JPH05264402A - 光導波路型非線形光学素子の結晶方位測定方法 - Google Patents
光導波路型非線形光学素子の結晶方位測定方法Info
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- JPH05264402A JPH05264402A JP6517292A JP6517292A JPH05264402A JP H05264402 A JPH05264402 A JP H05264402A JP 6517292 A JP6517292 A JP 6517292A JP 6517292 A JP6517292 A JP 6517292A JP H05264402 A JPH05264402 A JP H05264402A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光導波路型非線形光学素子のコアの結晶方位
を、正確、確実かつ簡単に測定する方法を提供する。 【構成】 光導波路型非線形光学素子4のコア41に、
光導波路における光の進行方向と直交する方向から、基
本波であるレーザ光6を照射して高調波5を発生させ、
その高調波5の強度を測定して、コア41の結晶方位を
決定する。
を、正確、確実かつ簡単に測定する方法を提供する。 【構成】 光導波路型非線形光学素子4のコア41に、
光導波路における光の進行方向と直交する方向から、基
本波であるレーザ光6を照射して高調波5を発生させ、
その高調波5の強度を測定して、コア41の結晶方位を
決定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形光学材料の単結
晶からなるコアを備えた、光導波路型非線形光学素子
の、当該コアの結晶方位を測定するための、新規な結晶
方位測定方法に関するものである。
晶からなるコアを備えた、光導波路型非線形光学素子
の、当該コアの結晶方位を測定するための、新規な結晶
方位測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近時、種
々の有機化合物の単結晶が、無機材料の単結晶と比較し
て電気的特性、光学的特性に優れることが明らかとな
り、超電導材料、EL(エレクトロルミネッセンス)材
料、PHB(フォトケミカルホールバーニング)材料、
フォトクロミック材料および非線形光学材料等への応用
開発が盛んに進められている。
々の有機化合物の単結晶が、無機材料の単結晶と比較し
て電気的特性、光学的特性に優れることが明らかとな
り、超電導材料、EL(エレクトロルミネッセンス)材
料、PHB(フォトケミカルホールバーニング)材料、
フォトクロミック材料および非線形光学材料等への応用
開発が盛んに進められている。
【0003】中でも有機非線形光学材料は、非線形分極
率の大きな共役化合物であり、無機の非線形光学材料を
上回る大きな非線形光学定数と、高速の光応答性とを有
することが見出され、光波長変換用バルク単結晶、光波
長変換素子、光変調器等の2次の非線形光学効果を利用
した非線形光学素子や、あるいは、光双安定素子、光シ
ャッター、光位相共役素子等の3次の非線形光学効果を
利用した非線形光学素子への応用開発が進められてい
る。
率の大きな共役化合物であり、無機の非線形光学材料を
上回る大きな非線形光学定数と、高速の光応答性とを有
することが見出され、光波長変換用バルク単結晶、光波
長変換素子、光変調器等の2次の非線形光学効果を利用
した非線形光学素子や、あるいは、光双安定素子、光シ
ャッター、光位相共役素子等の3次の非線形光学効果を
利用した非線形光学素子への応用開発が進められてい
る。
【0004】非線形光学素子に使用される有機非線形光
学材料の単結晶は、均質性、透明性等の光学的特性に優
れることが要求される。また、上記有機非線形光学材料
の単結晶は、屈折率や非線形光学定数の大きさが、結晶
方位に依存して異なった値を示す、いわゆる異方性を有
するため、非線形光学素子を製造する際には、大きな非
線形光学効果を得るために、単結晶に入射する光の伝播
方向や偏光方向を、特定の結晶方位と一致させる必要が
ある。
学材料の単結晶は、均質性、透明性等の光学的特性に優
れることが要求される。また、上記有機非線形光学材料
の単結晶は、屈折率や非線形光学定数の大きさが、結晶
方位に依存して異なった値を示す、いわゆる異方性を有
するため、非線形光学素子を製造する際には、大きな非
線形光学効果を得るために、単結晶に入射する光の伝播
方向や偏光方向を、特定の結晶方位と一致させる必要が
ある。
【0005】例えば2−メチル−4−ニトロアニリンの
