JPH0530433U - 機械式過給機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械式過給機の搭載スペースの確保の容易化
と、機械式過給機のオン，オフ制御の簡略化、及び燃費
の低減を図ることを目的とする。 【構成】 トランスミッション２内のカウンターシャフ
ト４のアウトプットギヤ５と、機械式過給機９の入力軸
７に遊嵌されたアイドルギヤ６とが噛み合わされてお
り、又、入力軸７には、トランスミッション２の変速操
作に応じて軸方向へ移動し、ローギヤ側に変速操作され
た時にアイドルギヤ６と噛み合ってアイドルギヤ６を入
力軸７に固定させ、ハイギヤ側に変速操作された時には
アイドルギヤ６から離れてアイドルギヤ６を空転させる
スプロケット８が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、エンジン側へ空気を圧送することのできる機械式過給機に関し、 詳しくは機械式過給機の取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】

従来、機械式過給機は図２で示すように、エンジンにベルトを介し連繋されて おり、エンジン５１のクランクプーリー５２にベルト５３を介し機械式過給機５ ４の入力軸５４ａが連繋されており、クランクプーリー５２により機械式過給機 ５４が駆動される構造となっている。

【０００３】 このように機械式過給機５４はエンジン５１の前面側に配置するために、他の エンジン補機であるオルタネーター５６及びウォーターポンプ５５及びパワステ ポンプ５７、その他エアコンプレッサー５８等もエンジンの前面側に配置する必 要があり、これらの配置により搭載スペースの確保が困難となるという問題点が あった。 又、オルタネーター５６等の他の補機もそれぞれクランクプーリー５２にベル トを介し連繋されるため、ベルト掛けが複雑となり、クランクプーリー５２のオ ーバーハングも大きくなってしまうという問題点があり、さらに機械式過給機５ ４は燃費向上のためエンジンのアイドル回転時等にはオフ状態にする必要があり 、そのために専用のオン，オフ制御が必要となり、機械式過給機５４の入力軸５ ４ａ等にオン，オフ用の電磁クラッチ等を設ける必要があるという問題点があっ た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、搭載スペースを良好 に確保でき、かつオン，オフ制御が容易となる機械式過給機を提供せんことを目 的とし、その第１の要旨は、ニュートラル時にエンジンの駆動力が伝わらないト ランスミッション内のカウンターシャフトと、機械式過給機の入力軸を連繋した ことである。 又、第２の要旨は、前記カウンターシャフトに固設されたアウトプットギヤと 、前記機械式過給機の入力軸に遊嵌されたアイドルギヤとを噛合させるとともに 、前記入力軸には、トランスミッションの変速操作に応じて軸方向へ移動し前記 アイドルギヤと係脱し得るスプロケットを設け、ローギヤ側に変速操作された時 には前記スプロケットを介し前記アイドルギヤを前記入力軸に固定させるととも に、ハイギヤ側に変速操作された時には前記スプロケットを前記アイドルギヤか ら離し該アイドルギヤが空転するように構成したことである。

【０００５】

【作用】

機械式過給機をトランスミッションと連繋したため、トランスミッション内の カウンターシャフトはニュートラル時（アイドル回転時）にはメインシャフトか ら駆動力が伝わらないため、アイドル回転時に機械式過給機を制御装置を要する ことなくオフ状態にすることができる。 又、機械式過給機の入力軸に軸方向へ移動するスプロケットを設け、このスプ ロケットをトランスミッションがローギヤ側に変速操作された時にアイドルギヤ と噛み合わせてアイドルギヤを固定させ、トランスミッションのカウンターシャ フトからの回転により機械式過給機を駆動することができ、又、トランスミッシ ョンがハイギヤ側に変速操作された時にスプロケットをアイドルギヤから離して アイドルギヤを空転させ、ハイギヤ時に機械式過給機をオフ状態とすることがで きる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１はエンジンとトランスミッションと機械式過給機の連繋状態を示す概略構 成図であり、エンジン１にはトランスミッション２が接続されており、又、この トランスミッション２の出力側に機械式過給機９が連繋されたものとなっている 。 トランスミッション２内には、エンジン１の回転により駆動回転される複数の ギヤを備えたメインシャフト３が設けられており、メインシャフト３と平行状に 多数のギヤを備えたカウンターシャフト４が回転可能に設けられている。

【０００７】 このカウンターシャフト４の先端にアウトプットギヤ５が固設されており、こ のアウトプットギヤ５に噛み合って機械式過給機９の入力軸７に遊嵌されたアイ ドルギヤ６が設けられている。又、入力軸７には軸方向へ移動可能に入力軸７に スプライン嵌合されたスプロケット８が設けられており、このスプロケット８は 前記アイドルギヤ６に係脱して、アイドルギヤ６にスプロケット８が噛み合った 時にはアイドルギヤ６が入力軸７に固定され、又、スプロケット８がアイドルギ ヤ６から離れた時にはアイドルギヤ６が空転するように構成されている。

