JPH05292925A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JPH05292925A
JPH05292925A JP9969892A JP9969892A JPH05292925A JP H05292925 A JPH05292925 A JP H05292925A JP 9969892 A JP9969892 A JP 9969892A JP 9969892 A JP9969892 A JP 9969892A JP H05292925 A JPH05292925 A JP H05292925A
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益三 藤本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 迅速且つ均一な熱交換を行う。 【構成】 熱媒供給管を介して複数の熱媒ジャケットの
各々に熱媒を供給し、且つ熱媒排出管を介して該熱媒ジ
ャケットの各々から熱媒を排出し、熱媒ジャケットの内
部には熱伝達するべき被処理流体を流過せしめる加熱チ
ューブを配置して、該加熱チューブは単一流路で概略螺
旋状に延在して複数の加熱ジャケットに包囲されて連結
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体、例えば液状食品、
を効果的に加熱処理或いは冷却処理するのに用いられる
熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、例えば野菜ジュース等は加
熱滅菌処理を行い、また例えば魚の飼料等も同様に滅菌
処理をしてから乾燥して粉粒状体として販売されること
が好ましい。
【0003】しかしながら、野菜ジュースにしろ魚の飼
料にしろ植物細胞を多量に含んだ液は、大気圧下では温
度55℃付近において細胞内に含有する炭酸ガスや酸素
ガスが膨脹し放出されるので、細胞壁が破壊され、そし
て滅菌に有効な85℃以上の長時間の加熱により細胞が
損傷し、細胞内の主要成分が流出してしまい、その結
果、酸化や分解等により成分が変化してしまう。また、
例えばコロイド液状となり沈降分離を生じたり、或いは
葉緑体が褐変したり、カロチンが黒変する等の外観上の
変化が生じ、品質の低下、栄養価の減退等の不都合が生
ずる。
【0004】また、近時、バイオテクノロジーの発展に
伴い、酵素を用いた細胞組織の切断や酵素による細胞抽
出をした液の製造技術が知られている。しかしながら、
かかる場合でも、前記の滅菌作業と同様に酵素を失活さ
せないと、保存中に残存酵素による変化が生じて不都合
である。
【0005】滅菌作業にしろ酵素失活作業にしろいずれ
の場合も加熱処理を必要とするが、そのために細胞壁の
破壊や損傷等を生じ、従来技術ではこの両者を満足させ
ることができなかった。
【0006】これに対して、本発明者は種々研究の結
果、液状食品を短時間に急加熱し、そして急冷却をすれ
ば、植物細胞を破壊することなく、滅菌および酵素失活
を充分に達成し得ることを見出した。
【0007】ここで、液体を加熱し或いは冷却するため
の手段として、従来は、プレート式熱交換器、チューブ
式熱交換器、かきとり式熱交換器、等が提案されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、液状食品に含
有される細胞を破壊することなく、滅菌および酵素失活
を充分に達成し得る程度に、該液状食品を短時間に急加
熱或いは急冷却するのについて、上記した各種熱交換器
は不適当であった。
【0009】先ず、プレート式熱交換器の場合は、プレ
ート各葉の接触部及びパッキング部にデッドスペースが
構造上必然的に生じるので、流れによどみを生じ、液体
はその一部が滞溜しつつ熱交換器内を流過する。そのた
め、被処理液体を均一に加熱し或いは冷却するのが困難
であり、全体の加熱或いは冷却を定まった短時間内に行
うのは不可能である。そのため、数秒間で迅速に加熱或
いは冷却を完了する必要がある液状食品の処理には不適
当であった。
【0010】チューブ式熱交換器には、多管式、コイル
