JPH0529959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、自動車のルーフキヤリアに関するも
のである。

従来技術 自動車のルーフ上に装備されるルーフキヤリア
は、通常、固定式となつていて、取り外して降ろ
したルーフキヤリアに運搬物を載せ、このあと、
運搬物もろともルーフキヤリアをルーフ上に装填
するようなことは行えないようになつていた。こ
のため、特に車高の大きいワンボツクス車などに
おいては、運搬物の積み降ろしをルーフ上の高所
で行わなければならず、この種の作業が極めて面
倒なものとなつていた。

このような不具合を除去するため、運搬物を載
せてこれを固定するための載架部材を、車体のル
ーフ上に固定されたガイドレールに挿脱自在に支
持した自動車のルーフキヤリアが提案されてい
る。ところが、従来のこの形式のルーフキヤリア
は、その構造が複雑である点、載架部材をルーフ
上の装着位置に容易に位置決めすることができな
い点、運搬物を２段積みすることが容易でない
点、運搬物を載架部材に積み降ろしする作業が容
易でない点、及び運搬物の積み降ろし時に、自動
車の車体外板に傷を付けてしまうおそれのある点
に問題があつた。

目 的 本考案の目的は、上記点に鑑み、従来の欠点を
全て除去し、楽に運搬物の積み降ろし作業を行え
るようにした自動車のルーフキヤリアを提供する
ことにある。

構 成 本考案は、上記目的を達成するため、車体上部
のルーフ上に固定され、かつ凹陥座が形成された
ガイドレールと、 運搬物をのせて、これを固定するための載架部
材と、 上端部が前記載架部材に固着され、かつ下部が
前記ガイドレールに挿脱されると共に、その下部
の領域におねじが形成された複数の脚杆と、 該脚杆のおねじに螺合し、脚杆を前記ガイドレ
ールに挿入して載架部材を装着位置にセツトした
とき、該ガイドレールの凹陥座上に載置される固
定用ダイヤルと、 前記脚杆のおねじに螺合し、該脚杆をガイドレ
ールに挿入して載架部材を装着位置にセツトした
ときに該ガイドレールの内側に位置し、前記固定
用ダイヤルを回わして締め付けたとき、該ダイヤ
ルと協働して脚杆をガイドレールに対して固定す
るプレートと、 該プレートの、固定用ダイヤルに対向した面と
反対側の面に設けられた外板保護ゴムとを具備
し、 前記複数の脚杆は、これらをガイドレールから
脱抜すべきとき、載架部材の奥側となる部位と、
手前側となる部位とにそれぞれ配設され、奥側と
なる部位に設けられた脚杆は、前記固定用ダイヤ
ルとプレートが螺合した下部片と、載架部材に固
定された上部片とに分割され、こっらの部片がピ
ンを介して互いに枢着されている自動車のルーフ
キヤリアを提案する。

実施例 以下、本考案を一施例に基づき説明する。

第１図は、本考案に係る自動車のルーフキヤリ
アの概要を示す図である。ここに示したルーフキ
ヤリアは、車体上部のルーフ上に固定されたガイ
ドレール１と、このガイドレール１に支持され、
運搬物を載せて、これを固定するための載架部材
２と、この載架部材２をガイドレール１に対して
不動状態に固定する載架部材固定装置３とを具備
し、固定側のガイドレール１で構成される下段部
と、載架部材２で構成される上段部とが分離され
ている。

第２図はかようなルーフキヤリアをより具体化
した実施例を示すものである。

自動車のルーフ上には２つの支持部材１０の脚
部が固定され、これらの支持部材１０には互に間
隔をおいて２本のガイドレール１１が横架され、
その両端側が支持部材１０に固定されている。こ
のように、ガイドレール１１は、車体上部のルー
フ上に不動に固定される。

運搬物を載せて、これを固定するための載架部
材１２は、パイプ状の２本の支受杆１４と、この
支受杆間に固定された同じくパイプ状の２本の連
結杆１５とから成り、連結杆１５にゴム等の弾性
体より成る固定ベルト１６が掛け渡されている。

載架部材１２の支受杆１４には、パイプ状の複
数の脚杆１７の上端部が固着され、これらの脚杆
１７の下部は、後述するようにガイドレール１１
に挿脱される。また各脚杆１７の下部の領域には
おねじが形成され、このおねじには、第４図に示
すように固定用ダイヤル１９と、プレート１８と
がそれぞれ螺合している。

