JPH05285217A - 抗感染性カテーテル - Google Patents
抗感染性カテーテルInfo
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- JPH05285217A JPH05285217A JP4116992A JP11699292A JPH05285217A JP H05285217 A JPH05285217 A JP H05285217A JP 4116992 A JP4116992 A JP 4116992A JP 11699292 A JP11699292 A JP 11699292A JP H05285217 A JPH05285217 A JP H05285217A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catheter
- reagent
- adhesive protein
- functional groups
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- Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 患者の体内に留置される医療用カテーテルの
体内留置部分の予め設定した位置に、反応性官能基を少
なくとも2個有する試薬を用いて細胞接着性蛋白質を固
定化させたことを特徴とする抗感染性カテーテル。 【効果】 本発明のカテーテルは、周囲の組織を刺激す
ることなく挿入直後から長期にわたって病原体の侵入を
防ぐ効果を有し、殺菌剤を用いた場合のような刺激によ
る炎症を起こすこともなく、さらに体内に容易に挿入す
ることができる。
体内留置部分の予め設定した位置に、反応性官能基を少
なくとも2個有する試薬を用いて細胞接着性蛋白質を固
定化させたことを特徴とする抗感染性カテーテル。 【効果】 本発明のカテーテルは、周囲の組織を刺激す
ることなく挿入直後から長期にわたって病原体の侵入を
防ぐ効果を有し、殺菌剤を用いた場合のような刺激によ
る炎症を起こすこともなく、さらに体内に容易に挿入す
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗感染性カテーテルに関
するものであり、さらに詳しくは、細胞接着性蛋白質を
固定化した抗感染性カテーテルに関するものである。
するものであり、さらに詳しくは、細胞接着性蛋白質を
固定化した抗感染性カテーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】カテーテルを長期にわたって体内に留置
する場合には、カテーテルを経路として病原体が侵入す
ることが多い。特に血管留置カテーテルにおいては、侵
入した病原体は全身にまわることになり大変危険であ
る。従来、カテーテルの使用に伴う病原体の感染防止に
は、カテーテルの基材中に殺菌剤を含有させたカテー
テル,表面に殺菌剤を含む樹脂をコーティングしたカ
テーテルが知られており、また、体内に埋設される部
分にカフを取付けることにより、周囲の組織がカフ内に
発達し、病原体に対する障壁を形成することによる方法
が提案されている。
する場合には、カテーテルを経路として病原体が侵入す
ることが多い。特に血管留置カテーテルにおいては、侵
入した病原体は全身にまわることになり大変危険であ
る。従来、カテーテルの使用に伴う病原体の感染防止に
は、カテーテルの基材中に殺菌剤を含有させたカテー
テル,表面に殺菌剤を含む樹脂をコーティングしたカ
テーテルが知られており、また、体内に埋設される部
分にカフを取付けることにより、周囲の組織がカフ内に
発達し、病原体に対する障壁を形成することによる方法
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、殺菌剤
を用いるカテーテルは、殺菌剤と生体との接触面におい
て、周囲の組織が殺菌剤の刺激を受けて炎症を起こし、
かえって感染を起こしやすくなることがあった。また、
