JPH05270187A - 抽選券 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、複数枚の外れ券を用いた貼り替えに
よる改ざんを防止でき、改ざんしたことを容易にしかも
正確に発見できることを最も主要な目的としている。 【構成】台紙の片面側に設けられた、ｎ行ｍ列（ｎは１
以上の整数、ｍは２以上の整数）の複数個のエリアから
なる抽選情報記録エリア内に地紋パターンを設けると共
に、当該抽選情報記録エリアの各エリアに単位抽選情報
をそれぞれ設けて成る抽選券において、地紋パターン
は、抽選情報記録エリアの各エリア内に、所定本数のラ
インをあるピッチで設けたラインパターンからなり、抽
選情報記録エリアの同一行におけるラインは、一定の規
則の組み合わせの下で磁性インキとダミーインキとによ
り設け、かつ抽選情報記録エリアの同一行における各エ
リアのラインパターンは互いに同一パターンとならない
ようにしたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、抽選情報が券面に表示
された抽選券に係り、特に複数枚の外れ券を用いた貼り
替えによる改ざんを抑制できると共に、改ざんしたこと
を容易にしかも正確に発見できるようにした抽選券に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、例えば抽選券としては、紙、
プラスチックシート等の基体上に抽選情報記録エリアを
設け、各エリア内に各券毎に異なる単位抽選情報（例え
ば、任意の数字、文字、マーク）を記録し、抽選後、も
しくは隠蔽された情報を表出して目視可能とすること
で、その単位抽選情報から、当たり／外れを判定できる
ようにしたものがある。

【０００３】ところで、この種の抽選券においては、例
えば図４に示すように、２枚の外れ券１，２を用いて、
貼り替えによって当たり券３に改ざんする（図の場合に
は、当選番号を、上エリア、下エリアの特定の数字の並
び（１・２・３、４・５・６）とすると、外れ券（１・
２・５、４・５・７）１と外れ券（５・９・３、２・３
・６）２とから、右上エリアと右下エリアとをそれぞれ
貼り換える）というような不正行為が行なわれる虞があ
る。

【０００４】そこで、このような不正行為を防止するた
めに、最近では、抽選情報記録エリア内に、例えば図５
に示すような地紋パターン４を設けるようにしている。

【０００５】しかしながら、従来の地紋パターンは、単
色でしか設けられていないため、色鉛筆等による地紋パ
ターンの補修（補筆）が比較的容易に行なえ、前述した
ような不正行為を十分には防止できないという問題があ
る。

【０００６】また、前述のような改ざんがあった場合、
それが目視によるものであることから、改ざんが非常に
巧妙であったり、真偽を判別する人間のチェックのレベ
ルの差によって、改ざんを発見することができないとい
う問題がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
抽選券においては、複数枚の外れ券を用いた貼り替えに
よる改ざんを、十分に防止することができないばかりで
なく、改ざんがあった場合に、それを発見することが困
難であるという問題があった。

【０００８】本発明は、上記のような問題点を解決する
ために成されたもので、その目的は複数枚の外れ券を用
いた貼り替えによる改ざんを防止できると共に、改ざん
したことを容易にしかも正確に発見することが可能で極
めて実用的な抽選券を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明では、台紙の片面側に設けられた、ｎ行ｍ列
（ｎは１以上の整数、ｍは２以上の整数）の複数個のエ
リアからなる抽選情報記録エリア内に地紋パターンを設
けると共に、当該抽選情報記録エリアの各エリアに単位
抽選情報をそれぞれ設けて成る抽選券において、地紋パ
ターンは、抽選情報記録エリアの各エリア内に、所定本
数のラインをあるピッチで設けたラインパターンからな
り、抽選情報記録エリアの同一行におけるラインは、一
定の規則の組み合わせの下で磁性インキとダミーインキ
とにより設け、かつ抽選情報記録エリアの同一行におけ
る各エリアのラインパターンは互いに同一パターンとな
らないようにしている。

【００１０】ここで、特に上記抽選情報記録エリアとし
ては２行３列からなり、かつ地紋パターンとしては、５
本のラインを一定ピッチで抽選情報記録エリアの各エリ
ア内に設けるようにしている。

【００１１】また、上記抽選情報記録エリアの一つのエ
リア内に設けるラインの本数を任意に変えるようにして
いる。

【００１２】さらに、上記抽選情報記録エリアの一つの
エリア内に設けるラインのピッチを任意に変えるように
している。

【００１３】さらにまた、上記ラインパターンとして
は、抽選情報記録エリアの行方向または列方向に設ける
ようにしている。

【００１４】

【作用】従って、本発明の抽選券においては、ｎ行ｍ列
の複数個のエリアからなる抽選情報記録エリア内に設け
る地紋パターンは、抽選情報記録エリアの各エリア内
に、所定本数のラインをあるピッチで設けたラインパタ
ーンからなり、抽選情報記録エリアの同一行におけるラ
インは、一定の規則の組み合わせの下で磁性インキとダ
ミーインキとにより設け、かつ抽選情報記録エリアの同
一行における各エリアのラインパターンは互いに同一パ
ターンとならないようにすることにより、同一パターン
の地紋が他の列では発生しないため、複数枚の外れ券を
用いた列単位の貼り替えによる改ざんを防止することが
できる。

