JPH0526823U - イージーオープン缶蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中央パネルの周縁に沿い、チャック・ウオー
ルに接続する環状溝を指かけ用凹部に利用して、タブの
外側自由端部への指掛かりを良くし、初期開口力を有効
に作用せしめて開口効率の向上を図る。 【構成】 スコアで囲まれた破断開口部をタブの梃子作
用によってパーシャルオープンするようにしたイージー
オープン缶蓋において、タブの外側自由端部下方の中央
パネル部に、外側端が中央パネルの周縁に沿いチャック
・ウオールに接続する環状溝に連通する指かけ凹部を形
成したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、タブの持ち上げ性能の向上が図りうるように改善したイージーオー プン缶蓋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、この種イージーオープン缶蓋としては、中央パネルに刻設された平面 形状ほぼ水滴状の開口用スコアを、タブを持ち上げて破断し、そのまま引っ張る ことにより、破断された開口部を缶蓋から完全に切り離す、いわゆるプルトップ ・タイプの缶蓋と、パネル面に取り付けたタブを持ち上げて、缶蓋に刻設した開 口用スコアを押し込み破断し、そのままタブを持ち上げて破断を進行させ、その 際生じた破断開口部を缶蓋に連結したまま更に缶内に押し込む、いわゆる、ステ イオン・タイプの缶蓋に大別されている。尚、これらの蓋には、強度向上やその 他の理由で、中央パネルの周縁に沿ってチャック・ウオールに接続する比較的深 い環状溝が、通常の場合形成されている。

【０００３】 図５，６に示すように、プルトップ・タイプ、または、ステイオン・タイプの 缶蓋を問わず、タブ２の把持、および、持ち上げ性能の向上を図るために、タブ ２の外側自由端部下方のパネル部に、平面形状が楕円形、または、方形状をした 指かけ用凹部６を形成し、タブ２の自由端下面と指かけ用凹部６の表面との間隙 が、少しでも大きくとれるように構成している。（例えば、実公昭６３−４０４ ３９号公報参照）

【０００４】 更に近年では、資源の節約を目的として缶蓋の小径化が進められているし、他 方、板厚の肉薄化が進んでいる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上述のように、缶蓋の小型化に伴い、タブ２，スコア３で囲まれた破断開口部 ４，ビード，指かけ用凹部６，リベット５など中央パネル１面上に付設される各 構成部材の小型化が要求されるが、その小型化には限度がある。特に、タブの自 由端とチャック・ウォール面との間隙は、少くとも、指先が介入しうる間隙が確 保されるにしても、その間隙は通常のものより小さく指が掛かりにくい。加えて 、指の掛かりをよくするために、タブ２の自由端下方のパネル部に設けた指かけ 用凹部６への指先の介入も困難で、この凹部はタブの持ち上げには何ら寄与しな いという課題がある。特に、ステイオン・タイプの缶蓋においては、比較的大き な初期開口力が要求されることから、この点の改善が望まれている。

【０００６】 缶蓋の肉薄化に対しては、特に、内容物がコーヒーなど製品が負圧缶である場 合、従来の肉厚からなる缶蓋に比べて中央パネル１が負圧作用によって一層凹面 に変形し易くなり、タブ２の自由端部と中央パネル１表面との間隙が狭まって非 常に指が掛かりにくくなるという課題がある。また、ステイオン・タイプの缶蓋 にあっては、破断開口部４の初期開口が押し下げによるものであり、かつ、押し 下げられた破断開口部４が缶の内側に充分押し下げ収容されるよう、作用点（タ ブ先端）と支点（リベット）との距離が長く形成されているため、初期開口力と その後の開口力が比較的大きく、従って、上述のように指掛かりが悪いことは、 この種ステイオン・タイプの缶蓋にとってきわめて不利となる。

【０００７】 本考案の目的は、中央パネルの周縁に沿い、チャック・ウオールに接続する環 状溝を指かけ用凹部に利用して、タブの外側自由端部への指掛かりを良くし、初 期開口力を有効に作用せしめて開口効率の向上を図る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

従来技術の課題を解決する本考案の構成は、中央パネルの周縁に沿い、チャッ ク・ウオールに接続する比較的深い環状溝を形成するとともに、前記中央パネル のスコアで囲まれた破断開口部をタブの梃子作用によってパーシャルオープンす るようにしたイージーオープン缶蓋において、タブの外側自由端部下方の中央パ ネルに、外側端が前記環状溝に連通する指かけ用凹部を形成したものである。

【０００９】

【作用】

缶蓋に形成されている中央パネルの周縁に沿いチャック・ウォールに接続する 環状溝を指かけ用凹部として利用することができ、缶蓋の小型化，肉薄化とは関 係なく、タブの自由端部に対する指掛かりの容易性が図れ、開口効率が向上しう る。

【００１０】

【実施例】

次に、図面について本考案実施例の詳細を説明する。 図１は、第１実施例缶蓋の平面図、図２は、同上要部の縦断正面図、図３は、 第２実施例缶蓋の平面図、図４は、同上要部の縦断正面図である。

【００１１】 図１，図２について第１実施例の缶蓋の構成を説明する。Ａは、アルミニュウ ム，ブリキ材料よりなる缶蓋であって、該缶蓋Ａは次のように構成されている。 ちなみに、この実施例はステイオン・タイプの缶蓋を示しているが、本考案の主 旨は、ステイオン・タイプの缶蓋のみしか適応し得ないものではなく、プルトッ プ・タイプの缶蓋にも適用しうることから、実施例のものに特定されることはな い。また、本考案はタブをリベットで止着した蓋だけでなく、溶接、あるいは、 接着剤を用いて止着した蓋にも適用しうることは明らかである。