ガイドレール１１はＵ字状断面のものを偏平に
つぶした形状となつていて、符号１１ａで示す縁
端部には固定用ダイヤル１９とプレート１８との
間の脚杆部分が嵌め込まれ、固定用ダイヤル１９
が第３図に示す如く、ガイドレール１１に形成さ
れた凹陥座１１ｂ（第３ａ図参照）に来たところ
で、固定用ダイヤル１９を回して締め付けること
により、凹陥座１１ｂの部分が第４図に示すよう
に固定用ダイヤル１９とプレート１８とによつて
堅固に挟持され、載架部材１２はガイドレール１
１に対し不動状態に固定保持される。

ここで、運搬物を載せるに当つては、先ず、第
２図に示す全ての固定用ダイヤル１９を緩めた
上、載架部材１２をガイドレール１１から脱抜す
る。そして、第６図に示すように、載架部材１２
を例えば地上に降ろした上、運搬物２１を載架部
材１２上に載せ、固定ベルト１６でそれを載架部
材１２に固定する。

次いで、載架部材１２を運搬物２１もろとも持
ち上げて、載架部材１２の固定用ダイヤル１９と
プレート１８との間の脚杆１７の部分をガイドレ
ール１１の縁端部１１ａに挿入し、運搬物２１と
共に載架部材１２を押し込む。このようにして脚
杆１７をガイドレール１１に挿入して、載架部材
１２を第２図に示した所定の装着位置にセツトす
る。このとき、各固定用ダイヤル１９は、ガイド
レール１１に形成された各凹陥座１１ｂ上に落ち
込んで載置される。このため、載架部材１２を、
極く簡単かつ正確に、ルーフ上の所定の装着位置
に位置決めすることができる。このとき、プレー
ト１８はガイドレール１１の内側に位置してい
る。

次いで、固定用ダイヤル１９を回わしてこれを
締めつけると、ガイドレール１１の凹陥座１１ｂ
が固定用ダイヤル１９とプレート１８とによつて
挟み付けられる。このようにして、プレート１８
と固定用ダイヤル１９とが協働して脚杆１７をガ
イドレール１１に対して固定し、載架部材１２が
ガイドレール１１に対して不動状態に固定保持さ
れる。

載架部材１２の内部空間を利用して、ここに第
６図において仮想線で示すような運搬物２１′を
装填すると、２段式に運搬物を載せることができ
る。その際、各脚杆１７に螺合したプレート１８
を回わしてその螺合位置を調整すれば、載架部材
１２の高さ位置、すなわちガイドレール１１と載
架部材１２の間隔を調節することができ、容易に
運搬物を２段式に積載することができる。しかも
各種厚さの運搬物２１′を積載することが可能で
ある。

なお、運搬物２１を降ろす場合には、例えば、
載架部材１２を運搬物もろとも地上へ降ろせばよ
い。

このように、本案実施例のルーフキヤリアによ
れば、運搬物の積み降ろしをルーフ上で行う必要
がなく、高所での面倒な作業を行わないで済む。
特に、ワンボツクス車など車高の大きいものには
有利である。

また本実施例のルーフキヤリアは、運搬物をよ
り一層楽に積み降ろしできるように、次の構成が
採用されている。

第２図に例示するように、脚杆１７は、これら
をガイドレール１１から脱抜すべきとき、載架部
材１２の奥側となる部位と、手前側となる部位と
に、それぞれ２個ずつ配設されているが、奥側と
なる部位に設けられた脚杆１７は、第５図に示す
ように、固定用ダイヤル１９とプレート１８が螺
合した下部片と、載架部材１２（第２図）に固定
された上部片とに分割され、これらの上下の部片
がピン２２を介して互いに枢着されている。かか
る構成によれば、第７図に示すように載架部材１
２を手前側に引き、手前側の脚杆をガイドレール
１１から外した状態で、載架部材１２をピン２２
の周りに傾倒させることができる。この傾倒状態
で運搬物を載せて固定し、このあと、載架部材１
２を持ち上げ、奥側の脚杆１７をガイドレール１
１に対してスライドさせ乍ら、手前側の脚杆１７
を第４図のようにガイドレール１１に挿入し、前
述のように載架部材１２を装着位置にセツトし、
固定用ダイヤル１９とプレート１８とによつて載
架部材１２をガイドレール１１に対して固定保持
する。

第８図は、かかる可倒式の載架部材によつて実
際に荷上げするときの様子を示す図であり、載架
部材１２の手前側を持上げた上、それを押し動か
せば、簡単に運搬物を荷上げすることができる。

第９図は、後方から荷上げする方式例を示した
ものであり、この例では、載架部材１２は自動車
の走行方向にスライドされる。この例では、かな
り長尺の運搬物にも対応することができ、第８図
の例と同じように、載架部材１２を取り外さず
に、一層容易に、運搬物を載せて固定し、或いは
これを降ろすことができる。