式、二重チューブ式等がある。ここで、多管式の場合は
プレート式熱交換器と同様な問題点がある。また、コイ
ル式、二重チューブ式においては、熱媒と被処理液との
温度差が5℃以内の場合に、熱伝達係数が500〜10
00Kcal/m2 ・h・℃であり比較的低い数値であ
るので、短時間で急速に加熱或いは冷却するのには適さ
ない。なお、「熱媒と被処理液との温度差が5℃以内」
という条件は、液状食品に含有される細胞か伝熱面にお
ける局部加熱により破壊されることなく加熱処理する際
における要請である。
【0011】かきとり式熱交換器の場合には、その構造
上、被処理液体が熱交換器に入ってから出るまでの時間
を数秒間で規則正しく加熱又は冷却排出することは不可
能であり、熱変成を受け易い液体食品の場合の要請に応
えることは出来なかった。また、円筒中心部と周辺部に
おいては流速が不均一となるため、被処理液体に温度差
が生じ、プレート式熱交換器と同様に均一な熱処理が出
来ないという問題がある。さらに、スクレーパ上にかき
とられた物体の蓄積或いは滞溜という問題も存在する。
【0012】本発明は上記した従来技術の問題点に鑑み
て提案されたもので、熱処理をするべき液体(被処理液
体)を短時間で均一に加熱或いは冷却することが可能な
熱交換器の提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の熱交換器は、熱
媒体が内部を流過する複数の熱媒ジャケットと、熱媒ジ
ャケットの各々に熱媒を供給するための熱媒供給管と、
該熱媒ジャケットの各々から熱媒を排出するための熱媒
排出管と、熱媒ジャケットの内部を通り且つ熱媒と熱伝
達するべき被処理流体がその内部を流過する加熱チュー
ブとを含み、該加熱チューブは概略螺旋状に延在して複
数の加熱ジャケットに包囲されて連結している。
【0014】ここで「熱媒」なる文言は、加熱処理に際
して被処理液体に熱を付与する高温の媒体のみならず、
冷却処理に際して被処理液体から熱を奪う低温媒体をも
意味するものである。
【0015】本発明の実施に際して、各々の加熱ジャケ
ットの平面形状はコ字状をしているのが好ましい。そし
て、概略螺旋状に延在している加熱チューブの平面形状
は長円形であるのが好ましい。
【0016】また、加熱チューブが加熱ジャケットによ
り包囲されていない部分と、加熱ジャケットで包囲され
ている部分とは、接続手段(例えばユニオン)により着
脱自在に接続されているのが好ましい。
【0017】そして、加熱ジャケットにおいて、上記接
続手段(加熱チューブの部分同士を接続するための手
段、例えばユニオン)とは反対側の端部には側蓋が着脱
自在に設けられているのが好ましい。
【0018】さらに、加熱チューブの内側には乱流発生
用のスパイラル状フィンを配置しておくのが好ましい。
【0019】これに加えて、熱媒供給管と熱媒排出管は
熱媒の流れ方向と被処理流体の流れ方向とが相互に対向
し合う様に加熱ジャケットの各々と連通しているのが好
ましい。
【0020】ここで、本発明の熱交換器は、液状食品を
2kg/cm2 G以上の圧力で加圧しながら単一の流路
内に流し、その流路を加熱することによって液状食品を
7秒〜15秒間に85℃〜120℃の滅菌温度まで昇温
させ、前記滅菌温度で3秒〜10秒間保持し、次いで前
記流路を冷却することによって前記液状食品を10秒〜
20秒間に10℃〜0℃に冷却し、流路内の圧力を大気
圧に戻す様な、加圧加熱して滅菌処理する液状食品の連
続処理方法において使用されるのが好ましい。液体は通
常対流によって加熱冷却されるので液体を急加熱急冷却
することは困難であるが、細長いチューブ状の1つの流
路を加圧下で加熱又は冷却させると、流路内を流れる液
体はチューブ内壁より直接に熱伝導によって加熱又は冷
却され、しかも加圧下で流速を速く流すため乱流を生ず
るので、全体的に均一に加熱され、冷却される。これに
加えて、1つの流路において処理することは規則正しい
流れと定まった時間内での昇温と冷却ができ、連続処理
が可能となり、処理効率も向上できるからである。但
し、本発明の熱交換器の適用は上述の液状食品の連続処
理方法にのみ限定されるものではなく、液状の被処理物
