未満かつ0℃以上で懸濁1との合計の懸濁時間
が20分間以上となるように懸濁させる(懸濁2)。
懸濁処理は、懸濁1および2のそれぞれについて
該規定時間内で少なくとも1回行なう。そして、
発明2は高温懸濁/低温懸濁の組合せを実施する
ことからなるものであるから、この組合せを複数
回実施してもよいし、前記の発明1と組合せて実
施することもできる。 懸濁1の懸濁温度の上限は、所定の時間、所定
の回数、発明2の懸濁処理(懸濁1、懸濁2の両
方)を行なつた後の酵母の存在率が、少なくと
も、10%、好ましくは35%、さらに好ましくは70
%、となる温度である。粗たんぱく質含量の増加
効率が高くて好ましい懸濁1の懸濁温度は、40℃
〜55℃程度である。この温度は使用する酵母によ
つて異なつていて、具体的な値は前記発明1の場
合で記した通りである。懸濁2の懸濁温度は、40
℃未満かつ0℃以上で酵母の懸濁に支障をきたさ
ない温度であればいずれでもよい。なお、懸濁
1、懸濁2ともに、所定の懸濁時間の間、一定の
温度で懸濁処理を行なつても、複数の異なる懸濁
温度を採用してもよく、また、発明2の懸濁処理
を懸濁1および(または)2について2回以上行
なう場合には、各々の回で懸濁温度が同じでも異
なつていてもよい。 懸濁時間は、懸濁1、懸濁2の両方の合計時間
が20分間以上、好ましくは30分間以上、さらに好
ましくは60分間以上、である。各々の懸濁につい
てみれば、懸濁1の懸濁時間は10分間以上、懸濁
2の懸濁時間は20分間以上が好ましい。また、懸
濁1、懸濁2の懸濁時間に関しては、懸濁を連続
して行なつても複数回に分けて行なつてもよく、
また、発明2で懸濁処理を2回以上行なう場合に
は、各々の回で懸濁時間が同じであつても異なつ
ていてもよいことは、発明1の場合と同じであ
る。 発明2の懸濁処理回数は懸濁1および2の各々
において少なくとも1回、好ましくは懸濁1およ
び2の少なくとも一方において2回以上、であ
る。2回以上の懸濁処理を行なう場合には、各回
の懸濁処理で懸濁させる液体を交換することが好
ましい。なお、懸濁1と懸濁2は、懸濁させる液
体として同じものを用いても、交換して用いても
どちらでもよい。 懸濁酵母濃度 懸濁させる酵母の濃度は、酵母がスラリー状を
保てる濃度であればよく、通常、乾物w/懸濁液
vで10%以下、好ましくは7.5%以下、特に好ま
しくは4.0%以下、である。懸濁時は、酵母が沈
降しないように、ゆるゆかに攪拌することが望し
い。 後処理 懸濁処理後の菌体は、遠心分離等の方法で回収
し、ドラム・ドライヤー等の方法で乾燥して飼料
とすることが可能である。 粗たんぱく質含量 本発明によつて菌体中の粗たんぱく質含量が増
加する原因は、懸濁時の温度、時間の依存性が顕
著なことから、菌体の洗浄効果だけでなく、菌体
内のたんぱく質以外の成分が減少することによる
ものと考えられる。 本発明で、酵母菌体中の粗たんぱく質含量と
は、次式で定義される値である。 粗たんぱく質含量(%)= 酵母菌体中の粗たんぱく質*の重量/酵母菌体の重量
×100 * ケールダール法によつて測定される窒素量×
6.25 従来の水洗浄による方法(通常懸濁温度は30℃
以下)であつても、酵母粗たんぱく質含量を増加
させることは可能であるが、この方法に比べ、本
発明の方法ははるかに粗たんぱく質含量増加効果
が高い。例えば、パン酵母(サツカロミセス・セ
レビシエ)の場合、従来の水洗浄(例えば、30℃
以下で60分間懸濁の場合)では粗たんぱく質含量
増加量がふつう10%以下であるのに対し、本発明
1の方法(例えば、50℃で60分間の懸濁を1回行
なつた場合)では粗たんぱく質含量増加率は20.1
%である(実施例2参照)。また、前記したよう
