JPH05279436A - 光学的立体造形用樹脂組成物 - Google Patents
光学的立体造形用樹脂組成物Info
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- JPH05279436A JPH05279436A JP12926592A JP12926592A JPH05279436A JP H05279436 A JPH05279436 A JP H05279436A JP 12926592 A JP12926592 A JP 12926592A JP 12926592 A JP12926592 A JP 12926592A JP H05279436 A JPH05279436 A JP H05279436A
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Abstract
(A) エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、(B) ウ
レタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(C) エチレン
系不飽和モノマー、および(D) 光開始剤を含有して成
る。 【効果】 本発明の組成物は、反りや膨潤等の光学的立
体造形法による成形時における変形が少なく、光学的立
体造形法により精度の高い造形物を生産することができ
る。また硬化物の力学的性質が優れているため、造形物
は機構部品としても使用可能である。
Description
低く、光照射による硬化速度が速く、成形精度に優れ、
しかも強度や耐熱性等の機械的特性に優れた造形物を与
える光学的立体造形用樹脂組成物に関する。
−247515号公報に開示されているように、光硬化性液状
物質に必要なエネルギー供給を選択的に行って、所望形
状の立体造形物を形成する方法である。このような方法
またはその改良技術が、米国特許明細書第 4,575,330号
(特開昭62−35966 号公報)、特開昭62−101408号公報
等に開示されている。
器に入れた光硬化性液状物質の液面に、所望パターンの
硬化層が得られるように、光、例えば紫外線レーザを選
択的に照射して硬化層を得、次に該硬化層の上に光硬化
性液状物質を層状に供給し、次いで前記と同様に光を選
択的に照射して前記の硬化層と連続した硬化層を形成す
る。この積層操作を繰り返すことにより、最終的に所望
の立体造形物を得る方法である。この立体造形法は、製
作する造形物の形状が複雑な場合でも、容易にしかも短
時間で目的の造形物を得ることができるため注目されて
いる。
性液状物質としては、変性ポリウレタンメタクリレー
ト、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、感光性ポリイミド、アミノ
アルキド等の樹脂が知られている。
に用いられる樹脂においては、造形を迅速に行うため、
未硬化状態での粘度が低く、また各種の光を照射した
際、迅速に硬化することが要求される。また成形中の樹
脂液による膨潤や、樹脂の硬化収縮に起因する反り、引
け、張り出し部の持ち上がり等の変形が小さいことが望
まれる。さらに、この立体造形法によって製造された造
形物は、デザインを検討するためのモデルや機械部品の
試作等に使用されるが、特に機械部品の試作に使用する
ためには、使用条件に耐え得る充分な機械的強度や耐熱
性が要求される。しかしながら、従来の光学的立体造形
用樹脂においては、上記のような要求を十分に満足する
ものが無かった。
要求される前記特性をすべて満足し、かつ、特に成形時
の変形が小さく、しかも機械的特性に優れた光学的立体
造形用樹脂組成物を提供することを目的とする。
ポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、(B) ウレタン
(メタ)アクリレートオリゴマー、(C) エチレン系不飽
和モノマー、および、(D) 光開始剤を含有して成る光学
的立体造形用樹脂組成物が提供される。
マー 本発明において使用する (A)成分のエポキシ(メタ)ア
クリレートオリゴマーは、種々の骨格を有するエポキシ
基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応によっ
て得られる重合体である。このエポキシ基含有化合物と
しては、例えばビスフェノールAにエピクロリヒドリン
を反応させて得られるジグリシジルエーテル型のエポキ
シ樹脂、水素添加ビスフェノールAとエピクロリヒドリ
ンとの反応によって得られるジグリシジルエーテル化合
物、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル等を
挙げることができる。これらの化合物のうち、ビスフェ
ノールAにエピクロルヒドリンを反応させて得られるジ
グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂が好ましい。
の分子量は、通常、 400〜2000、好ましくは 400〜1000
である。 400未満では、硬化時の収縮および成形時の変
形が大きくなり、さらに硬化物が脆くなる傾向がある。
また、2000を越えると、樹脂組成物の粘度が高くなり、
取扱いにくくなることがある。本発明の組成物におい
て、これら (A)成分の含有量は、通常、5〜50重量%、
好ましくは10〜40重量%である。 (A)成分の含有量が多
すぎると組成物の粘度が高くなり過ぎたり、成形時の変
形が大きくなったり、硬化物が脆くなったりする等の不
都合を生じる。また少なすぎると、成形に際して造形物
の樹脂組成物による膨潤が大きくなったり、硬化物の耐
熱性が低下する等の不都合を生じる。