質を加熱或いは冷却する場合について幅広く適用される
のである。
【0021】
【作用】上記した様な構成を具備する本発明の熱交換器
によれば、各加熱ジャケット毎に1つのユニットが構成
され、各ユニット毎に熱媒の入口(熱媒供給管と各加熱
ジャケットとの接続箇所)と出口(熱媒排出管と各加熱
ジャケットとの接続箇所)とが存在するので、熱媒の循
環に関して各ユニットは相互に並列の関係にあり、直列
な関係には無い。換言すれば、各ユニットには未だ被処
理液体とは熱交換されていない熱媒が常に供給される。
従って、加熱処理に際しては各ユニットには常に高温域
の熱媒が供給され、冷却処理に際しては各ユニットには
常に低温域の熱媒が供給される。
【0022】その結果、例えば加熱処理の場合を例にと
れば、図6の特性イで示されている様に、被処理液体が
単一の流路である加熱チューブ内を流過して各ユニット
を順次移動しても、熱交換する熱媒の温度は一定であ
る。そして、図6の特性ロで示されている従来の熱交換
器における熱媒温度と比較すれば明らかな様に、熱媒の
温度は熱交換を行う以前(初期)と略々等しい高温域に
保持される。その結果、図6の特性ハで示す様に、被処
理液体の液温は熱媒の初期液温と略々等しい温度まで上
昇する。図6の特性ニで示される被処理液体温度が熱媒
の初期液温に比較してかなり低温であるのとは対照的で
ある。
【0023】ここで、被処理液体の液温を熱媒の初期液
温と略々等しい温度まで昇温することが出来るというこ
とは、熱媒の初期液温をその分だけ従来のものよりも低
くすることが出来ることを意味している。仮に、被処理
液体の液温を85℃まで昇温したいときに、従来の方法
では熱媒の初期液温を100℃にしなければならないの
に対し、本発明によれば88℃で良いものとすれば、被
処理液体が液状食品である場合に、含有される細胞に対
して与える温度的ダメージは、熱媒の初期液温が100
℃であるよりも88℃である方が遥かに少ない。
【0024】また本発明において、熱媒の流れ方向と被
処理流体の流れ方向とが相互に対向し合う様に(向
流)、熱媒供給管及び熱媒排出管は加熱ジャケットの各
々と連通すれば、被処理液体はさほど熱交換をしていな
い状態の熱媒と(加熱チューブを介して)常に接触する
こととなり、熱媒と非処理液体との間で熱交換が効率良
く行われる。このことは、各ユニットには未だ被処理液
体とは熱交換されていない熱媒が常に供給されることと
相俟って、熱媒と非処理液体との間の熱伝達量を大きく
するのに寄与している。一方、熱媒と被処理流体とが同
じ方向へ並行して流れる様に(並流)、熱媒供給管及び
熱媒排出管を加熱ジャケットの各々と連通することも可
能である。そして、処理条件によって、向流と並流とを
使い分ければ良い。
【0025】ここで、加熱チューブの内側に乱流発生用
のスパイラル状フィンを配置しておけば、加熱チューブ
の壁面に近い部分を流れる被処理液体の方が中心部を流
れる被処理液体よりも熱媒との熱交換が良好であるた
め、被処理液体の流れを乱流にせしめ、壁面に近い部分
を流れる被処理液体と中心部を流れる被処理液体とを良
好に混合して、均一な熱交換(加熱或いは冷却)を達成
することが出来るのである。
【0026】さらに、加熱チューブが加熱ジャケットに
より包囲されていない部分と包囲されている部分とを接
続手段(例えばユニオン)により着脱自在に接続し、或
いは、加熱ジャケットの該接続手段とは反対側の端部に
着脱自在の側蓋を設ければ、該接続手段において加熱チ
ューブを分離し及び/又は該側蓋を取り外す事により、
熱媒ジャケット内の加熱チューブの内表面及び外表面を
容易に清掃することが出来る。
【0027】これに加えて、各々の加熱ジャケットの平
面形状をコ字状にし、そして、概略螺旋状に延在してい
る加熱チューブの平面形状を長円形にすれば、加熱ジャ
ケット内に曲り部が組み込まれる事となり、有効伝熱面
積が増加する。また、有効伝熱面積に比較して据付に必
要なスペースが極めて小さくなる。なお、加熱チューブ
の曲がっている部分の曲率半径は、流体抵抗が必要以上
に増大しない範囲で出来る限り小さい(例えば管外径の
2〜2.5倍)のが好ましい。
