JPH05266474A - 成膜方法および装置、薄膜磁気記録媒体およびその製造方法および装置ならびに磁気記憶装置 - Google Patents

成膜方法および装置、薄膜磁気記録媒体およびその製造方法および装置ならびに磁気記憶装置

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JPH05266474A
JPH05266474A JP6207192A JP6207192A JPH05266474A JP H05266474 A JPH05266474 A JP H05266474A JP 6207192 A JP6207192 A JP 6207192A JP 6207192 A JP6207192 A JP 6207192A JP H05266474 A JPH05266474 A JP H05266474A
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thin film
magnetic
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film
magnetic recording
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JP6207192A
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Katsuyoshi Chiba
克義 千葉
Yoshihiro Shiroishi
芳博 城石
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えば400Mb/in2程度以上の高密度
記録が可能な薄膜磁気記録媒体を提供する。 【構成】 真空中で基板S上に直接または下地層を介し
て磁性薄膜を形成する場合に、下地層および磁性薄膜の
少なくとも一方を形成する際に、超音波振動子14によ
り超音波振動を与える。その超音波振動により表面波振
動子16を駆動し、基材または下地層に同心円型、ラン
ダム型、干渉型等の各モードの表面波を生じさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、成膜方法および装
置、薄膜磁気記録媒体およびその製造方法および装置な
らびに磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、商業化されている磁気記録媒体
は、主として磁性粉を有機バインダーを用いて基材上に
膜状に塗布したものである。この塗布型媒体では、基材
上に磁性粉が不連続に分布するため磁化の値を大きくす
ることができず、大出力を得ようとすると膜厚を厚くせ
ざるを得ない。したがって高密度記録には適さない。
【0003】近年、高密度記録の要請が著しく強まり、
保磁力の大きい媒体が必要となっており、それに応える
ため、基材上にいわゆるPVD(Physical Vapour Depo
sition)法により形成された磁性薄膜を用いることが提
案されている。この磁性薄膜は、基材上に連続的に分布
するため、塗布型媒体の磁性膜に比べて大きな保磁力を
持つ。この磁性薄膜は通常、金属、酸化物、窒化物など
からなり、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、イオンビーム蒸着、イオン・アシステッド・デ
ポジションなどの方法で形成される。
【0004】このような磁性薄膜では、合金の磁性薄膜
が特に優れた磁気特性を発揮し、種々の組成のものが提
案されている。例えば、CoPtCr(Cr:1〜17
%)の一層膜(特開昭59−88806公報参照)、C
oPtCr(Cr:13〜20%)の一層膜(米国特許
第4789598号明細書参照)、CoPtCr(C
r:17%)とCrの多層膜(特開平2−281414
号公報参照)などである。それら合金磁性薄膜は通常、
RF−DCマグネトロン・スパッタリング、RFスパッ
タリングなどの方法により形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記米国特許第478
9598号明細書や特開平2−281414号公報に開
示された磁性薄膜を用いれば、高密度記録時における媒
体ノイズが低くなり、ビット誤り率を少なくすることが
可能である。しかし、このような磁気記録媒体を上述し
たRF−DCマグネトロン・スパッタリング等の方法に
より製造すると、次のような問題が生じる。
【0006】すなわち、基板上に合金磁性薄膜を形成し
てなるディスク状磁気記録媒体において、例えば400
Mb/in2程度以上の高密度で記録・再生を行なうた
めには、通常、磁気ヘッドと磁気記録媒体との距離(ス
ペーシング)を0.1μm程度以下に設定することが必
要であり、このためには基板の表面を極力、平滑(例え
ば中心線平均粗さRa=3nm以下)にする必要があ
る。しかし、基板表面をこのように平滑にすると、成膜
条件によっては、磁気ヘッド移動方向(ディスク状媒体
では円周方向)に沿って均一な磁気異方性が得られない
という問題が生じる。
【0007】この問題は、アイイーイーイー、トラン
ス、オン、マグネティクス第22巻(1986年)、5
79頁〜581頁(IEEE,Trans, on, Magn. MA
G−22,579〜581(1986))や、米国特許
第4735840号明細書において既に指摘されている
ところである。
