JPH05301104A - スローアウェイチップおよびその製造方法ならびに切削工具 - Google Patents

スローアウェイチップおよびその製造方法ならびに切削工具

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JPH05301104A
JPH05301104A JP4109953A JP10995392A JPH05301104A JP H05301104 A JPH05301104 A JP H05301104A JP 4109953 A JP4109953 A JP 4109953A JP 10995392 A JP10995392 A JP 10995392A JP H05301104 A JPH05301104 A JP H05301104A
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JP
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Withdrawn
Application number
JP4109953A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Fukushima
和彦 福島
Nobuyuki Kitagawa
信行 北川
Toshio Nomura
俊雄 野村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B27/00Tools for turning or boring machines; Tools of a similar kind in general; Accessories therefor
    • B23B27/10Cutting tools with special provision for cooling

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スローアウェイチップ自体の機械的強度を低
下させることなく冷却性能の優れたスローアウェイチッ
プを提供する。 【構成】 この発明に基づくスローアウェイチップ1に
は、その逃げ面4となる面に一方の開口部2aを有し、
スローアウェイチップ1本体を貫通するように冷却剤供
給用の貫通孔2が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、切削加工に用いられ
るスローアウェイチップおよびその製造方法に関し、特
に、スローアウェイチップにおける逃げ面となる面に一
方の開口部を有し、スローアウェイチップを貫通する冷
却剤供給用の貫通孔が設けられた、冷却効率の優れたス
ローアウェイチップおよびその製造方法ならびにこのス
ローアウェイチップを装着した切削工具に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、ホルダに装着され切刃として
機能するスローアウェイチップは知られている。このス
ローアウェイチップは、刃先が摩耗しても再研削しない
で取換る使い捨てのチップである。そして、このスロー
アウェイチップの1コーナーだけ使って捨てるのは不経
済なため、通常、正方形や正三角形等の形状のチップを
用い、なるべく多くの切刃として使用できる面を確保す
ることによって、このようなスローアウェイチップの寿
命の向上に配慮している。
【0003】このようなスローアウェイチップの刃先の
摩耗に関して、切削加工時に最もこの刃先摩耗に影響を
与えるのは、切削時の刃先温度であるといえる。すなわ
ち、刃先が高温になるにつれて刃先摩耗が進展しやすく
なり、スローアウェイチップの寿命が短くなる。したが
って、このような刃先摩耗を抑制するために、従来から
冷却剤をホースなどを通して外部から刃先部に供給し、
刃先温度の上昇を防止しようとしていた。しかし、被削
材が高速回転しており、被削材と刃先の接触面積か小さ
いため、冷却剤が十分に刃先部分に回り込まないといっ
た状況が生じていた。そのため、冷却剤による刃先温度
上昇の低減が十分になされず、刃先の寿命が短くなって
