JPH05295446A - 方向性珪素鋼板用鉄損低減装置 - Google Patents
方向性珪素鋼板用鉄損低減装置Info
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- JPH05295446A JPH05295446A JP4099790A JP9979092A JPH05295446A JP H05295446 A JPH05295446 A JP H05295446A JP 4099790 A JP4099790 A JP 4099790A JP 9979092 A JP9979092 A JP 9979092A JP H05295446 A JPH05295446 A JP H05295446A
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- Japan
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- electron beam
- steel sheet
- iron loss
- silicon steel
- grain
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 均一な鉄損値を有する方向性珪素鋼板の製造
を可能とする、方向性珪素鋼板用鉄損低減装置を提供す
る。 【構成】 真空処理槽に、該槽内に導いた方向性珪素鋼
板に対し、その圧延方向と直角方向に電子ビームを照射
する電子ビーム照射装置および排気口を配設した、方向
性珪素鋼板用鉄損低減装置において、ニードルバルブを
そなえるガス導入口および上記排気口入側に配置するコ
ンダクタンスバルブの、いずれか少なくとも一方を設け
る。
を可能とする、方向性珪素鋼板用鉄損低減装置を提供す
る。 【構成】 真空処理槽に、該槽内に導いた方向性珪素鋼
板に対し、その圧延方向と直角方向に電子ビームを照射
する電子ビーム照射装置および排気口を配設した、方向
性珪素鋼板用鉄損低減装置において、ニードルバルブを
そなえるガス導入口および上記排気口入側に配置するコ
ンダクタンスバルブの、いずれか少なくとも一方を設け
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、方向性珪素鋼板の低
鉄損化、特に効果的な磁区細分化処理に供する方向性珪
素鋼板用鉄損低減装置に関する。
鉄損化、特に効果的な磁区細分化処理に供する方向性珪
素鋼板用鉄損低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一方向性珪素鋼板は、製品の2次再結晶
粒をゴス方位に高度に集積させ、その鋼板表面上にフォ
ルステライト質皮膜を、さらにその上に熱膨張係数の小
さい絶縁皮膜を被成したもので、厳格な制御を必要とす
る複雑、そして多岐にわたる工程を経て製造される。
粒をゴス方位に高度に集積させ、その鋼板表面上にフォ
ルステライト質皮膜を、さらにその上に熱膨張係数の小
さい絶縁皮膜を被成したもので、厳格な制御を必要とす
る複雑、そして多岐にわたる工程を経て製造される。
【0003】このような一方向性珪素鋼板は、主として
変圧器、その他電気機器の鉄心として使用されていて、
磁気特性として製品の磁束密度(B8 値で代表される)
が高く、鉄損(W17/50 値で代表される) が低いこと、
さらに表面性状の良好な絶縁被膜を有することが要求さ
れている。
変圧器、その他電気機器の鉄心として使用されていて、
磁気特性として製品の磁束密度(B8 値で代表される)
が高く、鉄損(W17/50 値で代表される) が低いこと、
さらに表面性状の良好な絶縁被膜を有することが要求さ
れている。
【0004】特にエネルギー危機を境にして電力損失の
低減を至上とする要請が著しく強まり、変圧器用鉄心材
料としての鉄損のより低い一方向性珪素鋼板の必要性は
益々重要なものとなってきている。
低減を至上とする要請が著しく強まり、変圧器用鉄心材
料としての鉄損のより低い一方向性珪素鋼板の必要性は
益々重要なものとなってきている。
【0005】さて一方向性珪素鋼板の鉄損改善の歴史
は、ゴス方位2次再結晶集合組織の改善の歴史であると
いっても過言でなく、このような2次再結晶粒を制御す
