JPH05269204A - 気管内チュ−ブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 手術等で自発的に呼吸出来ない患者や緊急に
気道を確保しなければならない患者の気道及び消化管路
確保のためのチュ−ブであり従来の気管内チュ−ブ、ラ
−リンゲルマスク等の欠点を解決した気管内チュ−ブを
提供する。 【構成】 チュ−ブ本体４の外周に第１のバル−ン２と
第２のバル−ン３を装着し、チュ−ブ本体４内に複数の
エア−通路５、６、７と食道側通路８が形成され、前記
エア−通路５、６は通気孔９、１０を介してバル−ン
２、３の内側と連通し、前記エア−通路７の通気孔１１
が第１のバル−ン２と第２のバル−ン３の間に形成さ
れ、チュ−ブ本体４の最先端に食道側通路８の連通口１
２が形成された気管内チュ−ブ１。 【効果】 従来の気管内チュ−ブの様に喉頭鏡を必要と
せず口から挿管し容易に気道が確保出来、喉咽頭部を傷
つけることなく安定したガス供給が出来る。また、気管
内チュ−ブ１の場合は胃内容物のドレ−ンや栄養剤の流
入が同時に可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】手術等で自発的に呼吸出来ない患
者や緊急に気道を確保しなければならない患者の気道及
び消化管路確保のためのチュ−ブであり従来の気管内チ
ュ−ブ、ラ−リンゲルマスク等の欠点を解決した気管内
チュ−ブを提供する。

【０００２】

【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来の気
管内チュ−ブを口側からやみくもして挿入すると通常は
チュ−ブは食道側に入ってしまう。そこで気道を確保す
るためには、喉頭鏡等で喉頭蓋から気管を目視下で確か
め挿管している。しかし、気管内チュ−ブには、挿管に
かかる時間が長く、喉頭鏡が必要である。また挿管時の
急激な血圧上昇、喉頭・咽頭部の損傷、拡管後の喉頭痛
などの問題があった。また、これらの問題を解決するた
めにラ−リンゲルマスクが開発されたがこれも通気中の
エア−リ−クの発生、挿管テクニックが困難である。Ｐ
ＥＥＰ（ｐｏｓｉｔｉｖｅ ｅｎｄ−ｅｘｐｉｒａｔｏ
ｒｙ ｐｒｅｓｓｕｒｅ、終末呼気陽圧）の設定が出来
ないなどの問題が有った。そこで本発明者は、以上の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果次の発明に到
達した。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は、チュ−ブ本体
４の外周に第１のバル−ン２と第２のバル−ン３を装着
し、チュ−ブ本体４内に複数のエア−通路５、６、７と
食道側通路８が形成され、前記エア−通路５、６は通気
孔９、１０を介してバル−ン２、３の内側と連通し、前
記エア−通路７の通気孔１１が第１のバル−ン２と第２
のバル−ン３の間に形成され、チュ−ブ本体４の最先端
に食道側通路８の連通口１２が形成された気管内チュ−
ブ１を提供するものである。

【０００４】また本発明は、 チュ−ブ本体２４の外周
に第１のバル−ン２２と第２のバル−ン２３を装着し、
チュ−ブ本体２４内に、複数のエア−通路２５、２６、
２７が形成され、前記エア−通路２５、２６は通気孔２
９、３０を介してバル−ン２２、２３の内側と連通し、
前記エア−通路２７の通気孔３１が第１のバル−ン２２
と第２のバル−ン２３の間に形成された気管内チュ−ブ
２１を提供するものである。

