JP2502917Y2 - 複合支持型超高速船 - Google Patents

複合支持型超高速船

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JP2502917Y2
JP2502917Y2 JP1991058685U JP5868591U JP2502917Y2 JP 2502917 Y2 JP2502917 Y2 JP 2502917Y2 JP 1991058685 U JP1991058685 U JP 1991058685U JP 5868591 U JP5868591 U JP 5868591U JP 2502917 Y2 JP2502917 Y2 JP 2502917Y2
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亮太郎 荻原
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テクノスーパーライナー技術研究組合
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、船全体の重心と燃料
積載時の燃料タンクの重心位置を一定の関係位置に設定
してある複合支持型超高速船に関する。
【0002】
【従来の技術】最近我が国でも短距離間の旅客輸送用と
して水中翼の揚力で船体の全重量を支えてウォータジェ
ット推進により超高速で航走する小型旅客船が登場し
て、旅客分野における高速化のニーズに応えている。
【0003】一方、貨物専用輸送の分野では、従来コン
テナ船等による比較的遅い速度での大量輸送を特徴とし
てきたが、最近製品の多品種少量生産化、或いは生産拠
点の海外展開など生産システムの変化に伴って、海上輸
送においても製品(例えば電子部品や生鮮食料品等)を
生産地から比較的近隣の需要地へ迅速に輸送するために
大型かつ超高速化の気運が急速に高まって来ている。
【0004】上述した超高速旅客船と同様な形式で超高
速貨物船の大型化を図った場合、自ずとその載荷重量に
も制限が出てくる。この船型では、例えば載荷重量約1
000tの大型超高速貨物船は巨大な水中翼が必要とな
り、船体抵抗が増大するために経済的には不利と言われ
ている。
【0005】そこで、図4(a) 側面図、同図(b) 正面図
に示すような船体を上部船体1と下部船体2とで構成
し、この両船体間の前後にセンタストラット3を設け、
さらにこの下部船体2の両側に水中翼4を突設した複合
支持型の船舶が提案されている。なお、WLは水面を示
す。この種船舶に関する先行技術としては特開昭61−
54382号公報(従来例1)、特開平3−32994
号公報(従来例2)等がある。
【0006】かかる複合支持船型においては、図4に示
すように低速時には上部船体1の下部が水中に没するd
1 の吃水で航走する艇走状態と、高速になると水中翼4
の揚力により上部船体が水面上に浮上し、d2 の吃水で
航走する翼走状態とがあり、翼走状態では翼揚力と下部
船体2の浮力とで船全体の重量を支持している。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】このように複合支持型
船型では、通常の排水量型船舶とは全く異なった航走状
態を形成するため、特に船体構造が軽量化されており、
全体重量に占める燃料重量の割合が通常船舶に比して大
きい。
【0008】従って、最初出港時には燃料タンクに満載
された燃料が航海するうちに徐々に消費されていき、そ
の分全体重量は軽くなっていくが、元来船体自体が格段
に軽量に作られているために、この燃料減少に伴う全体
重量の減少率が大きく、これはすぐに船体姿勢の大きな
変化として現れてくる。
【0009】すなわち、燃料が減少して全体重量が軽く
なると、浮力は変化せず又揚力も変化しないとすれば、
船体が浮き上がりすぎて翼および舵の没水深度が小さく
なり、船体姿勢の制御力の減少という問題を生起するう
えに、燃料減少によりモーメントのバランスも崩れて安
定航走の支障になる。これを制御するために、上記従来
例1のような迎角可変のフィンを設置すると、かなりの
抵抗増加を招き、また従来例2の如く水中翼4が固定の
場合に水中翼4に付設されているフラップ操作で行おう
