JPH0528053Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は地図との対照機能を有する書籍に関す
るものであり、更に詳しくは歴史上の事件や人口
の変化あるいは産業上の動向などの諸種の記事を
地図上で特定しながら読取り得るようにした地図
対照式の書籍に関するものである。

〔従来の技術〕

歴史上の事件や人口の歴年変化あるいは産業の
構造変化の推移を地図上に表示しながら調査した
い場合がある。このような場合、従来は地図上に
必要とされる地勢、交通、産業などに関する事項
を印刷した透明なシートを地図の基本図形上に重
ね合せて学習の用に供する試みがあるが、その便
宜さに対する配慮が充分とはいえなかつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記教習具として実公昭35−12233号公報によ
るものは、ブツク体の表紙内側に複数枚の地図な
どの透明シートを、また裏表紙内側に数枚の前記
透明シート図形と一致する基本説明図シートを綴
込み、必要に応じて基本説明図シート上に透明シ
ートを重ね合せ透視するものであるが、取出され
た透明シートは散逸し易く、検索の便宜上、透明
シートを所定の配列で保管することは困難であ
り、また両図形を正しく重ね合せる操作も面倒で
あつた。

また実公昭39−912号公報によるものは基本図
形を付した多角形基板の縁辺に説明図を付した透
明シートを延設して、基板上に折り畳んだもので
あるが、併設しうる説明図シートの数はその構成
上極めて制約され僅少であり、製作も繁雑で、使
用上の便宜性にも欠けるものである。

本考案の主要な目的は、在来の地図貼付型書籍
に認められた上記の如き不都合を解消し得る検索
速度の高い書籍を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するため、本考案は、透明な
シート上に検索対象記事を印刷してなる所定枚数
の本文ページを、隣接して配設された地図印刷ペ
ージ寄りの端縁部の略中央に埋め込まれたバイン
ダを回転中心として回動自在に重畳配設し、所望
の本文ページをバインダを中心としてシート面に
沿つて180°回動させて、前記本文ページに隣接し
て配設された地図印刷ページの図形上に上記検索
対象記事が合致するように重ね合せるように構成
したことを特徴とする書籍を提供するものであ
る。

〔作用〕

検索対象記事を印刷した所望の本文ページを地
図印刷ページ上に重ね合わせ、この状態で検索対
象記事を地図上の位置と対照させながら必要な記
事を読取る。

〔実施例〕

第１図は本考案を日本歴史地図に適用した場合
の書籍の斜視図であり、第２図は透明なシート上
に検索対照事項を印刷した本文ページの斜視図で
ある。

これらの図面に例示するように、書籍１を開い
た時、読者の眼と正対する一方のページ２には、
日本地図が分県地図の形で印刷されており、その
上面には保護層として透明な被膜、例えばアクリ
ル樹脂製の薄い被膜３が配置されている。一方、
前記地図に隣接する他方のページ４には、県別索
引や記事の検索方法を印刷した目次・索引ページ
５と、検索対象記事８，８…を印刷して所定枚数
の本文ページ６，６…が、前記地図寄りの端縁部
の略中央に埋め込まれた金属製のバインダ７を回
転中心として回転自在に重畳配置されている。検
索対象記事８，８は第２図に例示するように、10
年分を１単位として透明なシート、例えば樹脂プ
レート製の本文ページ６上に印刷されており、県
別索引に基づいて必要なページを選び出し、前記
選出した本文ページ６を隣接して配設された地図
印刷ページ２寄りの端縁部の略中央に埋め込まれ
たバインダ７を回転中心としてシート面に沿つて
180°回動して地図印刷ページ２上に重ね合わせ、
この状態で検索対象記事８を地図上の県位置と対
照させながら読取る。本考案の基本的構成は上記
の通りであるが、弱視者や中高年令者が検索作業
を実施する際の便宜を考慮して、超薄型のガード
レンズ９を添付してもよい。１０は書籍１の表紙
である。この表紙１０は、背表紙１０ａを介して
表表紙１０ｂと裏表紙１０ｃとを開閉自在に一体
に連接したものであつて、地図印刷ページ２は表
表紙１０ｂ側に配置してあり、又所定枚数の本文
ページ６は裏表紙１０側に重畳配置してある。

尚、本考案を日本歴史地図に適用した実施例に
基づいて説明したが、本考案の権利範囲はこれに
限定されるものではなく、人口の動態変化や産業
構造の経時的変化など地図の対照によつて検索対
象記事の理解度が一段と向上するあらゆる分野に
適用することができる。

〔考案の効果〕

以上の説明で明らかなように、本案によれば、
複数の本文シートは、検索内容毎、年代順などで
バインダに装着されたまゝ保管、使用されるため
検索が容易であり、また使用に際しては所望の本
文シートをシート面に沿つて固設したバインダを
中心に180°回動することにより、隣接配置した地
図印刷ページの図形上に上記検索記事が合致する
ように正しく重ね合せることが出来、操作は簡
便、確実であり、また本考案によれば本文ページ
の枚数が制約されないため、検索対称記事の分量
を大幅に増大させることができる。更に必要に応
じて本文の差し換えや増補も可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を日本歴史地図に適用した実施
例を示す書籍の斜視図であり、第２図は本文ペー
ジの斜視図である。 １……書籍、２……地図印刷ページ、６……検
索対象記事印刷ページ（本文）、８……検索対象
記事。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明なシート上に検索対象記事を印刷した所定
   枚数の本文ページを、隣接して配設された地図印
   刷ページ寄りの端縁部の略中央に埋め込まれたバ
   インダを回転中心として回動自在に重畳配設し、
   所望の本文ページをバインダを中心としてシート
   面に沿つて180°回動させて、前記本文ページに隣
   接して配設された地図印刷ページの図形上に上記
   検索対象記事が合致するように重ね合せるように
   構成したことを特徴とする書籍。