JPH0526459B2 - - Google Patents

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JPH0526459B2
JPH0526459B2 JP58240960A JP24096083A JPH0526459B2 JP H0526459 B2 JPH0526459 B2 JP H0526459B2 JP 58240960 A JP58240960 A JP 58240960A JP 24096083 A JP24096083 A JP 24096083A JP H0526459 B2 JPH0526459 B2 JP H0526459B2
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vinegar
moromi
oxygen
fermentation
acetic acid
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Akira Okuhara
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明では高濃度、高品質の食酢を効率良く安
定して製造できる食酢の製造装置に関する。 従来、木材等の削片を通液可能な発酵搭内に詰
め、所酢原料醪を等の上部から供給分散して、自
然流下させつつ発酵を行い、発酵終了後、醪の全
体又はその一部を製品として取り出し、該取り出
した製品量に相当する量の所酢原料醪を新たに補
給し、再び前記の如き流下発酵を反覆して食酢を
製造する方法が知られている。 しかしながら、この方法は酢酸菌が着生した木
材等の削片が示す酢化効率が低く、装置の大型化
を招来し、装置が有害生物により汚染され易く、
又酢化効率が経時的に低下し、高濃度、高品質の
食酢を安定して得られないという欠点を有してい
た。 そこで、本発明者はこのような欠点のない食酢
の製造法を開発すべく、鋭意検討を行つた結果、
ついに本発明を完成した。 すなわち本発明は、酢酸菌を着生した親油性繊
維状担体を詰めた密閉式の発酵搭と、これに食酢
原料醪、酸素含有ガスを強制的に通流させる手段
と、流出する醪、ガスを該発酵搭に環流させる手
段と、該発酵搭の気相内酸素濃度を制御する手段
とを備えたことを特徴とする食酢の製造装置であ
る。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明に用いる親油性繊維状担体としては、親
油性が高い、即ち油に対して馴染み易い、合成樹
脂を素材として繊維状にし、表面積を大きくした
集積体で、布状(例えばメツシユ構造)、綿状、
スポンジ状のもの、或いは不織布構造のもの等が
挙げられる。これは一般に油吸着材としても用い
られるものである。上記親油性繊維状担体の素材
としては、例えばアタクテイク・ポリプロピレ
ン、アイソタクテイツク・ポリプロピレン、プロ
ピレン−エチレンブロツク共重合体、プロピレン
−エチレンランダム共重合体などのプロピレン系
ポリマー、高圧ポリエチレン、中低圧ポリエチレ
ンなどのポリエチレン類、エチレン−酢ビコポリ
マー、ポリスチレン系ポリマー、ポリエステル系
ポリマー及びポリウレタンフオーム、その他親油
性の加工を施したパルプ等が挙げられる。そして
これらは単用又は併用することができる。 また、親油性繊維状担体の具体例としては、
「レオマツト」(住友化学社製)、「ウオセツプ」
(東レ社製)、「オイリーバ」(大和紡績社製)、「ハ
イセパーレ」(チツソ社製)、「タフネル」(三井石
油化学社製)、「ペトレル」(三菱レイヨン社製)、
「オイルソーベント」(住友スリーエム社製)及び
「オルソーブ」(帝人社製)等が挙げられる。 本発明において、親油性繊維状担体を用いるこ