単結晶の場合、2次の非線形光学テンソルのうち最大の
成分は、d11(=240pm/V)であることが知られて
おり、このd11を光波長変換等に利用するには、単結晶
に入射するレーザ光の偏光方向を、誘電主軸の1つであ
るx軸と一致させる必要がある。大きな非線形光学効果
を得るための他の条件としては、非線形光学材料の単結
晶に、強い電場を長い距離に亘って印加すること、ある
いは、単結晶中での基本波の光強度を、長い距離に亘っ
て高いレベルに維持すること、があげられる。
単結晶の場合、2次の非線形光学テンソルのうち最大の
成分は、d11(=240pm/V)であることが知られて
おり、このd11を光波長変換等に利用するには、単結晶
に入射するレーザ光の偏光方向を、誘電主軸の1つであ
るx軸と一致させる必要がある。大きな非線形光学効果
を得るための他の条件としては、非線形光学材料の単結
晶に、強い電場を長い距離に亘って印加すること、ある
いは、単結晶中での基本波の光強度を、長い距離に亘っ
て高いレベルに維持すること、があげられる。
【0006】上記の要求を満たすものとして、基本波を
狭い領域に閉じ込めて長い距離に亘って伝播させること
ができる、光導波路型非線形光学素子がある。この光導
波路型非線形光学素子は、非線形光学材料の単結晶から
なるコアと、このコアを囲むように形成された、光学ガ
ラス等のアモルファス材料からなるクラッドとで構成さ
れており、コア中を基本波が導波されるようにしたもの
である。光導波路型非線形光学素子には、コアおよびク
ラッドの形状によって、ファイバ型のものとチャンネル
型のものとがある。
狭い領域に閉じ込めて長い距離に亘って伝播させること
ができる、光導波路型非線形光学素子がある。この光導
波路型非線形光学素子は、非線形光学材料の単結晶から
なるコアと、このコアを囲むように形成された、光学ガ
ラス等のアモルファス材料からなるクラッドとで構成さ
れており、コア中を基本波が導波されるようにしたもの
である。光導波路型非線形光学素子には、コアおよびク
ラッドの形状によって、ファイバ型のものとチャンネル
型のものとがある。
【0007】光導波路型非線形光学素子は、例えば図4
に示すファイバ型非線形光学素子4の場合、入射端面4
aからコア41に基本波6を入射させると、当該基本波
6は、高い光強度を維持しつつコア41中を出射端面4
bの方向へ導波され、その際に非線形光学効果によって
第2高調波、第3高調波等の高調波5が発生して、基本
波6とともに出射端面4bから出射される。
に示すファイバ型非線形光学素子4の場合、入射端面4
aからコア41に基本波6を入射させると、当該基本波
6は、高い光強度を維持しつつコア41中を出射端面4
bの方向へ導波され、その際に非線形光学効果によって
第2高調波、第3高調波等の高調波5が発生して、基本
波6とともに出射端面4bから出射される。
【0008】上記光導波路型非線形光学素子のうちファ
イバ型のものは、クラッドとしての中空ガラス毛細管を
有機非線形光学材料の融液または溶液に浸漬し、毛細管
現象を利用して管内に吸入、充填した後、ブリッジマン
法あるいは溶媒蒸発法によって、管内に非線形光学材料
の単結晶を結晶成長させてコアを形成することで製造さ
れる。またチャンネル型のものは、上記中空ガラス毛細
管に代えて、溝を形成したガラス基板に平面ガラス板を
重ねたクラッドを使用し、あとは上記ファイバ型と同様
にして製造される。
イバ型のものは、クラッドとしての中空ガラス毛細管を
有機非線形光学材料の融液または溶液に浸漬し、毛細管
現象を利用して管内に吸入、充填した後、ブリッジマン
法あるいは溶媒蒸発法によって、管内に非線形光学材料
の単結晶を結晶成長させてコアを形成することで製造さ
れる。またチャンネル型のものは、上記中空ガラス毛細
管に代えて、溝を形成したガラス基板に平面ガラス板を
重ねたクラッドを使用し、あとは上記ファイバ型と同様
にして製造される。
【0009】前記のように有機非線形光学材料の単結晶
は異方性を有するので、光導波路型非線形光学素子にお
いては、コアを構成する有機非線形光学材料の単結晶の
結晶方位が、素子の特性を決定する重要な因子となる。
そこで、毛細管や溝の内壁面を化学的あるいは物理的に
処理して、コアを構成する単結晶の、結晶成長の方向を
制御することが提案されている。
は異方性を有するので、光導波路型非線形光学素子にお
いては、コアを構成する有機非線形光学材料の単結晶の
結晶方位が、素子の特性を決定する重要な因子となる。
そこで、毛細管や溝の内壁面を化学的あるいは物理的に
処理して、コアを構成する単結晶の、結晶成長の方向を
制御することが提案されている。
