JPH05269817A - 高圧鋳造機 - Google Patents

高圧鋳造機

Info

Publication number
JPH05269817A
JPH05269817A JP6740292A JP6740292A JPH05269817A JP H05269817 A JPH05269817 A JP H05269817A JP 6740292 A JP6740292 A JP 6740292A JP 6740292 A JP6740292 A JP 6740292A JP H05269817 A JPH05269817 A JP H05269817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plunger
pressure
injection
cylinder
molten metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6740292A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Yoshimatsu
英昭 吉松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP6740292A priority Critical patent/JPH05269817A/ja
Publication of JPH05269817A publication Critical patent/JPH05269817A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビスケット部Bに対し前後進する射出プラン
ジャ6を、相互が流体密を保持した摺動可能に嵌合する
外プランジャ7と内プランジャ8とからなる同心2軸構
造のプランジャに形成し、両プランジャ7,8間での軸
方向の相対移動を行わせるプランジャ用シリンダ11を
外プランジャ7の後部に設け、両プランジャ7,8間の
相対移動量を制御する流体圧ラインをプランジャ用シリ
ンダ11に接続し、さらに、内プランジャ8の内部に冷
却用流体の通路が設けられて、この通路に冷却用流体供
給手段を接続してなる高圧鋳造機。 【効果】 外プランジャ7を引っ込め、内プランジャ8
を突き出して、ビスケット部Bの溶湯を加圧しながら、
前記通路に冷却用流体を流し溶湯の冷却を同時に行える
ので、引け巣、キャビティの発生が防止されるととも
に、冷却固化に要する時間が大幅に短縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミ合金等の金属を
高圧下で鋳造する高圧鋳造機に関し、特に射出スリーブ
内に存在するビスケット部の冷却を促進することが可能
な高圧鋳造機に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミ合金等の軽合金を鋳造する方法と
しては、高圧鋳造方法あるいはスクイズキャスト方法と
呼ばれる高品質の鋳造品を作る方法がある。これは、ア
ルミ合金溶湯をプランジャにより鋳型内に射出充填した
後に、溶湯内に残存するキャビティの発生防止と、溶湯
の冷却・凝固に起因する収縮によって生じる引け巣の発
生防止のために、射出スリーブ内に一定の溶湯を残し
(この部分をビスケット部と言う)、これを射出プラン
ジャで加圧することにより、キャビティを圧力で潰し引
け巣部に溶湯を供給する鋳造方法である。
【0003】この場合、当然のことであるが、ビスケッ
ト部の冷却・凝固が最終工程になる訳であるが、ビスケ
ット内部が固まる前にプランジャによる加圧力を除去す
ると、溶湯の圧力によりビスケットが割れて溶湯が外部
に流れ出すため、プランジャによる加圧はビスケットが
内部まで固まるまで続けなければならない。ところがビ
スケットの冷却時間はかなり長くて生産性に大きく影響
を与えるため、加圧時には溶湯を十分供給でき、製品と
なる鋳型内部の所定部が凝固した後にビスケット部を急
速に冷却し固化する装置の実現が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】急速冷却する方法とし
て、射出スリーブを外部から冷却し、あるいは射出プラ
