JPH05285646A - 半田鏝 - Google Patents

半田鏝

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JPH05285646A
JPH05285646A JP11981192A JP11981192A JPH05285646A JP H05285646 A JPH05285646 A JP H05285646A JP 11981192 A JP11981192 A JP 11981192A JP 11981192 A JP11981192 A JP 11981192A JP H05285646 A JPH05285646 A JP H05285646A
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JP
Japan
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high frequency
exterior
iron
frequency coil
soldering
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JP11981192A
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English (en)
Inventor
Ryohei Shibata
良平 柴田
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Lincstech Circuit Co Ltd
Original Assignee
Hitachi AIC Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波用コイルの短絡不良を防止して加熱効
率を向上すること。 【構成】 外装6の先端に鏝先1を取り付け、高周波用
コイル8と、この高周波用コイル8の中心部配置した少
なくとも表面が磁性体からなる加熱用チップ7とを前記
外装6内に収納した高周波誘導加熱型の半田鏝におい
て、高周波用コイル8又は鏝先1の少なくともどちらか
一方と、外装6との間に半田付け温度で炭化しない絶縁
物を15介在することを特徴とする半田鏝。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波誘導加熱方式の半
田鏝に関する。
【0002】
【従来の技術】半田鏝は加熱方式の相違によって数種類
ある。一例として、ニクロム線等の抵抗線に電流を流し
て加熱し、これによって発生する熱を交流や副射によっ
て鏝先に伝達する方式がある。また、無機質で絶縁被覆
したニクロム線を鏝先に巻き付け、絶縁被覆を介して熱
を鏝先に伝達する方式もある。しかし、前者の方式では
熱の伝達に空間ギャップを利用するために、また、後者
の方式では絶縁被覆を介して熱を伝達するために、いず
れも熱の伝達効率が低い。従って、鏝先の温度は、半田
付け作業の際に一時的に低下するが、作業時間が短い
と、所定値まで上昇しなくなる。そのため、これ等の方
式の半田鏝は作業条件が非常に限定される。
【0003】高周波誘導加熱方式の半田鏝は、この欠点
がなく、熱伝達効率がよく、小形化が可能で、種々の条
件下で利用できる。この半田鏝は、例えば、図3に示す
通りの構造になっている。すなわち、21は、鏝先であ
り、円筒状の金属製の外装22の端に取り付けている。
鏝先21の底部23には加熱用チップ24の一端を埋め
込み、他端を引き出している。この加熱用チップ24
は、銅製の円筒状の棒の側面に磁性体層を設けたもので
ある。加熱用チップ24の周囲には、銅線等にシリコン
樹脂等を被覆した高周波用コイル25を巻き付けてい
る。また、加熱用チップ24の位置で外装22の内壁に
磁性体の板26を巻き付けている。外装22の端には絶
縁性の蓋27を取り付けこれを密封している。この蓋2
7には端子28及び29を互いに離して設けている。こ
のうち端子28は高周波用コイル25の一端30に接続
し、そして円筒状の端子29は他端31に接続してい
る。
【0004】この高周波誘導加熱方式の半田鏝は、次の
通りに動作する。先ず、端子28及び29を通して高周
波電源によって高周波用コイル25に電流を流す。これ
により、高周波コイル25周辺に磁気が発生する。従っ
て、加熱用チップ24に設けた磁性体層は、表皮効果に
よってうず電流が流れ、ジュール熱によって加熱する。