【0010】しかし現状では、製造された光導波路型非
線形光学素子のコアが、最適な結晶方位になっているか
否かを正確に測定する方法が確立されていないので、単
結晶の結晶成長の方向を制御する場合には特に、製造さ
れた素子の非線形光学特性を実測してコアの結晶方位を
推定し、その結果を製造工程にフィードバックするとい
う試行錯誤を繰り返さねばならず、極めて歩留りが悪い
という問題がある。
線形光学素子のコアが、最適な結晶方位になっているか
否かを正確に測定する方法が確立されていないので、単
結晶の結晶成長の方向を制御する場合には特に、製造さ
れた素子の非線形光学特性を実測してコアの結晶方位を
推定し、その結果を製造工程にフィードバックするとい
う試行錯誤を繰り返さねばならず、極めて歩留りが悪い
という問題がある。
【0011】X線回折法によってコアの結晶方位を測定
することが、P.Kerkocらによって提案されている(Appl
ied Physics Letters vol.54,P.487-489 )。しかし、
ファイバ型の素子におけるコアの直径は通常10μm以
下であり、また、チャンネル型の素子におけるコアの断
面の寸法も通常10μm角以下であるためX線回折強度
は極めて低く、正確な測定を行うことが難しい。
することが、P.Kerkocらによって提案されている(Appl
ied Physics Letters vol.54,P.487-489 )。しかし、
ファイバ型の素子におけるコアの直径は通常10μm以
下であり、また、チャンネル型の素子におけるコアの断
面の寸法も通常10μm角以下であるためX線回折強度
は極めて低く、正確な測定を行うことが難しい。
【0012】そこで実際には、コアの直径を40μm程
度に拡大した素子のモデルを作製してその結晶方位を測
定し、得られた結果から実際の素子におけるコアの結晶
方位を類推することが行われているが、40μmの直径
の管内で成長した単結晶と、10μm以下の直径の管内
で成長した単結晶とは、必ずしも同一の結晶方位になっ
ているとは限らないので、測定の確実性の点で問題があ
る。特に、多数生産した素子のそれぞれの結晶方位にば
らつきが発生しても、上記方法では、全く検出不可能で
ある。
度に拡大した素子のモデルを作製してその結晶方位を測
定し、得られた結果から実際の素子におけるコアの結晶
方位を類推することが行われているが、40μmの直径
の管内で成長した単結晶と、10μm以下の直径の管内
で成長した単結晶とは、必ずしも同一の結晶方位になっ
ているとは限らないので、測定の確実性の点で問題があ
る。特に、多数生産した素子のそれぞれの結晶方位にば
らつきが発生しても、上記方法では、全く検出不可能で
ある。
【0013】また上記のように、実際の素子以外に測定
のためのモデルを作製しなければならないので、その分
のコストアップと、製造工程の増加も問題となる。また
上記方法では、X線のクラッドガラスによる吸収を防ぐ
ために、当該クラッドガラスをフッ酸等でエッチングし
て、その肉厚を1〜10μm程度まで薄くする必要があ
り、エッチングに多大の時間を要する、クラッドガラス
の種類に応じてエッチングの条件を変更しなければなら
ない、等の問題があり、測定に多大なコストと手間を要
し、素子のコストアップにつながるという問題もある。
のためのモデルを作製しなければならないので、その分
のコストアップと、製造工程の増加も問題となる。また
上記方法では、X線のクラッドガラスによる吸収を防ぐ
ために、当該クラッドガラスをフッ酸等でエッチングし
て、その肉厚を1〜10μm程度まで薄くする必要があ
り、エッチングに多大の時間を要する、クラッドガラス
の種類に応じてエッチングの条件を変更しなければなら
ない、等の問題があり、測定に多大なコストと手間を要
し、素子のコストアップにつながるという問題もある。
【0014】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であって、光導波路型非線形光学素子のコアの結晶方位
を、正確、確実かつ簡単に測定できる結晶方位測定方法
を提供することを目的としている。
であって、光導波路型非線形光学素子のコアの結晶方位
を、正確、確実かつ簡単に測定できる結晶方位測定方法
を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するための、本発明の光導波路型非線形光学素子の結
晶方位測定方法は、光導波路型非線形光学素子のコア
に、光導波路における光の進行方向と直交する方向か
ら、基本波であるレーザ光を照射して高調波を発生さ
せ、その高調波の強度を測定して、コアの結晶方位を決
定することを特徴とする。
