JPH05276053A - 最尤系列推定方式 - Google Patents

最尤系列推定方式

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JPH05276053A
JPH05276053A JP4067191A JP6719192A JPH05276053A JP H05276053 A JPH05276053 A JP H05276053A JP 4067191 A JP4067191 A JP 4067191A JP 6719192 A JP6719192 A JP 6719192A JP H05276053 A JPH05276053 A JP H05276053A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速追随性を保ち、かつ、所要計算量を大幅に
削減可能な最尤系列推定方式を提供することを目的とす
る。 【構成】 前回の受信信号、及び特定されたブランチに
基づいて今回の受信信号推定値を求めるためのN元ベク
トルを、トレリス上の各ブランチ毎に演算し記憶する手
段と、少なくともN個の受信信号サンプル値系列を記憶
する手段を有し、前記N元ベクトルと前記受信信号サン
プル値のN元ベクトルとの内積を求め、該内積値と受信
信号値との差分の2乗の時間方向累積値をパスメトリッ
クとし、このパスメトリックに基づいて生き残りパスを
決定する。 【効果】 所要演算量が大幅に削減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタル通信受信機に
おける最尤系列推定方式に係り、特に、パスメトリック
の演算を容易に行なう技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、デジタル通信受信機において
は、伝送歪みを受けたり雑音が重畳した受信信号から何
らかの信号処理によって送信符号を正しく復元する必要
がある。その方法の一つとして、ビタビアルゴリズムに
よる最尤系列推定が知られている。これは受信信号系列
が与えられたとき、それに最もよく適合する送信符号系
列を、考え得る全ての送信符号系列の中から一つだけ選
び出すもので、その計算量を削減するために、ビタビア
ルゴリズムが用いられる。
【0003】最尤系列推定は、伝送路応答が既知である
ことを前提とし、また、伝送路応答を測定するには、送
信信号が既知である必要がある。自動車電話のような移
動無線通信では、伝送路応答が時々刻々変化するので、
これに追随するためには、送信系列推定と伝送路応答推
定を交互に繰返さなければならない。このような方式
は、伝送路適応型最尤系列推定方式、あるいは適応型最
尤系列推定方式と呼ばれている。
【0004】従来、高速追随特性に優れた適応型最尤系
列推定方式として、以下に述べる方式が知られている。
(参考文献;古谷ほか:「ブラインドビタビ等化方式の
一提案」、1991年電子情報通信学会春季全国大会
A−141。)図2は従来におけるデジタル通信受信機
の構成を示すブロック図である。同図において、入力端
子4の受信ベースバンド信号r(t) はサンプリング回路
15にて、送信シンボル周期Tに等しいサンプリング周
期でサンプリングされる。そして、時刻は順序数kを用
いて時刻kTのように表す。また、伝送路応答はタップ
間隔T、タップ数Lのトランスバーサルフィルタで模擬
するものとし、次の(1)式のようにタップ利得系列を
要素とするL元ベクトルh(k) で表わす。
【0005】 h(k) =[h0 ,h1 ……,hL-1 t t は転置) ……(1) また、送信符号はQ値とし、それらのLシンボルからな
る送信信号ベクトルs(k) 、これに対応した受信信号の
Nサンプルからなる受信信号ベクトルr(k) 、そのうち
の雑音成分である雑音ベクトルn(k) 、を次の(2)〜
(4)式の如く定義する。
【0006】 s(k) =[sk ,sk-1 ,…,sk-L+1 t ……(2) r(k) =[rk ,rk-1 ,…,rk-N+1 t ……(3) n(k) =[nk ,nk-1 ,…,nk-N+1 t ……(4) また、st (k) からst (k-N+1)までのN個の送信信号
ベクトルからなるN×L送信信号行列s(k) を次の
(5)式のごとく定義する。
【0007】
【数1】 そして、このとき(6)式に示す伝送路方程式が成立す
る。
【0008】 r(k) =S(k) h(k) +n(k) ……(6) ここで、仮にS(k) およびr(k) を既知としても、n
(k) は知りえないから、上式から伝送路応答h(k) を直
接求めることはできない。その代わりに、次の(7)式
に示す評価関数E(k) を最小化するh(k) を求めること
はできる。
【0009】
【数2】 そして、評価関数E(k) を最小化する解h'(k)(以後簡
単のために「’」を省略し単にh(k) と書く)は次の