る方法としては、AlN 、MnS 及びMnSe等の1次再結晶粒
成長抑制剤、いわゆるインヒビターを用いてゴス方位2
次再結晶粒を優先成長させる方法が実施されていた。
は、ゴス方位2次再結晶集合組織の改善の歴史であると
いっても過言でなく、このような2次再結晶粒を制御す
る方法としては、AlN 、MnS 及びMnSe等の1次再結晶粒
成長抑制剤、いわゆるインヒビターを用いてゴス方位2
次再結晶粒を優先成長させる方法が実施されていた。
【0006】また、最近に至っては、このような2次再
結晶組織を制御するものの他、鋼板表面に、レーザー照
射{市山 正:鉄と鋼,69(1983), P.895 、特公昭57-2
252号、同57-53419号、同58-24605号、同58-24606号公
報参照}あるいはプラズマ照射{特開昭62-96617号、同
62-151511 号、同62-151516 号および同62-151517 号各
公報参照}により、局部微小ひずみを導入して磁区を細
分化し、鉄損を低下させる画期的な方法が提案されてい
る。同様に、米国特許第4919733 号明細書にも電子ビー
ム照射による鉄損低減化の例が開示されている。
結晶組織を制御するものの他、鋼板表面に、レーザー照
射{市山 正:鉄と鋼,69(1983), P.895 、特公昭57-2
252号、同57-53419号、同58-24605号、同58-24606号公
報参照}あるいはプラズマ照射{特開昭62-96617号、同
62-151511 号、同62-151516 号および同62-151517 号各
公報参照}により、局部微小ひずみを導入して磁区を細
分化し、鉄損を低下させる画期的な方法が提案されてい
る。同様に、米国特許第4919733 号明細書にも電子ビー
ム照射による鉄損低減化の例が開示されている。
【0007】ここで、電子ビーム照射による鉄損低減化
に用いる装置としては、図1に例示するように、真空処
理槽1内に、排気ポンプ2、電子ビーム照射装置3、グ
ラファイトローラー4、ペイオフリール5およびテンシ
ョンリール6を配置してなるのが、一般的である。この
真空処理槽1内において、方向性珪素鋼板7は、ペイオ
フリール5から巻出され、電子ビーム照射装置3の直下
にて、鋼板の圧延方向と直角方向に走査された電子ビー
ム8が線状に照射される。さらに、電子ビーム照射によ
り低鉄損化をはかる装置については、発明者らが提案し
た、特開昭64-230号および特開平3-87319 号各公報に開
示のものもある。
に用いる装置としては、図1に例示するように、真空処
理槽1内に、排気ポンプ2、電子ビーム照射装置3、グ
ラファイトローラー4、ペイオフリール5およびテンシ
ョンリール6を配置してなるのが、一般的である。この
真空処理槽1内において、方向性珪素鋼板7は、ペイオ
フリール5から巻出され、電子ビーム照射装置3の直下
にて、鋼板の圧延方向と直角方向に走査された電子ビー
ム8が線状に照射される。さらに、電子ビーム照射によ
り低鉄損化をはかる装置については、発明者らが提案し
た、特開昭64-230号および特開平3-87319 号各公報に開
示のものもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電子ビーム
の線状照射は、他の磁区細分化法と比較して、エネルギ
ー効率が極めて高いことや、走査速度が速いことによ
り、極めて生産性に優れる特徴がある。そして品質面に
おいても絶縁皮膜を損なうことなく、他の手法と同様な
磁区細分化効果が得られる。
の線状照射は、他の磁区細分化法と比較して、エネルギ
ー効率が極めて高いことや、走査速度が速いことによ
り、極めて生産性に優れる特徴がある。そして品質面に
おいても絶縁皮膜を損なうことなく、他の手法と同様な
磁区細分化効果が得られる。
【0009】しかしながら、方向性珪素鋼板のコイルに
電子ビームを長時間連続運転して照射する際に、電子ビ
ーム、特にビーム径の経時的変化がしばしば発生し、そ
れによって鉄損向上量が経時的に低下するという現象が
おこる。この現象が発生すると、コイルの後行部分は先
行部分と比較して鉄損特性が劣化し、安定した鉄損の向
上が望めなくなる。
電子ビームを長時間連続運転して照射する際に、電子ビ
ーム、特にビーム径の経時的変化がしばしば発生し、そ