【００１５】また、抽選情報記録エリアの同一行におけ
るラインは、一定の規則の組み合わせの下で磁性インキ
とダミーインキとにより設けることにより、列を変更し
ての貼り替えが行なわれていた場合には、磁性インキに
よるラインの間隔が異なってしまうため、鑑定装置（磁
気センサ等）による読取りデータが本来の読取りデータ
とは異なるデータとなり、これにより改ざんしたことを
容易にしかも正確に発見することができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。

【００１７】図１は、本発明による抽選券の構成例を示
す平面図である。

【００１８】図１（ａ）において、抽選券本体を形成す
る１枚の白色の台紙１１の片面側には、ｎ行ｍ列（本例
では、２行３列）の６つのエリア１２Ａ，１２Ｂ，１２
Ｃ，１２Ｄ，１２Ｅ，１２Ｆからなる抽選情報記録エリ
ア１２を設けている。

【００１９】また、この抽選情報記録エリア１２以外の
部分には、所望の絵柄１３を設け、さらに抽選情報記録
エリア１２内には地紋パターン１４を設けると共に、抽
選情報記録エリア１２の各エリア１２Ａ，１２Ｂ，１２
Ｃ，１２Ｄ，１２Ｅ，１２Ｆには、単位抽選情報（本例
では、１，２，３，４，５，６の数字）１５をそれぞれ
設けている。

【００２０】さらに、抽選情報記録エリア１２上には、
その全体を覆うように分離層である透明シート（本例で
は、ラミネートシート）１６を接着剤により接着して設
け、かつこの透明シート１６上の各単位抽選情報１５に
対応した部分に、図１（ｂ）に示すように、削り取り可
能な隠蔽層１７を設けて構成しており、隠蔽層１７を削
り取ることにより、内部に隠蔽されている抽選情報を視
認できるようになっている。

【００２１】ここで、地紋パターン１４は、その詳細を
図２に拡大して示すように、抽選情報記録エリア１２の
各枠１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ，１２Ｄ，１２Ｅ，１２Ｆ
内に、所定本数（本例では、５本）のラインを一定のピ
ッチで設けたラインパターンからなる。この場合、抽選
情報記録エリア１２の同一行におけるラインは、一定の
規則の組み合わせの下で磁性インキとダミーインキとに
より設ける、すなわち本例ではラインを２本おきに磁性
インキ１４Ａで印刷して設け、他のラインをダミーイン
キ１４Ｂで印刷して設けている。さらに、抽選情報記録
エリア１２の同一行における各エリアのラインパターン
は、互いに同一パターンとならないようにしている。本
例では、ダミーライン１４Ｂ，ダミーライン１４Ｂ，磁
性ライン１４Ａ，ダミーライン１４Ｂ，ダミーライン１
４Ｂ（第１列）、磁性ライン１４Ａ，ダミーライン１４
Ｂ，ダミーライン１４Ｂ，磁性ライン１４Ａ，ダミーラ
イン１４Ｂ（第２列）、ダミーライン１４Ｂ（第１
列）、磁性ライン１４Ａ，ダミーライン１４Ｂ，ダミー
ライン１４Ｂ，磁性ライン１４Ａ（第３列）の地紋パタ
ーンとしている。

【００２２】なお、この地紋パターン１４は、例えばカ
ラープリンタにより、上記絵柄１３と同時に印刷により
設けたり、あるいは転写プリンタにより転写により設け
ている。

【００２３】また、隠蔽効果をより増大させるために、
アルミ箔層やアルミ蒸着層と印刷インキ層との組み合わ
せ、あるいは印刷インキ層同志を組み合わせて使用する
こともできる。これらは、要求される隠蔽の度合いによ
って、適宜選択することができる。

【００２４】また、各単位抽選情報１５は、印刷または
プリンター等の印字により設けている。

【００２５】次に、以上のように構成した本実施例の抽
選券においては、２行３列の６つのエリア１２Ａ，１２
Ｂ，１２Ｃ，１２Ｄ，１２Ｅ，１２Ｆからなる抽選情報
記録エリア１２内に設ける地紋パターン１４は、抽選情
報記録エリア１２の各エリア内に５本のラインを一定ピ
ッチで設けたラインパターンとし、抽選情報記録エリア
１２の同一行におけるラインは、２本おきに磁性インキ
１４Ａで印刷して設け、他をダミーインキ１４Ｂで印刷
して設け、かつ抽選情報記録エリア１２の同一行におけ
る各エリアのラインパターンは、互いに同一パターンと
ならないようにしている。

