JP3845685B2 - 放射性廃棄物固体内の核分裂性物質量の非破壊的測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プルトニウム等の核分裂性物質を含有する廃棄物を処分するに当たり、非破壊的方法によって、廃棄物に内蔵される核分裂物質の含有量を測定することに関する。
【0002】
特に、本発明は、本出願人が先に出願した、高速中性子が放射性廃棄物固体中で散乱し減速して熱中性子化し、その近傍に存在する核分裂性物質を核分裂させたときに発生する核分裂中性子を選択的に弁別測定することを特徴とする放射性廃棄物固体内の核分裂性物質の非破壊測定法及び装置(特開平11−64528号公報)に関して、この測定の感度を更に向上させ、位置感度差を極小とするための測定体系に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
廃棄物固体内の核分裂性物質の量を非破壊的測定法によって測定検出する方法として、従来、アクティブ中性子法(中性子問い掛け法)が知られている。この方法は、中性子発生用加速器から発生した14MeVの高速中性子を検出体系の中性子減速反射体のグラファイトに衝突させて熱中性子と化するまでに減速し、その減速した熱中性子を廃棄物に浸透させ、その廃棄物中の核分裂性核種に対して核分裂反応を誘発させ、その結果発生する核分裂中性子を測定検出することにより、廃棄物中の核種の含有量を測定する方法である。
【0004】
しかし、この方法では、測定対象の放射性廃棄物固体に浸透する中性子は周りのグラファイト減速体系で減速したエネルギーの低い中性子であるため、放射性廃棄物固体表面近傍の部分には良く浸透するが、中心部近傍の内部までには十分に浸透せず、したがって放射性廃棄物固体の中心部近傍に存在する核分裂性核種に対する検出感度が表面部近傍に存在するものに対する検出感度の100分の1以下になり、放射性廃棄物固体内に核分裂性核種が不均一に分布する場合には十分な核種の定量精度が得られないという問題があった。
【0005】
この問題の解決のため、特開平11−64528号公報がされており、その方法は、中性子発生管より放出された高速中性子が測定対象物である廃棄物固体中で散乱し減速して熱中性子化し、その熱中性子が当該廃棄物固体中の核分裂性物質を核分裂させたときに放出される核分裂中性子の計数成分を選択的に抽出してその成分の計数値総和を求め、その計数値総和を測定対象物である廃棄物固体中に内蔵されている核分裂性物質の総量を示す値とする方法である。
【0006】
この発明の基本となる考え方は、図1で示した従来のアクティブ中性子法の測定体系において、中性子検出器108が検出する中性子には、同図に示したように、中性子発生管104で発生した中性子105が放射性廃棄物固体101を取り囲んだグラファイト減速体102で減速されてから測定対象の放射性廃棄物固体内に106の経路で浸透していき、そこで核分裂性核種と衝突して核分裂反応を引き起こし、その結果生まれた核分裂中性子が中性子検出器108に到達した成分107と中性子発生管で発生した中性子の一部がグラファイト減速体で減速されることなく直接に中性子検出108に到達した成分109のほかに、図2に示すように中性子発生管104で発生した中性子の別の一部がグラファイト減速体で減速されることなく高いエネルギーをもった高速中性子のまま直接に測定対象の放射性廃棄物固体内に入り、その中で放射性廃棄物固体内の構成物質と111のように衝突、散乱を繰り返して減速し、そこで核分裂性核種と112のように衝突して核分裂反応を引き起こし、その結果放出された核分裂中性子が中性子検出108に到達した成分113が存在する。中性子検出器108が検出する中性子の計数測定データ301は、図3に示すように、計数成分107、109、113の指数関数の合成成分とする時間依存データとして得られる。この中から113の計数成分304を107の計数成分303と109の計数成分302から分離抽出し、その値から測定対象の放射性廃棄物固体内の核分裂性核種を定量決定するというものである。この場合の成分113は中性子発生管で発生した中性子の一部が高いエネルギーのまま直接に測定対象の放射性廃棄物固体に浸透して減速されて核分裂性核種と核分裂反応を起こした結果の成分である。
したがって、この核分裂反応は放射性廃棄物固体中心周辺部に存在する核分裂性核種においても十分に高い確率で起きる。
【0007】
むしろ、放射性廃棄物固体中心周辺部に存在する核分裂性核種の方が放射性廃棄物固体表面近傍に存在する核分裂性核種よりも高い確率で核分裂を起こす。
【0008】
この場合、表面近傍で発生した核分裂中性子は中心部近傍で発生した核分裂中性子よりも高い確率で中性子検出器108に検出されるので、結果として特開平11−64528号公報の手法により、測定対象の放射性廃棄物固体の表面近傍と中心部近傍に対して均等な検出感度を有することとなり、放射性廃棄物固体内に放射性核種が不均一に分布する場合においても精度良くその定量決定ができることとなり、従来のアクティブ中性子法の有していた問題、すなわち放射性廃棄物固体内に放射性核種か不均一に分布する場合においてその定量決定の精度が悪いという問題が特開平11−64528号公報の発明で解決できることとなった。
