JPH0527944B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、真空密に封止され、金属蒸気及び希
ガスを含む放電灯容器を具え、さらに磁気材料の
コアを設け、該コアには放電灯の作動中、電気供
給ユニツトと、該ユニツトに接続されコアを取り
囲むように配置されたコイルとによつて高周波磁
界が生じ、放電灯内に電界が生じるようにした無
電極低圧放電灯に関するものである。

従来技術 このような放電灯は、米国特許第3521120号明
細書から既知である。この既知の特許明細書に記
載された放電灯は、高周波で作動し、かつバルブ
状放電灯容器と、この放電灯を白熱電灯用器具に
容易にねじ込むことができるような形状をした放
電灯キヤツプとを有する無電極低圧水銀蒸気螢光
放電灯である。作動中この種の放電灯に存在する
高周波磁界は、20KHzよりも高い周波数を有する
高周波発振器回路を具える供給ユニツトによつて
生ずる。

しかしこの既知の放電灯は、その作動中、放電
灯から高周波妨害電流を供給電源の導体に生じ易
いことが見出された。これは、そのコイルが、寄
生的なコンデンサを経て接地され、かつ供給電源
の導体に接続している高周波交流電圧供給源とな
ると考えると説明がつく。これらの妨害電流は、
同じ供給電源に接続されるか、又はこの放電灯の
すぐ近くに配置される電気装置に妨害を及ぼす。

供給電源の高周波干渉電流の許容最大値につい
ては、国際的基準が存在し、これをこの種放電灯
は満足しなければならない。

この妨害電流を、条件にかなう値まで減少させ
るため、オランダ特許出願第8205025号によれば、
低オーミツクの透明な導電層を放電灯容器の内壁
に被着させ、この層を放電灯の作動中供給電源の
１本の導入線と接続させる。この層の抵抗値に厳
しい要求が課せられる一方、同時に可視光に対す
る高度の透明性が必要である。これらの条件を同
時に満足させるのを保証するのが困難であること
が発見された。

発明の目的 本発明の目的は、高周波供給電圧によつて作動
させるのに好適であり、前記の妨害許容標準を満
足させる一方、製造が簡単で発光効率の高い無電
極低圧放電灯を提供することにある。

目的達成のための手段 本発明によれば、この目的のため、冒頭に記載
されたこの種の無電極低圧放電灯は、コイルの１
本の導入線が、自由端を有する第２コイルの導入
線に電気的に接続される一方、放電灯の作動中第
２コイルの端末間の電位降下が、第１コイルの端
末間の電位降下に略々相等しく、第１コイルの電
位降下が、第２コイルの電位降下とは正反対の極
性で変化し、この第２のコイルが、第１コイルに
隣接しかつ第１コイルから電気的に絶縁されてい
ることを特徴とする。

発明の効果 本発明による放電灯においては、その作動中
に、供給電源に及ぼす高周波電気妨害に適用され
る規準を満足させる値まで減らすことができる。

コイルにおける電位降下は、そのコイルの長手
方向の軸線の方向に測定した単位長さ当りの電位
の低下を意味するものと理解されるべきである。
大きさが略々等しいが正反対の電位降下を有する
第２コイルの存在により、妨害を引き起こす第１
コイルの電位は、完全に保証される。この第２コ
イルは電気的に負荷されない。従つてその磁界の
強さは実質的に影響されない。それ故この放電灯
の発光効率は、既知の電灯の発光効率に略々等し
い。

第２コイルの巻回（ターン）は、第１コイルの
巻回から電気的に絶縁される。

この放電灯で、磁気コアは棒状であり、この放
電灯容器の円筒状のガラス壁の突出部によつて包
囲される。この場合、第２コイルは円筒状の壁部
の内面の周りに延在させても良い。しかしなが
ら、第２コイルは、磁気コア自体の周りに、第１
コイルと同様に、巻回するのが好ましい。第２コ
イルの巻回数は、満足すべき磁気結合と、電位の
最適の補償とを得るため、第１コイルの巻回数に
略々等しくし、妨害電流をそのとき最大可能な程
度まで抑制するようにする。

