JPH05284496A - 有料放送装置 - Google Patents

有料放送装置

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JPH05284496A
JPH05284496A JP4077936A JP7793692A JPH05284496A JP H05284496 A JPH05284496 A JP H05284496A JP 4077936 A JP4077936 A JP 4077936A JP 7793692 A JP7793692 A JP 7793692A JP H05284496 A JPH05284496 A JP H05284496A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 CATVやマンション共聴システムで受信す
る場合であっても、放送局が個別情報や制御情報により
各デコーダを直接管理することのできる有料放送装置を
提供する。 【構成】 アンテナを介して受信される有料衛星放送を
接続されるケーブルに送出する中継装置において、この
有料衛星放送の音声信号をデスクランブルするデスクラ
ンブル手段39と、デスクランブルに係る信号等をパケ
ット化するパケット化手段45と、このパケット化手段
でパケット化されたパケットを有料衛星放送の映像信号
の垂直ブランキング期間に多重し出力する第1の多重手
段51と、この第1の多重手段で多重された映像信号と
前記音声信号とを周波数多重してケーブルに送出する第
2の多重手段53とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有料放送装置に関し、特
に一旦アンテナを介して受信した有料放送をケーブルを
介して個別に受信するCATV(Community
Antenna TV、CAble TV)、共聴受信
システム等で用いられる有料放送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有料放送が開始され、この有料放
送を受信するための有料放送装置が普及しつつ有る。こ
のような有料放送装置を用いた有料放送においては、視
聴契約をしている視聴者(以下、単に視聴契約者ともい
う)以外の者(以下、単に非契約者という)が視聴でき
ないように放送局では映像、音声信号を符号化あるいは
暗号化(以下、単にスクランブルという)して送信する
ようにしている。また、視聴契約者は、このスクランブ
ルした信号を元の映像、音声信号に戻す復号化(以下、
単にデスクランブルという)するためのデスクランブラ
を有するデコーダを使用して信号を元に戻して視聴する
ことが可能であり、一方、非契約者はデスクランブルで
きず視聴することはできない。
【0003】このような有料放送システムの一例を日本
の有料衛星放送方式を例に説明する。この有料衛星放送
方式による送信側である放送局の送信機100の構成を
図5に、受信側装置としてのデコーダ200の構成を図
6にそれぞれ示す。
【0004】まず、図5を参照するに、放送局ではスク
ランブラ101、スクランブラ105で映像、音声信号
をスクランブルする。
【0005】また、受信側で受信中の番組がスクランブ
ル放送かノンスクランブル放送であるのかを判断できる
ようにするために、スクランブルフラグを用いている。
このスクランブルフラグは日本の衛星放送の場合は音声
信号に多重するレンジビットの第8ビット(以下、単に
R#8とも記載する)および制御符号の第12ビット
(以下、単にb12とも記載する)を使用して送信して
いる。
【0006】このスクランブルフラグをデコーダ200
の多数決判定部217で多数決判定し誤りに対する保護
ができるように、送信機100ではこのスクランブルフ
ラグを複数回連続して送出する、いわゆる連送すること
になっている。また送信機100では、このスクランブ
ルフラグをスクランブラ101、107へ入力し、映
像、音声信号のスクランブルのON/OFF制御をおこ
なっている。
【0007】また、この有料放送システムではPN(P
seudorandom Noise)信号(いわゆる
擬似ランダム信号)そのものを送信機100からデコー
ダ200へ送らなくても済むようにするため、送信機1
00とデコーダ200は同一のPN信号を発生するPN
発生器をそれぞれ持ち、そのPN発生器へ同じPN初期
値KS(このPN初期値KSについては後述する)を映
像音声信号に対し同じタイミングでセットして全く同一
のPN信号を得るようにしている。
【0008】このPN初期値KSをセットするタイミン
グ信号として、スクランブルタイミングTSがある。デ
コーダ200の多数決判定部215でこのスクランブル
タイミングTSを多数決判定して誤りに対する保護がで
きるように、送信機100ではこのスクランブルタイミ
ングTSを連送することになっている。また送信機10