(8)式で示される。
【0010】 h(k) =[S*t(k) S(k) ]-1*t(k) r(k) ……(8) そして、(8)式で求められるh(k) を伝送路応答の推
定値(推定伝送路応答)と呼ぶ。このように、ある時刻
までの送信信号系列と受信信号系列とが与えられれば、
そのときの推定伝送路応答が求まる。
【0011】いま、図3に示すような、状態数P、状態
当りブランチ数Qの送信符号トレリスにビタビアルゴリ
ズムを適用する場合を考え、時刻kTにおける第m状態
(1≦m≦P)をm(k) と表す。そして、各時刻におけ
る各状態は、その生残りパス(その状態を経由するから
には過去の送信信号系列が辿ったに違いないトレリス経
路)に対応するパスメトリックpk,m および推定伝送路
応答hm (k) を備えておくものとする。
【0012】時刻(k-1)Tから時刻kTにかけて状態
m'(k-1)から状態m(k) へと遷移するブランチ(これを
ブランチm(k) /m'(k-1)またはブランチm/m' と書
く)を考えると、状態m'(k-1)の推定伝送路応答hm'(k
-1) は、上述の論理から次の(9)式で与えられる。
【0013】 hm'(k-1) =[Sm' *t(k-1) Sm'(k-1)]-1m' *t(k-1) r(k-1) …(9) (添字m'は第m’状態に係わることを示す)上式中の行
列[Sm' *t(k-1) Sm'(k-1) ]-1m' *t(k-1) は、過去
(N+L-1) シンボルの符号系列{sk-N-L+1 ,…,
k-2 ,sk-1 }さえ与えれば、前もって計算可能なも
のである。したがって、長さ(N+L-1) の全ての符号系列
についてこれを計算して図2の行列メモリ11に格納し
ておき、必要に応じて読み出せば、実時間演算量を節約
できる。なお、上式中のr(k-1) は、受信信号メモリ1
2から読み出す。
【0014】ところで、(9)式における行列[Sm' *t
(k-1) Sm'(k-1) ]は必ずしも正則とは限らない。これ
が正則でない場合には、上式中の逆行列演算が不可能な
ので、状態m'(k-1)の推定伝送路応答は、その状態の生
残りパスが前時点で採用した推定伝送路応答(例えば図
3中m"(k-2)のそれ)で代替する(参考文献;後川ほ
か:「ブラインドビタビ等化器の基本特性」、1991
年電子情報通信学会春季全国大会 A−142)。
【0015】即ち、状態m(k) での受信信号推定値r’
k,m/m'は(9)式で得た推定伝送路応答hm'(k-1) (上
記の場合にはhm'(k-1) =hm'' (k-2))がまだ継続して
有効であると考えて、次の(10)式で求められる。
【0016】 r’k,m/m'=hm' t(k-1)sm/m'(k) ……(10) (添字m/m'はブランチm/m'に係わることを示す)そし
て、(10)式で求められた受信信号推定値r’k,m/m'
と実際の受信信号rk との差の絶対値2乗bk,m/m'を次
の(11)式で求め、これをこのブランチのブランチメ
トリックとする。
【0017】 bk,m/m'=|rk −r’k,m/m'2 =|rk −sm/m' t(k) hm'(k-1) |2 ……(11) また、状態m(k) に達するブランチには、いろいろな
m'(k-1)から計Q通りのブランチがあるが、制御演算部
16は、その中から次の(12)式に示すパスメトリッ
クを最小とするブランチを選び、m'(k-1)の生残りパス
の最後尾に付して状態m(k) の生き残りパスとする。
【0018】 pk,m =pk-1,m'+bk,m/m' ……(12) そしてこれを、新たなパスメトリックpk,m とともに、
パスメモリ13に書き込む。
【0019】また、上述した演算を各状態m(k) につい
て行ない、これによって時刻kTにおける各状態の生残
りパスおよびパスメトリックがすべて更新されるので、
kを1進めて最初に戻る。
【0020】以上をkを進歩させながら繰返せば(図3
を右方向に延長しながら眺めれば)、トレリスの古い過
去(左の方)から順に、生残りブランチを持つ状態の数
が次第に減って行き、やがて、ある時刻では1つの状態
だけが残る。その時刻までについては、送信系列推定が
確定したわけである。すなわち、上述のように、生残り
パス更新と伝送路応答推定を交互に繰返せば、送信信号
系列の推定は、ある時間遅れを伴いながらも、古い方か
ら順に一義的に定まるのである。
【0021】また、上述した方式が高速追随性に優れて
いるのは、伝送路応答推定を有限長(NT)の受信信号
に基づいて行っているからであり、Nが小さいほど高速
追随性は増す。一方、雑音の影響を軽減するにはNを大
きくとる方がよく、Nの大きさは両者を勘案して決め
る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来方式においては、高速追随性には優れているものの、
