JPH05294277A - 地面効果翼船 - Google Patents

地面効果翼船

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JPH05294277A
JPH05294277A JP10124592A JP10124592A JPH05294277A JP H05294277 A JPH05294277 A JP H05294277A JP 10124592 A JP10124592 A JP 10124592A JP 10124592 A JP10124592 A JP 10124592A JP H05294277 A JPH05294277 A JP H05294277A
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Japan
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hull
main
ground effect
wig
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JP10124592A
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Shigemi Ando
重美 安東
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SHINREI ZOSEN KK
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SHINREI ZOSEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 他船の回避を容易にし、かつ眺望性をよくす
ると共に、荷役用ポートを多数とれて、貨客用スペース
も潤沢にとれ、さらに姿勢安定性がよくて、構造強度に
関する所要の安全度がより軽量の構造重量で得られる地
面効果翼船を提供することを目的。 【構成】 双胴の左舷船体11と右舷船体12との間を、前
後に複数の主翼13, 14,15で連結すると共に、これら各
主翼13, 14, 15が船体の静止水面より充分高い位置に配
置することにより構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として海面上を巡航
し、比較的大量の貨物や旅客を高い安全度のもと高速度
で輸送する地面効果翼船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年注目をあびている英語名、Wing In
Ground Effect と称されている地面効果翼船 (以下便宜
上ウイグと略称する) は、現在のところ実際に製作され
たものは極く小型の実験艇、レジャー艇、または交通艇
が多く、大型の実用サイズのものとしては軍用として実
建造例があるのみで、これは大洋横断緊急展開、強襲揚
陸、ミサイルプラットフォーム、垂直離陸機用空母等の
各種コンセプトで各国で鋭意研究されている。
【0003】そこで、従来考えられている実用サイズの
大型のウイグの代表例として、図3において飛行艇状の
ウイグを示しており、図中の1は胴体、2は主翼、3は
翼端板、4は垂直尾翼、5は水平尾翼、6はエンジン、
7はハッチである。この従来例のウイグの特徴は、主翼
2の地面効果を効率よく発生させるために、主翼2の外
端に翼端板3と称する板状構造物を設け、その下端の高
さは、巡航時に極力海面に近いよう設定されている。
【0004】また、主翼2は海面に近い程地面効果を多
く享受でき、一方、胴体1と主翼2とも、高速巡航中、
海面の波の波頂に接触しないように計画されているので
飛行艇に比べれば胴体1への主翼2の取付け位置は低
く、場合によっては、静止時は胴体1よりは寧ろ主とし
て主翼2の排水浮力によって海上に浮くようにして、主
翼2を低い位置に取付けるように計画されているものも
ある。
【0005】さらに、海面すれすれを飛行するために
は、航空機より高度の姿勢安定性を要するため、大規模
な水平尾翼5を備え、この水平尾翼5には揚力を負担さ
せず、専ら姿勢安定上の効率を狙って計画されている。
また、実用サイズの大型ウイグの他の代表例の形態とし
ては、図3の部品番号と同じ部品は同じ番号で示す図4
の従来例のごとく、翼端板3が波頂に触れて破損飛散す
る機会を少なくするため、翼端板3を運動の中心、すな
わち胴体1に近づけ、地面効果による揚力を主として、
主翼2の翼端板3より内側の内翼で得、外側の外翼8に
よる揚力も加勢させて、所要の揚力を得ようとしてい