この熱は熱伝導率の高い銅製の棒を通して、鏝先21に
伝わる。特に、磁性体層は半田付けの条件に適したキュ
リー点を有する材質にした場合、キュリー点以上の温度
に加熱すると、磁性が減少し、従って表皮効果によるう
ず電流が低下し、ジュール熱が減少する。それ故、鏝先
21の温度が低くなる。また、磁性体層は、キュリー点
より低い温度になると、磁性が元に戻り、再び温度が上
昇する。これにより鏝先21も温度が上昇する。この繰
り返しにより、鏝先21は所定の温度に維持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高周波用コイ
ル25は、加熱によって、シリコン樹脂等の被覆が炭化
してボロボロになり、容易に剥げ落ちてしまう。そのた
めに、高周波用コイル25は、鏝先21等に力が加わっ
て、加熱用チップ24とともに動くと、板26に接触し
て短絡する欠点がある。また、鏝先21は加熱によりそ
の表面に酸化皮膜ができる。そしてこの酸化皮膜が剥離
し易いために、鏝先21の外装22に取り付けている箇
所が緩くなり、外れ易くなる欠点がある。
【0006】本発明の目的は、以上の欠点を改良し、高
周波用コイルの加熱効率を向上するか、または鏝先が外
れるのを防止するか、少なくともどちらか一方を達成で
きる半田鏝を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、外装の先端に鏝先を取り付け、高周波
用コイルと、この高周波用コイルの中心部に配置した少
なくとも表面が磁性体からなる加熱用チップとを前記外
装内に収納した高周波誘導加熱型の半田鏝において、高
周波用コイル又は鏝先の少なくともどちらか一方と、外
装との間に半田付け温度で炭化しない絶縁物を介在する
ことを特徴とする半田鏝を提供するものである。
【0008】高周波用コイル又は鏝先の少なくともどち
らか一方と、外装との間に絶縁物を介させるには、高周
波用コイルに絶縁物を塗布したり、あるいは外装の内側
に絶縁物を塗布したり、外装内に絶縁物を充填したりす
る。
【0009】絶縁物としてはアルカリ金属や有機金属化
物、セラミック等の無機質材料が適している。
【0010】
【作用】高周波用コイルや外装の内側を、半田付け温度
で炭化しない絶縁物で被覆した場合、加熱してもこの絶
縁物は剥げ落ちることがない。従って、高周波用コイル
は、外装に接触しても導通して短絡することもない。な
お、高周波用コイルは、電磁力によって隣どうしが接触
して短絡することもあるが、絶縁物をこれに被覆するこ
とによって、こうした短絡もなくなる。
【0011】また、外装の内部に無機質材料等の絶縁物
を充填すると、外装と高周波用コイルとの間にこの絶縁
物が入りこむため、高周波用コイルは外装に直接接触す
ることがなく、導通を防止できる。そして高周波用コイ
ルの絶縁被覆が加熱により劣化しても、絶縁物が充填し
てあり剥げ落ちる余地が無くなる。従って、高周波用コ
イルは、電磁力によっても互いに接触して導通する不良
が無くなる。この場合、絶縁被覆にクラックがあって
も、充填した絶縁物がこのクラックに入りこみ絶縁性が
よくなる。
【0012】さらに、外装と鏝先との間に絶縁物を介在
させることにより、鏝先はこの箇所で絶縁物により保護
されて酸化もなくなり、外装から外れることがなくな
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
図1において、1は、無酸素銅製の鏝先であり、先端2
がテーパー状で、中央部3が径5φ、底部4が径4.4
φ、全体が20mmの長さになっている。5はこの鏝先1
に設けた穴である。6は、外径4.4φ、厚さ0.2mm
でステンレス製のパイプからなる外装であり、鏝先1の
底部4にはめ込み機械的に締め付けて取り付けている。
7は、加熱用チップであり、径3φ、長さ25mmの円筒
状の銅製等の棒を中心とし、この表面にパーマロイ等の
磁性体層を形成したもので、一端を鏝先1の穴5に押し
入れ固定している。8は、1.6〜2.0μHの高周波
用コイルであり、銅線やアルミ線、これ等の合金線等
に、アルカリ金属や有機金属化合物等の無機質材料ある
いはシリコン樹脂等の有機材料で厚さ5〜30μmに塗
布して絶縁被覆を形成したものである。9は、パーマロ
イ等の磁性体からなる薄い板で、加熱用チップ7の位置
で外装6の内壁に密着して貼り付けたものである。10
は、絶縁性の蓋であり、外装6の端に取り付けている。