ンジャを内部から冷却する方式が考えられているが、上
述するようにビスケット部を溶湯の補給の時期と、急速
冷却・固化の時期とにタイミングを合わせて冷却能力を
制御することは技術的に極めて難しくて、今なお実現に
至っていない。一方、図5に示される公知の先行技術
(実開平1−127650号公報参照)の構造のよう
に、射出プランジャ6を内筒6A、外筒6Bの2つに分
けて加圧制御する構成の装置があるが、これは圧力を制
御することによって引け巣、キャビティの発生を防止す
るためのもので、冷却・固化には従来と同じ手段を採っ
ているために、依然として時間が長くかかる問題は解消
されない。
【0005】本発明は、このような問題点の解消を図る
ために成されたものであり、本発明の目的は、溶湯補給
終了時期にタイミングを合わせた急速冷却・固化を簡単
な装置で確実に実現可能とすることによって、鋳造サイ
クルタイムの短縮による生産性の向上を期す高圧鋳造機
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明は、鋳型に設けられる射出スリーブ内を射出
シリンダにより動かされる射出プランジャを用いて軽合
金を鋳造し、溶湯が凝固する間に前記射出プランジャに
よって溶湯を加圧する高圧鋳造機において、前記射出プ
ランジャが、流体密を保持した相互間の摺動可能に嵌合
される内プランジャおよび外プランジャからなる同心2
軸構造のプランジャに形成されるとともに、内・外プラ
ンジャ間での軸方向の相対移動を行わせるプランジャ用
シリンダを備えていて、両プランジャ間の相対移動量を
制御する流体圧ラインが前記プランジャ用シリンダに接
続され、更に、内プランジャの内部に冷却用流体の通路
が設けられて、この通路に、外部から冷却用流体を供給
する供給手段が接続されてなることを特徴とする高圧鋳
造機である。
【0007】本発明はまた、前記プランジャ用シリンダ
が、増圧ピストンを含む射出シリンダのロッドと前記内
プランジャとにピストンロッドを連結し、前記外プラン
ジャにシリンダ本体を連結して設けられ、前記流体圧ラ
インが、溶湯射出圧力よりも高値と低値の2つのリリー
フ圧力が設定され、プランジャ用シリンダの射出プラン
ジャ側流体圧室に接続される電磁比例リリーフ弁を備え
る構成の高圧鋳造機である。
【0008】本発明はさらに、前記プランジャ用シリン
ダが、増圧ピストンを含む射出シリンダのロッドと前記
内プランジャとにピストンロッドを連結し、前記外プラ
ンジャにシリンダ本体を連結して設けられ、前記流体圧
ラインが、プランジャ用シリンダへの圧流体の流量を制
御する電磁比例切替弁を備える構成の高圧鋳造機であ
る。
【0009】本発明はまた、前記プランジャ用シリンダ
が、増圧ピストンを含む射出シリンダのロッドと前記外
プランジャとにシリンダ本体を連結し、前記内プランジ
ャにピストンロッドを連結して設けられ、前記流体圧ラ
インが、プランジャ用シリンダの射出プランジャ側流体
圧室と射出シリンダ側流体圧室とを選択して溶湯射出圧
力よりも高値に切替える切替弁を備え、前記増圧ピスト
ンに接続する流体圧ラインが、溶湯加圧圧力よりも高値
と低値の2段のリリーフ圧力が設定され、前記増圧ピス
トンの加圧側流体圧室に接続される電磁比例リリーフ弁
を備える構成の高圧鋳造機である。
【0010】本発明はまた、前記プランジャ用シリンダ
が、溶湯射出後の溶湯加圧に必要なストロークを有して
いて、射出シリンダのロッドと前記外プランジャとにシ
リンダ本体を連結し、前記内プランジャにピストンロッ
ドを連結して設けられ、前記流体圧ラインが、溶湯加圧
力相当の圧力が設定され、溶湯加圧時にプランジャ用シ
リンダの射出シリンダ側流体圧室に接続される電磁比例
制御弁を備え、前記射出シリンダに接続する流体圧ライ
ンが、射出シリンダの加圧側流体圧室からの圧流体の逆
流を阻止するパイロット逆止弁および流体圧力、流量を
制御する3位置サーボ制御弁を備える構成の高圧鋳造機
である。
【0011】本発明はさらに、前端部を揃えた内・外プ
ランジャからなる射出プランジャ全体での加圧により溶
湯射出を行わせ、次いで内プランジャを突き出し、か
つ、外プランジャを後退させた射出プランジャにより増
圧を行わせるとともに、この増圧過程の最終段階におい
