JPH05275Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はドラム式薄板連続鋳造機の水冷ドラム
に関する。

〔従来の技術〕

第２図に示すように１は一対の水冷ドラムで、
その中空軸部１ｃは軸受４に支承され、その内部
には筒状仕切１ｄ、環状仕切１ｅ、円板状仕切１
ｇ、連通管１ｆ内装されている。また、図中左方
の中空軸部１ｃには給水管６が固着された給水リ
ング５が嵌装され、右方の中空軸部１ｃには排水
管７が嵌装されている。双方の水冷ドラム１を図
示しない駆動装置で矢印で示すように回転し、一
対のサイドダム８と水冷ドラム１の外周面とから
成る鋳型部へ溶融金属を供給し、凝固させて薄板
１０を連続して鋳造する。このとき、水冷ドラム
１の昇温を防止するため、冷却水を給水管５，６
から供給する。冷却水は、筒状仕切１ｄに案内さ
れて給水路ｂから、水冷ドラム１の外周面に沿つ
て多数条並設された冷却室ａへ入り排水路ｃから
直接、及び連通管１ｆに案内されて、図中右方の
中空軸部１ｃを通り、排水管７から排水される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

水冷ドラムは冷却水によつて冷却されるにもか
かわらず、その外周面はかなりの高温になり、高
温の溶融金属を長時間にわたつて供給して連続鋳
造すると、しだいに消耗し、ついにはその表面性
状が悪化して使用にたえなくなる。ところが、従
来の水冷ドラムは一体型であるので、所定の時間
を稼働させると、水冷ドラム全体を新しいものと
交換していた。そのため、高価な交換用水冷ドラ
ムを要すると共に、交換作業が大掛りなものにな
り、ラインのダウンタイムが長くなる等の問題が
ある。

また、ドラムスリーブは溶湯鋼接触部での高熱
負荷と非接触部での内部冷却により交番変形が生
じ、鋳造される鋼片の成形性を阻害する。そのた
めにドラム胴体の外周部と胴体スリーブの内周部
は締まりばめにより嵌着する必要がある。

〔問題点を解決するための手段〕

軸受に支承された一対の水冷ドラム間に溶融金
属を連続的に供給して薄板を連続的に鋳造する薄
板連続鋳造機の水冷ドラムにおいて、両側端部に
軸部を有するドラム胴体と、該ドラム胴体の外周
部に着脱可能に嵌装されたドラムスリーブと、該
ドラムスリーブを前記ドラム胴体に固定する手段
とを設ける。

〔作用〕

一対の水冷ドラムのドラム胴体にドラムスリー
ブをそれぞれ嵌装して固定手段で固定し、双方の
ドラムスリーブの外周面から成る間隙部へ溶融金
属を供給して、薄板を連続的に鋳造する。そし
て、所定の時間鋳造して、ドラムスリーブの外周
面が消耗すると、固定手段を解除してドラムスリ
ーブをドラム本体から抜き取り、新しいものと交
換する。即ち水冷ドラムが摩耗した時はドラムス
リーブのみを交換する。

〔実施例〕

第１図において、Ａは一対の互いに、水平状に
並設された水冷ドラムで、固設された軸受４にそ
の中空軸部１ｃを支承されて中空の胴体１ａと、
この胴体１ａの外周部に着脱可能に嵌装されたス
リーブ１ｂと、両者の接合部両端に挿設されて両
者を固定するウエツジリング２ａ，２ｂと、胴体
１ａの両側面に固設されてウエツジリング２ｂを
押える押えリング３等の主要部材によつて構成さ
れている。

中空の胴体１ａの内部には、中空軸部１ｃに連
通する筒状仕切１ｄ、筒状仕切１ｄの周囲に設け
られた環状仕切１ｅ、環状仕切１ｅに向かい合つ
た円板状仕切１ｇ、環状仕切１ｅと円板状仕切１
ｇとを接続連通する連通管１ｆが設置されてい
る。

また、スリーブ１ｂには、その外周面の軸方向
に沿つて多数条の冷却室ａが並設され、胴体１ａ
とスリーブ１ｂとに穿設された給水路ｂ及び排水
路ｃに連結させている。胴体１ｂの図中左片の中
空軸部１ｃは、給水管６が固着された給水リング
５に嵌装され、その端部は図示しない駆動装置に
連結されている。また、図中右方の中空軸部１ｃ
は、排水管７に嵌装されている。８は一対のサイ
ドダムで、双方のスリーブ１ｂの両側面に対し摺
動可能に密着して指示されている。

双方の水冷ドラムＡを矢印で示すように互いに
逆方向に回転し、各々のスリーブ１ｂの外周面の
間隙とサイドダム８とで形成される鋳型部へ溶融
金属を連続して供給し、薄板１０を連続鋳造す
る。このとき、スリーブ１ｂは溶融金属の凝固熱
を吸収して昇温するので、これを冷却するため
に、冷却水を給水管６から給水リング５、中空軸
１ｃ、筒状仕切１ｄ、給水路ｂを経て冷却室１ａ
へ供給する。そして昇温した冷却水を排出路ｃ、
連通管１ｆ、中空軸部１ｃを経て排水管７から排
出する。スリーブ１ｂの外周面は長時間の連続鋳
造によつてしだいに消耗し、その表面性状が悪化
して、それが鋳造される薄板１０に転写され、製
品価値を著しく低下させる。そこで、スリーブ１
ｂの外周面が有る程度消耗すると、押えリング３
を外してウエツジリング２ａ，２ｂ引き抜き、胴
体１ａから消耗したスリーブ１ｂを抜き取つて新
しいスリーブ１ｂと交換し、ウエツジリング２ｂ
を圧入して胴体１ａとスリーブ１ｂを固定し、押
えリング３を図示しないボルトで胴体１ａへ締付
けて、ウエツジリング２ｂを押える。

この水冷ドラムＡの修復が完了すると、次の連
続鋳造を開始する。

〔考案の効果〕

水冷ドラムをドラム本体（胴体）とドラムスリ
ーブに分割したことにより、連続鋳造によつて水
冷ドラムの外周面が消耗しても、ドラムスリーブ
のみを交換すればよい。

従つて、従来装置よりも交換部品が安価にな
り、交換作業が容易になるので、その装置維持費
を低減できると共に、ラインのダウンタイムを短
縮することができる。

また、ドラム胴体とドラムスリーブに分割し、
ウエツジリング及び押えリングを用いて嵌着する
ことにより、鋳造鋼片の成形性を阻害することな
く、従来装置よりも、安価に且つ交換作業の容易
なドラムを提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案薄板連続鋳造機の水冷ドラムの
実施例における一部を断面で示した平面図、第２
図は従来の薄板連続鋳造機の水冷ドラムの一例を
示す部分断面平面図である。 Ａ……水冷ドラム、１ａ……胴体、１ｂ……ス
リーブ、１ｃ……中空軸部、２ａ，２ｂ……ウエ
ツジリング、３……押えリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸受に支承された一対の水冷ドラム間に溶融金
   属を連続的に供給し、板状に凝固させて薄板を連
   続的に鋳造する薄板連続鋳造機において、両側端
   部に軸部を有するドラム胴体と、前記ドラム胴体
   の外周部に着脱可能に嵌装されたドラムスリーブ
   と、前記ドラムスリーブを前記ドラム胴体に固定
   するウエツジリング及び押えリングを具えたこと
   を特徴とする薄板連続鋳造機の水冷ドラム。