【0009】
ここで、測定体系に、グラファイトやポリエチレンなどの減速効果のある物質を使用すると、それらによる熱中性子が発生し、その熱中性子による核分裂が発生してしまい、特開平11−64528号公報によるターゲット計数成分の分離抽出を難しくさせているので、グラファイト中性子減速体を除去したあとのポリエチレン中性子反射体を中性子吸収物質入りポリエチレンとした測定体系を使用する、または、グラファイトの代替として中性子吸収遮蔽体である適当な厚さのコンクリートを設置する、とした。これによって、図3は図4に示すように、計数成分303が消えターゲット計数成分304と計数成分302のみとなり、分離抽出が精度良くできるようになった。
【0010】
しかし、この方法では、発生した中性子の一部しか役立っておらず、その殆どが、測定体系の吸収体に吸収され無駄になっている。中性子発生管からの中性子発生能力には、限界があるので発生した中性子を効果的に使うのが良く、これによって検出感度を上げることが課題となる。
【0011】
そこで、むしろ測定対象の放射性廃棄物固体を取り囲む測定体系は、14MeVの高速中性子に対して減速や吸収作用が少なく、熱中性子に対しては吸収作用が大きいものが適している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
放射性廃棄物固体内の核分裂性核種の量を非破壊的に定量測定するためのアクティブ中性子法の測定データ解析において、ターゲット計数成分図3の304の分離抽出を難しくさせているので、その計数成分の分離抽出を簡単にするため、特開平11−64528号公報において、グラファイト中性子減速体を除去したあとのポリエチレン中性子反射体を中性子吸収物質入りポリエチレンとした測定体系とした。しかし、この方法では、発生した中性子の一部しか役立っておらず、その殆どが、測定体系の吸収体に吸収され無駄になっている。したがって、この無駄になっている中性子発生管から発生した中性子を巧く生かす方法をとり、これによって検出感度を更に上昇させることが課題となる。
【0013】
すなわち、図5に示すように、中性子発生管より放出された高速中性子の中で、測定対象の放射性廃棄物固体内に直接進入することなく放射性廃棄物固体を取り囲む中性子吸収物質入りポリエチレンまたは中性子吸収遮蔽体201に進入した中性子503は、そこで減速されてから吸収されるようになっていた。そのため、中性子発生管から放出される中性子のうち、高速中性子のまま測定対象の放射性廃棄物固体内に進入する有効な中性子は中性子発生管から放出される全中性子の半分以下であった。これが測定対象の放射性廃棄物固体内に含まれる核分裂性放射性核種をどの程度の低い濃度レベルまでなら検出可能かの検出感度および検出限界を決定した。
【0014】
また、中性子発生管104a,b、中性子検出器108a,bおよび測定対象放射性廃棄物固体101の3者の位置関係は図6(前の検出体系内の検出器、中性子発生管、測定ドラム)に示したようになっていたため、測定対象の放射性廃棄物固体の測定において、中性子発生管および中性子検出器からみてそれらに対面する側の近傍に存在する放射性廃棄物固体内の核分裂性核種に対する検出感度がよく、反対側のそれに対する検出感度が低くなり、この位置関係が位置感度差を大きくして測定精度を悪くしているという問題が発生していた。
【0015】
この問題は核分裂性核種が不均一に含まれる場合の位置感度差が測定精度の限界を決定した。そのため、コンクリート固化放射性廃棄物の場合の例では、測定精度は±50%程度が限界であった。しかるに、将来の放射性廃棄物の処理処分においてはさらなる低レベルの定量と高い精度が要求されるので、より一層の高感度化と高精度化が必要とされている。本発明はかかる問題を解決するためのものである。
更に、廃棄物自体が中性子減速作用の無い廃棄体であって、その検出感度が非常に悪く、目的の低レベルの測定に向かない場合でも、本発明においては、核分裂性物質量の非破壊的測定を行うことができる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アクティブ中性子法で得られた測定データの解析において、中性子発生管より放出された高速中性子が測定対象物である廃棄物固体中で散乱し減速して熱中性子化し、その熱中性子が当該廃棄物固体中の核分裂性物質を核分裂させたときに放出される核分裂中性子の計数成分を選択的に抽出し、その成分の計数値総和を求め、その計数値総和を測定対象物である廃棄物固体中に内蔵されている核分裂性物質の総量を示す方法(特開平11−64528号公報)において、その計数成分の発生確率を増加させ、ターゲット計数成分の分離抽出を難しくさせているその他計数成分を減少または無くす、及びその計数成分の分離抽出を容易にする測定データを取得できる装置とする、ものである。
更に、特開平11−64528号公報の方法において、中性子発生管、検出器および廃棄物固体の配置位置関係により、位置検出感度差を更に縮小できる装置とする、ものである。