また第７図に示すように、プレート１８の、固
定用ダイヤル９に対向した側と反対側の面には、
外板保護ゴム１８ａ（第７図以外の図には示して
いない）が設けられている。これにより、運搬物
２１，２１′の積み降ろし作業時にプレート１８
が車体の外板に当つて、これに傷を付けてしまう
不具合を阻止することができる。

なお、載架部材１２を取り外し、従来のルーフ
キヤリアと同様にして、支持部材１０ないしはガ
イドレール１１に荷物を積載することもできる。

効 果 以上、本考案によれば、運搬物の積み降ろしを
ルーフ上で行う必要がなく、この種の作業を容易
にかつ安全に行うことができるだけでなく、次に
示す諸効果を奏する。

ガイドレールに凹陥座が形成され、載架部材
を装着位置にセツトしたとき、固定用ダイヤル
が凹陥座に載置されるので、載架部材を容易か
つ確実に位置決めすることができる。

また上述のように載架部材を位置決めする働
きをなす固定用ダイヤルを回わして、載架部材
をガイドレールに固定するように構成されてい
るので、載架部材の位置決め部材と固定用部材
を別々に設ける必要がなく、ルーフキヤリアの
構造を簡素化し、そのコストを低減できる。

しかも固定用ダイヤルを回わすだけで、載架
部材を固定し、又はその固定状態を解除でき、
その操作が大変楽である。

脚杆のおねじに固定用ダイヤルのほかにプレ
ートを螺合したので、このプレートを回わすこ
とによつて、ガイドレールと載架部材の間隔を
調節でき、これによつて、運搬物を容易に２段
積みすることができ、しかもガイドレールと載
架部材の間に、各種厚さの運搬物を確実に積載
することができる。

また、載架部材をガイドレーリから完全に離
脱して運搬物の積み降ろしを行うことができる
ほか、載架部材の奥側となる部位に設けられた
脚杆が、下部片と上部片に分割され、これらが
ピンを介して互いに枢着されているので、載架
部材をガイドレールから外すことなく、運搬物
の積み降ろしを行うことができる。このよう
に、作業者は運搬物の形態や重量、又は作業者
自身の体躯などに応じて、最も楽な方法で、運
搬物を積み降ろしでき、その作業効率を高める
ことができる。

脚杆に螺合したプレートには、外板保護ゴム
が設けられているので、運搬物の積み降ろし時
に、車体外板に傷を付ける不具合を阻止でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るルーフキヤリアの全体的
な概略構成の一例を示す斜視図、第２図はさらに
具体化した実施例を示す斜視図、第３図はガイド
レールの要部を示す斜視図、第３ａ図はガイドレ
ールのみを示す斜視図、第４図は載架部材の固定
部を示す断面図、第５図は載架部材の脚杆の斜視
図、第６図は本案実施例のルーフキヤリアを用い
て行われている荷上作業の様子と、荷上作業完了
後の様子を示す図、第７図は可倒式載架部材の構
成図、第８図は可倒式のルーフキヤリアを用いて
行われている荷上作業の様子を示す図、第９図は
ルーフキヤリアを用いて行われている後方荷上作
業の様子を示す図である。 １，１１……ガイドレール、１１ｂ……凹陥
座、２，１２……載架部材、１７……脚杆、１８
……プレート、１８ａ……外板保護ゴム、１９…
…固定用ダイヤル、２１，２１′……運搬物、２
２……ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体上部のルーフ上に固定され、かつ凹陥座が
   形成されたガイドレールと、 運搬物を載せて、
   これを固定するための載架部材と、 上端部が前記載架部材に固着され、かつ下部が
   前記ガイドレールに挿脱されると共に、その下部
   の領域におねじが形成された複数の脚杆と、 該脚杆のおねじに螺合し、脚杆を前記ガイドレ
   ールに挿入して載架部材を装着位置にセツトした
   とき、該ガイドレールの凹陥座上に載置される固
   定用ダイヤルと、 前記脚杆のおねじに螺合し、該脚杆をガイドレ
   ールに挿入して載架部材を装着位置にセツトした
   ときに該ガイドレールの内側に位置し、前記固定
   用ダイヤルを回わして締め付けたとき、該ダイヤ
   ルと協働して脚杆をガイドレールに対して固定す
   るプレートと、 該プレートの、固定用ダイヤルに対向した面と
   反対側の面に設けられた外板保護ゴムとを具備
   し、 前記複数の脚杆は、これらをガイドレールから
   脱抜すべきとき、載架部材の奥側となる部位と、
   手前側となる部位とにそれぞれ配設され、奥側と
   なる部位に設けられた脚杆は、前記固定用ダイヤ
   ルとプレートが螺合した下部片と、載架部材に固
   定された上部片とに分割され、これらの部片がビ
   ンを介して互いに枢着されていることを特徴とす
   る自動車のルーフキヤリア。