に、1回のみの懸濁処理では長時間の懸濁を行な
つても酵母の粗たんぱく質含量は上限値より増え
ないが、2回以上懸濁処理を行なう本発明1の方
法では、さらに粗たんぱく質含量を高めることが
可能であり、例えば、パン酵母(サツカロミセ
ス・セレビシエ)の場合、50℃で60分間の懸濁を
2回行なつたときの粗たんぱく質含量増加率は
20.1%,50℃で60分間の懸濁を3回行なつたとき
の粗たんぱく質含量増加率は24.8%である(実施
例1参照)。 さらに、本発明2においても、例えばパン酵母
(サツカロミセス・セレビシエ)の場合に50℃で
10分間、20℃で50分間の処理の組合せを2回行な
つた場合の粗たんぱく質含量増加率が19.3%であ
ることからも分かるように、効果的に酵母の粗た
んぱく質含量を高めることができる(実施例8参
照)。 なお、本明細書中で、粗たんぱく質含量増加率
という時は(A−B)÷B×100%[ただしA:懸
濁処理後の酵母の粗たんぱく質含量、B:懸濁処
理前の酵母の粗たんぱく質含量]を意味するもの
とする。 以下の実施例で酵母濃度%とは、酵母懸濁液重
量に対する乾物酵母重量の割合である。 実施例 1 市販のパン酵母(サツカロミセス・セレビシ
エ)をBrix20の砂糖、廃糖蜜培地(重量比で砂
糖2に対し、廃糖蜜1を混ぜ、水を加えて、
Brix20とする)に酵母濃度4%となるように植
菌し、30℃で20時間、静置発酵させた。酵母を遠
心分離で回収し、同じ条件で発酵をさらに2回く
り返した。酵母を遠心分離して回収し、酵母12g
(泥状)に50℃または20℃の水道水88mlを加えて、
よく懸濁させた(酵母濃度約4%)。この懸濁液
を第1表に示す温度の恒温水槽中で同じく表に示
す時間保持した。懸濁液は、時々攪拌した。所定
時間保持後、遠心分離して酵母を回収した(1回
処理)。さらにこの酵母に50℃または20℃の水道
水88mlを加えてよく懸濁させ(酵母濃度約4%)、
同様に処理した(2回処理)。さらに50℃の水道
水に同様に懸濁させて、処理したものを3回処理
とした。それぞれの酵母について、その粗たんぱ
く質含量をケールダール法で測定し、結果を第1
表に示した。
【表】
【表】 50℃で処理することにより、粗たんぱく質含量
増加率は、いずれの条件においても10%を越え
た。この時、複数回処理を行なうことにより、粗
たんぱく質含量増加率は、20%を越えた。一方、
従来の水洗浄では、1回処理、2回処理を行つて
も、その粗たんぱく質含量増加率は、10%以下で
あつた。 この時、未処理酵母の粗たんぱく質含量の総量
(乾物菌体重量×粗たんぱく質含量)は1.616gで
あり、処理した酵母の粗たんぱく質の総量も同じ
であつた。ただし、菌体重量は、粗たんぱく質含
量に反比例して減少した。 酵母懸濁液中に含まれる還元性糖は、グルコー
ス換算で0.04(w/w)%、可溶性窒素は、0.01
(w/w)%であつた。 実施例 2 実施例1と同じく、砂糖、廃糖蜜培地で3回発
酵をくり返した酵母12g(泥状)に第2表に示す
温度の水道水88mlを加えて、充分懸濁(酵母濃度
約4%)した。これを第2表に示した温度の恒温
水槽中で60分保持した。懸濁液は、時々攪拌し
た。保持後、遠心分離して酵母を回収し、その粗
たんぱく質含量をケールダール法で測定し、結果
を第2表に示した。
【表】
【表】 粗たんぱく質含量増加率は、40℃処理で7.9%、
50℃処理で20.1%、60℃処理で16.0%となつた。
一方30℃以下の処理では、5%以下であつた。酵
母の生存率は、50℃以下の懸濁処理では、100%
であつた。効果の上限と考えられる70℃では、10
%であつた。 実施例 3 実施例1と同じく砂糖、廃糖蜜培地で3回発酵