とは極めて重要であつて、従来知られている木材
等の削片や籾殻等、非繊維状担体では効率良く、
高濃度、高品質の食酢を安定して得ることはでき
ない。即ち、本発明で用いる親油性繊維状担体は
有用な酢酸菌が着生し易く、反対に有害な雑細菌
は着生し難いという、食酢の製造に極めて好都合
な性質を有しており、該担体に一担着生した酢酸
菌は、そのまま旺盛に生育し続けることができる
が、塊状、板状、薄片状等の非繊維状担体は繊維
状担体に比べて有用な酢酸菌は着生し難く、反対
に有害な雑細菌が着生し易いので、せつかく担体
に着生した酢酸菌も時間の経過と共に次第に減少
し、これに代わつて雑細菌が増殖するので効率良
く高濃度食酢を安定して製造できない。 次に、担体を詰める発酵搭としては、カラム
状、搭状などの通液可能な形式があるが、前記担
体を詰めることができ、通液可能なものであれば
形状、大きさを選ばない。 そして、これらは複数個直列又は並列に接続し
て用いることもできる。 次に、上記担体に酢酸菌を着生せしめる方法と
しては、いかなる方法でもよいが、例えば酢酸菌
を接種した食酢原料醪を酸素含有ガスと共に発酵
搭の上部から強制的に流入し、担体と食酢原料醪
及び酸素含有ガスを接触せしめ、流出した醪とガ
スはそれぞれ温度及び酸素濃度を調整した後再び
発酵搭の上部から流入し、以下上記操作を継続し
て行う方法が挙げられる。 この方法によれば、15〜20時間で充分な量の酢
酸菌を該担体の表面上に着生することが出来る。
この酢酸菌の着生の終了は、担体から流出してく
る醪の酸度上昇或は酸素消費量(又は酸素吸収
量)の上昇からも知ることができる。 こうして、酢酸菌の着生した担体の酢化効率は
極めて高く、単位体積当りの酢化効率は従来の液
内通気撹拌式発酵法の5倍強に達する場合もあ
る。又この担体を用いると酸素含有ガスと醪の接
触を必要最小限に抑えることが可能であり、酸素
含有ガスと醪の接触は少なく、接触時間も短く、
無用な酸化が行なわれない。従つて、小型の装置
を用いて、高品質の食酢を一定時間内に大量に生
産することができる。 次に、ここで使用される食酢原料醪としては、
通常の食酢の製造法に従つて調製される醪が挙げ
られる。その具体例としては、穀類、芋類などの
含澱粉質原料を糖化、アルコール発酵して得られ
るアルコール含有醸造物、清酒、ブドウ酒などの
酒類、及びアルコールに酢酸菌の栄養物(酒粕浸
出液、麦芽浸出液、酵母エキス、糖類、無機塩
等)を混ぜた溶液等を主原料として用い、これに
雑細菌の汚染を防止するための酢酸又は発酵終了
食酢醪を少量加え、場合によつては更に酢酸菌又
はその培養液を接種し得られた醪が挙げられる。 次に、発酵搭の担体に食酢原料醪と酸素含有ガ
スを強制的に接触通過せしめる手段としては、先
ず原料の流入口及び流出口を有し通液可能な発酵
搭(例えばカラム)に担体を詰め、該流入口を蓋
体等で密閉し、この蓋体と導入口とで形成される
空間に食酢原料醪及び空気、酸素ガス、又はこれ
らの混合ガス等酸素含有ガスを、ポンプ等を用い
て該空間に醪が滞留することなく速やかに浸透で
きるよう強制的に送入し、搭内で醪と酸素含有ガ
スの微的分散流を形成して搭内の担体と順次充分
な接触を行い、次いで搭の流出口から排出する。
或いは、担体を上記と同様に通液可能な発酵搭内
に詰め、流入口は密閉し、又はすることなくここ
に食酢原料醪を流入するとともに、流出口を減圧
に保持することによつて搭内に醪と酸素含有ガス
を吸引し、微的分散流を形成して、発酵搭内の担
体と順次充分な接触を行い酢酸発酵を行うことが
できる。 ここで食酢原料醪及び酸素含有ガスを強制的に
送入することは重要である。即ち、本発明で用い
る担体は水と非常に馴染み難く、はつ水性が強く
て醪に対して浸透抵抗を有するため、強制的に送
入しなければ食酢原料醪に担体内で望ましい速度