しまうといった問題点が生じていた。
【0004】そこで、スローアウェイチップの切刃近傍
のすくい面に開口部を有するように、冷却剤を切刃近傍
に供給するための孔を設ける試みが、特願平2−310
434に提案されている。それにより、切刃近傍に直接
冷却剤を送り込み、この冷却剤によって、効果的に刃先
の温度上昇を低減させようとしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように、スローアウェイチップの切刃近傍のすくい面
に、冷却剤供給用の孔が設けられることによって、次に
述べる問題点が生じていた。冷却剤供給用の孔の一方の
開口部が、すくい面に位置するように設けられているた
め、切削時に切屑で孔が塞がれ、冷却に必要な十分な量
の冷却剤が刃先部に供給されない状況が生じた。それに
より、刃先の温度上昇を十分に低減することができず、
刃先の摩耗が進展するといった問題点があった。また、
切刃近くのすくい面に孔の開口部が位置しているため、
その部分に応力集中が起こり、スローアウェイチップ自
体の強度を低下させるという問題点もあった。さらに、
従来の粉末プレスによるスローアウェイチップの製造方
法では、プレス方向と平行でない孔は作製できなかっ
た。また、粉末プレス法によって成形されたスローアウ
ェイチップは、硬度が極めて高いため、成形後に孔開け
加工をした場合には、欠けたり割れを生じるといった問
題点があった。したがって、従来の製法では、所望の貫
通孔は設け難いものとなっていた。
【0006】この発明は、上記の問題点を解決するため
になされたものであり、スローアウェイチップの機械的
強度を低下させることなく刃先の冷却を効果的に行なえ
る構造を有するスローアウェイチップおよびその製造方
法ならびにそれを用いた切削工具を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に基づくスロー
アウェイチップは、スローアウェイチップにおける逃げ
面となる面に一方の開口部を有し、スローアウェイチッ
プ本体を貫通する冷却剤供給用の貫通孔が設けられてい
る。
【0008】この発明に基づくスローアウェイチップを
備えた切削工具は、ホルダと、このホルダに取付けられ
切刃として機能するスローアウェイチップを備えてい
る。そして、ホルダには、スローアウェイチップの装着
面に第1開口部を有し、ホルダ本体内を貫通し第2開口
部を通して冷却剤供給源に通じる孔が設けられている。
また、スローアウェイチップには、逃げ面となる面に一
方の開口部を有し、スローアウェイチップ本体を貫通す
る冷却剤供給用の貫通孔が設けられている。そして、上
記のホルダにおける第1開口部と、上記のスローアウェ
イチップにおける貫通孔の他方の開口部とが接続される
ように、スローアウェイチップがホルダに装着されてい
る。
【0009】この発明に基づくスローアウェイチップの
製造方法によれば、まず、スローアウェイチップ材料粉
末にバインダを加え、それを加熱混練する。そして、こ
の加熱混練されたスローアウェイチップ材料粉末を可動
中子を備えた射出成形用金型に流し込み、この可動中子
に対応した貫通孔を有する成形体を形成する。そして、
この成形体からまず可動中子を引抜き、その後、射出成
形用金型から成形体を分離する。その後、この成形体を
脱脂、焼結する。
【0010】
【作用】この発明に基づくスローアウェイチップは、そ
の逃げ面となる面に、冷却剤供給用の貫通孔の一方の開
口部が設けられている。それにより、供給された冷却剤
は、スローアウェイチップ内部を通って、その逃げ面か
ら切刃近傍に供給されることになる。このように、冷却
剤供給用の上記の開口部は、逃げ面に設けられているた
め、切削を行なった際に切屑によってその開口部が閉塞
されることを防止できる。それにより、大量の冷却剤を
安定して刃先部に供給することが可能となる。また、上
記の開口部が、逃げ面に位置しているため、スローアウ
ェイチップ自体の機械的強度の低下をも防止することが
できる。
【0011】この発明に基づく切削工具は、冷却剤供給
用の貫通孔を有するホルダに上記の構造を有するスロー
アウェイチップが装着されている。このとき、ホルダに
