JPH05298940A - 波付鋼管鎧装ケーブル - Google Patents

波付鋼管鎧装ケーブル

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JPH05298940A
JPH05298940A JP4098344A JP9834492A JPH05298940A JP H05298940 A JPH05298940 A JP H05298940A JP 4098344 A JP4098344 A JP 4098344A JP 9834492 A JP9834492 A JP 9834492A JP H05298940 A JPH05298940 A JP H05298940A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間に渡り、波付鋼管の外表面への防湿効
果を失うことなく、波付鋼管への外的衝撃に対し高い機
械的強度を保持する。 【構成】 波付鋼管に曲げ、衝撃等が加わっても、波付
鋼管の外表面に防錆塗料層を形成するのとは異なり、防
湿材料を被覆してあるのでひび割れ等が発生して波付鋼
管の外表面へ湿気を与えるということがない。また、波
付鋼管の外表面に被覆される防湿材料に防蟻剤が添加さ
れているため、白蟻により食害を受けることがなく、白
蟻の食害により波付鋼管の外表面が露出し、外部からの
湿気を受けて波付鋼管の外表面を腐食させるといったよ
うなことはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直埋工事等に用いられ
る波付鋼管鎧装ケーブルに係り、特に、波付鋼管(スチ
ルコルゲート)の外表面が長期間に渡り、防湿効果を失
うことなく、高機械的強度を保持することのできる波付
鋼管鎧装ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】波付鋼管鎧装ケーブルは、従来図3に示
す如き構成を有している。すなわち、波付鋼管鎧装ケー
ブル100は、中空な管の波付鋼管101を有してい
る。この波付鋼管鎧装101内には、ケーブル102が
収容されている。このケーブル102は、ポリ塩化ビニ
ル等の絶縁体103の被覆された導体104を複数本撚
り合わせ、外層に撚り合わせ面の凹凸を整形するための
ジュート等の介在物105を充填し、その外表面を押え
巻きテープ106によって押え巻きし、さらに、その押
え巻きテープ106の外側にゴム又は合成樹脂製のシー
ス107を被覆して構成されている。このケーブル10
2を波付鋼管101内に収納する際には、波付鋼管10
1の内壁面とケーブル102の外表面との間に、ケーブ
ル102が波付鋼管101内でガタつくのを防止するた
め、ビニル等の介在紐108が挿入されている。
【0003】このように外周面を波形鋼管で鎧装した波
付鋼管鎧装ケーブル100は、直埋工事あるいは水底
用、耐油耐薬品、防鼠、電磁遮蔽等を必要とする電気工
事では、外周面を波形鋼管で鎧装した波付鋼管鎧装ケー
ブルが用いられている。このように直埋するため、波付
鋼管鎧装ケーブル100は、外部から湿気を受け波付鋼
管の外表面が腐食する。
【0004】そこで、従来、波付鋼管鎧装ケーブル10
0には、波付鋼管の外表面に防湿処理が施されている。
波付鋼管の一般的な防湿処理方法としては、第1の方法
として、波付鋼管の外表面に防錆塗料(エッチングプラ
イマーJIS K 5633)109を塗装する方法が
採られている。
【0005】また、第2の方法として、波付鋼管の外表
面にPE(ポリエチレン)又はPVC(ポリ塩化ビニ
ル)の合成樹脂を被覆して保護層110を形成する方法
が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
第1の方法(防錆塗料を塗装する防湿処理方法)にあっ
ては、波付鋼管に曲げ、衝撃等が加わると、防錆塗料層
にひび割れ等が発生し、このひび割れした部分から水分
が侵入し波付鋼管の外表面を腐食させるといったように
曲げ、衝撃等によって防湿効果が損なわれるという問題
点を有している。また、従来の第2の方法(合成樹脂の
保護層を被覆する防湿処理方法)にあっては、波付鋼管