で通過させることが困難である。また酢酸菌によ
るアルコールの酢化並びに酢酸菌の生育増殖には
莫大な酸素を必要とするので、強制的に酸素含有
ガスを送入しなければ、発酵搭内で酸素が不足し
担体の酢化能力が低下するばかりでなく、酢酸菌
が死滅する危険性を有する。 ここにおいて使用する酸素含有ガスは発酵搭内
における気相中の酸素濃度を測定し、その値が5
〜60%の範囲となるような濃度の酸素含有ガスと
することが必要で、この範囲外では効率良く酢化
を行うことができない。 そして、流出口から排出される酸素含有ガスは
アルコールや酢酸の蒸気がかなり含まれているの
で、そのまま室内に放出廃棄すると、作業環境が
著しく悪化する。又室外に放出廃棄されると付近
の建物に金属類腐触等の公害問題が生じ、また製
品である食酢の収率、すなわち原料利用率が悪く
なる。したがつて、前記排出ガスは廃棄すること
なく、これに新たに酸素含有ガスを補強して発酵
搭に環流し再利用する。 発酵搭として、比較的長いカラムを用いる場合
やカラムを複数個直列に継いだものを用いる場合
には、カラムの内部で酸素濃度が不足することの
ないように、カラム又はその結合部の途中に酸素
含有ガスを供給することが好ましい。 次に、この食酢原料醪及び酸素含有ガスを担体
に接触通過せしめるには、食酢原料醪、酸素含有
ガス及び担体が互いに充分に接触できる任意の方
法が採用でき、上からばかりでなく、下から、横
から、そして斜めから等、任意の角度から強制流
入可能である。 こうして、食酢原料醪と酸素含有ガスは発酵搭
内において適当な時間滞留し、担体に付着増殖し
た酢酸菌と充分に接触して、酢酸発酵が行なわ
れ、食酢原料醪中のアルコールの酢化が行なわ
れ、発酵搭の流出口から酢化した醪とガス(排出
ガス)が排出される。 流出する醪のうち酢化が終了しているものにつ
いては発酵搭から取り出し、次いで通常の食酢の
製造法にしたがつて熟成、濾過及び成分の規格調
製等を行つた後、殺菌などをして製品とし、一方
取出した分に相当する新たな食酢原料醪を発酵搭
内に流入するが、酢化が終了していないものにつ
いては、これを再び発酵搭内に環流し酢化を終了
させた後上記と同様の処理を行つて製品とする。 以下、本発明の装置の1例を添付図面によつて
示し、さらにその装置を用いた食酢の製造法を示
して本発明をさらに詳細に説明する。 第1図は本発明の食酢の製造装置の1具体例を
示す縦断概略説明図を示し、1は円筒形をなし上
下の開口部を蓋体2で閉鎖された密閉式の発酵搭
で、その内部には酢酸菌を着生させた繊維状担体
3が詰められている。4は醪循環パイプでその途
中に送液ポンプ5を具備しており、その一端を上
記発酵搭の上部空間に連通し、その他端を気液分
離タンク6の下部液相部(醪)7に連通してい
る。また10は気体循環パイプで、その途中に送
気ポンプ9を具備しており、その一端を上記発酵
搭1の上部空間に連通し、その他端を上記気液分
離タンク6上方の気相部8に連通している。11
は給気管でその一端は前記分離タンクの気相部に
連通し、他端は開閉弁12を介して酸素供給装置
13に連通している。14は酸素濃度制御装置で
前記分離タンクの気相部8と前記給気管に介装し
た開閉弁12とに連絡し、該制御装置14によつ
て該分離タンク内気相中の酸素濃度を測定すると
ともに、その測定値を電気的出力に変換せしめ、
この出力によつて該開閉弁12を開閉し、前記発
酵搭内の気相中の酸素濃度を自動的に調製できる
ように構成されている。15は測温体で温度制御
装置16を介して前記醪循環パイプ4内に設けら
れた熱交換器17に連絡し、前記発酵搭内におい
て醪が酢酸菌の発酵適温に保たれるように構成さ
れている。また18は排出パイプであつて、その
一端は前記発酵搭1の底部に連通し、他端は前記
気液分離タンク6の気相部に連通している。また
