JPH05281158A - アクティブ中性子法による廃棄物ドラム缶内容物の同定法 - Google Patents

アクティブ中性子法による廃棄物ドラム缶内容物の同定法

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JPH05281158A
JPH05281158A JP4037259A JP3725992A JPH05281158A JP H05281158 A JPH05281158 A JP H05281158A JP 4037259 A JP4037259 A JP 4037259A JP 3725992 A JP3725992 A JP 3725992A JP H05281158 A JPH05281158 A JP H05281158A
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Yoshiro Suzuoki
善郎 鈴置
Hiroichi Suwa
博一 諏訪
Yasumi Endo
保美 遠藤
Toru Tateno
徹 舘野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドラム缶中の放射性廃棄物の種類を非破壊に
て判別できる廃棄物ドラム缶内容物の同定法を提供す
る。 【構成】 アクティブ中性子法により被検査体である廃
棄物ドラム缶3にパルス状中性子発生源1より発生した
高速中性子を照射し,該廃棄物ドラム缶3を収納する分
析容器2の壁を構成する中性子減速材(例えば黒鉛)お
よび廃棄物ドラム缶中の中性子減速材等により減速さ
せ,減速された中性子束を分析容器壁表面から内部の種
々の距離に配置した熱中性子検出器4で計測する。ま
た,廃棄物の重量は秤6にて計測する。そして,廃棄物
ドラム缶中の内容物の同定は,同一の高速中性子照射条
件下にて予め求めた廃棄物種別・重量別の分析容器壁内
の熱中性子計数率と各検出器間の熱中性子計数率比を表
わす表(例えば図3)を用いて前記計測値との比較によ
り判定(同定)する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,放射性廃棄物を収容
した,いわゆる廃棄物ドラム缶の内容物を非破壊にて識
別する(内容物を同定する)方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,廃棄物ドラム缶中における内容物
の種類確認は,廃棄物をドラム缶に収容する際の記録に
よるか,廃棄物ドラム缶を開放するか,あるいは,分析
容器内に配置したパルス状中性子発生源より発生した高
速中性子が中性子減速材により減速されて生ずる分析容
器内の熱中性子束強度を測定する(例えば,特開平2−
23835号)ことによって行われた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような方法によ
り廃棄物ドラム缶中の内容物の種類の確認を行う場合,
記録による確認では誤記,取違い,記録の紛失等のトラ
ブルを生じる可能性があり,また,廃棄物ドラム缶を開
放する破壊検査を行った場合は,事後の除染作業から生
ずる新たな廃棄物とそれを処理するための作業量の増加
を招く。また,分析容器内の熱中性子束強度を測定して
行う場合,強度のわずかな変化が内容物の種類の大幅な
変化に対応することになり易く,同定性が悪い。
【0004】この発明は,このような事情に鑑みてなさ
れたものであり,廃棄物ドラム缶中の内容物の種類を非
破壊で精度よく判別する方法を提供することを目的とし
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め,この発明では,核燃料サイクル施設より生ずる廃棄
物の種類を判別するに際して,アクティブ中性子法によ
り,被検査体である廃棄物ドラム缶へパルス状中性子発
生源より発生した高速中性子を照射し,該廃棄物ドラム
缶を収納する分析容器の壁を構成する中性子減速材およ
び廃棄物ドラム缶中の中性子減速材等により減速させ
る。減速された中性子束を分析容器壁表面から内部の種
々の距離に配置した熱中性子検出器で計測する。
【0006】このようなアクティブ中性子法により廃棄
物ドラム缶中の種類を非破壊の状態で判別するものであ
る。
【0007】
【作用】この発明のアクティブ中性子法による廃棄物ド
ラム缶中の内容物の同定法は,同一の中性子発生条件の
ときには分析装置内部および分析容器壁内部の中性子の
エネルギ−スペクトルと廃棄物ドラム缶中の内容物の種
類との間には密接な関係があることを利用して,壁表面
から内部の種々の距離に配置した熱中性子検出器の熱中
性子計数率の計測結果と廃棄物ドラム缶中の内容物の重
量とによりそのドラム缶中の内容物を同定する。
【0008】
【実施例】図1は,この発明において使用する装置の概
略図であり,1は中性子発生器(中性子発生管)でパル
ス状に高速中性子を発生する。2は分析容器で中性子減
速材(例えば,黒鉛)により作られ,中性子発生器1の
周囲を取り巻いており,中性子発生器1からの高速中性
子を減速することにより前記容器内に配置される廃棄物
ドラム缶3に減速中性子が照射される。4は熱中性子検
出器で,分析容器2の壁表面から種々の距離に配置さ
れ,更に,5は水ジャケットのような中性子の遮蔽体で
あるが,これは装置周辺の放射線防護のために設けられ
る生体遮蔽であり,必要に応じて設けられるものであ