【0008】また、上記の従来の方法では、低ノイズで
高密度記録・再生を行なえる磁気記録媒体を安定して製
造することも困難であるという問題もある。
【0009】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、構成微粒子が均一であり、且
つその構成微粒子の配向性も良好な薄膜が安定して得ら
れる成膜方法および装置を提供することにある。
【0010】この発明の他の目的は、例えば400Mb
/in2程度以上の高密度記録に好適な極めて平滑な面
を持つ基材上に、磁気異方性が均一で且つ低ノイズの磁
性薄膜が安定して得られる薄膜磁気記録媒体の製造方法
および装置を提供することにある。
【0011】この発明の他の目的は、例えば400Mb
/in2程度以上の高密度記録が可能な薄膜磁気記録媒
体を提供することにある。
【0012】この発明のさらに他の目的は、例えば40
0Mb/in2程度以上の高密度記録が可能な磁気記憶
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1) この発明の成膜方法は、真空中で基材上に薄膜
を形成する成膜方法において、前記基材に超音波振動を
与えながらその上に薄膜を形成することを特徴とする。
【0014】この成膜方法では、超音波振動により前記
基材に表面波を生じさせるのが好ましく、その表面波の
モードは、同心円型、ランダム型および干渉型の中から
選ばれたいずれか1種であるのが好ましい。また、前記
基材の成膜面を薄膜構成部粒子の飛来方向に対して傾斜
させてもよい。
【0015】また、薄膜を形成する前に前記基材に超音
波振動を与えてその成膜面を清浄化する工程を含むのが
好ましい。この場合においても、超音波振動により表面
波を生じさせるのが好ましく、そのモードは同心円型、
ランダム型および干渉型の中から選ばれたいずれか1種
であるのが好ましい。
【0016】(2) この発明の成膜装置は、真空中で
基材上に薄膜を形成する成膜装置において、前記基材に
超音波振動を与える手段を有することを特徴とする。
【0017】この成膜装置では、前記基材の成膜面を薄
膜構成微粒子の飛来方向に対して傾斜させる手段を有す
るのが好ましい。
【0018】(3) この発明の薄膜磁気記録媒体は、
基材上に直接または下地層を介して形成された磁性薄膜
を有する薄膜磁気記録媒体において、前記基材の成膜面
の中心線平均粗さが3nm以下であり、前記磁性薄膜の
磁気ヘッドの移動方向に沿った磁気特性のばらつきが1
0%以下であることを特徴とする。
【0019】前記基材の成膜面の中心線平均粗さを3n
m以下とするのは、成膜時の結晶成長が均一になるこ
と、および400Mb/in2程度以上の高密度記録を
行なうにはこの程度が必要であることによる。前記磁性
薄膜の磁気ヘッドの移動方向に沿った磁気特性のばらつ
きを10%以下とするのは、400Mb/in2程度以
上の高密度記録を行なうにはこの程度が必要であること
による。
【0020】この薄膜磁気記録媒体では、前記磁性薄膜
上にその表面の粗さが前記基材の成膜面のそれよりも大
きい保護層を設けるのが好ましい。
【0021】(4) この発明の薄膜磁気記録媒体の製
造方法は、真空中で基材上に直接または下地層を介して
磁性薄膜を形成する薄膜磁気記録媒体の製造方法におい
て、前記下地層および磁性薄膜の少なくとも一方を形成
する際に前記基材に超音波振動を与えることを特徴とす
る。
【0022】この薄膜磁気記録媒体の製造方法では、超
音波振動により前記基材または下地層に表面波を生じさ
せるのが好ましい。その表面波のモードは、同心円型、
ランダム型および干渉型の中から選ばれたいずれか1種
であるのが好ましい。
【0023】また、前記基材の成膜面を前記下地層およ
び磁性薄膜の構成微粒子の飛来方向に対して傾斜させる
のが好ましく、さらに、前記基材に超音波振動を与える
際にその基材の周囲に磁場を印加するのが好ましい。
【0024】さらに、前記磁性薄膜を覆う保護膜を形成
する際に前記基材に超音波振動を与える工程や、前記基
材に超音波振動を与えてその成膜面を清浄化する工程を
含むのが好ましい。この場合においても、超音波振動に
より表面波を生じさせるのが好ましく、そのモードは同
心円型、ランダム型および干渉型の中から選ばれたいず
れか1種であるのが好ましい。
【0025】(5) この発明の薄膜磁気記録媒体の製
造装置は、真空中で基材上に直接または下地層を介して
磁性薄膜を形成する薄膜磁気記録媒体の製造装置におい
て、前記基材に超音波振動を与える手段を有することを
特徴とする。
【0026】この薄膜磁気記録媒体の製造装置では、前
記基材の成膜面を前記下地層および磁性薄膜の構成微粒
子の飛来方向に対して傾斜させる手段を有するのが好ま
しく、さらに、前記基材の周囲に磁場を印加する手段を
有するのが好ましい。
【0027】(6) 上記(1)(2)において、使用
する基材および薄膜の種類は特に限定されない。真空中
で成膜できるものであれば、目的に応じて所望のものを
任意に使用できる。
【0028】また、上記(3)〜(5)において、前記
基材としては、非磁性の基板、例えばNiP等をメッキ
したAl合金基板、Ti基板、ガラス基板、セラミック
基板、カーボン基板のように、表面波振動が直接かつ有
効に伝播する材質からなる剛性のものが好ましい。しか
し、ポリイミド、PET等の有機フィルム等、可撓性の
基材も使用可能である。
【0029】前記下地層としては、NiP、Cr、M