をくり返した酵母12g(泥状)に50℃の水道水88
mlを加えてよく懸濁させた(酵母濃度約4%)。
この懸濁液を、50℃の恒温水槽中で第3表に示し
た時間保持した。懸濁液は、時々攪拌した。保持
後、遠心分離して酵母を回収し、その粗たんぱく
質含量をケールダール法で測定し、結果を第3表
に示した。
【表】 粗たんぱく質含量増加率は、30分処理で7.9%
となり、処理時間が75分でほぼ一定となつた。 実施例 4 実施例1と同じく砂糖、廃糖蜜培地で3回発酵
をくり返した酵母12g(泥状)に50℃の水道水88
mlを加えて充分懸濁させた(酵母濃度約4%)。
この懸濁液を50℃の恒温水槽中で、第4表に示し
た時間保持し、この処理を第4表に示した回数行
なつた(各回終了後に酵母を遠心分離により回収
した後、さらに水道水に懸濁させた(2回処理、
3回処理))。処理後、遠心分離して酵母を回収
し、その粗たんぱく質含量をケールダール法で測
定し、結果を第4表に示した。
【表】 30分、1回の処理よりも、10分、2回の処理の
方が粗たんぱく質含量増加率が大きくなつた。 実施例 5 実施例1と同じく砂糖、廃糖蜜培地で3回発酵
をくり返した酵母12g(泥状)に50℃の水道水を
第5表に示した量加えて充分懸濁させた。各々の
懸濁液を50℃の恒温水槽中で60分保持した。懸濁
液は、時々攪拌した。保持後、遠心分離して酵母
を回収し、その粗たんぱく質含量をケールダール
法で測定し、結果を第5表に示した。
【表】 酵母濃度が高くなるにつれて、粗たんぱく質含
量増加率は低くなつたが、酵母濃度が14%という
高濃度においても、粗たんぱく質含量の増加が認
められた。 実施例 6 実施例1と同じく砂糖、廃糖蜜培地で3回発酵
をくり返した酵母12g(泥状)に、50℃の水道水
または、50℃の0.05%あるいは1%グルコース溶
液(水道水に溶解したもの)を88ml加えて充分懸
濁させた(酵母濃度約4%)。各懸濁液を、50℃
の恒温水槽中で60分保持した。懸濁液を、50℃の
恒温水槽中で60分保持した。懸濁液は、時々攪拌
した。保持後、遠心分離して酵母を回収し、その
粗たんぱく質含量をケールダール法で測定し、結
果を第6表に示した。
【表】 1%グルコール溶液に懸濁させた酵母は、粗た
んぱく質含量がわずかしか増加しなかつた。 実施例 7 トルラ酵母(キヤンデイダ・トロピカリス
IFO 1404)をYEPD培地(酵母エキス1.5%、ペ
プトン、グルコース各3%)で通気攪拌培養し
て、増殖させた。この酵母を用い実施例1と同じ
く砂糖、廃糖蜜培地で3回発酵をくり返した。酵
母を遠心分離で回収し、酵母12g(泥状)に第7
表に示す温度の水道水88mlを加えて充分懸濁(酵
母濃度約4%)した。これを第7表に示した温度
の恒温水槽中で60分保持した。懸濁液は、時々攪
拌した。保持後、遠心分離して酵母を回収し、そ
の粗たんぱく質含量をケールダール法で測定し
た。 一方、ビール酵母(サツカロミセス・セレビシ
エ)を、ビール主発酵終了時にビール工場から採
取した。遠心分離してビール分を除いた酵母12g
(泥状)に第7表に示す温度の水道水88mlを加え
て、よく懸濁させた(酵母濃度約2.5%)。以下、
トルラ酵母と同様に処理し、粗たんぱく質含量を
測定した。これらの結果を第7表に示した。 トルラ酵母では、粗たんぱく質含量増加率が全
般に高かつた。しかし、50℃で処理することによ
り、著しく高くなることが認められた。
【表】 * 第2表*参照
一方、ビール酵母では、40℃で処理することに
より、粗たんぱく質含量増加率が10%を越えた。
他の温度の処理では、5%以下であつた。 実施例 8 実施例1と同じく砂糖、廃糖蜜培地で3回発酵
