JPH05296836A - カラーマッチング方法およびその装置 - Google Patents

カラーマッチング方法およびその装置

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JPH05296836A
JPH05296836A JP4096391A JP9639192A JPH05296836A JP H05296836 A JPH05296836 A JP H05296836A JP 4096391 A JP4096391 A JP 4096391A JP 9639192 A JP9639192 A JP 9639192A JP H05296836 A JPH05296836 A JP H05296836A
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color
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JP4096391A
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Inventor
Yasuyuki Honda
恭之 本田
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Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
Original Assignee
Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 処方未知の目標色が学習範囲内に含まれる目
標色であるか否かを容易に判定することができ、処方未
知の目標色に対して精度の高いカラーマッチング処方を
得ることである。 【構成】 学習回路手段4の入力層に、学習用サンプル
の作成の際に得られた既知の色処方と学習用サンプルが
有している色情報との学習データ対の色処方を入力し、
出力層からの出力色情報と学習データ対の色情報との誤
差が充分に小さくなったときの重み係数を記憶する、学
習用サンプルの既知の色処方に対する色情報を教師とす
る学習を行う。学習後の学習回路手段4を用いて仮の色
処方を入力したときに出力側から得られる色情報と処方
未知の目標色の目標色情報とを比較し、その差が予め設
定した値よりも小さくなるまで入力側の色処方の値を修
正し、その結果得られる色処方の値を処方未知の目標色
の色処方とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体の神経網を模擬し
たいわゆるニューラルネットワークと呼ばれる回路網を
用いて繊維製品等を所望の目標色に染めるための染料等
の配合処方を得るカラーマッチング方法およびその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維製品を目標色に染めるた
めの染料の配合処方を求めるカラーマッチング方法とし
ては、単染料階調サンプルに基づく次のような方法が周
知である。
【0003】下地色の所定波長λの下での反射率をR
0(λ)とし、また複数の種類(i=1,2,3,…n)の染料を
用い、上記下地色を所定階調Cj(jは正の定数)で染色し
た染料階調サンプルの所定波長λの下での反射率をRi
(Cj,λ)とするとき、下地の吸収散乱特性f0(λ)を f0(λ)=[1−R0(λ)]2/2R0(λ)、 また、各染料の各階調下の吸収散乱特性fi(Cj,λ)を fi(Cj,λ)=[1−Ri(Cj,λ)]2/2Ri(Cj,λ)−f0(λ)、 とすると、下記の仮定1および仮定2のもとで、任意配
合処方下での計算反射率R(λ)が次の数1および数2に
より求まる。
【0004】
【数1】
【0005】
【数2】
【0006】仮定1 染料階調サンプル間の任意の濃度
下での吸収散乱特性fi(Ki,λ)は直線性を有し、適当な
fi(Cj,λ)からの補間演算により求まるものとする。 仮定2 各吸収散乱特性f0(λ),fi(Ki,λ)は加法性を
有し、任意処方で配合した染料により染色したサンプル
の吸収散乱特性はこれらの加算により求めるものとす
る。
【0007】従来のカラーマッチングは、このようにし
て計算により求めた反射率R(λ)が、目標色の反射率
R'(λ)と等しくなるか、または、計算反射率R(λ)か
ら算出される三刺激値X,Y,Zが目標色の三刺激値X',
Y',Z'と等しくなるように配合処方を求めていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように色処方濃度
に線形的に対応すると仮定した吸収散乱特性f(λ)を用
いることにより従来のカラーマッチング計算が行なわれ
ていたが、色処方濃度に対して染着濃度が必ずしも線形
にならない領域(濃色)や他の配合染料の影響を受けやす
い不安定な染料が処方に含まれている場合、あるいは染
料が小さな比率で処方に含まれている場合(鮮明色)には
先の仮定からはずれて計算結果がかなり不正確なものに
なっていた。
【0009】また、従来はこのようなカラーマッチング
計算が苦手とした領域では、あらかじめサンプルを作成
しておき、その染色処方をコンピュータに登録しておく
ことにより対応を行なっていた。
【0010】しかし、このような既知処方登録方式で
は、コンピュータにあらかじめ登録されていない処方未
知の目標色の場合には何ら効果がなかった。
【0011】ところで、図15に示す人間の神経機能を
モデル化したニューロンユニットを、図16に示すよう
に層状に組み合わせた、いわゆる層状ニューラルネット