【００２６】このため、同一行にラインを２本おきに磁
性インキ１４Ａで印刷して５本設けることにより、同一
行において同一パターンが発生するのは第４列目のエリ
アである、すなわち本構成では同一パターンの地紋が同
一行における他の列では発生しない。

【００２７】これにより、複数枚の外れ券を用いた列単
位の貼り替えによる改ざんを、確実に防止することがで
きる。

【００２８】また、同一行にラインを２本おきに磁性イ
ンキ１４Ａで印刷して５本設けることにより、たとえ列
を変更しての貼り替え（改ざん）を行なったとしても、
磁性インキによるライン１４Ａを第１行目、第２行目別
々に鑑定装置（磁気センサ等）で読取ると、磁性インキ
によるライン１４Ａの間隔が異なってしまうため、その
読取りデータが本来の読取りデータとは異なるデータと
なり、これにより改ざんしたことを容易にしかも正確に
発見することができる。

【００２９】上述したように、本実施例の抽選券は、抽
選券本体を形成する１枚の白色の台紙１１の片面側に、
２行３列の６つのエリア１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ，１２
Ｄ，１２Ｅ，１２Ｆからなる抽選情報記録エリア１２を
設け、この抽選情報記録エリア１２以外の部分に所望の
絵柄１３を設け、また抽選情報記録エリア１２内に地紋
パターン１４を設けると共に、抽選情報記録エリア１２
の各エリア１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ，１２Ｄ，１２Ｅ，
１２Ｆに、任意の数字からなる単位抽選情報１５をそれ
ぞれ設け、さらに抽選情報記録エリア１２上にその全体
を覆うように透明シート１６を接着して設け、かつこの
透明シート１６上の各単位抽選情報１５に対応した部分
に、削り取り可能な隠蔽層１７を設けて構成し、上記地
紋パターン１４は、抽選情報記録エリア１２の各エリア
１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ，１２Ｄ，１２Ｅ，１２Ｆ内
に、５本のラインを一定のピッチで設けたラインパター
ンからなり、抽選情報記録エリア１２の同一行における
ラインは、一定の規則の組み合わせの下で、２本おきに
磁性インキ１４Ａで印刷して設け、他のラインをダミー
インキ１４Ｂで印刷して設け、抽選情報記録エリア１２
の同一行における各エリアのラインパターンは、互いに
同一パターンとならないようにしたものである。

【００３０】従って、次のような種々の効果が得られる
ものである。

【００３１】（ａ）一つのエリアにラインを２本おきに
磁性インキ１４Ａで印刷して５本設けているため、同一
行において同一パターンが発生するのは第４列目のエリ
アであり、本構成では同一パターンの地紋が同一行にお
ける他の列では発生しない。これにより、複数枚の外れ
券を用いた列単位の貼り替えによる改ざんを、確実に防
止することが可能となる。

【００３２】（ｂ）同一行にラインを２本おきに磁性イ
ンキ１４Ａで印刷して５本設けることにより、たとえ列
を変更しての貼り替え（改ざん）を行なったとしても、
磁性インキによるライン１４Ａの間隔が異なってしまう
ため、鑑定装置（磁気センサ等）による読取りデータが
本来の読取りデータとは異なるデータとなり、これによ
り改ざんしたことを容易にしかも正確に発見することが
可能となる。

【００３３】（ｃ）従来の目視による改ざんの確認は、
チェックする人間のレベルによって判断が異なり、改ざ
んを見逃してしまう恐れがあったが、本実施例では、判
定に鑑定装置（磁気センサ等）を用いるため、誰がチェ
ックしても正確に間違いなく改ざんを発見することが可
能となる。

【００３４】（ｄ）地紋パターン１４は、カラープリン
タ、転写プリンタ等により印刷して設けているため、極
めて簡便に印刷を行なうことが可能となる。

【００３５】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、次のようにしても実施できるものである。

【００３６】（ａ）上記実施例では、抽選情報記録エリ
ア１２として２行３列からなる場合について説明した
が、これに限らず抽選情報記録エリア１２としては、ｎ
行ｍ列（ｎは１以上の整数、ｍは２以上の整数）の複数
個により構成することができるものである。

【００３７】（ｂ）上記実施例では、抽選情報記録エリ
ア１２の一つのエリア内にラインを一定のピッチで設け
る場合について説明したが、これに限らず抽選情報記録
エリア１２の一つのエリア内に設けるラインのピッチを
任意に変えるようにしてもよいものである。