マー 本発明において使用する (B)成分のウレタン(メタ)ア
クリレートオリゴマーは、ポリエーテルポリオール、ポ
リエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリ
カーボネートポリオール等のポリオール化合物と、ジイ
ソシアネート化合物および(メタ)アクリロイル基を有
する化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アク
リレート系オリゴマーである。
テルポリオールとしては、例えばポリオキシエチレンジ
オール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシテ
トラメチレンジオール、ポリオキシブチレンジオール、
ポリオキシブチレン−オキシエチレン共重合ジオール等
を例示することができる。またポリエステルポリオール
としては、例えば(ポリ)エチレングリコール、(ポ
リ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレング
リコール、 1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、 1,4−シクロヘキサンジメタノール等の2価ア
ルコールと、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の
2塩基酸とを反応させて得られるものを挙げることがで
きる。ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば
ε−カプロラクトンと、(ポリ)エチレングリコール、
(ポリ)テトラメチレングリコール、 1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、 1,4−ブタンジオー
ル等のジオールとを反応させて得られるものを挙げるこ
とができる。さらにポリカーボネートポリオールとして
は、例えばDN−980,DN−981,DN−982,DN−983
(以上、日本ポリウレタン株式会社製)、PC−8000
(米国PPG社製)等の市販品を使用することができ
る。これらのポリオール化合物のうちで特に好適に使用
されるものは、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオ
キシテトラメチレンジオール、ポリオキシブチレンジオ
ール、ポリオキシブチレン−オキシエチレン共重合ジオ
ール等のポリエーテルジオールである。
イソシアネート化合物としては、例えば 2,4−トリレン
ジイソシアネート、 2,6−トリレンジイソシアネート、
1,3−キシリレンジイソシアネート、 1,4−キシリレン
ジイソシアネート、 1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル
−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルフェ
ニレンジイソシアネート、4,4'−ビフェニレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォ
ロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネートメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシア
ネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート 2,
2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビ
ス(2−イソシアナトエチル)フマレート、6−イソプ
ロピル− 1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェ
ニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト等を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例え
ば水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物、例えば2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシオ
クチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ
(メタ)アクリレート、 1,4−ブタンジオールモノ(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリ
レート等を使用することができる。またアルキルグリシ
ジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル
アクリレート等のグリシジル基含有化合物と(メタ)ア
クリル酸との付加反応により得られる化合物も使用する
ことができる。
の分子量は、通常 600〜20,000、好ましくは 600〜5,00
0 、特に好ましくは 800〜3,000 である。 600未満で
は、硬化物が脆くなり、20,000を越えると、樹脂組成物
の粘度が高くなり、またエポキシ(メタ)アクリレート
オリゴマーとの相溶性が低下し、樹脂組成物が失透しや
すくなる傾向がある。本発明の樹脂組成物中の (B)成分
の含有量は、通常、10〜50重量%、好ましくは20〜40重
量%である。10重量%未満では、得られる硬化物が脆く
なり、また50重量%を越えると、組成物の粘度が高くな
り過ぎたり、室温付近での硬化物の弾性率が低下する傾
