JPH05293366A - 液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤 - Google Patents
液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤Info
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- JPH05293366A JPH05293366A JP10136392A JP10136392A JPH05293366A JP H05293366 A JPH05293366 A JP H05293366A JP 10136392 A JP10136392 A JP 10136392A JP 10136392 A JP10136392 A JP 10136392A JP H05293366 A JPH05293366 A JP H05293366A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 液相炭化水素中の溶存硫化カルボニル及び/
又は砒化水素を除去するための効率的な吸着剤を提供す
る。 【構成】 液相炭化水素中の溶存硫化カルボニル及び/
又は砒化水素を除去するに際して、鉛の塩類又は/及び
酸化物を担体に担持した吸着剤を用いることを特徴とす
る溶存ガス吸着剤。
又は砒化水素を除去するための効率的な吸着剤を提供す
る。 【構成】 液相炭化水素中の溶存硫化カルボニル及び/
又は砒化水素を除去するに際して、鉛の塩類又は/及び
酸化物を担体に担持した吸着剤を用いることを特徴とす
る溶存ガス吸着剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液相炭化水素中の溶存
硫化カルボニル(以下、溶存COSと略す。)、及び/
又は溶存砒化水素(以下、溶存As H3 と略す。)を除
去する吸着剤に関する。液相炭化水素中の微量に存在す
る溶存COS及び溶存As H3 の除去については、蒸留
等による分離が困難な為に、各種の吸着剤による除去が
実施されている。しかし、液化プロピレンの場合などは
その許容濃度を0.1ppm 以下にする必要があり、必ず
しも従来の吸着剤は効率的でないといった欠点を有す
る。本発明は液相炭化水素中の溶存COS、溶存As H
3 を除去する吸着剤を提供するものであり、溶存COS
及び溶存As H3 の除去効率が高く、且つその吸着量も
多く、液相中でも十分な圧壊強度を有するなどの特徴を
もつ、産業上極めて有効な吸着剤である。
硫化カルボニル(以下、溶存COSと略す。)、及び/
又は溶存砒化水素(以下、溶存As H3 と略す。)を除
去する吸着剤に関する。液相炭化水素中の微量に存在す
る溶存COS及び溶存As H3 の除去については、蒸留
等による分離が困難な為に、各種の吸着剤による除去が
実施されている。しかし、液化プロピレンの場合などは
その許容濃度を0.1ppm 以下にする必要があり、必ず
しも従来の吸着剤は効率的でないといった欠点を有す
る。本発明は液相炭化水素中の溶存COS、溶存As H
3 を除去する吸着剤を提供するものであり、溶存COS
及び溶存As H3 の除去効率が高く、且つその吸着量も
多く、液相中でも十分な圧壊強度を有するなどの特徴を
もつ、産業上極めて有効な吸着剤である。
【0002】
【従来の技術】液相炭化水素中の溶存As H3 の除去に
ついては、次の吸着剤が知られている。 特公昭63−22183 銅族及びクロム族化合物
−活性炭 特公平03−64167 銅及びマンガン酸化物 特開平01−139536 金属ニッケル及び酸化ニ
ッケル 特開平03−16642 亜鉛及び銅酸化物 又溶存COSの除去については次の吸着剤が開示されて
いる。 特公昭50−17202 変性ゼオライトA 特公昭56−35645 アルミナ・シリカ 特公昭61−21698 焼成したボーキサイト残
査(赤泥) 特公平01−47448 銅及び亜鉛酸化物−活性
炭 特開昭62−29535 亜鉛及びカルシウム酸化
物−アルミナ又はシリカ・アルミナ 特開昭61−76425 金属ニッケル及び酸化ニ