る。
【0006】なお、これら軍用の場合、地面効果の及ば
ぬ程の大高度を飛行することを要する場合もあるが、地
面効果に依存せず飛行可能なものは、法規上船舶ではな
く、航空機として取扱われることはいうまでもない。一
方、ウイグは商船としても、ハイドロフォイル、ホーバ
ークラフト等従来の高速艇に比して、速力、航続距離、
有料貨物重量のいずれも1桁大きいものが得られ、航空
機と比べれば、その速力こそ約半分であるが、有料貨物
重量物を1桁大きく積載でき、いずれよりも燃費効率が
よく、低額の運賃で、高級、中級の貨物および旅客を運
送できる可能性が多く、 200ノットないし 300ノットの
超高速コンテナ船または旅客船としての用途が考えられ
ており、基本的には軍用の形態のままで、内部スペース
の利用法を商用に置換えた提案も海外ではなされてい
る。
【0007】しかしながら、商用ウイグはその経済性の
見地より、極力地面効果を多く享受できるような運航を
し、かつ定期定ルートであることを要するので、当然陸
上を避け、海面上のみを巡航し、海に面する商港のみを
出入港する。そこで、従来のウイグの商用としての主要
な不具合点および商用ウイグに必要な諸条件の項目を下
記する。 〔1〕主翼2のスパンが船全体の大きさの割には圧倒的
に過大であること。
【0008】ウイグは海面すれすれを飛行し、かつ商用
ウイグの場合は商港を出入し、商船航路を巡航するの
で、他の行き会い船や同航船を回避しなければならない
機会が多く、長大な主翼2を左右に大きく延ばした形態
では他船との航路干渉が過大であり、かといって主翼2
の面積を同一にしてスパンを小さくすればアスペクト比
過小のため揚抗比や経済性が劣化するという問題があ
る。 〔2〕翼端板3を持つことは危険であること。
【0009】地面効果を効率よく得るためには翼端板3
下縁と海面との隙間は少しでも小さいことを要するが、
翼端板3は、実用機に想定される 200ないし 300ノット
もの高速な巡航速度においては、波の波頂に接触すると
たちまち破損飛散し姿勢の平衡を失い、全船が海面に衝
突し破壊される危険が大きく、商用として所要の安全の
程度を満さない。
【0010】また、翼端板3はウイグを旅客船として共
用する場合、旅客の視野をさえぎり、眺望性を阻害す
る。特に、前記〔1〕項の見地より小アスペクト比の主
翼2を採用する場合、翼端板は長大となり、全面的に視
野をさえぎり、旅客船としては旅客誘致上、致命的な欠
陥となる。 〔3〕商港において、コンテナ荷役、旅客の上下船に極
めて不便であり、迅速性を欠き、折角の高速巡航の利点
が減殺されること。
【0011】従来のウイグの形態の構成からいって、胴
体1を岸壁に接舷させることは不可能であり、一方、コ
ンテナ荷役用大開口ハッチは胴体1の頂部にあり、胴体
1の先端ノーズを岸壁に向けて係留するとしても、ノー
ズハッチ1ヶ所のみにおいて荷役することでは効率が悪
く、しかも胴体1は海上に浮いているので、そのノーズ
ハッチは岸壁高さよりも低く荷役が不便であり、ウイグ
の海港での貨物の荷役、旅客の上下船に時間がかかり過
ぎるという問題があること。
【0012】また、水に浮いている状態では姿勢復原力
は主として細い胴体1本に依存しているため、荷役中の
重心移動による姿勢の変化が過大で、荷役手順は複雑と
なり、人手もかかり、これも迅速性を欠く要因となる。 〔4〕貨物用または旅客用スペースが圧倒的に不足であ
る。商用ウイグの場合、超高速運送の対象となる中級、
高級貨物は一般に容積/重量比が大きく、経済性の見地
より貨物重量を大きくとるとき、貨物重量に見合う貨物
艙容積は、はるかに大きなものを要することになる。
【0013】また、ウイグを旅客用または貨客用に用い
る時、搭載可能な旅客数は客室として利用可能なスペー
スで定り、眺望性のよいスペースをはるかに多く要する
ことになる。 〔5〕商用ウイグの場合、その姿勢安定性の強化を要す
ること。軍用ウイグの場合、姿勢安定のため、大きな抵
抗上のペナルティを忍んで、巨大な水平尾翼5を設ける
のが普通であるが、それでも長周期フゴイド運動の復原
力は弱く、操縦制御を要することが多い。また、軍用ウ
イグの場合、経済性は状況により二の次であり、不安が
あれば燃費はかかっても巡航高度を大きくすればよい
が、商用ウイグの場合、巡航高度を経済性上安易に高く
することで逃げるわけにはゆかず、一方、安全上、絶対
に海に突込む恐れがないようにしなければならない。
【0014】従って、上下揺れ、すなわちヒーブ、縦揺
れ、すなわちピッチ、そして連成揺れ、すなわちフゴイ
ドに関する自己安定性の向上を要する。 〔6〕構造強度に関する所要の安定度が、貨物重量の割