0ではスクランブルタイミングTSをPN発生器10
3、107へ入力し、PN初期値KSをセットしてい
る。
【0009】上述してきたように本有料放送システムで
は、以下に示すような3種類の暗号キー(いわゆる、
鍵)を使用し不正視聴に対処している。次にその暗号キ
ーおよび関連情報パケット(以下に説明する番組情報、
制御情報、個別情報とメッセージ情報の4つの情報を関
連情報という)の説明を行う。
【0010】まず、PN初期値KSは、映像、音声信号
のスクランブル、デスクランブルに使用するPN発生器
103、107、237、241へ与える初期値であ
る。また、このPN発生器は疑似ランダムデータ発生器
であって、映像および音声信号をランダムにスクランブ
ルして秘匿性を上げるために使用する。
【0011】このPN初期値KSは、常に一定である
と、通常とは異なる手段を用いてPN初期値KSを入手
し、さらにPN発生器237、241へ与える場合が考
えられるため、ごく短い周期、例えば1秒ごとでPN初
期値KSを更新しセキュリティをあげるようにしてい
る。以下の説明では該更新周期を1秒として説明を行う
ことにする。このPN初期値KSは番組情報一部として
デコーダ200へ伝送される。なお、このとき、番組情
報と制御情報はデコーダ200の多数決判定部221で
多数決判定ができるように連送される。
【0012】次に、暗号キーKWについて説明する。こ
の暗号キーKWは、放送局がPN初期値KSを含む番組
情報や制御情報を視聴契約者のデコーダ200にのみ送
信する際に、このPN初期値KSのセキュリティ保持の
ために該PN初期値KS等を暗号化する際に使用する暗
号キーである。
【0013】この暗号キーKWの更新周期は、例えば1
月ごとであって、翌月も引き続き視聴契約をしている人
のデコーダ200には放送局から放送波に多重して送信
されるが、非契約者および視聴料金未払いのデコーダ2
00には送信されない。
【0014】デコーダ200では、この受信した暗号キ
ーKWの暗号を復号化した後に、個別情報メモリ235
に保存し、1秒ごとに送られてくるPN初期値KSを含
む番組情報を復号するために随時、個別情報メモリ23
5から読み出して利用する。また、この暗号キーKWは
個別情報の一部として暗号キーKWの更新周期ごとに放
送局から各デコーダ200へ伝送される。なお、この暗
号キーKWは連送はされない。
【0015】次に、暗号キーKMiについて説明する。
この暗号キーKMiは、放送局が暗号キーKWを含む個
別情報を視聴契約した者のデコーダで、かつ翌月も引き
続き視聴契約をしているデコーダにのみ送信する際に、
この暗号キーKWのセキュリティー保持のために該暗号
キーKW等を暗号化する際に使用する暗号キーである。
【0016】この暗号キーKMiは、例えばデコーダ2
00の工場出荷時にデコーダ200の暗号キーKMiメ
モリ231に書き込まれるもので、デコーダ200ごと
に異なる。よって、上記暗号キーKWの伝送をデコーダ
200ごと別々に行うことができる。すなわち、暗号キ
ーKMiの異なるデコーダ200では暗号を復号化する
ことはできない。
【0017】以上説明した番組情報および個別情報や制
御情報の詳細は、有料衛星放送の電気通信技術審議会答
申(第48頁乃至57頁参照)にあるため詳しい説明は
省略する。
【0018】これら、番組情報および制御情報は、個別
情報と多重化部119で多重化され、さらに誤り訂正符
号付加部121で誤り訂正符号が付加された後、スクラ
ンブルフラグb12、スクランブルフラグR#8、スク
ランブルタイミングTSとともに多重化部123で音声
信号に時分割多重され、さらに多重化部125で映像信
号と周波数分割多重され送信される。
【0019】次に、デコーダ200について図6を参照
して説明する。デコーダ200では、映像、音声信号を
分離部211で分離した後、分離部213でさらに音声
信号に多重したスクランブルフラグb12、スクランブ
ルフラグR#8、スクランブルタイミングTS、関連情
報パケットをそれぞれ分離する。
【0020】そして、スクランブルフラグb12、R#
8、スクランブルタイミングTSは多数決判定部21
5,217で多数決判定を行った後、PN発生器24
1、237やデスクランブラ239,243に入力され
る。
【0021】また、関連情報パケットは分離部219に
おいて、データ中の種類識別に従い番組情報、制御情報
と個別情報を分離される。このうち番組情報、制御情報
は多数決判定部221で多数決判定を行い、さらに誤り
訂正部223で誤り訂正を行った後に復号化部225に
入力される。また、個別情報は誤り訂正部229で誤り
訂正を行った後に復号化部233に入力される。
【0022】そして、番組情報と制御情報は復号化部2
25にて暗号キーKWを使用して暗号が復号化され、P
N初期値KSはPN発生器237,241へ入力され、