れによって鉄損向上量が経時的に低下するという現象が
おこる。この現象が発生すると、コイルの後行部分は先
行部分と比較して鉄損特性が劣化し、安定した鉄損の向
上が望めなくなる。
【0010】この発明の目的は、上記問題を解決し、均
一な鉄損値を有する方向性珪素鋼板の製造を可能とす
る、方向性珪素鋼板用鉄損低減装置を提供することにあ
る。
一な鉄損値を有する方向性珪素鋼板の製造を可能とす
る、方向性珪素鋼板用鉄損低減装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記問題を解
決するために、真空処理槽内の真空度について種々の検
討を加え、この発明を完成するに到ったのである。すな
わち、この発明は、真空処理槽に、該槽内に導いた方向
性珪素鋼板に対し、その圧延方向と直角方向に電子ビー
ムを照射する電子ビーム照射装置および排気口を配設し
た、方向性珪素鋼板用鉄損低減装置において、ニードル
バルブをそなえるガス導入口および上記排気口入側に配
置するコンダクタンスバルブの、いずれか少なくとも一
方を設けてなる、方向性珪素鋼板用鉄損低減装置であ
る。
決するために、真空処理槽内の真空度について種々の検
討を加え、この発明を完成するに到ったのである。すな
わち、この発明は、真空処理槽に、該槽内に導いた方向
性珪素鋼板に対し、その圧延方向と直角方向に電子ビー
ムを照射する電子ビーム照射装置および排気口を配設し
た、方向性珪素鋼板用鉄損低減装置において、ニードル
バルブをそなえるガス導入口および上記排気口入側に配
置するコンダクタンスバルブの、いずれか少なくとも一
方を設けてなる、方向性珪素鋼板用鉄損低減装置であ
る。
【0012】
【作用】次に、この発明の基礎となった実験結果を述べ
る。図2に示す装置を用い、その真空処理槽1内におい
て、実際に方向性珪素鋼板(B8 :1.89T)に電子ビーム
を照射する当たり、真空処理槽1内の真空度を変化させ
たときの磁性の経時的変化やビーム径の変化を調査し
た。実験条件を以下に示す。なお、ビーム径は鋼板を搬
送したままの状態で電子ビーム走査を停止し、照射痕を
鋼板長手方向に形成させ、その太さを測定して評価し
た。
る。図2に示す装置を用い、その真空処理槽1内におい
て、実際に方向性珪素鋼板(B8 :1.89T)に電子ビーム
を照射する当たり、真空処理槽1内の真空度を変化させ
たときの磁性の経時的変化やビーム径の変化を調査し
た。実験条件を以下に示す。なお、ビーム径は鋼板を搬
送したままの状態で電子ビーム走査を停止し、照射痕を
鋼板長手方向に形成させ、その太さを測定して評価し
た。
【0013】また、この実験に用いた図2の装置は、図
1に示した装置に、ニードルバルブ9をそなえるガス導
入口10を新たに設け、さらに排気ポンプ2の入側にコン
ダクタンスバルブ11を配置し、ニードルバルブ9および
コンダクタンスバルブ11によって、真空処理槽1内の真
空度を調整可能にしたものである。
1に示した装置に、ニードルバルブ9をそなえるガス導
入口10を新たに設け、さらに排気ポンプ2の入側にコン
ダクタンスバルブ11を配置し、ニードルバルブ9および
コンダクタンスバルブ11によって、真空処理槽1内の真
空度を調整可能にしたものである。
【0014】実験条件 真空度:2×10-5〜7×10-3 torr 電子ビーム加速電圧:150Kv 電子ビーム電流:0.9mA 電子ビーム走査間隔:6mm 電子ビーム走査速度:10m/s 電子ビーム走査長:250mm 鋼板の搬送速度:15 m/min
【0015】図3に結果を示すように、真空度が5×10
-5〜5×10-3torrの間では磁性の経時的な劣化は認めら
れないのに対し、5×10-5torr未満ではその劣化が認め
られ、さらにビーム径の増加も見られる。これは高真空
であるために電子ビーム照射装置3内部の電極等を支持
する絶縁物が電子ビームによって帯電し、しかもそれら
が高い真空のために放電せずに残り、その電場によって
経時的にビーム径が太くなって、鉄損向上量が減少した
ものと考えられる。これに対して、5×10-5〜5×10-3
torrの範囲では帯電物の放電が促進され、それによって
電場が生成せずに電子ビームが安定化するのである。
-5〜5×10-3torrの間では磁性の経時的な劣化は認めら
