JPH0526767A - 回折格子の直線性評価方法及びその装置 - Google Patents

回折格子の直線性評価方法及びその装置

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JPH0526767A
JPH0526767A JP3187194A JP18719491A JPH0526767A JP H0526767 A JPH0526767 A JP H0526767A JP 3187194 A JP3187194 A JP 3187194A JP 18719491 A JP18719491 A JP 18719491A JP H0526767 A JPH0526767 A JP H0526767A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回折格子の面内にわたる位相分布を2次元情
報として検出し、しかも、回折格子の歪をその格子定数
以下の単位まで検出することが可能な回折格子の直線性
評価方法及びその装置を提供する。 【構成】 レーザ光源1からの出射光をコリメータレン
ズ2により平行光として光束分離手段3により2光束に
分離し、ミラー4,5により反射させて被検査回折格子
6に微小角度傾けて入射させ干渉縞となった回折光を第
1フーリエ変換レンズ7によりフーリエ変換し、この変
換された回折光をピンポール8aを有するフーリエ平面
8に導いて一方の光束の回折光の+1次回折光と他方の
光束の回折光の−1次回折光のみを取り出し、それら±
1次回折光を第2フーリエ変換レンズ9により逆フーリ
エさせて等高線とする干渉縞を発生させ、検出面10,
11にて観測することにより被検査回折格子6の位相分
布を測定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的な計測法に関
し、特に、回折格子の直線性を光の波長オーダーで評価
する回折格子の直線性評価方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回折格子の評価において、特に回
折格子の直線性を評価する方法としては、例えば、回折
格子に細いビームを入射させて実際にその回折位置を測
定する方法や、特公平3−1609号公報に開示されて
いるように、キャリブレートされた補助回折格子を被検
査回折格子の後方に配置し、これらの格子に細いビーム
を入射させこれにより回折される位相差を位相形により
点で読取る方法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
な評価方法は、あくまで点で走査するものである。ま
た、この他の方法として、被検査回折格子をスライドさ
せて点での測定を走査する機構も考案されているが、回
折格子面全体にわたる位相分布を測定するには困難を生
じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、レーザ光源から出射された光をコリメータレンズに
より平行光とし、この平行光を光束分離手段により2光
束に分離し、それらコヒーレントな2光束をミラーによ
り反射させることにより被検査回折格子に微小角度傾け
て入射させ、これにより回折され干渉縞となった2光束
の回折光を第1フーリエ変換レンズによりフーリエ変換
し、このフーリエ変換された回折光をピンホールを有す
るフーリエ平面に導くことにより前記一方の光束の回折
光の+1次回折光と前記他方の光束の回折光の−1次回
折光のみを取り出し、これら取り出された+1次回折光
と−1次回折光とを第2フーリエ変換レンズにより逆フ
ーリエさせることにより等高線とする干渉縞を発生さ
せ、その干渉縞を検出面にて観測することにより前記被
検査回折格子の位相分布を測定するようにした。
【0005】請求項2記載の発明では、レーザ光源を設
け、この光源により出射された光を平行光とするコリメ
ータレンズを設け、前記平行光を2光束に分離する光束
分離手段を設け、それら分離されたコヒーレントな2光
束のそれぞれの光路上にミラーを配置し、これらのミラ
ーにより反射された光が入射する被検査回折格子を配設
し、この被検査回折格子により回折され干渉縞となった
2光束の回折光をフーリエ変換する第1フーリエ変換レ