【0028】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例を
説明する。
【0029】図1において全体を符号10で示す熱交換
器は、5個の加熱ジャケット12…と、該5個の加熱ジ
ャケット12…を連通する1本の加熱チューブ14と、
加熱ジャケット12…の各々に熱媒を供給する熱媒供給
管16と、加熱ジャケット12…の各々から熱交換を完
了した熱媒を排出するための熱媒排出管18、とを含ん
でいる。
【0030】ここで加熱ジャケット12は、図2で示す
様に、その平面形状がコ字状をしている所謂「角パイ
プ」で構成されており、その曲り部側の端部には、側蓋
20が着脱自在に取り付けられている。そして、熱媒供
給管16との境界部には開口(熱媒入口)22が形成さ
れ、該熱媒入口22を介して熱媒(図2中、点線で示す
矢印e)が加熱ジャケット12内を流入する。一方、熱
媒排出管18と加熱ジャケット12との境界には開口
(熱媒出口)24が形成され、該熱媒出口24を介して
加熱ジャケット12内で熱交換を完了した熱媒(図2
中、点線で示す矢印o)が熱媒排出管18へ排出され
る。なお、図2において符号26で示すのは、熱媒供給
管16及び熱媒排出管18を熱媒ジャケット12に取り
付けるための取付フランジである。
【0031】その大部分が加熱ジャケット12内に配置
されている(或いは加熱ジャケット12により包囲され
ている)加熱チューブ14は、図示の実施例ではステン
レン製の丸パイプで構成され、厚さは1〜1.2mmで
ある。図2で示す様に加熱チューブ14の平面形状は長
円形であり、図1において5層の加熱ジャケット12…
を連通していることから明らかなように、その全体の形
状が概略螺旋状となっている。そして、図2中矢印IH
で示す方向に非処理液体(例えば液状食品)が加熱チュ
ーブ14内へ流入し、矢印OHで示す方向に流出する。
なお、非処理液体が加熱チューブ14内を流れる方向
は、熱媒が熱媒ジャケット12内を流れる方向と逆にな
っており、被処理液体はさほど熱交換をしていない状態
の熱媒と(加熱チューブを介して)常に接触することと
なり、熱媒と非処理液体との間で熱交換が効率良く行わ
れる。
【0032】加熱チューブ14において、各熱媒ジャケ
ット12で包囲されていない部分には接続手段であるユ
ニオン30、30が設けられ、加熱チューブ14のその
他の部分と接続、分離が自在である様に構成されてい
る。なお、図示されてはいないが、加熱チューブ14の
内部には乱流発生用のスパイラル状フィンが設けられ、
加熱チューブ14内を流れる被処理液体を乱流として、
壁面に近い部分を流れる被処理液体と中心部を流れる被
処理液体とをとを良好に混合し、以て均一な熱交換(加
熱或いは冷却)を達成している。
【0033】図2で示されている部分、すなわち熱媒ジ
ャケット12と、該熱媒ジャケット12で包囲されてい
る加熱チューブ14の部分と、熱媒入口22及び熱媒出
口24は、1つのユニットを構成している。そして、図
1で示す熱交換器10は5つのユニットU−1、U−
2、U−3、U−4、U−5を具備しており、該5つの
ユニットは熱媒供給管16及び熱媒排出管18と並列に
接続されている。なお、上記したユニット、熱媒供給管
16、熱媒排出管18は、保温材32及び保温カバー3
4で包囲されている。
【0034】図3は、熱交換器10を図1とは反対の側
から見た状態であり、熱媒ジャケット12の端部を覆う
側蓋20を示している。この側蓋20は、例えばビス3
1等の手段により、着脱自在である様に構成されてい
る。また、図4は加熱チューブ14の接続手段30の詳
細を示している。図4において、ユニオン或いは接続手
段30は、袋ナット36とOリング38とを含んでい
る。
【0035】次に、図示の実施例の作用について、主に
図5、6を参照して説明する。
【0036】図5において、各ユニットにおける熱媒ジ
ャケット12は、熱媒の循環系として見た場合に熱媒供
給管16に対して並列に配置されている。そのため、矢
印eで示す様に、各熱媒ジャケット12…には熱交換を
行っていない熱媒が均等に供給される。供給された熱媒
は、各ユニットの熱媒ジャケット12内を流過する間に