れないのに対し、5×10-5torr未満ではその劣化が認め
られ、さらにビーム径の増加も見られる。これは高真空
であるために電子ビーム照射装置3内部の電極等を支持
する絶縁物が電子ビームによって帯電し、しかもそれら
が高い真空のために放電せずに残り、その電場によって
経時的にビーム径が太くなって、鉄損向上量が減少した
ものと考えられる。これに対して、5×10-5〜5×10-3
torrの範囲では帯電物の放電が促進され、それによって
電場が生成せずに電子ビームが安定化するのである。
【0016】一方、真空度が5×10-3torrを越えると、
真空雰囲気中の残留ガスによる電子ビームの散乱が顕著
となって、鋼板への照射エネルギーが減少し、よって磁
区細分化効果は減少して鉄損低減効果が小さくなると考
えられる。
真空雰囲気中の残留ガスによる電子ビームの散乱が顕著
となって、鋼板への照射エネルギーが減少し、よって磁
区細分化効果は減少して鉄損低減効果が小さくなると考
えられる。
【0017】以上の実験結果から、電子ビーム照射によ
る磁区細分化には好適な真空度が存在し、真空処理槽内
の真空度を常に制御する必要があることが判明した。そ
こで、この発明では、図2に示したように、図1に示し
た装置に、ニードルバルブ9をそなえるガス導入口10を
新たに設け、および/または排気ポンプ2の入側にコン
ダクタンスバルブ11を配置し、ニードルバルブ9および
/またはコンダクタンスバルブ11によって、真空処理槽
内の真空度を、常に5×10-5〜5×10 -3torrに制御し得
る構造とした。
る磁区細分化には好適な真空度が存在し、真空処理槽内
の真空度を常に制御する必要があることが判明した。そ
こで、この発明では、図2に示したように、図1に示し
た装置に、ニードルバルブ9をそなえるガス導入口10を
新たに設け、および/または排気ポンプ2の入側にコン
ダクタンスバルブ11を配置し、ニードルバルブ9および
/またはコンダクタンスバルブ11によって、真空処理槽
内の真空度を、常に5×10-5〜5×10 -3torrに制御し得
る構造とした。
【0018】一般に、電子ビームによる加熱は真空度が
低い程、残留ガスによる散乱が少なくなって、エネルギ
ー効率がよくなるが、一方で電子ビーム照射装置内部に
ある電極等を支持する絶縁物への帯電が大きくなり、帯
電によるビーム径の経時的拡大やビーム偏向の経時的不
安定化を招く。これらの問題は、従来、真空度を積極的
には制御してはいなかったために生じていたもので、こ
の発明の装置では、電子ビーム照射による細分化効果の
長時間の安定性を考えて、真空度を好適範囲に制御でき
るようにバルブを配設した。
低い程、残留ガスによる散乱が少なくなって、エネルギ
ー効率がよくなるが、一方で電子ビーム照射装置内部に
ある電極等を支持する絶縁物への帯電が大きくなり、帯
電によるビーム径の経時的拡大やビーム偏向の経時的不
安定化を招く。これらの問題は、従来、真空度を積極的
には制御してはいなかったために生じていたもので、こ
の発明の装置では、電子ビーム照射による細分化効果の
長時間の安定性を考えて、真空度を好適範囲に制御でき
るようにバルブを配設した。
【0019】なお、真空処理槽への鋼板の搬入は、コイ
ル全体を処理槽内に入れるバッチ式、真空処理槽入、出
側に差圧シールを設けた連続式のいずれでもよい。
ル全体を処理槽内に入れるバッチ式、真空処理槽入、出
側に差圧シールを設けた連続式のいずれでもよい。
【0020】
【実施例】図4に、この発明に従う、鉄損低減装置を示
す。この装置は、いわゆるエア・トゥ・エア方式で、す
なわち真空処理槽1外に配置したペイオフリール5から
巻出した方向性珪素鋼板7を、差圧室12を介して、真空
処理槽1内に導き、複数の電子ビーム照射装置3a〜3cに
て、鋼板7の圧延方向と直角方向に走査される電子ビー
ム8を線状に照射する。このとき、真空処理槽1内の真
空度が4〜6×10-4torrとなるように、ニードルバルブ
9またはコンダクタンスバルブ11で調整した。次いで、
処理後の鋼板7は、真空処理槽1から差圧室13を介し
て、槽外へ導き出され、テンションリール6で巻取られ
る。
す。この装置は、いわゆるエア・トゥ・エア方式で、す
なわち真空処理槽1外に配置したペイオフリール5から
巻出した方向性珪素鋼板7を、差圧室12を介して、真空