ンズを配設し、このフーリエ変換された回折光のうち前
記一方の光束の回折光の+1次回折光と前記他方の光束
の回折光の−1次回折光のみを取り出すピンホールを有
するフーリエ平面を配設し、それら取り出された+1次
回折光と−1次回折光とを逆フーリエさせることにより
等高線とされた干渉縞を発生させる第2フーリエ変換レ
ンズを配設し、その干渉縞を観測する検出面を配設し、
前記ミラーを各々独立して微小角度傾けるミラー角度変
換機構を設け、前記一方のミラーを光束出射方向に微小
距離だけ移動させるミラー出射方向移動機構を設け、前
記ミラーを微小角度傾け2光束の前記被検査回折格子に
よる±1次光を干渉させて得られた干渉縞の位相分布を
同期検出する1次光位相分布検出手段を設け、前記ミラ
ーを微小角度傾け2光束の前記被検査回折格子による0
次光を干渉させて得られた干渉縞の位相分布を同期検出
する0次光位相分布検出手段を設け、前記1次光位相分
布検出手段により得られた1次光の位相分布から前記0
次光位相分布検出手段により得られた0次光の位相分布
を差引いた値を前記被検査回折格子の位相分布とする回
折格子位相分布検出手段を設けた。
【0006】
【作用】請求項1記載の発明においては、回折格子面内
の全体に渡って回折格子の位相分布(格子の直線からの
ずれ)を測定することができ、しかも、その変動量を定
量的に把握することが可能となる。
【0007】請求項2記載の発明においては、干渉法を
用いて測定することによって使用する光学系の面精度等
のエラー要因を別に検出することが可能となり、これに
より測定結果からそのエラー要因を補正することができ
るため高精度の測定を実現することができる。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は、回折格子の直線性評価装置の全体構成を示
すものである。すなわち、本装置には、レーザ光源1に
より出射され一対のコリメータレンズ2により平行光と
された光路上には、前記平行光を2光束に分離する光束
分離手段としてのビームスプリッタ3が配設されてい
る。このビームスプリッタ3により透過又は反射された
光束のそれぞれの光路上にはミラー4,5が配設されて
いる。これらのミラー4,5により反射された光が前記
ビームスプリッタ3により再び合成された光路上には被
検査回折格子としての回折格子6が配設されている。こ
の回折格子6により回折され干渉縞となった2光束の回
折光をフーリエ変換する第1フーリエ変換レンズとして
のフーリエ変換レンズ7が配設されている。このフーリ
エ変換レンズ7の後方の光路上には、フーリエ変換され
た回折光のうち前記一方の光束の回折光の+1次回折光
と前記他方の光束の回折光の−1次回折光とのみを取り
出すピンホール8aを有するフーリエ平面8が配設され
ている。また、そのフーリエ平面8の後方には、それら
取り出された+1次回折光と−1次回折光とを逆フーリ
エさせることにより等高線とされた干渉縞を発生させる
第2フーリエ変換レンズとしてのフーリエ変換レンズ9
が配設されている。さらに、そのフーリエ変換レンズ9
の後方には、その等高線とされた干渉縞を観測する検出
面としてのスクリーン10及びTVカメラ11が配設さ
れている。
【0009】また、前記TVカメラ11には、A/D変
換回路12、フレームメモリ13、ホストコンピュータ
14、PZTドライバー15が順次接続されている。そ
のPZTドライバー15は、前記ミラー4の裏面に固定
された圧電素子16と接続されている。前記PZTドラ
イバー15と前記圧電素子16とは、ミラー4を光束出
射方向Zに微小距離だけ移動させるミラー出射方向移動
機構17を構成している。前記ミラー4,5には、これ
らを各々独立して微小角度傾ける図示しないミラー角度
変換機構が設けられている。
【0010】さらに、前記A/D変換回路12と前記フ
レームメモリ13と、前記ホストコンピュータ14と
は、演算制御回路18を構成している。この演算制御回
路18には、図示しない、1次光位相分布検出手段と、
0次光位相分布検出手段と、回折格子位相分布検出手段
とが設けられている。この場合、前記1次光位相分布検
出手段は、前記ミラー4,5を微小角度傾け、2光束の
前記被検査回折格子6による±1次光を干渉させて得ら