おけるスローアウェイチップ装着面には、上記の貫通孔
の一方の開口部が設けられており、この開口部とスロー
アウェイチップにおける上記の貫通孔の他方の開口部と
が接続されるように、スローアウェイチップがホルダに
装着される。それにより、ホルダ内部およびスローアウ
ェイチップ内部を通して、所望の量の冷却剤をスローア
ウェイチップの逃げ面から切刃近傍に効果的に供給する
ことが可能となる。
【0012】この発明に基づくスローアウェイチップの
製造方法によれば、可動中子を備えた射出成形用金型
に、スローアウェイチップ材料粉末にバインダを加熱混
練した焼結用粉末を流し込み、上記の射出成形用金型に
よってスローアウェイチップの外形形状を成形し、同時
に上記の可動中子によってスローアウェイチップの貫通
孔を形成する。このようにして、貫通孔を有するスロー
アウェイチップを成形した後、まずこの成形体から中子
を引抜き、その後この成形体を上記の射出成形用金型か
ら分離する。それにより、所望の位置に貫通孔を有する
スローアウェイチップを成形することが可能となる。そ
の後、この成形体を脱脂、焼結することによって、スロ
ーアウェイチップが完成する。
【0013】
【実施例】以下に、この発明に基づく実施例について、
図1〜図3を用いて説明する。図1は、この発明に基づ
く一実施例おけるスローアウェイチップの斜視図であ
る。図1を参照して、この実施例におけるスローアウェ
イチップ1は、この場合であれば、スローアウェイチッ
プ1の側面が逃げ面4となっている。そして、この逃げ
面4に一方の開口部2aを有する貫通孔2が設けられて
いる。この場合であれば、逃げ面に開口部2aを有する
複数の貫通孔2が設けられている。この貫通孔2の他方
の開口部2bは、この場合であれば、逃げ面4以外の面
でかつすくい面とならない面に位置するように設けられ
ることになる。
【0014】すなわち、図1に示されるスローアウェイ
チップにおいては、すくい面5は、スローアウェイチッ
プ1の上面に相当するため、前記の貫通孔2における他
方の開口部2bは、図1に示されるスローアウェイチッ
プ1の下面に位置するように設けられることになる。そ
して、この他方の開口部2bは、スローアウェイチップ
1が、ホルダ(図示せず)に装着された際に、予めホル
ダに設けられた冷却剤供給用の開口部に接続されること
になる。ホルダにスローアウェイチップ1を装着する際
には、スローアウェイチップ1の中央部近傍に設けられ
た取付孔3にねじなどを装着することによって、スロー
アウェイチップ1をホルダに装着する。
【0015】それにより、そのホルダおよびスローアウ
ェイチップ1を通して、スローアウェイチップ1の切刃
近傍における逃げ面に冷却剤が供給され得ることにな
る。このとき、開口部2aは、逃げ面に位置しているた
め、切屑などが詰まることによって冷却剤の供給が阻止
されるといった状況が生じない。それにより、所望量の
冷却剤を切刃近傍に効果的に供給することが可能とな
る。その結果、切削による切刃の温度上昇を効果的に低
減させることが可能となる。
【0016】上記のスローアウェイチップ1の逃げ面4
に設けられる開口部2aの位置は、切刃近傍であること
が好ましく、その孔径は、0.5mm〜2.0mmであ
ることが好ましい。なお、この場合のチップは、SNM
A432タイプである。また貫通孔2の形状は、円もし
くは、強度的に口径が大きくできない場合はチップの厚
み方向が短径となる楕円であることが好ましい。このよ
うに、貫通孔2の開口部2aの位置等が適切に選択され
ることにより、スローアウェイチップ1の機械的強度を
低下させることなく、効果的に刃先部の冷却を行なうこ
とが可能となる。
【0017】次に、上記のスローアウェイチップ1の製
造方法の一例について説明する。まず、平均粒径1.7
μm程度のM10相当の超硬合金粉末に有機バインダと
して6wt%のパラフィンとアクリルとを添加し、11
0℃の温度で混練する。そして、この混練された超硬合
金粉末を、冷却剤供給用の貫通孔2を形成するための可
動中子を備え付けた射出成形用金型に射出成形を行な
う。そして、成形された成形体から、まず可動中子を引
抜き、その後成形体を上記の金型から分離する。それに