【０００８】 又、このスプロケット８は図示しないトランスミッション２の変速操作機構に 連繋されており、トランスミッション２が変速操作されてローギヤ側（加速時） にシフトされた時には、変速操作機構によりスプロケット８がアイドルギヤ６に 噛み合わされるように設定されており、又、トランスミッション２がハイギヤ側 （定常時）にシフトされた時にはスプロケット８がアイドルギヤ６から離れる方 向へ移動されるように設定されている。

【０００９】 このような構造においては、エンジンのアイドル回転時には、ニュートラル状 態でメインシャフト３のギヤとカウンターシャフト４のギヤは噛み合わないため 、カウンターシャフト４はニュートラル時においてエンジン側からの駆動力が伝 わらず、そのため機械式過給機９の入力軸７にも駆動力は伝わらず、エンジンの アイドル回転時には機械式過給機９をオフ状態として燃費の節約を図ることがで きる。 又、トランスミッション２がローギヤ側にシフトされた時にはスプロケット８ がアイドルギヤ６と噛み合い、メインシャフト３の駆動力はカウンターシャフト ４に伝えられ、アウトプットギヤ５を介しアイドルギヤ６に伝えられて、アイド ルギヤ６から入力軸７に駆動力が伝えられ、機械式過給機９が駆動されてエンジ ンに過給圧が供給され、エンジンを加速することができる。又、トランスミッシ ョン２がハイギヤ側にシフトされた時にはスプロケット８がアイドルギヤ６から 離れ、アイドルギヤ６が空転して機械式過給機９はオフ状態となり、燃費の節約 が図られる。

【００１０】 このように本例においては、トランスミッションに機械式過給機を連繋したた め、ニュートラル時には自動的に機械式過給機９をオフすることができ、又、ト ランスミッションの変速操作機構と連繋させて加速時にのみ機械式過給機を作動 させることができ、別途、電磁クラッチ及びその制御装置を必要とせず、トラン スミッションを介し良好な作動制御を行うことができる。又、従来のようにベル ト掛けではないため、トランスミッションの側方にコンパクトに機械式過給機を 取り付けて、搭載スペースを良好に確保することができる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、ニュートラル時にエンジンの駆動力が伝わらないトランスミッショ ン内のカウンターシャフトと、機械式過給機の入力軸を連繋したことにより、ト ランスミッションのカウターシャフトを介し機械式過給機を作動させることがで き、又、ニュートラル時（アイドル回転時）にはトランスミッション内のカウン ターシャフトには駆動力が伝わらないため、自動的に機械式過給機をオフ状態と して燃費の節減を図ることができる。又、機械式過給機はトランスミッションの 側方にコンパクトに設置して搭載スペースを良好に確保することができる効果を 有する。

【００１２】 又、前記カウンターシャフトに固設されたアウトプットギヤと、前記機械式過 給機の入力軸に遊嵌されたアイドルギヤとを噛合させるとともに、前記入力軸に は、トランスミッションの変速操作に応じて軸方向へ移動し前記アイドルギヤと 係脱し得るスプロケットを設け、ローギヤ側に変速操作された時には前記スプロ ケットを介し前記アイドルギヤを前記入力軸に固定させるとともに、ハイギヤ側 に変速操作された時には前記スプロケットを前記アイドルギヤから離し該アイド ルギヤが空転するように構成したことにより、トランスミッションの変速操作機 構を利用してトランスミッションがローギヤ側に変速操作された時にのみスプロ ケットを移動させて、アイドルギヤを機械式過給機の入力軸に固定させて機械式 過給機を駆動させることができ、従来のような機械式過給機をオン，オフするた めの電磁クラッチ，その専用の制御システムが不要となり、構造の簡略化を図る ことができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】機械式過給機の取付状態の概略構成図である。

【図２】従来の機械式過給機の取付状態の概略構成図で
ある。

【符号の説明】

１ エンジン ２ トランスミッション ３ メインシャフト ４ カウンターシャフト ５ アウトプットギヤ ６ アイドルギヤ ７ 入力軸 ８ スプロケット ９ 機械式過給機

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ニュートラル時にエンジンの駆動力が伝
   わらないトランスミッション内のカウンターシャフト
   と、機械式過給機の入力軸を連繋したことを特徴とする
   機械式過給機。
2. 【請求項２】 前記カウンターシャフトに固設されたア
   ウトプットギヤと、前記機械式過給機の入力軸に遊嵌さ
   れたアイドルギヤとを噛合させるとともに、前記入力軸
   には、トランスミッションの変速操作に応じて軸方向へ
   移動し前記アイドルギヤと係脱し得るスプロケットを設
   け、ローギヤ側に変速操作された時には前記スプロケッ
   トを介し前記アイドルギヤを前記入力軸に固定させると
   ともに、ハイギヤ側に変速操作された時には前記スプロ
   ケットを前記アイドルギヤから離し該アイドルギヤが空
   転するように構成したことを特徴とする請求項１の機械
   式過給機。