JPH05290213A - 画像処理方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 刻印文字等の凹凸部に対しても画像の認識、
判定処理を正確にできることを目的とする。 【構成】 観測体１を照明する光源２の照明方向を変化
させ、照明方向の異なる複数の観測体画像をそれぞれビ
デオカメラ４にて電気信号に変換し、そのビデオカメラ
４からの複数の照明方向の異なる画像情報を入力蓄積
し、かつその蓄積した画像情報を合成処理する。この結
果、観測体１に刻印された文字等の凹凸部には各々の照
明方向に対応した影が発生し、文字等の一部の情報が明
暗の差として入力蓄積され、これら画像情報を合成処理
することにより刻印文字等全体の画像情報を得ることが
でき、画像認識、判定処理を正確に行なうことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ビデオカメラを利用し
た画像処理方法及びその装置に係り、特に刻印文字等の
凹凸のあるものの認識処理に好適な画像処理方法及びそ
の装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の画像処理装置は、固定された位置
から観測体を照明する光源と、その観測体の画像を電気
信号に変換するビデオカメラと、そのビデオカメラから
の画像情報を入力して処理する画像処理部とを備える。
次に、上述の装置による従来の画像処理方法について説
明する。まず、観測体に対し照明方向の変化しない固定
された光源により観測体を照明し、次にその観測体の画
像をビデオカメラにより電気信号に変換して入力し、さ
らにそのビデオカメラからの画像情報を画像処理部にて
画像処理を行うものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の画像処理方法及びその装置は、観測体への照明方
向が固定的でありかつ一方向である。このために、従来
の画像処理方法及びその装置では、観測体に刻印された
文字や図形や記号等（以下、単に文字等と称する。）の
認識において、凹部の文字等部の表面と、凸部の周辺部
の表面との反射率の変化が少ないために、文字等部と周
辺部の濃淡の差が少なく認識が困難であったり、また照
明の方向によっては文字等部の凹凸部分に固有の影が発
生し認識が困難となる等の問題があった。

【０００４】本発明の目的は、観測体に刻印された文字
等の凹凸部に対しても画像認識、判定処理を正確にでき
る画像処理方法及びその装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、観測体への照
明方向を変えて前記観測体を照明する光源と、その照明
方向の異なる複数の観測体画像をそれぞれ電気信号に変
換するビデオカメラと、そのビデオカメラからの複数の
照明方向の異なる画像情報を入力して蓄積する画像蓄積
部と、その画像蓄積部で蓄積された画像情報を合成処理
する画像処理部とを備えたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明は、上記の構成により、観測体を照明す
る光源の照明方向を変化させることができるので、照明
方向の異なる複数の観測体画像をそれぞれビデオカメラ
にて電気信号に変換し、そのビデオカメラからの複数の
照明方向の異なる画像情報を入力蓄積し、かつその蓄積
した画像情報を合成処理することができる。この結果、
観測体に刻印された文字等の凹凸部には各々の照明方向
に対応した影が発生し、文字等の一部の情報が明暗の差
として入力蓄積される。そして、その蓄積された複数の
照明方向の異なる各々の画像情報は不完全なものである
が、これら画像情報を合成処理することにより刻印文字
等全体の画像情報を得ることができ、画像認識、判定処
理を正確に行なうことができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の画像処理装置の実施例のうち
の２例及び本発明の画像処理方法の一具体例を添付図面
を参照して説明する。図１は本発明の画像処理装置の第
１の実施例を示した全体構成図である。図２（ａ）〜
（ｇ）は本発明の画像処理方法の一具体例を示した説明
図である。図において、１は観測体である。この観測体
１は、上面に例えば蛇の目の文字等１１を刻印してな
る。この結果、この観測体１の上面には、凸部の周辺部
１０と、凹部の文字等部１１とが形成される。図におい
て、２１〜２４は前記観測体１を照明する光源である。
この光源２１〜２４を複数個、例えば４個前記観測体１
の周囲の異なる方向、例えば図１に示すように、上から
見て９０°の等角度間隔に配設する。図において、３は
光源切換制御部である。この光源切換制御部３は、前記
４個の光源２１〜２４に電気的に接続し、前記４個の光
源２１〜２４を１個ずつ順次、例えば光源２１から光源
２２、光源２３、光源２４と順次に発光させるものであ
る。図において、４はビデオカメラである。このビデオ
カメラ４は、前記４個の光源２１〜２４による照明方向
の異なる４個の観測体１の画像をそれぞれ電気信号に変
換するものである。図において、５はビデオ画像入力部
である。このビデオ画像入力部５は、前記ビデオカメラ
４に接続し、前記ビデオカメラ４からの４個の照明方向
の異なる画像情報を入力するものである。図において、
６は画像蓄積部である。この画像蓄積部６は、前記ビデ
オ画像入力部５に接続し、前記ビデオ画像入力部５に入
力された４個の照明方向の異なる画像情報を蓄積するも
のである。図において、７は画像処理部である。この画
像処理部７は、前記画像蓄積部６に接続し、前記画像蓄
積部６で蓄積された４個の画像情報を合成処理し、その
後に観測体１に刻印された文字等１１の画像の認識や判
定等を行なうものである。