【0017】
即ち、本発明の「課題を解決するための手段(1)」においては、特開平11ー64528号公報の方法による検出装置の測定体系の構築材料として、高速中性子に対して減速・吸収効果の強い、中性子吸収物質入りポリエチレンを除去し、その代替として減速作用が無く高速中性子の反射作用の大きい、鉄あるいは鉄合金を設置する。これにより、測定対象である廃棄物固体内に中性子発生管から放出される高速中性子が直接浸入するだけでなく、測定体系で反射した高エネルギー中性子が加わり、特開平11ー64528号公報の方法による核分裂発生確率が増加することにより、測定感度が上昇する。
【0018】
本発明の他の「課題を解決するための手段(2)」においては、「課題を解決するための手段(1)」の放射性廃棄物固体内の核分裂性物質の非破壊測定装置において、測定対象の放射性廃棄物固体の周りを取り囲む高速中性子反射体を鉛で構成する。
【0019】
本発明の他の「課題を解決するための手段(3)」においては、「課題を解決するための手段(1)」の放射性廃棄物固体内の核分裂性物質の非破壊測定装置において、測定対象の放射性廃棄物固体の周りを取り囲む高速中性子反射体をジルコニウム合金で構成する。
【0020】
本発明の他の「課題を解決するための手段(4)」においては、「課題を解決するための手段(1)」の放射性廃棄物固体内の核分裂性物質の非破壊測定装置において、高速中性子を減速するものは、基本的には測定対象である廃棄物固体であるが、その他の減速作用が皆無ではなく、この熱中性子による検出限界に対する悪影響を完全に遮断するため、測定対象の放射性廃棄物固体の周りを取り囲む鉄などの高速中性子反射体の内側に熱中性子吸収体であるカドミウム板及び/又はホウ酸を設置する。
【0021】
本発明の他の「課題を解決するための手段(5)」においては、特開平11−64528号公報の方法における非破壊測定装置において、位置感度差を更に縮小する測定体系内配置位置は、測定対象の放射性廃棄物固体を中性子検出器と中性子発生管で挟むように配置する。即ち、中性子発生管から見た時に測定対象の放射性廃棄物固体の後側(反対側)に検出器を配置する。
【0022】
本発明の他の「課題を解決するための手段(6)」においては、漏洩中性子を低減させるため測定体系の高速中性子反射体(鉄など)の外側に、熱中性子吸収物質入りポリエチレンとした測定体系を使用する。
本発明の他の「課題を解決するための手段(7)」においては、廃棄物自体に減速作用がない場合には、核分裂反応を引き起こすのに十分な熱中性子の発生がないので、廃棄物ドラムを近接包囲するように付加モデレーターを設置することにより、中性子発生管からの高エネルギー中性子を熱中性子まで減速する。
【0023 】
【発明の実施の形態】
本発明は、特開平11−64528号公報において、その検出感度を向上させ、また、位置感度差を更に小さくしようとするものである。
特開平11−64528号公報では、図7に示すように、アクティブ中性子法の測定体系において、中性子発生管より放出された高速中性子が直接測定対象物である放射性廃棄物固体を内蔵するドラム缶101に侵入し、たとえば経路111を通りながら廃棄物固体内で散乱し減速して熱中性子化し、その熱中性子が当該廃棄物固体中の核分裂性物質の原子核114に衝突して核分裂させたときに放出される核分裂中性子がたとえば経路115を通って3He検出器108に検出されるという経路が存在するので、このような経路を通って検出された廃棄物固体内で熱中性子化し廃棄物固体中の核分裂性物質を核分裂させたときに放出される核分裂中性子の計数成分を計測データの中から選択的に抽出してその成分の計数値総和を求める方法である。
【0024】
この値、即ち特開平11−64528号公報の方法によって得られた計数成分の総和は、減速熱中性子を使う従来のアクティブ中性子法で得られた図8に示した計数値総和に比べて、図9に示されるとおりトラム缶内半径方向位置における位置依存性が大幅に縮小され、従来方法における核分裂発生割合の大きな位置依存性による核分裂性物質の定量精度及びその信頼性を悪化するという課題を解決する。その理由は、当発明で計数する中性子は、中性子発生管から放出された高速中性子が直接に測定対象物の放射性廃棄物固体に侵入して引き起こした核分裂によるものであり、またこの侵入する中性子は、従来の放射性廃棄物固体の外側で減速して熱中性子となってから侵入する中性子に比べて、被測定対象物である廃棄物固体内のより中心部まで容易に到達し得る中性子である。
【0025】
また、特開平11−64528号公報における発明においては、図10(a)に示すように、アクティブ中性子法において得られた測定データ301より、中性子発生管から放出された高速中性子の計数成分が廃棄物固体内の核分裂に寄与することなく検出されて計数された計数成分302と、バックグラウンド計数成分305と、中性子発生管から放出された高速中性子が中性子減速反射体系内で減速され熱中性子となって測定対象物の廃棄物固体内に侵入して廃棄物固体内の核分裂性物質を核分裂させて放出された核分裂中性子の計数成分303とを取り除き、同図(b)に示すように残された成分801を得て、この計数データ801を中性子発生管より放出された高速中性子が測定対象物である廃棄物固体中で散乱し減速して熱中性子化しその熱中性子が当該廃棄物固体中の核分裂性物質を核分裂させたときに放出される核分裂中性子の計数成分を分離抽出して評価する方法とする、としている。