ワークには、入出力パターンを学習する能力があること
が知られている。そして、学習を終えた上記層状ニュー
ラルネットワークは、未知の入力がその入力ユニットに
与えられた場合にも、学習した入出力パターンから類推
した結果を出力ユニットから出力する特徴を有している
ことが知られている。
【0012】上記図15は1個のニューロンユニットN
Uの動作特性を図示したもので、このニューロンユニッ
トNUは、与えられた複数の入力I1〜Inにそれぞれネ
ットの重みω1〜ωnを乗じ、これらの総和からしきい値
θを減じ、その結果をシグモイド関数g(x): 1/(1+e
xp(−x))により変換して出力Oを得る。すなわち、この
ニューロンユニットの出力Oは、次の数3で与えられ
る。
【0013】
【数3】
【0014】上記図16は複数のニューロンユニットN
Uで構成された、層状のニューラルネットワークのイメ
ージを図示したもので、第1層3ユニット、第2層5ユ
ニット、第3層3ユニットからなる三層ニューラルネッ
トワークを示している。第1層と第2層の各ユニット
間、および第2層と第3層の各ユニット間は全てネット
で結ばれており、第1層の全てのユニットの出力が第2
層の各ユニットに、第2層の全てのユニットの出力が第
3層の各ユニットに、それぞれ入力されることを示して
いる。また、第1層の3個のユニットでは、入力1,入
力2,入力3の値は、上記したシグモイド関数による変
換を受けず、そのまま第1層の出力となって第2層の各
ユニットに伝えられる。第2層、第3層の各ユニットで
は、図15で示した特性にしたがって、各々のユニット
の出力が算出され、第2層の出力は第3層の各ユニット
に伝えられ、第3層の出力は、そのまま出力1,出力2,
出力3となる。
【0015】このような二層以上のネットワーク構造を
もったニューラルネットワークでは、入出力パターンを
次々に教示し、教示した入出力特性が得られるように各
ユニットのネットの重みや、しきい値を調整する方法が
知られており、特に中間層のセルの数を増やせば、教示
パターンはより多く必要になるが、より複雑な入出力関
係を層状ニューラルネットワークにより再現させること
が可能になってくる。
【0016】本願の発明者等は、層状のニューラルネッ
トワークが有しているこのようなパターン学習能力に着
目し、特願平3−1492号において、従来のカラーマ
ッチングにおける上記のような問題を解消するため、各
々がニューロンに対応する信号処理を行なう複数のユニ
ットから構成される入力層、中間層および出力層からな
る学習機能を有する学習回路手段を用いて未知目標色の
色処方を得るカラーマッチング方法を提案した。このカ
ラーマッチング方法では、色処方濃度に対して非線形な
着色濃度領域を含む複数の学習用サンプルを予め作成し
ておき、これら学習用サンプルの各々についてその作成
の際に得られる既知の色処方を教師信号としてこの教師
信号に対する学習用サンプルが有している色情報を上記
学習回路手段の入力層に入力したときに出力層から出力
する色処方出力の誤差が最小となる方向に学習回路手段
の上記ユニット間の結合の強さの係数を決定する演算を
繰り返して実行し、上記誤差が最小となったときの上記
係数を記憶手段に記憶させる色処方の学習を行う。その
後、学習済の上記学習回路手段の入力側に未知目標色の
色情報を入力して出力側から処方未知の上記目標色の色
処方を得る。
【0017】上記のようなニューラルネットワークを用
いたカラーマッチング方法を採用し、色処方濃度に対し
て非線形な着色濃度領域を含むあらかじめ実現可能な数
の学習用サンプルを作成し、これら学習用サンプルの各
々が有している既知の色処方を教師として学習回路手段
上に学習させておけば、学習済の学習回路手段が非線形
な部分を吸収するので、染着濃度が色処方濃度と非線形
な関係になる領域であっても、精度の高いカラーマッチ
ングを実現することができる。しかしながら、ニューラ
ルネットワークを用いた上記カラーマッチング方法は、
なおも次のような問題を有していた。
【0018】すなわち、ニューラルネットワークを用い
た上記従来のカラーマッチング方法では、学習回路手段
の入力層側に色情報を入力し、出力層側からその色処方
を得ており、かつ、学習済の学習回路手段自体は学習し
た色情報の範囲をチェックする機能を有していない。こ
のため、学習回路手段であるニューラルネットワークが
たとえば紺系の色を中心に学習を終えており、赤系の色
の学習はなされていなかった場合にも、赤系の処方未知
の目標色に対してもなんらかの色処方が得られる。しか
しながら、上記ニューラルネットワークは赤系の色の学
習をなんら行っていないので、得られた処方未知の目標
色の色処方は不正確なものである。このため、上記従来
のカラーマッチング方法では、処方未知の目標色が学習
範囲内のものであるか否かが分からないような場合、得
られた処方未知の目標色の色処方は、一体、その目標色
が学習範囲内のもので正確なものであるか否かが判断で
きないという問題があった。
【0019】また、ニューラルネットワークを用いた上
記従来のカラーマッチング方法では、ある条件下で色合
せを行なうことを目的に準備した学習回路手段を用い、
その学習済み学習回路手段に色合せを行いたい色情報を
入力し、学習回路手段の出力側から、その入力に応じた
色処方が出力されるので、ある条件下、たとえばC光源
下で条件等色しようとした場合に色合せに使ったC光源
以外の光源下での予想色差を得ることができないという
問題もあった。
【0020】なお、条件等色とは、物体の色は、光源と
その物体の分光反射率と観測者によって決定され、2つ
の物体を比較するとき、その分光反射率が一致すれば、