る。6は秤を備えた廃棄物ドラム缶置台である。
【0009】廃棄物ドラム缶3中の内容物の同定は,上
記のような装置を用いて行われる。先ず,中性子発生器
1を作動して高速中性子を発生する。発生した高速中性
子は分析容器2の黒鉛減速材および廃棄物ドラム缶3中
の廃棄物に含まれる減速材によって減速され,熱中性子
と熱外中性子を主体とする中性子のエネルギ−・スペク
トルが形成される。これらの中性子の量を分析容器2の
壁表面から種々の距離に設置されている熱中性子検出器
4により計測し,各検出器の計数率と各検出器間の計数
率の比を求める。と同時に廃棄物ドラム缶3の重量をド
ラム缶置台6の秤により測定し,ドラム缶の自重を差引
いて内容物の重量を算出する。内容物の重量および熱中
性子計数率と各検出器間の熱中性子計数率比の計測結果
を,予め取得しているデ−タ(図3参照)と比較するこ
とにより,内容物の重量が同一の場合は,熱中性子計数
率および各検出器間の熱中性子計数率比より,また,同
一の熱中性子計数率および熱中性子計数率比の場合は,
内容物の重量より廃棄物の種類を判定できる。
【0010】尚,図3は,廃棄物ドラム缶3中の内容物
の種類・重量と分析容器2の壁内の熱中性子計数率およ
び各検出器間の熱中性子計数率との比との関係(高速中
性子照射条件:1×108 n/秒)を示しており,同図
から分かるように,内容物の重量が同一の場合はその種
類により熱中性子計数率は異なっている。また,同一の
内容物でも分析容器壁内の検出器の位置によって熱中性
子計数率は異なっている。鉄パイプと塩化ビニ−ルとは
分析容器内の熱中性子計数率では同定が困難であるが,
図3から明らかなように,分析容器壁内の熱中性子計数
率と分析容器壁内の各検出器間の熱中性子計数率の比か
ら同定できる。
【0011】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように,この発
明によれば廃棄物ドラム缶中の内容物を非破壊で判別
(同定)することができ,廃棄物ドラム缶中の廃棄物の
種類に関する記録を再確認することができる。また,記
録等によっては内容物の種類が不明な廃棄物ドラム缶に
対してもその内容物の種類を把握することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する装置の説明図である。
【図2】分析容器壁内に配置された熱中性子検出器の配
置例を示す図であり,図1におけるA−A部断面を示す
図である。
【図3】廃棄物ドラム缶中の内容物の種類・重量と分析
容器の壁内の熱中性子計数率と壁内各検出器間の熱中性
子計数率との比との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 中性子発生器 2 分析容器 3 廃棄物ドラム缶 4 熱中性子検出器 5 遮蔽体 6 廃棄物ドラム缶置台(秤)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舘野 徹 東京都港区芝公園2−4−1 三菱原子力 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減速材から成る分析容器内に中性子発生
    器および廃棄物ドラム缶を配置し,また,前記分析容器
    壁内に熱中性子検出器を配置し,前記中性子発生器にて
    高速中性子を発生させ,これを減速して前記廃棄物ドラ
    ム缶に照射するとともに, a.前記熱中性子検出器にて前記分析容器壁内の熱中性
    子計数率を計測するステップ, b.前記廃棄物ドラム缶の内容物の重量を求めるステッ
    プ, c.前記aステップと同一の高速中性子照射条件下にて
    予め求めた廃棄物種別・重量別の分析容器壁内の熱中性
    子計数率を用い,前記ステップaにて計測した熱中性子
    計数率,および前記ステップbにて計測した廃棄物重量
    からその内容物を判定するステップ,とを包含するアク
    ティブ中性子法による廃棄物ドラム缶内容物の同定法。
  2. 【請求項2】 前記熱中性子検出器は,壁表面から種々
    の深さの位置に複数配置されており,壁表面からの深さ
    が相互に異なることにより熱外中性子に対するエネルギ
    ー感度がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1記載
    のアクティブ中性子法による廃棄物ドラム缶内容物の同
    定法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998055883A1 (fr) * 1997-06-06 1998-12-10 Commissariat A L'energie Atomique Procede et dispositif de mesure de la proportion relative de plutonium et d'uranium dans un corps
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CN103454669A (zh) * 2012-05-28 2013-12-18 中国原子能科学研究院 桶装核废物中子测量装置的刻度方法

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