決するための、本発明の光導波路型非線形光学素子の結
晶方位測定方法は、光導波路型非線形光学素子のコア
に、光導波路における光の進行方向と直交する方向か
ら、基本波であるレーザ光を照射して高調波を発生さ
せ、その高調波の強度を測定して、コアの結晶方位を決
定することを特徴とする。
【0016】図1は、本発明の結晶方位測定方法を実施
するための測定系の構成の一例を示す概略図である。図
の測定系は、レーザ光源(図示せず)からのレーザ光
(基本波)6を、偏光子rを通して直線偏光させた後、
レンズL1によって集光して、測定対象物であるファイ
バ型非線形光学素子4のコア41に、ファイバの光の進
行方向と直交する方向から照射する。そして、コア41
から発生した第2高調波5をレンズL2によってコリメ
ートし、フィルターFを通してレーザ光6を除去した
後、第2高調波5の強度を、光電子増倍管Pで測定する
ものである。
するための測定系の構成の一例を示す概略図である。図
の測定系は、レーザ光源(図示せず)からのレーザ光
(基本波)6を、偏光子rを通して直線偏光させた後、
レンズL1によって集光して、測定対象物であるファイ
バ型非線形光学素子4のコア41に、ファイバの光の進
行方向と直交する方向から照射する。そして、コア41
から発生した第2高調波5をレンズL2によってコリメ
ートし、フィルターFを通してレーザ光6を除去した
後、第2高調波5の強度を、光電子増倍管Pで測定する
ものである。
【0017】2次の非線形光学テンソルの成分は、一般
に符号dijで表される。この成分は、非線形光学材料の
単結晶に、その誘電主軸jと同一の方向に偏光したレー
ザ光が入射された際に、この誘電主軸jと直交する誘電
主軸iの方向に偏光した第2高調波の発生に寄与する成
分である。例えば単結晶の誘電主軸i,jが、コア41
内で図2(a) に示す方向を向いている場合に、前記測定
系において、コア41に入射させるレーザ光の偏光方向
を偏光子rによって回転させると、発生する第2高調波
の強度は、レーザ光の偏光が誘電主軸jと一致する場
合、すなわち図2(a) 中のθ=0°のときに最大、レー
ザ光の偏光が誘電主軸iと一致する場合、すなわちθ=
90°のときに最小となり、偏光の回転角度180°を
1周期とする変化を示すことになる。
に符号dijで表される。この成分は、非線形光学材料の
単結晶に、その誘電主軸jと同一の方向に偏光したレー
ザ光が入射された際に、この誘電主軸jと直交する誘電
主軸iの方向に偏光した第2高調波の発生に寄与する成
分である。例えば単結晶の誘電主軸i,jが、コア41
内で図2(a) に示す方向を向いている場合に、前記測定
系において、コア41に入射させるレーザ光の偏光方向
を偏光子rによって回転させると、発生する第2高調波
の強度は、レーザ光の偏光が誘電主軸jと一致する場
合、すなわち図2(a) 中のθ=0°のときに最大、レー
ザ光の偏光が誘電主軸iと一致する場合、すなわちθ=
90°のときに最小となり、偏光の回転角度180°を
1周期とする変化を示すことになる。
【0018】また、図2(b) に示すように、単結晶の誘
電主軸jが、図中破線で示すファイバの軸線方向から角
度αだけ傾いている場合には、第2高調波の強度は、レ
ーザ光の偏光が誘電主軸jと一致する場合、すなわち図
2(b) 中のθ=−αのときに最大、レーザ光の偏光が誘
電主軸iと一致する場合、すなわちθ=−α+90°の
ときに最小となり、図2(a) の場合と同様に、偏光の回
転角度180°を1周期とする変化を示すことになる。
電主軸jが、図中破線で示すファイバの軸線方向から角
度αだけ傾いている場合には、第2高調波の強度は、レ
ーザ光の偏光が誘電主軸jと一致する場合、すなわち図
2(b) 中のθ=−αのときに最大、レーザ光の偏光が誘
電主軸iと一致する場合、すなわちθ=−α+90°の
ときに最小となり、図2(a) の場合と同様に、偏光の回
転角度180°を1周期とする変化を示すことになる。
【0019】つまり、図1の測定系を使用すれば、コア
41に入射させるレーザ光の偏光方向を偏光子rによっ
て回転させながら、発生する第2高調波の光強度を測定
することで、コア中における単結晶の誘電主軸の方向を
正確に決定できる。そして、この誘電主軸の方向は、X
線結晶構造解析等の手法により求められる結晶の対称
性、結晶中の分子配列等のデータに基づいて、結晶軸と
の関係が一義的に決まるので、結果として、図1の測定
系によって単結晶の誘電主軸の方向を求めれば、コアの
単結晶の結晶方位を決定することが可能となる。
41に入射させるレーザ光の偏光方向を偏光子rによっ
て回転させながら、発生する第2高調波の光強度を測定
