JPH0526491B2 - - Google Patents
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- JPH0526491B2 JPH0526491B2 JP11058684A JP11058684A JPH0526491B2 JP H0526491 B2 JPH0526491 B2 JP H0526491B2 JP 11058684 A JP11058684 A JP 11058684A JP 11058684 A JP11058684 A JP 11058684A JP H0526491 B2 JPH0526491 B2 JP H0526491B2
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Landscapes
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Dental Prosthetics (AREA)
Description
本発明はスナツプインサートや金属床の如き、
義歯床用を構成する金属部材に関するものであ
る。 周知のように、義歯床用材料としてはこれまで
歯肉色様の着色をしたメチルメタクリレート
(MMA)を主成分とする通称レジンが多く用い
られており、レジンで強度が不足する部分には、
鋳造用硬質金合金、鋳造用Co−Cr合金、鋳造用
Ni−Cr合金、鋳造用Ti合金などが利用されてい
るが、これらの金属中でチタンおよびチタン合金
は耐食性にすぐれ生体組織との反応も低く、親和
性にすぐれた特長をもつものとして高い評価を得
てきている。 さらに義歯床用金属部材としてチタン合金は高
強度に匹敵する100Kg/mm2に及ぶ高強度を有しな
がら、比重は金合金の1/3、Co−Cr合金、Ni−
Cr合金の1/2と軽量であるため、義歯床金属部材
としては理想的な性質を有している。 しかしながら、これらのチタン系材料はいずれ
もチタン特有の銀白色の金属光沢を有しているた
め、清潔感はあるものの、歯肉の色調やレジンの
色調との差異が大きく、口腔内へ装着した場合、
外観的に著しく違和感があつた。 本発明は叙上の如き、チタン系義歯床用金属部
材の唯一の欠点を克服すべく、異和感を抱かない
色調を有し、審美的にもよりすぐれたチタン系義
歯床用金属部材をもたらさんとするものである。
以下、本発明を実施例によつて具体的に詳述す
る。 本発明に係る各種形状のチタン系義歯床用金属
部材は純チタンもしくは合金チタン(特にTi−
6Al−4V)材より鋳造、切削、鋳造など通常の加
工方法で所定の形状に成形される。 これらの成形品は通常の各種の研磨法で研磨
し、表面仕上げを行つた後アルコール洗浄、アル
カリ脱脂、水洗等順次一連の予備処理を行い、最
後に表面の加工歪み層の除去と清浄、活性化のた
めに、塩酸−正りん酸−フツ化水素酸からなる混
酸で化学研磨を行う。このような前処理を施した
チタン系金属を用いたデンタルインプラントは公
知の陽極酸化法を用いて化成処理を行うことによ
つて各種の色調を呈するデンタルインプラントと
なる。 以下にその場合の製作例を述べる。 〔実施例 1〕 切削加工で成形した純チタン製スナツプインサ
ートを常法の前処理を行つた後、陰極としてカー
ボンを用い、次のような条件で陽極酸化処理を行
つた。 電圧 保持時間 浴温 45V 10分 20℃ 50V 5分 21℃ 52.5V 5分 21℃ 53.0V 10分 21℃ 処理液 干渉色 5%シユウ酸溶液 黄色 〃 橙色 〃 淡いピンク色 〃 ピンク色 電圧 保持時間 浴温 55V 10分 21℃ 60V 5分 21℃ 処理液 干渉色 5%シユウ酸溶液 薄茶紫色 〃 赤紫色 〔実施例 2〕 鋳造法で成形した合金チタンTi−6Al−4V製
部分床義歯用金属床を実施例1と同様の前処理と
電極で以下の条件で陽極酸化処理を行つた。 電圧 保持時間 浴温 50V 5分 20℃ 60V 5分 20℃ 70V 20分 21℃ 80V 10分 20℃ 90V 10分 21℃ 処理液 干渉色 水1000部硫酸に対して 黄色 Lアスパキン酸5.0g 黄金色 〃 サーモンピンク色 〃 ピンク色 〃 赤紫色 上記の実施例1、実施例2により製作した陽極
酸化処理義歯用金具の膜厚と色調の関係を第1表
に示した。
義歯床用を構成する金属部材に関するものであ
る。 周知のように、義歯床用材料としてはこれまで
歯肉色様の着色をしたメチルメタクリレート