光源や観測者が変わっても、同じ色として観測される
が、分光反射率が異なっていても、ある特別な光源下
で、特別な観測者には同一の色として観測できることが
あり、このように特定の条件の下で、色が一致すること
をいう。
【0021】また、2つの物体の色を比較する場合、特
定の光源下での標準観測者が観測する色の差をその光源
での色差とよんでおり、本発明でいう色差とは、比較す
る物体が持つ2つの分光反射率の差異を関数変換により
数字で表したもので、たとえば上記のような特定光源下
での色差や分光反射率間の自乗誤差である。
【0022】本願の請求項1に係る発明の目的は、処方
未知の目標色が学習範囲内に含まれる目標色であるか否
かを容易に判定することができるとともに、学習範囲内
の処方未知の目標色に対して精度の高いカラーマッチン
グ処方を得ることができ、かつ、算出した色処方下での
色と目標色との予想色差を算出することができるカラー
マッチング方法を提供することである。
【0023】本願の請求項2に係る発明の目的は、処方
未知の目標色が学習範囲内に含まれる目標色であるか否
かを判断するとともに、学習範囲内の処方未知の目標色
に対して精度の高いカラーマッチング処方を簡単かつ容
易に得ることができるカラーマッチング装置を提供する
ことである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る発
明は、各々がニューロンに対応する信号処理を行なう複
数のユニットから構成される入力層、中間層および出力
層からなる学習機能を有する学習回路手段を用いて目標
色の色処方を得るカラーマッチング方法であって、色処
方濃度に対して非線形な着色濃度領域を含む複数の学習
用サンプルを予め作成しておき、各学習用サンプルの作
成の際に得られる既知の色処方とこの既知の色処方によ
り得られる上記学習用サンプルが有している色情報とを
学習データ対として、上記学習回路手段の入力層に学習
データ対の色処方を入力したときに上記出力層から出力
する出力色情報と上記学習データ対の色情報との誤差が
最小となる方向に学習回路手段の上記ユニット間の重み
係数を決定する演算を繰り返し実行し、上記誤差が充分
に小さくなったときの上記重み係数を記憶する上記学習
用サンプルの既知の色処方に対する色情報を教師とする
学習を上記学習回路手段に行わせた後、学習後の上記学
習回路手段を用いてその入力側に仮の色処方を入力した
ときに出力側から得られる色情報と処方未知の目標色の
目標色情報とを比較し、その差が予め設定した値よりも
小さくなるまで入力側の色処方の値を修正し、この修正
の結果得られる色処方の値を処方未知の目標色の色処方
として得ることを特徴とするものである。
【0025】本願の請求項2に係る発明は、各々がニュ
ーロンに対応する信号処理を行なう複数のユニットから
構成される入力層、中間層および出力層からなり、色処
方濃度に対して非線形な着色濃度領域を含む複数の学習
用サンプルの作成の際に得られる既知の色処方とこの既
知の色処方により得られる学習用サンプルが有している
色情報との学習データ対の色処方を上記入力層に入力し
たときに上記出力層から出力する出力色情報と学習デー
タ対の色情報との誤差が最小となる方向に上記ユニット
間の重み係数を決定する演算を繰り返し実行し、上記誤
差が充分に小さくなったときの上記重み係数を記憶する
上記学習用サンプルの既知の色処方に対する色情報を教
師とする学習を行なう学習回路手段と、この学習回路手
段の上記演算および学習を制御する演算制御手段と、学
習後の学習回路手段の上記入力層に仮の色処方を入力し
たときに上記出力層から出力する色情報と処方未知の目
標色の目標色情報とを比較する比較手段とを備え、この
比較手段の出力が予め設定した値よりも小さくなるまで
上記演算制御手段が入力側の色処方の値を修正し、この
修正により得られる色処方を処方未知の目標色の色処方
として出力するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0026】
【発明の作用および効果】本願の請求項1に係る発明で
は、学習回路手段の入力層に学習データ対の色処方を入
力したときに学習回路手段の出力層から出力する出力色
情報と学習データ対の色情報との誤差が最小となる方向
に、学習用サンプルの既知の色処方に対する色情報を教
師とする学習を行なった後、学習後の学習回路手段を用
いてその入力側に仮の色処方を入力したときに出力側か
ら得られる色情報と処方未知の目標色の目標色情報との
差が予め設定した値よりも小さくなるまで入力側の色処
方の値を修正し、この修正の結果得られる色処方の値を
処方未知の目標色の色処方として得ている。したがっ
て、学習後の学習回路手段を用いてその入力側に仮の色
処方を入力したときに出力側から得られる色情報と処方
未知の目標色の目標色情報との差から、処方未知の目標
色が学習範囲内に含まれる目標色であるか否かを容易に
判定することができる。また、上記差が予め設定した値
よりも小さくなるまで入力側の色処方の値を修正するこ
とにより色処方を求めているので、学習範囲内の処方未
知の目標色に対して精度の高いカラーマッチング処方を
得ることができるばかりでなく、算出した色処方下での
色と目標色との予想色差を算出することができる。
【0027】本願の請求項2に係る発明では、比較手段
が学習後の学習回路手段の入力層に仮の色処方を入力し
たときに出力層から出力する色情報と処方未知の目標色
の目標色情報とを比較し、その比較結果が予め設定した
値よりも小さくなるまで演算制御手段が入力側の色処方
の値を修正し、この修正により得られる色処方を処方未