19は調圧装置であつて、前記気液分離タンク6
の気相部8のガス圧が高くなつた場合には、該気
相部のガスの一部は該調圧装置19を介して排気
できるように構成されている。また20は酢化終
了醪の排出バルブである。 以上説明したことから明らかなように、本発明
は通液可能な発酵搭内に表面積が大きく、酢酸菌
が付着増殖し易い親油性繊維状担体を詰め、これ
に酢酸菌を着生せしめたものを酢酸発酵に利用す
るものであるが、この酢酸菌の増殖環境が、食酢
原料醪と酸素含有ガスの強制的な供給によつて好
適に維持されるものであるから、酢酸菌が親油性
繊維状担体の表面上に多量に着生し、担体の単位
体積当りの酢酸菌体数が増大し、この担体を詰め
た発酵搭の単位容積当りの酢化効率を極めて高い
ものとし、小さな発酵搭で大量の高濃度食酢を短
期間に製造することができる。またこの担体への
酢酸菌の着生及び脱着は極めて容易で、常に活性
の強い酢酸菌を着生させておくことができるの
で、連続的にまたは回分的に繰り返し使用するこ
とができ、特に回分使用の場合、2回目からはラ
グ・タイムが殆んど認められなくなり、食酢醪を
供給すると、短時間のうちに酢化が始まり、更に
また装置が故障で食酢醪の供給が1時停止しても
酢酸菌は死滅することなく、再び食酢醪を供給す
れば再び旺盛な発酵が開始され、食酢を安定して
製造することができる。 また本発明は従来の液内通気撹拌方式及び滴下
式発酵法のように食酢原料醪を気泡又は空気と激
しく長時間接触さるものではなく、発酵搭内にお
いて酢酸菌と食酢原料醪及び酸素含有ガスを短時
間接触し、食酢原料醪が空気に直接接触すること
を極力防止しつつ、酢酸菌の酸化作用のみを液内
通気撹拌方式なみに、またはそれ以上に急速に行
うものであるから、食酢原料醪の成分である原料
酒の優れた香気が損なわれることが無く、また不
必要に食酢原料醪が空気と接触して酸化し、不快
な香り及び味などが生成することなく、香り、味
及び総合の面からみて非常に嗜好性が高く高品質
の食酢を得ることができる。 以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例 1 発酵搭1として内径50mm、長さ300mmの塩ビ管
を用い、この塩ビ管のほぼ中央の担体保持部500
mlに親油性繊維状担体3として「タフネルオイル
プロツター、三井石油化学社製」を詰め、酸素濃
度制御装置14を(三鷹工業社製、デジタル・オ
キシゲン・メーター・タイプ62320」と「山武ハ
ネウエル・コントローラー、0〜100%方式」と
を組み合わせた装置とし、温度制御装置16とし
て「シマデンSR−4000、3位置式制御装置」、熱
交換器17として「ジムロート冷却管」、調圧装
置19として「内径1mm、長さ200mmのガラス
管」、送液ポンプ5として「イワキ・マグネチツ
クポンプ・MD15」、送気ポンプ9として「高槻
電機製作所社製エアーポンプ・ハイブローSSP−
3EBS」、酸素供給装置として酸素ボンベ1500、
開閉弁12として「スキンナー社製エレクトリツ
ク・バルブ・V52HDB23002」、そして気液分離
タンク6として「5下口ビン」を用い、それぞ
れ第1図に示す如くセツトした。 工業技術院微生物工業技術研究所から入手した
酢酸菌No.1菌を用いて調製した種酢、清酒及び水
を用いて酸度1.5%(W/V)、アルコール5%
(W/V)の食酢醪を調製した。 この醪5を送液ポンプ5を動かし装置内に導
入し、800ml/分の流速で装置内を循環させ、ま
た送気ポンプ9を動かし、気相を3/分の送気
量で装置内を循環させ、気液分離タンク6の気相
部8の酸素濃度が低下したら、給気管11から酸
素ガスを供給して、該気相部の酸素濃度を15〜23
%(V/V)保持し、また醪品温を29〜31℃に制
御しつつ酢化を行つた。 この結果、約15時間のラグ・タイム(lag.