加熱チューブ14内を流れる被処理液体と熱交換を行
い、矢印oで示す様に熱媒排出管18に戻される。
【0037】加熱処理を行う場合を例に考えると、各ユ
ニットの熱媒ジャケット12には熱交換を行っていない
熱媒が均等に供給されるため、図6の特性イで示す様
に、熱交換器10を流れる非処理液体を加熱(熱交換)
する熱媒の最大温度は各ユニットU−1〜6において同
一であり、温度分布も略々等しい。そのため、被処理液
体が単一の流路である加熱チューブ14を流れて各ユニ
ットを流過するごとに、同一温度の熱媒と熱交換を行
う。その結果、図6の特性ハで示す様に、非処理液体の
温度は熱媒の最大温度近傍まで上昇する。これに対し
て、従来の熱交換器では、熱媒温度は特性ロで示す様に
時間の経過につれて下降し、被処理液体の温度は熱媒温
度の最高値に比較して遥かに低温である。すなわち、図
示の実施例において、非処理液体は熱交換をする以前の
熱媒と略々同じ位の温度となる。このことは、加熱処理
のみならず冷却処理の場合も同様である。
【0038】ここで、図6は並流の場合を示している
が、図7で示す様に、熱媒の流れ方向と被処理流体の流
れ方向とが相互に対向し合う様に(向流)せしめても良
い。
【0039】図8は、植物の細胞破壊を防いだ滅菌方法
及び酵素失活方法について、図1の実施例を用いた場合
を示している。この滅菌方法及び酵素失活方法におい
て、大気温(約20℃)の液状食品はポンプ1で2kg
/cm2 G以上に加圧されてラインL1を通って加熱装
置に送られる。この加熱装置2は図示した熱交換器10
を用いたものであり、単一の流路で急速加熱を行う。そ
して加熱処理のために、熱媒が熱媒源3から循環ポンプ
4を介して加熱装置2に送られるようになっている。こ
の熱媒の温度は88〜125℃であり、その結果、ライ
ンL1から加熱装置2に流入する液状食品は単一の流路
を流れる間(例えば7〜15秒間)に、熱媒の温度と略
々等しい温度(85〜120℃)に加熱される。
【0040】加熱された液状食品はホールディングユニ
ット5を流れる間、その温度に3〜10秒間保持され
る。
【0041】次いで、液状食品は冷却装置6に流入し、
該冷却装置は図示の熱交換器10を用いている。そして
冷却用の熱媒源7から循環ポンプ8で供給される−5〜
−15℃の冷却用熱媒によって、液状食品は短時間(例
えば10〜20秒間)の内に急速に冷却されて、0〜1
0℃でラインL2に流出する。上述した様に、加熱処理
を行う場合も冷却処理を行う場合も、熱媒の温度を除
き、冷却装置6の構造は加熱装置2の構造と同じであ
り、図示の熱交換器10を用いている。
【0042】ラインL2には圧力センサ9が設けられ、
この圧力センサ9からの信号が圧力調整計を含む制御ユ
ニット11に入力され、該制御ユニット11は圧力制御
弁13の弁駆動部を制御してラインの圧力を所定圧力、
例えば2kg/cm2 Gに保持する。この圧力制御弁1
3の下流側にはラインL3が接続され、このラインL3
で大気圧に戻されるようになっている。
【0043】なお、図示の実施例はあくまでも例示であ
り、本発明の内容を限定する趣旨のものではないことを
付記する。例えば、図示の実施例では加熱チューブが熱
媒ジャケットから露出している部分が設けられている
が、加熱チューブの全てを熱媒ジャケットで包囲するこ
とも可能である。また、加熱チューブ及び熱媒ジャケッ
トの平面形状も、図示のものに限定する訳ではない。
【0044】
【発明の効果】本発明の作用効果を以下に列挙する。
【0045】(1) 各ユニット毎に熱媒の入口と出口
とが存在するので、熱媒の循環に関して各ユニットは相
互に並列であり、各ユニットには未だ被処理液体とは熱
交換されていない熱媒が常に供給される。
【0046】(2) 従って、加熱処理或いは冷却処理
に際して、各ユニットには常に熱交換する以前の熱媒が
供給され、熱交換する熱媒の温度は一定である。
【0047】(3) 大きな熱伝達が得られ、被処理液
体の液温上昇或いは下降の速度が速い。
【0048】(4) 被処理液体の液温を熱媒の初期液
温と略々等しい温度にすることが出来る。
【0049】(5) 熱媒の初期液温を、加熱の際には
従来よりも低温に、冷却の際には従来よりも高温にする