O、CrTi等が好ましく、磁性膜としては、CoCr
Pr,CoCrTa、CoNiCr、CoNiPt等が
好ましい。保護層としては、B、C、BuC、Zr
2、Al23等の薄膜が好ましい。(7) この発明
の磁気記憶装置は、上記(3)の薄膜磁気記録媒体と、
磁気抵抗効果を用いた磁気ヘッドとを備えてなることを
特徴とする。
【0030】
【作用】この発明の成膜方法および装置では、成膜時に
与えられる超音波振動により基材の表面に波動が励起さ
れる。その波動は、基材の表面付近に飛来してきた薄膜
の構成微粒子に影響を及ぼし、その結果、薄膜の構成微
粒子(結晶粒)は微細化・均一化すると共にその配向性
と分散性も良好となり、低ノイズ化および高密度化に適
した膜構造が得られる。
【0031】超音波振動を与えずに通常の蒸着法やスパ
ッタ法により成膜する場合には、基材表面の粗さの分布
や斜め入射する薄膜の構成微粒子の成長等に起因して、
特に基材表面の粗さが小さい(平滑な)場合には、形成
される薄膜の結晶粒は均一にならず、その配向性も良好
ではない。しかし、基材に超音波振動を与えることによ
り、それらによる影響を抑制することが可能となる。
【0032】この発明の薄膜磁気記録媒体の製造方法お
よび装置では、基材に与えられる超音波振動により、磁
性薄膜の構成微粒子(結晶粒)は微細化・均一化すると
共にその配向性と分散性も良好となる。したがって、均
一な磁気異方性が得られ、且つ低ノイズ化に適した膜構
造となる。
【0033】この発明の薄膜磁気記録媒体では、前記基
材の成膜面の中心線平均粗さが3nm以下であり、前記
磁性薄膜の磁気ヘッドの移動方向に沿った磁気特性のば
らつきが10%以下であるため、例えば400Mb/i
2程度以上の高密度記録が可能である。
【0034】この薄膜磁気記録媒体を磁気抵抗効果を用
いた磁気ヘッドと組み合わせれば、例えば400Mb/
in2程度以上の高密度記録が可能な磁気記憶装置が提
供される。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づきこの発明をさらに詳細
に説明する。
【0036】[薄膜磁気記録媒体の製造装置] (第1実施例)図1は、この発明の薄膜磁気記録媒体の
製造装置の第1実施例を示す概略断面図である。この製
造装置10は、スパッタリングにより基板上に磁性薄膜
を形成するように構成してある。
【0037】真空槽11の内部には、その上面より回転
可能な支持軸12が垂直に取り付けてあり、その支持軸
12の下端に保持体13が取り付けてある。保持体13
の下端には、基板Sが図のようにして保持される。支持
軸12は、図示しない駆動装置によって垂直軸の周りに
回転可能である。
【0038】保持体13は、下面を開口した円筒体から
構成され、その上面で支持軸12に接合してある。保持
体13の内部には、位相可変型の超音波振動子14が設
けてあり、この超音波振動子14の下位には金属製の表
面波振動子16が装着してある。表面波振動子16の下
端には、固定部材17が取り外し可能に取り付けてあ
る。振動効率を上げるため、保持体13の内部は樹脂に
より充填されている。固定部材17は、表面波振動子1
6により与えられる超音波振動を緩和する材料、例えば
テフロンにより形成してある。
【0039】超音波振動子14の駆動は、真空槽11の
外部に設けた発振器21により行なう。発振器21によ
り発生した高周波電流は、通電用摺動ピン20およびス
リップリング19を介して、支持棒12の内部を通って
コイル15に接続された導線(図示省略)の端部に供給
され、その導線を介してコイル15に供給される。こう
して、超音波振動子14はその下面より超音波振動を発
生する。コイル15への電流の供給は、摺動ピン20お
よびスリップリング19を介して行なうので、通電中に
支持軸12が回転してもコイル15への通電に支障が生
じない。
【0040】表面波振動子16は、超音波振動子14が
発生する超音波振動により駆動され、その下端より表面
波を発生する。この表面波は、保持している基板Sに伝
達され、基板Sの表面(ここでは下面)に表面波が発生
する。
【0041】基板Sは、その中央の透孔を表面波振動子
16の下端に係合させ、下方から固定部材17を表面波
振動子16に固定することにより水平に保持される。
【0042】表面波振動子16の下端の基板Sと接触す
る部分には、図3に示すように、3個の突起16aが設
けてある。これらの突起16aは、表面波振動子16の
外形の円周に沿って等間隔で配置してある。表面波振動
子16が発生した表面波は、これらの突起16aを介し
て基板Sに伝達される。
【0043】保持体13の外側には、リング状の電磁石
18が配置してある。この電磁石18の位置は可変であ
り、必要に応じて好適な位置に固定される。電磁石18
により基板Sの近傍に磁界を与えることにより、基板S
上に堆積した磁性薄膜の構成微粒子の磁気異方性を所望
の向きに整列させることができる。
【0044】真空槽11の内部には、保持体13の直下
にターゲット電極22が設けてある。このターゲット電
極22は、真空槽11のベースに取り付けた支持部材2
3によって支持してあり、ターゲット電極22と支持部
材23の周囲はシールド24によって覆ってある。ター
ゲットTは、図示しているように、ターゲット電極22
上に水平に載置される。
【0045】真空槽11内の気体を排気する排気系は、
真空槽11の下位に設けてあり、真空槽11のベースに
接続された管路に取り付けた弁25、クライオポンプ2