知の目標色の色処方として出力している。これにより、
上記比較手段の出力により、処方未知の目標色が学習範
囲内に含まれる目標色であるか否かを判断することがで
きる。また、制御手段により、上記差が予め設定した値
よりも小さくなるまで入力側の色処方の値を修正して色
処方を求めているので、学習範囲内の処方未知の目標色
に対して精度の高いカラーマッチング処方を簡単かつ容
易に得ることができる。
【0028】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
を説明する。本発明に係るカラーマッチング装置の一実
施例のシステム構成を図1に示す。
【0029】上記カラーマッチング装置は、測色装置
1、入力装置2、コントロールユニット3を構成してい
るニューラルネットワーク部4および演算制御部5、デ
ータ記憶装置6、出力装置7および上記演算制御部5の
比較回路8から構成される。
【0030】上記測色装置1は、学習用サンプルや処方
未知の目標色等の測色を行ない、その測色結果を上記コ
ントロールユニット3の演算制御部5に出力する。上記
測色装置1としては、たとえば周知の分光光度計を使用
することができる。上記入力装置2からは、ニューラル
ネットワーク部4の学習の終了後に、処方未知の目標色
の仮の色処方が入力される。
【0031】上記コントロールユニット3のニューラル
ネットワーク部4は、各々がニューロンに対応する信号
処理を行なう複数のユニットから構成される入力層、中
間層および出力層からなる層状ニューラルネットワーク
からなる。
【0032】上記コントロールユニット3の演算制御部
5は、ニューラルネットワーク部4の学習段階では、色
処方濃度に対して非線形な着色濃度領域を含む複数の学
習用サンプルの作成の際に得られる既知の色処方とこの
既知の色処方により得られる学習用サンプルが有してい
る色情報との学習データ対の色処方を上記ニューラルネ
ットワーク部4の入力層に入力したときに、上記出力層
から出力する出力色情報と上記学習データ対の色情報と
を比較回路8で比較し、その誤差が最小となる方向に、
上記ユニット間の重み係数を決定する演算を繰り返し実
行する。そして、上記誤差が充分に小さくなったときの
上記重み係数を、データ記憶装置6に記憶させる。すな
わち、上記演算制御部5は、コントロールユニット3の
ニューラルネットワーク部4に対して、上記学習用サン
プルの既知の色処方に対する色情報を教師とする学習を
行なわせる。
【0033】また、上記コントロールユニット3の演算
制御部5は、ニューラルネットワーク部4の上記学習の
終了後、学習済みのニューラルネトワーク部4の上記入
力層に仮の色処方を入力したときに上記出力層から出力
する色情報と処方未知の目標色の目標色情報とを比較回
路で比較する。そして、この比較回路8の出力が予め設
定した値よりも小さくなるまで入力側の色処方の値を修
正し、この修正により得られる色処方を処方未知の目標
色の色処方として出力装置7に出力させる。
【0034】上記コントロールユニット3は一般に用い
られるディジタルコンピュータ(マイクロコンピュー
タ、パーソナルコンピュータを含む)であるので詳しい
説明を省略する。また、ニューラルネットワーク部4
は、一般的にコントロールユニット3に組み込む方法が
提案されているので、ニューラルネットワーク部4のコ
ントロールユニット3への組込みの詳しい説明も省略す
る。
【0035】なお、上記入力装置2としては、たとえば
キーボードが使用され、また、出力装置7としてはCR
Tディスプレイやプリンターが使用される。
【0036】次に、コントロールユニット3の上記ニュ
ーラルネットワーク部4の構成について、以下に、2つ
の構成例について説明する。
【0037】構成例1 図2に示すように、第1層(入力層)3ユニット、第2層
(中間層)10ユニット、第3層(出力層)16ユニットか
らなる三層ニューラルネットワークにおいて、学習用サ
ンプルは特定の3染料の任意の処方であらかじめ染色さ
れたものであるとき、入力層の1番目のユニットからは
入力1として第1染料の処方濃度を、入力層の2番目の
ユニットからは入力2として第2染料の処方濃度を、ま
た、入力層の3番目のユニットからは入力3として第3
染料の処方濃度をそれぞれ入力する一方、出力側から教
師として400nmから700nmまで20nm間隔で予め測
定した学習用サンプルの分光反射率が得られるように、
各ネットの重みや各ユニットのしきい値を調整し、全て
の学習用サンプルに対して最終的に、次の数4であらわ
される誤差関数Eが最小になる方向に学習させる。
【0038】
【数4】
【0039】Tij: i番目のサンプルのj番目の出力ユニ
ットへの教示データ Vij: i番目のサンプルのj番目の出力ユニットから出力
される値
【0040】このときの学習方法は、学習させる入力パ
ターンを順次繰返して入力していき、入力するごとにE
が小さくなるように各ネットの重みWabや各ユニットの
しきい値θaを次の数5,数6であらわされるΔWab,Δ
θaだけ修正する。
【0041】
【数5】
【0042】
【数6】
【0043】n,η: 修正の大きさを変えるパラメータで
正の小さな値 a,b: ユニットの番号
【0044】入出力パターン対を順次変えながら上記数
5,数6によって、各ネットの重みWabや各ユニットの
しきい値θaを少しずつ修正していくと、最終的には与
えられた複数のサンプルのパターン対の学習が終了す
る。上記数5,数6において特に偏微分の値を求める際
に、シグモイド関数が g(x):1/(1+exp(−x))の形を
とっていると、単純な形の関数形になる。このような学