所要計算量が大きいという問題があった。1サンプリン
グ時刻当り所要計算量は、(ブランチ当りの計算量)×
(状態当りのブランチ数)×(状態数)である。この
内、後の2項は、トレリスが与えられれば、ブランチメ
トリック計算方式にはよらない。ここでは、ブランチ当
りの計算量だけを問題にする。
【0023】ブランチ当りの計算量の中で大部分を占め
るのは、推定伝送路応答hm'(k-1)の計算と、これを基
に受信信号参照値r’k,m/m'を求める計算である。前者
にはLN回の乗算とL(N−1)回の加算、後者にはL
回の乗算と(L−1)回の加算を必要とする。このほか
に、パスメトリック計算に、減算1回、2乗1回を要
し、演算の種類を問わず合算すれば、計(2LN+L+
1)回となる。これは、Lを大きくとることが必要な適
用例(例えば、マルチパス遅延が数シンボルに亘る場
合)において重大な問題となる。
【0024】この発明はこのような従来の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、高
速追随性は保ちながらも、所要計算量を大幅に削減した
最尤系列推定方式を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、送信系列の部分系列を状態にとり送信系
列を状態遷移の時系列として表現したトレリスの各時刻
において、各状態を終点とする候補送信系列(候補パ
ス)の中から、該時刻までのパスメトリックを最小にす
るものを該状態の生残りパスとしながら、生残りパスお
よびパスメトリックを時間経過とともに逐次更新する最
尤系列推定方式において、所定長の送信系列に対応して
計算法が定義されたN元ベクトルまたはN元ベクトルの
組の、所定長の全ての可能な送信系列についての計算結
果を格納しておく第1のメモリと、少くともN個の受信
信号サンプル値系列を一時的に記憶する第2のメモリと
を備え、候補送信系列に対応して前記第1のメモリから
読み出したN元ベクトルと、前記第2のメモリから読み
出したN個の受信信号サンプル値からなるN元ベクトル
との内積から、実際の受信信号値を差引いたものの絶対
値2乗の時間方向累積値をパスメトリックとして生残り
パスを決定することが特徴である。
【0026】
【作用】本発明における最尤系列推定方式では、推定伝
送路応答を求める際の評価関数を次の(13)式に示す
E´(k) とする。
【0027】
【数3】 そして、この(13)式は従来例で述べた(7)式に示
す評価関数E(k) に伝送路応答推定値h(k) の要素の2
乗和を重みδで付加したものとなっている。即ち、(1
3)式に示す評価関数E´(k) は、最小化したいものの
主体は、やはり受信信号に関する誤差2乗和であるが、
それと同時に、伝送路応答推定値h(k)の個々の要素
も、できれば小さいほうが望ましい、という評価関数で
ある。
【0028】そして、このときの解は次の(14)式で
与えられる。
【0029】 h(k) =[S*t(k) S(k) +δI]-1*t(k) r(k) ……(14) (IはL次単位マトリックス)そして、(14)式にお
いてδを適当な大きさにとれば、伝送路応答推定にはほ
とんど影響を与えることなく、行列[S*t(k) S(k) +
δI]を常に正則にすることができるので、上式に基づ
いて伝送路応答推定を行えば、従来方式のように、推定
伝送路応答を前時点のもので代替するという必要はなく
なる。
【0030】従って、状態m'(k-1)の推定伝送路応答h
m'(k-1) は、演算不能になることはなく、次の(15)
式で求めることができる。
【0031】 hm'(k-1) =[Sm' *t(k-1) Sm'(k-1) +δI]-1m' *t(k-1) r(k-1) ……(15) ゆえに、状態m(k) の受信信号推定値r’k,m/m'は次の
(16)式で求めることができる。
【0032】 r’k,m/m'=hm' t (k-1)sm (k) ={[Sm' *t(k-1) Sm'(k-1) +δI]-1m' *t(k-1) r(k-1) }t m (k) =rt (k-1)Sm' * (k-1) [Sm' *t(k-1) Sm'(k-1) +δI]-1m (k) ……(16) ここで,(17)式に示すN元ベクトルgm/m'(k) を定
義する。
【0033】 gm/m'(k) =Sm' * (k-1)[Sm' *t(k-1) Sm'(k-1) +δI]-1m (k) ……(17) すると、(16)式は次の(18)式となる。
【0034】 r’k,m/m'=rt (k-1) gm/m'(k) ……(18) このN元ベクトルgm/m'(k) は、ブランチm(k) /m'
(k-1)を特定すれば、このブランチに固有の生残りパス
の最後の(L+N) シンボルに対応して一義的に定まる。そ
して、これと時刻(k-1) Tでの受信信号ベクトルr(k-
1) との内積をとれば、時刻kTの受信信号推定値r’