本発明による放電灯の前述の好適な実施例によ
つて好都合な結果が得られた。この例では第２コ
イルの各巻回は、第１コイルの連続する２つの巻
回間に配置される。

かくすると、妨害が最適値まで抑制されること
が見出された。２個のコイル間の付加的な絶縁処
置はそのとき不必要である。

本発明は好ましくは、無電極低圧放電灯に用い
られ、その放電灯では、放電灯容器の内壁に発光
層を設け、該発光層が放電灯容器中に生じる紫外
共振放射を可視光に変換する。これらの放電灯
は、居間等に用いるのに好適であり、さらに一般
照明用白熱電灯に対する代替品として役立つ。

実施例 以下本発明の実施例を図面により説明する。

第１図は本発明による無電極低圧水銀蒸気放電
灯の一実施例を示す一部を断面とした正面図であ
り、第２図は第１図に示す放電灯のコアの周りの
２個のコイルの関係位置を示す模式図である。

第１図に示す放電灯は、真空密に封止され、か
つある一定量の水銀と、アルゴンのような希ガス
とを充填したガラスの放電灯容器１を具える。こ
のガラス放電灯容器１の内壁には発光層２を設け
る。この放電灯にはさらに、フエライトのよう
な、磁気材料の棒状コア３を設ける。放電灯の作
動中は、このコア３には、電気供給ユニツト４
と、導入線５及び６を通してこのユニツト４に接
続されかつコア３を取囲むように配置されたコイ
ル７とによつて、高周波磁界を生ぜしめる。（こ
れらの導入線５及び６は図面にはほんの一部しか
見えない。）この磁界はこの放電灯容器中に延在
する。これによつて磁界が放電灯容器内に生じ
る。このコイル７は、細い銅リボンの多数の巻回
を有する。この磁気コア３は、放電灯の長手方向
の軸線の近くに位置していて、放電灯容器壁より
突出する円筒状の突起部８内に配置される。電気
供給ユニツト４は、合成材料から造られ、放電灯
容器１に連結される放電灯の受皿部９によつて取
囲まれる空間に配置されている。この放電灯の受
皿部９の端部はエジソン電灯キヤツプ１０に固着
されていて、このキヤツプ１０によつてこの放電
灯を白熱電灯用の器具、すなわちソケツトの中に
ねじ込むことができる。

コイル７の導入線５は、第２コイル１１の導入
線１６に電気的に接続している。この第２コイル
１１は図中点線によつて示してある。この第２コ
イル１１の自由端を参照数字１２によつて示す。
この第２コイル１１は、放電灯の作動中、この第
２コイル１１の両端末間の電位降下が、第１コイ
ル７の両端末間の電位降下に略々等しいが、第１
コイル７の電圧降下とは反対の極性となつて変化
するように配置する。これを第２図によりさらに
充分に説明する。

この目的のため、第２コイル１１は、第１コイ
ル７と略々等しい数の巻回を有する。これらの２
個のコイルは互いに電気的に絶縁される。第２コ
イル１１の各巻回は、第１コイル７の２個の連続
する巻回の間に配置される。

第２図において、高周波供給ユニツトの出力端
子は、参照数字１３及び１４によつて示される。
コンデンサ１５をこれらの端子間に接続する。
2.6MHzの周波数を有する交流電圧をこれらの端
子間に印加する。第１コイル７は、導入線５及び
６を経て前記の端子に接続されている。導入線５
には、導線１６が接続されていて、この導線１６
は点線で示される第２コイル１１の導入線として
働く。第２コイル１１の各々の巻線は、第１コイ
ル７の連続する巻回から均一な距離に位置する。
第２コイル１１の自由端末は参照数字１２によつ
て表される。図示を明瞭とするため、磁気コア３
は第２図では省略してある。ある一定の瞬時にお
いて、点Ａにおける電圧は正であり、点Ｂにおけ
る電圧は負であるとする。点Ａは第１コイル７の
第１端末であり、点Ｂは第１コイル７の第２端末
である。このとき第２コイル１１の端末の点Ｃに
おける電圧は正である。第２コイル１１の自由端
Ｄにおいては、電圧は負である。２個のコイル７
及び１１における前記の電圧は、互いに略々完全
に打消しあうため、ランプの動作中、２個のコイ
ルにおける電圧変化の影響は、略々互いに打消さ
れる。従つて供給電源の導入線においては、強度
のごく弱い高周波干渉電流のみが生ずるにすぎな
い。