【０００８】この第１の実施例における本発明の画像処
理装置は、以上の如き構成からなり、以下この第１の実
施例の画像処理装置による本発明の画像処理方法の一具
体例を図２（ａ）〜（ｇ）を参照して説明する。まず、
図２の（ａ）及び（ｂ）に示す観測体１を所定の位置
（ビデオカメラ４で観測できる位置）に位置させる。次
に、光源切換制御部３により、４個の光源２１〜２４を
１個ずつ順次、例えば光源２１から光源２２、光源２
３、光源２４と順次に発光させる。このときの、すなわ
ち照明方向を変化させたときのそれぞれの観測体１の画
像を図２の（ｃ），（ｄ），（ｅ），（ｆ）に示す。こ
の（ｃ），（ｄ），（ｅ），（ｆ）にそれぞれ示された
観測体１の画像において、刻印された文字等は、凸部の
周辺部１０と凹部の文字等部１１の濃度が同じである
が、照明の方向により照明のあたらない影１２の部分が
生じるため、文字等部１１の一部に暗い部分、すなわち
影１２が発生し、明暗差の有る画像情報として入力され
る。ただし、影１２にならない文字等部１１では、周辺
部１０との明るさの差がほとんどないため、同一情報と
して入力される。この影１２は、光の方向（照明方向）
により変化し、各々（ｃ），（ｄ），（ｅ），（ｆ）の
ようになる。上述の４個の光源２１〜２４の順次切換に
よる照明方向の異なる観測体１の各々の画像（ｃ），
（ｄ），（ｅ），（ｆ）は、ビデオカメラ４によりそれ
ぞれ電気信号に変換される。次に、そのビデオカメラ４
からの４個の照明方向の異なる画像（ｃ），（ｄ），
（ｅ），（ｆ）情報は、ビデオ画像入力部５に入力さ
れ、かつ画像蓄積部６に蓄積される。そして、上述の照
明方向の異なる観測体１の各々の画像（ｃ），（ｄ），
（ｅ），（ｆ）情報は、不完全であるが、上述の蓄積さ
れた４個の画像（ｃ），（ｄ），（ｅ），（ｆ）情報を
画像処理部７にて合成することにより、（ｇ）に示すよ
うに完全な刻印文字の情報を得ることができる。この結
果、観測体１に刻印した凹凸の文字等の画像認識、判定
処理を正確にできる。

【０００９】なお、上述の実施例においては、４個の光
源２１〜２４を、１個ずつ順次切換発光させたものであ
るが、複数個の光源を順次切換発光させて、観測体１へ
の照明方向を変えるようにしても良い。