k,m/m'が得られるわけである。したがって、長さ(L+N)
の全ての発生可能な候補送信系列について、N元ベクト
ルg(・)((・)はm/m'(k) を一般化した長さ(L+N)
の送信系列の意)を予め計算し、そのセット{g
(・)}をROM(読出し専用メモリ)に格納しておけ
ば、ブランチメトリック計算の都度、必要な箇所をRO
Mから読出して用いればよい。
【0035】受信信号推定値がこのように求まれば、あ
とは従来方式と同じようにしてブランチメトリックを計
算し、生残りパスとパスメトリックの更新を行うことが
できる。
【0036】ここで注目すべきは、受信信号推定値r’
k,m/m'を計算するに際して、実時間計算で推定伝送路応
答hm'(k-1) を求めることは、もはや不要になったこと
である。これが、計算量削減につながる。
【0037】すなわち、本発明によれば、受信信号推定
値を求めるのに必要な実時間計算量は乗算N、加算(N
−1)であり、これにパスメトリック計算を加えたブラ
ンチ当りの計算量は(2N+1)となる。これを従来方
式の(2LN+L+1)と比較すると、おおよそL分の
1で済むことになる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明が適用されるデジタル通信受信機の
構成を示すブロック図である。
【0039】同図において、第1のメモリ1はROMで
あり、長さ(L+N)の全ての可能な候補送信系列につ
いて、予め次の(17)式で計算したN元ベクトルのセ
ット{g(・)}が格納される。
【0040】 gm/m'(k) =Sm' * (k-1) [Sm' *t(k-1) Sm'(k-1) +δI]-1m (k) ……(17) 第2のメモリ2はRAM(ランダムアクセスメモリ)ま
たはシフトレジスタメモリでサンプリング回路5におい
て受信信号を時間Tごとにサンプリングして得た系列の
うち、少なくとも時刻 (k-N)Tから時刻kTまでの(N+
1) サンプルを一時的に記憶する。また、第3のメモリ
3はRAMで、各状態の生残りパスおよびパスメトリッ
クを一時的に記憶するものである。
【0041】演算制御部6は、乗算、加減算,2乗、お
よび比較の各演算機能を有し、各メモリ1,2,3との
データのやりとり等、全体の動作を制御する。
【0042】次に、動作について説明する。
【0043】いま時刻kT、着目しているのは状態m
(k) であるとする。また、時刻(k-1)Tのある状態から
時刻kTの状態m(k) へ至るブランチは、送信符号のレ
ベル数Qだけあるが、その一つをブランチm(k) /m'
(k-1)とする。
【0044】そして、演算制御部6は、状態m(k) への
全ての入りブランチ中の一つのブランチm/m' につい
てメモリ3を参照してm'(k-1)の生残りパスを知り、そ
の最後尾にブランチm/m' を規定する符号を付け加え
た系列から最後の(N+L) シンボルを取出したものを候補
送信系列として、これに対応するN元ベクトルg
m/m'(k)をメモリ1から読出す。またメモリ2からはr
(k-1) およびrk を、メモリ3からはパスメトリックp
k-1,m'を読出し、これらを用いて下記の(19)〜(2
1)式の演算を行う。
【0045】 r’m/m'=rt (k-1) gm/m'(k) ……(19) bk,m/m'=|rk −r’k,m/m'2 ……(20) pk,m/m'=pk-1,m'+bk,m/m' ……(21) そして、上記(19)〜(21)式を用いて状態m(k)
への全ての入りブランチについてパスメトリックp
k,m/m'を計算したうえで、最小のパスメトリックを与え
るブランチを選択する。その後、選択したブランチの状
態m'(k-1)の生残りパスに、このブランチの符号を継ぎ
足したものを、状態m(k) の生残りパスとして、また、
最小値をパスメトリックpk,m として採用し、メモリ3
の内容を更新する。
【0046】演算制御部6は、全てのm(k) について上
述の処理を行ったあと、kを1だけ歩進させてもとに戻
る。
【0047】このような処理においては、パスメトリッ
クを計算するための演算量が前述した従来方式に比し
て、約1/Lに減少するので、処理時間が短縮化され
る。また、従来のように、推定伝送路応答hm'(k-1) を
求める必要がないので、逆行列が算出できないという欠
点は解消され、各時刻で常に受信信号推定値r’k,m/m'
を求めることができる。
【0048】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。この例では、図1に示すサンプリング回路5の動作
周波数を第1実施例の2倍とする。そして、これに関連
して処理方法が以下の如く第1実施例とは異なったもの
となる。
【0049】まず、時刻はT' (=T/2)を単位と
し、t=kT' で表す。kはこれまでどおり順序数であ