その他のデータは視聴可否判定部227へ与えられる。
また個別情報は復号化部233で暗号キーKMiを使用
して暗号が復号化された後、個別情報メモリ35にメモ
リされる。
【0023】視聴可否判定部227では番組情報と個別
情報メモリ235内のデータとを比較し、視聴可否判定
する。そして、この判定にしたがってデスクランブラ2
39、243はデスクランブル動作のON/OFFを行
う。すなわちデコーダのない非契約者や契約していても
個別情報の内容が番組と合わず視聴可否判定の結果が否
となったデコーダではデスクランブルできず視聴できな
いようになっている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上述した日本の有料衛
星放送方式の有料放送システムでは、前述のスクランブ
ルフラグb12、R#8、スクランブルタイミングT
S、関連情報パケットを多重した音声は、5.727272MHZ
の音声副搬送波を変調し、映像信号と周波数多重して伝
送される。ところが、CATV、マンション共聴による
受信などのケーブル伝送では、1チャンネルあたりの帯
域が狭くこの5.727272MHZ の音声副搬送波を伝送するこ
とができない。
【0025】このため、デコーダに対して必要なデータ
を伝送することができず、CATVやマンション共聴シ
ステムにおける有料衛星放送を受信し再変調してケーブ
ルに流すための中継器、いわゆるヘッドエンドでは、デ
スクランブル後の信号をケーブルに伝送したり、CAT
Vやマンション共聴システム用の別なスクランブルを新
たにかけて伝送するようにしている。
【0026】しかしながら、このようなCATVやマン
ション共聴システム用のスクランブルシステムでは、各
デコーダを管理する部分を各ヘッドエンドに設け、この
ヘッドエンドで各デコーダを管理するようにしているた
め、衛星から直接有料衛星放送を受信しているデコーダ
のように、放送局が個別情報や制御情報によって各デコ
ーダを直接管理することができない。そこで放送局はC
ATV局に管理を依託したり、マンション共聴用のヘッ
ドエンドを構成して各デコーダを管理しなければならな
い。
【0027】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、有料衛星放送をCATVやマンション共聴システム
で受信する場合であっても、放送局が個別情報や制御情
報により各デコーダを直接管理することができる有料放
送装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願第1の発明は、アンテナを介して受信される有料衛
星放送を接続されるケーブルに送出する中継装置におい
て、この有料衛星放送の音声信号をデスクランブルする
デスクランブル手段と、デスクランブルに係る信号等を
パケット化するパケット化手段と、このパケット化手段
でパケット化されたパケットを有料衛星放送の映像信号
の垂直ブランキング期間に多重し出力する第1の多重手
段と、この第1の多重手段で多重された映像信号と前記
音声信号とを周波数多重してケーブルに送出する第2の
多重手段とを有すること要旨とする。
【0029】また、本願第2の発明は、ケーブルを介し
て受信される有料衛星放送を復号して出力する復号装置
において、ケーブルを介して受信される有料衛星放送に
周波数多重される映像信号と音声信号とを分離する第1
の分離手段と、この第1の分離手段で分離された映像信
号から該映像信号の垂直ブランキング期間に多重される
パケットを分離する第2の分離手段と、この第2の分離
手段で分離されたパケットのデスクランブルに係る信号
等に基づいて映像信号をデスクランブルするデスクラン
ブル手段とを有することを要旨とする。
【0030】さらに、本願第3の発明は、中継装置と該
中継装置とケーブルを介して接続される復号装置とを有
し、中継装置のパケット化手段でパケット化されたスク
ランブルタイミング信号の復号装置における多数決判定
にあっては、該パケットの種類識別の誤りが少ないとき
には多数決のしきい値を下げ、種類識別の誤りが多いと
きは多数決のしきい値を上げることを要旨とする。
【0031】
【作用】本願第1の発明の中継装置は、パケット化手段
でパケット化されたデスクランブルに係る信号等を有料
衛星放送の映像信号の垂直ブランキング期間に多重し、
この多重された映像信号とデスクランブル手段でデスク
ランブルした音声信号とを周波数多重してケーブルに送
出する。したがって、中継装置では映像信号は受信した
ままの状態で再送信するため、新たにスクランブルする
必要はなく、また関連情報パケットをそのまま再送信す
るため放送局が各デコーダを直接管理することができ
る。
【0032】本願第2の発明の復号装置は、まずケーブ
ルを介して受信される有料衛星放送に周波数多重される
映像信号と音声信号とを分離する。つぎにこの分離され
た映像信号から該映像信号の垂直ブランキング期間に多