【００３８】（ｃ）上記実施例では、抽選情報記録エリ
ア１２の一つのエリア内に５本のラインを設ける場合に
ついて説明したが、これに限らず抽選情報記録エリア１
２の一つのエリア内に設けるラインの本数を任意に変え
ることにより、同一行において同一パターンの発生する
サイクルを変えることが可能となる。

【００３９】（ｄ）上記実施例では、地紋パターン１４
としては、カラープリンタ、あるいは転写プリンタによ
り印刷して設ける場合について説明したが、これに限ら
ずその他の方法により設けるようにしてもよい。

【００４０】（ｅ）上記実施例では、単位抽選情報１５
としては、任意の数字により設ける場合について説明し
たが、これに限らず例えば特定のマーク、絵柄等、その
他の手段により設けるようにしてもよい。

【００４１】（ｆ）上記実施例では、地紋パターン１４
としては、５本のラインを一定のピッチで設ける場合に
ついて説明したが、何らこれに限らず、地紋パターン１
４としては、例えば図３に示すように、複数本の波線を
一定のピッチで斜めに設けたり、あるいは複数本の直線
を一定のピッチで斜めに設けたりするようにしてもよ
く、このようなパターンの設け方は、抽選情報記録エリ
アが２行以上の場合に特に有効となる。

【００４２】（ｇ）上記実施例では、地紋パターン１４
としては、複数本のラインを抽選情報記録エリア１２の
列方向に設ける場合について説明したが、何らこれに限
らず、地紋パターン１４としては、複数本のラインを抽
選情報記録エリア１２の行方向に設けるようにしてもよ
い。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、台
紙の片面側に設けられた、ｎ行ｍ列（ｎは１以上の整
数、ｍは２以上の整数）の複数個のエリアからなる抽選
情報記録エリア内に地紋パターンを設けると共に、当該
抽選情報記録エリアの各エリアに単位抽選情報をそれぞ
れ設けて成る抽選券において、地紋パターンは、抽選情
報記録エリアの各エリア内に、所定本数のラインをある
ピッチで設けたラインパターンからなり、抽選情報記録
エリアの同一行におけるラインは、一定の規則の組み合
わせの下で磁性インキとダミーインキとにより設け、か
つ抽選情報記録エリアの同一行における各エリアのライ
ンパターンは互いに同一パターンとならないようにした
ので、複数枚の外れ券を用いた貼り替えによる改ざんを
防止できると共に、改ざんしたことを容易にしかも正確
に発見することが可能で極めて実用的な抽選券が提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による抽選券の一実施例を示す平面図。

【図２】同実施例における地紋パターンの一構成例を示
す概要図。

【図３】本発明による地紋パターンの他の構成例を示す
概要図。

【図４】従来の抽選券の問題点を説明するための概要
図。

【図５】従来の地紋パターンの一例を示す概要図。

【符号の説明】

１１…台紙、１２…抽選情報記録エリア、１２Ａ，１２
Ｂ，１２Ｃ，１２Ｄ，１２Ｅ，１２Ｆ…抽選情報記録エ
リア１２の各エリア、１３…絵柄、１４…地紋パター
ン、１４Ａ…磁性インキ、１４Ｂ…ダミーインキ、１５
…単位抽選情報、１６…透明シート、１７…隠蔽層。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台紙の片面側に設けられた、ｎ行ｍ列
   （ｎは１以上の整数、ｍは２以上の整数）の複数個のエ
   リアからなる抽選情報記録エリア内に地紋パターンを設
   けると共に、当該抽選情報記録エリアの各エリアに単位
   抽選情報をそれぞれ設けて成る抽選券において、 前記地紋パターンは、前記抽選情報記録エリアの各エリ
   ア内に、所定本数のラインをあるピッチで設けたライン
   パターンからなり、 前記抽選情報記録エリアの同一行におけるラインは、一
   定の規則の組み合わせの下で磁性インキとダミーインキ
   とにより設け、 かつ前記抽選情報記録エリアの同一行における各エリア
   のラインパターンは互いに同一パターンとならないよう
   にしたことを特徴とする抽選券。
2. 【請求項２】 前記抽選情報記録エリアとしては２行３
   列からなり、かつ前記地紋パターンとしては、５本のラ
   インを一定ピッチで前記抽選情報記録エリアの各エリア
   内に設けるようにしたことを特徴とする請求項１に記載
   の抽選券。
3. 【請求項３】 前記抽選情報記録エリアの一つのエリア
   内に設けるラインの本数を任意に変えるようにしたこと
   を特徴とする請求項１に記載の抽選券。
4. 【請求項４】 前記抽選情報記録エリアの一つのエリア
   内に設けるラインのピッチを任意に変えるようにしたこ
   とを特徴とする請求項１に記載の抽選券。
5. 【請求項５】 前記ラインパターンとしては、前記抽選
   情報記録エリアの行方向または列方向に設けるようにし
   たことを特徴とする請求項１に記載の抽選券。