6、弁27およびロータリーポンプ28から構成され
る。
【0046】真空槽11内に導入されるArガス等の気
体は、真空槽11の側面上部に設けた導入口11aから
導入される。
【0047】表面波振動子16は、それに接続された導
線31および導線32を介して、また、ターゲット電極
22は、それに接続された導線33を介して、直流電源
34(または交流電源35)にそれぞれ接続される。表
面波振動子16とターゲット電極22の間に、直流電圧
または交流電圧が印加され、その電圧は表面波振動子1
6と接触している基板Sにも印加される。
【0048】表面波振動子16により発生する表面波の
モードは、大きく分けて同心円型、ランダム型および干
渉型の3つがある。これらモードの違いを図4〜図6に
示す。
【0049】図4は、基板S上に同心円型モードの表面
波が表われた状態を示す概念図である。この同心円型モ
ードの表面波は、表面波振動子16により3個の突起1
6aに印加される超音波振動の周波数、位相および振幅
が等しく、かつ周波数が基板S(厳密には薄膜Fを含め
たもの)の固有の共振周波数に等しい場合に得られる。
例えば、直径5.25インチ、厚さ2mmのAl基板の
表面にNiPの下地層を設けたものを基板とする場合
は、約42kHzまたはその整数倍の周波数で振動させ
るのが好ましい。直径3.5インチ、厚さ1.2mmの
同じNiP/Al基板の場合は、約55kHzが好まし
い。図4において、101は3個の突起16aから発生
する表面波(定在波)を示す。
【0050】図5は、基板S上にランダム型モードの表
面波が表われた状態を示す概念図である。ランダム型モ
ードの表面波は、3個の突起16aのうち少なくとも1
個に印加される超音波振動の位相が他の2つのそれと異
なった場合に得られる。図5において、102は3個の
突起16aから発生する表面波を示す。
【0051】図6は、基板S上に干渉型モードの表面波
が表われた状態を示す概念図である。干渉型モードの表
面波は、3個の突起16aからの表面波伝達のバランス
をくずした場合に得られる。例えば、3個の突起16a
が基板Sに与える圧力が異なる場合である。図6(a)
において、104は3個の突起16aから発生する表面
波、105はそれら表面波が干渉し合って得られた干渉
型モードの表面波を示す。なお、図6(b)の表面波振
動子16の構成は、図3のそれとは異なり、表面波振動
子16の端面に形成した凹部に固定部材17を係合させ
て基板Sを保持するようにしている。
【0052】図7は、図6と同様の干渉型モードの表面
波が表われた状態を示す概念図である。図7では、突起
16aが8個設けてある点が図6と異なる。8個の突起
16aは、表面波振動子16の外形の円周に沿って等間
隔で配置してある。この場合は、8点干渉型モードの表
面波が得られる。
【0053】突起16aの数を変えることにより、種々
の干渉型モードの表面波が得られる。図6の3点干渉型
モード、図7の8点干渉型モード以外の他の多点干渉型
モードも有効である。
【0054】表面波振動子16により発生する表面波の
モードは、これら以外のものでもこの発明の効果は得ら
れるが、上記3つのモードが好ましい。また、要求され
る記録・再生特性の仕様に応じてこれら3つのモードを
使い分けることが望ましい。例えば、高い再生出力が特
に要求される場合には、円周方向の配向性に優れた同心
円型モードが望ましく、特に著しい低ノイズ性が要求さ
れる場合にはランダム型モードが、高い再生出力と低ノ
イズ性が平均的に要求される場合には干渉型モードとす
ることが望ましい。
【0055】なお、ここでは、表面波振動子16に突起
16aを設けているが、必ずしも突起16aを設ける必
要はない。突起が設けられていなくても、表面波振動子
16のある箇所が結果として突起16aと同じ作用をし
ている場合でもよい。
【0056】以上の構成を持つ薄膜磁気記録媒体の製造
装置10は、次のように使用する。まず、真空槽11内
において、表面波振動子16の下端部に基板Sの中心孔
を係合させ、その下方より固定部材17を押し当てて表
面波振動子16の下端部に係止する。こうして、基板S
は図1に示すようにして保持される。他方、電極22上
に所定のターゲットTを載置する。
【0057】次に、排気系を作動させて真空槽11内の
空気を排気し、所定の真空度に設定する。そして、導入
口11aより真空槽11内にArガスを導入した後、基
板Sと電極22の間に直流または高周波電圧を印加す
る。ターゲットTは、放電により生成するAr+イオン
によりスパッタされ、基板Sの下面にターゲットTと同
じ物質からなる薄膜Fが形成される。
【0058】ターゲットTを材質の異なるものに適宜交
換して同様にスパッタリングを行なえば、基板S上に磁
性層、下地層、保護層などの各層を任意に形成すること
ができる。
【0059】薄膜Fを形成する際には、支持軸12を介
して基板Sを低速で回転させるのが好ましい。こうする
ことにより、薄膜Fの膜厚が均一となり、また構成微粒
子の配向性および分散性がいっそう良好となる。また、
その際に電磁石18により磁界を作用させるのが好まし
い。基板S上の磁性微粒子の磁気異方性の向きを望まし
い方向に整列させることが可能となる。
【0060】なお、生産性を上げるため、真空槽11の
内部の適当な位置に磁石を配置していわゆるマグネトロ
ン型としてもよい。
【0061】(第2実施例)図2は、この発明の薄膜磁
気記録媒体の製造装置の第2実施例を示す。図2の製造
