JPH0529691Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は被検体の体内での超音波画像診断を行
うため、体腔内に挿入されて超音波の送受信を行
う超音波プローブに関する。

［従来の技術］ 超音波の送受信を行うことによつて被検体内部
の断層画像を得る超音波診断装置では、被検体に
対する超音波の送受信を行う超音波プローブが使
用されている。

このような超音波プローブとして被検体の体表
面から超音波の送信を行うものや手術中に直接臓
器等に当てて超音波の送信を行う術中プローブ、
更に被検部分により近い位置から超音波の送信を
行うため体腔内に挿入される体腔内挿入式超音波
プローブ等が知られている。

このような体腔内挿入式超音波プローブとして
は経直腸プローブが周知であり、このプローブに
よつて、前立腺などの横断面を得るためのラジア
ルスキヤンやプローブ長手方向に振動子を配列し
て縦断面を得るリニア電子スキヤンが行われる。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来の体腔内挿入式超音波プローブでは、
例えば経直腸プローブによつて所定の被検部位の
リニア電子スキヤンによる断層画像を得る場合
に、被検部位の所定個所の断層面を正確に画像表
示するため、挿入したプローブをその円周方向に
回転させて上記所定の検査個所を捜さなければな
らない。

従つて、長期に渡つて定期的に所定の個所を観
察する場合には、診断の度毎にその検査個所を捜
し出す必要があり、迅速な診断及び正確な検査位
置の設定が困難であるという問題があつた。

考案の目的 本考案は上記問題点を解決することを課題とし
てなされたものであり、その目的は超音波診断を
行うべき検査個所を迅速かつ正確に捜し出して超
音波診断を行うことのできる体腔内挿入式超音波
プローブを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案に係る体腔内
挿入式超音波プローブは、被検体の体腔内に挿入
され被検体内部で超音波の送受信を行い超音波断
層画像情報を得る体腔内挿入式超音波プローブに
おいて、超音波プローブの把持部側に回転角度検
出手段が設けられ、前記回転角度検出手段は、円
柱形状の超音波プローブに対して同軸状に湾曲し
た形状の透明チユーブと、前記湾曲した透明チユ
ーブの湾曲面に沿つて設けられた角度目盛とを有
し、前記透明チユーブには着色液体が封入され、
かつその内部を移動可能な気泡を有し、前記気泡
の位置により超音波プローブの円周方向への回転
角度を検出し、前記超音波断層画像による診断位
置の認識を可能としたことを特徴とする。

［考案の作用］ 上記構成の体腔内挿入式超音波プローブによれ
ば、プローブに設けられた回転角度検出手段によ
つて体腔内に挿入したプローブの円周方向への回
転角度を検出することができ、この角度検出によ
つて超音波画像診断を行うべき被検部位を容易に
捜し出すことができる。すなわち、まず最も容易
に検知することのできる部位を画像表示によつて
検知し、この個所を基準としてプローブを回転さ
せ何度回転させた位置に所望の検査部位が存在す
るかを最初に確認しておく。これにより、後に診
断する際にその所望の検査個所を容易に捜し出す
ことができる。これにより、検査部位の迅速かつ
正確な探査が可能となる。

［実施例］ 以下図面に基づいて、本考案の好適な実施例に
ついて説明する。

第１図は実施例に係る体腔内挿入式超音波プロ
ーブの斜視図を示しており、超音波プローブ１０
の先端部１０ａ近傍には超音波振動子１２が設け
られており、超音波プローブ１０の尾端側の把持
部１４の近傍位置で体腔内に挿入されない部分に
は、本考案の特徴的構成要素である回転角度検出
手段としての角度表示器１６が設けられている。

第２図はこの角度表示器１６の構成を示す図で
あり、第２図Ａはその斜視図を示している。図示
のように角度表示器１６は所定の曲率で湾曲した
構造となつており、その内周面は超音波プローブ
１０の取付け個所の外周面に密着取付け可能な形
状とされている。第２図Ｂは、角度表示器１６に
組み込まれる液体入りチユーブ１８を示してお
り、この液体入りチユーブ１８は、気泡２０を有
している。そして内部の液体は気泡２０を視覚的
に容易に識別し得るように液体として着色液２２
が入れられている。

第２図Ｃは角度表示器１６の平面図を示してお
り、この角度表示器１６の外側面１６ａには角度
目盛が表示されている。そして、液体入りチユー
ブ１８内の気泡２０の移動量を角度目盛によつて
確認し、これによつて超音波プローブ１０の円周
方向への回転角度を目視により検知することがで
きるようにしている。

次に、上記実施例の使用動作について説明す
る。

まず、超音波プローブ１０をバルーンを被着し
て寝かした被検者の体腔内に挿入する。超音波振
動子１２が所定の診断個所にくるまで挿入して超
音波の送受信を開始する。角度表示器１６は体腔
内には挿入されない位置にあるので外部から使用
者が目視可能となつている。そして、使用者は超
音波振動子１２の受信信号に基づく画像を見て所
定個所を中心にして角度表示を見ながら何度回転
させた位置に被検部位が存在するかを確認して診
断を行うことができる。例えば、前立腺の診断を
経直腸診断によつて行う場合に、尿道を基準と
し、尿道の位置を０度、すなわち気泡２０が角度
表示目盛の中心の０度の位置にくるように超音波
プローブ１０に対し角度表示器１６を回転させて
設定する。そして、所望の検査個所まで超音波プ
ローブ１０を回転させ、プローブ１０の回転角度
を確認しておくことができる。従つて、同一の患
者に対し定期的に診断を行う場合に、被検部位の
位置を簡単に把握しておくことができる。本実施
例では、角度表示がプローブ把持部１４の近傍に
設けられており、使用者は容易にその角度表示を
目視することができ迅速かつ正確な位置の把握が
できる。