より、所望の位置に貫通孔2を有するスローアウェイチ
ップ1を形成することが可能となる。次に、このように
して形成された成形体を12℃/hourの昇温速度で
480℃まで加熱することによって脱脂する。その後、
0.03Torrの真空中において、1360℃,1時
間30分の焼結を行なうことによって、上記の冷却剤供
給用貫通孔2を備えたスローアウェイチップ1を作製す
る。
【0018】次に、上記の構造を有するスローアウェイ
チップと従来の冷却剤供給用の貫通孔を有しないスロー
アウェイチップとの旋削性能を比較する。なお、この比
較品としての冷却剤供給用の貫通孔を有しないスローア
ウェイチップは、従来と同様のプレス法で作製した。ま
た、それぞれのスローアウェイチップについては、CV
Dコーティングが施されている。さらに、被削材として
は、SCM435を使用している。
【0019】切削条件としては、切削速度=300m/
min,切込み=0.5mm,送り=0.36mm/r
evとした。また、冷却方法としては、本発明に基づく
スローアウェイチップでは、冷却剤供給用の貫通孔を通
して直接切削刃先部近傍に冷却剤を供給し、それに対
し、比較品としての冷却剤供給孔を有しないスローアウ
ェイチップでは、ホースを通して外部から冷却剤をスロ
ーアウェイチップに供給するようにした。このような条
件において行なった実験結果について図4に示す。
【0020】図4は、本発明に基づくスローアウェイチ
ップの合金鋼における旋削特性を示す図であり、縦軸に
逃げ面摩耗幅VB (mm)をとっており、横軸に切削時
間(min)をとっている。図4に示されるように、こ
の発明に基づくスローアウェイチップの方が耐摩耗性に
優れているのがわかる。これは、この発明に基づくスロ
ーアウェイチップの場合、逃げ面から刃先部に常に安定
して大量に冷却剤が供給されるとともに、内部からのチ
ップの冷却も行なわれる。それにより、刃先温度を効果
的に低下させることが可能となる。その結果、刃先の摩
耗の進展を効果的に低減させることが可能となり、スロ
ーアウェイチップの寿命の向上に効果的に寄与し得るこ
とになる。一方、比較品となるスローアウェイチップの
場合、冷却剤はホースを通して外部から切削部に供給さ
れるため、常に安定した冷却剤の供給が得られず刃先温
度の低減が効果的に行なわれ得ない。それにより、刃先
摩耗が進展し、ひいてはスローアウェイチップの寿命の
短縮につながっていると言える。
【0021】次に、この発明に基づく他の実施例におけ
るスローアウェイチップについて、図2を用いて説明す
る。図2は、この発明に基づく他の実施例におけるスロ
ーアウェイチップを示す斜視図である。図2を参照し
て、この実施例におけるスローアウェイチップ10は、
三角形状のものであり、この場合、図2に示されるスロ
ーアウェイチップの上面あるいは下面がすくい面15と
なる。また、図2における側面に相当する面が逃げ面1
4となる。そして、この場合であれば、それぞれの逃げ
面14に開口部12a,12bを有するように貫通孔1
2が設けられている。
【0022】この実施例においては、貫通孔12の開口
部12a,12bは、いずれも逃げ面14に位置するよ
うに設けられている。そして、このスローアウェイチッ
プ10が、ホルダ(図示せず)に装着される際には、こ
の逃げ面における一方の開口部(12aあるいは12
b)が、ホルダに設けられている冷却剤供給用の開口部
と接続されるように取付けられることになる。それによ
り、ホルダおよびスローアウェイチップ10内を通し
て、逃げ面に冷却剤が供給されることになる。それによ
り、上記の実施例と同様の効果を奏することになる。
【0023】この場合、貫通孔12における開口部12
aの位置は、好ましくは、切刃近傍であり、貫通孔12
の内径は、好ましくは0.5mm〜2.0mmである。
なお、このとき、スローアウェイチップ10のチップサ
イズは、TPMN322タイプである。また、このスロ
ーアウゥイチップ10の逃げ面14は、すくい面15に
垂直な面に対して、約11°の角度傾いている。
【0024】次に、上記のスローアウェイチップ10の
製造方法の一例について説明する。まず、平均粒径1.