れた干渉縞の位相分布を同期検出する働きがある。ま
た、前記0次光位相分布検出手段は、前記ミラー4,5
を微小角度傾け、2光束の前記被検査回折格子6による
0次光を干渉させて得られた干渉縞の位相分布を同期検
出する働きがある。さらに、前記回折格子位相分布検出
手段は、前記1次光位相分布検出手段により得られた1
次光の位相分布から、前記0次光位相分布検出手段によ
り得られた0次光の位相分布を差引いた値を前記被検査
回折格子6の位相分布とする働きがある。
【0011】このような構成において、まず、図1の構
成の動作説明を行った後、1次光位相分布検出手段、0
次光位相分布検出手段、回折格子位相分布検出手段の各
手段の働きについて順次述べていく。
【0012】レーザ光源1から出射されたビームは、ミ
ラー1aを介して、一対のコリメータレンズ2により平
面波にコリメートされる。このコリメートされたビーム
はビームスプリッタ3により2分割された後、ミラー
4,5により反射されビームスプリッタ3により再び合
成されることにより同一方向に出射される。このように
して同一方向とされた2光束の波面は、回折格子6に入
射する。なお、この回折格子6の格子は紙面に垂直方
向、格子の空間分布は紙面と平行に設置されているもの
とする。そして、回折格子6を通過した2光束は、フー
リエ変換レンズ7を介してフーリエ平面8(無限遠平面
と相当するもの)に到達することにより、平面波の正弦
格子によるフーリエ回折像すなわち回折格子6の複素振
幅透過率分布のフーリエ変換が観測される。格子の振幅
透過率分布が完全な正弦波ならば、フーリエ回折はδ関
数の列となる。実際には、フーリエ平面8はフーリエ変
換レンズ7の焦点面に存在する。
【0013】この場合、ミラー4で反射された平面波の
回折格子6による回折像は、フーリエ平面8上ではスポ
ットa,b,cのようなδ関数の列を生じる。ただし、
aは0次回折光、bは+1次回折光、cは−1次回折光
とする。ところで、符号が異なる同一次数の回折光は互
いに複素共役な、いわゆる複素共役波である。±1次回
折光としては、例えば、 Aexp j(φ+φ0) …(1) Aexp-j(φ−φ0) …(2) A:定数 φ:回折格子6の位相分布 φ0:回折格子6に入射する平面波の初期位相 φ,φ0:ともに回折格子内の場所の関数 のように表わすことができる。すなわち、回折格子6の
位相に比例して回折光の位相が変化することを示してい
る。この2つの波動が合成され干渉した場合、その強度
分布Iは、 I=|Aexpj(φ+φ0)+Aexp-j(φ−φ0)|2 =2A2+A2cos(2φ) …(3) で表わされる。回折格子6で回折される±1次回折光を
干渉させれば(3)式に示されるように、回折格子6の
位相分布の等高線が干渉縞となって観測される。
【0014】次に、回折格子6によって回折された±1
次回折光を干渉させる光学系について述べる。ミラー4
で反射された波面は回折格子6で回折されフーリエ変換
レンズ7を介してフーリエ平面8でフーリエ回折像を生
じる。前述したようにその像はδ関数列に近いものとな
る。すなわち、回折格子6の空間周波数分布方向にスポ
ットの列を生じる。この時、−1次のフーリエ回折像c
が光軸中心になるように、ミラー4をわずかに傾ける
(矢印方向)。一方、ミラー5によって反射された波面
も同様に、回折格子6で回折されフーリエ平面8でスポ
ットa’,b’,c’のフーリエ回折像を生じる。a’
は0次回折光、b’は+1次回折光、c’は−1次回折
光である。この場合、1次のフーリエ回折像b’が光軸
中心にくるように矢印方向にミラー5をわずかに傾け
る。この状態では、ミラー4によって反射された光波の
回折格子6で回折された1次フーリエ回折像b’が重な
る。これら2つの像は、フーリエ平面8で重なっている
ため、回折格子6から射出された直後の+1次回折光、
−1次回折光は光路が一致して干渉する。この時、回折
格子6の直後で観測される干渉縞は(3)式で表わされ
るような回折格子6の位相分布φに対する2φを周期と
する等高線となる。
【0015】ところで、回折格子6の直後で+1次回折
光、−1次回折光の干渉縞を直接観測することは困難で
ある。なぜなら、回折格子6の直後では、ミラー4,5