【０００５】

【作用】患者の口からそのまま挿管することにより容易
に気道が確保でき喉咽頭部を傷つけることなく安定した
ガス供給ができる。

【０００６】図１は、本発明の気管内チュ−ブ１の概略
図で、図２は図１のＡ−Ａ断面図、図３及び図４は、気
管内チュ−ブ１のその他の実施例を示す図１のＡ−Ａ断
面図である。気管内チュ−ブ１は複数のエア−通路５、
６、７と食通側通路８を形成したチュ−ブ本体４の外周
に２つのバル−ン２、３を装着することにより構成され
ている。前記エア−通路５と食道側通路８は隔壁１３ａ
により仕切られ、食道側通路８とエア−通路７は隔壁１
４ａにより仕切られ、エア−通路６とエア−通路７は隔
壁１５ａにより仕切られている。また気管内チュ−ブ１
は、図３に示すように隔壁１３ａと隔壁１５ａを結ぶよ
うに隔壁１４ａを形成し食道側通路８とエア−通路７を
仕切るようにしても良いし、図４に示すようにエア−通
路５とエア−通路６を隔壁１６ａ内に並列して形成して
も良い。

【０００７】第１のバル−ン２は、チュ−ブ本体４の前
方に装着され、その内側は通気孔９を介してエア−通路
５と連通されている。第２のバル−ン３は、チュ−ブ本
体４の中腹部付近に装着され、その内側は通気孔１０を
介してエア−通路６と連通されている。

【０００８】第１のバル−ン２と第２のバル−ン３の間
にエア−通路７の通気孔１１が形成され、本体チュ−ブ
４の最先端に食道側通路８の連通孔１２が形成されてい
る。

【０００９】チュ−ブ本体４の中腹部から後方に亘っ
て、後述する図８に示すように前記第１のバル−ン用エ
ア−通路５と連通するエア−注入チュ−ブ１３、第２の
バル−ン用エア−通路６と連通するエア−注入チュ−ブ
１４及びエア−通路７と連通するエア−注入チュ−ブ１
５が分岐して設けられている。前記各エア−注入チュ−
ブ１３、１４、１５及びチュ−ブ本体４の後方端部に
は、エア−注入装置（図示せず）および吸引装置（図示
せず）との接続用コネクタ−１６、１７、１８、１９が
設けられている。

【００１０】図５は、気管内チュ−ブ２１のその他の実
施例を示す概略図で、図６は図５のＢ−Ｂ断面図、図７
は気管内チュ−ブ２１のその他の実施例を示す図５のＢ
−Ｂ断面図である。前記エア−通路２５とエア−通路２
７は隔壁３４ａにより仕切られ、エア−通路２７とエア
−通路２６は隔壁３５ａにより仕切られている。また気
管内チュ−ブ２１は、図７に示すようにエア−通路２５
とエア−通路２６を隔壁３６ａ内に並列に形成するよう
にしても良い。気管内チュ−ブ２１は、複数のエア−通
路２５、２６、２７を形成したチュ−ブ本体２４の外周
に、前記気管内チュ−ブ１と同様に２つのバル−ン２
２、２３を装着したもので、前記食道側通路８とこれに
連通する連通口１２を設けていない点以外は前記気管内
チュ−ブ１と同様であるから詳細な説明は省略する。

【００１１】本発明の気管内チュ−ブ１（２１）を構成
する第１のバル−ン２（２２）及びチュ−ブ本体４（２
４）は、例えばシリコ−ンゴム、ポリ塩化ビニル樹脂等
により形成され、第２のバル−ン３（２３）は、シリコ
−ンゴム、ブチルゴム、ラテックス等の材質で形成され
る。また第１のバル−ン２（２２）の容量は１０〜１５
ｍｌ、 第２のバル−ン３（２３）の容量は１００ｍｌ前
後に設定される。

【００１２】気管内チュ−ブ１（２１）は、押し出し成
形又はディッピング処理によりチュ−ブ本体４（２４）
を形成し、バル−ン２（２２）、３（２３）、各エア−
注入チュ−ブ１３、１４、１５をチュ−ブ本体４（２
４）の所定の位置に接着又はディッピング処理等の手段
で装着する。気管内チュ−ブ１においては、さらに連通
孔１２をチュ−ブ本体４の最先端に開口する。最後にチ
ュ−ブ本体４（２４）の後端部に接続用コネクタ−１
６、１７、１８、１９を接着又はインサ−ト成形等の手
段により接続する。