の外表面に被覆した合成樹脂が白蟻により食害を受ける
と、波付鋼管の外表面が露出し、外部から湿気を受けて
波付鋼管の外表面を腐食させるといったように白蟻の食
害によって防湿効果が損なわれるという問題点を有して
いる。
【0007】さらには、外的な衝撃により、あるいは白
蟻の食害により防湿層が損傷を受け、波付鋼管に錆が発
生し、機械的強度が低下して波付鋼管が破壊され、波付
鋼管内のケーブルに白蟻による被害、さらに吸湿による
絶縁抵抗の低下から絶縁破壊を起こし短絡状態を招来す
るというの問題点を有している。
【0008】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、長期間に渡り、波付鋼管の外表面への防湿効果
を失うことなく、かつ波付鋼管への外的衝撃に対し高い
機械的強度を保持することのできる波付鋼管鎧装ケーブ
ルを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における波付鋼管鎧装ケーブルは、複数の導
線を撚り合わせてなるケーブルを所定内径の波付鋼管内
に収納してなる波付鋼管鎧装ケーブルにおいて、上記波
付鋼管の外表面を防蟻剤を添加した防湿材料で被覆して
構成したものである。
【0010】また、上記目的を達成するために、本発明
における波付鋼管鎧装ケーブルは、複数の導線を撚り合
わせてなるケーブルを所定内径の波付鋼管内に収納して
なる波付鋼管鎧装ケーブルにおいて、上記波付鋼管の外
表面を防蟻剤を添加した防湿材料を被覆し、さらに該防
湿材料の上に防蟻剤を混練してなる合成樹脂製保護層を
形成したものである。
【0011】
【作用】上記構成によれば、波付鋼管に曲げ、衝撃等が
加わっても、波付鋼管の外表面に防錆塗料層を形成する
のとは異なり、防湿材料を被覆してあるのでひび割れ等
が発生して波付鋼管の外表面へ湿気を与えるということ
がない。また、波付鋼管の外表面に被覆される防湿材料
に防蟻剤が添加されているため、白蟻により食害を受け
ることがなく、白蟻の食害により波付鋼管の外表面が露
出し、外部からの湿気を受けて波付鋼管の外表面を腐食
させるといったようなことはない。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1には、本発明に係る波付鋼管鎧装ケーブルの一実施例
が示されている。
【0013】図において、1は波付鋼管鎧装ケーブル
で、外周面を波形鋼管(スチルコルゲート)で鎧装した
構造を有し、直埋工事あるいは水底用、耐油耐薬品、防
鼠、電磁遮蔽等を必要とする電気工事に用いられるもの
である。すなわち、この波付鋼管鎧装ケーブル1は、内
部が中空な波形鋼管(スチルコルゲート)によって構成
される波付鋼管2と、この波付鋼管2内に収納されるケ
ーブル3とによって構成されている。
【0014】ケーブル3は、銅又は銅合金によって構成
される導体4の上にポリ塩化ビニル等の合成樹脂によっ
て構成される絶縁体5を被覆した電線を複数本撚り合わ
せ、この電線の撚り合わせ面の凹凸を整形するためのジ
ュート等の介在物6を充填し、その外表面に押え巻きテ
ープ7を巻き付け、さらに、その巻き付けた押え巻きテ
ープ7の上にゴム又は合成樹脂製のシース8を被覆して
構成されている。
【0015】9は介在紐で、ビニル等の合成樹脂によっ
て構成されており、波付鋼管2の内壁面とケーブル3の
シース8との間に介在するものである。そして、この介
在紐9は、このケーブル3を波付鋼管2内に収納した際
に、ケーブル3が波付鋼管2内でガタつくのを防止する
ためのものである。
【0016】10は防湿材料で、波付鋼管2の外表面に
被覆されている。この防湿材料10には、例えば、ゴム
入りアスファルトが用いられ、防湿材料10は、このゴ
ム入りアスファルトに防蟻剤を均一に添加したものによ
って構成されている。この防蟻剤としては、フェニトロ
チオン等の有機リン系化合物、カーバメイト系化合物な
どが用いられる。この防蟻剤添加量は、0.05重量%
〜10.0重量%が適しており、最適には2.0重量%
前後である。この防湿材料10を用いることで、それ自
体に防湿効果があり、曲げ、衝撃等の機械的強度に対し
て保護する効果があり、防錆塗料と比べるとひび割れが