することで、コア中における単結晶の誘電主軸の方向を
正確に決定できる。そして、この誘電主軸の方向は、X
線結晶構造解析等の手法により求められる結晶の対称
性、結晶中の分子配列等のデータに基づいて、結晶軸と
の関係が一義的に決まるので、結果として、図1の測定
系によって単結晶の誘電主軸の方向を求めれば、コアの
単結晶の結晶方位を決定することが可能となる。
【0020】以上のように、本発明の結晶方位測定方法
によれば、光導波路型非線形光学素子のコアに、光導波
路における光の進行方向と直交する方向からレーザ光を
照射して発生させた高調波の強度を測定するだけで、コ
アの単結晶の結晶方位を測定することができる。したが
って、X線回折法を利用する従来の測定方法に比べて、
別に素子のモデルを作ったり、そのモデルのクラッドを
エッチングしたりする等の手間が一切不要で、光導波路
型非線形光学素子のコアの結晶方位を、簡単かつ確実に
測定することができる。しかも、上記結晶方位測定方法
によれば、実際の素子の結晶方位を直接に測定するの
で、測定の確実性が極めて高い。
によれば、光導波路型非線形光学素子のコアに、光導波
路における光の進行方向と直交する方向からレーザ光を
照射して発生させた高調波の強度を測定するだけで、コ
アの単結晶の結晶方位を測定することができる。したが
って、X線回折法を利用する従来の測定方法に比べて、
別に素子のモデルを作ったり、そのモデルのクラッドを
エッチングしたりする等の手間が一切不要で、光導波路
型非線形光学素子のコアの結晶方位を、簡単かつ確実に
測定することができる。しかも、上記結晶方位測定方法
によれば、実際の素子の結晶方位を直接に測定するの
で、測定の確実性が極めて高い。
【0021】なお、以上の説明では、コア41から発生
する第2高調波の強度から、結晶方位を測定していた
が、コア41から発生する第3高調波の強度から、結晶
方位を決定することもできる。
する第2高調波の強度から、結晶方位を測定していた
が、コア41から発生する第3高調波の強度から、結晶
方位を決定することもできる。
【0022】
【実施例】以下に本発明を、実施例に基づいて説明す
る。ファイバ型非線形光学素子の作製 SF5ガラスを用いて、内径2.5μm、外径1mm、
長さ50mmの中空ガラス毛細管を作製し、その毛細管
中に、有機非線形光学材料である1−(4−シアノフェ
ニル)ピロール〔CPRO、融点105℃〕の融液を毛
細管現象を利用して吸入、充填した後、ブリッジマン法
によって融液を冷却して、毛細管の端から単結晶を成長
させ、コアを形成した(ブリッジマン法による詳細な製
法は特開平3−111826号公報参照)。そして、端
面が光軸と垂直となるように切り出して、コア径2.5
μm、クラッド径1mm、長さ5mmのファイバ型非線
形光学素子を作製した。
る。ファイバ型非線形光学素子の作製 SF5ガラスを用いて、内径2.5μm、外径1mm、
長さ50mmの中空ガラス毛細管を作製し、その毛細管
中に、有機非線形光学材料である1−(4−シアノフェ
ニル)ピロール〔CPRO、融点105℃〕の融液を毛
細管現象を利用して吸入、充填した後、ブリッジマン法
によって融液を冷却して、毛細管の端から単結晶を成長
させ、コアを形成した(ブリッジマン法による詳細な製
法は特開平3−111826号公報参照)。そして、端
面が光軸と垂直となるように切り出して、コア径2.5
μm、クラッド径1mm、長さ5mmのファイバ型非線
形光学素子を作製した。
【0023】結晶方位の測定 図1に示す測定系において、レーザ光源としてNd:YA
Gレーザ(波長1.064μm、繰り返し周期1KHz、
ピークパワー120W)を使用し、前項で作製したファ
イバ型非線形光学素子4のコア41に、光導波路におけ
る光の進行方向と直交する方向から、偏光子rによって
直線偏光させたレーザ光を照射して、発生した波長0.
532μmの第2高調波の強度を光電子増倍管Pによっ
て測定した。
Gレーザ(波長1.064μm、繰り返し周期1KHz、
ピークパワー120W)を使用し、前項で作製したファ
イバ型非線形光学素子4のコア41に、光導波路におけ
る光の進行方向と直交する方向から、偏光子rによって
直線偏光させたレーザ光を照射して、発生した波長0.
532μmの第2高調波の強度を光電子増倍管Pによっ
て測定した。
【0024】このとき、入射レーザ光の偏光方向を、フ
ァイバの軸線方向を0°として回転させたところ、図3
に示すように、ファイバの軸線方向に対する偏光の回転
角度θが0°および180°のとき、第2高調波の強度
が最大となった。なお、図の縦軸は、上記第2高調波の