【0026】
本発明は、特開平11−64528号公報による高速中性子を測定対象廃棄物に打込み、廃棄物マトリックス自身の中性子減速作用を利用して効率よく内部の核分裂性物質を測定するという手法は基本的に変わっていないが、測定装置の検出体系の構造材を最適なものとすることで検出感度を更に向上させ、また検出器を巧く配置することで、位置依存差をより縮小した測定ができるとした点である。
すなわち、測定装置の減速反射体1000を減速材であるグラファイトを取り除き、ボロン入りポリエチレン等の減速吸収材で構築するとした特開平11−64528号公報においては、図11に示したように中性子発生管104から放出された高速中性子は、経路503を経て発生する熱中性子による核分裂は無くなり、直接ドラム缶に浸入する経路111のみとなるのでターゲット成分の分離抽出が容易になり、解析精度が高くなる。
【0027】
しかし、経路503を経た中性子は、その殆どが体系によって吸収されてしまい、無駄になっている。そこで、図12の様に高速中性子に対し、減速吸収体系1001を減速効果が殆ど無く、反射効果の強い物質を採用することにより、中性子発生管104から放出された高速中性子は、経路111のほか、そのエネルギーを落すことなく経路203を経て、測定固化廃棄体に浸入させることで、特開平11−64528号公報の基本手法である固化廃棄体内部での自己減速作用を利用できるので、経路203の寄与による検出感度の向上が見こめる。
【0028】
本発明における他の発明として、位置依存差をより縮小する方法として、図13に示すように、測定対象の廃棄物固体101を検出器108と中性子発生管104a,bで挟むように対面配置する。これは、位置による核分裂発生数と位置による検出効率の相反する効果を利用するのである。核分裂発生数は、図14のように中性子発生管に近い方向の−10cmのところが最大となり、離れるほど少なくなり、逆に、位置検出効率は、図15のように中性子発生管から離れるほど、すなわち、反対側に設置した検出器に近づくほど高くなる。検出される核分裂中性子は、各位置で発生した発生した核分裂中性子数とその位置での検出効率の積であるから、図13のように対面配置すれば、図16に示すように位置感度差は大きく緩和される。
また、回転測定した場合、核分裂発生数は中心部付近が高く、ドラム中心軸を対象とした図17に示すような傾向となる。一方、検出効率は図18に示すように、中心部が最も低く、外側にほどその値は高くなる。したがって、核分裂中性子計数値は、相殺効果により、図19に示すように、位置感度差が殆ど無い値として得ることができる。
本発明における他の発明として、金属のみの廃棄物など、自己減速作用が無い廃棄物の核分裂核種を効率よく測定する方法として、図28に示すように、測定対象の廃棄物個体101を近接包囲するモデレーター2001を付加する。これは、中性子発生管104a及び104bからの高速中性子を測定体の極近くで核分裂反応断面積の大きい熱中性子に変換するためである。この作用の測定感度に対する効果はない場合に比べ飛躍的に大きくなる。これは、付加モデレーターを通過することにより熱中性子化が進むことに加え、付加モデレーターの内側に入り込んだ中性子は、モデレータ−内壁での反射、減速が繰り返されるため、熱中性子より高いエネルギーの中性子も効率よく熱中性子に変換し、付加モデレーターの内側の熱中性子密度が上昇することになり、その結果、核分裂発生確率が増大することになる。この作用は、検出感度を飛躍的に上昇させることにつながる。
なお、従来法の測定体系でも減速作用により熱中性子が発生するものの、その熱中性子が検出器バンクにより吸収されてしまうこと及び高速中性子の反射が非常に少ないことが原因で、モデレーターを付加した時のように飛躍的な感度上昇が見込めない。もし、このような付加モデレーターを従来法の測定体系に設置したとすれば、測定体系の減速作用で発生した熱中性子を吸収してしまう作用が起こり、逆に検出感度を下げてしまう結果となる。
【0029】
【実施例】
(実施例1)
図20は「課題を解決するための手段(1)及び(4)」を実行し、その有効性を確認するためのモンテカルロシミュレーション計算体系の1例であり、図11に示したアクティブ中性子法の測定体系モデルの測定空間を囲む壁の材料を鉄(Fe)として、2本の中性子発生管と28本のHe−3検出器を設置し、それらの間に測定対象固化廃棄体を置く。
モンテカルロシミュレーション計算では、特開平11−64528号公報の測定実験と同じく、測定対象の放射性廃棄物に含まれる核分裂性物質を模擬したプルトニウム線源1201をコンクリートの充填されたドラム缶202の中を、その中心1203から表面部まで2.5cm間隔で移動した。その各位置において、中性子発生管104a及び104bから14MeVの高速中性子を約2千万粒子発生させ、全He−3検出器に検出される中性子を時間依存機能を持たせた計算を行い、実験値と全く同じ形式の時間依存計算データを得た。