第１図に示す放電灯について多くの実験を行つ
た。この放電灯は、円筒形の棒状コア（長さ50
mm、直径８mm、フイリツプス4C6フエライト（商
品名））を有する放電灯容器を具え、前記コアの
周りに、銅リボン（幅0.38mm、厚さ38μm）の13
回の巻回から成る第１コイルが配置された。この
第１コイル７の長さ（すなわち、棒状コア３の長
手方向の軸線に沿つて測定した両外側の巻回間の
距離）は、25mmであつた。14.5巻回を有する（同
じく、幅0.38mm及び厚さ38mmの銅リボンの）第２
コイル１１によつて、最適の干渉制止が得られる
ことが見出された。この第２コイル１１の長さ
は、30mmであつた。供給電源の導体における干渉
制止が、国際標準CISPR No.15（VDE0871）によ
る測定方法によつて測定され、45dB以上に達し
た。

18Wの電力がこの放電灯に供給されたとき、そ
の発光効率は約1200lm（ルーメン）であつた。こ
の放電灯容器の内壁には、２つの螢光体、すなわ
ち、緑に発光するテルビウムで活性化されたアル
ミン酸セリウム・マグネシウムと、赤に発光する
３価のユーロビウムで活性化された酸化イツトリ
ウムとの混合物を含む発光層を設けた。この放電
灯容器はアルゴン（70Pa）のほか６mgの水銀を
包含せしめた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による無電極低圧水銀蒸気放
電灯の一実施例を示す一部断面正面図であり、第
２図は、第１図に示す放電灯のコアの周りの２個
のコイルの相対的位置を示す模式図である。 １……ガラスの放電灯容器、２……発光層、３
……棒状コア、４……電気供給ユニツト、５，６
……導入線、７……コイル、８……円筒状の突起
部、９……電灯受皿部、１０……エジソン電灯キ
ヤツプ、１１……第２コイル、１２……第２コイ
ル１１の自由端、１３，１４……高周波供給ユニ
ツトの出力端子、１５……コンデンサ、１６……
導線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 真空密に封止され金属蒸気及び希ガスを充填
   した放電灯容器を具え、さらに磁気材料のコアを
   設け、該コアには放電灯の作動中、電気供給ユニ
   ツトと、該ユニツトに接続されたコアを取り囲む
   よう配置されたコイルとによつて高周波磁界が生
   じ、これにより放電灯内に電界が生じるようにし
   た無電極低圧放電灯において、 前記コイルの１本の導入線が、自由端を有する
   第２コイルの導入線に電気的に接続される一方、
   放電灯の作動中第２コイルの端末間の電位降下
   が、第１コイルの端末間の電位降下に略々相等し
   く、第１コイルの電位降下が、第２コイルの電位
   降下とは反対の極性で変化し、この第２コイルが
   第１コイルに隣接しかつ第１コイルから電気的に
   絶縁されていることを特徴とする無電極低圧放電
   灯。 ２ 第２コイルも磁気コアを取り囲むよう配置さ
   れ、第２コイルの巻回数を、第１コイルの巻回数
   に略々相等しくすることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の無電極低圧放電灯。 ３ 第２コイルの各巻回が、第１コイルの連続す
   る２個の巻回の間に位置決めされることを特徴と
   する特許請求の範囲第２項記載の無電極低圧放電
   灯。