(MMA)を主成分とする通称レジンが多く用い
られており、レジンで強度が不足する部分には、
鋳造用硬質金合金、鋳造用Co−Cr合金、鋳造用
Ni−Cr合金、鋳造用Ti合金などが利用されてい
るが、これらの金属中でチタンおよびチタン合金
は耐食性にすぐれ生体組織との反応も低く、親和
性にすぐれた特長をもつものとして高い評価を得
てきている。 さらに義歯床用金属部材としてチタン合金は高
強度に匹敵する100Kg/mm2に及ぶ高強度を有しな
がら、比重は金合金の1/3、Co−Cr合金、Ni−
Cr合金の1/2と軽量であるため、義歯床金属部材
としては理想的な性質を有している。 しかしながら、これらのチタン系材料はいずれ
もチタン特有の銀白色の金属光沢を有しているた
め、清潔感はあるものの、歯肉の色調やレジンの
色調との差異が大きく、口腔内へ装着した場合、
外観的に著しく違和感があつた。 本発明は叙上の如き、チタン系義歯床用金属部
材の唯一の欠点を克服すべく、異和感を抱かない
色調を有し、審美的にもよりすぐれたチタン系義
歯床用金属部材をもたらさんとするものである。
以下、本発明を実施例によつて具体的に詳述す
る。 本発明に係る各種形状のチタン系義歯床用金属
部材は純チタンもしくは合金チタン(特にTi−
6Al−4V)材より鋳造、切削、鋳造など通常の加
工方法で所定の形状に成形される。 これらの成形品は通常の各種の研磨法で研磨
し、表面仕上げを行つた後アルコール洗浄、アル
カリ脱脂、水洗等順次一連の予備処理を行い、最
後に表面の加工歪み層の除去と清浄、活性化のた
めに、塩酸−正りん酸−フツ化水素酸からなる混
酸で化学研磨を行う。このような前処理を施した
チタン系金属を用いたデンタルインプラントは公
知の陽極酸化法を用いて化成処理を行うことによ
つて各種の色調を呈するデンタルインプラントと
なる。 以下にその場合の製作例を述べる。 〔実施例 1〕 切削加工で成形した純チタン製スナツプインサ
ートを常法の前処理を行つた後、陰極としてカー
ボンを用い、次のような条件で陽極酸化処理を行
つた。 電圧 保持時間 浴温 45V 10分 20℃ 50V 5分 21℃ 52.5V 5分 21℃ 53.0V 10分 21℃ 処理液 干渉色 5%シユウ酸溶液 黄色 〃 橙色 〃 淡いピンク色 〃 ピンク色 電圧 保持時間 浴温 55V 10分 21℃ 60V 5分 21℃ 処理液 干渉色 5%シユウ酸溶液 薄茶紫色 〃 赤紫色 〔実施例 2〕 鋳造法で成形した合金チタンTi−6Al−4V製
部分床義歯用金属床を実施例1と同様の前処理と
電極で以下の条件で陽極酸化処理を行つた。 電圧 保持時間 浴温 50V 5分 20℃ 60V 5分 20℃ 70V 20分 21℃ 80V 10分 20℃ 90V 10分 21℃ 処理液 干渉色 水1000部硫酸に対して 黄色 Lアスパキン酸5.0g 黄金色 〃 サーモンピンク色 〃 ピンク色 〃 赤紫色 上記の実施例1、実施例2により製作した陽極
酸化処理義歯用金具の膜厚と色調の関係を第1表
に示した。
【表】
この第1表に掲げた実験結果からおよそ1500〜
3000Åの酸化チタンを主成分とするコート層を被
着せしめることにより、均一な黄金色から歯肉色
に近いピンク色〜濃赤紫色を呈する表面をした金
属材を得ることができ、このような範囲でコート
層の厚さを調整することにより最適の歯肉色をも
つた美麗な義歯床用金属部材を得ることができ
た。 このようにして製作した義歯床用金属部材を塩
酸HClおよび水酸化カリウムKOH5%水溶液中に
1時間、5時間、10時間浸漬したがいずれの場合
も何らの変化も生じなかつた。 また屈曲テストでは約15°付近まで皮膜の剥離
や列開などの大きな異常が認められず、着色酸化
皮膜層のチタン系インプラント表面への密着性は
良好であつた。更にレジンとの接着テストの結
果、陽極酸化処理サンプルは無処理サンプルと比
較すると、約30%ほど接着力が増していることが
判つた。 叙上の如く、本発明によれば、チタン系義歯床
用金属部材に陽極酸化処理を施すことにより美麗
でかつ人体の歯肉色や粘膜色に近似した色調を有
する酸化チタンを主成分とする緻密な被覆層の形
成により強度が大きく耐久性に富み、レジンとの
接着力も高く、かつインプラント基体からの金属
イオンの溶出の少ない上、外観的に異和感のない
チタン系義歯床用金属部材を安価に提供すること
ができる。
3000Åの酸化チタンを主成分とするコート層を被
着せしめることにより、均一な黄金色から歯肉色