とすると、船体の姿勢制御はフラップが担っているため
に船体姿勢の制御力減少の問題を生起する。また、バラ
スト調整による場合には、かかる複合支持型船舶がもつ
船体軽量化の要請に沿わず、推進性能を悪化させてしま
う。
【0010】本考案の目的は、燃料タンクの重心位置と
船全体の重心位置を一定の位置関係にもってくることに
より、燃料減少に伴う船体姿勢の制御を容易に行えるよ
うにした複合支持型船舶を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
考案は、上部船体と下部船体とからなる船体を有し、翼
走時には下部船体の浮力と水中翼の揚力の双方で船体を
支持する複合支持型の船舶において、船全体の重心より
所定距離前方に下部船体の浮心位置を、所定距離後方に
揚力作用点を位置させると共に、該揚力作用点より更に
所定距離後方に上部船体に設けた燃料タンクの重心位置
を設定して燃料消費に伴うトリムモーメントの変化があ
っても船首と船尾トリムモーメントがバランスできるよ
うにしたことを特徴とする超高速複合支持型船舶であ
る。
【0012】
【作用】上記構成において、出港時には燃料タンクに燃
料を満載状態にして出港するが、航海するうちに徐々に
燃料が消費されて減少していく。燃料減少に伴い船の全
体重量が減少するが、浮力は変化せず、又揚力は相対的
に大きくなるから船体はさらに浮き上がり船体姿勢の制
御力を減少することになる。しかし、揚力作用点の前後
に船全体の重心と燃料タンクの重心位置が配置されてい
るため、燃料減少による船全体の重心位置が前方に移動
した分船首方向へのトリムモーメントが発生し、若干な
がら船首トリムの方向へ自然に船体姿勢が変化していく
ようになる。その結果、水中翼の迎角が自動的に減少し
て揚力が減少し、船体がさらに浮き上がろうとするのを
抑制する。
【0013】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0014】図1は本考案にかかる複合支持型船舶の概
略側面図、図2はその横断面図である。本考案は、大型
で且つ超高速の船を対象としている。
【0015】これらの図において、1は上部船体、2は
下部船体、3はセンタストラット、4は固定水中翼を示
す。なお、5はサイドストラット、6はウォータジェッ
ト噴出口、7は操縦室等が配置されている上部構造物、
Fは船首部、Aは船尾部を示す。
【0016】図示するように複合支持型の船型は、広い
積載スペース9を有する上部船体1と、この船底中央部
に前後に垂下された断面翼状のセンタストラット3と、
この前後のセンタストラット3の下端部に上部船体1と
ほぼ同長の魚雷状の下部船体2と、この下部船体2のス
トラットとほぼ同じ位置において両側に略水平に突設し
た固定(それ自身迎角の調整はできない)の水中翼4か
ら主になる。この水中翼4の先端部付近は、上部船体1
の両船側から垂下したサイドストラット5により支持さ
れている。なお、水中翼4には船体の姿勢制御等のため
の複数のフラップ(図示せず)がそれぞれ付設されてい
る。航走中には後部のセンタストラット3の下方の下部
船体2に設けた吸入口(図示せず)からウォータジェッ
トポンプにより水を吸引して船尾端の噴出口6より高速
で噴射して船体が前進推力を得るようになっている。
【0017】かかる複合支持型船舶の前進航走状態に
は、前述した通り翼走状態と艇走状態の2つがある。す
なわち、港湾内や離着岸時等の低速時には水中翼4の揚
力が無くなるので、上部船体1が着水して航走する艇走
状態と、高速走行時には水中翼4の揚力と下部船体2の
浮力とで船の全重量を支持して上部船体1を水面WL上
に浮上させて航走する翼走状態である。そのため、複合
支持船型では特に船体構造重量の軽量化が図られてお
り、全体重量に占める燃料重量の割合が通常船舶に比し
て大きい。従って、航海するうちには燃料の減少に伴っ
て全体重量が減少し船体が軽量であるがゆえに船体姿勢
変化が大きく現れる。これを、水中翼に付設のフラップ
で制御しようとすると、外乱に対する船体姿勢の制御力
の減少を招き、一方、バラスト調整による場合には船体
軽量化の要請に反し、推進性能を悪化させる。
【0018】そこで、本考案では、図3に示す如く、揚
力作用点Lを挟んで貨物、燃料等を含む船全体の重心位