習法は一般に誤差逆伝播法として周知であるので、これ
以上の詳しい説明は省略する。また学習法として、誤差
逆伝播法の改良形を用いることも可能である。
【0045】上記のようにして学習が終了した三層ニュ
ーラルネットワークを使用し、処方未知の目標色の仮の
染料濃度を入力1、入力2、入力3にそれぞれ入力す
る。このときに出力1ないし16から得られる仮の上記
染料濃度に対する分光反射率と処方未知の目標色の分光
反射率とを比較し、その差が予め設定した値よりも小さ
くなるまで入力側の上記仮の染料濃度を修正し、この修
正の結果得られる仮の染料濃度を処方未知の目標色の色
処方として得る。
【0046】構成例2 図3に示すように、第1層(入力層)3ユニット、第2層
(中間層)7ユニット、第3層(出力層)3ユニットからな
る三層ニューラルネットワークにおいて、学習用サンプ
ルは特定の3染料の任意の処方であらかじめ染色された
ものであるとき、入力層の1番目のユニットには入力1
として第1染料の処方濃度を、入力層の2番目のユニッ
トには入力2として第2染料の処方濃度を、入力層の3
番目のユニットには入力3として第3染料の処方濃度を
それぞれ入力し、出力1,出力2および出力3から、教
師としての学習用サンプルの特定光源(たとえばC光源)
下での三刺激値X,Y,Zが得られるように、各ネットの
重みや各ユニットのしきい値を調整し、全ての教示サン
プルに対して最終的に誤差関数Eが最小になる方向に学
習させる。この学習法は、構成例1で既に説明したもの
と同じであるので、その説明は省略する。
【0047】構成例2によって学習が完了したニューラ
ルネットワークを使用し、図3の入力1,入力2および
入力3に、処方未知の目標色の仮の染料濃度をそれぞれ
入力する。このときに出力1ないし出力3から得られる
上記仮の染料濃度に対応する三刺激値Xm,Ym,Zm
処方未知の目標色の三刺激値とを比較し、その差が予め
設定した値よりも小さくなるまで入力側の上記仮の染料
濃度を修正し、この修正の結果得られる仮の染料濃度を
処方未知の目標色の色処方として得る。
【0048】構成例2では、構成例1で示した効果とほ
ぼ同等の効果が得られるが、構成例1で示した出力ユニ
ットの数が16個のものに比べて、ニューラルネットワ
ークの構成が簡単になり、目標色に対するカラーマッチ
ングを従来の理論計算式を用いずに行なうことができ
る。
【0049】次に、図1のカラーマッチング装置による
カラーマッチングの手順を、フローを参照して説明す
る。
【0050】A.学習用サンプルの学習フロー まず、図4ないし図8に示したフローにしたがって、カ
ラーマッチングを行なうための準備として、ニューラル
ネットワークの学習用サンプルの学習までの手順を説明
する。
【0051】学習手順のフローがスタートすると、ステ
ップS1にて、第1から第Nの学習用サンプルの各々の
分光反射率を測色装置1で測色し、その結果をデータ記
憶装置6に記憶する。この測色には、たとえばタングス
テンランプを用いた分光光度計を用い、波長400nm〜
700nmの領域を20nm毎に波長に分割し、各波長毎に
分光反射率Ri(λ)を測定する。分光反射率Ri(λ)の添
字iは、i番目の学習用サンプルを表わす。このステップ
S1で全学習用サンプル1,2,…,i,…,Nの分光反射率
i(λ)をデータ記憶装置6に記憶させる。また、ステ
ップS2にて、第1ないし第Nの学習用サンプルの各々
の既知処方を上記データ記憶装置6に記憶させる。学習
用サンプルの上記分光反射率Ri(λ)と既知処方とを学
習データ対とする。
【0052】次いで、ステップS3にて、ニューラルネ
ットワーク部4の重みWab,しきい値Θaの初期値を設
定する。なお、上記重みWabの添字a,bは、各ニュー
ロンユニットの番号を表す。また、以下の説明におい
て、Mは、ニューラルネットワーク部4で利用する出力
側端子(色情報)の総数を表すものとする(図2の例で
はM=16)。
【0053】ニューラルネットワーク部4の初期値設定
後、ステップS4にて、学習回数COUNTを0にセッ
トする。
【0054】ステップS5にて、学習用データiの初期
値を1にセットするとともに、ニューラルネットワーク
部4の学習誤差Eを0にセットした後、ステップS6に
て、ニューラルネットワーク部4の出力側の端子番号j
を初期値1にセットし、ステップS7にて学習回数CO
UNTを1アップする。
【0055】次いで、ステップS8にて、i(=1)番
目の学習データ対をニューラルネットワーク部4にセッ
トし、ステップS9にてi番目の学習誤差Eiを0にセ
ットする。ここで、学習データ対の色情報のうち、j番
目の出力端子のセット値をTijとし、ステップS10に
て、数3に従って、ニューラルネットワーク部4の入力
色処理信号より、全ての中間層ユニットをへてj番目の
出力端子からの出力値Vijを算出する。
【0056】上記j番目の出力端子のセット値Tijとj
番目の出力端子からの出力値Vijとを用いてステップS
11を実行し、 Eij=1/2(Tij−Vij を算出し、ステップS12にて、EをEi+Eijに更
新する。
【0057】次いで、ステップS13にて、ニューラル
ネットワーク部4の出力端子番号jがニューラルネット
ワーク部4の出力端子番号の最大の番号Mよりも小さい
ときは、ステップS14にて、出力端子番号jを(j+
1)に更新した後、ステップS10に戻る。以下、出力
端子番号jがMに達するまでステップS10からステッ
プS14のループを繰り返し実行する。
【0058】一方、上記ステップS13にて、上記出力
端子番号jが上記番号Mに達したと判定するとステップ
S15を実行し、上記ステップS11にて算出した(T