るが、この内の偶数だけを取出してk' とする。時間間
隔2T' (=T)の送信系列{s0 ,…,sk'-2
k'}が送信変調器を経て送信され、無歪み、無雑音の
理想的な空中伝搬路を経たあと、受信・復調されたと仮
定する。そのベースバンド波形x(t) をT' ごとにサン
プリングして得られる系列{x0 ,…,xk'-1,xk'
k'+1}を、送信系列{s0 ,…,sk'-2,sk'}に対
応する理想受信信号系列と呼ぶ。また、実際の受信信号
を間隔T' でサンプリングして得られる系列{r0
…,rk-2 ,rk-1 ,rk }から、(22)式に示すN
元受信信号ベクトルr(k) を定義する。
【0050】 r(k) =[rk ,rk-1 ,rk-2 ,……,rk-N+1 t ……(22) そして、そのときの伝送路応答は、間隔T' 、Lタップ
のトランスバーサルフィルタで模擬できるものとする。
【0051】いま、ブランチm(k')/m'(k'-2)を考え、
その生残りパス{s0 ,…,sk'-2,sk'm/m'に、理
想受信信号系列{x0 ,…,xk'-1,xk',xk'+1
m/m'が対応するものとして、理想受信信号ベクトルおよ
び理想受信信号行列を次の(23)〜(25)式の如く
定義する。
【0052】 xm/m'(k'+1)=[xk'+1,xk',…,xk'-L+2m/m' t m/m'(k') =[xk',xk'-1,…,xk'-L+1m/m' t … xm/m'(k'-N)=[xk'-N,xk'-N-1,…,xk'-N-L+1m/m' t ……(23)
【数4】 そして、(23)〜(25)式を用いて次の(26),
(27)式に示す2つのN元ベクトルg1 m/m'(k')及び
g2 m/m'(k')を定義する。
【0053】 g1 m/m'(k') =Xm/m' * (k'-1)[Xm/m' *t(k'-1)Xm/m'(k'-1)+δI]-1m/m'(k') ……(26) g2 m/m'(k') =Xm/m' * (k')[Xm/m' *t(k')Xm/m'(k')+δI]-1m/m'(k'+1) ……(27) そして、(26),(27)式で示した各N元ベクトル
は、ブランチm(k')/m'(k'-2) に対応する生残りパス
の最後のN' シンボル(N' =〔(N+L+1)/2 〕、ただ
し、〔・〕は端数切り上げを表す)によって一義的に定
まる。したがって、長さN' の全ての発生可能な候補送
信系列について、N元ベクトルg1(・) 及びg2(・)の
セット{(g1 ,g2)(・)}((・) はm/m'(k')を一般
化した長さN' の送信系列の意)は予め計算しておくこ
とができる。そこで、第1のメモリ1には、このN元ベ
クトルセット{(g1 ,g2)(・)}を格納しておく。
【0054】また、演算制御部6は、状態m(k')への全
ての入りブランチ中の一つであるブランチm/m' につ
いて第3のメモリ3を参照してm'(k'-2) の生残りパス
を知り、その最後尾にブランチm/m' を規定する符号
を付け加えた系列から最後のN' シンボルを取出したも
のを候補送信系列として、これに対応する1組のN元ベ
クトルg1 m/m'(k')およびg2 m/m'(k')を第1のメモリ
1から読出す。また、第2のメモリ2からは、r(k'-
1),r(k')、rk',およびrk'+1を読出し、さらに第3
のメモリ3からはパスメトリックpk'-2,m'を読出し、
これらを用いて次の(28)〜(31)式を演算する。
【0055】 r’k',m/m' =rt (k'-1)g1 m/m'(k') ……(28) r’k'+1,m/m' =rt (k')g2 m/m'(k') ……(29) bk',m/m' =|rk'−r’k',m/m' 2 +|rk'+1−r’k'+1,m/m' 2 ……(30) pk',m/m' =pk'-2,m'+bk',m/m' ……(31) その後、状態m(k')への全ての入りブランチについてパ
スメトリックpk',m/m ' を計算したうえで、最小のパス
メトリックを与えるブランチを選択する。そして、選択
したブランチを含むパスを状態m(k')の生残りパスとし
て、また、最小値をパスメトリックpk',mとして採用
し、第3のメモリ3の内容を更新する。
【0056】そして、演算制御部6は、上記の処理を全
てのm(k')について行なった後、kを1つだけ歩進させ
て同様の演算を繰り返す。これによって、パスメトリッ
クの演算、及び生残りパスの選択が行われるのである。
【0057】以上述べた第2実施例の効果は、サンプリ
ングクロック(周波数2/T)の位相がどのような値で
あっても、系列推定の符号誤り率にはあまり影響しない
ことである。その理由は、受信ベースバンド信号は、1
/T以内に帯域制限されており、2/Tというサンプリ
ング周波数は、サンプリング定理を満足しているので、
どのような波形もこの間隔のサンプリング系列で表現可
能だからである。