強度が最大となったときを1とする相対的な強度を示し
ている。
ァイバの軸線方向を0°として回転させたところ、図3
に示すように、ファイバの軸線方向に対する偏光の回転
角度θが0°および180°のとき、第2高調波の強度
が最大となった。なお、図の縦軸は、上記第2高調波の
強度が最大となったときを1とする相対的な強度を示し
ている。
【0025】CPRO単結晶は斜方晶系に属し空間群は
Fdd2であることが知られている。また、結晶軸のc
軸が誘電主軸のz軸と一致し、2次の非線形光学テンソ
ル成分のうちd33が最大であって、入射レーザ光の偏光
方向がz軸と一致した時、発生する第2高調波が最大と
なることもわかっている。したがって上記測定結果よ
り、CPRO単結晶の誘電主軸の一つであるz軸が、フ
ァイバの軸線方向と一致することが確認され、このこと
から、前項で作製したファイバ型非線形光学素子のコア
は、CPRO単結晶のc軸がファイバの軸線方向と一致
するものであることがわかった。
Fdd2であることが知られている。また、結晶軸のc
軸が誘電主軸のz軸と一致し、2次の非線形光学テンソ
ル成分のうちd33が最大であって、入射レーザ光の偏光
方向がz軸と一致した時、発生する第2高調波が最大と
なることもわかっている。したがって上記測定結果よ
り、CPRO単結晶の誘電主軸の一つであるz軸が、フ
ァイバの軸線方向と一致することが確認され、このこと
から、前項で作製したファイバ型非線形光学素子のコア
は、CPRO単結晶のc軸がファイバの軸線方向と一致
するものであることがわかった。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、光導波路
型非線形光学素子のコアの結晶方位を、正確、確実かつ
簡単に測定することができる。
型非線形光学素子のコアの結晶方位を、正確、確実かつ
簡単に測定することができる。
【図1】本発明の結晶方位測定方法を実施するための測
定系の構成の一例を示す概略図である。
定系の構成の一例を示す概略図である。
【図2】同図(a)(b)は、それぞれコアを構成する有機非
線形光学材料の単結晶の誘電主軸と、このコアに入射す
るレーザ光の偏光方向との関係を示す図である。
線形光学材料の単結晶の誘電主軸と、このコアに入射す
るレーザ光の偏光方向との関係を示す図である。
【図3】実施例の測定結果を示すグラフである。
【図4】ファイバ型非線形光学素子の動作原理を説明す
る図である。
る図である。
4 ファイバ型非線形光学素子(光導波路型非線形光
学素子) 41 コア 5 高調波 6 レーザ光(基本波)
学素子) 41 コア 5 高調波 6 レーザ光(基本波)
Claims (2)
- 【請求項1】非線形光学材料の単結晶からなるコアを備
えた光導波路型非線形光学素子の、当該コアに、光導波
路における光の進行方向と直交する方向から、基本波で
あるレーザ光を照射して高調波を発生させ、その高調波
の強度を測定して、コアの結晶方位を決定することを特
徴とする光導波路型非線形光学素子の結晶方位測定方
法。 - 【請求項2】レーザ光を直線偏光させるとともに、その
偏光方向を回転させながらコアに照射して、発生する高
調波の光強度の変化を測定し、レーザ光の偏光方向と高
調波の強度との関係から、コアの結晶方位を決定する請
求項1記載の光導波路型非線形光学素子の結晶方位測定
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6517292A JPH05264402A (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | 光導波路型非線形光学素子の結晶方位測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6517292A JPH05264402A (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | 光導波路型非線形光学素子の結晶方位測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05264402A true JPH05264402A (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=13279212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6517292A Pending JPH05264402A (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | 光導波路型非線形光学素子の結晶方位測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05264402A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07260702A (ja) * | 1994-03-24 | 1995-10-13 | Nec Corp | 界面検査方法およびその装置 |