置Gの後方の適当な位置に燃料タンクの重心位置Fがく
るように、上部船体1の船尾部近くに燃料タンク8が配
設されている。Bは船全体の浮心位置を示す。
【0019】このように燃料タンク8の重心Fを船体重
心Gの後方に位置させる理由は次の通りである。
【0020】すなわち、上述したように全体重量の割り
には多量の燃料を燃料タンクに積載して出港する。そし
て、最初の時点では、船全体の重心Gのまわりの揚力と
浮力によるモーメントは釣り合って船はイーブンキール
(トリムゼロ)の状態で翼走する。しかし、航海するう
ちに徐々に燃料は消費されて減少していき、航海を終え
るころには燃料タンク8の重量はゼロ近くに減少する。
この燃料減少に伴い全体重量も減少するが、浮力は変化
せず揚力が全体重量減少に対し相対的に大きくなるため
このままでは船体はさらに浮き上がることになる。その
結果、翼および舵の没水深度が小さくなり、船体姿勢の
制御力が減少する。しかし、本考案では燃料が減少する
につれて船全体の重心位置が前方(GからG1 )に移動
することをも考慮に入れて、揚力作用点Lを挟んで前後
にそれぞれ船全体の重心位置Gと燃料タンクの重心位置
Fとが適当な相対位置となるように配置してあるので、
燃料減少分によるトリムモーメントが小さくなった分、
若干ながら次第に船首トリムの方向へ自然に船体姿勢が
変化していくようになる。この時、水中翼4の迎角は所
定の角度まで自動的に減少して揚力も所定の値まで減少
する。これにより、吃水を一定に保持しながら、船体姿
勢の制御力を減少させることなく、かつ抵抗を大幅に増
加させることなく安定した翼走状態を維持して走行を継
続できるものである。
【0021】また、揚力作用点Lを浮心位置Bより後方
にくるようにすると、何らかの原因で揚力が急激に減少
した場合には、船体が翼の迎角を増す方向にトリムする
ので船体の揚力が増加し、船体を所定の姿勢に戻そうと
する力が働くという利点がある。
【0022】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
複合支持型船舶において、揚力作用点を挟んで前後にそ
れぞれ船全体の重心と燃料タンクの重心位置とが適当な
相対位置となるようにしたので、航海中の燃料消費に伴
う全体重量の変化によって、所定の船首トリムを形成す
るような船体姿勢制御が自然に行われる。その結果、燃
料減少とともに翼迎角が所定の角度まで自然に減少して
翼揚力が所定の値まで減少させることができる。このよ
うに、出港から最終航海を終えて入港するまでの間の全
航海において、燃料タンクに積載した燃料が消費されて
いくに伴い全体重量が変化しても、これに応じて自動的
に翼揚力を所定の値に抑制することができるため、常に
所定の船体姿勢を保持でき、安定した航走が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例にかかる複合支持型船舶の側面
図である。
【図2】同横断面図である。
【図3】本考案の船全体の重心と揚力作用点及び燃料タ
ンク重心との位置関係を示す図面である。
【図4】(a)、(b) は、複合支持型船舶における航走状
態を説明するための側面図と横断面図である。
【符号の説明】
1…上部船体 2…下部船体 3…センタストラット 4…水中翼 5…サイドストラット 8…燃料タンク G…船全体の重心 F…燃料タンクの重心 L…揚力作用点 B…浮心

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部船体と下部船体とからなる船体を有
    し、翼走時には下部船体の浮力と水中翼の揚力の双方で
    船体を支持する複合支持型の船舶において、船全体の重
    心より所定距離前方に下部船体の浮心位置を、所定距離
    後方に揚力作用点を位置させると共に、該揚力作用点よ
    り更に所定距離後方に上部船体に設けた燃料タンクの重
    心位置を設定して燃料消費に伴うトリムモーメントの変
    化があっても船首と船尾トリムモーメントがバランスで
    きるようにしたことを特徴とする超高速複合支持型船
    舶。
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