発生することがなく長期に渡って防湿効果を保持するこ
とができる。さらに、この防湿材料10を用いること
で、均一に添加されたフェニトロチオン等の有機リン系
化合物、カーバメイト系化合物などの防蟻剤によって白
蟻の食害による波付鋼管の外表面の露出を防止すること
ができ、外部からの湿気を受けて波付鋼管の外表面が腐
食するのを防止することができる。 次に、本実施例の
波付鋼管鎧装ケーブル1の具体的実施例について比較例
と対比して説明する。
【0017】実施例1 本実施例は、波付鋼管の上にフェニトロチオン2重量%
混合したアスファルト/ゴム=1/1の防湿材料を被覆
したものである。
【0018】比較例1 比較例1は、波付鋼管の外表面に、防錆塗料を塗布した
ものである。
【0019】この実施例1と比較例1に対して行った防
湿試験の比較結果が第1表に示されている。
【0020】 第1表中、防湿試験結果において、×はかなり錆が出て
いる状態、○は錆が出ていない状態を示している。
【0021】防湿試験は、波付鋼管鎧装ケーブル1に対
して曲げを加えたり、外部から衝撃を加え、湿度の高い
部屋の中に一週間放置して発錆の状態を調べたものであ
る。防湿試験の結果は、波付鋼管の外表面に防錆塗料を
コーティングした比較例1の場合、曲げ、衝撃によって
防錆塗料を塗布した塗装層にひび割れが発生し、波付鋼
管の外表面に錆が発生した。これに対し、実施例1は、
波付鋼管鎧装ケーブル1に対して曲げを加えたり、外部
から衝撃を加ても防湿材料にひび割れが発生することが
なく、波付鋼管の外表面に錆は発生しなかった。
【0022】図2には、本発明に係る波付鋼管鎧装ケー
ブルの別な実施例が示されている。本実施例が図1に図
示の実施例と異なる点は、図1に図示の実施例の防湿材
料10の上に、さらに防蟻剤を混練してなる合成樹脂製
保護層を形成した点である。他の構成は図1に図示の実
施例と異なる点はない。
【0023】すなわち、11は合成樹脂製保護層で、防
湿材料10を押出し被覆する際に2段で押出し被覆して
形成する。この合成樹脂製保護層11は、具体的には、
塩化ビニル系樹脂にフェニトロチオン等の有機リン系化
合物、カーバメイト系化合物などの防蟻剤を配合して構
成している。
【0024】次に、本実施例の波付鋼管鎧装ケーブル1
の具体的実施例について比較例と対比して説明する。
【0025】実施例2 本実施例は、波付鋼管の上にフェニトロチオン2重量%
混合したアスファルト/ゴム=1/1の防湿材料を被覆
し、さらに、この防湿材料の上に軟質ポリ塩化ビニル樹
脂を保護層として被覆したものである。
【0026】実施例3 本実施例は、波付鋼管の上にフェニトロチオン2重量%
を混合したアスファルト/ゴム=1/1の防湿材料を被
覆し、さらに、この防湿材料の上にフェニトロチオン2
重量%を配合した軟質ポリ塩化ビニル樹脂を保護層とし
て被覆したものである。
【0027】比較例2 比較例2は、波付鋼管の外表面に、防錆塗料を塗布した
塗装層を形成し、この塗装層の上に軟質ポリ塩化ビニル
樹脂を保護層として被覆したものである。
【0028】この実施例2、3と比較例2に対して行っ
た防湿試験の比較結果が第2表に示されている。
【0029】 第2表中、蟻咬試験結果において、×はかなり食痕があ
る状態、△はわずかに食痕がある状態、○は食痕なしの
状態を示している。また、第2表中、防湿試験結果にお
いて、×はかなり錆が出ている状態、△はわずかに錆が
出ている状態、○は錆が出ていない状態を示している。
【0030】防湿試験は、波付鋼管鎧装ケーブル1に対
して曲げを加えたり、外部から衝撃を加え、湿度の高い
部屋の中に一週間放置して発錆の状態を調べたものであ
る。また、蟻咬試験は、水槽形の容器に八分目土を入
れ、実施例1、2、比較例2の条件で作成した波付鋼管
のサンプルを土中に埋め、この水槽形の容器の中に15
0匹の白蟻を入れ、2週間放置して各試料の食害状態を
調べたものである。
【0031】防湿・防蟻試験の結果は、波付鋼管の外表
面に防錆塗料をコーティングし、さらに、この塗装層の
上に軟質ポリ塩化ビニル樹脂を保護層として被覆した比
較例2の場合、白蟻によって保護層が食害され、波付鋼