をくり返した酵母12g(泥状)に50℃の水道水88
mlを加えてよく懸濁させた(酵母濃度約4%)。
この懸濁液を50℃の恒温水槽中で第8表に示した
時間保持後、直ちに20℃の恒温水槽中に移し、第
8表に示した時間保持した。懸濁液は、時々攪拌
した。所定時間保持後、遠心分離して酵母を回収
した(50℃懸濁、20℃懸濁の組合せ1回目)。さ
らにこの酵母に50℃または20℃の水道水88mlを加
えて充分懸濁(酵母濃度約4%)し、同様に処理
した。それぞれの酵母についてその粗たんぱく質
含量をケールダール法で測定し、結果を第8表に
示した。
【表】
【表】 酵母を50℃で1分懸濁後、20℃で59分懸濁させ
ることにより、粗たんぱく質含量増加率は14.7%
となつた。また、50℃で10分懸濁後、20℃で10分
懸濁させることにより、粗たんぱく質含量増加率
は、11.5%となつた。また、50℃で10分、20℃で
50分の処理の組合せを2回くり返した時、粗たん
ぱく質含量増加率は19.3%となり、50℃で10分、
20℃で50分で処理した後、20℃で60分の処理を付
加した時、18.6%となつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酵母を40℃以上かつ55℃以下の実質的に酵母
    の栄養源を含まない液体に懸濁させ、酵母がこの
    懸濁状態に在る時間を20分以上とすることを特徴
    とする、粗たんぱく質含量が高められた酵母菌体
    の製造法。 2 酵母が懸濁状態に在る時間が60分間以上であ
    る、特許請求の範囲第1項に記載の方法。 3 酵母を懸濁させる回数が2回以上であつて各
    回の酵母が懸濁状態に在る時間の合計が20分以上
    である、特許請求の範囲第1〜2項のいずれか一
    項に記載の方法。 4 酵母を懸濁させる液体が水である、特許請求
    の範囲第1〜3項のいずれか一項に記載の方法。 5 懸濁させる酵母がサツカロミセス・セレビシ
    エであつて、糖濃度の高い培地で培養されて菌体
    中の粗たんぱく質含量が45%(w/乾燥菌体w)
    以下のものである、特許請求の範囲第1〜4項の
    いずれか一項に記載の方法。 6 酵母を40℃以上かつ55℃以下の実質的に酵母
    の栄養源を含まない液体に懸濁させ、次いで該酵
    母を40℃未満かつ0℃以上の実質的に酵母の栄養
    源を含まない液体に懸濁させ、酵母が第一の懸濁
    状態に在る時間を1分間以上と、第一および第二
    の懸濁状態にある時間の合計を20分間以上と、す
    ることを特徴とする、粗たんぱく質含量が高めら
    れた酵母菌体の製造法。 7 合計の懸濁時間が30分間以上である、特許請
    求の範囲第6項に記載の方法。 8 第一および第二の酵母が懸濁状態に在る工程
    の少なくとも一方において、酵母を懸濁させる回
    数が2回以上であつて、各回の酵母が懸濁状態に
    在る時間が1分間以上(第一の工程の場合)また
    は19分間以上(第二の工程の場合)である、特許
    請求の範囲第6〜7項いずれか一項に記載の方
    法。 9 酵母を懸濁させる液体がともに水である、特
    許請求の範囲第6〜8項のいずれか一項に記載の
    方法。 10 懸濁させる酵母がサツカロミセス・セレビ
    シエであつて、糖濃度の高い培地で培養されて菌
    体中の粗たんぱく質含量が45%(w/乾燥菌体
    w)以下のものである、特許請求の範囲第6〜9
    項いずれか一項に記載の方法。
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