11及び12はこの蓋10から引き出した端子である。
そして端子11は高周波用コイル8の端13に接続して
いて、蓋10の中心から引き出している。また、端子1
2は、円筒状であり、高周波用コイル8の端14に接続
していて、蓋10の側面と外装6の内壁との間から引き
出している。15は、外装6の内部に充填した、半田付
け温度で変化しないアルカリ金属等の無機質材料からな
る絶縁物であり、鏝先1との間にも入りこんでいる。
【0014】上記実施例において、高周波用コイルは、
例えばアルカリ金属等の無機質材料をアルコールや水等
で希釈した溶液中に銅線等を浸漬し、常温硬化して厚さ
3〜10μmの絶縁皮膜を形成した後に、コイル状に加
工して製造する。また、絶縁物質を充填するには、先ず
アルカリ金属等をアルコールや水等で希釈し、粘度50
00C・P・S以下に調合した溶液を、デスペンサ等を
用いて、加圧注入し、その後、常温で1〜2Hr放置
し、そして温度100〜200℃で2Hr程加熱して硬
化する。この注入液は粘度を5000CPS以下にして
いる関係で残査分を50%以上調合することが困難であ
る。従って、この後に、さらに粘度5000〜2000
0C・P・S、残査分80〜95℃のアルカリ金属等の
希釈液を注入する。この場合、より低粘度の希釈液を数
回繰り返して注入してもよい。そして注入は、蓋10を
する前あるいは外装6に注入孔を設け、そこから行う。
【0015】なお、上記実施例において、外装6内に半
田付け温度で炭化しない絶縁物15を充填しているが、
高周波用コイル8をこの絶縁物15で被覆した場合に
は、充填しなくてもよい。板9を介して外装6の内側に
この絶縁物15を被覆した場合にも、充填しなくてもよ
い。この場合、絶縁物15を鏝先1との間にまで、外装
6の内側を被覆してもよい。合わせて、前者及び後者の
場合に、高周波用コイル8に絶縁物15を被覆してもよ
い。また、外装6と鏝先1との間にだけ絶縁物15を介
在させてもよく、さらに加えて高周波コイル8に絶縁物
15を被覆してもよい。
【0016】次に、実施例、従来例及び比較例について
図3に示す通りの半田付け処理を行い、各半田鏝の寿命
を調べた。半田鏝41には電圧24V、周波数約13M
Hzの交周波電源を接続する。そして鏝先42を温度3
60〜400℃に加熱する。この状態で、プリント配線
板43を移動し、半田44付けする。半田線45は、半
田鏝41がプリント配線板43に移動して鏝先42がこ
れに圧力250grで接触する。このとき、ギヤー46
によって500mm/分の速度によって長さ20mmだけ鏝
先42に送られる。そしてこの作業を2秒間隔で行い半
田付けする。半田鏝41数は実施例及び従来例とも各々
10ケとする。そして半田が溶けず半田付けが不可能と
なる回数を、A:10000回以下、B:10000〜
30000回、C:30000〜50000回、D:5
0000〜70000回、E:70000回以上の5つ
に分け、各々の半田鏝数を求め、表1に示した。なお、
外装の内側に設けた絶縁物被覆は、これに密着して貼り
付けた磁性体からなる板を介し、この表面に絶縁物を塗
布して形成する。また、絶縁物を外装内に充填するに
は、真空含浸法を用い、2回に分けて行った。この場合
の真空度は30mmHgとする。また、1回目の含浸には
粘度100C・P・Sの液を用い、2回目には粘度30
00〜5000C・P・Sの液を用いた。1回目の含浸
により、外装と鏝先との間に絶縁物を充填できる。
【0017】
【表1】
【0018】表1から明らかな通り、実施例1〜実施例
22によれば、全部10000回よりも多く半田付け可
能である。これに対して、従来例1及び従来例2によれ
ば、20〜50%が10000回以下しかもたなかっ
た。また、実施例1〜実施例8、実施例10〜実施例1
7、実施例19〜実施例22から明らかな通り、高周波
コイルを絶縁被覆するとともに、外装を絶縁被覆する
か、少なくとも1回絶縁物を充填することにより、30
000回より多く半田付けできるようになる。特に、有
機金属からなる絶縁物が効果的である。
【0019】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、高周波用
コイル又は鏝先の少なくともどちらか一方と、外装との
間にアルカリ金属や有機金属等の半田付け温度で炭化し
ない絶縁物を介在することにより、高周波用コイルの加
熱効率を向上でき、あるいは鏝先が外装から外れるのを