には、より軽量の構造重量で得られることが必要である
こと。商用の場合、運営の原資は運賃収入以外になく、
運賃収入は貨物重量に比例する。
【0015】これに対して燃料の大半ないしは大部分を
自重を運ぶことに費やしてしまっていることになってい
る従来のウイグでは、軍用の場合は別にして商用の場合
は運営採算をとりにくいことになる。
【0016】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
ウイグを商用ウイグとして適用する場合の不具合点を解
決するためになされたものであり、他船の回避を容易に
し、かつ旅客の眺望性をよくすると共に、荷役用ポート
を多数とれて、貨物用および旅客用スペースも潤沢にと
れ、さらに姿勢安定性がよくて、構造強度に関する所要
の安全度がよく軽量の構造重量で得られる地面効果翼船
を提供することを解決課題としたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明の地面効果翼船は、双胴の左舷船
体と右舷船体との間を、前後に複数の主翼で連結すると
共に、これら各主翼が船体の静止水面より充分高い位置
に配設されることにより構成される。
【0018】
【作用】上記の左舷船体と右舷船体とからなる双胴船で
は、その左右両舷の船体を複数の主翼で連結し、それら
の主翼に所要な面積をもたせることにより、左右両舷の
船側部を岸壁に接舷することができるので、その船側部
に荷役ポートを、そしてその甲板上に荷役用ハッチを多
数設けて、荷役の迅速性を高めると共に、貨物用、旅客
用スペースを十分確保でき、しかも姿勢安定性の強化を
はかることができる。
【0019】
【実施例】以下図面を参照して本発明の各実施例を説明
するが、図1および図2は本発明のそれぞれ異なる地面
効果翼船の各実施例であり、図1は実施例1の、そして
図2は実施例2のそれぞれ斜視図である。そこで、本発
明の地面効果翼船では、図1および図2に示すごとく、
左舷船体11と右舷船体12との間を、前後に複数の主翼、
すなわち、図1の実施例1では、前部主翼13および後部
主翼14の2ヶの主翼で、そして図2の実施例2では、前
部主翼13、中央主翼15および後部主翼14の3ヶの主翼
で、連結しており、これにより従来必要とされていた図
3の胴体1と翼端板3と水平尾翼5とをすべて廃止して
いる。
【0020】次に、上記の各主翼、すなわち前部主翼1
3、中央主翼15および後部主翼14の架設高さを船体の静
止時水面より充分高い位置に配設している。そこで、上
記の翼端にそれぞれ設けたコンテナ等の荷役用ポート8
は港の岸壁より高く位置するように定めており、双胴船
の船体の上甲板の高さは、前部主翼13と後部主翼14との
間では、ほぼ各主翼上面最高部を結ぶ高さとし、所要に
応じて第2甲板との間に荷役用あるいは旅客上下船用の
ポートを増設する。
【0021】なお、進行方向についての安定、変更、制
御のための垂直尾翼4は、左舷と右舷の船尾に各1ヶづ
つ設けられており、図1では8ヶのエンジン6が、そし
て図2では12ヶのエンジン6がそれぞれ設けられてい
る。図1のように、主翼の数は、所要面積の主翼を、前
部主翼13と後部主翼14の2ヶに分割してもよいが、船全
体の規模と、出入する港湾、就航する航路の状況と性格
上、まだ船体の幅が過大である時は、さらに多数に分割
することも考えられ、図2のように前部主翼13、中央主
翼15、後部主翼14のように3ヶに分割してもよい。
【0022】これら主翼の平面的形状は図1および図2
では比較的アスペクト比の小さいものを示している。こ
れは、ウイグの翼として性能がよく、少なくとも性能上
無難であるとされている比較的翼厚比の小さい翼型を採
用しても、翼端にコンテナ荷役用開口の大きさを、上下
翼面の間に内部補強をかわしてとり得るからである。な
お、第2甲板は翼範囲では翼下面がすなわち第2甲板と
なり、前後の翼の間では、翼下面を連続的に結び構造強
度の連続性を保たせている。
【0023】これらの実施例では、図1および図2とも
前部主翼13および後部主翼14はテーパ翼としており、地
面効果に加え、テーパ翼効果により実効アスペクト比を
極力大きくし、揚抗比を高め、かつ双胴の船体部の長さ
を不必要に過大にしないようにしている。上記の構成か
らなる地面効果翼船の機能につき、前述の従来のウイグ
を商用として適用する場合の不具合点および必要点の各
項目に対応してそれぞれ以下の通り詳述する。 〔1〕主翼のスパンと船体の幅を大幅に減らすこと。
【0024】本発明では所要面積の翼を、複数の翼に分
割し、前後に並べて配置しているので、主翼のスパンは
翼面積、翼弦長を変えない場合には、当然二翼に分ける