第３図は参考例を示す斜視図であり、超音波プ
ローブ１０の把持部１４の近傍位置に回転角度検
出手段として超音波プローブ１０の円周方向への
回転角度を自動的に検知することのできるエンコ
ーダ２３が取り付けられている。

第４図はこの回転角度検出用のエンコーダ２３
の概略構成を示す分解斜視図を示しており、外筒
２４は中央に超音波プローブ１０が挿入される取
付け孔２４ａが形成され、その外周囲にスリツト
板２６がベアリングを介して内部で回転自在に取
付けられる外筒室２４ｂが形成されている。スリ
ツト板２６には一個所に錘２８が取り付けられ、
通常時にその錘２８によつて外筒２４の回転にか
かわらず静止した状態を維持できるようにしてい
る。そして、外筒室２４ｂ内には光学式カウンタ
３０が取り付けられ、この光学式カウンタ３０に
よつて、スリツト板２６を介して光の発光受光を
行いスリツトを通過する光をカウントして超音波
プローブ１０の回転角度を検出できるようにして
いる。そして、外筒２４には外筒室２４ｂに収納
されたスリツト板２６及び光学式カウンタ３０を
保護するため外蓋３２が被せられる。

第５図は上記参考例の超音波プローブを用いた
超音波診断装置の概略構成を示すブロツク図であ
り、超音波プローブ１０に取り付けられたエンコ
ーダ２３には角度カウンタ３４が接続され、エン
コーダ２３からの出力に基づき回転角度を検出す
る。この角度カウンタ３４にはリセツトスイツチ
３６が接続され角度の検出を開始するときに基準
の位置で角度カウンタ３４のカウント数をリセツ
トする。

角度カウンタ３４にはデータメモリ３８が接続
され角度カウンタ３４からのカウント信号が入力
される。そして、データメモリ３８には表示装置
４０が接続されデータメモリ３８からの出力に所
定の画像処理を行つて画面上に表示する。

次に、上記参考例の使用動作について説明す
る。上記実施例と同様に超音波プローブ１０を体
腔内に挿入した後、例えば前立腺の超音波診断の
場合には画像上で尿道の位置を確認し、この尿道
の中心位置に超音波プローブ１０の角度カウンタ
３４をリセツトスイツチ３６の操作によつてリセ
ツトする。そして、超音波プローブ１０を所望の
被検部位に向けて円周方向に回転させると、その
回転に伴つて外筒２４が回転するがスリツト板２
６は錘２８によつてその重量方向で静止してい
る。従つて、光学式カウンタ３０によつて外筒２
４とスリツト板２６との相対的な回転移動量を検
出するための信号を出力することができる。そし
て、この信号を角度カウンタ３４にてカウント
し、第６図に示す表示画面４２上に超音波断層画
像と共に角度表示を行うことができる。

従つて、角度検出を行うための基準位置を予め
設定することによつて、所望の被検部位までの回
転角度を正確に検出することができ、かつ画面上
に表示できるので画面と角度を対照しながら診断
することができ病変組織等の位置の認識を迅速か
つ容易に行うことができる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案に係る体腔内挿入
式超音波プローブによれば、超音波プローブを体
腔内に挿入して内部の超音波診断を行う際に、超
音波プローブの円周方向への回転角度を検出する
ことができるので、被検体の所定の基準位置から
被検部位までの角度を容易に認識することがで
き、これによつて被検部位の位置の把握が正確に
行われる。従つて、長期に渡つて定期的な被検部
位の超音波診断を行う場合に、その部位の病変個
所等が常に正確に検知することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の斜視図、第２図Ａ，Ｂ及びＣ
は実施例に用いられる角度表示器の構成図、第３
図は参考例の斜視図、第４図は参考例に用いられ
る角度検出用のエンコーダの概略構成を示す分解
斜視図、第５図は参考例を用いた超音波診断装置
の概略構成図、第６図は参考例によつて得られる
画面上の角度表示を示す説明図である。 １０……超音波プローブ、１２……超音波振動
子、１６……角度表示器、２３……角度検出用の
エンコーダ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 被検体の体腔内に挿入され被検体内部で超音波
   の送受信を行い超音波断層画像情報を得る体腔内
   挿入式超音波プローブにおいて、 超音波プローブの把持部側に回転角度検出手段
   が設けられ、 前記回転角度検出手段は、円柱形状の超音波プ
   ローブに対して同軸状に湾曲した形状の透明チユ
   ーブと、前記湾曲した透明チユーブの湾曲面に沿
   つて設けられた角度目盛とを有し、 前記透明チユーブには着色液体が封入され、か
   つその内部を移動可能な気泡を有し、 前記気泡の位置と前記角度目盛とにより超音波
   プローブの円周方向への回転角度を検出し、前記
   超音波断層画像による診断位置の認識を可能とし
   たことを特徴とする体腔内挿入式超音波プロー
   ブ。