【００１０】図３は本発明の画像処理装置の第２の実施
例を示した全体構成図である。図中、図１と同符号は同
一のものを示す。図において、２は光源である。この光
源２は、支持部材２０を介してモータ８に接続し、観測
体１の周囲を回転移動可能に構成したものである。図に
おいて、９は光源回転制御部である。この光源回転制御
部９は、前記モータ８に接続し、前記モータ８の回転を
制御するものである。この実施例における本発明の画像
処理装置は、以上の如き構成からなるので、光源回転制
御部９の制御及びモータ８により、光源２を観測体１の
周囲を図３中矢印イ方向に回転させながら、その光源２
で観測体１を照明する。すると、観測体１への照明方向
が随時変化しており、光源２が観測体１の周囲を１回転
する間にビデオ画像入力部５は、ビデオカメラ４からの
画像情報を複数回入力し、その各々の画像情報を画像蓄
積部６に蓄積して、照明方向の異なる複数の画像情報を
得る。その蓄積された複数の画像情報を画像処理部７に
て合成処理をし、正確に画像情報の認識、判定処理を実
行することができる。

【００１１】

【発明の効果】本発明によれば、刻印文字等の凹凸部に
対しても画像の認識、判定処理を正確にできる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像処理装置の第１の実施例を示した
全体構成図である。

【図２】（ａ）は観測体に刻印された文字等の一例を示
した斜視図、（ｂ）はその平面図、（ｃ），（ｄ），
（ｅ），（ｆ）は照明方向を変化させたときのそれぞれ
の観測体画像を示す説明図、（ｇ）は合成処理後の画像
を示す説明図である。

【図３】本発明の画像処理装置の第２の実施例を示した
全体構成図である。

【符号の説明】 １…観測体、２…光源、３…光源切換制御部、４…ビデ
オカメラ、５…ビデオ画像入力部、６…画像蓄積部、７
…画像処理部、８…モータ、９…光源回転制御部、１０
…周辺部、１１…文字部、１２…影、２０…支持部材、
２１〜２４…光源。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 観測体を照明し、その観測体の画像をビ
   デオカメラにて電気信号に変換し、そのビデオカメラか
   らの画像情報を入力して処理する画像処理方法におい
   て、 前記観測体への照明方向を変え、その照明方向の異なる
   複数の観測体画像をそれぞれビデオカメラにて電気信号
   に変換し、そのビデオカメラからの複数の照明方向の異
   なる画像情報を入力蓄積し、かつその蓄積した画像情報
   を合成処理するようにしたことを特徴とする画像処理方
   法。
2. 【請求項２】 観測体の周囲の異なる方向に複数個の光
   源を配設し、その複数個の光源を１個若しくは複数個順
   次発光させ、複数の照明方向の異なる画像情報を得るよ
   うにしたことを特徴とする請求項１に記載の画像処理方
   法。
3. 【請求項３】 観測体の周囲を回転する光源を配設し、
   その光源を発光させると共に回転させ、複数の照明方向
   の異なる画像情報を得るようにしたことを特徴とする請
   求項１に記載の画像処理方法。
4. 【請求項４】 観測体を光源で照明し、その観測体の画
   像をビデオカメラにて電気信号に変換し、そのビデオカ
   メラからの画像情報を入力して処理する画像処理装置に
   おいて、 前記観測体への照明方向を変えて前記観測体を照明する
   光源と、その照明方向の異なる複数の観測体画像をそれ
   ぞれ電気信号に変換するビデオカメラと、そのビデオカ
   メラからの複数の照明方向の異なる画像情報を入力して
   蓄積する画像蓄積部と、その画像蓄積部で蓄積された画
   像情報を合成処理する画像処理部とを備えたことを特徴
   とする画像処理装置。
5. 【請求項５】 観測体の周囲の異なる方向に配設した複
   数個の光源と、その複数個の光源を１個若しくは複数個
   順次発光させる光源切換制御部とを備え、複数の照明方
   向の異なる画像情報を得るようにしたことを特徴とする
   請求項４に記載の画像処理装置。
6. 【請求項６】 観測体の周囲を回転可能に配設した光源
   と、その光源を発光させると共に回転させる光源回転制
   御部とを備え、複数の照明方向の異なる画像情報を得る
   ようにしたことを特徴とする請求項４に記載の画像処理
   装置。