カフを取付ける方法においては、組織がカフ内に発達し
てくるまでの間は効果がなく、しかもカテーテルを挿入
する際にカフの配設部位を形成しなければならないとい
う繁雑さがあった。本発明は、体内留置カテーテルにお
いて、留置直後から長期にわたって病原体の感染を受け
ず、かつ、殺菌剤を用いた場合のような刺激による炎症
も起こさない体内留置カテーテルを提供することを目的
とする。
を用いるカテーテルは、殺菌剤と生体との接触面におい
て、周囲の組織が殺菌剤の刺激を受けて炎症を起こし、
かえって感染を起こしやすくなることがあった。また、
カフを取付ける方法においては、組織がカフ内に発達し
てくるまでの間は効果がなく、しかもカテーテルを挿入
する際にカフの配設部位を形成しなければならないとい
う繁雑さがあった。本発明は、体内留置カテーテルにお
いて、留置直後から長期にわたって病原体の感染を受け
ず、かつ、殺菌剤を用いた場合のような刺激による炎症
も起こさない体内留置カテーテルを提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
況に鑑み鋭意検討の結果、細胞接着性蛋白質を固定化し
たカテーテルが、周囲の組織を刺激することなく挿入直
後から長期にわたって病原体の侵入を防ぐ効果を有し、
さらに体内に容易に挿入することができることを見い出
し、本発明に到達した。すなわち本発明は、患者の体内
に留置される医療用カテーテルの体内留置部分の予め設
定した位置に、反応性官能基を少なくとも2個有する試
薬を用いて細胞接着性蛋白質を固定化させたことを特徴
とする抗感染性カテーテルを要旨とするものである。
況に鑑み鋭意検討の結果、細胞接着性蛋白質を固定化し
たカテーテルが、周囲の組織を刺激することなく挿入直
後から長期にわたって病原体の侵入を防ぐ効果を有し、
さらに体内に容易に挿入することができることを見い出
し、本発明に到達した。すなわち本発明は、患者の体内
に留置される医療用カテーテルの体内留置部分の予め設
定した位置に、反応性官能基を少なくとも2個有する試
薬を用いて細胞接着性蛋白質を固定化させたことを特徴
とする抗感染性カテーテルを要旨とするものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける医療用カテーテルは、例えば、ポリスチレン,ポ
リアミド,ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,シリコーン樹脂,ポリ塩化ビニル,ポリメタクリル
酸エステル,ポリアクリロニトリル,ポリウレタン,ポ
リビニルアルコール,エチレン−酢酸ビニル共重合体,
ポリブタジエン等の合成高分子あるいは天然ゴム等の天
然高分子等からなるチューブであって、体液の排出,体
液の循環,輸液や潅流液の注入あるいは排出または検査
等のために体内に挿入されるものである。
おける医療用カテーテルは、例えば、ポリスチレン,ポ
リアミド,ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,シリコーン樹脂,ポリ塩化ビニル,ポリメタクリル
酸エステル,ポリアクリロニトリル,ポリウレタン,ポ
リビニルアルコール,エチレン−酢酸ビニル共重合体,
ポリブタジエン等の合成高分子あるいは天然ゴム等の天
然高分子等からなるチューブであって、体液の排出,体
液の循環,輸液や潅流液の注入あるいは排出または検査
等のために体内に挿入されるものである。
【0006】本発明において用いられる反応性官能基を
少なくとも2個有する試薬としては、例えば、グルター
ルアルデヒド,テレフタルアルデヒド,イソフタルアル
デヒド,ジアルデヒドでんぷん等のポリアルデヒド,ヘ
キサメチレンジイソシアナート,トリレンジイソシアナ
ート,キシリレンジイソシアナート,フェニレンジイソ
シアナート,アニリン−ホルムアルデヒド等のポリイソ
シアナート,塩化アジポイル,塩化イソフタロイル,塩
化テレフタロイル,塩化シアヌル等の酸塩化物,ヘキサ