で反射された光波の0次回折光、±1次回折光がすべて
干渉しあい、(3)式で示した成分のみを観測すること
はできないのである。そこで、回折格子6で回折された
光波をフーリエ変換レンズ7でフーリエ変換し、フーリ
エ平面8でいわゆる空間フィルタを作用させる。これに
より、前述したようにフーリエ平面8では回折格子6の
フーリエ変換が観測されることになる。これは各次数の
回折光がδ関数の列となり、ピンホール8aで任意の次
数の回折光を選択することが可能である。今、ミラー4
で反射された光波の回折格子6による−1次回折光c
と、ミラー5で反射された光波の回折格子6による+1
次回折光b’が各々のミラーのわずかな傾きによって、
フーリエ変換レンズ7の光軸上に重なっている。空間フ
ィルタとしてスポットc,b’のみを透過させるような
ピンホール8aを用いれば、前記回折格子6を通過した
回折光のうちの±1次回折光のみを取り出すことができ
る。その後、これを再びフーリエ変換レンズ9で逆フー
リエ変換してやれば、回折格子6の直後のミラー4で反
射された光波の回折格子6による−1次回折光cと、ミ
ラー5で反射された光波の回折格子6による+1次回折
光b’との干渉縞を観測することができる。その観測方
法としては、実際上は、フーリエ変換レンズ9の後方で
オパールグラス等のスクリーン10に像を投影して、さ
らに、その後方からTVカメラ11で観測するか、又
は、スクリーン10を介さずTVカメラ11内の対物レ
ンズで回折格子6を直接撮像面に結像させて観測するこ
とができる。
【0016】次に、1次光位相分布検出手段の働きを主
に説明していく。上述したようにしてTVカメラ11に
て観測される干渉縞は、一般に2つの光束の相対的な位
相差の等位相線である。図1の構成により生じる干渉縞
は(3)式に示したように回折格子6の位相分布φの1
/2倍を周期とする等位相線となる。回折格子6の直線
性は、回折格子6の格子周期に比べて一般に小さい。従
って、±1次回折光の位相差は干渉縞1本分に満たない
場合が多い。目視で干渉縞を観測する方法によれば、干
渉縞1本分以下の位相変化は確認できない。そこで、干
渉する2光束の内一方に時系列の位相変調を与え、観測
される干渉縞の強度分布の時系列変化を、与えた位相変
調と同期検出するFrinnge Scanning法を用いる。この
方法を適用するために、TVカメラ11で捕らえられた
干渉縞の画像は、A/D変換器12でデジタル画像に変
換され、フレームメモリ14に格納される。この格納さ
れた画像は、ホストコンピュータ15によって以下に述
べる演算処理を施され、その位相分布が計算される。
【0017】ここで、Frinnge Scanning法の原理の方
法について簡単に説明する。2光束の干渉において一方
の波面に位相変調を与える。ここでは、ミラー4を動か
すことによって、ミラー4に反射されて回折格子6に入
射する光波の光路長を変化させ、その光束に位相変化を
与える。ミラー4は圧電素子(ピエゾ素子)16に固定
されている。この圧電素子16とは高電圧を印加するこ
とによって数10nmの精度で伸び縮みをし、物体に微
小な変位を与えることが可能な素子である。その圧電素
子16によってミラー4に、回折格子6に入射する光束
方向と平行方向に変位を与える。ミラー4の位相変調成
分を考慮して(1)及び(2)式を一般化すると、 Aexp j(φ+φ0+δ) …(4) Bexp-j(φ−φ0) …(5) ミラー4から反射された光束の回折格子6による−1次
回折光c ミラー5から反射された光束の回折格子6による+1次
回折光b’ A,Bは各々の強度 δ:圧電素子16によるミラー4の移動による位相変調
項 以上を考慮すると、(3)式の観測される干渉縞の強度
分布は、 I=|Aexpj(φ+φ0+δ)+Aexp-j(φ−φ0)|2 =A2+B2+2ABcos(2φ+δ) …(6) となる。
【0018】ここで、(6)式を I(X,Y)n=A(X,Y)2+B(X,Y)2+2A(X,Y)B(X,Y)cos(2φ(X,Y)+nπ/2) …(7) X,Y:回折格子面内の空間座標 と変換する。ここで、位相π/2をステップとしてI
(X,Y)に位相変調を与えることになるが、このπ/
2の位相変化は使用するコヒーレントなレーザ光源1の