管の外表面が露出し、曲げ、衝撃によって防錆塗料を塗
布した塗装層にひび割れが発生し、波付鋼管の外表面に
錆が発生した。
【0032】これに対し、実施例2は、白蟻に保護層の
外表面が僅かに食害されたが、波付鋼管の外表面が露出
することはなく、更に、波付鋼管鎧装ケーブル1に対す
る曲げ、外部からの衝撃に強い防湿材料の防湿材料の防
湿効果も加わり、波付鋼管の外表面に錆は発生しなかっ
た。
【0033】また、実施例3は、保護層に配合された防
蟻剤の作用により保護層の白蟻による食害が全くなく、
波付鋼管の外表面が露出することはなく、更に、波付鋼
管鎧装ケーブル1に対する曲げ、外部からの衝撃に強い
防湿材料の防湿材料の防湿効果も加わり、波付鋼管の外
表面に錆は発生しなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明は、上述の通り構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。
【0035】請求項1の波付鋼管鎧装ケーブルにおいて
は、複数の導線を撚り合わせてなるケーブルを収納する
波付鋼管の外表面に防蟻剤を添加した防湿材料を被覆し
てあるため、従来の防錆塗装に比して、曲げ、衝撃等に
対するひび割れが発生しにくく、防湿効果が損なわれ
ず、しかも、白蟻による食害をなくすことができ、この
防蟻性、防湿性の相乗効果により波付鋼管の耐腐食性を
向上し、高機械的強度を維持でき、ケーブルの長期信頼
性を向上することができる。
【0036】請求項2の波付鋼管鎧装ケーブルにおいて
は、複数の導線を撚り合わせてなるケーブルを収納する
波付鋼管の外表面に防蟻剤を添加した防湿材料を被覆
し、さらに該防湿材料の上に防蟻剤を混練してなる合成
樹脂製保護層を形成してあるため、白蟻による食害を第
1段の保護層で防止し、第2段の防湿材料で更に白蟻に
よる食害を防止して防蟻効果を向上し、更に、防湿材料
で曲げ、衝撃等に対して防湿層のひび割れの発生を防止
し、防湿効果を損なわず、防蟻性、防湿性の相乗効果に
より波付鋼管の耐腐食性を向上し、高機械的強度を維持
でき、ケーブルの長期信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波付鋼管鎧装ケーブルの一実施例を示
す断面図である。
【図2】本発明の波付鋼管鎧装ケーブルの他の実施例を
示す断面図である。
【図3】従来の波付鋼管鎧装ケーブルの構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
1……………………………………………………………波
付鋼管鎧装ケーブル 2……………………………………………………………波
付鋼管 3……………………………………………………………ケ
ーブル 4……………………………………………………………導
体 5……………………………………………………………絶
縁体 6……………………………………………………………介
在物 7……………………………………………………………押
え巻きテープ 8……………………………………………………………シ
ース 9……………………………………………………………介
在紐 10…………………………………………………………防
湿材料 11…………………………………………………………合
成樹脂製保護層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の導線を撚り合わせてなるケーブルを
    所定内径の波付鋼管内に収納してなる波付鋼管鎧装ケー
    ブルにおいて、上記波付鋼管の外表面に防蟻剤を添加し
    た防湿材料を被覆したことを特徴とする波付鋼管鎧装ケ
    ーブル。
  2. 【請求項2】複数の導線を撚り合わせてなるケーブルを
    所定内径の波付鋼管内に収納してなる波付鋼管鎧装ケー
    ブルにおいて、上記波付鋼管の外表面に防蟻剤を添加し
    た防湿材料を被覆し、さらに該防湿材料の上に防蟻剤を
    混練してなる合成樹脂製保護層を形成したことを特徴と
    する波付鋼管鎧装ケーブル。
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