て内プランジャの前記通路に対し冷却用流体を流通する
ことにより強制冷却を行わせ、ビスケット部の溶湯の冷
却を促進させる制御手段を備える構成の高圧鋳造機であ
る。
【0012】本発明はまた、外プランジャに対し前進さ
せた内プランジャでの加圧により溶湯射出を行わせ、次
いで内プランジャをさらに突き出し、かつ、外プランジ
ャを後退させた射出プランジャでの増圧を行わせるとと
もに、この増圧過程の最終段階において内プランジャの
前記通路に対し冷却用流体を流通することにより強制冷
却を行わせ、ビスケット部の溶湯の冷却を促進させる制
御手段を備える構成の高圧鋳造機である。
【0013】
【作用】本発明によれば、射出プランジャを内・外プラ
ンジャからなる同心2軸構造のプランジャに形成して、
内プランジャの内部に冷却用流体の通路が設けられるこ
とにより、溶湯射出後の溶湯が凝固する間に内プランジ
ャで溶湯を加圧しながら同時に冷却して凝固を迅速に行
わせることが可能であり、冷却時間が大幅に短縮され
る。しかも溶湯加圧が内プランジャにより行われるた
め、射出スリーブ内周壁に添う溶湯固化部分を避けて中
央部の溶融部分を主として加圧することになり、引け
巣、キャビティの発生をコンパクトな構造の射出シリン
ダによって確実に防ぐことができる。また、内プランジ
ャを突き出してビスケット部の溶湯加圧を行わせること
により、ビスケット部に凝固層が単独に残存することが
なく鋳造製品と一体に取り出すことができるので、後処
理が容易である。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら各実施例を説明す
る。図1は、本発明の第一実施例に係る射出装置部の概
略構造図である。上・下両金型1,2からなる鋳型の型
分割面3に臨むランナ部分には、射出スリーブ4,5が
装置本体と下金型2とにそれぞれ設けられていて同軸嵌
合により結合されている。この射出スリーブ4,5内に
は、射出プランジャ6が摺動可能に収容されている。射
出プランジャ6は、円筒からなる外プランジャ7と、中
空円柱内に管が同心に嵌装される2重中空構造体からな
る内プランジャ8とを流体密が保持された摺動可能に嵌
合している同心2軸構造のブランジャに形成され、内プ
ランジャ8の後端部にはロッドが取り付けられ、このロ
ッドを外プランジャ7の外方に引き出している。内プラ
ンジャ8の中空円柱および管の側壁には、冷却水管9お
よび10がそれぞれ接続されていて、この冷却水管9お
よび10は、外プランジャ7の側壁に設けられる長孔を
介してプランジャ外に引き出されている。
【0015】内プランジャ8は、上記構造を有すること
によって、内部の2重中空部分に冷却水を流通すること
が可能であり、冷却水管10から送り込んだ冷却水を、
前記管内通路を経て、管外の中空円柱内通路から冷却水
管9の順に流通させて内プランジャ8外に取り出すこと
によって、内プランジャ8を連続的に内部から強制冷却
することができる。
【0016】一方、外プランジャ7に対しては、該外プ
ランジャ7を前記内プランジャ8に対し後退させるため
のプランジャ用シリンダ11が外プランジャ7の後部に
設けられている。このプランジャ用シリンダ11は、シ
リンダ本体が外プランジャ7に同軸の一体に固定され、
ピストンロッドが内プランジャ8の後部に同軸の一体に
連結されて設けられる。そして、内プランジャ8に対す
る外プランジャ7の後退量を制御するための流体圧ライ
ンが、前記プランジャ用シリンダ11に接続されてい
る。
【0017】本実施例におけるプランジャ用シリンダ1
1は、両ロッド形油圧シリンダが用いられ、前ロッド
が、前述の如く内プランジャ8の後部に同軸の一体に連
結され、後ロッドが、射出シリンダ12のロッド12L
に同軸の一体に連結されて設けられている。射出シリン
ダ12は、後部に増圧ピストン13を備えていて、これ
は、接続される油圧ラインを含めて、従来の射出装置に
用いられるものと同じ構造である。内プランジャ8に対
する外プランジャ7の後退量を制御するための前記流体
圧ラインは、少なくとも高低2段のリリーフ圧力が設定
可能な電磁比例リリーフ弁14と、3位置電磁切替弁1
5と、ロードチェック弁16と、アンチキャビテーショ
ンチェック弁17とを備えている。