【0030】
得られた計算データの実例として、測定空間を囲む壁の材料グラファイトから鉄(Fe)に置き換え、プルトニウム線源1201をコンクリートの充填されたドラム缶202の中心1203に置いたときの測定シミュレーション計算データを図21に示す。この計算データ1300では、図4で説明したごとく、中性子発生管から放出された高速中性子が廃棄物固体内の核分裂に寄与することなく検出されて計数された計数成分1301と、中性子発生管から放出された高速中性子が固化廃棄物体に直接浸入してそのマトリックスの減速作用によってもたらされた熱中性子との核分裂反応による核分裂中性子1302が検出されるのみで、この計数成分の分離抽出を難しくさせていた中性子発生管から放出された高速中性子が中性子減速反射体系内で減速され熱中性子となって測定対象物の廃棄物固体内に侵入して廃棄物固体内の核分裂性物質を核分裂させて放出された核分裂中性子の計数成分1303の核反応を消すことができる。
【0031】
すなわち、本発明は、アクティブ中性子法で得られた測定データの解析において、中性子発生管より放出された高速中性子が測定対象物である廃棄物固体中で散乱し減速して熱中性子化し、その熱中性子が当該廃棄物固体中の核分裂性物質を核分裂させたときに放出される核分裂中性子の計数成分を選択的に抽出し、その成分の計数値総和を求め、その計数値総和を測定対象物である廃棄物固体中の内蔵されている核分裂性物質の総量を示す方法(特開平11−64528号公報)において、その計数成分の発生確率を増加させ、ターゲット計数成分の分離抽出を難しくさせているその他計数成分を減少または無くす、及びその計数成分の分離抽出を容易にする測定データを取得できる装置とする、ものである。
更に、特開平11−64528号公報の方法において、中性子発生管、検出器及び廃棄物固体の配置位置関係により、位置検出感度差を更に縮小できる装置となる。
【0032】
すなわち、本発明の「課題を解決するための手段(1)」においては、特開平11−64528号公報の方法による検出装置の測定体系の構築材料として、高速中性子に対して減速・吸収効果の強い、中性子吸収物質入りポリエチレンを除去し、その代替として減速作用が無く高速中性子の反射作用の大きい、鉄あるいは鉄合金を設置する。これにより、測定対象である廃棄物固体内に中性子発生器から放出される高速中性子が直接浸入するだけでなく、測定体系で反射した高エネルギー中性子が加わり、特開平11−64528号公報の方法による核分裂発生確率が増加することにより、測定感度が大幅に上昇する。
【0033】
本発明による検出感度と特開平11−64528号公報の方法による径方向の検出感度とを比較してみると図22のようになる。本発明で得られた値図22の1401と特開平11−64528号公報の方法での値同図の1402がコンクリートドラム径方向において中心部が最も改良され、その感度は2倍ほど大きくなる。また、特開平11−64528号公報の方法における位置感度差縮小は1402に示すように最大±50%が限界であったが、本発明における核分裂性物質の位置感度差は、1401に示すように最大±10%に改良される。
【0034】
(実施例2)
本発明の他の「課題を解決するための手段(2)においては、「課題を解決するための手段(1)」の放射性廃棄物固体内の核分裂性物質の非破壊測定装置において、測定対象の放射性廃棄物固体の周りを取り囲む高速中性子反射体を鉛及びその合金で構成する。
図23は「課題を解決するための手段(2)」(鉛を使ったもの)の実施例である。アクティブ中性子法の測定体系の中性子減速反射体系よりグラファイトやポリエチレンまたは、ボロン入りポリエチレンの中性子減速体102を除去し、鉛或いはその合金で構成した反射体1102で被測定ドラム缶101及び中性子発生管104a,b、及びHe−3検出器108a,bを囲む。高速中性子に対し減速作用が極めて小さいので、本発明で不要なものとして除去するところの当該廃棄物固体の外部から熱中性子となって侵入して核分裂を起こすことによる中性子計数成分が激減する。その結果、本発明で必要とする放射性廃棄物固体内で散乱減速して熱中性子となって測定対象の廃棄物固体内の核分裂性物質を核分裂させたときの核分裂中性子計数成分が測定データの中の主要成分となって高い感度で精度良く測定できる。
【0035】
(実施例3)
本発明の他の「課題を解決するための手段(3)」においては、「課題を解決するための手段(1)」の放射性廃棄物固体内の核分裂性物質の非破壊測定装置において、測定対象の放射性廃棄物固体の周りを取り囲む高速中性子反射体をジルコニウム合金で構成する。