ッケル−シリカ又はアルミナ 特開昭63−60945 酸化亜鉛 特開平03−213115 銅酸化物−アルミナ このように従来種々の吸着剤が開示されているが、微量
の溶存COS及び溶存As H3 の吸着速度及び吸着量は
必ずしも満足できるものではなく、液相の吸着剤として
は不十分であり、溶存COS及び溶存As H3 の吸着量
が多く且つ液相での使用に耐える高性能の改良型吸着剤
の開発が所望されている。
ついては、次の吸着剤が知られている。 特公昭63−22183 銅族及びクロム族化合物
−活性炭 特公平03−64167 銅及びマンガン酸化物 特開平01−139536 金属ニッケル及び酸化ニ
ッケル 特開平03−16642 亜鉛及び銅酸化物 又溶存COSの除去については次の吸着剤が開示されて
いる。 特公昭50−17202 変性ゼオライトA 特公昭56−35645 アルミナ・シリカ 特公昭61−21698 焼成したボーキサイト残
査(赤泥) 特公平01−47448 銅及び亜鉛酸化物−活性
炭 特開昭62−29535 亜鉛及びカルシウム酸化
物−アルミナ又はシリカ・アルミナ 特開昭61−76425 金属ニッケル及び酸化ニ
ッケル−シリカ又はアルミナ 特開昭63−60945 酸化亜鉛 特開平03−213115 銅酸化物−アルミナ このように従来種々の吸着剤が開示されているが、微量
の溶存COS及び溶存As H3 の吸着速度及び吸着量は
必ずしも満足できるものではなく、液相の吸着剤として
は不十分であり、溶存COS及び溶存As H3 の吸着量
が多く且つ液相での使用に耐える高性能の改良型吸着剤
の開発が所望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は上記の
問題がなく、液相炭化水素中の微量溶存COS及び溶存
As H3 を液相下に効率的に吸着除去する高性能の吸着
剤を提供することを目的とする。
問題がなく、液相炭化水素中の微量溶存COS及び溶存
As H3 を液相下に効率的に吸着除去する高性能の吸着
剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題は、「液相炭化
水素中の溶存硫化カルボニル及び/又は砒化水素を除去
するに際して、鉛の塩類又は/及び酸化物を担体に担持
した吸着剤を用いることを特徴とする溶存ガス吸着剤」
によって達成される。
水素中の溶存硫化カルボニル及び/又は砒化水素を除去
するに際して、鉛の塩類又は/及び酸化物を担体に担持
した吸着剤を用いることを特徴とする溶存ガス吸着剤」
によって達成される。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。ポリオレ
フィン製造用の配位アニオン重合触媒は遷移金属化合
物、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、オキシ塩化
バナジウムなど、と有機金属化合物例えば、トリエチル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムなどのアルキルア
ルミニウム化合物からなる二元系触媒であったが、最近
は、種々の第三成分を添加した複雑な触媒系や前述の遷
移金属化合物を担持した担持型触媒も開発されている。
とくにポリプロピレン用の触媒は、四塩化チタンをアル
ミニウムで還元して得られる三塩化チタンとジエチルア
ルミニウムクロライドの組合せが主に使用されてきた
が、その後、立体規則性改良剤を添加した第三成分触媒
や四塩化チタンを錯化剤とともにアルキルアルミニウム
で還元して得られる三塩化チタンのような高立体規則性
触媒や塩化マグネシウムに担持した三塩化チタンとトリ
エチルアルミニウム及び電子供与体の組合せによる高活
性触媒系が使用されるようになってきている。
フィン製造用の配位アニオン重合触媒は遷移金属化合
物、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、オキシ塩化
バナジウムなど、と有機金属化合物例えば、トリエチル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムなどのアルキルア
ルミニウム化合物からなる二元系触媒であったが、最近
は、種々の第三成分を添加した複雑な触媒系や前述の遷
移金属化合物を担持した担持型触媒も開発されている。
とくにポリプロピレン用の触媒は、四塩化チタンをアル
ミニウムで還元して得られる三塩化チタンとジエチルア
ルミニウムクロライドの組合せが主に使用されてきた
が、その後、立体規則性改良剤を添加した第三成分触媒
や四塩化チタンを錯化剤とともにアルキルアルミニウム
で還元して得られる三塩化チタンのような高立体規則性
触媒や塩化マグネシウムに担持した三塩化チタンとトリ
エチルアルミニウム及び電子供与体の組合せによる高活
性触媒系が使用されるようになってきている。
【0006】このようにポリオレフィン製造用触媒が高
性能化されるにつれて、原料オレフィン中に含有される
重合触媒の被毒物質、例えば溶存COS、溶存As H3
についてもその許容量は極めて厳しく管理されるように
なってきた。特に、流動床式接触分解装置(FCC)で
ガソリンを製造するさいに副生するLPG留分(C3 及
びC4 留分)も石油化学原料として使用されているが、
この留分よりえられるプロピレンについては、溶存CO
S又は溶存As H3 が1〜数百ppm のオーダーで存在す
るものがあり、重合用のオレフィンとするためには、溶
存COS又は溶存As H3 の濃度を100ppb 以下、望
ましくは50ppb 以下とすることが望ましいとされてい
る。
性能化されるにつれて、原料オレフィン中に含有される
重合触媒の被毒物質、例えば溶存COS、溶存As H3
についてもその許容量は極めて厳しく管理されるように
なってきた。特に、流動床式接触分解装置(FCC)で
ガソリンを製造するさいに副生するLPG留分(C3 及
びC4 留分)も石油化学原料として使用されているが、
この留分よりえられるプロピレンについては、溶存CO
S又は溶存As H3 が1〜数百ppm のオーダーで存在す
るものがあり、重合用のオレフィンとするためには、溶
存COS又は溶存As H3 の濃度を100ppb 以下、望
ましくは50ppb 以下とすることが望ましいとされてい
る。
【0007】本発明は特に、炭素数3〜6の液相炭化水
素中の微量溶存COS及び/又は溶存As H3 を吸着除
去するのに用いることができる。炭化水素としては特に
限定されないが、パラフィン系炭化水素、オレフィン系
炭化水素、脂環式炭化水素等いずれであってもよい。ま
た、単独化合物であってもよいし、各種炭化水素の混合
物であってもよい。特に、プロピレン、ブテン、ブタジ
エン、C3 留分、C4 留分、ヘキセンなどのオレフィン
系炭化水素中の微量溶存COS及び溶存As H3 の吸着
除去に好適に用いることができる。原料炭化水素中の溶
存COS及び溶存As H3 濃度は50ppm 以下であるこ
とが好ましく、さらには10ppm 以下であることが望ま
しい。もし、原料中に50ppm 以上の溶存COS及び溶
存As H3 が含有される場合には、あらかじめ別の方法
でその濃度を50ppm 以下に下げておくことが望まし
い。
素中の微量溶存COS及び/又は溶存As H3 を吸着除
去するのに用いることができる。炭化水素としては特に
限定されないが、パラフィン系炭化水素、オレフィン系
炭化水素、脂環式炭化水素等いずれであってもよい。ま
た、単独化合物であってもよいし、各種炭化水素の混合
物であってもよい。特に、プロピレン、ブテン、ブタジ
エン、C3 留分、C4 留分、ヘキセンなどのオレフィン
系炭化水素中の微量溶存COS及び溶存As H3 の吸着
除去に好適に用いることができる。原料炭化水素中の溶
存COS及び溶存As H3 濃度は50ppm 以下であるこ
とが好ましく、さらには10ppm 以下であることが望ま
しい。もし、原料中に50ppm 以上の溶存COS及び溶
存As H3 が含有される場合には、あらかじめ別の方法
でその濃度を50ppm 以下に下げておくことが望まし
い。
【0008】本発明の吸着剤の担体としては、各種の金
属酸化物、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、酸化