防止できる半田鏝が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図を示す。
【図2】本発明の実施例の使用状態の図面を示す。
【図3】従来例の断面図を示す。
【符号の説明】 1,42…鏝先、 6…外装、 7…加熱用チップ、
8…高周波用コイル、9…板、 15…絶縁物、 41
…半田鏝。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 半田鏝
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波誘導加熱型の半田
鏝に関する。
【0002】
【従来の技術】半田鏝は加熱方式の相違によって数種類
ある。一例として、ニクロム線等の抵抗線に電流を流し
て加熱し、これによって発生する熱を対流や副射によっ
て鏝先に伝達する方式がある。また、無機質で絶縁被覆
したニクロム線からなるヒーターユニットを鏝先に挿入
し、絶縁被覆を介して熱を鏝先に伝達する方式もある。
しかし、前者の方式では熱の伝達に空間ギャップを利用
するために、また、後者の方式では絶縁被覆を介して熱
を伝達するために、いずれも熱の伝達効率が低い。従っ
て、鏝先の温度は、半田付け作業の際に一時的に低下す
るが、半田付け作業の繰り返し時間が短いと、所定値ま
で上昇しなくなる。そのため、これ等の方式の半田鏝は
作業条件が非常に限定される。
【0003】高周波誘導加熱方式の半田鏝は、この欠点
がなく、熱伝達効率がよく、小形化が可能で、種々の条
件下で利用できる。この半田鏝は、例えば、図3に示す
通りの構造になっている。すなわち、21は、鏝先であ
り、円筒状の金属製の外装22の端に取り付けている。
鏝先21の底部23には加熱用チップ24の一端を埋め
込み、他端を引き出している。この加熱用チップ24
は、銅製の円筒状の棒の側面に磁性体層を設けたもので
ある。加熱用チップ24の周囲には、銅線等にシリコン
樹脂等を被覆した高周波用コイル25を巻き付けてい
る。また、加熱用チップ24の位置で外装22の内壁に
磁性体の板26を巻き付けている。外装22の端には絶
縁性の蓋27を取り付けている。この蓋27には端子2
8及び29を互いに離して設けている。このうち端子2
8は高周波用コイル25の一端30に接続し、そして円
筒状の端子29は他端31に接続している。
【0004】この高周波誘導加熱方式の半田鏝は、次の
通りに動作する。先ず、端子28及び29を通して高周
波電源によって高周波用コイル25に電流を流す。これ
により、高周波コイル25周辺に磁気が発生する。従っ
て、加熱用チップ24に設けた磁性体層は、表皮効果に
よってうず電流が流れ、ジュール熱によって加熱する。
この熱は熱伝導率の高い銅製の棒を通して、鏝先21に
伝わる。特に、磁性体層は半田付けの条件に適したキュ
リー点を有する材質にした場合、キュリー点以上の温度
に加熱すると、磁性が減少し、従って表皮効果によるう
ず電流が低下し、ジュール熱が減少する。また、磁性体
層は、キュリー点より低い温度になると、磁性が元に戻
り、再びジュール熱が上昇する。この繰り返しにより、
鏝先21は所定の温度に維持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高周波用コイ
ル25は、加熱によって、シリコン樹脂等の被覆が炭化
してボロボロになり、容易に剥げ落ちてしまう。そのた
めに、高周波用コイル25は、鏝先21等に力が加わっ
て、加熱用チップ24とともに動くと、板26に接触し
て短絡する欠点がある。また、鏝先21は、加熱により
その表面に酸化皮膜ができるが、この酸化皮膜が剥離し
易いために、鏝先21の外装22に取り付けている箇所
が緩くなって動き易くなる。そのため上記の短絡がより
生じ易くなる欠点がある。
【0006】本発明の目的は、以上の欠点を改良し、高
周波用コイルの短絡不良を防止して加熱効率を向上でき
る半田鏝を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、外装の先端に鏝先を取り付け、高周波
用コイルと、この高周波用コイルの中心部に配置した少
なくとも表面が磁性体からなる加熱用チップとを前記外
装内に収納した高周波誘導加熱型の半田鏝において、高
周波用コイル又は鏝先の少なくともどちらか一方と、外
装との間に半田付け温度で炭化しない絶縁物を介在する
ことを特徴とする半田鏝を提供するものである。
【0008】高周波用コイル又は鏝先の少なくともどち