【0018】次に、溶湯射出、溶湯加圧の運転態様を説
明する。通常は3位置電磁切替弁15はa位置に切り替
えてあり、電磁比例リリーフ弁14は油圧源圧力よりも
高い値の必要最高値に設定されている。なお、電磁比例
リリーフ弁14は、電気的に圧力を高低に切替えできる
2段リリーフ弁でもよい。この状態では、プランジャ用
シリンダ11の前室Aには、常に圧源の圧力が導入さ
れ、プランジャ用シリンダ11の本体はストロークエン
ドまで、図1で上方に持ち上げられている。従って、プ
ランジャの慣性力等により内プランジャ8と外プランジ
ャ7が相対的に動くことはない。
【0019】射出シリンダ12による溶湯射出および増
圧ピストン13による加圧で図1に破線で囲む部分の外
側(イ)において凝固が進んだとする。ここまでは、加
圧は射出プランジャ6全体で行われている。そこで、3
位置電磁切替弁15を中立に切替え、電磁比例リリーフ
弁14の圧力を所定の低圧値に下げる。これと相前後し
て内プランジャ8へ冷却水を流通させる。すると、外プ
ランジャ7にかかる凝固金属(固まってすぐなので軟ら
かい)の圧力に負けて、プランジャ用シリンダ11の本
体が図で下方に押し下げられて縮む。これと一体の外プ
ランジャ7が縮んだ分に見合って、内プランジャ8が伸
びることになる。即ち、所定の加圧値よりも若干低圧で
はあるが、加圧状態を保ったまま内プランジャ8を押し
出し、外プランジャ7を縮めることになり、外プランジ
ャ7の後退した部分に凝固金属および溶湯が加圧状態を
保って押し出される。このときの状態は図2に示され
る。内プランジャ8が所定量ビスケット部(B)の溶融
部(ロ)に入った段階で、電磁比例リリーフ弁14の圧
力を初期の高圧値に戻す。
【0020】そうすると、再び図2のような状態のまま
で射出プランジャ6が一体となって溶湯を加圧する。後
退した外プランジャ7のスペース、即ち、射出スリーブ
5と内プランジャ8の間に流れ込んだ溶湯は、冷却され
ている内プランジャ8側面によって、急速に凝固する。
ビスケット部(B)の溶融部(ロ)も、その中に内プラ
ンジャ8が突っ込んてくるので、内プランジャ8側に熱
を奪われ、凝固が急速に進む。
【0021】凝固が終了したら、上金型1を持ち上げる
と同時に射出シリンダ12のロッド12Lを伸長する
と、鋳造製品は上金型1に付いたまま下金型2から外れ
て上昇する。該製品が射出スリーブ5から抜けたら射出
シリンダ12の上昇を止め、3位置電磁切替弁15をa
位置に切替える。そうすると、前室Aに圧油が入り外プ
ランジャ7のみ上金型1と共に上昇し、ビスケット部
(B)が内プランジャ8から外れる。
【0022】ここで、外プランジャ7の内プランジャ8
に対する後退量の制御は、電磁比例リリーフ弁14の圧
力制御で行ってもよいし、3位置電磁切替弁15をb位
置に切替えて油圧力により強制的に行い、後退量を外プ
ランジャ7と内プランジャ8の相対位置あるいはプラン
ジャ用シリンダ11のシリンダ本体とロッドとの相対位
置で検出することにより制御して行ってもよい。この場
合、後者の方が内プランジャ8によって射出プランジャ
6の上部にある凝固金属に対する加圧力をかけ易くな
る。突き出し量の制御を行うには、単なる電磁切替弁よ
りも電磁比例弁を使用した方が、流量制御によって加圧
力を適切に保持できるので、速度や位置の精度が良い状
態で行える。またこの場合、電磁比例弁だけで電磁比例
リリーフ弁14は不要であり、かかる変形も本発明の範
囲に包含されるものであって、図1に示す構成を基本と
するそれらの実施例の場合は、油圧制御系統が簡略化さ
れて制御が容易となる利点がある。
【0023】図3は、本発明の第二実施例に係る射出装
置部の概略構造図である。図示の装置において図1に示
す第一実施例に類似し、対応する部分には同一の参照符
号を付している。プランジャ用シリンダ11は、片ロッ
ド形油圧シリンダが用いられて、射出プランジャ6への
連結形態は第一実施例と同様であり、一方、射出シリン
ダ12のロッド12Lは、プランジャ用シリンダ11の
シリンダ本体に同軸の一体に結合されている。従って、
図1の構造と異なり、射出シリンダ12によって外プラ
ンジャ7が駆動制御され、プランジャ用シリンダ11に
よって内プランジャ8が駆動制御される。
【0024】一方、プランジャ用シリンダ11の油圧ラ