4μm程度のサーメット粉末に有機バインダとして10
wt%のパラフィンおよびポリエチレンを添加し、12
0℃の温度で加熱混練する。そして、冷却剤供給用の貫
通孔12を形成するための可動中子を備え付けてある射
出成形用金型に、上記の加熱混練されたサーメット粉末
を射出成形する。そして、このようにして成形された成
形体からまず可動中子を引抜き、その後この成形体を上
記の金型から分離する。それにより、所望の位置に貫通
孔12を有するスローアウェイチップ10を形成するこ
とが可能となる。その後、上記の成形体を10℃/ho
urの昇温速度で500℃まで加熱することによって脱
脂する。その後、0.02Torrの真空中において、
1360℃,1時間20分の焼結を行なうことによっ
て、上記のスローアウェイチップ10を作製する。これ
により、スローアウェイチップ10における逃げ面とな
る位置に開口部12a,12bを有する貫通孔12を備
えたスローアウェイチップ10を作製することが可能と
なる。
【0025】次に、従来の構造を有するスローアウェイ
チップをプレス法で作製したものと、この実施例におけ
るスローアウェイチップとの旋削性能を比較する。この
場合、被削材としてS45Cを使用し、φ40mmの内
径切削を行なった場合の性能を比較している。切削条件
としては、切削速度=200m/min,切込み=0.
4mm,送り=0.3mm/revとした。また、冷却
方法に関しては、この実施例に基づくスローアウェイチ
ップ10の場合は、冷却剤供給用の貫通孔12を通し
て、冷却剤を直接切削刃先部に供給することによって冷
却を行ない、それに対し、比較品として用いる従来のス
ローアウェイチップの場合は、ホースを通して冷却剤を
切削刃先部に供給するようにしている。このような条件
で行なった実験結果を図5に示す。図5は、炭素鋼にお
ける旋削特性を示す図であり、縦軸に逃げ面摩耗幅VB
(mm)をとっており、横軸に切削時間(min)をと
っている。
【0026】上記の図5に示されるように、この実施例
におけるスローアウェイチップ10の方が、耐摩耗性に
優れているのがわかる。それは、スローアウェイチップ
に設けられた貫通孔12を通して、常に刃先部に大量の
冷却剤が供給されるため、刃先部の冷却が効果的に行な
われると同時に、大量に供給される冷却剤によって、切
屑の排出をもスムーズに行なうことができるからであ
る。それに対し、比較品となる従来のスローアウェイチ
ップは、常に安定した量の冷却剤を刃先部に供給するこ
とができないため、この場合のように内径切削を行なっ
た場合には、切屑の排出がスムーズに進まず、切屑詰ま
りで欠けてしまっている。それにより、この実施例にお
けるスローアウェイチップのように、逃げ面に開口部を
有するように貫通孔12を設けることにより、内径切削
を行なった場合にもスローアウェイチップの寿命を効果
的に向上させることが可能となると言える。
【0027】次に、図3を用いて、この発明に基づくス
ローアウェイチップをホルダに装着した場合の一例につ
いて説明する。図3は、この発明に基づいて形成された
スローアウェイチップがホルダに装着されている様子を
示す斜視図である。図3を参照して、ホルダ20におけ
る所定位置には、スローアウェイチップ21が装着され
ており、このスローアウェイチップ21には、その逃げ
面24に一方の開口部22aを有する貫通孔22が設け
られている。
【0028】一方、ホルダ20内部にも、冷却剤供給用
の貫通孔26が設けられており、この貫通孔26の一方
端の開口部26aは、ホルダ20におけるスローアウェ
イチップ21装着面の所定位置に設けられている。そし
て、このホルダ20における貫通孔26の一方端の開口
部26aとスローアウェイチップ21の他方端の開口部
22bとが接続されるように、スローアウェイチップ2
1がホルダ20に装着されることになる。このとき、ホ
ルダ20における貫通孔26の他方端の開口部(図示せ
ず)は、冷却剤供給源(図示せず)に接続されている。
【0029】それにより、冷却剤供給源から供給された
冷却剤をホルダ20およびスローアウェイチップ21内
を通して、スローアウェイチップ21の逃げ面24に供
給することが可能となる。それにより、切刃近傍の冷却
を効果的に行うことができる。また、このスローアウェ
イチップ21は、ホルダ20への装着用の取付孔23を