処理槽1内に導き、複数の電子ビーム照射装置3a〜3cに
て、鋼板7の圧延方向と直角方向に走査される電子ビー
ム8を線状に照射する。このとき、真空処理槽1内の真
空度が4〜6×10-4torrとなるように、ニードルバルブ
9またはコンダクタンスバルブ11で調整した。次いで、
処理後の鋼板7は、真空処理槽1から差圧室13を介し
て、槽外へ導き出され、テンションリール6で巻取られ
る。
【0021】上記の装置の真空処理槽1内に、C:0.04
2wt %、Si:3.29wt%:Mn:0.068wt%、Se:0.020 wt
%およびMo:0.016 wt%を含み残部実質的にFeよりなる
成分組成で、幅:1000mmおよび厚み:0.23mmの方向性珪
素鋼板を、搬送速度:18 m/min通板し、線状の電子ビー
ム照射を、次の条件で連続して行った。
2wt %、Si:3.29wt%:Mn:0.068wt%、Se:0.020 wt
%およびMo:0.016 wt%を含み残部実質的にFeよりなる
成分組成で、幅:1000mmおよび厚み:0.23mmの方向性珪
素鋼板を、搬送速度:18 m/min通板し、線状の電子ビー
ム照射を、次の条件で連続して行った。
【0022】電子ビーム照射条件 加速電圧:150Kv 電流:0.9mA 走査間隔:6mm 走査速度:10m/s 走査長:200mm
【0023】上記の処理を連続して約10時間行ったとき
の、鋼板における磁性の変化について、表1に示す。同
表から、電子ビーム照射による磁区細分化効果は、約10
時間を経たのちも低下しないことがわかる。
の、鋼板における磁性の変化について、表1に示す。同
表から、電子ビーム照射による磁区細分化効果は、約10
時間を経たのちも低下しないことがわかる。
【0024】
【表1】
【0025】比較例 図4の装置における、ニードルバルブ9付きのガス導入
口10およびコンダクタンスバルブ11をそなえていない、
図5に示す装置にて、上記と同じ組成およびサイズの方
向性珪素鋼板に、同じ条件の線状電子ビーム照射を行
い、その磁性を測定した。なお、真空度は4×10-5torr
以下で、時間とともに排気され、さらに低い値となって
いった。
口10およびコンダクタンスバルブ11をそなえていない、
図5に示す装置にて、上記と同じ組成およびサイズの方
向性珪素鋼板に、同じ条件の線状電子ビーム照射を行
い、その磁性を測定した。なお、真空度は4×10-5torr
以下で、時間とともに排気され、さらに低い値となって
いった。
【0026】その結果を、表2に示すように、約10時間
の照射にて電子ビーム照射効果が劣化したことがわか
る。これは電子ビームガン内部の電極等を支持する絶縁
物表面に帯電したものが、高真空であるがために放電す
ることができず、それによって発生した電場の影響によ
ってビーム径が太くなり、よって磁区細分化効果が低下
したものと考えられる。
の照射にて電子ビーム照射効果が劣化したことがわか
る。これは電子ビームガン内部の電極等を支持する絶縁
物表面に帯電したものが、高真空であるがために放電す
ることができず、それによって発生した電場の影響によ
ってビーム径が太くなり、よって磁区細分化効果が低下
したものと考えられる。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】この発明は、真空処理槽内部の真空度を
ある一定範囲とすることが可能な構造であるため、真空
度を適切な範囲に制御することにより、電子ビームを安
定させ、その磁区細分化効果の経時的な劣化を防止する
ことができる。これにより電子ビーム照射によって低鉄
損化した、方向性珪素鋼板を、安定して製造できる。
ある一定範囲とすることが可能な構造であるため、真空
度を適切な範囲に制御することにより、電子ビームを安
定させ、その磁区細分化効果の経時的な劣化を防止する
ことができる。これにより電子ビーム照射によって低鉄
損化した、方向性珪素鋼板を、安定して製造できる。
【図1】従来の鉄損低減装置を示す模式図である。
【図2】この発明の鉄損低減装置を示す模式図である。
【図3】電子ビーム照射後の鉄損値および電子ビーム径
の経時的変化を示すグラフである。
の経時的変化を示すグラフである。
【図4】この発明の鉄損低減装置を示す模式図である。