メチレンチオイソシアナート等のポリチオシアナート,
N,N'-エチレンビスヨードアセトアミド,N,N'-ヘ
キサメチレンビスヨードアセトアミド等のN,N'-ポリ
メチレンビスヨードアセトアミド,テトラメチレングリ
コールのジグリシジルエーテル,ジエチレングリコール
のジグリシジルエーテル等のポリエポキシド,無水マレ
イン酸−メチルビニルエーテル共重合体,無水マレイン
酸−エチレン共重合体,無水マレイン酸−スチレン共重
合体等のポリカルボン酸無水物,N,N'-エチレンビス
マレイミド等のビスマレイミド,N,N'-メチレンビス
(メタ)アクリルアミド,N,N'-ヘキサメチレンビス
(メタ)アクリルアミド,N,N',N"-トリアクリロイ
ルヘキサヒドロトリアジン等のポリ(メタ)アクリロイ
ル化合物等があげられる。
少なくとも2個有する試薬としては、例えば、グルター
ルアルデヒド,テレフタルアルデヒド,イソフタルアル
デヒド,ジアルデヒドでんぷん等のポリアルデヒド,ヘ
キサメチレンジイソシアナート,トリレンジイソシアナ
ート,キシリレンジイソシアナート,フェニレンジイソ
シアナート,アニリン−ホルムアルデヒド等のポリイソ
シアナート,塩化アジポイル,塩化イソフタロイル,塩
化テレフタロイル,塩化シアヌル等の酸塩化物,ヘキサ
メチレンチオイソシアナート等のポリチオシアナート,
N,N'-エチレンビスヨードアセトアミド,N,N'-ヘ
キサメチレンビスヨードアセトアミド等のN,N'-ポリ
メチレンビスヨードアセトアミド,テトラメチレングリ
コールのジグリシジルエーテル,ジエチレングリコール
のジグリシジルエーテル等のポリエポキシド,無水マレ
イン酸−メチルビニルエーテル共重合体,無水マレイン
酸−エチレン共重合体,無水マレイン酸−スチレン共重
合体等のポリカルボン酸無水物,N,N'-エチレンビス
マレイミド等のビスマレイミド,N,N'-メチレンビス
(メタ)アクリルアミド,N,N'-ヘキサメチレンビス
(メタ)アクリルアミド,N,N',N"-トリアクリロイ
ルヘキサヒドロトリアジン等のポリ(メタ)アクリロイ
ル化合物等があげられる。
【0007】本発明における細胞接着性蛋白質として
は、例えば、フィブリノーゲン,フィブリン,フィブロ
ネクチン,フォンビルブランド因子,ビトロネクチン,
コラーゲン,ラミニン,ゼラチン等があげられる。
は、例えば、フィブリノーゲン,フィブリン,フィブロ
ネクチン,フォンビルブランド因子,ビトロネクチン,
コラーゲン,ラミニン,ゼラチン等があげられる。
【0008】本発明における細胞接着性蛋白質の固定化
方法としては、カテーテルに直接反応性官能基を少なく
とも2個有する試薬を作用させて、蛋白質を固定化する
方法あるいは、適宜形状の高分子に、あらかじめ反応性
官能基を少なくとも2個有する試薬を用いて蛋白質を固
定化したものをカテーテル外表面に接着剤等を用いて固
着させる方法等があげられる。
方法としては、カテーテルに直接反応性官能基を少なく
とも2個有する試薬を作用させて、蛋白質を固定化する
方法あるいは、適宜形状の高分子に、あらかじめ反応性
官能基を少なくとも2個有する試薬を用いて蛋白質を固
定化したものをカテーテル外表面に接着剤等を用いて固
着させる方法等があげられる。
【0009】ここで用いる高分子の形状にはフィルム,
シート,不織布,スポンジ,チューブ等があげられる。
高分子の材料は、反応性官能基を少なくとも2個有する
試薬と反応が可能であればいかなる高分子であってもよ
い。また、これらの高分子は反応性官能基を少なくとも
2個有する試薬との反応を可能にするために、アミノ
基,カルボキシル基等を導入する前処理を行ってもよ
い。
シート,不織布,スポンジ,チューブ等があげられる。
高分子の材料は、反応性官能基を少なくとも2個有する
試薬と反応が可能であればいかなる高分子であってもよ
い。また、これらの高分子は反応性官能基を少なくとも
2個有する試薬との反応を可能にするために、アミノ
基,カルボキシル基等を導入する前処理を行ってもよ
い。
【0010】接着性蛋白質の固定化部位の形成位置とし