波長をλとすれば、λ/4に相当する。実際には、圧電
素子16をλ/4(He−Ne:158.2nm)ずつ
移動して位相変調を与える。A(X,Y)B(X,Y)は干渉縞強
度分布中の塵、光学系の非線形などによる外乱すなわち
未知の関数である。この干渉縞から未知関数A,Bの影
響を受けずに位相成分φを検出することがFrinnge Sc
anning法の本質である。ここで、I(X,Y)はフレー
ムメモリ13中ではデジタル画像となっているため、
X,Yをデジタル画像の画素添字と読み変える。位相φ
を同期検出する手段は各画素(X,Y)に対して、
【0019】
【数1】
【0020】で計算することができる。
【0021】ところで、ミラー4で反射される光波の回
折格子6による−1次回折光cと、ミラー5で反射され
る光波の回折格子6による1次回折光b’の初期位相が
異なる場合、これら回折光は(4)、(5)式中のφ0
が異なる。この場合、(4)、(5)式は、 Aexp j(φ+φa+δ) …(11) Bexp-j(φ−φb) …(12) ただし、φa、φbはミラー4、ミラー5で反射される
回折格子6による±1次回折光の初期位相となる。
【0022】一般に、ミラー4、ミラー5といった異な
るミラーで反射された光波の位相は、この場合、(1
0)式を適用して(11)、(12)式が生成する干渉
縞の位相を求めると、
【0023】
【数2】
【0024】となる。このφa(X,Y)、φb(X,
Y)はミラー4,5、ビームスプリッタ3など光学素子
の平面度、外乱などレーザ光源1から発した光波が回折
格子6に入射するまでにその位相に作用する未知の関数
である。今まで述べた方法で回折格子6の位相分布を求
めた場合、(13)式のように所望の位相φ(X,Y)
の他に、φa,φbといった不要な位相成分をも検出し
てしまう。
【0025】次に、0次光位相分布検出手段、回折格子
位相分布検出手段の働きを主に説明していく。上述した
不要な位相成分の除去の方法について述べる。所望の位
相φは回折格子6による±1次回折光を干渉させてその
位相を検出した。±1次回折光を干渉させるために、図
1に示したようにフーリエ面8で各々の回折像が重なる
ようにミラー4,5をわずかに傾けた。ここで、回折格
子6の0次回折光を考える。回折格子6の0次回折光の
位相に含まれる情報は、レーザ光源1から発した光波が
回折格子6に達するまでの間に、その位相に作用する成
分のみを含む。すなわち、回折格子6自身のもつ位相分
布は0次回折光には全く含まれないことになる。ここ
で、フーリエ面8で±1次回折光を重ねるために傾けた
ミラー4,5を入射、反射光束が同一経路を辿るように
すなわち入射光束に対して直角にセットする。これによ
り、ミラー4,5で反射された光波は、ビームスプリッ
タ3の出射端3aで完全にオーバーラップし、その結
果、フーリエ面8では、ミラー4,5で反射された回折
格子6による0次回折光同士が重なり、観測面であるス
クリーン10上では0次回折光同士の干渉縞が観測され
る。前述した±1次回折光を干渉させと場合と、そのよ
うな0次回折光を干渉させた場合とでは、ミラー4,5
の傾きの違いがあるものの、レーザ光源1から回折格子
6に達する経路は全く同じなため、ここで述べたφa、
φbは(11)、(12)式のφa、φbと全く同一な
ものとなる。この状態を(3)、(4)、(5)式に従
って表わせば、ミラー4で反射される光波の回折格子6
による0次回折光、及び、ミラー5で反射される光波の
回折格子6による0次回折光は、 Aexpj(φa+δ) …(14) Bexpj(φb) …(15) となる。この2光束の干渉縞は、 I=|Aexpj(φa+δ)+Aexpj(φb)|2 =A2+B2+2ABcos(φa−φb+δ) …(16) となる。この状態で同様の演算処理によって求める位相
は、
【0026】
【数3】
【0027】となる。これは(13)式の〔 〕内に相
当する。このようにしてミラー4,5、ビームスプリッ
タ3の平面度等の位相作用のみを検出できる。従って、
(13)式から(17)式を引くことによって所望の回
折格子6の位相分布を検出することができ、これによ
り、回折格子6の面全体に渡ってその位相分布(格子の
直線からのずれ)を測定することが可能となり、しか