チタン、活性白土、珪藻土、シリコンカーバイドなどの
公知の担体を用いることができるが、特にアルミナが好
ましく中でもγ−Al2 O3、η−Al2 O3 、θ−A
l2 O3 など細孔構造の発達した比表面積の大きなもの
が好適である。吸着剤組成として担体に対する鉛(P
b)の含有率は3〜30重量%好ましくは5〜15重量
%の範囲であり、Pb含有率がこの範囲となるようPb
の塩類又は/及びPbの酸化物を担持する。吸着剤を調
製する際の、Pb原料塩としては塩化鉛、硝酸塩、酢酸
鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸鉛などを使用できるが、使用す
る塩としては酸又は水に可溶性の塩類を好適に用いるこ
とができる。塩類の中でもとくに好ましいのは酢酸鉛で
ある。鉛の酸化物、例えばPbOの場合、担体に鉛塩類
を含浸後、空気焼成により酸化することにより、担体に
担持することができる。
属酸化物、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、酸化
チタン、活性白土、珪藻土、シリコンカーバイドなどの
公知の担体を用いることができるが、特にアルミナが好
ましく中でもγ−Al2 O3、η−Al2 O3 、θ−A
l2 O3 など細孔構造の発達した比表面積の大きなもの
が好適である。吸着剤組成として担体に対する鉛(P
b)の含有率は3〜30重量%好ましくは5〜15重量
%の範囲であり、Pb含有率がこの範囲となるようPb
の塩類又は/及びPbの酸化物を担持する。吸着剤を調
製する際の、Pb原料塩としては塩化鉛、硝酸塩、酢酸
鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸鉛などを使用できるが、使用す
る塩としては酸又は水に可溶性の塩類を好適に用いるこ
とができる。塩類の中でもとくに好ましいのは酢酸鉛で
ある。鉛の酸化物、例えばPbOの場合、担体に鉛塩類
を含浸後、空気焼成により酸化することにより、担体に
担持することができる。
【0009】吸着剤の調製法としては特に制限がなく、
この種の吸着剤について通常使用される方法を適宜利用
することができる。一例を示せば次の方法で調製するこ
とができる。即ち、担体アルミナに鉛塩類の酸又は水溶
液の所定量を含浸後、乾燥するか、又は乾燥した吸着剤
をさらに、空気雰囲気下で焼成することにより所望の吸
着剤を得ることができる。乾燥温度は100〜150
℃、焼成温度は300〜500℃の範囲内とするのが好
ましい。
この種の吸着剤について通常使用される方法を適宜利用
することができる。一例を示せば次の方法で調製するこ
とができる。即ち、担体アルミナに鉛塩類の酸又は水溶
液の所定量を含浸後、乾燥するか、又は乾燥した吸着剤
をさらに、空気雰囲気下で焼成することにより所望の吸
着剤を得ることができる。乾燥温度は100〜150
℃、焼成温度は300〜500℃の範囲内とするのが好
ましい。
【0010】本発明の吸着剤を用いて、炭化水素中の微
量溶存COS及び溶存As H3 を除去する作用は、担体
単独では全く吸着能がないことから、Pb塩又は/及び
Pb酸化物と担体との相互作用により吸着点が生成し且
つ担体によりその有効表面積が増大されるために発現さ
れ、その吸着性能が高まるものと推定される。本発明の
吸着剤の形状は特に限定されないが、粉末状、粒状の
他、円柱状、円筒状、円盤状等に成型されたものでもよ
い。一般に1〜30mm程度の球、円柱状又は円盤に成
型された成型物が用いられる。通常、液相下で吸着剤を
用いる場合、炭化水素中の溶存COS、溶存As H3の
吸着にあたっては、吸着剤表面への拡散が無視できない
ため、吸着剤の粒径はできるだけ小さくすることが望ま
しい。但し、吸着剤の機械的強度と粒径とは反比例する
関係にあるため、液相下で十分な強度を維持して吸着剤
を使用するには、粒径として0.5〜4mm程度の範囲
が好適である。又、吸着剤の圧壊強度は4kg以上とす
ることが好ましい。
量溶存COS及び溶存As H3 を除去する作用は、担体
単独では全く吸着能がないことから、Pb塩又は/及び