【0058】これに対して、従来方式や第1実施例で
は、暗黙のうちに、サンプリングクロック(周波数1/
T)の位相は最適値に設定されていることを前提として
おり、位相がこれからずれると、系列推定の符号誤り率
は急速に結果する。
【0059】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。この例では、図1に示すサンプリング回路5の動作
周波数をF倍とする。そして、これに関連して処理方法
が以下の如く前記第1実施例、及び第2実施例とは異な
ったものとなる。
【0060】まず、時刻はT" (=T/F)を単位と
し、t=kT" で表す。kはこれまでどおり順序数であ
るが、このうちFの倍数だけを取出してk" とする。
【0061】時間間隔FT" (=T)の送信系列
{s0 ,…,sk"-F,sk"}が、送信変調器を経て送信
され、無歪み、無雑音の理想的な空中伝搬路を経たあ
と、受信・復調されたと仮定する。そのベースバンド波
形x(t) をT" ごとにサンプリングして得られる系列
{x0 ,…,xk",xk"+1,…,xk"+F-1}を、送信系
列{s0,…,sk"-F,sk"}に対応する理想受信信号
系列と呼ぶ。また、実際の受信信号を間隔T" でサンプ
リングして得られる系列{r0 ,…rk-2 ,rk-1 ,r
k}から次の(32)式に示すN元受信信号ベクトルr
(k) を定義する。
【0062】 r(k) =[rk ,rk-1 ,rk-2 ,…,rk-N+1 t ……(32) そして、そのときの伝送路応答は、間隔T" ,Lタップ
のトランスバーサルフィルタで模擬できるものとする。
【0063】いま、ブランチm(k")/m'(k"-F) を考え
る。その生残りパス{s0 ,…,sk"-F,sk"
m/m'に、理想受信信号系列{x0 ,…,xk",xk"+1
…,xk"+F -1m/m'が対応するものとして、理想受信信
号ベクトルおよび理想受信信号行列を次の(33)〜
(34)式の如く定義する。
【0064】 xm/m'(k"+F-1)=[xk"+F-1,xk"+F-2,…,xk"+F-Lm/m' t … xm/m'(k"-N)=[xk"-N,xk"-N-1,…,xk"-N-L+1m/m' t ……(33)
【数5】 そして、(33)、(34)式を用いて次の(35)式
に示すF個のN元ベクトルを定義する。
【0065】 g1 m/m'(k") =Xm/m' *(k"-1)[Xm/m' *t(k"-1)Xm/m'(k"-1)+δI]-1m/m'(k") g2 m/m'(k") =Xm/m' *(k")[Xm/m' *t(k")Xm/m'(k")+δI]-1m/m'(k"+1) … gF m/m'(k") =Xm/m' *(k"+F-2)[Xm/m' *t(k"+F-2)Xm/m'(k"+F-2)+δI]-1m/m'(k"+F-1) ……(35) 上記N元ベクトルg1 m/m'(k")〜gF m/m'(k")は、ブラ
ンチm(k")/m'(k"-F)に対応する生残りパスの最後の
N" シンボル(N" =〔(N+L+F-1)/F 〕,〔・〕は端数
切り上げを表す)によって一義的に定まる。したがっ
て、長さN" の全ての発生可能な候補送信系列につい
て、N元ベクトルg1(・) 〜gF (・)のセット{g1,
g2,…,gF)(・)}((・)はm/m'(k")を一般化した
長さN" の送信系列の意)は予め計算しておくことがで
きる。そこで第1のメモリ1には、N元ベクトルセット
を格納しておく。
【0066】また、演算制御部6は、状態m(k")への全
ての入りブランチのなかの1つであるm〜m' につい
て、その都度第1のメモリからg1 m/m'(k")〜gF m/m'
(k")を読み出して下記の(36)式に示す演算を行う。
【0067】 r’k",m/m' =rt (k"-1)g1 m/m'(k") r’k"+1,m/m' =rt (k")g2 m/m'(k") … r’k"+F-1,m/m' =rt (k"+F-2)gF m/m'(k") ……(36) そして、ブランチメトリックを次の(37)式にて計算
する。
【0068】 更に第3のメモリ3からパスメトリックpk"-F,m' を読
出して、次の(38)式に示すパスメトリックp
k",m/m' を計算する。
【0069】 pk",m/m' =pk"-F,m' +bk",m/m' ……(38) その後、状態m(k")の全ての入りブランチについてパス
メトリックpk",m/m'を計算したうえで、最小のパスメ
トリックを与えるブランチを選択する。そして、選択し
たブランチを含むパスを状態m(k")の生残りパスとし
て、また、最小値をパスメトリックpk",mとして採用
し、第3のメモリ3の内容を更新する。
【0070】そして、演算制御部6は、上記の処理を全
てのm(k")について行なった後、kを1つだけ歩進させ
て同じ演算を繰り返す。これによって、パスメトリック