も有しており、この取付孔23にねじなどを装着するこ
とによって、スローアウェイチップ21がホルダ20に
固定されることになる。
【0030】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、ス
ローアウェイチップの逃げ面から切刃近傍に効果的に冷
却剤を供給することが可能となる。このとき、冷却剤
は、逃げ面から切刃近傍に直接供給されるため、切屑な
どがこの供給口に詰まることによって冷却剤の供給が妨
げられるといった状況を回避することができる。それに
より、安定して冷却に必要な量の冷却剤を刃先部に供給
することが可能となる。それにより、刃先部分の温度上
昇を効果的に低減することが可能となり、ひいてはスロ
ーアウェイチップの寿命の向上に効果的に寄与し得るこ
ととなる。また、上記のように冷却作用を著しく高める
ことに加えて、スローアウェイチップに設ける貫通孔の
開口部を逃げ面に設けることによって、スローアウェイ
チップに貫通孔を設けることによるスローアウェイチッ
プ自体の機械的強度の低下をも防止することが可能とな
る。その結果、使用寿命が長くかつ信頼性の高いスロー
アウェイチップを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に基づく一実施例におけるスローアウ
ェイチップを示す斜視図である。
【図2】この発明に基づく他の実施例におけるスローア
ウェイチップを示す斜視図である。
【図3】この発明に基づくスローアウェイチップをホル
ダに装着した場合の一例を示す斜視図である。
【図4】この発明に基づいて形成されたスローアウェイ
チップと従来の方法で形成されたスローアウェイチップ
との合金鋼における旋削特性を示すための図である。
【図5】この発明に基づいて形成されたスローアウェイ
チップと従来の方法を用いて形成されたスローアウェイ
チップとの炭素鋼における旋削特性を示す図である。
【符号の説明】
1,10,21 スローアウェイチップ 2,12,22,26 貫通孔 3,23 取付孔 4,14,24 逃げ面 5,15,25 すくい面 2a,2b,12a,12b,22a,22b,26a
開口部 20 ホルダ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルダに取付けられ、切刃として機能す
    るスローアウェイチップにおいて、 前記スローアウェイチップにおける逃げ面となる面に一
    方の開口部を有し、前記スローアウェイチップ本体を貫
    通する冷却剤供給用の貫通孔が設けられたことを特徴と
    するスローアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 ホルダと、前記ホルダに取付けられ切刃
    として機能するスローアウェイチップとを備えた切削工
    具において、 前記ホルダには、前記ホルダにおける前記スローアウェ
    イチップ装着面に第1開口部を有し、前記ホルダ本体内
    を貫通し第2開口部を通して冷却剤供給源に通じる孔が
    設けられ、 前記スローアウェイチップには、逃げ面となる面に一方
    の開口部を有し、前記スローアウェイチップ本体を貫通
    する冷却剤供給用の貫通孔が設けられ、 前記ホルダにおける前記第1開口部に前記スローアウェ
    イチップの前記貫通孔の他方の開口部が接続されたこと
    を特徴とする切削工具。
  3. 【請求項3】 スローアウェイチップ材料粉末にバイン
    ダを加え加熱混練する工程と、 加熱混練された前記スローアウェイチップ材料粉末を、
    可動中子を備えた射出成形用金型に流し込むことによっ
    て前記可動中子に対応した貫通孔を有する成形体を形成
    する工程と、 前記成形体から前記可動中子を引抜いた後に、前記射出
    成形用金型から前記成形体を分離する工程と、 前記成形体を脱脂、焼結する工程と、を備えたスローア
    ウェイチップの製造方法。
JP4109953A 1992-04-28 1992-04-28 スローアウェイチップおよびその製造方法ならびに切削工具 Withdrawn JPH05301104A (ja)

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