ては、カテーテルの皮下に留置された部分であれば任意
の位置でよい。好ましくは、皮膚表面に近い皮下組織内
の位置で血管内に入らない位置がよい。
ては、カテーテルの皮下に留置された部分であれば任意
の位置でよい。好ましくは、皮膚表面に近い皮下組織内
の位置で血管内に入らない位置がよい。
【0011】接着性蛋白質の固定化部の長さの範囲とし
ては、5〜50mmが好ましく、あらかじめ接着性蛋白質
を固定化した高分子を接着して用いる際は、カテーテル
外周上に厚さ0.1〜10mm,巾5〜50mmの円筒形に
なるように接着するのが好ましいが、カテ−テルの留置
部位、カテ−テルの径および長さによって適時選択すれ
ば良い。
ては、5〜50mmが好ましく、あらかじめ接着性蛋白質
を固定化した高分子を接着して用いる際は、カテーテル
外周上に厚さ0.1〜10mm,巾5〜50mmの円筒形に
なるように接着するのが好ましいが、カテ−テルの留置
部位、カテ−テルの径および長さによって適時選択すれ
ば良い。
【0012】
【作用】本発明において、カテーテルに細胞接着性蛋白
質固定化層を形成し、体内に留置すると、この層に皮下
組織中の細胞がすみやかに接着し、カテーテルと挿入部
皮膚面との隙間がなくなるので、病原体がカテーテルの
壁面を伝って体内に侵入するのを防ぐことができる。
質固定化層を形成し、体内に留置すると、この層に皮下
組織中の細胞がすみやかに接着し、カテーテルと挿入部
皮膚面との隙間がなくなるので、病原体がカテーテルの
壁面を伝って体内に侵入するのを防ぐことができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる縦100mm ,横10
0mm ,厚さ0.3mm のシートについて以下の(1)〜
(4)の処理を順に行ないフィブロネクチン固定化シー
トを得た。 (1)15wt%の水酸化ナトリウム水溶液に50℃で2
時間浸漬し、ケン化を行ない、精製水で充分洗浄した。 (2)アミノアセタール2vol %、1N塩酸50vol %を
含有する水溶液で58℃で6時間処理を行ない表面にア
ミノ基を導入させた後、精製水で充分洗浄した。 (3)4%無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重
合体のアセトン溶液に室温で1時間浸漬し、表面に酸無
水物基を導入した後、アセトンで充分洗浄し、減圧乾燥
した。 (4)フィブロネクチンをリン酸緩衝液(pH5)に1
0μg /mlになるように溶解した液に、シートを室温で
24時間浸漬した後、精製水で洗浄し、減圧乾燥して、
フィブロネクチンを固定化した。
する。 実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる縦100mm ,横10
0mm ,厚さ0.3mm のシートについて以下の(1)〜
(4)の処理を順に行ないフィブロネクチン固定化シー
トを得た。 (1)15wt%の水酸化ナトリウム水溶液に50℃で2
時間浸漬し、ケン化を行ない、精製水で充分洗浄した。 (2)アミノアセタール2vol %、1N塩酸50vol %を
含有する水溶液で58℃で6時間処理を行ない表面にア
ミノ基を導入させた後、精製水で充分洗浄した。 (3)4%無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重
合体のアセトン溶液に室温で1時間浸漬し、表面に酸無
水物基を導入した後、アセトンで充分洗浄し、減圧乾燥
した。 (4)フィブロネクチンをリン酸緩衝液(pH5)に1
0μg /mlになるように溶解した液に、シートを室温で
24時間浸漬した後、精製水で洗浄し、減圧乾燥して、
フィブロネクチンを固定化した。
【0014】得られたシートを直径15mmに切り取り、
24孔マルチウェルに入れ、その上で牛繊維芽細胞を1
×105 個播種し、2時間培養を行い、細胞の接着性を試
験した。
24孔マルチウェルに入れ、その上で牛繊維芽細胞を1
×105 個播種し、2時間培養を行い、細胞の接着性を試