らか一方と、外装との間に絶縁物を介させるには、高周
波用コイルに絶縁物を塗布したり、あるいは外装の内側
に絶縁物を塗布したり、外装内に絶縁物を充填したりす
る。
【0009】絶縁物としてはアルカリ金属や有機金属化
合物、セラミック等の無機質材料が適している。
【0010】
【作用】高周波用コイルや外装の内側を、半田付け温度
で炭化しない絶縁物で被覆した場合、加熱してもこの絶
縁物は剥げ落ちることがない。従って、高周波用コイル
は、外装に接触しても導通して短絡することもない。な
お、高周波用コイルは、電磁力によって隣どうしが接触
して短絡することもあるが、絶縁物をこれに被覆するこ
とによって、こうした短絡もなくなる。
【0011】また、外装の内部に無機質材料等の絶縁物
を充填すると、外装と高周波用コイルとの間にこの絶縁
物が入りこむため、高周波用コイルは外装に直接接触す
ることがなく、導通を防止できる。そして高周波用コイ
ルの絶縁被覆が加熱により劣化しても、絶縁物が充填し
てあり剥げ落ちる余地が無くなる。従って、高周波用コ
イルは、電磁力によっても互いに接触して導通する不良
が無くなる。この場合、絶縁被覆にクラックがあって
も、充填した絶縁物がこのクラックに入りこみ絶縁性が
よくなる。
【0012】さらに、外装と鏝先との間に絶縁物を介在
させることにより、鏝先はこの箇所で絶縁物により保護
されて酸化もなくなり、動き難くなり、より短絡不良を
防止し易くなる
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
図1において、1は、無酸素銅製の鏝先であり、先端2
がテーパー状で、中央部3が径5φ、底部4が径4.4
φ、全体が20mmの長さになっている。5はこの鏝先1
に設けた穴である。6は、外径4.4φ、厚さ0.2mm
でステンレス製のパイプからなる外装であり、鏝先1の
底部4にはめ込み機械的に締め付けて取り付けている。
7は、加熱用チップであり、径3φ、長さ25mmの円筒
状の銅製等の棒を中心とし、この表面にパーマロイ等の
磁性体層を形成したもので、一端を鏝先1の穴5に押し
入れ固定している。8は、加熱用チップ7に密着して巻
いた1.6〜2.0μHの高周波用コイルであり、銅線
やアルミ線、これ等の合金線等に、アルカリ金属や有機
金属化合物等の無機質材料あるいはシリコン樹脂等の有
機材料で厚さ5〜30μmに塗布して絶縁被覆を形成し
たものである。9は、パーマロイ等の磁性体からなる薄
い板で、加熱用チップ7の位置で外装6の内壁に密着し
て貼り付けたものである。10は、絶縁性の蓋であり、
外装6の端に取り付けている。11及び12はこの蓋1
0から引き出した端子である。そして端子11は高周波
用コイル8の端13に接続していて、蓋10の中心から
引き出している。また、端子12は、円筒状であり、高
周波用コイル8の端14に接続していて、蓋10の側面
と外装6の内壁との間から引き出している。15は、外
装6の内部に充填した、半田付け温度で変化しないアル
カリ金属等の無機質材料からなる絶縁物であり、鏝先1
との間にも入りこんでいる。この絶縁物15は、外装6
内にすき間なく充填してあるが、少なくとも加熱用チッ
プ7を被う程度の位置まで充填してあればよい。
【0014】上記実施例において、高周波用コイルは、
例えばアルカリ金属等の無機質材料をアルコールや水等
で希釈した溶液中に銅線等を浸漬し、常温硬化して厚さ
3〜10μmの絶縁皮膜を形成した後に、コイル状に加
工して製造する。また、絶縁物質を充填するには、先ず
アルカリ金属等をアルコールや水等で希釈し、粘度50
00C・P・S以下に調合した溶液を、デスペンサ等を
用いて、加圧注入し、その後、常温で1〜2Hr放置
し、そして温度100〜200℃で2Hr程加熱して硬
化する。この注入液は粘度を5000CPS以下にして
いる関係で残査分を50%以上調合することが困難であ
る。従って、この後に、さらに粘度5000〜2000
0C・P・S、残査分80〜95℃のアルカリ金属等の
希釈液を注入する。この場合、より低粘度の希釈液を数
回繰り返して注入してもよい。そして注入は、蓋10を
する前や鏝先1を外装6に取り付けるとき、あるいは外
装6に注入孔を設け、そこから行う。
【0015】なお、上記実施例において、外装6内に半
田付け温度で炭化しない絶縁物15を充填しているが、
高周波用コイル8をこの絶縁物15で被覆した場合に
は、充填しなくてもよい。板9を介して外装6の内側に
この絶縁物15を被覆した場合にも、充填しなくてもよ