図24は「課題を解決するための手段(3)」(ジルコニウムを使ったもの)の実施例である。被測定ドラム缶101、中性発生管104a,b、及び3He検出器108a,bを、ジルコニウム或いはその合金で構成した反射体1103で囲んでいる。ジルコニウム或いはその合金は、鉄や鉛と同じく高速中性子に対して反射が大きいが、高速中性子に対し減速作用が極めて小さいので、本発明で不要なものとして除去するところの当該廃棄物固体の外部から熱中性子となって侵入して核分裂を起こすことによる中性子計数成分が激減する。その結果、本発明で必要とする放射性廃棄物固体内で散乱減速して熱中性子となって測定対象の廃棄物固体内の核分裂性物質を核分裂させたときの核分裂中性子計数成分が測定データの中の主要成分となって高い感度で精度良く測定できる。
【0036】
(実施例4)
本発明の他の「課題を解決するための手段(4)」においては、「課題を解決するための手段(1)」の放射性廃棄物固体内の核分裂性物質の非破壊測定装置において、高速中性子を減速するものは、基本的には測定対象である廃棄物固体であるが、その他の減速作用が皆無ではなく、この熱中性子による検出限界に対する悪影響を完全に遮断するため、測定対象の放射性廃棄物固体の周りを取り囲む鉄などの高速中性子反射体の内側に熱中性子吸収体であるカドミウム板を設置する。
図25は「課題を解決するための手段(4)」(カドミウムを内張りしたもの)の実施例である。被測定ドラム缶101、中性発生管104a,b、及びHe−3検出器108a,bを、鉄、鉛、その合金、ジルコニウムやその合金で構成した反射体で囲んでいるが、それらによる中性子減速作用は皆無ではない。そのため、反射体系の内壁にカドミウム板1104を設置し熱中性子を消去すると、本発明で不要なものとして除去するところの当該廃棄物固体の外部から熱中性子となって侵入して核分裂を起こすことによる中性子計数成分が消去されると、本発明で必要とする放射性廃棄物固体内で散乱減速して熱中性子となって測定対象の廃棄物固体内の核分裂性物質を核分裂させたときの核分裂中性子計数成分が測定データの中の主要成分となって得られ更に精度良く測定できる。
【0037】
(実施例5)
本発明の他の「課題を解決するための手段(5)」においては、特開平11−64528号公報の方法における非破壊測定装置において、位置感度差を更に縮小する測定体系内配置位置は、測定対象の放射性廃棄物固体を中性子検出器と中性子発生管で挟むように配置する。即ち、中性子発生管から見た時に測定対象の放射性廃棄物固体の後ろ側(反対側)に検出器を配置する。
図26は「課題を解決するための手段(5)」(中性子発生管と検出器の配置の工夫による位置感度差の縮小)の実施例である。測定体系の反射体1101〜1103の内側である測定空間内における被測定ドラム缶101、中性発生管104a,b、及びHe−3検出器108の配置を、図に示すように測定対象の放射性廃棄物固体を中性子検出器と中性子発生管で挟むように配置する。即ち,【発明の実施の形態】で説明したごとく、回転測定においては、廃棄物固体の中心部の核分裂発生確率は最大となり、検出効率は最小となり、逆に廃棄物固体の表面部の核分裂発生確率は最小となり、検出効率は最大となる。このような核分裂中性子発生確率と核分裂中性子検出効率とが位置に関して反対の現象を起こすので、その相殺効果を利用する。これによって、廃棄物固体中の核分裂性核種の位置感度差が大きく改善され、位置による感度差の悪影響を受けず精度良く測定できる。
【0038】
(実施例6)
本発明の他の「課題を解決するための手段(6)」においては、漏洩中性子を低減させるため測定体系の速中性子反射体(鉄など)の外側に、熱中性子吸収物質入りポリエチレンとした測定体系を使用する。
図27は「課題を解決するための手段(6)」(ボロン入りポリエチレンを遮蔽材として使う)の実施例である。鉄、鉛,ジルコニウムの中性子反射体の外側にボロン入りポリエチレン1105を設置している。中性子反射体を通過した測定体系の外側に出てくる中性子をポリエチレンで減速し熱中性化してその熱中性子をボロンで吸収させる。これによって、測定体系から漏洩する不要な中性子を吸収する。また、減速熱中性子が再び測定体系内部に戻り、悪影響を及ぼすことがなくなる。
たとえ、その熱中性子の一部が測定体系内に再び戻る方向に飛んだとしても、「課題を解決するための手段(4)」により吸収され、測定空間に侵入することがなく、減速熱中性子の悪影響を完璧に回避することができる。故に、本発明で必要とする放射性廃棄物固体内で散乱減速して熱中性子となって測定対象の廃棄物固体内の核分裂性物質を核分裂させたときの核分裂中性子計数成分が測定データの中の主要成分となって得られ精度良く測定できる。
(実施例7)
本発明の他の「課題を解決するための手段(7)」においては、「課題を解決するための手段(1)〜(3)」の放射性廃棄物個体内の核分裂性物質の非破壊的測定装置において、金属のみの廃棄物ドラムのように中性子自己減速作用のない廃棄体の測定においては、図29に示されるようにモデレーター2001を付加する。因に、モデレーターとしては、ポリエチレン、水又はその他の中性子を減速する物質が使用される。
【0039】
【発明の効果】