インには、3位置電磁切替弁15が設けられる。また、
射出シリンダ12の本体ピストン側に連絡する油圧ライ
ンには、流体圧力、流量を制御する3位置サーボ制御弁
18と、該弁18側への逆流を制限するためのパイロッ
ト逆止弁19とが設けられる。さらに、増圧ピストン1
3に連絡する油圧ラインには、電磁比例リリーフ弁2
1、パイロット逆止弁22および3位置電磁切替弁20
が設けられる。
【0025】次に、溶湯射出、溶湯加圧の運転態様を説
明する。通常は、3位置電磁切替弁15をa位置に切替
えて前室Aに圧油を導入しており、内プランジャ8は外
プランジャ7に対して全縮状態、即ち、両プランジャの
前端部が面一に揃った状態にある。射出制御は3位置サ
ーボ制御弁18で行う。加圧は3位置電磁切替弁20を
p位置に切替えて増圧ピストン13を作動させ、パイロ
ット逆止弁19は閉じ、3位置サーボ制御弁18は僅か
にM位置方向に切替えることにより、射出シリンダ12
のロッド12Lの圧油をタンクに逃がしている。電磁比
例リリーフ弁21は油圧源圧力よりも高圧に設定する。
ビスケット部(B)の溶融部加圧のために内プランジャ
8を突き出すには、3位置電磁切替弁15をb位置に切
替えると同時に、パイロット逆止弁22を閉じ、電磁比
例リリーフ弁21の設定値を所定の低圧値に下げる。
【0026】そうすると、外プランジャ7が鋳造金属の
圧力に負けて縮み、その分だけ内プランジャ8が伸長す
る。即ち、第一実施例と同様に加圧状態を保持したまま
内プランジャ8を突き出し、外プランジャ7を後退させ
ている。この場合、パイロット逆止弁22を閉じてある
ので油圧源の圧油が電磁比例リリーフ弁21から流れ出
ることはない。内プランジャ8が所定量伸びたら3位置
電磁切替弁15を中立に戻し、同時に電磁比例リリーフ
弁21を高圧値設定に戻し、パイロット逆止弁22をチ
ェック弁機能に戻すと、射出プランジャ6は一体となっ
て加圧を続ける。突き出した内プランジャ8による冷却
降下は、図1に示す例と同様である。鋳造製品の取り出
しは上金型1の持ち上げと射出シリンダ12の伸長とを
同時に行いながら、ビスケット部(B)の凝固部分が射
出スリーブ5を離れた直後に3位置電磁切替弁15をa
位置に切替えると、内プランジャ8が縮小してビスケッ
ト部(B)から抜ける。
【0027】本実施例は、図1の第一実施例に対して、
内プランジャ8が射出シリンダ12のロッド12Lに連
結していないため、油圧制御系統が複雑ではあるが、内
プランジャ8の動作の自由度が高いので、高精度の制御
が可能である。この点に関しては、以下に説明する第三
実施例についても同様である。
【0028】図4は、本発明の第三実施例に係る射出装
置部の概略構造図である。図示の装置において図3に示
す第二実施例に類似し、対応する部分には同一の参照符
号を付している。前記第二実施例が溶湯加圧作用を増圧
ピストン13で行っているのに対して、本実施例はプラ
ンジャ用シリンダ11で溶湯加圧作用をも行わせる点に
特徴を有する。この場合、プランジャ用シリンダ11
は、増圧ピストン13が当然に設けられていなく、それ
に代えて、図3に示す装置と比較した場合、加圧に必要
なストロークをプランジャ用シリンダ11に備えさせて
いることが構造上必要となる。また、プランジャ用シリ
ンダ11の油圧ラインには、3位置電磁切替弁15に加
えて、チェック弁24を並列に接続する電磁比例減圧弁
23が設けられた回路構成となっている。
【0029】次に、溶湯射出、溶湯加圧の運転態様を説
明する。射出シリンダ12によって、鋳型キャビティ内
に溶湯の充填が終わると、射出シリンダ12の伸長力が
上昇し始める。その信号を圧力センサ25で検出して3
位置電磁切替弁15をb位置に切替え、電磁比例減圧弁
23を所定の加圧力相当に設定すると、プランジャ用シ
リンダ11のロッドが伸び始めて溶湯加圧が開始する。
このとき、射出シリンダ12のヘッド側には圧力が立ち
始めるが、パイロット逆止弁19によって油の逆流は阻
止される。
【0030】加圧作動が終了段階になると、パイロット
逆止弁19を強制開放し、3位置サーボ制御弁18をN
位置に微小に切替えて流量制御しながら射出シリンダ1
2をロッド縮小側に作動する。このロッドには、プラン