重されるパケットを分離する。さらに、このパケットの
デスクランブルに係る信号等に基づいて映像信号をデス
クランブルする。
【0033】本願第3の発明の有料放送装置は、ケーブ
ルを介して接続される中継装置と復号装置とを有し、中
継装置のパケット化手段でパケット化されたスクランブ
ルタイミング信号の復号装置における多数決判定の際
に、パケットの種類識別の際の誤りが少ないときには当
該多数決のしきい値を下げ、種類識別の誤りが多いとき
は当該多数決のしきい値を上げることにより、暗号化に
よるデータの片寄り対応する。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る一実施例
を説明する。
【0035】図1は、本発明に係る有料放送装置のヘッ
ドエンド1の構成を示したブロック図であり、図2は垂
直ブランキング期間多重に対応するデコーダ(以下、単
にVBI対応デコーダという)3の構成を示したブロッ
ク図である。
【0036】図1において、ヘッドエンド1は、映像信
号を分離しVBI多重化部51に該映像信号を供給する
分離部11と、この分離部11と接続され音声信号を分
離してデスクランブラ39に該音声信号を供給すると共
に、スクランブルタイミングTSを分離して多数決判定
部15に、スクランブルフラグb12、スクランブルフ
ラグR#8を分離して多数決判定部17に、番組情報、
制御情報、個別情報及びメッセージ情報からなる関連情
報を分離して分離部19にそれぞれ出力する分離部13
と、スクランブルタイミングTSを多数決し判定結果を
PN発生器37とパケット化部45にそれぞれ出力する
多数決判定部15と、スクランブルフラグb12、R#
8を多数決し判定結果をデスクランブラ39とパケット
化部45にそれぞれ出力する多数決判定部17と、個別
情報を分離して誤り訂正部29に、番組情報、制御情報
を分離して多数決判定部21にそれぞれ出力する分離部
19と、多数決判定部21で多数決し判定した結果を誤
りを訂正したのち復号化部25とバッファメモリ41に
出力する誤り訂正部23と、番組情報及び制御情報を復
号化し視聴可否判定部27に出力するとともにPN初期
値をPN発生器37に出力する復号化部25と、視聴の
可否を判定する、この判定結果をデスクランブラ39に
出力する視聴可否判定部27と、分離部19で分離され
た個別情報を得て誤りを訂正した後に復号化部33とバ
ッファメモリ43に出力する誤り訂正部29と、この誤
り訂正部29からの個別情報を暗号キーKMiメモリ3
1から読み出した暗号キーKMiを基に復号し個別情報
メモリ35に出力する復号化部33と、この復号化部3
3で復号化された個別情報を記憶、格納する個別情報メ
モリ35と、復号化部25から出力されたPN初期値を
基に擬似ランダムノイズを発生するPN発生器37と、
分離部13からの音声信号をデスクランブルして周波数
多重化部53に出力するデスクランブラ39と、誤り訂
正部23からの番組情報及び制御情報を一時格納するバ
ッファメモリ41と、誤り訂正部29からの個別情報を
一時格納するバッファメモリ43と、スクランブルフラ
グb12、スクランブルフラグR#8及びスクランブル
タイミングTS等をパケット化するパケット化部45
と、バッファメモリ41とバッファメモリ43からの番
組情報、個別情報及び制御情報とパケット化部45から
のパケット(以下、このパケットをTSパケットとい
う)とを時分割で多重化する時分割多重化部47と、こ
の出力信号にビット同期、バイト同期を付加するビット
同期、バイト同期付加部49と、この出力信号を分離部
11からの映像信号の垂直ブランキング期間に多重化す
るVBI多重化部51と、この出力信号をデスクランブ
ラ39でデスクランブルした音声信号に周波数多重化す
る周波数多重化部53によって構成される。
【0037】また、VBI対応デコーダ3は、デスクラ
ンブルされた音声信号を分離して出力する分離部61
と、前記ヘッドエンド1のVBI多重化部51でVBI
多重化された映像信号を分離してデスクランブラ89に
出力するVBI分離部63と、番組情報、個別情報及び
制御情報とスクランブルフラグb12、スクランブルフ
ラグR#8及びスクランブルタイミングTS等とを分離
する分離部65と、誤り訂正部67と、分離部69と、
暗号キーKMiメモリ71と、復号化部73と、個別情
報メモリ75と、復号化部77と、視聴可否判定部79
と、多数決判定部85と、PN発生器87と、VBI分
離部63からの映像信号を多数決判定部85からのスク
ランブルフラグとPN発生器87からの擬似ランダム
(PN)信号とを基にデスクランブルして出力するデス
クランブラ89によって構成される。
【0038】次に、本実施例におけるヘッドエンド1の
作用を図1を参照して説明する。
【0039】まず、図1に示すヘッドエンド1では、映
像、音声信号を分離部11で分離した後、分離部13で