も、その変動量を定量的に把握することが可能となる。
【0028】最後に、これまで述べた一連の測定動作フ
ローを整理して説明すると、以下のようになる。まず、
第1に、回折格子6に入射する2つの光束の回折格子6
による0次回折光が回折格子6のフーリエ面8で一致す
るようにミラー4,5の傾きが調整される。第2に、ミ
ラー4の初期位置で、TVカメラ11で観測される干渉
縞を、フレームメモリ13に取込む。第3に、ミラー4
を初期位置に対してλ/4ずつ3回ミラー4を反射光束
方向に動かし、この時、TVカメラ11で観測される干
渉縞を計3画面フレームメモリ13に取込む。第4に、
(17)式に従って、位相分布を、計4枚の画像から画
像各画素に対して演算する。第5に、ミミラー4,5を
わずかに傾けて、ミラー4の反射光の回折格子6による
−1次回折光と、ミラー5の反射光の回折格子6による
1次回折光とが、回折格子6のフーリエ面8で一致する
ようにする。第6に、第2〜第4と同様な手順により、
位相分布を演算する。第7に、第6で得られた位相分布
から第4で得られた位相分布を差し引く。このようにし
て所望の回折格子6の位相分布を求めることができる。
【0029】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、レーザ光源から
出射された光をコリメータレンズにより平行光とし、こ
の平行光を光束分離手段により2光束に分離し、それら
コヒーレントな2光束をミラーにより反射させることに
より被検査回折格子に微小角度傾けて入射させ、これに
より回折され干渉縞となった2光束の回折光を第1フー
リエ変換レンズによりフーリエ変換し、このフーリエ変
換された回折光をピンポールを有するフーリエ平面に導
くことにより前記一方の光束の回折光の+1次回折光と
前記他方の光束の回折光の−1次回折光のみを取り出
し、これら取り出された+1次回折光と−1次回折光と
を第2フーリエ変換レンズにより逆フーリエさせること
により等高線とする干渉縞を発生させ、その干渉縞を検
出面にて観測することにより前記被検査回折格子の位相
分布を測定するようにしたので、回折格子面内の全体に
渡って回折格子の位相分布(格子の直線からのずれ)を
測定することが可能となり、しかも、その変動量を定量
的に把握することができるものである。
【0030】請求項2記載の発明は、レーザ光源を設
け、この光源により出射された光を平行光とするコリメ
ータレンズを設け、前記平行光を2光束に分離する光束
分離手段を設け、それら分離されたコヒーレントな2光
束のそれぞれの光路上にミラーを配置し、これらのミラ
ーにより反射された光が入射する被検査回折格子を配設
し、この被検査回折格子により回折され干渉縞となった
2光束の回折光をフーリエ変換する第1フーリエ変換レ
ンズを配設し、このフーリエ変換された回折光のうち前
記一方の光束の回折光の+1次回折光と前記他方の光束
の回折光の−1次回折光のみを取り出すピンポールを有
するフーリエ平面を配設し、それら取り出された+1次
回折光と−1次回折光とを逆フーリエさせることにより
等高線とされた干渉縞を発生させる第2フーリエ変換レ
ンズを配設し、その干渉縞を観測する検出面を配設し、
前記ミラーを各々独立して微小角度傾けるミラー角度変
換機構を設け、前記一方のミラーを光束出射方向に微小
距離だけ移動させるミラー出射方向移動機構を設け、前
記ミラーを微小角度傾け2光束の前記被検査回折格子に
よる±1次光を干渉させて得られた干渉縞の位相分布を
同期検出する1次光位相分布検出手段を設け、前記ミラ
ーを微小角度傾け2光束の前記被検査回折格子による0
次光を干渉させて得られた干渉縞の位相分布を同期検出
する0次光位相分布検出手段を設け、前記1次光位相分
布検出手段により得られた1次光の位相分布から前記0
次光位相分布検出手段により得られた0次光の位相分布
を差引いた値を前記被検査回折格子の位相分布とする回
折格子位相分布検出手段を設けたので、干渉法を用いて
測定することによって使用する光学系の面制度等のエラ
ー要因を別に検出することが可能となり、これにより、
測定結果からそのエラー要因を補正することができるた
め高精度の測定を実現することができるようになるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である回折格子の直線性評価