【００１３】次に本発明の気管内チュ−ブ１の使用方法
について図８を参照しながら説明する。右口角から右手
母指を下歯列へ、示指を上歯列に当て、十分に開口す
る、バル−ン２、３内のエア−をぬき、チュ−ブ本体４
を先端より、患者の口側から挿入し、第１のバル−ン２
が食道、第２のバル−ン３が鼻口腔を閉塞する様調節
し、エア−注入チュ−ブ１３、１４、エア−通路５、６
を経てエア−を注入し、バル−ン２、３の順に膨らませ
る。次に、Ο₂ 又はΟ₂ ＋吸引麻酔薬（イソフルレン、
セボフルレン、笑気等）のガスをエア−注入チュ−ブ１
５、エア−通路７、通気口１１を経て、肺へ導入する。
他方隔壁１４ａによって隔てられている食道側通路８
は、胃内容物の吸引ドレ−ンもしくは栄養剤の流入を同
時に行うことが出来る。またもし、気管内チュ−ブ１の
先端が気管支内に導入された場合には、食道側通路８よ
り上記ガスを供給することが出来る。

【００１４】次に本発明の気管内チュ−ブ２１の使用方
法について説明する。挿管手順及びエア−流入手技は、
気管内チュ−ブと同様であるが、もし気管内チュ−ブ２
１の先端が気管支内に導入された場合は、胃部の空気音
が聴取されるのでただちに抜管した後、再度正しく挿管
する。またチュ−ブ本体を使用する際は、胃部に内容物
が無い常態にて使用することが望ましい。

【００１５】

【発明の効果】従来の気管内チュ−ブの様に喉頭鏡を必
要とせず口から挿管し容易に気道が確保出来、喉咽頭部
を傷つけることなく安定したガス供給が出来る。また、
気管内チュ−ブ１の場合は胃内容物のドレ−ンや栄養剤
の流入が同時に可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の気管内チュ−ブの概略図

【図２】図１のＡ−Ａ断面図

【図３】図１の気管内チュ−ブのその他の実施例を示す
Ａ−Ａ断面図

【図４】図１の気管内チュ−ブのその他の実施例を示す
Ａ−Ａ断面図

【図５】気管内チュ−ブのその他の実施例を示す概略図

【図６】図５のＢ−Ｂ断面図

【図７】図５の気管内チュ−ブのその他の実施例を示す
Ｂ−Ｂ断面図

【図８】図１の使用状態図

【符合の説明】

１、２１ 気管内チュ−ブ ２、２２ 第１のバル−ン ３、２３ 第２のバル−ン ４、２４ チュ−ブ本体 ５、２５ 第１のバル−ン用エア−通路 ６、２６ 第２のバル−ン用エア−通路 ７、２７ エア−通路 ８ 食道側通路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 チュ−ブ本体４の外周に第１のバル−ン
   ２と第２のバル−ン３を装着し、チュ−ブ本体４内に複
   数のエア−通路５、６、７と食道側通路８が形成され、
   前記エア−通路５、６は通気孔９、１０を介してバル−
   ン２、３の内側と連通し、 前記エア−通路７の通気孔１１が第１のバル−ン２と第
   ２のバル−ン３の間に形成され、 チュ−ブ本体４の最先端に食道側通路８の連通口１２が
   形成されたことを特徴とする気管内チュ−ブ１。
2. 【請求項２】 チュ−ブ本体２４の外周に第１のバル−
   ン２２と第２のバル−ン２３を装着し、チュ−ブ本体２
   ４内に、複数のエア−通路２５、２６、２７が形成さ
   れ、前記エア−通路２５、２６は通気孔２９、３０を介
   してバル−ン２２、２３の内側と連通し、 前記エア−通路２７の通気孔３１が第１のバル−ン２２
   と第２のバル−ン２３の間に形成されたことを特徴とす
   る気管内チュ−ブ２１。