従来のアクティブ中性子法は、中性子発生管から放出した高速中性子を検出体系の中性子減速体内で熱中性子になるまで減速させ、この熱中性子を測定対象の廃棄物固体に浸透させて核分裂性物質の原子核に衝突させるが、廃棄物固体に浸透した熱中性子は核分裂性物質に出会う前に廃棄物固体中の水分などの物質に吸収され測定感度を低下させると共に核分裂性物質がドラム缶内のどの位置に存在するかで測定感度の位置依存性が大きい。従来方法では、このような核分裂発生割合の大きな位置依存性により、核分裂性物質の定量精度及びその信頼性を悪化させるという問題点があると共に、中心部に存在する微量核分裂性物質の測定検出が不可能になると言う問題点があった。
この問題に対し特開平11−64528号公報の方法によって、これらの問題を基本的に解決し、中心部の検出感度を飛躍的に向上させると共に、位置感度差を大幅に縮小できたことで、目的とする放射性廃棄物の非破壊測定の定量精度及び信頼性が大幅に向上し、中心部に存在する微量核分裂性物質の高感度測定が可能となった。
【0040】
しかし、クリアランスレベル相当の極微量な核分裂性核種を測定しようとすると、その検出感度および検出限界は十分ではなかった。本発明においては、特開平11−64528号公報の基本手法を使い、測定体系を反射作用の強い材料を使うことによって、直接的に廃棄物固体に侵入する中性子発生管からの高速中性だけでなく、その反射体による高速中性子をも利用する装置とする更なる高感度測定が可能になる効果がある。又、中性子発生管と検出器を対向させるように設置した装置とすることで、位置感度差を更に小さくすることができ、より精度の良い核分裂核種量の測定が可能になるという効果が生ずる。
又、「課題を解決するための手段(1)〜(3)」の放射性廃棄物個体内の核分裂性物質の非破壊測定装置は、測定対象廃棄体としてコンクリート固化体などの自己中性子減速作用のある廃棄体のみとしてきた。本発明は、「課題を解決するための手段(1)〜(3)」において今まで測定対象外としていた自己中性子減速作用の無い金属などの廃棄物の測定手段として、モデレーターを付加することにより高感度測定を可能としたものである。これは、「課題を解決するための手段(1)〜(3)」の発明とモデレーターを組み合わせるだけで、測定体系及び装置を改造することなしに、放射性廃棄物ドラム中の核分裂性物質が自己中性子減速作用の無い金属などの場合でも、その非破壊測定を高感度、高精度で可能にするという効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法のアクティブ中性子法(減速熱中性子を用いる方法)の測定体系を示す図である。
【図2】特開平11−64528号公報による方法の測定体系を示す図である。
【図3】従来法のアクティブ中性子法(減速熱中性子を用いる方法)による測定データで、20μsの時間間隔毎の計数値の加算集積値(全計数値)の時間経過による変化を示す図である。
【図4】特開平11−64528号公報による測定データで、20μsの時間間隔毎の計数値の加算集積値(全計数値)の時間経過による変化を示す図である。
【図5】特開平11−64528号公報の測定体系において、中性子発生管からの高速中性子が、無駄に減速吸収される過程を示す図である。
【図6】特開平11−64528号公報の測定体系における、中性子発生管、検出器、測定対象放射性廃棄物固体の位置関係を示す図である。
【図7】特開平11−64528号公報の手法について、加速感から放出された高速中性子が、直接廃棄物固体に侵入し、内部マトリックス衝突・散乱を繰り返し、減速して熱中性子と化し、内部に存在する核分裂性核種と核分裂反応を起こし、その時発生した核分裂中性子が中性子検出器に検出されるまでの基本的な検出過程を示す図である。
【図8】従来アクティブ中性子法による径方向の測定結果を示す図で、中心部と表面部では約100倍ほど大きな位置感度差が現れる。
【図9】特開平11−64528号公報の手法による径方向の測定結果を示す図で、位置感度差は径方向全体を通して約±50%に縮小されている。
【図10】特開平11−64528号公報での測定データのターゲット計数成分の分離抽出法を示す図である。この測定体系では、グラファイトを使用しているためグラファイトによる減速中性子による核分裂中性子成分が出現している。
【図11】特開平11−64528号公報の測定体系におけるモンテカルロシミュレーション計算モデルを示す図である。
【図12】本発明の測定体系におけるモンテカルロシミュレーション計算のモデルを示す図である。
【図13】本発明の測定体系において、位置感度差を縮小させるためのモデルとなるテカルロシミュレーション計算ジオメトリーを示す図である。
【図14】本発明におけるドラム径方向の核分裂発生数の変化を示す図である。
【図15】本発明におけるドラム径方向の検出効率変化を示す図である。
【図16】本発明におけるドラム径方向の検出中性子数の変化を示す図である。
【図17】本発明において、回転測定した時のドラム径方向の核分裂発生数の変化を示す図である。
【図18】本発明において、回転測定した時のドラム径方向の検出中性子数の変化を示す図である。
【図19】本発明において、回転測定した時のドラム径方向の検出中性子数の変化を示す図である。