【００１２】 この種の缶蓋Ａには、一般に知られているように、カール部１１，シーミング ・パネル１２，シーミング・パネル・ラジアス１３，チャック・ウォール１４， チャック・ウォール・ラジアス１５，環状溝１６，中央パネル１７が形成されて いる。

【００１３】 上記中央パネル１７には、スコア１８によって囲まれたパーシャルオープンさ れる破断開口部１９が形成してある。２０は、その中途部がリベット２１によっ て上記中央パネル１７の中心部に止着されたタブで、該タブ２０の内側端部には 、上記破断開口部１９上に重なり、この破断開口部１９を初期開口し、遂にはこ の破断開口部１９を容器（図示略）内に押し込むための作用部２０ａが形成され るとともに、上記タブ２０の外側自由端部２０ｂには、タブ２０を２本の指で挟 持した時に指の腹が互いに接する開口２０ｃを設ける。図中、２２は、上記破断 開口部１９の外周にそって設けた補強用ビード，２３は、上記スコア１８の両外 側のパネル１７部に左右対称的に設けた補強用ビードである。

【００１４】 そして、図１，図２から明らかなように、上記タブ２０の外側自由端部２０ｂ の下方に対応する上記中央パネル１７部に、指先の介入を許すとともに、外側が 上記環状溝１６に連通し、かつ、上記中央パネル１７の面と略平行する面２４ａ をもつ指かけ用凹部２４を形成したものである。第１実施例の缶蓋Ａは上述のよ うに構成されている。

【００１５】 次に、図３，図４について第２実施例の缶蓋の構成を説明する。この缶蓋Ｂの 素材、および、基礎的構成は上述した缶蓋Ａと同様であるので、同一の記号を付 すことによって詳細な説明は省略する。この実施例に示す缶蓋Ｂは、特に図４か ら明らかなように、タブ２０の外側自由端部２０ｂの下方の中央パネル１７部に 、内側基部から外側方に至るに従って下向きに傾斜し、外側端が上記環状溝１６ の最深部に合流する傾斜面２５ａをもつ指かけ用凹部２５を形成したものである 。第２実施例の缶蓋Ｂはこのように構成されている。

【００１６】 また、特に図示してないが、上記第２実施例で示した傾斜面２５ａを、環状溝 １６方向に向け段階的に深くなるようにすることもある。また、第１，第２実施 例共、指かけ用凹部２４，２５の平面形状を外方に向かうに従って幅広に形成し 、更に一層指かけの容易性を図ることもできる。また、中央パネル１７に形成さ れる指かけ用凹部２４，２５の屈折部２４ｂ，２５ｂに比較的大きな丸味、即ち 、アールを付設することにより、屈折部２４ｂ，２５ｂのビード効果を低下させ 、落下などの衝撃作用がタブや破断開口部に及ぼす前に、この指かけ用凹部２４ ，２５が吸収変形し、開口を阻害しないようにすることも可能であることから、 指かけ用凹部２４，２５の構成は、図示のものに特定されるものでない。

【００１７】

【考案の効果】

上述のように本考案の構成によれば、次のような効果が得られる。 （ａ）タブの外側自由端とパネルに形成した指かけ用凹部との間に指先を挿入し 、タブをリベットを支点として持ち上げ、梃子の作用で裂断板部を初期開口し、 プルトップ・タイプ、または、ステイオン・タイプの缶蓋のパーシャルオープン がなしうることは勿論のこと、 （ｂ）特に本考案においては、指かけ用凹部の外側端を、中央パネルの周縁に沿 う環状溝に連通させたので、この既存の環状溝を指かけ用凹部として利用するこ とができ、タブの外側自由端部への指がかりを容易とし、開口効率の向上が図れ 、特に、比較的大きな初期開口力が要求されるステイオン・タイプの缶蓋に用い て好適である。 （ｃ）このように指がかりがよいことから、缶蓋の小型化，肉薄化が有効に進行 でき、経済的効果の向上が図れるとともに、開口性のよいイージーオープン缶が 広く、而も、安価に提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例缶蓋の平面図である。

【図２】第１実施例缶蓋の要部の縦断正面図である。

【図３】第２実施例缶蓋の平面図である。

【図４】第２実施例缶蓋の要部の縦断正面図である。

【図５】従来例缶蓋の平面図である。

【図６】従来例缶蓋の一部の縦断正面図である。

【符号の説明】

Ａ 第１実施例の缶蓋 Ｂ 第２実施例の缶蓋 １１ カール部 １２ シーミング・パネル １３ シーミング・パネル・ラジアス １４ チャック・ウォール １５ チャック・ウォール・ラジアス １６ 環状溝 １７ 中央パネル １８ スコア １９ 破断開口部 ２０ タブ ２０ａ 作用部 ２０ｂ 外側自由端部 ２０ｃ 開口 ２１ リベット ２２ 補強用ビード ２３ 補強用ビード ２４ 指かけ用凹部 ２４ａ 面 ２４ｂ 屈折部 ２５ 指かけ用凹部 ２５ａ 傾斜面 ２５ｂ 屈折部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央パネルの周縁に沿い、チャック・ウ
   オールに接続する比較的深い環状溝を形成するととも
   に、前記中央パネルのスコアで囲まれた破断開口部をタ
   ブの梃子作用によってパーシャルオープンするようにし
   たイージーオープン缶蓋において、タブの外側自由端部
   下方の中央パネルに、外側端が前記環状溝に連通する指
   かけ用凹部を形成したことを特徴とするイージーオープ
   ン缶蓋。