装置10aでは、真空槽11の内部において保持体13
が傾斜して設けてある点が図1の製造装置10と異なっ
ており、その他の構成はほぼ同じである。両製造装置1
0、10aの対応する要素には、それぞれ対応する符号
が付してある。
【0062】支持軸12aは、真空槽11の側面に水平
に取り付けてあり、その内端に保持体13が傾斜して取
り付けてある。支持軸12aは、真空槽11の外部に設
けた駆動装置により回転可能である。支持軸12aを回
転させると、保持体13は図2に示す傾斜角度を保った
ままで、その中心軸の周りに回転する。したがって、保
持体13に保持された基板Sも同様に、傾斜したままで
回転する。
【0063】真空槽11の上面には、導線36を介して
発振器21に接続された端子30が設けてあり、保持体
13の内部の超音波振動子14は、導線29を介してこ
の端子30に接続してある。コイル15は導線29に接
続してあるので、コイル15には、導線36、端子30
および導線29を介して発振器21により高周波駆動電
流が供給され、これによって超音波振動子14は超音波
を発生する。
【0064】以上の構成を持つ薄膜磁気記録媒体の製造
装置10aの使用方法は、図1の製造装置10と同じで
ある。
【0065】この装置10aによれば、ターゲットTか
らスパッタされた微粒子は基板Sに斜めに入射する。そ
のため、図1の装置10に比べて、超音波振動による効
果がいっそう向上する利点が得られる。
【0066】FeCoNiCrや上述したコバルト基合
金等の強磁性金属薄膜を記録層とする磁気記録媒体にお
いて、配向性が高く磁気特性の優れたものを得るには、
スパッタされた強磁性金属原子の入射方向を基板Sに対
して斜めにするとよい。この装置10aは、このことを
考慮したものである。すなわち、基板Sの傾斜と表面波
との相乗効果により、連続薄膜媒体がより高配向化、高
密度化(微粒子の緻密化)、高S/N化(微粒子の均一
な配向性)、さらには高信頼化が期待できるものであ
る。
【0067】図2に破線で示すように、スパッタされた
微粒子が基板Sに到達するのを抑制するため、マスクP
を設けてもよいし、生産性を上げるため、磁石Mを真空
槽11の内側面に沿って配置していわゆるマグネトロン
型としてもよい。
【0068】[磁気記録媒体およびその製造方法]次
に、この発明の磁気記録媒体およびその製造方法の実施
例について説明する。
【0069】(第1実施例)この発明の磁気記録媒体の
第1実施例を図8に示す。この発明の磁気記録媒体50
は、基板Sの上に非磁性の下地層51と、磁性層52
と、非磁性の保護層53と、潤滑剤層54とを順に積層
して構成されている。ここでは、基板Sは、表面にNi
Pをメッキした直径3.5インチのAl基板(表面粗さ
Ra:3nm)、下地層51はCr膜(厚さ50n
m)、磁性層52はCoCrPt膜(厚さ40nm)、
保護層53はC膜(厚さ25nm)、潤滑剤層54は吸
着性の極性基を有するパーフルオロアルキルポリエーテ
ル膜(厚さ5nm)である。
【0070】この磁気記録媒体50は、表面粗さRaが
3nmのきわめて平滑な基板S上に形成しているのにか
かわらず、下地層51、磁性層52および保護層53の
構成微粒子がいずれも非常に均一であり、配向性も優れ
ている。また、円周方向すなわち磁気ヘッドの移動方向
に沿った磁気特性のバラツキも10%以下である。この
磁気記録媒体50は、上述した製造装置10を用いて、
基板Sに超音波振動を与えながら各層51、52、53
のターゲットTを順にスパッタリングすることにより容
易に製造することができる。
【0071】上記構成の磁気記録媒体50の具体的製造
方法を以下に示す。まず、固定部材17にAl基板Sを
係合させた後、固定部材17を表面波振動子16の下端
に係止して、基板Sを保持体13によって保持した。他
方、真空槽11内に下地層51用のCrターゲット、磁
性層52用のCoCrPtターゲット、保護層53用の
Cターゲットを設置した。
【0072】次に、排気系を作動させて真空層11内の
気体を排気し、所定の真空度(10-6〜10-7 Tor
r)に設定した後、導入口11aからArガスをガス圧
3mTorrとなるように導入した。その後、基板Sと
ターゲットTの間に直流電圧を印加し、発振器21によ
り超音波振動子14を作動させて基板Sの下面に表面波
を発生させながら、DCマグネトロン・スパッタリング
法によりCr下地層、CoCrPt磁性層、C保護層を
順に基板Sの下面に形成した。入射電力密度は15W/
cm2、成膜時の基板Sの温度は150゜Cとした。な
お、成膜する前に、基板Sに超音波振動を与えてその成
膜面を清浄化した。
【0073】次に、成膜された基板Sを真空槽11から
取り出し、吸着性の極性基を有するパーフルオロアルキ
ルポリエーテルを付着させて、保護層53の表面に潤滑
剤層54を形成した。
【0074】基板Sに発生させた表面波のモードは、上
述した3つのモード、すなわち同心円型、ランダム型お
よび3点干渉型とし、これら各モードによって3種の磁
気記録媒体(試料A、B、C)を製造した。比較例とし
て、超音波振動を印加しないで同様にして磁気記録媒体
(試料X)を製造した。
【0075】次に、こうして製造した磁気記録媒体(試
料A、B、C、X)を磁気ヘッドと組み合わせ、記録・
再生特性を測定した。磁気ヘッドとしては、記録部にギ
ャップ長0.3μm、トラック幅3μmの薄膜ヘッド
を、再生部にパーマロイ磁気抵抗効果素子を用いた録再
分離型磁気ヘッドを用いた。磁気ヘッドの浮上量は0.