装置の様子を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 コリメータレンズ 3 光束分離手段 4,5 ミラー 6 被検査回折格子 7 第1フーリエ変換レンズ 8 フーリエ平面 9 第2フーリエ変換レンズ 10,11 検出面 17 ミラー角度出射方向移動機構 18 1次光位相分布検出手段、0次光位相分布
検出手段、回折格子位相分布検出手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源から出射された光をコリメー
    タレンズにより平行光とし、この平行光を光束分離手段
    により2光束に分離し、それらコヒーレントな2光束を
    ミラーにより反射させることにより被検査回折格子に微
    小角度傾けて入射させ、これにより回折され干渉縞とな
    った2光束の回折光を第1フーリエ変換レンズによりフ
    ーリエ変換し、このフーリエ変換された回折光をピンホ
    ールを有するフーリエ平面に導くことにより前記一方の
    光束の回折光の+1次回折光と前記他方の光束の回折光
    の−1次回折光のみを取り出し、これら取り出された+
    1次回折光と−1次回折光とを第2フーリエ変換レンズ
    により逆フーリエさせることにより等高線とする干渉縞
    を発生させ、その干渉縞を検出面にて観測することによ
    り前記被検査回折格子の位相分布を測定することを特徴
    とする回折格子の直線性評価方法。
  2. 【請求項2】 レーザ光源と、このレーザ光源から出射
    された光を平行光とするコリメータレンズと、前記平行
    光を2光束に分離する光束分離手段と、それら分離され
    たコヒーレントな2光束のそれぞれの光路上に配置され
    たミラーと、これらのミラーにより反射された光が入射
    する被検査回折格子と、この被検査回折格子により回折
    され干渉縞となった2光束の回折光をフーリエ変換する
    第1フーリエ変換レンズと、このフーリエ変換された回
    折光のうち前記一方の光束の回折光の+1次回折光と前
    記他方の光束の回折光の−1次回折光とのみを取り出す
    ピンホールを有するフーリエ平面と、これら取り出され
    た+1次回折光と−1次回折光とを逆フーリエさせるこ
    とにより等高線とされた干渉縞を発生させる第2フーリ
    エ変換レンズと、その干渉縞を観測する検出面と、前記
    ミラーを各々独立して微小角度傾けるミラー角度変換機
    構と、前記一方のミラーを光束出射方向に微小距離だけ
    移動させるミラー出射方向移動機構と、前記ミラーを微
    小角傾け2光束の前記被検査回折格子による±1次光を
    干渉させて得られた干渉縞の位相分布を同期検出する1
    次光位相分布検出手段と、前記ミラーを微小角度傾け2
    光束の前記被検査回折格子による0次光を干渉させて得
    られた干渉縞の位相分布を同期検出する0次光位相分布
    検出手段と、前記1次光位相分布検出手段により得られ
    た1次光の位相分布から前記0次光位相分布検出手段に
    より得られた0次光の位相分布を差引いた値を前記被検
    査回折格子の位相分布とする回折格子位相分布検出手段
    とよりなることを特徴とする回折格子の直線性評価装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100390519C (zh) * 1999-05-19 2008-05-28 松下电器产业株式会社 透镜的评价方法及其装置、光学单元和透镜的调整方法及装置
WO2023196072A1 (en) * 2022-04-04 2023-10-12 Applied Materials, Inc. Methods for high-resolution, stable measurement of pitch and orientation in optical gratings

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