験した。
【0015】なお、比較のために上記(4)においてフ
ィブロネクチンの代わりにウシ血清アルブミンを用い、
アルブミン固定化シートを得た(比較例1)。
ィブロネクチンの代わりにウシ血清アルブミンを用い、
アルブミン固定化シートを得た(比較例1)。
【0016】その結果、フィブロネクチン固定化シート
は、細胞が接着しているのに対し、アルブミン固定化シ
ート上には、細胞が接着しなかった。
は、細胞が接着しているのに対し、アルブミン固定化シ
ート上には、細胞が接着しなかった。
【0017】上記で得たフィブロネクチン固定化シート
を20mm幅に切り取り、ポリウレタン製のカテーテル(外
径2mm ,長さ30cm)の先端より20cmの所にシアノアクリ
レート系接着剤を用いてカテーテルに厚さ2mm になるま
で巻き付けるようにして接着し、接着性蛋白質固定化層
を有するカテーテルを得た。
を20mm幅に切り取り、ポリウレタン製のカテーテル(外
径2mm ,長さ30cm)の先端より20cmの所にシアノアクリ
レート系接着剤を用いてカテーテルに厚さ2mm になるま
で巻き付けるようにして接着し、接着性蛋白質固定化層
を有するカテーテルを得た。
【0018】このカテーテルを体重約2.5kgのウサギ
の背中の毛を刈った後の皮膚組織内に先端より23cmの長
さを留置し、カテーテルの挿入口にスタフィロコッカス
・アウレウス(Staphylococcus aureus ),スタフィロ
コッカス・エピデミディス(Staphylococcus epidermid
is),キャンディダ・アルビカンス(Candida albican
s)の菌液(1 ×106 個/ml)を各々1ml 含んだ脱脂綿
を置き、上部をテープで包み、放置した。10日後、皮膚
を切開してカテーテルを取り出し、先端から2cm間隔で
切断し、その切断片を界面活性剤を1 %含む生理食塩水
で洗浄した液をそれぞれブレーンハートインヒュージョ
ン寒天平板(BBL 社製)の上に加え培養した。
の背中の毛を刈った後の皮膚組織内に先端より23cmの長
さを留置し、カテーテルの挿入口にスタフィロコッカス
・アウレウス(Staphylococcus aureus ),スタフィロ
コッカス・エピデミディス(Staphylococcus epidermid
is),キャンディダ・アルビカンス(Candida albican
s)の菌液(1 ×106 個/ml)を各々1ml 含んだ脱脂綿
を置き、上部をテープで包み、放置した。10日後、皮膚
を切開してカテーテルを取り出し、先端から2cm間隔で
切断し、その切断片を界面活性剤を1 %含む生理食塩水
で洗浄した液をそれぞれブレーンハートインヒュージョ
ン寒天平板(BBL 社製)の上に加え培養した。
【0019】なお、比較のため、蛋白質を固定化してい
ないエチレン−酢酸ビニル共重合体シートを接着したポ
リウレタン製カテーテルを用いて同様に実験した(比較
例2)。
ないエチレン−酢酸ビニル共重合体シートを接着したポ
リウレタン製カテーテルを用いて同様に実験した(比較
例2)。
【0020】その結果、実施例1で得られたカテ−テル
においては、蛋白質が固定化された位置より先端側のカ
テーテル断片を洗浄した液の寒天培地からはコロニーは
検出されなかったが、蛋白質が固定化された位置より外
側のカテーテル断片を洗浄した寒天平板からは各断片に
つき平均1.7 ×103 個のコロニーが検出された。また、
実施例2で得られたカテ−テルにおいては、ウサギの組
織内に留置したカテーテル全ての断片の洗浄液から菌が
検出され、カテーテル先端部でも60個のコロニーが検出
された。このことから、本発明のカテ−テルは長期にわ
たって体内に留置しても病原体の感染を受けないことが
明らかである。
においては、蛋白質が固定化された位置より先端側のカ
テーテル断片を洗浄した液の寒天培地からはコロニーは
検出されなかったが、蛋白質が固定化された位置より外
側のカテーテル断片を洗浄した寒天平板からは各断片に