さらに音声信号に多重したスクランブルフラグb12、
スクランブルフラグR#8、スクランブルタイミングT
S及び、関連情報をパケット化した関連情報パケットを
分離する。この分離したスクランブルタイミングTSは
多数決判定部15で、スクランブルフラグb12、スク
ランブルフラグR#8は多数決判定部17でそれぞれ多
数決判定を行った後、共にPN発生器37やデスクラン
ブラ39及びパケット化部45に入力される。
【0040】また、関連情報パケットは分離部19にお
いてデータ中の種類識別に従い番組情報、制御情報と個
別情報とを分離される。このうち、番組情報、制御情報
は多数決判定部21で多数決判定を行い、さらに誤り訂
正部23で誤り訂正をおこなった後に復号化部25に入
力される。また、個別情報は誤り訂正部29で誤り訂正
を行った後に復号化部33に入力される。
【0041】そして、番組情報と制御情報は復号化部2
5において、個別情報メモリ35に格納される暗号キー
KWを使用してその暗号が復号化される。またPN初期
値KSはPN発生器37へ入力され、その他のデータは
視聴可否判定部27へ与えられる。また個別情報は復号
化部33で暗号キーKMiを使用して暗号が復号化され
た後、個別情報メモリ35に記憶、格納される。
【0042】また、分離部13で分離された音声信号
は、デスクランブラ39でスクランブルフラグR#8、
スクランブルタイミングTSおよびPNに従ってデスク
ランブルされ、周波数多重化部53に入力される。
【0043】誤り訂正部23、29を出力される関連情
報パケットは垂直ブランキング期間(VBI)に多重す
るためにデータの一時保持、データレートの変換が必要
となるため、バッファメモリ41、バッファメモリ43
の2つのバッファメモリに記憶、格納され、このうち番
組情報と制御情報パケットはバッファメモリ41で記
憶、格納されたのち連送のため複数回同じデータが読み
出される。
【0044】この番組情報と制御情報パケット、個別情
報パケットとパケット化部45においてスクランブルタ
イミングTSとスクランブルフラグb12がパケット化
(以下このパケットをスクランブルタイミングTSパケ
ット)されたこのスクランブルタイミングTSパケット
は時分割多重化部47で多重され、ビット同期バイト同
期付加部46で文字多重放送と同様のビット同期、バイ
ト同期が付加される。
【0045】さらに、この信号はVBI多重化部51の
VBI多重器で、デスクランブルされない映像信号の垂
直ブランキング期間に文字多重放送と同様に多重され
る。
【0046】次に、伝送するパケットの詳細を説明す
る。文字多重放送の場合、テレビジョン文字多重放送に
関する郵政省令77号および告示803号によると、1
ラインで伝送できるデータのビット数はプレフィックス
も含めて272ビットであり、これにビット同期、バイ
ト同期も加えると296ビットである。関連情報パケッ
トはヘッダを除いたビット数がちょうど272ビットで
あり、この文字多重放送のパケット構成ならばちょうど
1ラインで伝送できる。
【0047】また、有料放送システムではこの272ビ
ットのデータのうち最初の8ビットが種類識別であり、
番組情報、制御情報、個別情報の識別に使用しており、
文字多重放送でも272ビットのデータのうち最初の8
ビットをサービス識別符号とよび送出モードの識別に使
用している。このように272ビットのデータのうち最
初の8ビットを種類識別としてパケットごとに異なるデ
ータを割り当てることによって、受信側でパケットの識
別をするようにしている点で有料放送と文字多重放送を
同様に扱い得る。
【0048】よって、関連情報パケットをVBI多重し
て伝送するために、関連情報パケットからヘッダを除い
た272ビットに、文字多重放送と同様のビット同期、
バイト同期を加えた後、映像信号に多重することによ
り、受信側では、文字多重放送用の信号処理ICが使用
可能となると共に、本実施例の実施によるコストアップ
を抑えることができる。
【0049】次に、この関連情報パケットをVBI多重
して伝送するために必要なライン数について説明する。
このライン数は、有料放送システムでは関連情報パケッ
トの伝送間隔は9msごととなっている。このため、パ
ケットの伝送容量は111パケット/sである。また、
スクランブルタイミングTSパケットの伝送は連送を考
慮しても1s当り(スクランブルタイミングTSの間隔
=1sとする)、せいぜい数パケットである。もし、毎
フィールドごと2ラインをこれら関連情報パケット、ス
クランブルタイミングTSパケットの伝送に使用する
と、120パケット/sの伝送容量があるため、十分伝
送可能である。
【0050】次に、スクランブルタイミングTS、スク
ランブルフラグb12をパケット化するパケット化部4
5の説明を行う。このパケット化部45では、272ビ
ットのデータ領域中の最初の8ビットで番組情報、制御