ときは1/2、三翼に分けるときは1/3となり、左右の双胴
部の幅を加えても、船体の幅は大幅に小さくなり、他船
の回避が容易となる。
【0025】一般に航空機においては、前後に並べた主
翼は前部翼の発生する吹きおろし流のなかにあり、その
分、揚力を損失し効率が悪いとして、最初からそのよう
な配列は考えないが、商用ウイグの場合は燃料経済上、
地面効果の著しい低高度のみを巡航することに運航モー
ドを限定しており、軍用ウイグのように場合により地面
効果のない高度でも巡航する場合の効率を考慮する必要
はない。
【0026】地面効果の著しい低高度では、鏡像原理に
より吹きおろし流は実害のない程度に弱まり、従って前
後に翼を並べても、この見地での実害は殆んどない。一
方、複数の主翼に分割せず、翼数は、従来のごとく1枚
のままで、翼スパンを例えば1/2にする場合は、アスペ
クト比は1/4になり、アスペクト比が極端に小さいた
め、たとえ、地面効果による有効アスペクト比の向上が
あっても得られる揚抗比、すなわち経済性は劣悪とな
る。すなわち、本発明のごとく、船体の幅を、船体の全
体規模に対して小さくしようとする時、主翼を分割して
前後に並べることが最良の解決策である。 〔2〕翼端板を廃止すること。
【0027】地面効果発生のための従来の翼端板3の役
割は、双胴船体が果す。従来例では、胴体は翼スパンの
中央にあり、対称原理よりこの見地での寄与は皆無であ
ったが、本発明の船体は両翼端にあり、かつ従来の翼端
板3に比べれば長大、かつ広幅で、従来より大幅に翼端
板効果が大きく、たとえ主翼のアスペクト比を小さくし
ても有効アスペクト比を上げられる。
【0028】なお、離水時の水のハンプ抵抗を極少にす
るため、双胴船体の最船尾範囲は船底をカットアップ
し、従ってこの範囲は船体だけでは翼端板効果はカット
アップしない場合に比し少なくなるが、この範囲では垂
直尾翼4があり、翼端板効果を補完する。ちなみに、従
来例の垂直尾翼4は中央胴体に着いていたのでこの効果
はなかった。
【0029】一方、船体は従来の脆弱な翼端板に比べれ
ば構造強度は本来、桁ちがいに大きく、波頂に接触して
も凹損しないように船底構造は重量ペナルティが少な
く、重量効率よく計画することができる。 〔3〕岸壁荷役および旅客上下船を迅速に行なわせるこ
と。本発明では双胴船の形態であるので、岸壁に接舷係
留でき、また翼端も岸壁に面することができ、岸壁より
高く荷役用ポート8が設けられるので、翼の内部をコン
テナ艙とし、あらかじめ岸壁で整列連結したコンテナ列
をまとめて水平に押込んで積込み、または岸壁よりコン
テナ列をまとめて引出して陸揚げすることもでき、他に
も、船体の舷側または上甲板に荷役用ハッチを、そして
旅客船の場合は旅客の上下船用ドアを所要に応じて多数
設けられる。
【0030】また、本発明は双胴船であるので、復原性
は単胴船の場合に比して桁違いに高く、迅速荷役により
急速な重心位置の移動があっても、姿勢の変化は少な
く、荷役手順は単純明快で、省力的となり、この面から
も時間短縮を可能ならしめる形態構成となっている。か
くて、全体流通体系、交通体系の結節としてウイグを見
るとき、全体体系の高速性を、ウイグの高速巡航性を生
かして高められる。 〔4〕貨物スペースおよび眺望のよい客室スペースを潤
沢にとれること。
【0031】低アスペクト比の複数の翼の内部を迅速荷
役可能なコンテナ艙として利用でき、双胴船内部のスペ
ースも加えて充分搭載重量に見合う貨物スペースを潤沢
にとり得る。また、旅客用または貨客用の用途に建造す
るときも、双胴船であり、かつ視界をさえぎる翼および
翼端板が外方にないので眺望のよい客席を極めて多数と
り得る。
【0032】さらに、就航航路の性格および目的によ
り、通常の航空機様の並列客席はもとより、ホテル様の
超高速高級フェリーや超高速クルーズ船などの客室とす
る時でも、眺望のよい外舷客室を多数とり得ることにな
る。 〔5〕姿勢安定性を強化し、かつ有害抵抗を減少するこ
と。主翼は、地面効果の強い低高度にある時、特にアス
ペクト比が比較的小で、充分な長さを有する翼端板効果
を持つものが、その下縁が充分海面に近い時、上下動に
対する自己復原力が強い。
【0033】本発明では、このような性格の主翼を複数
個、船首尾方向に並べているので、縦揺れにより、各翼
の海面上の高さが変ろうとする時、各翼が自動的に自分
の高度を維持しようとし、従って、縦揺れは自動的に収
ることになる。また、上下揺れ、縦揺れに対し、自己復
原性がよいので、自らそれらの連成運動であるフゴイド
運動に対しても自己復原性がよく、すなわち、姿勢安定
性が強化される。
【0034】この姿勢安定性の強化は、水平尾翼の全廃