つき平均1.7 ×103 個のコロニーが検出された。また、
実施例2で得られたカテ−テルにおいては、ウサギの組
織内に留置したカテーテル全ての断片の洗浄液から菌が
検出され、カテーテル先端部でも60個のコロニーが検出
された。このことから、本発明のカテ−テルは長期にわ
たって体内に留置しても病原体の感染を受けないことが
明らかである。
【0021】実施例2 ポリウレタン製カテーテル(外径2.0mm ,長さ50cm)
について以下の(1)〜(3)の処理をこの順に行い、
カテーテル先端から35〜40cmの部分にコラーゲンを
固定化したカテーテルを得た。 (1)カテーテルを80℃の熱水中に6時間浸漬した
後、精製水で洗浄した。 (2)カテーテルを4%無水マレイン酸−メチルビニル
エーテル共重合体のアセトン溶液に室温で1時間浸漬し
た後、アセトンで充分洗浄し、減圧乾燥した。 (3)コラーゲンをリン酸緩衝液(pH5)に100 μg
/mlになるように溶解した液に、カテーテルを先端から
37.5cmのところでU字型に曲げ、U字型の底部から2.
5cmの部分をコラーゲン溶液中に室温で24時間浸漬し
た。精製水で洗浄後、精製水中にカテーテル全体を24
時間浸漬し、未反応の酸無水物基を加水分解した。カテ
ーテルを精製水で洗浄した後、減圧乾燥した。
について以下の(1)〜(3)の処理をこの順に行い、
カテーテル先端から35〜40cmの部分にコラーゲンを
固定化したカテーテルを得た。 (1)カテーテルを80℃の熱水中に6時間浸漬した
後、精製水で洗浄した。 (2)カテーテルを4%無水マレイン酸−メチルビニル
エーテル共重合体のアセトン溶液に室温で1時間浸漬し
た後、アセトンで充分洗浄し、減圧乾燥した。 (3)コラーゲンをリン酸緩衝液(pH5)に100 μg
/mlになるように溶解した液に、カテーテルを先端から
37.5cmのところでU字型に曲げ、U字型の底部から2.
5cmの部分をコラーゲン溶液中に室温で24時間浸漬し
た。精製水で洗浄後、精製水中にカテーテル全体を24
時間浸漬し、未反応の酸無水物基を加水分解した。カテ
ーテルを精製水で洗浄した後、減圧乾燥した。
【0022】実施例3 縦100mm ,横50mm,厚さ0.2mm のキチンの不織布を10wt
%の水酸化ナトリウム溶液に浸漬し、室温で2時間撹拌
して脱アセチル化を行った後水で充分洗浄した。この不
織布を4 wt%マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合
体のアセトン溶液に室温で1時間浸漬して表面に酸無水
物基を導入した。ついでコラーゲンをリン酸緩衝液(pH
5 )に10μg /mlになるように溶解した液に室温で24時
間浸漬し、コラーゲン固定化キチン不織布を得た。この
不織布を巾20mmにカットし、ポリウレタン製のカテーテ
ル(外径2mm ,長さ30cm)の先端より20cmの所にシアノ
アクリレート系接着剤を用いてカテーテルを巻きつける
ようにして厚さ2mmになるまで巻きつけて接着し、接着
性蛋白質固定化層を有するカテーテルを得た。
%の水酸化ナトリウム溶液に浸漬し、室温で2時間撹拌
して脱アセチル化を行った後水で充分洗浄した。この不
織布を4 wt%マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合
体のアセトン溶液に室温で1時間浸漬して表面に酸無水
物基を導入した。ついでコラーゲンをリン酸緩衝液(pH
5 )に10μg /mlになるように溶解した液に室温で24時
間浸漬し、コラーゲン固定化キチン不織布を得た。この
不織布を巾20mmにカットし、ポリウレタン製のカテーテ
ル(外径2mm ,長さ30cm)の先端より20cmの所にシアノ
アクリレート系接着剤を用いてカテーテルを巻きつける
ようにして厚さ2mmになるまで巻きつけて接着し、接着
性蛋白質固定化層を有するカテーテルを得た。
【0023】実施例4 実施例1において縦100mm ,横100mm ,厚さ0.3mm のエ
チレン−酢酸ビニルからなるシートの代わりに、外径4.