ジャ用シリンダ11が連結しているのでプランジャ用シ
リンダ11も縮小し、その分だけ、内プランジャ8が加
圧作用をしながら伸長する。そして、内プランジャ8が
所定量伸長したら、3位置サーボ制御弁18を中立に戻
し、パイロット逆止弁19を閉じると射出プランジャ6
は一体となって加圧を続ける。
【0031】本実施例の場合、プランジャ用シリンダ1
1が若干長くはなるが、増圧ピストン13およびこれに
関連する油圧制御系統が不要になり、油圧システムが簡
単になる。なお、電磁比例減圧弁23は、3位置電磁切
替弁15に対し油圧源側に設けても良い。また、電磁切
替弁の代わりにサーボ弁を用い、これによりプランジャ
用シリンダ11の圧力制御を行ってもよい。勿論、この
場合は、減圧弁23およびチェック弁24は不要であ
る。
【0032】以上述べた各実施例は、射出を上下方向に
行う立て射出方式の場合であるが、本発明は、横方向に
射出するものでも同様に成立することは勿論である。
【0033】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明によれば、射出
プランジャを内・外プランジャからなる同心2軸構造の
プランジャに形成して、内プランジャの内部に冷却用流
体の通路が設けられることにより、溶湯射出後の溶湯が
凝固する間に内プランジャで溶湯を加圧しながら同時に
冷却して凝固を迅速に行わせることが可能であり、冷却
時間が大幅に短縮される。しかも溶湯加圧が外プランジ
ャに対して突出させた内プランジャによって行われるた
め、射出スリーブ内周壁に添って早く発生する溶湯固化
部分を除いて、中央部の溶融部分を主として加圧するこ
とになり、引け巣、キャビティの発生をコンパクトな構
造の射出シリンダによって確実に防いで製品品質を高め
ることができる。また、外プランジャを下げた状態で内
プランジャを突き出してビスケット部の溶湯加圧を行わ
せることにより、ビスケット部に凝固層が単独に残存す
ることがなく鋳造製品と一体に取り出すことができるの
で、後処理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る射出装置部の溶湯射
出前状態の概略構造図である。
【図2】本発明の第一実施例に係る射出装置部の溶湯加
圧状態の概略構造図である。
【図3】本発明の第二実施例に係る射出装置部の溶湯射
出前状態の概略構造図である。
【図4】本発明の第三実施例に係る射出装置部の溶湯射
出前状態の概略構造図である。
【図5】従来の射出装置部の要部示断面図である。
【符号の説明】
1…上金型、2…下金型、3…型分割面、4…射出スリ
ーブ、5…射出スリーブ、6…射出プランジャ、7…外
プランジャ、8…内プランジャ、11…プランジャ用シ
リンダ、12…射出シリンダ、13…増圧ピストン、1
4…電磁比例リリーフ弁、15…3位置電磁切替弁、1
8…3位置サーボ制御弁、19…パイロット逆止弁、2
0…3位置電磁切替弁、21…電磁比例リリーフ弁、2
2…パイロット逆止弁、23…電磁比例減圧弁、B…ビ
スケット部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 45/53 8824−4F 45/74 8824−4F 45/77 7365−4F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型に設けられる射出スリーブ内を射出
    シリンダにより動かされる射出プランジャを用いて軽合
    金を鋳造し、溶湯が凝固する間に前記射出プランジャに
    よって射出スリーブ内の溶湯を加圧する高圧鋳造機にお
    いて、前記射出プランジャが、流体密を保持した相互間
    の摺動可能に嵌合される内プランジャおよび外プランジ
    ャからなる同心2軸構造のプランジャに形成されるとと
    もに、内・外プランジャ間での軸方向の相対移動を行わ
    せるプランジャ用シリンダを備えていて、両プランジャ
    間の相対移動量を制御する流体圧ラインが前記プランジ
    ャ用シリンダに接続され、更に、内プランジャの内部に
    冷却用流体の通路が設けられて、この通路に、外部から
    冷却用流体を供給する供給手段が接続されてなることを
    特徴とする高圧鋳造機。