【図5】従来の鉄損低減装置を示す模式図である。
1 真空処理槽 2 排気ポンプ 3 電子ビーム照射装置 3a 電子ビーム照射装置 3b 電子ビーム照射装置 3c 電子ビーム照射装置 4 グラファイトローラー 5 ペイオフリール 6 テンションリール 7 方向性珪素鋼板 8 電子ビーム 9 ニードルバルブ 10 ガス導入口 11 コンダクタンスバルブ 12 差圧室 13 差圧室
Claims (1)
- 【請求項1】 真空処理槽に、該槽内に導いた方向性珪
素鋼板に対し、その圧延方向と直角方向に電子ビームを
照射する電子ビーム照射装置および排気口を配設した、
方向性珪素鋼板用鉄損低減装置において、ニードルバル
ブをそなえるガス導入口および上記排気口入側に配置す
るコンダクタンスバルブの、いずれか少なくとも一方を
設けてなる、方向性珪素鋼板用鉄損低減装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4099790A JPH05295446A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 方向性珪素鋼板用鉄損低減装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4099790A JPH05295446A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 方向性珪素鋼板用鉄損低減装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295446A true JPH05295446A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=14256724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4099790A Pending JPH05295446A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 方向性珪素鋼板用鉄損低減装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05295446A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012017655A1 (ja) * | 2010-08-06 | 2012-02-09 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
JP2013072094A (ja) * | 2011-09-26 | 2013-04-22 | Jfe Steel Corp | 方向性電磁鋼板の製造方法及び製造装置 |
WO2013099281A1 (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-04 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
JP2014196543A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-16 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
CN106755806A (zh) * | 2017-01-06 | 2017-05-31 | 无锡职业技术学院 | 柴油机高压共轨针阀体热处理方法 |
EP3431616B1 (en) * | 2016-03-15 | 2020-12-16 | JFE Steel Corporation | Method of producing oriented magnetic steel sheet and production equipment line |
-
1992
- 1992-04-20 JP JP4099790A patent/JPH05295446A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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