【図20】本発明における測定体系でのモンテカルロシミュレーション計算モデルを示す図である。測定廃棄物固体をグラファイト減速材に変え、反射体として鉄(Fe)としている。
【図21】本発明における測定体系でのモンテカルロシミュレーション計算によって、得られた時間依存測定データを示した図である。
【図22】本発明における測定体系で得られる位置感度の変化と特開平11−64528号公報による位置感度の変化を比較した図である。
【図23】本発明において、「課題を解決するための手段(2)」として、反射体を鉛としていることを示し図である。
【図24】本発明において、「課題を解決するための手段(3)」として、反射体をジルコニウム合金としていることを示す図である。
【図25】本発明において、「課題を解決するための手段(4)」として、反射体系壁からの熱中性子を遮断するため鉄などの反射体の内側にカドミウム板を設置することを示す図である。
【図26】本発明において、「課題を解決するための手段(5)」として、中性子発生管と検出器の配置の工夫による位置感度差の縮小の測定体系ない配置を示す図である。
【図27】本発明において、「課題を解決するための手段(6)」の測定体系内の配置を示す図である。
【図28】本発明の「課題を解決するための手段(7)」としてモデレーターの配置を示す横断面図である。
【図29】本発明の「課題を解決するための手段(7)」としてモデレーターの配置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
101:放射性廃棄物固体
102:グラファイト減速体
103:ポリエチレン反射体
104:104a:104b:中性子発生管
105:中性子発生管で発生した中性子
106:グラファイトで減速された中性子の経路
107:グラファイトで減速された中性子により核分裂反応をおこし発生した核分裂中性子
108:108a:108b:中性子検出器
109:グラファイトで減速されずに直接検出器に到達した中性子成分
111:廃棄物固化体自身で減速された中性子の経路
112:核分裂性核種
113:廃棄物固化体で減速された中性子により核分裂反応をおこし発した核分裂中性子
114:核分裂性物質の原子核
115:経路111の中性子による核分裂によって発生した核分裂中性子経路
201:中性子吸収物質入りポリエチレン、中性子吸収遮蔽体
202:コンクリートが充填されたドラム缶
203:反射体により反射された中性子の経路
301:測定による時間依存計数データ
302:109の計数成分
303:107の計数成分
304:113の計数成分
305:バックグランド計数成分
503:中性子吸収遮蔽体内に進入した中性子
801: ターゲット成分の分離抽出処理後の計数成分
1000:ボロン入りポリエチレン等の減速吸収材
1001:減速効果が殆ど無く反射効果の強い物質
1101: 鉄、鉄合金
1102: 鉛あるいはその合金
1103: ジルコニウムあるいはその合金
1104: カドミニウム
1105: ボロン入ポリエチレン
1201:プルトニウム線源
1203:ドラム缶中心
1300:シミュレーション計算による時間依存計数データ
1301:核分裂に寄与することなく検出された計数成分
1302:高速中性子が直接浸入し廃棄物マトリックスの減速作用によりもたらされた熱中性子との核分裂反応により発生した核分裂中性子成分
1303:グラファイト中性子減速体で減速された熱中性子との核分裂反応により発生した核分裂中性子計数成分
1401:本発明での検出感度
1402:特開平11−64528号公報の方法での径方向の検出感度
2001:付加モデレーター(中性子を減速するもの)
Claims (4)
- 放射性廃棄物固体、高速中性子発生管及び中性子検出管を鉄、鉄合金、鉛及び / 又はジルコニウム合金で構成された高速中性子反射体で取り囲み、前記高速中性子反射体の内側を熱中性子吸収体であるカドミウム及び / 又はホウ酸で内張りして廃棄物固体以外で発生する熱中性子を吸収し、高速中性子の減速による熱中性子の発生を測定対象である廃棄物固体のみに限定し、測定空間中に置かれた測定対象の放射性廃棄物固体を挟むように側壁付近に前記高速中性子発生管及び中性子検出器を設置し、且つ漏洩中性子を低減させるために前記高速中性子反射体の外側に熱中性子吸収物質入りポリエチレンを配置し、高速中性子発生管から発生したパルス中性子を放射性廃棄物固体内に侵入させ、放射性廃棄物固体内の核分裂性物質と衝突させて核分裂反応を引き起させ、その結果放出された核分裂中性子を中性子検出管で測定検出する放射性廃棄物固体内の核分裂性物質量の非破壊的測定装置。
- 測定空間中に置かれた測定対象の放射性廃棄物固体が自己中性子減速効果の無い物質である場合、付加モデレーターを廃棄物ドラムに近接包囲して設置したことを特徴とする請求項1記載の装置。
- 前記自己中性子減速効果のない物質が金属である請求項2記載の装置。
- 前記付加モデレーターがポリエチレン、水又はその他の中性子を減速する物質である請求項2記載の装置。
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