を可能にし、従って、従来の水平尾翼5による有害抵抗
をなくすることができる。 〔6〕構造重量を比較的軽量にすること。従来のもので
は一本の胴から片持梁で主翼2と垂直尾翼4が突出し、
更に主翼2の先端に翼端板3が片持梁で突出し、垂直尾
翼4の先端に水平尾翼5が片持梁で突出していた。
【0035】すなわち、全体は片持梁の複合集合体であ
る。片持梁に剛性、強度を付与するのは構造重量効率が
悪く、例えば、長大航続距離を狙う航空機の翼長は、翼
の胴体との付け根の強度と重量効率とのトレイドオフ,
コンプロマイズにより定まることはその例である。そこ
で、本発明では、基本的に双胴を複数の主翼で連結する
いわば閉ラーメン構造であり、各部材が相互に強度を助
けあう重量効率のよいものに本質的になっている。
【0036】さらに、翼端板3や、水平尾翼5などの片
持梁分岐もなく、閉ラーメンの主構造に付加されている
ものは、従来例のものに比べれば、長さの短かくてすむ
垂直尾翼4のみである。従って、船全体の規模の割に
は、従来のものに比し、大幅に構造重量を減少させ、そ
の結果、出発離水時、全体重量のなかで占める構造重量
と燃料重量の比を減らし、その分、貨物などの有料重量
の比を大きくし、運営採算をとりやすくすることができ
る。
【0037】以上に詳述した通り、従来例では少なくと
も同時に全ての項目を満足せず、かつ商用ウイグとして
は同時満足が必要である各項目の諸条件を、本発明の地
面効果翼船では同時に満足することになり、しかもウイ
グの素質である高い揚抗比および経済性を維持している
ことになる。また、一般に、商用ウイグでは、海港を出
入する。従来、往々係留時、スウィミング時、あるいは
離水開始時に必ず翼下面が水没していることになるよう
な計画例が多いが、このような状態であると係留時は荷
役が不可能であり、スウィミング時は水の抵抗が大きく
て前進速度が得られず、離水開始時は翼下面に空気を吹
き込み得なかった。従って、離水開始時船体の浮上が困
難で、たとえ幾分浮上したとしても水のハンプ抵抗が極
端に大きく、翼で揚力を得て完全離水する程の前進速度
に到達せず、また、翼下面は波に叩かれることに対抗で
きるほど強固、すなわち重いものにする必要があった。
【0038】これに対し、本発明の場合、翼は静止水面
より充分高くとっているので、係留時は勿論、スウィミ
ング中も翼下面が波に叩かれることはなく、スウィミン
グ中の水の抵抗は小さく、早く離れ海面に到着すること
ができ、離水時はハンプ抵抗は小さく、主翼のフラップ
を後縁が波頂近くになるまで下げ、エンジン6の吹き出
し方向を下向きにして所謂ラム圧状態にして極めて低速
度で離水可能である。
【0039】従って、船底構造の補強は比較的軽微です
み、搭載したエンジン6の合計推力は比較的少なくてす
むなどすべて実際的であり、経済性を上げうるようにな
っている。このことも、地面効果翼であるからといって
巡航中の翼高度を小さくすることばかりに固執せず、双
胴船体という構造上信頼でき、かつより有効な翼端板を
導入する発想より得られた副次的成果である。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したごとく、本発明の水面効
果翼船によれば、従来のウイグでは同時に満足できなか
った商用ウイグとしての諸条件をすべて満足することが
できる。しかも、ウイグとして具備すべき高揚抗比およ
び種々の経済性を維持することができ、従って海上の交
通手段として船舶と航空機との中間の位置を占めること
のできる理想的な輸送装置を提供でき社会に貢献できる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地面効果翼船の実施例1における斜視
図である。
【図2】本発明の地面効果翼船の実施例2における斜視
図である。
【図3】従来例の地面効果翼船の斜視図である。
【図4】他の従来例の地面効果翼船の斜視図である。
【符号の説明】
11 左舷船体 12 右舷船体 13 前部主翼 14 後部主翼 15 中央主翼

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 双胴の左舷船体と、右舷船体との間を、
    前後に複数の主翼で連結すると共に、これら各主翼が船
    体の静止水面より充分高い位置に配設されている地面効
    果翼船。
JP10124592A 1992-04-21 1992-04-21 地面効果翼船 Pending JPH05294277A (ja)

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