  2. 【請求項2】 前記プランジャ用シリンダが、増圧ピス
    トンを含む射出シリンダのロッドと前記内プランジャと
    にピストンロッドを連結し、前記外プランジャにシリン
    ダ本体を連結して設けられ、前記流体圧ラインが、溶湯
    射出圧力よりも高値と低値の2つのリリーフ圧力が設定
    され、プランジャ用シリンダの射出プランジャ側流体圧
    室に接続される電磁比例リリーフ弁を備える請求項1に
    記載の高圧鋳造機。
  3. 【請求項3】 前記プランジャ用シリンダが、増圧ピス
    トンを含む射出シリンダのロッドと前記内プランジャと
    にピストンロッドを連結し、前記外プランジャにシリン
    ダ本体を連結して設けられ、前記流体圧ラインが、プラ
    ンジャ用シリンダへの圧流体の流量を制御する電磁比例
    切替弁を備える請求項1に記載の高圧鋳造機。
  4. 【請求項4】 前記プランジャ用シリンダが、増圧ピス
    トンを含む射出シリンダのロッドと前記外プランジャと
    にシリンダ本体を連結し、前記内プランジャにピストン
    ロッドを連結して設けられ、前記流体圧ラインが、プラ
    ンジャ用シリンダの射出プランジャ側流体圧室と射出シ
    リンダ側流体圧室とを選択して溶湯射出圧力よりも高値
    に切替える切替弁を備え、前記増圧ピストンに接続する
    流体圧ラインが、溶湯加圧圧力よりも高値と低値の2段
    のリリーフ圧力が設定され、前記増圧ピストンの加圧側
    流体圧室に接続される電磁比例リリーフ弁を備える請求
    項1に記載の高圧鋳造機。
  5. 【請求項5】 前記プランジャ用シリンダが、溶湯射出
    後の溶湯加圧に必要なストロークを有していて、射出シ
    リンダのロッドと前記外プランジャとにシリンダ本体を
    連結し、前記内プランジャにピストンロッドを連結して
    設けられ、前記流体圧ラインが、溶湯加圧力相当の圧力
    が設定され、溶湯加圧時にプランジャ用シリンダの射出
    シリンダ側流体圧室に接続される電磁比例減圧弁を備
    え、前記射出シリンダに接続する流体圧ラインが、射出
    シリンダの加圧側流体圧室からの圧流体の逆流を阻止す
    るパイロット逆止弁および流体圧力、流量を制御する3
    位置サーボ制御弁を備える請求項1に記載の高圧鋳造
    機。
  6. 【請求項6】 前端部を揃えた内・外プランジャからな
    る射出プランジャ全体での加圧により溶湯射出を行わ
    せ、次いで内プランジャを突き出し、かつ、外プランジ
    ャを後退させた射出プランジャにより増圧を行わせると
    ともに、この増圧過程の最終段階において内プランジャ
    の前記通路に対し冷却用流体を流通することにより強制
    冷却を行わせ、ビスケット部の溶湯の冷却を促進させる
    制御手段を備える請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載の高圧鋳造機。
  7. 【請求項7】 外プランジャに対し前進させた内プラン
    ジャでの加圧により溶湯射出を行わせ、次いで内プラン
    ジャをさらに突き出し、かつ、外プランジャを後退させ
    た射出プランジャにより増圧を行わせるとともに、この
    増圧過程の最終段階において内プランジャの前記通路に
    対し冷却用流体を流通することにより強制冷却を行わ
    せ、ビスケット部の溶湯の冷却を促進させる制御手段を
    備える請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の高圧鋳
    造機。
JP6740292A 1992-03-25 1992-03-25 高圧鋳造機 Withdrawn JPH05269817A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6740292A JPH05269817A (ja) 1992-03-25 1992-03-25 高圧鋳造機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6740292A JPH05269817A (ja) 1992-03-25 1992-03-25 高圧鋳造機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05269817A true JPH05269817A (ja) 1993-10-19