08μm、記録密度は400Mb/in2の条件で行な
った。その結果を次に示す。
【0076】 表面波モード S/N 出力変動 実施例 試料A 同心円型 3.5 2% 実施例 試料B ランダム型 3.5 4% 実施例 試料C 干渉型 3.0 10% 比較例 試料X − 2.0 15% この結果から、表面波を励起しないこと以外は同じ条件
とした比較例(試料X)に比べて、この発明の実施例
(試料A、B、C)はいずれもS/Nが高く、出力変動
も10%以下と小さいことが分かる。しかも、S/Nは
3以上であり、記録密度400Mb/in2で、エラー
レートは10-9であった。
【0077】通常の蒸着法、スパッタリング法により薄
膜を形成すると、基板の面粗さの分布、基板温度の分布
や斜め入射成分の粒子の成長等により、特に基板の面粗
さが小さい場合にはディスク周方向の磁気特性は大きく
変動してしまうが、本方法により表面波を励起せしめる
ことで、上記外乱による分布を抑制でき、特性が均一化
されていることが分かる。
【0078】この発明の磁気記録媒体は低ノイズで特性
の均一性に優れるため、特に再生感度の高い磁気抵抗効
果型ヘッドと組合わせることで、高密度で高いS/Nが
実現でき400Mb/in2以上の高密度磁気ディスク
装置が提供できる。
【0079】ここで、保護層53の平均面粗さRaが基
板Sの値よりも大きくなるようにするのが好ましい。こ
うすると、CSS時の粘着力、接線力の増大が抑制さ
れ、信頼性が格段に改善される利点がある。保護層53
の面粗さを大きくすると、空気中の水分等が磁気ヘッド
と磁気記録媒体間で凝集し難くなるためである。
【0080】保護層53の表面粗さとしては、最大突起
高さRpの値で25nm以下、より望ましくは20nm
以下とするのが好ましい。この範囲であれば、見かけの
磁気ヘッド−媒体間のスペーシングを低減でき、400
Mb/in2以上の高記録密度化を達成できる。
【0081】(第2実施例)保護層53を、(WNb)
0.50.5(平均膜厚25nm)により形成した以外は、
第1実施例と同じ条件でディスク状磁気記録媒体(試料
D)を製造した。(WNb)0.50.5の保護層53を形
成する際に、基板Sに−400Vのバイアス電圧を印加
した。保護層53を成膜する際にも表面波(同心円型モ
ード)を励起させたので、主成分NbNの凸起(高さ1
0nm)が成長し、保護層53の表面の粗さRpは15
nmであった。
【0082】試料Dの磁気記録媒体と実施例1の試料A
〜Cの磁気記録媒体についてCSS試験を行ない、10
4回動作後の接線力を比較したところ、試料A〜Cで
は、接線力が3g増加したのに対し、試料Dでは接線力
の増大は全く認められず、極めて良好な耐摺動性を示し
た。
【0083】試料Dの磁気特性、記録再生特性について
も実施例1と同様の試験を行なったところ、第1実施例
と同様の良好な特性を示した。
【0084】なお、保護層53成膜時の表面波モードを
ランダム型および干渉型とした場合も同様の結果が得ら
れた。したがって、保護層53の表面粗さを基板Sの表
面粗さより大きくすると、極めて良好な耐摺動性が得ら
れることが分かる。
【0085】(第3実施例)基板Sをポリイミド、PE
T等の可撓性有機フィルムとした以外は第1実施例同じ
条件でディスク状およびテープ状磁気記録媒体を製造し
た。ディスク状媒体では、同心円型、ランダム型、干渉
型のいずれも表面波モードで成膜した場合でも、第1実
施例と同様の優れた特性が得られた。テープ状媒体で
は、ランダム型の表面波モードで成膜した時に出力変動
が2%と最も少なく、干渉型で5%、同心円型で10%
であった。S/Nについてはいずれも3以上であった。
【0086】したがって、この発明はハードディスクだ
けでなく、フロッピィディスクや磁気テープにも適用可
能であることが分かる。
【0087】(第4実施例)図1の製造装置10におい
て、電磁石18の代わりに第2のリング状ターゲットT
を配置し、下位のターゲットTと共に基板Sの両側に2
個のターゲットTを配置してDCマグネトロン・スパッ
タリングにより成膜を行なった。基板Sとしては、直径
2.5インチのガラス基板で、その表面粗さRaがそれ
ぞれ0.5、1、2、3、5、7および10nmのもの
を用いた。
【0088】下地層51としてはCr0.9Ti0.1(膜厚
100nm)膜を、磁性層52としてはCo0.82Cr
0.14Pt0.04(膜厚30nm)膜を、保護層53として
は(W0.8−Mo0.20.30.7(膜厚25nm)膜をそ
れぞれ用いた。潤滑剤層54としては、極性基を有する
パーフルオロアルキルポリエーテル(厚さ8nm)膜を
用いた。
【0089】下地層51、磁性層52および保護層53
の成膜時に励起する表面波モードは、いずれも同心円型
とした。成膜時の基板温度は300゜C、Arのガス圧
は1mTorr、投入電力密度は10W/cm2とし
た。
【0090】こうして製造したディスク状磁気記録媒体
を第1実施例と同条件で評価し、出力変動と基板Sの表
面粗さRaとの関係を求めた。また、超音波励起しない
以外は同じ条件で製造したディスク状磁気記録媒体につ
いても、同様にしてその関係を求めた。その結果を図9
に示す。
【0091】図9より、この発明の媒体では、超音波励
起をしない媒体に比べて、いずれの表面粗さでも10%
以下の出力変動が得られており、特に表面粗さが3nm
以下においてその差が顕著であることが分かる。
【0092】(第5実施例)図2の製造装置10aを用
いてディスク状磁気記録媒体を製造した。基板Sとして
は、NiP(厚さ10μm)をメッキした直径5.25
インチのAl合金基板(表面粗さ2nm)を、下地層5