向がある。
性モノマーが使用される。単官能性モノマーとしては、
例えばアクリルアミド、7−アミノ− 3,7−ジメチルオ
クチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチル
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オク
チル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アク
リルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレート、 N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドテ
トラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラ
クロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラ
ヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモ
フェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフェ
ノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェ
ニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニル
ピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフ
ェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリロイルモルホリン、メチルトリエチ
レンジグリコール(メタ)アクリレート、および下記構
造式 (1)〜(3) で表される化合物等を挙げることができ
る。
炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示
し、R3 は水素原子または炭素数2〜12、好ましくは1
〜9のアルキル基を示し、rは0〜12、好ましくは1〜
8の整数である。〕
8、好ましくは2〜5のアルキレン基を示し、qは1〜
8、好ましくは1〜4の整数である。〕
れらの化合物の中でも、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ラウリル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラ
クタム、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート等が好ましい。これら単官能性モノマ
ーの市販品には、例えばアローニクスM−111,M−113,
M−117 (以上、東亜合成化学株式会社製)、KAYARAD
TC110S, R−629, R−644 (以上、日本化薬株式会社
製)、ビスコート3700(大阪有機化学株式会社製)等が
ある。
は、通常、20〜70重量%、好ましくは30〜50重量%であ
る。20重量%未満では、組成物の粘度が高くなり過ぎた
り、硬化性が低下したりする。また70重量%を越える
と、硬化時における収縮が大きくなったり、硬化物の強
度、耐熱性等の力学的性質が低下する傾向がある。
損なわない範囲、例えば、通常 (C)成分中10重量%以下
で、多官能性モノマーを使用することができる。この多
官能性モノマーとしては、例えばエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両
末端(メタ)アクリル酸付加物、 1,4−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、 1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等
を挙げることができる。
えばコピマーUV, SA2007(以上、三菱油化株式会社
製)、ビスコート700 (大阪有機化学株式会社製)、KA
YARADR−604,DPCA−20, −30, −120, HX−620,D
−310,−330 (以上、日本化薬株式会社製)、アローニ
クスM−210,M−215,M−315,M−325 (以上、東亜合
成化学株式会社製)等がある。
を発生して重合を開始せしめるものであり、例えばアセ
トフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、アント
ラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾー
ル、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジ
アミノベンゾフェノン、 3,3−ジメチル−4−メトキシ
ベンゾフェノン、 2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、チオキ
サントン系化合物、1−(4−ドデシルフェニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メ
チル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モル
フォリノ−プロパン−1−オン、トリフェニルアミン、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンジルジ
メチルケタール、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチル
エーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、2−メチル−1−〔4−(メチル
チオフェニル)〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−
オン、3−メチルアセトフェノン、 3,3',4,4'−テトラ
(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン
(BTTB)、およびBTTBとキサンテン、チオキサ
ンテン、クマリン、ケトクマリンその他の色素増感剤と
の組み合わせ等を使用することができる。本発明におい
ては、これらのうち、特に1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、 2,4,6
−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイ
ド等が好ましい。
は、通常、0.05〜10重量%、好ましくは 0.1〜8重量
%、特に好ましくは 0.5〜6重量%である。10重量%を
超えると、硬化物の物性や硬化特性、取扱性等に悪影響
を及ぼすことがあり、0.05重量%未満では、硬化速度が
低下することがある。
分以外にも、必要に応じて、硬化性を妨げない範囲にお
いて、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミン系化
合物から成る増感剤(重合促進剤)、ビニルエーテル
類、ビニルスルフィド類、ビニルウレタン類、ビニルウ
レア類等の反応性希釈剤を配合することができる。ま
た、その他の添加剤として、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエ
ン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、
スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、石
油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フッソ系オリゴマ
ー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴ
マー等のポリマーないしオリゴマーを配合することもで
きる。さらに、フェノチアジン、 2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール等の重合禁止剤や、その他、重
合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性
剤、可塑剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、無
機充填剤、樹脂粒子、顔料、染料等を配合することもで
きる。
じて配合される各種添加剤を均一に混合することによっ
て調製され、通常、25℃における粘度が、20〜5000cP、
好ましくは20〜2000cP、特に好ましくは20〜1000cPの範
囲にある。
性液状物質として好適に使用される。即ち、この樹脂組
成物の特定箇所に、可視光、紫外光、赤外光等の光を選
択的に照射して硬化に必要なエネルギーを供給すること
により、所望形状の立体造形物を得ることができる。硬
化のための光を樹脂組成物の特定箇所に選択的に照射す
る方法は特に制限されず、種々の方法によって行うこと
ができる。例えばレーザー光、レンズ、鏡等を用いて得
られた集束光等を、特定箇所に照射する方法、非集束光
を一定パターンのマスクを介して照射する方法等を採用
することができる。ただし、微細加工や加工精度が要求
される場合には、集束光の大きさを最小にすることが望
ましく、このような場合にはレーザー光を使用すること
が好適である。さらに、光の照射を受ける樹脂組成物の
特定箇所は、容器に入れられた樹脂組成物の液面、容器
の側壁ないし底壁と接している樹脂組成物の面あるいは
液中でもよい。樹脂組成物の液面または容器壁との接触
面に光を照射するには、光を外部から直接または透明な
器壁を通して照射すればよく、液中の特定箇所に照射す
る場合には、光ファイバー等の導光体を用いて照射を行
えばよい。
通常、樹脂組成物の特定箇所を硬化させた後、被照射位
置を、既に硬化した部分から未硬化部分に連続的にまた
は段階的に移動させることにより、硬化部分を所望の立
体形状に成長させることができる。この被照射位置の移
動は種々の方法によって行うことができ、例えば光源、
樹脂組成物を収容している容器あるいは樹脂組成物の硬
化部分の少なくとも何れかを移動させたり、また該容器
に未硬化の樹脂組成物(液状硬化性物質)を追加する等
の方法によって行うことができる。
得る代表的な方法としては、液状である本発明の組成物
に、所望のパターンを有する硬化層が得られるように光
を選択的に照射して硬化層を形成し、次に該硬化層に隣
接する未硬化の組成物層に同様にして光を照射して先に
形成された硬化層と連続する新たな硬化層を形成し、こ
の積層操作を繰り返すことにより、最終的に目的とする
立体形状の造形物とする方法を挙げることができる。こ
の方法のさらに具体的態様としては、次に例示する方法
を挙げることができる。
器から取り出し、該造形物の表面に残存する未反応の化
合物を除去した後、必要に応じて洗浄する。この洗浄剤
としては、イソプロピルアルコール等のアルコール類に
代表される有機溶剤や、熱硬化性あるいは光硬化性の低
粘度の液状樹脂を使用することができる。また立体造形
物に透明性を付与したい場合には、前記の熱硬化性ある
いは光硬化性の液状樹脂を洗浄剤として使用することが