Pb酸化物と担体との相互作用により吸着点が生成し且
つ担体によりその有効表面積が増大されるために発現さ
れ、その吸着性能が高まるものと推定される。本発明の
吸着剤の形状は特に限定されないが、粉末状、粒状の
他、円柱状、円筒状、円盤状等に成型されたものでもよ
い。一般に1〜30mm程度の球、円柱状又は円盤に成
型された成型物が用いられる。通常、液相下で吸着剤を
用いる場合、炭化水素中の溶存COS、溶存As H3の
吸着にあたっては、吸着剤表面への拡散が無視できない
ため、吸着剤の粒径はできるだけ小さくすることが望ま
しい。但し、吸着剤の機械的強度と粒径とは反比例する
関係にあるため、液相下で十分な強度を維持して吸着剤
を使用するには、粒径として0.5〜4mm程度の範囲
が好適である。又、吸着剤の圧壊強度は4kg以上とす
ることが好ましい。
【0011】液相での吸着剤の使用温度は通常0〜10
0℃の範囲であり、好ましくは5〜50℃である。即
ち、炭化水素が液相を維持できる範囲で任意に選択する
ことができる。但し、処理温度が低過ぎると除去効率が
悪くなり、高過ぎると高圧となり、操作上不利となる。
接触時間は原料炭化水素中の溶存COS、溶存As H
3 、処理温度等にもよるが、液基準の空間速度、即ちL
HSVで0.2〜30hr-1の範囲が好ましい。処理時の
圧力は常圧〜50気圧の範囲が好ましい。炭化水素と吸
着剤の接触方法は任意の方法をとることができ、炭化水
素中に吸着剤を添加し撹拌した後、濾別することもでき
る。又、吸着剤を充填した塔状体、又は槽状体に炭化水
素を通すことによっても処理できる。工業的には吸着剤
を固定床方式としてその充填層に炭化水素を上昇流又は
下降流で流す方式が有利である。又、吸着塔は二塔式と
して、切り換え式により連続操作とすることが好まし
い。次に本発明を実施例により更に詳細に説明する。
0℃の範囲であり、好ましくは5〜50℃である。即
ち、炭化水素が液相を維持できる範囲で任意に選択する
ことができる。但し、処理温度が低過ぎると除去効率が
悪くなり、高過ぎると高圧となり、操作上不利となる。
接触時間は原料炭化水素中の溶存COS、溶存As H
3 、処理温度等にもよるが、液基準の空間速度、即ちL
HSVで0.2〜30hr-1の範囲が好ましい。処理時の
圧力は常圧〜50気圧の範囲が好ましい。炭化水素と吸
着剤の接触方法は任意の方法をとることができ、炭化水
素中に吸着剤を添加し撹拌した後、濾別することもでき
る。又、吸着剤を充填した塔状体、又は槽状体に炭化水
素を通すことによっても処理できる。工業的には吸着剤
を固定床方式としてその充填層に炭化水素を上昇流又は
下降流で流す方式が有利である。又、吸着塔は二塔式と
して、切り換え式により連続操作とすることが好まし
い。次に本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0012】
実施例1 15重量%Pb(CH3 COO)2 −Al2 O3 吸着剤
(Pbの含有率は9.6重量%相当)を次のように調製
した。酢酸鉛、Pb(CH3 COO)2 ・3H2 O、1
7.5gを純水48gに溶解した後、粒径2〜4mmφ
で球状のγ−Al2 O3 85gをその水溶液に含浸して
良く撹拌しながら、湯浴上で蒸発乾固した。次いで、乾
固物を120℃で20時間熱風乾燥した。この吸着剤を
用いて、次の回分方式によりC4 留分中の溶存COS、
溶存AsH3 の除去テストを行った。吸着剤は破砕後、
篩別したものを用いた。吸着条件 温度:常温 圧力:自圧 C4 留分組成(重量%):1,3−ブタジエン 42.5 イソブテン 26.8 ブテン 28.2 を主成分とする。 溶存COS濃度:100重量ppm 溶存As H3 濃度:100重量ppm C4 留分液量:120g 吸着剤使用量:0.25g 吸着剤粒径:0.5〜1mmφ 吸着時間:約50時間 テストは300mlの耐圧容器に吸着剤及びC4 留分を
仕込み撹拌を行いながら、溶存COS、溶存As H3 を
吸着させた。吸着後のC4 留分中の溶存COS、溶存A
s H3 の濃度は夫々17、37.5(重量ppm )であっ
た。分析法は溶存COSはガスクロマト(検出器:FP