い。この場合、絶縁物15を鏝先1との間にまで、外装
6の内側を被覆してもよい。合わせて、前者及び後者の
場合に、高周波用コイル8に絶縁物15を被覆してもよ
い。また、外装6と鏝先1との間にだけ絶縁物15を介
在させてもよく、さらに加えて高周波コイル8に絶縁物
15を被覆してもよい。
【0016】次に、実施例、従来例及び比較例について
図3に示す通りの半田付け処理を行い、各半田鏝の寿命
を調べた。半田鏝41には電圧24V、周波数約13M
Hzの交周波電源を接続する。そして鏝先42を温度3
60〜400℃に加熱する。この状態で、プリント配線
板43を移動し、半田44付けする。半田線45は、半
田鏝41がプリント配線板43に移動して鏝先42がこ
れに圧力250grで接触する。このとき、ギヤー46
によって500mm/分の速度によって長さ20mmだけ鏝
先42に送られる。そしてこの作業を2秒間隔で行い半
田付けする。半田鏝41数は実施例及び従来例とも各々
10ケとする。そして半田が溶けず半田付けが不可能と
なる回数を、A:10000回以下、B:10000〜
30000回、C:30000〜50000回、D:5
0000〜70000回、E:70000回以上の5つ
に分け、各々の半田鏝数を求め、表1に示した。なお、
外装の内側に設けた絶縁物被覆は、これに密着して貼り
付けた磁性体からなる板を介し、この表面に絶縁物を塗
布して形成する。また、絶縁物を外装内に充填するに
は、真空含浸法を用い、2回に分けて行った。この場合
の真空度は30mmHgとする。また、1回目の含浸には
粘度100C・P・Sの液を用い、2回目には粘度30
00〜5000C・P・Sの液を用いた。1回目の含浸
により、外装と鏝先との間に絶縁物を充填できる。
【0017】
【表1】
【0018】表1から明らかな通り、実施例1〜実施例
22によれば、全部10000回よりも多く半田付け可
能である。これに対して、従来例1及び従来例2によれ
ば、20〜50%が10000回以下しかもたなかっ
た。また、実施例1〜実施例8、実施例10〜実施例1
7、実施例19〜実施例22から明らかな通り、高周波
コイルを絶縁被覆するとともに、外装を絶縁被覆する
か、少なくとも1回絶縁物を充填することにより、30
000回より多く半田付けできるようになる。特に、有
機金属化合物からなる絶縁物が効果的である。
【0019】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、高周波用
コイル又は鏝先の少なくともどちらか一方と、外装との
間にアルカリ金属や有機金属化合物等の半田付け温度で
炭化しない絶縁物を介在することにより、高周波用コイ
ルの加熱効率を向上できる半田鏝が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図を示す。
【図2】本発明の実施例の使用状態の図面を示す。
【図3】従来例の断面図を示す。
【符号の説明】 1,42…鏝先、 6…外装、 7…加熱用チップ、
8…高周波用コイル、9…板、 15…絶縁物、 41
…半田鏝。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装の先端に鏝先を取り付け、高周波用
    コイルと、この高周波用コイルの中心部に配置した少な
    くとも表面が磁性体からなる加熱用チップとを前記外装
    内に収納した高周波誘導加熱型の半田鏝において、高周
    波用コイル又は鏝先の少なくともどちらか一方と、外装
    との間に半田付け温度で炭化しない絶縁物を介在するこ
    とを特徴とする半田鏝。
JP11981192A 1992-04-13 1992-04-13 半田鏝 Pending JPH05285646A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106141357A (zh) * 2016-08-31 2016-11-23 刘惠强 一种手机维修用恒温型电烙铁
CN109482994A (zh) * 2018-09-03 2019-03-19 深圳市双建科技有限公司 使用集磁棒的马达转子部件的焊接装置及方法
US11273509B2 (en) * 2018-07-25 2022-03-15 Hakko Corp. Heating tool

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