望ましい。またこの場合には、洗浄に使用した樹脂の種
類に応じて、洗浄後に、熱または光でポストキュアーを
行う必要がある。なお、ポストキュアーは、表面の樹脂
を硬化させるのみならず、立体造形物の内部に残存する
可能性のある未反応の樹脂組成物をも硬化させる効果を
有しているので、有機溶剤により洗浄した場合にも行う
ことが好適である。
はこれら実施例に限定されるものではない。
ー〕の調製;攪拌機のついた反応容器に、 イソボルニルアクリレート 200g 2,4 −トリレンジイソシアネート 565g ジブチル錫ジラウレート 2g、および、 2,6 −ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール 3g を仕込んだ。 次いで、反応容器を冷却しながら、ヒドロキシエチルア
クリレート 376gを、内温が25℃を超えないように攪拌
しながら徐々に添加した。添加終了後、内温を20〜40℃
に保ちながら、さらに1時間攪拌を継続した。次いで、
ポリオキシテトラメチレンジオール(分子量 650、保土
谷化学株式会社製)1064gを添加し、60℃で5時間、攪
拌を続けた。残留イソシアネート基が0.1%以下である
ことを確認した後、内容物を取り出し、両末端にアクリ
ロイル基が結合したウレタンアクリレートを得た(分子
量1230)。 ここで得られたポリオキシテトラメチレンジオールウレ
タンアクリレートのイソボルニルアクリレート溶液をオ
リゴマーAとする。ここで、ウレタンアクリレートとイ
ソボルニルアクリレートとの重量比は、 100/10であ
る。
ー〕の調製;製造例1と同様に、 イソボルニルアクリレート 200g 2,4 −トリレンジイソシアネート 544g ジブチル錫ジラウレート 2g、および、 2,6 −ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール 3g を反応容器に仕込み、冷却しながら、 ヒドロキシエチルアクリレート 362g を添加した。さらに、ポリオキシテトラメチレンジオー
ルの代わりにポリオキシプロピレンジオール(分子量 7
00、旭硝子株式会社製)1094gを仕込んだ点を除けば製
造例1と同様にして、ポリオキシプロピレンジオールウ
レタンアクリレートのイソボルニルアクリレート溶液
(オリゴマーB)を調製した(分子量1280)。
間攪拌して、樹脂組成物を調製した。実施例1〜4の組
成物は、何れも透明で低粘度であった。これらの樹脂組
成物について、次の力学特性を測定し、かつ成形テスト
を行った。結果を表1に示す。
m 厚に塗布し、 0.5J/cm2 (波長 350nm)の紫外線を照
射して硬化フィルムを得た。次いで、ガラス板上から硬
化フィルムを剥離し、23℃、相対湿度50%で24時間状態
調節し、試験片とした。 (2) 測定 23℃、相対湿度50%の恒温湿室内で、前記試験片のヤン
グ率を引張り速度1mm/minおよび標線間25mmの条件で測
定した。また23℃における前記試験片の破断伸びおよび
破断強度を、引張り速度50mm/minおよび標線間25mmの条
件で測定した。
ー(波長 351、 365nm)を用いた光造形装置(ソリッド
クリエーターJSC−2000:ソニー株式会社製)を使用
し、液面でのレーザーパワー40mW、走査速度 100cm/秒
で成形して試験片〔(幅50×長さ50×高さ1mm):1回
の積層厚 0.2mm×5回積層〕とした。 付着している樹脂液を丁寧に拭き取った後、板の重量W
1 を測定した。次いで、該試験片を樹脂液中に25℃で24
時間浸漬し、付着した樹脂液を拭き取った後、重量W2
を測定した。 次式により膨潤度を算出した。 膨潤度(%)=〔(W2 −W1 )/W1 〕× 100
述した光造形装置を用いて成形した(1回の積層厚 0.2
mm× 100回積層)。付着した樹脂液を拭き取った後、U
Vランプを用いてポストキュアーを行った(照射線量5
J/cm2 )。 次いで、図2の様に、片方を水平な台に固定し、他端の
持ち上がり量Δh(mm)で反りの評価を行った。
準拠して、前述した光造形装置を用いて成形した後、ポ
ストキュアーを行った試験片〔(幅4×長さ 110×高さ
10mm):1回の積層厚 0.2mm×50回積層〕を用いて測定
した。
明の樹脂組成物は、何れも比較例の樹脂組成物に比べ
て、成形物の反りが小さく、また硬化物の力学的性質が
優れていることが理解される。例えばエポキシ(メタ)
アクリレートオリゴマーを含まない比較例1の樹脂組成
物は、樹脂液による膨潤が大きく、また硬化物は高い伸
びを示すが耐熱性が悪い。ウレタン(メタ)アクリレー
トオリゴマーを含まない比較例2の樹脂組成物は、高い
耐熱性と低い膨潤性を示すが、伸びが極めて小さく脆
い。また成形中の反りが大きく、実質上成形不可能であ
る。また比較例3はエポキシ(メタ)アクリレートオリ
ゴマーを含まない例であるが、弾性率が低く、かつ伸び
も小さい。さらに成形中の変形も大きく問題である。
は、反りや膨潤等の成形時における変形が少なく、光学
的立体造形法により精度の高い造形物を生産することが
できる。また硬化物の力学的性質が優れているため、造
形物は機構部品としても使用可能である。
る試験片を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】(A) エポキシ(メタ)アクリレートオリゴ
マー、 (B) ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、 (C) エチレン系不飽和モノマー、および、 (D) 光開始剤を含有して成る光学的立体造形用樹脂組成
物。
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