情報、個別情報と異なる種類識別、例えば「11111
111」を送り、残った264ビットでスクランブルタ
イミングTSとスクランブルフラグb12のデータを伝
送するものとする。このスクランブルタイミングTSパ
ケットの一例を図3及び図4に示す。なお、番組情報及
び制御情報の種類識別は「01111000」であり、
個別情報の種類識別は「10000111」である。
【0051】まず、図3はスクランブルタイミングTS
とスクランブルフラグb12それぞれ128ビットのデ
ータを伝送するものでスクランブルタイミングTSやス
クランブルフラグb12のデータはオール0あるいはオ
ール1であり、受信側でこのデータを多数決判定するも
のとする。この多数決判定とは、例えば128ビットの
データ中、所定ビット数以上のデータが0であれば0と
みなし、それ以下であれば1とみなす処理であり、例え
ばスクランブルタイミングTSは104ビット数以上の
データが1であればスクランブルタイミングTSとみな
し、スクランブルフラグb12は104ビット数以上の
データが1であればスクランブル、104ビット数以上
のデータが0であればノンスクランブルとする。
【0052】次に、図4はスクランブルタイミングTS
とスクランブルフラグb12それぞれ128ビットのデ
ータを伝送するもので、図3と同じであるが、スクラン
ブルタイミングTSとスクランブルフラグb12を例え
ば1ビットあるいは、それ以上、例えば7、8ビットご
とに区切り交互に伝送することによって、バースト状に
発生する伝送誤りに対してスクランブルタイミングTS
とスクランブルフラグb12の誤りが1/2になるよう
にした例である。
【0053】次に図2に示すVBI対応デコーダ3の説
明を行う。このVBI対応デコーダ3では、まず分離部
61にてFM多重された音声と映像信号を分離し、VB
I分離部63で映像信号の垂直ブランキング期間に多重
されたパケットが分離される。このVBI分離部63
に、文字多重放送受信用に開発された信号処理IC(波
形等化IC、同期分離IC、文字多重抽出ICなど)が
利用できる。そして、VBI分離部63で分離されたパ
ケットを分離部65において種類別によって関連情報パ
ケットとスクランブルタイミングTSパケットに分離す
る。
【0054】分離部65で分離されたスクランブルタイ
ミングTSパケットは多数決判定部85において多数決
判定され、スクランブルタイミングTSとスクランブル
フラグb12が抽出される。このスクランブルタイミン
グTSとスクランブルフラグb12はそれぞれPN発生
器28とデスクランブラ27へ入力される。
【0055】また、分離部65で分離された関連情報パ
ケットは誤り訂正回路26を通った後、分離部69で種
類識別により番組情報、制御情報と個別情報とに分離さ
れる。それ以降の処理は衛星による放送を受信する図6
のデコーダと同様である。
【0056】次に、関連情報パケット、スクランブルタ
イミングTSパケットの誤りに対する保護について詳細
に説明する。
【0057】有料放送システムでは関連情報パケット、
スクランブルタイミングTS、スクランブルフラグb1
2、スクランブルフラグR#8などが正しく受信できな
いとデスクランブル不可能になるため、伝送路で発生す
る誤り率を考慮した誤りに対する保護をおこなうことが
必要となる。
【0058】この伝送路で発生する誤り率について、昭
和60年7月のNHK技術月報の第3図に示されたデー
タの伝送速度とビット誤り率の例によると、テレビ画質
の評価が3以上となるような伝送路の状態であれば文字
多重放送と同じ伝送速度の5.73Mb/sではビット誤り率が
10-3程度は得られるとされている。
【0059】有料で放送を行うサービス限界はテレビ画
質の評価が3以上と考えられる。また、今回対象として
いるCATVやマンション共聴用の有料放送システムも
前記文献なデータ伝送方法である。このため、ビット誤
り率が10-3で関連情報パケットやスクランブルタイミ
ングTSパケットが正しく受信できるように誤りに対す
る保護を行えば、CATVやマンション共聴用の有料放
送システムもサービス可能と考えられる。
【0060】次に、誤りに対する保護の方法であるが、
これには同じパケットを連送する方法、誤り訂正符号を
付加し訂正する方法、同じデータを連送して(例えばオ
ール0あるいはオール1など)受信側でこのデータを多
数決判定する方法などがある。そこで、関連情報パケッ
トやスクランブルタイミングTSパケットに対し、以下
に示すような誤りに対する保護を行う。ただし、スクラ
ンブルタイミングTSパケットの種類識別は下記に示す
ものとしている。しかしながら、番組情報パケット、制
御情報パケットと符号間距離が4であれば他のデータで
も良い。また、スクランブルタイミングTSパケットの
伝送間隔は1sごととしている。