Family

ID=13343919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6740292A Withdrawn JPH05269817A (ja) 1992-03-25 1992-03-25 高圧鋳造機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05269817A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011245540A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Toyota Motor Corp 成形機
JP2012106278A (ja) * 2010-11-19 2012-06-07 Toyota Motor Corp 鋳造装置
JP2021122845A (ja) * 2020-02-05 2021-08-30 トヨタ自動車株式会社 給湯射出方法、及び給湯射出装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011245540A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Toyota Motor Corp 成形機
JP2012106278A (ja) * 2010-11-19 2012-06-07 Toyota Motor Corp 鋳造装置
JP2021122845A (ja) * 2020-02-05 2021-08-30 トヨタ自動車株式会社 給湯射出方法、及び給湯射出装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3418027B2 (ja) 溶湯鍛造装置
CN114603101A (zh) 一种高压充型直接挤压凝固复合压铸模具装置
JP7132876B2 (ja) 射出装置及び成形機
JP2000135551A (ja) 無孔質ダイキャスト装置
US4354545A (en) Modified pressure casting process
KR102135823B1 (ko) 금속을 성형하는 장치 및 방법
JPH05269817A (ja) 高圧鋳造機
US4446907A (en) Die-casting method
US3588957A (en) Injection molding machine
JPH05285628A (ja) 溶湯鍛造方法および装置
US7682550B2 (en) Method of compression molding thermoplastic material
JP3417988B2 (ja) 溶湯鍛造装置
JP2826004B2 (ja) スクイズダイカスト方法および装置
US4499941A (en) Modified pressure casting process and machine
JP3262215B2 (ja) 直圧式型締装置の型締方法
JPH084916B2 (ja) 溶湯鍛造方法および装置
JP2959594B2 (ja) 局部スクイズ鋳造におけるスクイズピンの加圧タイミング制御方法
JPH1024357A (ja) 射出成形法および装置
JPH05123847A (ja) ダイカストマシンの二次加圧方法
JP3055116B2 (ja) 射出成形機の型締方法
JPH08281408A (ja) ダイカスト方法およびその装置
KR950004229B1 (ko) 스퀴즈 다이캐스팅 장치
JP2593110B2 (ja) 金型射出成形装置における型締力射出力解除方法および装置
JP3234693B2 (ja) 射出成形機の型締装置
JPH0761534B2 (ja) ダイカスト装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990608