1としては、第4実施例と同じCr0.9Ti0.1(膜厚1
00nm)膜を、磁性層52としては、CoNiPt磁
性膜(膜厚35nm)を、保護層53としては、WC保
護膜(膜厚25nm)を用いた。潤滑剤層54として
は、アミン系有機物膜(厚さ10nm)を用いた。
【0093】保持体13に保持した基板Sを50rpm
で回転させ(水平に設置された回転用端子線を兼ねた駆
動部(図示省略)により行なう)、スパッタされたター
ゲットTの構成原子が平均入射角50゜で基板Sの下面
に入射するように、保持体13の傾斜角度を設定した。
そして、表面波(同心円型モード)を励起しながら、同
じ条件でCr0.9Ti0.1膜、CoNiPt膜、WC保護
膜を順に形成した。最後に、WC保護膜の上にアミン系
有機物層を形成した。成膜条件は第4実施例と同じとし
た。
【0094】こうして得たディスク状磁気記録媒体を第
1実施例と同じ条件で評価したところ、S/Nは3.
5、出力変動は5%であった。
【0095】[磁気記憶装置]図10および図11は、
この発明の磁気記憶装置の実施例を示す。両図におい
て、磁気記憶装置80は、上述したディスク状磁気記録
媒体81を複数枚備えており、これら磁気記録媒体81
は回転軸に並列に固定されていて、駆動部82によって
同時に回転駆動される。各磁気記録媒体81に近接し
て、記録用としての薄膜ヘッド部と再生用としてのMR
ヘッド部からなる磁気ヘッド83が配設されている。各
磁気ヘッド83は駆動部84によって駆動される。な
お、85は記録・再生信号処理系である。
【0096】磁気記録媒体81として、上述した第1実
施例〜第5実施例のディスク状磁気記録媒体を用い、磁
気ヘッド83と共に組み込んで磁気記憶装置80を構成
し、その動作を確認した。その結果、磁気記録媒体と磁
気ヘッド間のスペーシングを0.08μmとすると、4
00Mb/in2の高密度で情報の記録再生ができた。
また、スペーシングを0.05μmとすると、600M
b/in2の高密度で情報の記録再生ができた。磁気ヘ
ッドの浮上も安定していた。
【0097】したがって、この発明により、特性が均一
でノイズ特性に優れさらに磁気記録媒体と磁気ヘッド間
のスペーシングを0.1nm程度に小さくした場合に
も、磁気ヘッドが安定して浮上し、優れた耐摺動特性を
有する薄膜磁気記録媒体を製造提供できるので、400
Mb/in2の高い記録密度でも動作する磁気記憶装置
が提供できる。
【0098】なお、上記実施例では、ディスク状の薄膜
磁気記録媒体を製造する装置として構成したが、基材上
に非磁性薄膜を形成する成膜装置としても実施可能であ
る。また、ターゲットTの替わりにEB(電子ビーム加
熱)法などによる蒸着源を用い、蒸着法で成膜すること
も可能である。
【0099】
【発明の効果】この発明の成膜方法および装置によれ
ば、構成微粒子が均一で、且つその構成微粒子の配向性
も良好な薄膜が安定して得られる。
【0100】この発明の薄膜磁気記録媒体の製造方法お
よび装置によれば、例えば400Mb/in2程度以上
の高密度記録に好適な極めて平滑な表面を持つ基材上
に、磁気異方性が均一で低ノイズの磁性薄膜が安定して
得られる。
【0101】この発明の薄膜磁気記録媒体および磁気記
憶装置によれば、例えば400Mb/in2程度以上の
高密度記録が可能となる。
【0102】
【課題を解決するための手段】 【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の磁気記録媒体の製造装置の第1実施
例を示す概略断面図である。
【図2】この発明の磁気記録媒体の製造装置の第2実施
例を示す概略断面図である。
【図3】超音波振動子の端部構造を示す要部拡大断面図
である。
【図4】磁気記録媒体の表面に生じた同心円型モードの
表面波を示す概略平面図である。
【図5】磁気記録媒体の表面に生じたランダム型モード
の表面波を示す概略平面図である。
【図6】(a)は磁気記録媒体の表面に生じた干渉型モ
ードの表面波を示す概略平面図、(b)は超音波振動子
の構造を示す要部拡大断面図である。
【図7】(a)は磁気記録媒体の表面に生じた干渉型モ
ードの表面波を示す概略平面図、(b)は超音波振動子
の構造を示す要部拡大断面図である。
【図8】この発明のディスク状磁気記録媒体の1実施例
の部分断面図である。
【図9】磁気記録媒体の特性を示すグラフである。
【図10】この発明の磁気記憶装置の概略平面図であ
る。
【図11】図10のA−A線に沿った概略断面図であ
る。
【符号の説明】
10、10a 磁気記録媒体の製造装置 11 真空槽 11a 導入口 12、12a 支持軸 13 保持体 14 超音波振動子 15 コイル 16 表面波振動子 17 固定部材 18 電磁石 19 スリップリング 20 摺動ピン 21 発振器 22 ターゲット電極 23 支持部材 24 シールド 25、27 弁 26 クライオポンプ 28ロータリーポンプ 29、31、32、33、36 導線 30 端子 34 直流電源 35 交流電源 50 磁気記録媒体 S 基板 51 下地層 52 磁性層 53 保護層 54 潤滑剤層 101、102、104、105 表面波 80 磁気記憶装置 81 磁気記録媒体 82 磁気記録媒体の駆動部 83 磁気ヘッド 84 磁気記録媒体ヘッドの駆動部 85 記録・再生信号処理系 F 薄膜 T ターゲット P マスク M 磁石

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空中で基材上に薄膜を形成する成膜方
    法において、前記基材に超音波振動を与えながらその上