ij−Vij)および各ユニットの出力値および各Wab,Θ
o等を用いて、既に説明した誤差逆伝播法に基づき、Δ
abおよびΔΘaを算出する。
【0059】上記ステップS15にて求めたΔWab,Δ
ΘaおよびステップS12で求めたEiにより、ステップ
S16にて、ニューラルネットワーク部4の重み係数W
ab,しきい値Θaおよびニューラルネットワーク部4の
学習誤差Eをそれぞれ、(Wab+ΔWab),(Θa+Δ
Θa)および(E+Ei)に更新する。
【0060】ついで、ステップS17にて、学習用デー
タ対の番号iが最大番号Nに達したか否かを判定し、学
習用データ対の番号iが上記最大番号Nよりも小さいと
きは、ステップS18にて、学習用データ対の番号iを
(i+1)に更新し、ステップS6に戻る。以下、学習
用データ対の番号iが最大番号Nに達するまで、ステッ
プS6ないしステップS18のループを繰り返し実行す
る。
【0061】上記学習用データ対の番号iが最大番号N
に達すると、ステップS19にて、ニューラルネットワ
ーク部4の学習誤差Eが学習誤差の目標値Qよりも大き
いか否かを判定するとともに、学習回数COUNTが学
習終了回数TOTALに達したか否かを判定する。上記
ステップS19にて、ニューラルネットワーク部4の学
習誤差Eが学習誤差の目標値Qよりも大きく、かつ学習
回数COUNTが学習終了回数TOTALに達していな
いのであれば、ステップS5の実行に戻り、ステップS
5からステップS19のループを繰り返し実行する。
【0062】ステップS19にて、ニューラルネットワ
ーク部4の学習誤差Eが学習誤差の目標値Q以下となる
か、または、学習回数COUNTが学習終了回数TOT
ALに達したと判定すると、ステップS20にて、学習
済みの重み係数Wabおよびしきい値Θaを記憶装置6に
記憶し、学習を終了する。
【0063】B.目標色処方算出フロー 次に、図9および図10に示したフローにしたがって、
処方未知の目標色の目標色処方算出手順を説明する。
【0064】目標色処方算出のフローがスタートする
と、ステップS21にて、測色装置1が目標色の分光反
射率Rの測色を行ない、ステップS22にて、処方算出
する目標色の染料の種類、本数を入力装置2から入力す
る。この染料を、以下ではたとえば3染料配合でDYE
1,DYE2,DYE3とする。また、ステップS23
にて、上記入力装置2より、色合せ条件を入力する。こ
の色合せ条件を、以下ではたとえばC光源下での三刺激
値マッチングとする。なお、上記ステップS22および
ステップS23で入力した条件での学習は既に行なって
あって(入力=DYE1,DYE2,DYE3の処方、
出力=分光反射率)、その学習データはデータ記憶装置
6に記憶しているものとする。
【0065】その後、ステップS24にて、目標色のC
光源下三刺激値X,Y,Zを算出する。また、ステップ
S25にて、ステップS20で記憶した学習済みデータ
をニューラルネットワーク部4にセットする。
【0066】次いで、ステップS26にて、目標色のD
YE1,DYE2,DYE3の予想するそれぞれの量を
C1,C2,C3とし、この予想処方の初期値をニュー
ラルネットワーク部4の入力側にセットし、ステップS
27にて、ニューラルネットワーク部4から上記予想処
方による目標色R′を算出する。この目標色R′の三刺
激値X′,Y′,Z′と上記目標色のC光源下三刺激値
X,Y,Zとから、C光源下での色差を算出する。色差
の方向および差に基づきC1,C2,C3に対応する処
方補正量ΔC1,ΔC2,ΔC3を算出する。
【0067】上記ステップS28にて算出した色差は、
ステップS29にて、希望値内か否かを判定し、希望値
外であれば、ステップS26に戻り、予想処方を C1=C1+ΔC1 C2=C2+ΔC2 C3=C3+ΔC3 のように修正しつつステップS26ないしステップS2
9のループを繰り返し実行する。
【0068】予想処方の修正により、色差が希望値内に
なると、ステップS30にて、C光源下での結果色差お
よび結果処方を出力装置7に出力し、目標色処方算出の
ためのフローを終了する。所望により上記ループ回数を
設定してフローを終了することもできる。
【0069】C.修正処方算出フロー 次に、図11ないし図14に示した修正処方算出フロー
により、修正処方算出手順を説明する。
【0070】修正処方算出フローがスタートすると、ま
ずステップS31にて、処方未知の目標色の分光反射率
0を測色し、次いで、ステップS32にて、参考色の
分光反射率R1を測色する。
【0071】ステップS33にて、入力装置2より、参
考色DYE1,DYE2,DYE3の処方C1,C2,
C3を入力する。また、ステップS34にて、上記入力
装置2より、色合せ条件を入力する。この色合せ条件は
以下では例えばC光源下での三刺激値マッチングとす
る。
【0072】なお、上記ステップS33およびステップ
S34で入力した条件での学習は既に行ってあって(入
力=DYE1,DYE2,DYE3の処方、出力=分光
反射率)、その学習データはデータ記憶装置6に記憶し
ているものとする。
【0073】その後、ステップS35にて、目標色のC
光源下三刺激値X0,Y0,Z0をステップS31のR0
り算出し、次いで、ステップS36にて、参考色のC光
源下三刺激値X1,Y1,Z1をステップS32のR1より
算出する。
【0074】次いで、ステップS37にて、データ記憶
装置6に記憶した学習済みデータをニューラルネットワ
ーク部4にセットし、ステップS38にて、参考色の処
方C1,C2,C3をニューラルネットワーク部4の入
力側にセットし、ステップS39にて、ニューラルネッ