の演算、及び生残りパスの選択が行われるのである。
【0071】以上述べた第3実施例の効果は、さらに大
きなFが必要とされる場合、例えば、受信ベースバンド
信号が搬送周波数が0の狭義のベースバンドではなく、
搬送波周波数2/Tの両側に±1/T幅のスペクトラム
を持つ中間周波信号であるとして、F=6にとったよう
な場合に発揮される。この場合にも、過大な演算量増大
を招くことなく、適応的な送信系列推定方式の実現が可
能になる。
【0072】次に、本発明の第4実施例ついて説明す
る。この例の動作は第3の実施例とほぼ同じであるが、
所定の長さの全ての可能な候補送信系列について予め計
算し第1のメモリ1に格納しておくN元ベクトルの定義
が異なる。
【0073】本実施例では、ブランチm(k")/m'(k"-F)
に対応して、次の(39)式に示すF個のN元ベクトル
を定義する。
【0074】 g1 m/m'(k") =WXm/m' * (k"-1)[Xm/m' *t(k"-1)WXm/m'(k"-1)+δI]-1m/m'(k") g2 m/m'(k") =WXm/m' * (k")[Xm/m' *t(k")WXm/m'(k")+δI]-1m/m'(k"+1) … gF m/m'(k") =WXm/m' * (k"+F-2)[Xm/m' *t(k"+F-2)WXm/m'(k"+F-2)+δI]-1m/m'(k"+F-1) ……(39) ただし、
【数6】 を定義する。これは、伝送路応答を推定する際の評価関
数に時間重みを取り入れて、次の(40)式を最小化さ
せたときに導かれるものである。
【0075】 本実施例で、WをN次単位行列にとったものが、第3実
施例であり、さらにF=2にとったものが第2実施例で
ある。
【0076】本実施例固有の効果は、Wの選び方によっ
ては、高速追随性と耐雑音特性の兼合いが、W=Iの場
合よりも望ましいものになる可能性があることである。
例えば、wN =0,w0 =1で、その間のwj を直線状
に補間して三角状とすれば、現時刻より遠い過去ほど、
重み付けが小さくなるので、高速追随性が向上する。同
時に、耐雑音特性も幾分低下するが、その分Nを大きく
すれば、wj が常に1(矩形状)の場合に比べて、同じ
耐雑音特性ながら、高速追随性に優る可能性がある。な
お、Wは三角状に止まらず、任意の形状に設定し得るの
で、装置の設計に当って、計算機シミュレーションや実
験によって、最適形状に決めることができる。
【0077】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。本実施例では、第4実施例について述べたF個のN
元ベクトルg1 m/m'(k")〜gF m/m'(k")を、Nの代りに
(N−1)として定義し直したF個の(N−1)元ベク
トルg1'm/m'(k")〜gF'm/m'(k")、および同様の意味で
(N−1)元であるが、定義のやや異なるF個のベクト
ル、即ち、次の(41)〜(43)に示すベクトル f1'm/m'(k") =WXm/m' * (k"-2)[Xm/m' *t(k"-2)WXm/m'(k"-2)+δI]-1m/m'(k") ……(41) f2'm/m'(k") =WXm/m' * (k"-1)[Xm/m' *t(k"-1)WXm/m'(k"-1)+δI]-1m/m'(k"+1) … ……(42) fF'm/m'(k") =WXm/m' * (k"+F-3)[Xm/m' *t(k"+F-3)WXm/m'(k"+F-3)+δI]-1m/m'(k"+F-1) ……(43) に基づいて、次の(44),(45)式に示すF個1組
のN元ベクトルを定義する。
【0078】 g1"m/m'(k")=[g1'm/m'(k") 0]t … gF"m/m'(k")=[gF'm/m'(k") 0]t ……(44) f1"m/m'(k")=[0 f1'm/m'(k")]t … fF"m/m'(k")=[0 fF'm/m'(k")]t ……(45) そして更に、これらの線形結合であるF個1組のN元ベ
クトルを次の(46)式に示す如く定義する。
【0079】 d1 m/m'(k")=(1+α)g1"m/m'(k")−αf1"m/m'(k") … dF m/m'(k")=(1+α)gF"m/m'(k")−αfF"m/m'(k") ……(46) ただし、αは正の定数 そして、図1に示す演算制御部6では、前述した第3実
施例におけるg1 m/m'(k")〜gF m/m'(k")の代りに、
(46)式に示したF個のN元ベクトルの組d1
m/m'(k")〜dF m/m'(k")を用いて下記の(47)式に示
す演算を行う。
【0080】 r’k",m/m' =rt (k"-1)d1 m/m'(k") r’k"+1,m/m' =rt (k")d2 m/m'(k") … r’k"+1,m/m' =rt (k"+F-2)dF m/m'(k") ……(47) その後、ブランチメトリックbk",m/m' およびパスメト