D)、溶存As H3 はガスクロマト(検出器:FID)
で行った。吸着剤に対する溶存COS、溶存As H3 の
吸着量は吸着剤g当り、40mg及び30mgであっ
た。
(Pbの含有率は9.6重量%相当)を次のように調製
した。酢酸鉛、Pb(CH3 COO)2 ・3H2 O、1
7.5gを純水48gに溶解した後、粒径2〜4mmφ
で球状のγ−Al2 O3 85gをその水溶液に含浸して
良く撹拌しながら、湯浴上で蒸発乾固した。次いで、乾
固物を120℃で20時間熱風乾燥した。この吸着剤を
用いて、次の回分方式によりC4 留分中の溶存COS、
溶存AsH3 の除去テストを行った。吸着剤は破砕後、
篩別したものを用いた。吸着条件 温度:常温 圧力:自圧 C4 留分組成(重量%):1,3−ブタジエン 42.5 イソブテン 26.8 ブテン 28.2 を主成分とする。 溶存COS濃度:100重量ppm 溶存As H3 濃度:100重量ppm C4 留分液量:120g 吸着剤使用量:0.25g 吸着剤粒径:0.5〜1mmφ 吸着時間:約50時間 テストは300mlの耐圧容器に吸着剤及びC4 留分を
仕込み撹拌を行いながら、溶存COS、溶存As H3 を
吸着させた。吸着後のC4 留分中の溶存COS、溶存A
s H3 の濃度は夫々17、37.5(重量ppm )であっ
た。分析法は溶存COSはガスクロマト(検出器:FP
D)、溶存As H3 はガスクロマト(検出器:FID)
で行った。吸着剤に対する溶存COS、溶存As H3 の
吸着量は吸着剤g当り、40mg及び30mgであっ
た。
【0013】実施例2 実施例1の吸着剤を用いて、液化プロピレン中の溶存C
OS、溶存As H3 の吸着を行った。吸着条件の異なる
点を次に示す。 圧力:10atm プロピレン組成(重量%):プロピレン 95.8 プロパン 4.0 メタン 60重量ppm 溶存COS、溶存As H3 の吸着量は吸着剤g当り、3
8mg及び28mgであった。
OS、溶存As H3 の吸着を行った。吸着条件の異なる
点を次に示す。 圧力:10atm プロピレン組成(重量%):プロピレン 95.8 プロパン 4.0 メタン 60重量ppm 溶存COS、溶存As H3 の吸着量は吸着剤g当り、3
8mg及び28mgであった。
【0014】実施例3 10.8重量%PbO−Al2 O3 を次のように調製し
た。即ち、実施例1で用いたPb(CH3 COO)2 −
Al2 O3 を空気雰囲気下で400℃、5時間焼成し
た。この際、Pb(CH3 COO)2 は定量的に熱分解
してPbOが生成する。焼成品を破砕後、篩別して、
0.5〜1.0mmφ品を回収し、これを用いて実施例
2と同じにして、液化プロピレン中の溶存COS、溶存
As H3 の吸着テストを行った。溶存COS、溶存As
H3 の吸着量は吸着剤g当り、37mg及び27mgで
あった。
た。即ち、実施例1で用いたPb(CH3 COO)2 −
Al2 O3 を空気雰囲気下で400℃、5時間焼成し
た。この際、Pb(CH3 COO)2 は定量的に熱分解
してPbOが生成する。焼成品を破砕後、篩別して、
0.5〜1.0mmφ品を回収し、これを用いて実施例
2と同じにして、液化プロピレン中の溶存COS、溶存
As H3 の吸着テストを行った。溶存COS、溶存As
H3 の吸着量は吸着剤g当り、37mg及び27mgで
あった。
【0015】実施例4 硝酸鉛、Pb(NO3 )2 、15.3gを用いる以外、
実施例1と同様にして、Pb(NO3 )2 −Al2 O3
を調整した後、このものを、450℃、5時間、空気雰
囲気下で焼成を行って、10.8%PbO−Al2 O3
を調製した。焼成品を破砕後、篩別して、0.5〜1.
0mmφ品を回収し、これを用いて実施例2と同じにし
て、液化プロピレン中の溶存COS、溶存As H3 の吸
着テストを行った。溶存COS、溶存As H3 の吸着量
は吸着剤g当り、35mg及び25mgであった。
実施例1と同様にして、Pb(NO3 )2 −Al2 O3
を調整した後、このものを、450℃、5時間、空気雰
囲気下で焼成を行って、10.8%PbO−Al2 O3
を調製した。焼成品を破砕後、篩別して、0.5〜1.