トワーク部4の出力値R2を算出する。
【0075】上記ステップS39にて算出した出力値R
2に基づき、ステップS40にて、C光源下三刺激値
2,Y2,Z2を算出し、ステップS41にて、処方補
正量ΔC1,ΔC2,ΔC3の初期値をセットする。そ
の後、ステップS42にて、C1+ΔC1,C2+ΔC
2,C3+ΔC3をニューラルネットワーク部4の入力
側にセットし、ステップS43にて、ニューラルネット
ワーク部4の出力値R3を算出する。次いで、R3のC光
源下での三刺激値X3,Y3,Z3を算出する。
【0076】上記三刺激値X3,Y3,Z3に基づき、ス
テップS45にて、次式により、予想三刺激値X′,
Y′,Z′を算出する。 X′=X1+(X3−X2) Y′=Y1+(Y3−Y2) Z′=Z1+(Z3−Z2
【0077】この目標色の予想三刺激値X′,Y′,
Z′と上記目標色のC光源下三刺激値X0,Y0,Z0
から、ステップS46にて、C光源下での色差を算出
し、色差の方向および差に基づき加減値ΔΔC1,ΔΔ
C2,ΔΔC3を算出する。
【0078】上記ステップS46にて算出した色差は、
ステップS47にて、希望値内か否かを判定し、この色
差が希望値に満たない場合は、ステップS42に戻り、
次式 ΔC1=ΔC1+ΔΔC1, ΔC2=ΔC2+ΔΔC2, ΔC3=ΔC3+ΔΔC3 により処方補正量を修正しつつステップS42ないしス
テップS47のループを繰り返し実行する。また、所望
によりループ回数を設定してもよい。
【0079】処方補正量の修正により色差が希望値内と
なるか、ループ回数が設定値に至るとステップS48に
てC光源下での色差を出力し、ステップS49にて、C
光源下での結果色差および結果処方 C1=C1+ΔC1, C2=C2+ΔC2, C3=C3+ΔC3, を出力装置7に出力し、修正処方算出のためのフローを
終了する。
【0080】実験結果 次に、以上に説明したカラーマッチングの実験結果を以
下に示す。なお、本実験においては、測色装置は、倉敷
紡績株式会社製の分光光度計(製品名COLOR−7
e)を用いた。
【0081】A.学習範囲内の目標色についての実験結
果 本発明に係るカラーマッチング方法により求めた処方、
本願出願人の出願(特願平特願平3−1492号)に係
る先願発明により求めた処方および従来のコンピュータ
カラーマッチング(CCM)による処方、および本発明
による補正を行った処方についての実験結果を次の表1
および表2に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】なお、上記表1および表2に結果を示した
実験において、ニューラルネットワーク部4の学習にお
いて使用した学習用サンプルは、48点のネービ系のも
の(NAVY,RUBINE,YELLOWの分散染
料)を使用した。学習サンプルおよび学習条件は、先願
での実験と同じである。上記実験での処方は、入力値を
手動で動かしたもので、表1および表2で示した予想色
差が充分小さくなった時(0.5以下で適時)に終了し
た。
【0085】上記表1および表2からわかるように、本
発明に係るカラーマッチング方法によれば、従来のコン
ピュータカラーマッチングの結果よりも色差でやや良好
な結果を得ており、本発明の先願発明の結果とほぼ同等
の結果を得た。
【0086】本発明に係るカラーマッチング方法の利点
のひとつは、目標色に近い既知処方サンプルを用いて補
正計算ができる点にある。目標番号1の目標色について
は、本発明により近似色からの補正計算を行ったが、本
実験だけではその有効性は判断できなかった。しかし、
対象とする染織布が学習用サンプルと異なる場合、目的
の染織布で近似色の既知サンプルが存在すれば補正計算
が可能なことは、処方予測の点で非常に有益なことであ
る。なお、補正計算で用いた参考色の既知処方は、次の
通りであった。 NAVY 4.0 RUBINE 0.4 YELLOW 0.2
【0087】本発明のいまひとつの利点は、結果色差の
予想ができる点にあり、処方は本願の先願発明の方法で
求め、予想色差を本願発明により求める等、本発明の先
願発明と本発明との併用も考えられる。このことを次の
学習範囲外の目標色についての実験結果を示す。
【0088】B.学習範囲外の目標色についての実験結
果 目標色として、次の表3(学習範囲外目標色)に示すC
光源下CIE76LAB表色系で示す9点のサンプルを
用いてテストを行った。これら9点は、全て学習サンプ
ルとして用意したサンプルの色範囲外にあたる。
【0089】
【表3】
【0090】なお、学習用サンプルは、本発明の先願発
明の実験で用いたもので、C光源下CIE76LAB表
色系で、 16.03≦L≦20.37 1.00≦A≦ 7.00 −15.00≦B≦−4.00 の範囲にあたる48点の紺系色のサンプルを用いた。
【0091】本発明の先願発明により求めたこれら目標
色(NO.1ないしNO.9)に対する処方を、表4に
示す。
【0092】
【表4】
【0093】上記表4から、本発明の先願発明による学
習範囲外の目標色の結果処方は、YELLOW染料を除
いてほぼ同一の結果となっていることが分かる。たとえ
ば、NO.3とNO.4の結果に着目すると、先願発明
の方法により求めた結果処方は、殆ど同じになったが、
実際の目標色は表3に示したように、全く別のものであ
り、表4に示したNO.3もしくはNO.4の処方で
は、目標色の色がどちらか一方または両方とも再現出来
ないことは明らかである。
【0094】このように、本発明の先願発明は、学習範
囲外の目標色に対し、その結果処方が信頼できない可能
性がある場合、その信頼性のチェックを何らかの補助的