JP2007512539A (ja) * | 2003-11-25 | 2007-05-17 | ザ・ボード・オブ・トラスティーズ・オブ・ザ・レランド・スタンフォード・ジュニア・ユニバーシティ | 材料の光学非線形性プロファイルを決定するための方法 |
US8032322B2 (en) | 2005-03-17 | 2011-10-04 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Apparatus for measuring a frequency-domain optical coherence tomography power spectrum from a sample |
US8082117B2 (en) | 2005-04-05 | 2011-12-20 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Optical image processing using minimum phase functions |
US8150644B2 (en) | 2005-03-17 | 2012-04-03 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Femtosecond spectroscopy using minimum or maximum phase functions |
JP2019219326A (ja) * | 2018-06-21 | 2019-12-26 | 株式会社ディスコ | 結晶方位検出装置、及び結晶方位検出方法 |
-
1992
- 1992-03-23 JP JP6517292A patent/JPH05264402A/ja active Pending
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US8150644B2 (en) | 2005-03-17 | 2012-04-03 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Femtosecond spectroscopy using minimum or maximum phase functions |
US8219350B2 (en) | 2005-03-17 | 2012-07-10 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Apparatus for measuring a frequency-domain optical coherence tomography power spectrum from a sample |
US8874403B2 (en) | 2005-03-17 | 2014-10-28 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Apparatus and method for processing optical coherence tomography imaging data |
US8082117B2 (en) | 2005-04-05 | 2011-12-20 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Optical image processing using minimum phase functions |
US9170599B2 (en) | 2005-04-05 | 2015-10-27 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Optical image processing using maximum or minimum phase functions |
JP2019219326A (ja) * | 2018-06-21 | 2019-12-26 | 株式会社ディスコ | 結晶方位検出装置、及び結晶方位検出方法 |
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