リックpk",m/m' の計算、生残りパスの決定、第3のメ
モリ3の内容の更新を第3実施例と同様に行う。
【0081】本実施例固有の効果は、伝送路特性の時間
変化が高速なとき、これへの追随性能を第1〜第4実施
例よりも更に改善できることである。
【0082】従来においては、受信参照値r’k を求め
る際の伝送路応答に、伝送路応答推定値h(k-1) を用い
ている。このh(k-1) は、過去Nサンプルの入力信号を
これに通したときの出力誤差2乗和が最小になるように
決めたものであるから、時刻kのチャンネル応答という
よりは、むしろkよりも少し前の時刻のチャンネル応答
に近いと考えられる。そこで、次の(48)式に示すよ
うにh(k-1) およびh(k-2) から将来方向に外挿したh
(k) を用いてr’k を求める。
【0083】 h(k) =h(k-1) +α{h(k-1) −h(k-2) } ={1+α}h(k-1) −αh(k-2) ……(48) ところで、本発明では、r’k を求めるのに、チャンネ
ル応答は表には出ず、代りにgベクトルを用いる。とこ
ろでh(k-1) に対応してgベクトルがあったように、h
(k-2) にはfベクトルが対応する。h(k) に対応する同
じ役割のベクトルを求めると、上記dベクトルとなる。
ここで、定数αの値をどうとるかは設計上の問題である
が、一例として、矩形窓(W=1)のときα=N/2に
とる。
【0084】パス推定が正しい場合、このようにして求
めたr’k は、高速のチャンネル応答にも時間遅れなく
追随する。なお、あらかじめ計算して第1のメモリに格
納しておくべきN元ベクトルの計算定義法は、本発明の
各実施例に述べてあるものに限定されるわけではなく、
このN元ベクトルと前回までの受信信号からなるN元ベ
クトルとの内積が、今回の受信信号推定値を与えるよう
なものでありさえすれば本発明の主旨逸脱しない範囲
で、どのようなものであってもよい。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来方式に比べて、実時間での所要演算量を大幅に減らし
た適応型最尤系列推定方式を提供することができる。ま
た、サンプリング周波数をシンボル周波数の2倍あるい
はそれ以上にしても、所要演算量が現実的な値に納まる
ので、サンプリングクロックの位相について特に配慮を
必要としない実用的な適応型最尤系列推定方式の実現が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の最尤系列推定方式が適用されるデジタ
ル通信受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】従来におけるデジタル通信受信機の構成を示す
ブロック図である。
【図3】送信系列を表現するトレリス線図である。
【符号の説明】
1 第1のメモリ 2 第2のメモリ 3 第3のメモリ 4 入力端子 5 サンプリング回路 6 演算制御部 11 行列メモリ 12 受信信号メモリ 13 パスメモリ 15 サンプリング回路 16 演算制御部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信系列の部分系列を状態にとり送信系
    列を状態遷移の時系列として表現したトレリスの各時刻
    において、各状態を終点とする候補送信系列(候補パ
    ス)の中から、該時刻までのパスメトリックを最小にす
    るものを該状態の生残りパスとしながら、生残りパスお
    よびパスメトリックを時間経過とともに逐次更新する最
    尤系列推定方式において、 所定長の送信系列に対応して計算法が定義されたN元ベ
    クトルまたはN元ベクトルの組の、所定長の全ての可能
    な送信系列についての計算結果を格納しておく第1のメ
    モリと、少くともN個の受信信号サンプル値系列を一時
    的に記憶する第2のメモリとを備え、候補送信系列に対
    応して前記第1のメモリから読み出したN元ベクトル
    と、前記第2のメモリから読み出したN個の受信信号サ
    ンプル値からなるN元ベクトルとの内積から、実際の受
    信信号値を差引いたものの絶対値2乗の時間方向累積値
    をパスメトリックとして生残りパスを決定することを特
    徴とする最尤系列推定方式。
  2. 【請求項2】 所定長の送信系列を、変調器、送信機、
    および理想的伝送路を介して、受信・復調したときに得
    られるべき受信機ベースバンド波形を、送信シンボル周
    波数のF倍(Fは2以上の整数)の周波数でサンプリン
    グした系列に基づいて、前記送信系列に対応したF個1
    組のN元ベクトルを求める請求項1記載の最尤系列推定
    方式。
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