    に薄膜を形成することを特徴とする成膜方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の成膜方法において、超
    音波振動により前記基材に表面波を生じさせる成膜方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の成膜方法において、前
    記表面波のモードが同心円型、ランダム型および干渉型
    の中から選ばれたいずれか1種である成膜方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の成膜方
    法において、前記基材の成膜面を薄膜構成微粒子の飛来
    方向に対して傾斜させる成膜方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の成膜方
    法において、薄膜を形成する前に前記基材に超音波振動
    を与えてその成膜面を清浄化する工程を含む成膜方法。
  6. 【請求項6】 真空中で基材上に薄膜を形成する成膜装
    置において、前記基材に超音波振動を与える手段を有す
    ることを特徴とする成膜装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の成膜装置において、前
    記基材の成膜面を薄膜構成微粒子の飛来方向に対して傾
    斜させる手段を有する成膜装置。
  8. 【請求項8】 基材上に直接または下地層を介して形成
    された磁性薄膜を有する薄膜磁気記録媒体において、前
    記基材の成膜面の中心線平均粗さが3nm以下であり、
    前記磁性薄膜の磁気ヘッドの移動方向に沿った磁気特性
    のばらつきが10%以下であることを特徴とする薄膜磁
    気記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の薄膜磁気記録媒体にお
    いて、前記磁性薄膜上にその表面の粗さが前記基板の成
    膜面のそれよりも大きい保護層が設けてある薄膜磁気記
    録媒体。
  10. 【請求項10】 真空中で基材上に直接または下地層を
    介して磁性薄膜を形成する薄膜磁気記録媒体の製造方法
    において、前記下地層および磁性薄膜の少なくとも一方
    を形成する際に前記基材に超音波振動を与えることを特
    徴とする薄膜磁気記録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の薄膜磁気記録媒体
    の製造方法において、超音波振動により前記基材または
    下地層に表面波を生じさせる製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の薄膜磁気記録媒体
    の製造方法において、前記表面波のモードが同心円型、
    ランダム型および干渉型の中から選ばれたいずれか1種
    である製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12のいずれかに記載の
    薄膜磁気記録媒体の製造方法において、前記基材の成膜
    面を前記下地層および磁性薄膜の構成微粒子の飛来方向
    に対して傾斜させる製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項10〜13のいずれかに記載の
    薄膜磁気記録媒体の製造方法において、前記基材に超音
    波振動を与える際にその基材の周囲に磁場を印加する製
    造方法。
  15. 【請求項15】 請求項10〜14のいずれかに記載の
    薄膜磁気記録媒体の製造方法において、前記磁性薄膜を
    覆う保護膜を形成する際に前記基材に超音波振動を与え
    る工程を含む製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項10〜15のいずれかに記載の
    薄膜磁気記録媒体の製造方法において、前記基材に超音
    波振動を与えてその成膜面を清浄化する工程を含む製造
    方法。
  17. 【請求項17】 真空中で基材上に直接または下地層を
    介して磁性薄膜を形成する薄膜磁気記録媒体の製造装置
    において、前記基材に超音波振動を与える手段を有する
    ことを特徴とする薄膜磁気記録媒体の製造装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の薄膜磁気記録媒体
    の製造装置において、前記基材の成膜面を前記下地層お
    よび磁性薄膜の構成微粒子の飛来方向に対して傾斜させ
    る手段を有する製造装置。
  19. 【請求項19】 請求項17または18に記載の薄膜磁
    気記録媒体の製造装置において、前記基材の周囲に磁場
    を印加する手段を有する製造装置。
  20. 【請求項20】 請求項8または9に記載の薄膜磁気記
    録媒体と、磁気抵抗効果を用いた磁気ヘッドとを備えて
    なる磁気記憶装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11102510A (ja) * 1997-09-30 1999-04-13 Hitachi Ltd 垂直磁気記録媒体およびこれを用いた磁気記録装置
JP2009158975A (ja) * 2009-04-08 2009-07-16 Canon Anelva Corp 磁気媒体の製造法及びmramの製造法

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