time)の後で酸素の吸収並びに酸度の上昇が始
まり、食酢原料醪は仕込後40時間目(ラグ・タイ
ム後25時間目)に発酵が終了し、酸度7.4%、ア
ルコール0.2%、酢酸の収率が理論値の約95%で
ある発酵終了醪4.8を得た。尚、残りの0.2は
装置内に残留していた。 実施例 2 実施例1において、発酵終了醪1を装置内に
残し、3日間空運転した後取出し、新たに実施例
1と同じ食酢醪2.5を導入し、以下実施例1と
同様に酢化を行つた。 仕込後約9時間のラグ・タイムの後で酸素の吸
収並びに酸度の上昇が始まり、仕込後27時間30分
後に、醪の酸度が5%に到達した。次いでアルコ
ール濃度12%の清酒1分を、90ml/時の速さで
装置内に導入し、更に酢化を継続した。その結
果、仕込後47時間目に酸度9.7%、残アルコール
0.2%の発酵終了醪3.5を得た。 また比較のため、上記実施例1において、親油
性繊維状担体を用いる代わりに杉材を薄片にし、
沸騰水中に30分浸し、殺菌と水溶性物質の抽出を
行つたものを密に詰めて用いる以外は上記と全く
同様に酢化を行つた。 その結果、仕込後24時間経過しても酸素の吸収
並びに酸度の上昇は始まらなかつた。そこで、醪
の発酵搭内における流速を800ml/分から100ml/
分に下げて、再度実験を行つた。再度実験開始後
24時間近くで酸素の吸収並びに酸度の上昇が始ま
り、52時間後に酸度が5.3%迄上昇したが、それ
以後は酸度の上昇並びに酸素の吸収が停止し、酢
化の継続が困難となつた。 そこで食酢原料醪を新しいものと入れ換え、再
び仕込を行つたところ、酸度の上昇が始まつた
が、仕込後30時間目に酸度が4%に到達したに止
まり、それ以後は却つて経時的に酸度が低下し、
仕込後48時間目には3.5%迄低下した。 以上、本発明と比較例の結果から、杉材の薄片
に付着増殖した酢酸菌を用いる比較例の方法は第
1回食酢の製造において、酸度5.3%の食酢醪を、
これに続く第2回食酢の製造においては、これよ
り低い酸度4.0%の食酢醪を得るに止まり、酸化
反応を長時間継続すると却つて酸度が低下するこ
とから、高濃度食酢が得られず、またこれを連続
的に、又は繰り返し安定して得られないことが判
る。 これに対して、親油性繊維状担体に着生した酢
酸菌を用いる本発明の方法は、第1回食酢の製造
において、酸度7.4%の高濃度食酢醪が得られ
(実施例1参照)、また数日、空運転の後に行つた
第2回食酢の製造においては、これより高い酸度
9.7%の食酢醪が得られることから、本発明は高
濃度食酢を繰り返し安定して製造することができ
ることが判る。 実施例 3 実施例1において親油性繊維状担体として「ウ
オーセツプ」(東洋レーヨン社製)を用い、実施
例1と同じ食酢醪2.5を使用し、醪の流速を
0.22/分、送気量を5/分とする以外は実施
例1と全く同様にして酢化を行つた。 この結果、仕込開始後約10時間で酸素吸収が始
まり、31時間目に発酵が終了し、酸度7.5%、ア
ルコール0.2%の発酵終了醪を得た。 次に、本実施例で得られた食酢醪と、通常の液
内通気撹拌法で調製した食酢醪(原料は同じもの
を使用)とを酸度5%に調製したのち、訓練され
たパネル20名により官能検査を実施した。官能検
査は〓味により、先ず3点識別法で2者を識別
し、次いで正解者には、そのうち風味、嗜好性の
総合的見地からどちらを好むか答えてもらつた。 その結果を第1表に示す。
【表】 第1表の結果から、本発明による食酢は液内通
気撹拌法によるものと比べて、風味、嗜好性が高
く高品質のものであることが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に使用する食酢の製造
装置の縦断概略説明図である。 1……発酵搭、2……蓋体、3……親油性繊維
状担体、4……醪循環パイプ、5……送液ポン
プ、6……気液分離タンク、7……液相部、8…
…気相部、9……送気ポンプ、10……酸素含有
ガス供給パイプ、11……給気管、12……開閉
弁、13……酸素供給装置、14……酸素濃度制
御装置、15……測温体、16……温度制御装
置、17……熱交換器、18……排出バルブ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 酢酸菌を着生した親油性繊維状担体を詰めた
    密閉式の発酵搭と、これに食酢原料醪、酸素含有
    ガスを強制的に通流させる手段と、流出する醪、
    ガスを該発酵搭に環流させる手段と、該発酵搭の
    気相内酸素濃度を制御する手段とを備えたことを
    特徴とする食酢の製造装置。
JP58240960A 1983-12-22 1983-12-22 食酢の製造装置 Granted JPS60133873A (ja)

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JP58240960A JPS60133873A (ja) 1983-12-22 1983-12-22 食酢の製造装置

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DE3618076A1 (de) * 1986-06-02 1987-12-03 Kernforschungsanlage Juelich Verfahren zur mikrobiellen anaeroben gewinnung von essigsaeure

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JPS60118181A (ja) * 1983-11-30 1985-06-25 Kikkoman Corp 食酢の製造法

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