0mmφ品を回収し、これを用いて実施例2と同じにし
て、液化プロピレン中の溶存COS、溶存As H3 の吸
着テストを行った。溶存COS、溶存As H3 の吸着量
は吸着剤g当り、35mg及び25mgであった。
【0016】実施例5 実施例1に示す吸着剤(粒径2〜4mmφ)を用いて、
次の条件で液化プロピレン中の溶存COS、溶存As H
3 の流通除去テストを行った。 i)液化プロピレン組成(重量%) プロピレン 95.8 プロパン 4.0 メタン 0.007 その他 0.193 ii)溶存成分濃度 溶存COS 1ppm 溶存As H3 0.2ppm iii )吸着条件 吸着剤2リットルを内径120mm、高さ300mmの
SUS製容器に充填し、下方より上昇流で液化プロピレ
ンを流通させた。 温度:40℃ 圧力:41atm LHSV:2hr-1 プロピレン流量:4リットル/hr この条件で30日間液化プロピレンを流通させて、吸着
テストを行ったが、出口プロピレン中の溶存COS濃度
は0.1ppm 以下、溶存As H3 濃度は0.06ppm 以
下であった。
次の条件で液化プロピレン中の溶存COS、溶存As H
3 の流通除去テストを行った。 i)液化プロピレン組成(重量%) プロピレン 95.8 プロパン 4.0 メタン 0.007 その他 0.193 ii)溶存成分濃度 溶存COS 1ppm 溶存As H3 0.2ppm iii )吸着条件 吸着剤2リットルを内径120mm、高さ300mmの
SUS製容器に充填し、下方より上昇流で液化プロピレ
ンを流通させた。 温度:40℃ 圧力:41atm LHSV:2hr-1 プロピレン流量:4リットル/hr この条件で30日間液化プロピレンを流通させて、吸着
テストを行ったが、出口プロピレン中の溶存COS濃度
は0.1ppm 以下、溶存As H3 濃度は0.06ppm 以
下であった。
【0017】
【発明の効果】本発明の吸着剤により、液相条件下で炭
化水素中の微量溶存COS及び/又は溶存As H3 の吸
着除去を効率的に行うことができる。
化水素中の微量溶存COS及び/又は溶存As H3 の吸
着除去を効率的に行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 11/06 9280−4H 11/08 9280−4H 11/107 9280−4H 11/16 9280−4H
Claims (1)
- 【請求項1】 液相炭化水素中の溶存硫化カルボニル及
び/又は砒化水素を除去するに際して、鉛の塩類又は/
及び酸化物を担体に担持した吸着剤を用いることを特徴
とする溶存ガス吸着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10136392A JPH05293366A (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10136392A JPH05293366A (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05293366A true JPH05293366A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=14298753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10136392A Pending JPH05293366A (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05293366A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018221633A1 (ja) | 2017-05-31 | 2018-12-06 | 日揮触媒化成株式会社 | 耐水性硫黄化合物吸着剤 |
WO2019189550A1 (ja) | 2018-03-29 | 2019-10-03 | 日揮触媒化成株式会社 | 吸着剤 |
-
1992
- 1992-04-21 JP JP10136392A patent/JPH05293366A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018221633A1 (ja) | 2017-05-31 | 2018-12-06 | 日揮触媒化成株式会社 | 耐水性硫黄化合物吸着剤 |
KR20190132505A (ko) | 2017-05-31 | 2019-11-27 | 닛키 쇼쿠바이카세이 가부시키가이샤 | 내수성 황 화합물 흡착제 |
US10625238B2 (en) | 2017-05-31 | 2020-04-21 | Jgc Catalysts And Chemicals Ltd. | Water-resistant sulfur compound adsorbent |
WO2019189550A1 (ja) | 2018-03-29 | 2019-10-03 | 日揮触媒化成株式会社 | 吸着剤 |
KR20200138274A (ko) | 2018-03-29 | 2020-12-09 | 닛키 쇼쿠바이카세이 가부시키가이샤 | 흡착제 |
US12115514B2 (en) | 2018-03-29 | 2024-10-15 | Jgc Catalysts And Chemicals Ltd. | Adsorbent for removing carbonyl sulfide contained in a stream containing an olefin |
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