【0061】 関連情報パケット 番組情報パケット 種類識別=01111000 制御情報パケット 種類識別=01111000 個別情報パケット 種類識別=10000111 スクランブルタイミングTSパケット 種類識別=11111111 この関連情報パケットにおいては、番組情報、制御情報
パケットは垂直ブランキング期間の2ラインを使用し
て、の2fieldにわたり同じパケットを3連送する
こととした。また、番組情報パケットの種類識別の誤り
は2ビットエラーまで許すものとした。
【0062】すなわち、パケットの誤りを考える場合、
そのパケットを受信し損ねる確率=損失率と他のパケッ
トを誤って取り込んでしまう確率=誤検出率が上げられ
る。ビット誤り率が10-3のランダムエラー発生時に、
番組情報、制御情報パケットを3連送すれば、損失率と
誤検出率は次のようになり、十分低い。
【0063】まず損失率について示す。
【0064】 (1) 種類識別検出ミスになる3ビットエラー発生率 5.7×10-8 (2) SDSCエラー訂正不可能な9ビットエラー発生率 1.5×10-11 (1) (2) トータルの共通情報パケットの損失率 5.7×10-8 よって3連送すれば共通情報パケットの損失率は 1.7×10-22 なお、SDSCとは、有料放送システムで採用されてい
る(272、190)短縮化差集合巡回符号の略号であ
る。
【0065】次に、誤検出率について示す。
【0066】 TSパケットの種類識別(=11111111 )が誤って(2誤りして)共通情報パケ ットとみなされる確率 2.8×10-5 これはTSパケットを1sに2連送するとして5時間に
1度発生の頻度である。しかし、TSパケットの種類識
別が誤って(2誤りして)共通情報パケットとみなされ
ても図2の誤り訂正部67においてSDSCエラー訂正
不可能として落とされ、さらに図2の復号化部77にお
いて暗号復号の改ざん検出で落ちるため、とくに問題と
はならない。
【0067】また、TSパケットは、図3及び図4に示
すように、データ領域272ビット中で、 スクランブルタイミング(TS);(128ビット、オ
ール1) スクランブルフラグパケット(SF);(128ビッ
ト、オール0/1) とし、種類識別の誤りは3ビットエラーまで許すものと
し、また多数決の方法は104/128多数決とした。
このパケットを2連送する。
【0068】ビット誤り率が10-3のランダムエラー発
生時にスクランブルタイミングデータの損失率と誤検出
率は次のようになる。なお、スクランブルフラグパケッ
トデータの損失率と誤検出率も同様に考えられる。
【0069】まず、損失率について示す。
【0070】 (1) 種類識別検出ミスになる4ビットエラー発生率 1.0×10-10 (2) 多数決エラーになる24ビットエラー発生率 5.4×10-47 (1) (2) トータルのTSパケットの損失率 1.0×10-10 よって2連送すればTSパケットの損失率 1.0×10-20 となる。
【0071】次に、誤検出率について示す。
【0072】逆に共通情報パケット種類識別が誤って
(1誤りして)、TSパケットとみなされ、さらに多数
決もOKになってしまう確率は、共通情報パケットの1
28ビット中に1と0の片寄りがある場合である。
【0073】しかし、共通情報パケットは暗号化されて
おりデータ中に1と0の片寄りがないはずであるが、仮
に88:40程度の片寄りがあるものとしても (1) 種類識別1ビットエラー発生率 7.9×10-3 (2) 多数決により誤検出する16ビットエラー発生率 7.4×10-29 (1) (2) トータルのTSデータの誤検出率 7.1×10-31 よって2連送したときのTSデータの誤検出率は 1.4×10-30 となる(ただし、TSはスクランブルタイミング)。
【0074】次に、多数決判定の他の実施例について説
明する。上述した実施例は、暗号化によってデータ中の
1と0の片寄りが無い場合を想定し、仮に片寄りがあっ
ても88:40程度とした場合について説明したもので
ある。本実施例では、片寄り量が大である場合について
説明する。すなわち、もっと片寄りがある暗号方式の場
合には、以下のように種類識別の誤りに応じて多数決方
法を変える。
【0075】 種類識別が0、1ビットエラー発生時:104/128
多数決 種類識別が2、3ビットエラー発生時:112/128
多数決 すなわち、種類識別コードでのエラーが0若しくは1ビ
ットであるときには、そのしきい値を128ビット中1
04ビットとして、パケットが共通情報パケットである
確率が低い場合は、多数決のしきい値を下げ、また種類
識別コードでのエラーが2若しくは3ビットであるとき
には、そのしきい値を128ビット中112ビットとし
て、そのパケットが共通情報パケットである確率が高い
場合には、多数決のしきい値を上げるという方法であ
る。
【0076】以上説明したように上記各実施例ではヘッ
ドエンドで音声信号のみデスクランブルし、映像信号は