手段を用いて行わないと、予想処方の手続としては、不
充分である。
【0095】次の表5は、本発明の先願発明により求め
た結果処方を、先願と同一の学習用サンプルを用いて学
習を行った図1のニューラルネットワーク部4に入力し
たときの出力層より出力した反射率と目標色反射率(表
3)とのC光源下での色差である。
【0096】
【表5】
【0097】上記表5によれば、NO.1からNO.9
の目標色に対し、本発明の先願発明により求めた結果処
方を、図1のニューラルネットワーク部4に入力して
も、予想する色差が充分小さくなっていないことが分か
る。
【0098】すなわち、学習範囲外の目標色に対し、本
発明の先願発明により求めた処方について、本発明を併
用すると求められた処方の信頼度をチェックできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るカラーマッチング装置の一実施
例のシステム構成図である。
【図2】 本発明に係るカラーマッチング装置のニュー
ラルネットワーク部の構成例1の説明図である。
【図3】 本発明に係るカラーマッチング装置のニュー
ラルネットワーク部の構成例2の説明図である。
【図4】 学習用サンプルの学習手順のフローの一部で
ある。
【図5】 学習用サンプルの学習手順のフローの一部で
ある。
【図6】 学習用サンプルの学習手順のフローの一部で
ある。
【図7】 学習用サンプルの学習手順のフローの一部で
ある。
【図8】 学習用サンプルの学習手順のフローの一部で
ある。
【図9】 目標色処方算出手順のフローの一部である。
【図10】 目標色処方算出手順のフローの一部であ
る。
【図11】 修正処方算出手順のフローの一部である。
【図12】 修正処方算出手順のフローの一部である。
【図13】 修正処方算出手順のフローの一部である。
【図14】 修正処方算出手順のフローの一部である。
【図15】 ニューラルネットワークを構成する各ニュ
ーロンユニットの機能を示すイメージ図である。
【図16】 学習機能をもった一般的な層状ニューラル
ネットワークの構成図である。
【符号の説明】
1 測色装置 2 処方入力装置 3 コントロールユニット 4 ニューラルネットワーク 5 演算制御部 6 記憶装置 7 出力装置 8 比較回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 15/70 310 9071−5L G06G 7/60

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々がニューロンに対応する信号処理を
    行なう複数のユニットから構成される入力層、中間層お
    よび出力層からなる学習機能を有する学習回路手段を用
    いて目標色の色処方を得るカラーマッチング方法であっ
    て、色処方濃度に対して非線形な着色濃度領域を含む複
    数の学習用サンプルを予め作成しておき、各学習用サン
    プルの作成の際に得られる既知の色処方とこの既知の色
    処方により得られる上記学習用サンプルが有している色
    情報とを学習データ対として、上記学習回路手段の入力
    層に学習データ対の色処方を入力したときに上記出力層
    から出力する出力色情報と上記学習データ対の色情報と
    の誤差が最小となる方向に学習回路手段の上記ユニット
    間の重み係数を決定する演算を繰り返し実行し、上記誤
    差が充分に小さくなったときの上記重み係数を記憶する
    上記学習用サンプルの既知の色処方に対する色情報を教
    師とする学習を上記学習回路手段に行わせた後、学習後
    の上記学習回路手段を用いてその入力側に仮の色処方を
    入力したときに出力側から得られる色情報と処方未知の
    目標色の目標色情報とを比較し、その差が予め設定した
    値よりも小さくなるまで入力側の色処方の値を修正し、
    この修正の結果得られる色処方の値を処方未知の目標色
    の色処方として得ることを特徴とするカラーマッチング
    方法。
  2. 【請求項2】 各々がニューロンに対応する信号処理を
    行なう複数のユニットから構成される入力層、中間層お
    よび出力層からなり、色処方濃度に対して非線形な着色
    濃度領域を含む複数の学習用サンプルの作成の際に得ら
    れる既知の色処方とこの既知の色処方により得られる学
    習用サンプルが有している色情報との学習データ対の色
    処方を上記入力層に入力したときに上記出力層から出力
    する出力色情報と学習データ対の色情報との誤差が最小
    となる方向に上記ユニット間の重み係数を決定する演算
    を繰り返し実行し、上記誤差が充分に小さくなったとき
    の上記重み係数を記憶する上記学習用サンプルの既知の
    色処方に対する色情報を教師とする学習を行なう学習回
    路手段と、この学習回路手段の上記演算および学習を制
    御する演算制御手段と、学習後の学習回路手段の上記入
    力層に仮の色処方を入力したときに上記出力層から出力
    する色情報と処方未知の目標色の目標色情報とを比較す
    る比較手段とを備え、この比較手段の出力が予め設定し
    た値よりも小さくなるまで上記演算制御手段が入力側の
    色処方の値を修正し、この修正により得られる色処方を
    処方未知の目標色の色処方として出力するようにしたこ
    とを特徴とするカラーマッチング装置。
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