に近いピンク色〜濃赤紫色を呈する表面をした金
属材を得ることができ、このような範囲でコート
層の厚さを調整することにより最適の歯肉色をも
つた美麗な義歯床用金属部材を得ることができ
た。 このようにして製作した義歯床用金属部材を塩
酸HClおよび水酸化カリウムKOH5%水溶液中に
1時間、5時間、10時間浸漬したがいずれの場合
も何らの変化も生じなかつた。 また屈曲テストでは約15°付近まで皮膜の剥離
や列開などの大きな異常が認められず、着色酸化
皮膜層のチタン系インプラント表面への密着性は
良好であつた。更にレジンとの接着テストの結
果、陽極酸化処理サンプルは無処理サンプルと比
較すると、約30%ほど接着力が増していることが
判つた。 叙上の如く、本発明によれば、チタン系義歯床
用金属部材に陽極酸化処理を施すことにより美麗
でかつ人体の歯肉色や粘膜色に近似した色調を有
する酸化チタンを主成分とする緻密な被覆層の形
成により強度が大きく耐久性に富み、レジンとの
接着力も高く、かつインプラント基体からの金属
イオンの溶出の少ない上、外観的に異和感のない
チタン系義歯床用金属部材を安価に提供すること
ができる。
Claims (1)
- 1 チタン又はチタン合金より成る金属材の表面
に厚さが1500〜3000Åの酸化チタンを主成分とす
るコート層を被着せしめ、天然歯肉色に近似した
色調をもたせたことを特徴とするチタン系義歯床
用金属部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59110586A JPS60253439A (ja) | 1984-05-29 | 1984-05-29 | チタン系義歯床用金属部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59110586A JPS60253439A (ja) | 1984-05-29 | 1984-05-29 | チタン系義歯床用金属部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60253439A JPS60253439A (ja) | 1985-12-14 |
JPH0526491B2 true JPH0526491B2 (ja) | 1993-04-16 |
Family
ID=14539602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59110586A Granted JPS60253439A (ja) | 1984-05-29 | 1984-05-29 | チタン系義歯床用金属部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60253439A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6125548A (ja) * | 1984-07-13 | 1986-02-04 | 西山ステンレスケミカル株式会社 | 義歯用補綴物の製造方法 |
JP4911855B2 (ja) * | 2001-10-17 | 2012-04-04 | 正 小久保 | 生体親和性に優れた骨代替材料の製造方法 |
NZ551893A (en) * | 2004-07-06 | 2009-12-24 | Synthes Gmbh | Interference generating, colored coating for surgical implants and instruments |
JP2006299388A (ja) * | 2005-04-25 | 2006-11-02 | Nippon Oil Corp | 多孔質チタン−チタン酸化物複合体の製造方法 |
WO2013130431A1 (en) * | 2012-03-02 | 2013-09-06 | DePuy Synthes Products, LLC | Anodized titanium devices and related methods |
-
1984
- 1984-05-29 JP JP59110586A patent/JPS60253439A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60253439A (ja) | 1985-12-14 |
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