0mm ,内径2.2mm ,長さ300mm のチューブを用いて、フ
ィブロネクチン固定化チューブを得た。このチューブを
長さ30mmに切り取り、ポリウレタン製カテーテル(外径
2mm ,長さ30cm)の先端から20cmの外周上にシアノアク
リレート系接着剤を用いて接着し、接着性蛋白質固定化
層を有するカテーテルを得た。
チレン−酢酸ビニルからなるシートの代わりに、外径4.
0mm ,内径2.2mm ,長さ300mm のチューブを用いて、フ
ィブロネクチン固定化チューブを得た。このチューブを
長さ30mmに切り取り、ポリウレタン製カテーテル(外径
2mm ,長さ30cm)の先端から20cmの外周上にシアノアク
リレート系接着剤を用いて接着し、接着性蛋白質固定化
層を有するカテーテルを得た。
【0024】
【発明の効果】本発明のカテーテルは、周囲の組織を刺
激することなく挿入直後から長期にわたって病原体の侵
入を防ぐ効果を有し、殺菌剤を用いた場合のような刺激
による炎症を起こすこともなく、さらに体内に容易に挿
入することができる。
激することなく挿入直後から長期にわたって病原体の侵
入を防ぐ効果を有し、殺菌剤を用いた場合のような刺激
による炎症を起こすこともなく、さらに体内に容易に挿
入することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 慎一 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 患者の体内に留置される医療用カテーテ
ルの体内留置部分の予め設定した位置に、反応性官能基
を少なくとも2個有する試薬を用いて細胞接着性蛋白質
を固定化させたことを特徴とする抗感染性カテーテル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4116992A JPH05285217A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 抗感染性カテーテル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4116992A JPH05285217A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 抗感染性カテーテル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05285217A true JPH05285217A (ja) | 1993-11-02 |
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ID=14700799
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JP (1) | JPH05285217A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0596315A2 (en) * | 1992-11-05 | 1994-05-11 | Corning Incorporated | A method of attaching dialdehyde starch to a surface and products produced by that method |
WO2004085606A1 (ja) * | 2003-03-24 | 2004-10-07 | National Institute For Environmental Studies | 細胞培養基質および細胞接着蛋白質またはペプチドの固相化標品 |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP4116992A patent/JPH05285217A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP0596315A2 (en) * | 1992-11-05 | 1994-05-11 | Corning Incorporated | A method of attaching dialdehyde starch to a surface and products produced by that method |
EP0596315A3 (en) * | 1992-11-05 | 1994-07-20 | Corning Inc | A method of attaching dialdehyde starch to a surface and products produced by that method |
WO2004085606A1 (ja) * | 2003-03-24 | 2004-10-07 | National Institute For Environmental Studies | 細胞培養基質および細胞接着蛋白質またはペプチドの固相化標品 |
JPWO2004085606A1 (ja) * | 2003-03-24 | 2006-06-29 | 独立行政法人国立環境研究所 | 細胞培養基質および細胞接着蛋白質またはペプチドの固相化標品 |
JP4555773B2 (ja) * | 2003-03-24 | 2010-10-06 | 独立行政法人国立環境研究所 | 細胞培養基質および細胞接着蛋白質またはペプチドの固相化標品 |
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