そのまま流すため、新たな映像スクランブラは不要であ
り、また関連情報パケットをそのまま再送信するため放
送局が各デコーダを直接管理することができる。
【0077】また、スクランブルタイミングTS、スク
ランブルフラグb12をパケット化するため、関連情報
パケットと同じ映像ラインで時分割伝送でき、わずか2
ラインをこのシステム用に使用するだけで良く、垂直ブ
ランキング期間を有効に利用できる。
【0078】さらに、暗号化した関連情報パケットのデ
ータ中に1と0の片寄りがある場合でも種類識別の誤り
に応じて多数決方法を変えることにより有料衛星放送を
CATVやマンション共聴システムで受信することが可
能となる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明の有料放送装
置は、デスクランブルに係る信号等をパケット化して、
このパケットを有料衛星放送の映像信号の垂直ブランキ
ング期間に多重してケーブルに送出するようにしたの
で、有料衛星放送をCATVのケーブルであってもデス
クランブルに係る信号等をデコーダに送出することがで
き、そのため有料衛星放送をCATVやマンション共聴
システムで受信する場合であっても、放送局が個別情報
や制御情報により各デコーダを直接管理することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例のヘッドエンドの概略の
構成を示すブロック図である。
【図2】図1に対応するVBI対応デコーダの一実施例
の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に対応するスクランブルタイミングTSパ
ケットの構成の一例を示す図である。
【図4】図1に対応するスクランブルタイミングTSパ
ケットの構成の一例を示す図である。
【図5】有料衛星放送の送信器の概略の構成を示すブロ
ック図である。
【図6】有料衛星放送のデコーダの概略の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 ヘッドエンド 3 VBI対応デコーダ 11 分離部 13 分離部 15 多数決判定部 17 多数決判定部 19 分離部 21 多数決判定部 23 誤り訂正部 25 復号化部 27 視聴可否判定部 29 誤り訂正部 31 暗号キーKMiメモリ 33 復号化部 35 個別情報メモリ 37 PN発生器 39 デスクランブラ 41 バッファメモリ 43 バッファメモリ 45 パケット化部 47 時分割多重化部 49 ビット同期、バイト同期付加部 51 VBI多重化部 53 周波数多重化部 61 分離部 63 VBI分離部 65 分離部 67 誤り訂正部 69 分離部 71 暗号キーKMiメモリ 73 復号化部 75 個別情報メモリ 77 復号化部 79 視聴可否判定部 85 多数決判定部 87 PN発生器 89 デスクランブラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナを介して受信される有料衛星放
    送を接続されるケーブルに送出する中継装置において、 この有料衛星放送の音声信号をデスクランブルするデス
    クランブル手段と、 デスクランブルに係る信号等をパケット化するパケット
    化手段と、 このパケット化手段でパケット化されたパケットを有料
    衛星放送の映像信号の垂直ブランキング期間に多重し出
    力する第1の多重手段と、 この第1の多重手段で多重された映像信号と前記音声信
    号とを周波数多重してケーブルに送出する第2の多重手
    段とを有することを特徴とする中継装置。
  2. 【請求項2】 ケーブルを介して受信される有料衛星放
    送を復号して出力する復号装置において、 ケーブルを介して受信される有料衛星放送に周波数多重
    される映像信号と音声信号とを分離する第1の分離手段
    と、 この第1の分離手段で分離された映像信号から該映像信
    号の垂直ブランキング期間に多重されるパケットを分離
    する第2の分離手段と、 この第2の分離手段で分離されたパケットのデスクラン
    ブルに係る信号等に基づいて映像信号をデスクランブル
    するデスクランブル手段とを有することを特徴とする復
    号装置。
  3. 【請求項3】 中継装置と該中継装置とケーブルを介し
    て接続される復号装置とを有し、中継装置のパケット化
    手段でパケット化されたスクランブルタイミング信号の
    復号装置における多数決判定にあっては、該パケットの
    種類識別の誤りが少ないときには多数決のしきい値を下
    げ、種類識別の誤りが多いときは多数決のしきい値を上
    げることを特徴とする有料放送装置。
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