ことが出来る。
【0050】(6) 被処理液体が液状食品である場合
に、含有される細胞に対して与える温度的ダメージが減
少する。
【0051】(7) 被処理液体は単一の流路(加熱チ
ューブ)を流れ、熱交換が均一に行われる。
【0052】(8) 熱媒ジャケットは曲り部を含むた
め、有効伝熱面積が大きい。
【0053】(9) 加熱チューブが加熱ジャケットに
より包囲されていない部分と包囲されている部分とを接
続手段により着脱自在に接続し、或いは、加熱ジャケッ
トの該接続手段とは反対側の端部に着脱自在の側蓋を設
けることにより、加熱チューブの外表面及び内表面の双
方を容易に清掃出来る。
【0054】(10) 構造が単純であり、高度な加工
技術を必要とすることなく製造が可能であるため、コス
トが低く抑えられる。
【0055】(11) 各ユニットを隣接して配置する
ことが出来るので、保温施工が容易であり、且つ、装置
全体が小型化出来る。
【0056】(12)各々の加熱ジャケットの平面形状
をコ字状にし、そして、概略螺旋状に延在している加熱
チューブの平面形状を長円形にすることにより、据付ス
ペースを小さく出来る。
【0057】(13) 加熱チューブの内側に乱流発生
用のスパイラル状フィンを配置しておけば、壁面に近い
部分を流れる被処理液体と中心部を流れる被処理液体と
を良好に混合して、均一な熱交換を達成出来る。
【0058】(14)接続手段において加熱チューブを
分離し及び/又は該側蓋を取り外す事により、熱媒ジャ
ケット内の加熱チューブの外表面及び内表面を容易に清
掃することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱交換器の一実施例の正面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図1の熱交換器の背面図。
【図4】図2のC部の詳細を示す部分断面図。
【図5】図2のB−B線矢視断面図。
【図6】並流の場合の本発明の熱交換器の特性を従来技
術と比較して示す特性図。
【図7】図6と同様な特性図であるが、向流の場合の熱
交換器の特性を従来技術と比較して示す特性図。
【図8】植物の細胞破壊を防いだ滅菌及び酵素失活方法
に、本発明の熱交換器を適用したフローシートを示す
図。
【符号の説明】
1・・・ポンプ 2・・・加熱装置 3、7・・・熱媒源 4・・・循環ポンプ 5・・・ホールディングユニット 6・・・冷却装置 8・・・循環ポンプ 9・・・圧力センサ 10・・・熱交換器 11・・・制御ユニット 12・・・熱媒ジャケット 13・・・圧力制御弁 14・・・加熱チューブ 16・・・熱媒供給管 18・・・熱媒排出管 20・・・側蓋 22・・・熱媒入口 24・・・熱媒出口 26・・・取付フランジ 30・・・接続手段(ユニオン) 31・・・ビス 32・・・保温材 34・・・保温カバー 36・・・袋ナット 38・・・Oリング U−1、U−2、U−3、U−4、U−5・・・各熱媒
ジャケットを含むユニット e・・・(熱媒ジャケット内へ)流入する熱媒 o・・・(熱媒ジャケットから)流出する熱媒 IH・・・(各ユニットへ)流入する被処理液体 OH・・・(各ユニットから)流出する被処理液体 L1、L2、L3・・・ライン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱媒体が内部を流過する複数の熱媒ジャ
    ケットと、熱媒ジャケットの各々に熱媒を供給するため
    の熱媒供給管と、該熱媒ジャケットの各々から熱媒を排
    出するための熱媒排出管と、熱媒ジャケットの内部を通
    り且つ熱媒と熱伝達するべき被処理流体がその内部を流
    過する加熱チューブとを含み、該加熱チューブは概略螺
    旋状に延在して複数の加熱ジャケットに包囲されて連結
    していることを特徴とする熱交換器。
JP04099698A 1992-04-20 1992-04-20 熱交換器 Expired - Fee Related JP3104886B2 (ja)

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